B 1056:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号······························································································································· 3
5 ねじ······························································································································· 3
6 潤滑······························································································································· 3
7 プリベリングトルク形ナットの機械的性質 ············································································ 4
8 プリベリングトルク性能に関する要求事項 ············································································ 4
9 試験方法························································································································ 12
9.1 一般 ··························································································································· 12
9.2 保証荷重試験 ··············································································································· 12
9.3 プリベリングトルク試験 ································································································ 12
附属書A(参考)非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験 ······················· 17
附属書B(参考)総合摩擦係数μtotの求め方 ············································································· 18
附属書C(参考)強度区分8及び強度区分10におけるM3及びM4のプリベリングトルク形ナットの
試験締付け力及びプリベリングトルク ··············································································· 19
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 20
B 1056:2019
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究
協会(JFRI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正す
べきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS B 1056:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
B 1056:2019
締結用部品−プリベリングトルク形鋼製ナット−
機能特性
Fasteners-Prevailing torque steel nuts-Functional properties
序文
この規格は,2015年に第5版として発行されたISO 2320を基とし,我が国における使用の実態を反映
するため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,10 ℃〜35 ℃での環境温度範囲で試験したときのプリベリングトルク形鋼製ナットの機能
特性について規定する。
この規格には,プリベリングトルク特性及び締付け特性としての総合摩擦係数を求める試験方法を含む。
この規格は,次の全金属製プリベリングトルク形ナット及び非金属インサート付きプリベリングトルク
形ナット(以下,ナットという。)に適用する。
− ねじの基準山形は,JIS B 0205-1による。
− ねじの呼び径とピッチとの組合せは,JIS B 0205-3による。
− M5〜M39の並目ねじ及びM8×1〜M39×3の細目ねじ。
− ねじの公差は,JIS B 0209-2による。
− 機械的性質は,JIS B 1052-2による。
この規格で規定するプリベリングトルクの値は,実験室での試験条件に基づくものである。
注記1 実使用におけるプリべリングトルクの値は,変わることがある。
注記2 全金属製プリべリングトルク形ナットは,−50 ℃〜150 ℃の温度が使用範囲である。
注記3 非金属インサート付きプリべリングトルク形ナットは,−50 ℃〜120 ℃の温度が使用範囲で
ある。この温度範囲外では,機能特性(トルク及び軸力,プリベリングトルク特性)に影響
を与える可能性がある(附属書A参照)。
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 2320:2015,Fasteners−Prevailing torque steel nuts−Functional properties(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
B 1056:2019
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形
JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
JIS B 0209-2 一般用メートルねじ−公差−第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(は
めあい区分)
注記 対応国際規格:ISO 965-2,ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 2: Limits
