B 1182:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 1
5 形状・寸法 ······················································································································ 1
6 ねじ······························································································································· 2
7 機械的性質 ······················································································································ 2
8 材料······························································································································· 2
9 表面状態 ························································································································· 2
9.1 表面粗さ ······················································································································ 2
9.2 外観 ···························································································································· 2
10 表面処理 ······················································································································· 2
11 試験・検査 ···················································································································· 3
11.1 形状・寸法 ·················································································································· 3
11.2 ねじ ··························································································································· 3
11.3 機械的性質 ·················································································································· 3
11.4 表面状態 ····················································································································· 3
12 製品の呼び方 ················································································································· 3
13 表示 ····························································································································· 3
13.1 製品の表示 ·················································································································· 3
13.2 包装の表示 ·················································································································· 3
B 1182:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会
(JFRI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 1182:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
B 1182:2009
四角ボルト
Square head bolts
1
適用範囲
この規格は,一般に用いる鋼製の四角ボルト(以下,ボルトという。)の特性について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0101 ねじ用語
JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ
JIS B 1010 締結用部品の呼び方
JIS B 1044 締結用部品−電気めっき
JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト
JIS B 1071 ねじ部品の精度測定方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0101による。
4
種類
ボルトの種類は,ねじの呼び径 (d) に対する二面幅 (s) の大きさによって区分し,四角ボルト及び大形
四角ボルトの2種類とする。
なお,四角ボルトのs / dは1.45以上2未満,大形四角ボルトのs / dは2以上とする。
注記 大形四角ボルトは,主として木部の締付けに用いる。
5
形状・寸法
ボルトの形状・寸法は,表1による。
表1−ボルトの形状・寸法
種類
仕上げ程度
形状・寸法
ねじの呼びの範囲
四角ボルト
上
表5
M3〜M24
中
表6
M6〜M24
並
表7
M6〜M24
大形四角ボルト
並
表8
M10〜M24
2
B 1182:2009
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6
