B 1200:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 形状・寸法 ······················································································································ 3
5 製品仕様························································································································· 4
5.1 一般要求事項 ················································································································ 4
5.2 材料 ···························································································································· 4
5.3 公差 ···························································································································· 4
5.4 機械的性質 ··················································································································· 5
5.5 仕上げ−皮膜 ················································································································ 5
5.6 表面状態 ······················································································································ 5
5.7 受入検査 ······················································································································ 5
6 製品の呼び方 ··················································································································· 5
7 表示······························································································································· 5
7.1 製品の表示 ··················································································································· 5
7.2 包装の表示 ··················································································································· 6
8 相手板材の形状・寸法 ······································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
B 1200:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会
(JFRI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ
によって,JIS B 1200:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
B 1200:2018
締結用部品−フランジ付き六角溶接ナット
Fasteners-Hexagon weld nuts with flange
序文
この規格は,2014年に第2版として発行されたISO 21670を基とし,適合性評価に資するため,技術的
内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ねじの呼びがM5〜M16の並目ねじ及び呼び径が8 mmから16 mmまでの細目ねじで,部
品等級Aのフランジ付き六角溶接ナット(以下,ナットという。)について規定する。
この規格で規定するナットは,JIS B 1051に基づく機械的性質の強度区分10.9以下のボルトに用いる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 21670:2014,Fasteners−Hexagon weld nuts with flange(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0101 ねじ用語
JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法
注記 対応国際規格:ISO 724:1993,ISO general-purpose metric screw threads−Basic dimensions(IDT)
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
注記 対応国際規格:ISO 965-3:1998,ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 3:
Deviations for constructional screw threads(IDT)
JIS B 1010 締結用部品の呼び方
JIS B 1021 締結用部品の公差−第1部:ボルト,ねじ,植込みボルト及びナット−部品等級A,B
及びC
注記 対応国際規格:ISO 4759-1:2000,Tolerances for fasteners−Part 1: Bolts, screws, studs and nuts−
Product grades A, B and C(IDT)
JIS B 1042 締結用部品−表面欠陥 第2部:ナット
注記 対応国際規格:ISO 6157-2:1995,Fasteners−Surface discontinuities−Part 2: Nuts(IDT)
2
B 1200:2018
JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−強度区分を規定したボルト,小ねじ及び
植込みボルト−並目ねじ及び細目ねじ
注記 対応国際規格:ISO 898-1:2013,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 1: Bolts, screws and studs with specified property classes−Coarse thread and fine pitch
thread(IDT)
JIS B 1052-2 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第2部:強度区分を規定したナット−並
目ねじ及び細目ねじ
注記 対応国際規格:ISO 898-2:2012,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 2: Nuts with specified property classes−Coarse thread and fine pitch thread(IDT)