of sizes for general purpose external and internal screw threads−Medium quality
JIS B 0251 メートルねじ用限界ゲージ
JIS B 1001 ボルト穴径及びざぐり径
注記 対応国際規格:ISO 273:1979,Fasteners−Clearance holes for bolts and screws
JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−強度区分を規定したボルト,小ねじ及び
植込みボルト−並目ねじ及び細目ねじ
注記 対応国際規格:ISO 898-1:2013,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 1: Bolts, screws and studs with specified property classes−Coarse thread and fine pitch
thread
JIS B 1052-2 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第2部:強度区分を規定したナット−並
目ねじ及び細目ねじ
注記 対応国際規格:ISO 898-2:2012,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 2: Nuts with specified property classes−Coarse thread and fine pitch thread
JIS B 1084 締結用部品−締付け試験方法
注記 対応国際規格:ISO 16047:2005,Fasteners−Torque/clamp force testing
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 1084によるほか,次による。
3.1
プリベリングトルク形ナット(prevailing torque nut)
固有のプリベリングトルク発生部の効果によって,はまり合っているおねじ上を自由に回転せず,かつ,
締付け力又は圧縮力に依存しない回転抵抗をもつナット。
3.2
ナットによるプリベリングトルク(prevailing torque developed by the nut)
締付け力を発生させることなく,ナットをねじ込み又はねじ戻すために必要なトルク。
3.3
ねじ込みプリベリングトルク(prevailing-on torque)
相手側おねじ部品に,締付け力を発生させることなく,ナットをねじ込むときのトルク。
3.4
ねじ戻しプリベリングトルク(prevailing-off torque)
ナットを,締付け力が除去されるまで緩めた後,ナットを360°戻し回転している間に生じるトルク。
3
B 1056:2019
3.5
全金属製プリベリングトルク形ナット(prevailing torque all metal type nut)
1個又は複数の金属製部品で構成され,ねじ山及び/又はナット本体を故意に変形させるか,又は金属
製インサートによってプリベリングトルクを発生させるナット。
3.6
非金属インサート付きプリベリングトルク形ナット(prevailing torque non-metallic insert type nut)
複数の部品で構成され,ナットに組み込んだ非金属製インサートによってプリベリングトルクを発生さ
せるナット。
3.7
着座点(seating point)
締付け作業において,締付け力が生じ始める点。
4
記号
この規格で用いる主な記号は,次による。
D
ねじの呼び径,mm
d4
試験装置の被締結板のボルト穴径,mm
FP
ボルト又はナットの保証荷重試験力,N
F65
FPの65 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の下限値,N
F75
FPの75 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の上限値,N
F80
FPの80 %で,試験締付け力(締付け停止の締付け力),N
P
ねじのピッチ,mm
TFv
ねじ込みプリベリングトルク,N・m
TFd
ねじ戻しプリベリングトルク,N・m
T65
F65におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク,N・m
T75
F75におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク,N・m
T80
F80におけるトルク,N・m
μtot
総合摩擦係数
5
ねじ
プリベリングトルク形ナットのねじは,プリベリングトルク発生部を除き,JIS B 0209-2によるほか,
次による。
a) 非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの場合は,プリベリングトルク発生部の手前まで
JIS B 0251に規定する通り側ねじプラグゲージが手で自由にねじ込めなければならない。
b) 全金属製プリベリングトルク形ナットの場合は,JIS B 0251に規定する通り側ねじプラグゲージの1
ピッチ以上が手で自由にねじ込めなければならない。
6
潤滑
製造業者は,規定の要求事項を満足させるため,ナットに潤滑剤を塗布してもよい。
4
B 1056:2019
7
プリベリングトルク形ナットの機械的性質
プリベリングトルク形ナットの機械的性質は,JIS B 1052-2による。ただし,プリベリングトルク形ナ
ットに対する保証荷重試験の方法は,9.2による。
8
プリベリングトルク性能に関する要求事項
1回目のねじ込みプリベリングトルク値は,表1〜表7の該当するナットの規定値を超えてはならない。
1回目のねじ戻しプリベリングトルク値は,表1〜表7の該当するナットの規定値を超えなければならな
い。
特別の協定がない限り,受渡検査では,1回目のねじ込み及びねじ戻しの試験を行う。
形式試験の場合及び疑義が生じた場合は,特別の協定がない限り5回目のねじ戻し試験を行わなければ
ならない。再使用を重ねると,プリベリングトルクの性能は低下するので,ナットの使用者は,再使用を
する場合,事前に性能低下の影響を考慮しなければならない。
使用者は,附属書Aに従って,非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験を要
求してもよい。
5
B 1056:2019
表1−強度区分04のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
4 320
4 050
3 510
1.6
0.29
0.2
M6
6 112
5 730
4 966
3
0.45
0.3
M7
8 800
8 250
7 150
4.5
0.65