ねじ
ボルトのねじは,JIS B 0205-3に規定するメートル並目ねじとし,その公差域クラスは表2による。
なお,電気めっきを施したねじの最大許容寸法は,JIS B 0209-3に規定する4hの最大許容寸法とする。
ただし,溶融亜鉛めっきを施したときのねじの公差は,受渡当事者間の協定による。
表2−ねじの公差域クラス
種類
仕上げ程度
ねじの公差域クラス
四角ボルト
上・中・並
JIS B 0209-3の6g又は8g
大形四角ボルト
並
JIS B 0209-3の8g
7
機械的性質
ボルトの機械的性質は,表3による。
表3−ボルトの機械的性質
種類
機械的性質
強度区分
適用規格
四角ボルト
4.6,4.8
JIS B 1051
大形四角ボルト
4.6
JIS B 1051
8
材料
ボルトの材料は,JIS B 1051の4.(材料)で規定する炭素鋼とする。
9
表面状態
9.1
表面粗さ
ボルトの表面粗さは,表4による。
表4−表面粗さ
仕上げ程度
表面粗さa)
上
座面,円筒部及び頭部上面の表面粗さはRz 25,頭部側面の
表面粗さはRz 50とする。
中
座面の表面粗さはRz 25,円筒部の表面粗さはRz 50とする。
頭部上面及び頭部側面の表面粗さは,特に規定しない。
並
特に規定しない。
注a) 表面粗さは,JIS B 0601による。
9.2
外観
ボルトの外観は,使用上有害な割れ,きず,ばり,かえりなどの表面欠陥があってはならない。
10 表面処理
ボルトには,一般に表面処理を施さない。特にめっき又はその他の表面処理を必要とする場合には,受
渡当事者間の協定による。
なお,電気めっきを施す場合は,JIS B 1044による。
3
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11 試験・検査
11.1 形状・寸法
形状・寸法の検査は,JIS B 1071の3.3(各部の寸法の測定方法)又はこれと同等以上の方法によって行
い,箇条5に適合しなければならない。
11.2 ねじ
ねじの検査は,JIS B 1071の3.2(ねじ精度の測定方法)又はこれと同等以上の方法によって行い,箇条
6に適合しなければならない。
なお,電気めっきを施したねじに対する通りねじリングゲージは,JIS B 0209-3に規定する4h用のもの
を用いる。
11.3 機械的性質
ボルトの機械的性質の検査は,JIS B 1051の6.(機械的及び物理的性質の試験項目)及び8.(試験方法)
によって行い,箇条7の規定に適合しなければならない。
なお,受渡し時における機械的性質の検査は,受渡当事者間の協定に基づいて試験成績表を確認するな
どの行為によって検査の一部を省略することができる。
11.4 表面状態
表面状態は,次による。
a) 表面粗さの検査は,JIS B 1071の3.1(表面粗さの測定方法)又はこれと同等以上の方法によって行い,
9.1の規定に適合しなければならない。
b) 外観の検査は,目視によって行い,9.2の規定に適合しなければならない。
12 製品の呼び方
ボルトの呼び方は,JIS B 1010による。
なお,ねじの公差域クラス及び仕上げ程度は,ねじの呼び×呼び長さの後に付け加える。ねじ部長さを
注文者が指定した場合には,その長さの値をねじの呼び長さの後に括弧を付けて示す。ねじ先の形状,表
面処理の種類などの指定事項が注文者からある場合は,必要に応じて付け加える。
例1 四角ボルトで,ねじの呼びがM8,呼び長さが40 mm,ねじ部長さが30 mm,ねじの公差域ク
ラスが6g,仕上げ程度が中,強度区分が4.8の場合:
四角ボルト JIS B 1182−M8×40 (30)−6g−中−4.8
例2 大形四角ボルトで,ねじの呼びがM10,呼び長さが50 mm,ねじの公差域クラスが8g,仕上げ
程度が並,強度区分が4.6,ねじ先が丸先の場合:
大形四角ボルト JIS B 1182−M10×50−8g−並−4.6−丸先
13 表示
13.1 製品の表示
製品の表示については,JIS B 1051の9.3(製品の表示)による。
13.2 包装の表示
包装には,外面に次の事項を表示しなければならない。
a) 規格番号又は規格名称
b) 種類
c) ねじの呼び×呼び長さ(ねじ部長さを注文者が指定した場合には,その長さの値を呼び長さの後に括
4
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弧を付けて示す。)
d) ねじの公差域クラス
e) 強度区分
f)
仕上げ程度
g) 指定事項(例えば,めっきの指定)
h) 数量
i)
製造業者名又はその略号
5
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表5−四角ボルト・上
単位 mm
ねじの呼び
(d)
ds
k
s
e
dk'
r
da
z
A−B
E及びF
基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差
約
約
最小 最大
約
最大
最大
M3
3
0
−0.1
2
±0.1
5.5
0
−0.2
7.8
5.3 0.1
3.6
0.6
0.2
1°
M4
4
2.8
7
9.9
6.8 0.2
4.7
0.8
0.2
M5
5
3.5 ±0.15
8
11.3
7.8 0.2
5.7
0.9
0.3
M6
6
4
10
14.1
9.8 0.25
6.8
1
0.3
M8
8
0
−0.15
5.5
13
0
−0.25
18.4 12.5 0.4
9.2
1.2
0.4
M10
10
7
±0.2
17
24
16.5 0.4
11.2
1.5
0.5
M12
12
0
−0.2
8
19
0
−0.35
26.9 18
0.6
14.2
2
0.7
(M14)
14
9
22
31.1 21
0.6
16.2
2
0.7
M16
16
10
24
33.9 23
0.6
18.2
2
0.8
(M18)
18
12
27
38.2 26
0.6
20.2
2.5
0.9
M20
20
13
30
42.4 29
0.8
22.4
2.5
0.9
(M22)
22
14
32
0
−0.4
45.3 31
0.8
24.4
2.5
1.1
M24
24
15
36
50.9 34
0.8
26.4
3
1.2
ねじの呼びに括弧を付けたものは,できるだけ用いないのがよい。
注記 ねじ部品各部の寸法記号は,JIS B 0143を参照。
注a) 呼び長さ (l),ねじ部長さ (b) 及び不完全ねじ部の長さ (x) は,表9による。
b) ねじ先は,ねじの呼びM6以下はあら先,M6を超えるものは面取り先又は丸先とし,そのいずれかを
注文者が指定する。
c) 転造ねじの場合は,M6以下のものは,注文者の指定がない限りdsをほぼねじの有効径とする。また,
M6を超えるものは,注文者の指定によってdsをほぼねじの有効径とすることができる。
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表6−四角ボルト・中
単位 mm
ねじの呼び
(d)
ds
k
s
e
dk'
r
da
z
A−B
E
F
基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 約
