2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1351-1987
割りピン
Split Pins
1. 適用範囲 この規格は,一般に用いる鋼製割りピン(以下,鋼ピンという。),黄銅製割りピン(以下,
黄銅ピンという。)及びステンレス鋼製割りピン(以下,ステンレスピンという。)について規定する。
なお,この規格で鋼ピン,黄銅ピン及びステンレスピンを総称する場合は,単にピンという。
備考 この規格で規定する割りピンの形状・寸法は,ISO 1234-1976 (Split pins−Metric series) によっ
ている。
引用規格:
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS G 3539 冷間圧造用炭素鋼線
JIS G 4315 冷間圧造用ステンレス鋼線
JIS H 3260 銅及び銅合金線
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
対応国際規格:
ISO 1234-1976 Split pins−Metric series
2. 曲げ ピンを次の図のように外側に約90度往復3回繰り返して折り曲げても,割れが生じてはならな
い。ただし,曲げ半径 (r) は,ほぼピン径 (d) とする。
図
2
B 1351-1987
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3. 硬さ 鋼ピンの硬さは,表1による。
表 1
呼び径の区分
mm
ビッカース硬さ
ロックウェル硬
さ
1.6以下 HV180〜240
−
1.6を超え2.5以下 HV160〜220
−
2.5を超えるもの
−
HRB67〜92
4. 形状・寸法 ピンの形状・寸法は,付表による。
5. 外観 ピンの表面は滑らかで,使用上有害な割れ,きず,かえり,さび,密着面のずれなどの欠陥が
あってはならない。
6. 材料 ピンの材料は,原則として,表2による。
表 2
区分
材料
鋼ピン
JIS G 3505(軟鋼線材)のSWRM6〜17又は
JIS G 3539(冷間圧造用炭素鋼線)のSWCH6R〜17R
黄銅ピン
JIS H 3260(銅及び銅合金線)のC 2600 W又はC 2700 W
ステンレスピン JIS G 4315(冷間圧造用ステンレス鋼線)
7. 表面処理 ピンには,一般に表面処理を施さない。特に,めっきその他の表面処理を必要とする場合
は注文者が指定する。
なお,電気めっきを施した鋼ピンは,必要に応じてもろさ除去の処理を行う。
8. 検査 ピンの検査は,次による。ただし,ロット検査における抜取検査方式は,受渡し当事者間の協
定による。
(1) 曲げ検査 ピンの曲げ検査は,2.の規定に適合しなければならない。
(2) 硬さ検査 鋼ピンの硬さ検査は,JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験方式)のビッカース硬さ試験方法,
JIS Z 2245(ロックウェル硬さ試験方法)のロックウェル硬さ試験方法又はこれに準じる方法によっ
て行い3.の規定に適合しなければならない。
(3) 形状・寸法検査 ピンの形状・寸法検査は,直接測定,限界ゲージその他の方法によって行い,4.の
規定に適合しなければならない。
(4) 外観検査 ピンの外観検査は目視によって行い,5.の規定に適合しなければならない。
9. 製品の呼び方 ピンの呼び方は,規格番号又は規格名称,種類,呼び径×長さ (l) 及び材料(1)による。
ただし,特に,指定事項がある場合は,その後に付け加える。
注(1) 材料は,製品材料の一般名称でもよい。
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例:
10. 包装の表示 包装には,外面に次の事項を表示しなければならない。
(1) 規格名称
(2) 呼び径×長さ
(3) 材料(製品材料の一般名称でもよい。)
(4) 数量・指定事項
(5) 製造業者名又はその略号(2)
注(2) 略号には,なるべく登録商標を用いる。
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B 1351-1987
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付表 割りピンの形状・寸法
単位 mm