0.45
M8
11 120
10 425
9 035
6
0.85
0.6
M8×1
11 920
11 175
9 685
M10
17 600
16 500
14 300
10.5
1.5
1
M10×1.25
18 640
17 475
15 145
M10×1
19 600
18 375
15 925
M12
25 600
24 000
20 800
15.5
2.3
1.6
M12×1.5
26 800
25 125
21 775
M12×1.25
28 000
26 250
22 750
M14
34 960
32 775
28 405
24
3.3
2.3
M14×1.5
38 000
35 625
30 875
M16
47 760
44 775
38 805
32
4.5
3
M16×1.5
50 800
47 625
41 275
M18
58 400
54 750
47 450
42
6
4.2
M18×1.5
65 360
61 275
53 105
M20
74 480
69 825
60 515
54
7.5
5.3
M20×1.5
82 720
77 550
67 210
M22
92 080
86 325
74 815
68
9.5
6.5
M22×1.5
101 200
94 875
82 225
M24
107 280
100 575
87 165
80
11.5
8
M24×2
116 720
109 425
94 835
M27
139 520
130 800
113 360
94
13.5
10
M27×2
150 800
141 375
122 525
M30
170 560
159 900
138 580
108
16
12
M30×2
188 800
177 000
153 400
M33
210 960
197 775
171 405
122
18
14
M33×2
231 360
216 900
187 980
M36
248 400
232 875
201 825
136
21
16
M36×3
262 960
246 525
213 655
M39
296 720
278 175
241 085
150
23
18
M39×3
313 120
293 550
254 410
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1052-2に規定する5 mm≦D≦39 mm強度区分04のナット保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
6
B 1056:2019
表2−強度区分05のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
5 680
5 325
4 615
2.1
0.35
0.24
M6
8 000
7 500
6 500
4
0.55
0.4
M7
11 600
10 875
9 425
6
0.85
0.6
M8
14 640
13 725
11 895
8
1.15
0.8
M8×1
15 680
14 700
12 740
M10
23 200
21 750
18 850
14
2
1.4
M10×1.25
24 480
22 950
19 890
M10×1
25 760
24 150
20 930
M12
33 760
31 650
27 430
21
3.1
2.1
M12×1.5
35 200
33 000
28 600
M12×1.25
36 800
34 500
29 900
M14
46 000
43 125
37 375
31
4.4
3
M14×1.5
50 000
46 875
40 625
M16
62 800
58 875
51 025
42
6
4.2
M16×1.5
66 800
62 625
54 275
M18
76 800
72 000
62 400
56
8
5.5
M18×1.5
86 000
80 625
69 875
M20
98 000
91 875
79 625
72
10.5
7
M20×1.5
108 800
102 000
88 400
M22
121 200
113 625
98 475
90
13
9
M22×1.5
133 200
124 875
108 225
M24
141 200
132 375
114 725
106
15
10.5
M24×2
153 600
144 000
124 800
M27
183 600
172 125
149 175
123
17
12
M27×2
198 400
186 000
161 200
M30
224 400
210 375
182 325
140
19
14
M30×2
248 400
232 875
201 825
M33
277 600
260 250
225 550
160
21.5
15.5
M33×2
304 400
285 375
247 325
M36
326 800
306 375
265 525
180
24
17.5
M36×3
346 000
324 375
281 125
M39
390 400
366 000
317 200
200
26.5
19.5
M39×3
412 000
386 250
334 750
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1052-2に規定する5 mm≦D≦39 mm強度区分05のナット保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
7
B 1056:2019
表3−強度区分5のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
4 320
4 050
3 510
1.6
0.29
0.2
M6
6 112
5 730
4 966
3
0.45
0.3
M7
8 800
8 250
7 150
4.5
0.65
0.45
M8
11 120
10 425
9 035
6
0.85
0.6
M8×1
11 920
11 175
9 685
M10
17 600
16 500
14 300
10.5
1.5
1
M10×1.25
18 640
17 475
15 145
M10×1
19 600
18 375
15 925
M12
25 600
24 000
20 800
15.5
2.3
1.6
M12×1.5
26 800
25 125
21 775
M12×1.25
28 000
26 250
22 750
M14
34 960
32 775
28 405
24
3.3
2.3
M14×1.5
38 000
35 625
30 875
M16
47 760
44 775
38 805
32
4.5
3
M16×1.5
50 800
47 625
41 275
M18
58 400
54 750
47 450
42
6
4.2
M18×1.5
65 680
61 575
53 365