JIS B 1091 締結用部品−受入検査
注記 対応国際規格:ISO 3269:2000,Fasteners−Acceptance inspection(IDT)
JIS B 1099 締結用部品−ボルト,小ねじ,植込みボルト及びナットに対する一般要求事項
注記 対応国際規格:ISO 8992:2005,Fasteners−General requirements for bolts, screws, studs and nuts
(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0101による。
3
B 1200:2018
4
形状・寸法
ナットの形状・寸法は,図1及び表1による。
単位 mm
図1−ナットの形状
4
B 1200:2018
表1−ナットの寸法
単位 mm
ねじの呼び
(参考)
1 000個当たり
D
D×P1 a)
P2 b)
b
c
da
dc
e
f
g
m
s
r1
r2
の概略質量
(ρ=7.85 kg/
dm3)
(kg)
0
−0.2
±0.1 最大 0
−1
最小 ±0.25 ±0.1 最小 最大 h14 ±0.1 ±0.1
M5
−
0.8
2.20 0.8 6
15.5 8.2
1.7
4.0 4.70 5.00 8
0.6
0.3
2.9
M6
−
1
2.70 0.8 7
18.5 10.6
2.0
5.0 6.64 7.00 10
0.6
0.5
5.7
M8
M8 ×1
1.25
2.70 1.0 9.5
22.5 13.6
2.5
6.0 9.64 10.00 13
0.8
0.8
12.2
M10 M10×1.25
M10×1
1.5
2.95 1.2 11.5
26.5 16.9
3.0
7.0 12.57 13.00 16
1.0
1.0
21.8
M12 M12×1.5
M12×1.25 1.75
3.20 1.2 14
30.5 19.4
3.0
8.0 14.57 15.00 18
1.0
1.2
29.4
M14 M14×1.5
2
3.45 1.2 16
33.5 22.4
4.0
8.0 16.16 17.00 21
1.0
1.2
45.8
M16 M16×1.5
2
3.70 1.2 18
36.5
25
4.0
8.0 18.66 19.50 24
1.0
1.2
63.1
注a) P1は,細目ねじのピッチ
b) P2は,並目ねじのピッチ
5
製品仕様
5.1
一般要求事項
ナットに対する一般要求事項は,JIS B 1099による。
5.2
材料
ナットは,炭素含有量Cが0.25 %以下で,炭素当量CEVが0.53 %(質量分率)以下の鋼製とする。た
だし,CEVは次の式で求める。
15
Cu
Ni
5
V
Mo
Cr
6
Mn
C
CEV
+
+
+
+
+
+
=
焼入焼戻しの熱処理の要求がある場合には,熱処理後のナットの硬さは,300 HV10以下とする。
快削鋼は,使用してはならない。
特定の鋼が要求される場合には,受渡当事者間の協定による。
5.3
公差
ナットは,JIS B 1021による部品等級Aとするが,ナットのねじは,JIS B 0205-4に規定する基準寸法
で,その公差域クラスはJIS B 0209-3の6Gとする。
5
B 1200:2018
5.4
機械的性質
ナットは,表2に示す保証荷重試験力を満たさなければならない。保証荷重試験は,JIS B 1052-2に規
定する方法による。
疑義が生じた場合には,溶接突起部を取り除いてから試験を行う。
表2−保証荷重試験力
ねじの呼び(並目)
D
保証荷重試験力
N
ねじの呼び(細目)
D×P1
保証荷重試験力
N
M5
14 800
−
−
M6
20 900
−
−
M8
38 100
M8 ×1
43 100
M10
60 300
M10×1.25
67 300
M10×1
71 000
M12
88 500
M12×1.5
97 800
M12×1.25
102 200
M14
120 800
M14×1.5
138 800
M16
164 900
M16×1.5
185 400
注記 保証荷重試験力は,JIS B 1052-2の表4及び表5の強度区分10の保証荷
重試験力の値と一致している。
5.5
仕上げ−皮膜
ナットは,一般に表面処理を施さない。
ナットは,輸送又は保管の間に腐食する場合があるので,製造業者は,ナットの溶接性を損なわない腐
食防止処置を施さなければならない。
5.6
表面状態
ナットの表面欠陥の限界は,JIS B 1042による。
5.7
受入検査
ナットの受入検査手順は,JIS B 1091による。
6
製品の呼び方
製品の呼び方は,JIS B 1010による。
例1 機械的性質の強度区分10.9のボルトと組み合う ねじの呼びがM10の焼入焼戻しをしない鋼製
のフランジ付き六角溶接ナットの場合。
− フランジ付き六角溶接ナット JIS B 1200−ISO 21670−M10−St
焼入焼戻しを施したナットの場合は,記号“QT”を追加する。
例2 機械的性質の強度区分10.9のボルトと組み合うねじの呼びがM12×1.5の焼入焼戻しを施した
鋼製のフランジ付き六角溶接ナットの場合。
− フランジ付き六角溶接ナット JIS B 1200−ISO 21670−M12×1.5−St−QT
7
表示
7.1
製品の表示
ナットには,ナットの上面に製造業者の識別記号を付けなければならない。
6
B 1200:2018
7.2
包装の表示
この規格の全ての要求事項に適合したナットには,包装の外面に次の事項を表示しなければならない。
a) 規格名称又は規格番号
b) ねじの呼び
c) 材料及び熱処理の有無
d) 数量・指定事項
e) 製造業者名又はその略号(略号には,なるべく登録商標を用いる。)
f)
製造ロット番号(製造業者独自のバーコードなどによる表示でもよい。)
8
相手板材の形状・寸法
相手板材の形状・寸法を,参考のために図2及び表3に示す。
図2−相手板材の形状(ナットは溶接前)
表3−相手板材の寸法
単位 mm
ねじの呼び
鋼板の厚さ a
穴径 dh
D
D×P1
最小
最大
公差H11
M5
−
0.88
1.20
7.0
M6
−
0.88
1.80
8.0
M8
M8 ×1
1.0
2.0
10.5
M10
M10×1.25
M10×1
1.25
2.50
12.5
M12
M12×1.5
M12×1.25
1.5
3.0
14.8
M14
M14×1.5
2.0
3.5
16.8
M16
M16×1.5
2.0
4.0
18.8
7
B 1200:2018
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1200:2018 締結用部品−フランジ付き六角溶接ナット
ISO 21670:2014,Fasteners−Hexagon weld nuts with flange
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
1
一致
2 引用規格
3 用語及び
定義
規格で用いる用語
及び定義の引用規
格を規定。
追加
JIS B 0101を引用。
用語の適合性のために必要。
4 形状・寸
法
3
一致
5 製品仕様 ナットのビッカー
ス硬さの試験力を
規定。
4
変更
ナットの硬さの表示に,硬さを求め
る際の試験力の数値を追記。
試験力の数値を追記することによ
って,内部硬さの測定であること
を明示。
6 製品の呼
び方
呼び方は,JIS B
1010によって,例示
を規定。
5
フランジ付き六角溶接
ナットの呼び方を例示。
追加
呼び方のISO 8991と整合している
JIS B 1010によることを追加。
7 表示
表示事項を規定。
6
ナットの識別記号を規
定。
追加
包装の表示事項を規定に追加。
適合性評価のために必要な表示規
定を追加。
8 相手板材
の形状・寸
法
7
一致
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 21670:2014,MOD
2
B
1
2
0
0
:
2
0
1
8
8
B 1200:2018
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
B
1
2
0
0
:
2
0
1
8