約
最小 最大 約
最大
最大 最大
M6
6
0
−0.2
4
±0.25 10
0
−0.6
14.1
9.8 0.25
6.8
1
0.3
1°
2°
M8
8
5.5
13
0
−0.7
18.4 12.5 0.4
9.2
1.2
0.4
M10
10
7
±0.3
17
24
16.5 0.4
11.2
1.5
0.5
M12
12
0
−0.25
8
19
0
−0.8
26.9 18
0.6
14.2
2
0.7
(M14)
14
9
22
31.1 21
0.6
16.2
2
0.7
M16
16
10
±0.35 24
33.9 23
0.6
18.2
2
0.8
(M18)
18
12
27
38.2 26
0.6
20.2
2.5
0.9
M20
20
0
−0.35
13
30
42.4 29
0.8
22.4
2.5
0.9
(M22)
22
14
32
0
−1
45.3 31
0.8
24.4
2.5
1.1
M24
24
15
36
50.9 34
0.8
26.4
3
1.2
ねじの呼びに括弧を付けたものは,できるだけ用いないのがよい。
注記 ねじ部品各部の寸法記号は,JIS B 0143を参照。
注a) 呼び長さ (l),ねじ部長さ (b) 及び不完全ねじ部の長さ (x) は,表9による。
b) ねじ先は,ねじの呼びM6はあら先,M6を超えるものは面取り先又は丸先とし,そのいずれかを注文
者が指定する。
c) 転造ねじの場合は,M6のものは,注文者の指定がない限りdsをほぼねじの有効径とする。また,M6
を超えるものは,注文者の指定によってdsをほぼねじの有効径とすることができる。
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表7−四角ボルト・並
単位 mm
ねじの呼び
(d)
ds
k
s
e
dk'
r
da
z
A−B
E及びF
基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差
約
約
最小 最大
約
最大
最大
M6
6 +0.6
−0.15
4
±0.6
10
0
−0.6
14.1
9.8 0.25 7.2
1
0.5
2°
M8
8 +0.7
−0.2
5.5
13
0
−0.7
18.4 12.5 0.4
10.2
1.2
0.6
M10
10
7
±0.8
17
24
16.5 0.4
12.2
1.5
0.7
M12
12 +0.9
−0.2
8
19
0
−0.8
26.9 18
0.6
15.2
2
1
(M14)
14
9
22
31.1 21
0.6
17.2
2
1.1
M16
16
10
±0.9
24
33.9 23
0.6
19.2
2
1.2
(M18)
18
12
27
38.2 26
0.6
21.2
2.5
1.4
M20
20 +0.95
−0.35
13
30
42.4 29
0.8
24.4
2.5
1.5
(M22)
22
14
32
0
−1
45.3 31
0.8
26.4
2.5
1.6
M24
24
15
36
50.9 34
0.8
28.4
3
1.8
ねじの呼びに括弧を付けたものは,できるだけ用いないのがよい。
注記 ねじ部品各部の寸法記号は,JIS B 0143を参照。
注a) 呼び長さ (l),ねじ部長さ (b) 及び不完全ねじ部の長さ (x) は,表9による。
b) ねじ先は,M6のものはあら先,M6を超えるものは面取り先又は丸先とし,そのいずれかを注文者が指定する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8−大形四角ボルト・並
単位 mm
ねじの呼び
(d)
ds
k
s
e
dk'
r
da
z
A−B
E及びF
基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差
約
約
最小 最大
約
最大
最大
M10
10 +0.7
−0.2
7 ±0.6
24
0
−0.8
33.9
23
0.4
12.2
1.5
0.7
2°
M12
12 +0.9
−0.2
8 ±0.8
30
42.2
29
0.6
15.2
2
1
M16
16
10
36
0
−1
50.9
34
0.6
19.2
2
1.2
M20
20 +0.95
−0.35
13 ±0.9
41
58
39
0.8
24.4
2.5
1.5
(M22)
22
14
46
65.1
44
0.8
26.4
2.5
1.6
M24
24
15
55
0
−1.2
77.8
53
0.8
28.4
3
1.8
ねじの呼びに括弧を付けたものは,できるだけ用いないのがよい。
注記 ねじ部品各部の寸法記号は,JIS B 0143を参照。
注a) 呼び長さ (l),ねじ部長さ (b) 及び不完全ねじ部の長さ (x) は,表9による。
b) ねじ先は,面取り先又は丸先とし,そのいずれかを注文者が指定する。
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表9−四角ボルトの呼び長さ(l)とねじ部長さ(b)
単位 mm
四角ボルトの
呼び長さ
(l)a)c)
ねじの呼び (d)
M3
M4
M5
M6
M8
M10 M12 (M14) M16 (M18) M20 (M22) M24
ねじ部長さ (b)c)
5
6
(7)
8
(9)
10
(11)
12
14
12
16
14
(18)
16
20
(22)
18
25
(28)
22
30
26
(32)
35
(38)
30
40
34
45
38
50
42
55
46
60
50
65
54
70
75
80
85
90
(95)
100
(105)
110
(115)
120
(125)
130
36
40
44
48
52
56
60
140
150
160
170
180
190
200
10
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表9−四角ボルトの呼び長さ(l)とねじ部長さ(b)(続き)
l及びbは,特に必要がある場合には,指定によって表9以外のものを使用することができる。
注a) 太線の枠内は,各ねじの呼びに対して推奨する呼び長さ (l)であって,枠内の数値は,推奨するねじ部
長さ (b)を示し,斜線を施した部分は全ねじとする。
なお,四角ボルトの呼び長さ(l)に括弧を付けたものは,できるだけ用いない。
b) xは約2山,aは約3山とする。
c) 呼び長さ (l)及びねじ部長さ (b)の許容差は,注文者の指定がない限り,表10及び表11による。
表10−四角ボルトの呼び長さ(l)の許容差
単位 mm
四角ボルトの呼び
長さ(l)の区分
仕上げ程度
上・中
並
ねじの呼び
M3〜M24
M6〜M24
50以下
±0.5
±1
50を超え120以下
±0.7
±1.4
120を超えるもの
±0.9
±1.8
表11−ねじ部長さ(b)の許容差
単位 mm
ねじ部長さ(b)の
区分
仕上げ程度
上・中
並
30以下
+3
0
+5
0
30を超え 50以下
+4
0
+6
0
50を超えるもの
+5
0
+8
0
参考文献 JIS B 0143 ねじ部品各部の寸法の呼び及び記号