M20
74 480
69 825
60 515
54
7.5
5.3
M20×1.5
82 400
77 250
66 950
M22
92 000
86 250
74 750
68
9.5
6.5
M22×1.5
100 800
94 500
81 900
M24
107 200
100 500
87 100
80
11.5
8
M24×2
116 800
109 500
94 900
M27
113 600
106 500
92 300
94
13.5
10
M27×2
123 200
115 500
100 100
M30
139 200
130 500
113 100
108
16
12
M30×2
153 600
144 000
124 800
M33
172 000
161 250
139 750
122
18
14
M33×2
188 800
177 000
153 400
M36
202 400
189 750
164 450
136
21
16
M36×3
214 400
201 000
174 200
M39
242 400
227 250
196 950
150
23
18
M39×3
255 200
239 250
207 350
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) 強度区分5のナットの試験締付け力は,5 mm≦D≦24 mmの場合は強度区分5.8のボルト,D>24 mmの場合
は強度区分4.8のボルトの保証荷重試験力の80 %に等しい。ボルトの保証荷重試験力は,JIS B 1051による。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
8
B 1056:2019
表4−強度区分6のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
5 000
4 688
4 063
1.6
0.29
0.2
M6
7 072
6 630
5 746
3
0.45
0.3
M7
10 160
9 525
8 255
4.5
0.65
0.45
M8
12 880
12 075
10 465
6
0.85
0.6
M8×1
13 760
12 900
11 180
M10
20 400
19 125
16 575
10.5
1.5
1
M10×1.25
21 520
20 175
17 485
M10×1
22 720
21 300
18 460
M12
29 680
27 825
24 115
15.5
2.3
1.6
M12×1.5
31 040
29 100
25 220
M12×1.25
32 400
30 375
26 325
M14
40 480
37 950
32 890
24
3.3
2.3
M14×1.5
44 000
41 250
35 750
M16
55 280
51 825
44 915
32
4.5
3
M16×1.5
58 800
55 125
47 775
M18
67 600
63 375
54 925
42
6
4.2
M18×1.5
76 000
71 250
61 750
M20
86 400
81 000
70 200
54
7.5
5.3
M20×1.5
96 000
90 000
78 000
M22
106 400
99 750
86 450
68
9.5
6.5
M22×1.5
116 800
109 500
94 900
M24
124 000
116 250
100 750
80
11.5
8
M24×2
135 200
126 750
109 850
M27
161 600
151 500
131 300
94
13.5
10
M27×2
174 400
163 500
141 700
M30
197 600
185 250
160 550
108
16
12
M30×2
218 400
204 750
177 450
M33
244 000
228 750
198 250
122
18
14
M33×2
268 000
251 250
217 750
M36
287 200
269 250
233 350
136
21
16
M36×3
304 800
285 750
247 650
M39
343 200
321 750
278 850
150
23
18
M39×3
362 400
339 750
294 450
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分6.8のボルト保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
9
B 1056:2019
表5−強度区分8のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
6 584
6 173
5 350
1.6
0.29
0.2
M6
9 280
8 700
7 540
3
0.45
0.3
M7
13 440
12 600
10 920
4.5
0.65
0.45
M8
16 960
15 900
13 780
6
0.85
0.6
M8×1
18 160
17 025
14 755
M10
26 960
25 275
21 905
10.5
1.5
1
M10×1.25
28 400
26 625
23 075
M10×1
29 920
28 050
24 310
M12
39 120
36 675
31 785
15.5
2.3
1.6
M12×1.5
40 880
38 325
33 215
M12×1.25
42 720
40 050
34 710
M14
53 360
50 025
43 355
24
3.3
2.3
M14×1.5
58 000
54 375
47 125
M16
72 800
68 250
59 150
32
4.5
3
M16×1.5
77 520
72 675
62 985
M18
92 000
86 250
74 750
42
6
4.2
M18×1.5
104 000
97 500
84 500
M20
117 600
110 250
95 550
54
7.5
5.3
M20×1.5
130 400
122 250
105 950
M22
145 600
136 500
118 300
68
9.5
6.5
M22×1.5
160 000
150 000
130 000
M24
169 600
159 000
137 800
80
11.5
8
M24×2
184 000
172 500
149 500
M27
220 000
206 250
178 750
94
13.5
10
M27×2
238 400
223 500
193 700
M30
269 600
252 750
219 050
108
16
12
M30×2
298 400
279 750
242 450
M33
332 800
312 000
270 400
122
18
14
M33×2
