B 1129:2004 (ISO 10510:1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会(JFRI)/財団法人日本規格
協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10510:1999,Tapping screw and
washer assemblies with plain washersを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1129:2004
(ISO 10510:1999)
平座金組込みタッピンねじ
Tapping screw washer assemblies with plain washers
序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 10510:1999,Tapping screw and washer assemblies
with plain washersを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格であ
る。
1. 適用範囲 この規格は,頭部座面が平らで,JIS B 1055による機械的性質をもつST2.2〜ST9.5の平座
金組込みタッピンねじの要求事項について規定する。
平座金は,組込み後,ねじから脱落せずに自由に回転するものとする。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 10510:1999,Tapping screw and washer assemblies with plain washers (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1055 タッピンねじ−機械的性質
備考 ISO 2702:1992 Heat-treated steel tapping screws−Mechanical properties が,この規格と一致し
ている。
JIS B 1115 すりわり付きタッピンねじ
備考 ISO 1481:1983 Slotted pan head tapping screwsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等
である。
JIS B 1122 十字穴付きタッピンねじ
備考 ISO 7049:1983 Cross recessed pan head tapping screwsからの引用事項は,この規格の該当事
項と同等である。
JIS B 1123 六角タッピンねじ
備考 ISO 1479:1983 Hexagon head tapping screwsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等
である。
JIS B 1257 座金組込みタッピンねじ用平座金−並形及び大形系列−部品等級A
備考 ISO 10669:1999 Plain washers for tapping screw and washer assemblies−Normal and large series
−Product grade Aが,この規格と一致している。
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
備考 ISO 6507-1:1997 Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1:Test methodからの引用事項
2
B 1129:2004 (ISO 10510:1999)
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は,この規格の該当事項と同等である。
3. 形状・寸法 座金を組み込むタッピンねじの寸法は,次の事項を除いてそれぞれの部品規格に適合し
なければならない。
− ねじの首下の軸径(ds)は,JIS B 1257に規定する座金が自由に回転できる寸法とする。
− 首下から第1完全ねじ山までの許容寸法は,JIS B 1257に規定する座金の最大許容厚さだけ増やす。
− 丸み移行円の径daは,呼び径とねじ転造径との間の寸法とする。
形状・寸法は,図1〜図3及び表1による。
図 1 六角タッピンねじ(C形)
図 2 なべタッピンねじ(F形)
3
B 1129:2004 (ISO 10510:1999)
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図 3 丸み移行円の径da及び首下の軸径ds
表 1 寸法
単位 mm
ねじの呼び
a(2)
da
座金寸法(1)
並形−種類N
大形−種類L
h
d2
h
d2
最大
最大
基準寸法
最大
基準寸法
最大
ST2.2
0.8
2.1
1
5
1
7
ST2.9
1.1
2.8
1
7
1
9
ST3.5
1.3
3.3
1
8
1
11
ST4.2
1.4
4.03
1
9
1
12
ST4.8
1.6
4.54
1
10
1.6
15
ST5.5
1.8
5.22
1.6
12
1.6
15
ST6.3
1.8
5.93
1.6
14
1.6
18
ST8
2.1
7.76
1.6
16
2
24
ST9.5
2.1
9.43
2
20
2.5
30
注(1) 参考のためにJIS B 1257から抜粋した寸法。
(2) 寸法aは,座金をねじの座面又は首下丸みに接触するまで組み込んだ状態で測定する。
4. 仕様及び適用規格 座金組込みタッピンねじを構成するねじの機械的性質は,JIS B 1055の規定によ
る。組み込んだ後に熱処理した座金の硬さは,90〜320HVとする。
ビッカース硬さ試験は,JIS Z 2244による。
− 厚さの基準寸法h≦1.2 mm:試験荷重 HV10
− 厚さの基準寸法h>1.2 mm:試験荷重 HV30
座金には,組み込みの前に熱処理の際に生じる有害な浸炭を防止するため,例えば,銅めっきなどの適
切な処理を施す。
4
B 1129:2004 (ISO 10510:1999)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 製品の呼び方 座金組込みタッピンねじの製品の呼び方は,次による。
− 製品の種類
− この規格の番号
− ねじの種類
− タッピンねじの種類を示す記号(表2参照)
− 座金の種類を示す記号(表3参照)
表 2 タッピンねじの種類に対する記号
適用規格
記号
JIS B 1123 六角タッピンねじ
S1
JIS B 1122 十字穴付きなべタッピンねじ
S2
JIS B 1115 すりわり付きなべタッピンねじ
S3
表 3 座金の種類に対する記号
適用規格
外径
記号
JIS B 1257 座金組込みタッピンねじ用平座金
並形
N
大形
L
例1. JIS B 1123(記号 S1)に規定するねじの呼びがST4.2×16,ねじ先がとがり先(C)のタッピンね
じとJIS B 1257に規定する並形の平座金(記号N)とを組み合わせた座金組込み六角タッピン
ねじの呼び方は,次による。
座金組込みタッピンねじJIS B 1129−ISO 10510−ST4.2×16−C−S1−N
2. JIS B 1122(記号S2)に規定するねじの呼びがST4.2×16,ねじ先がとがり先(C),十字穴がZ
形のタッピンねじとJIS B 1257に規定する並形の平座金(記号N)とを組み合わせた座金組込
み十字穴付きなべタッピンねじの呼び方は,次による。
座金組込みタッピンねじJIS B 1129−ISO 10510−ST4.2×16−C−Z−S2−N