呼び径
0.6
0.8
1
1.2
1.6
2
2.5
3.2
4
5
6.3
8
10
13
16
20
d
基準寸法
0.5
0.7
0.9
1
1.4
1.8
2.3
2.9
3.7
4.6
5.9
7.5
9.5
12.4 15.4 19.3
許容差
0
−0.1
0
−0.2
0
−0.3
c
基準寸法
1
1.4
1.8
2
2.8
3.6
4.6
5.8
7.4
9.2
11.8
15
19
24.8 30.8 38.6
許容差
0
−0.1
0
−0.2
0
−0.3
0
−0.4
0
−0.6
0
−0.7
0
−0.9
0
−1.2
0
−1.5
0
−1.9
0
−2.4
0
−3.1
0
−3.8
0
−4.8
b
約
2
2.4
3
3
3.2
4
5
6.4
8
10
12.6
16
20
26
32
40
a
最大
1.6
1.6
1.6
2.5
2.5
2.5
2.5
3.2
4
4
4
4
6.3
6.3
6.3
6.3
最小
0.8
0.8
0.8
1.2
1.2
1.2
1.2
1.6
2
2
2
2
3.2
3.2
3.2
3.2
適用す
るボル
ト及び
ピンの
径
ボル
ト
を超え
−
2.5
3.5
4.5
5.5
7
9
11
14
20
27
39
56
80
120
170
以下
2.5
3.5
4.5
5.5
7
9
11
14
20
27
39
56
80
120
170
−
クレビス
ピン(3)
を超え
−
2
3
4
5
6
8
9
12
17
23
29
44
69
110
160
以下
2
3
4
5
6
8
9
12
17
23
29
44
69
110
160
−
ピン穴径
(参考)
0.6
0.8
1
1.2
1.6
2
2.5
3.2
4
5
6.3
8
10
13
16
20
l
4
±0.5
5
±0.5
6
±0.5
8
±0.5
±0.8
10
±0.8
12
±0.8
14
±0.8
16
18
±1.2
20
22
±1.2
25
28
32
±1.2
36
40
±2
45
±2
50
56
63
71
±2
80
90
100
112
125
5
B 1351-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
呼び径
0.6
0.8
1
1.2
1.6
2
2.5
3.2
4
5
6.3
8
10
13
16
20
140
±2
160
±2
180
200
224
250
280
注(3) 軸直角方向の繰返し荷重を受けるクレビスピンの場合は,この表の割りピンより一段階太いものを用いる。
備考1. 呼び径は,ピン穴の径による。
2. dは,先端から2lの間における値とする。
3. 先端の形状は,とがり先でも平先でもよい。そのいずれかを必要とする場合は指定する。
4. 長さ (l) は,太線の枠内とし,枠内の数値は,その許容差を示す。ただし,この表以外のlを特に必要と
する場合は,注文者が指定する。
5. 頭部は,軸心から著しく傾いてはならない。
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B 1351-1987
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見直し調査委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
益 田 亮
相模工業大学名誉教授
山 本 晃
東京電機大学理工学部
江 藤 元 大
千葉工業大学機械工学科
丸 山 一 男
東京工業大学精密工学研究所
寺 田 昌 之
工業技術院標準部機械規格課
菅 原 淳 夫
財団法人日本規格協会
宇田川 鉦 作
日本ねじ研究協会
大 島 久 直
三菱重工業株式会社技術本部技術管理部
大 野 恭 二
いすゞ自動車株式会社特許部技術標準課
谷 口 良 憲
トヨタ自動車株式会社技術管理部第1技術課
矢 作 博 美
日産自動車株式会社テクニカルセンター
明 石 哲 也
株式会社トープラ情報技術室
稲 葉 元 成
レックスノードファスナー株式会社
尾 形 卓
株式会社桂川精螺製作所
園 原 脩 文
アルプス精工株式会社品質管理課
田 中 誠之助
株式会社佐賀鉄工所開発部
八 鳥 芳 夫
株式会社名古屋螺子製作所技術課
山 田 輝 一
株式会社フセラシ
佐 藤 敬 一
ボルト・サトウナベ株式会社
成 島 隆 泰
有限会社成島ネジ営業所
中 村 智 男
日本ねじ研究協会