365 600
342 750
297 050
M36
392 000
367 500
318 500
136
21
16
M36×3
415 200
389 250
337 350
M39
468 800
439 500
380 900
150
23
18
M39×3
494 400
463 500
401 700
注記1 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注記2 M3及びM4は附属書C参照。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分8.8のボルト保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
10
B 1056:2019
表6−強度区分10のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
9 440
8 850
7 670
2.1
0.35
0.24
M6
13 360
12 525
10 855
4
0.55
0.4
M7
19 200
18 000
15 600
6
0.85
0.6
M8
24 320
22 800
19 760
8
1.15
0.8
M8×1
26 000
24 375
21 125
M10
38 480
36 075
31 265
14
2
1.4
M10×1.25
40 640
38 100
33 020
M10×1
42 800
40 125
34 775
M12
56 000
52 500
45 500
21
3.1
2.1
M12×1.5
58 480
54 825
47 515
M12×1.25
61 120
57 300
49 660
M14
76 400
71 625
62 075
31
4.4
3
M14×1.5
83 200
78 000
67 600
M16
104 000
97 500
84 500
42
6
4.2
M16×1.5
111 200
104 250
90 350
M18
127 200
119 250
103 350
56
8
5.5
M18×1.5
143 200
134 250
116 350
M20
162 400
152 250
131 950
72
10.5
7
M20×1.5
180 800
169 500
146 900
M22
201 600
189 000
163 800
90
13
9
M22×1.5
220 800
207 000
179 400
M24
234 400
219 750
190 450
106
15
10.5
M24×2
255 200
239 250
207 350
M27
304 800
285 750
247 650
123
17
12
M27×2
329 600
309 000
267 800
M30
372 800
349 500
302 900
140
19
14
M30×2
412 000
386 250
334 750
M33
460 800
432 000
374 400
160
21.5
15.5
M33×2
505 600
474 000
410 800
M36
542 400
508 500
440 700
180
24
17.5
M36×3
574 400
538 500
466 700
M39
648 000
607 500
526 500
200
26.5
19.5
M39×3
684 000
641 250
555 750
注記1 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注記2 M3及びM4は附属書C参照。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分10.9のボルト保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
11
B 1056:2019
表7−強度区分12のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
D×P
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M5
11 040
10 350
8 970
2.1
0.35
0.24
M6
15 600
14 625
12 675
4
0.55
0.4
M7
22 400
21 000
18 200
6
0.85
0.6
M8
28 400
26 625
23 075
8
1.15
0.8
M8×1
30 400
28 500
24 700
M10
45 040
42 225
36 595
14
2
1.4
M10×1.25
47 520
44 550
38 610
M10×1
50 160
47 025
40 755
M12
65 440
61 350
53 170
21
3.1
2.1
M12×1.5
68 400
64 125
55 575
M12×1.25
71 440
66 975
58 045
M14
89 600
84 000
72 800
31
4.4
3
M14×1.5
96 800
90 750
78 650
M16
121 600
114 000
98 800
42
6
4.2
M16×1.5
129 600
121 500
105 300
M18
148 800
139 500
120 900
56
8
5.5
M18×1.5
168 000
157 500
136 500
M20
190 400
178 500
154 700
72
10.5
7
M20×1.5
211 200
198 000
171 600
M22
235 200
220 500
191 100
90
13
9
M22×1.5
258 400
242 250
209 950
M24
273 600
256 500
222 300
106
15
10.5
M24×2
297 600
279 000
241 800
M27
356 000
333 750
289 250
123
17
12
M27×2
384 800
360 750
312 650
M30
435 200
408 000
353 600
140
19
14
M30×2
481 600
451 500
391 300
M33
538 400
504 750
437 450
160
21.5
15.5
M33×2
590 400
553 500
479 700
M36
633 600
594 000
514 800
180
24
17.5
M36×3
671 200
629 250
545 350
M39
757 600
710 250
615 550
200
26.5
19.5
M39×3
799 200
749 250
649 350
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分12.9のボルト保証荷重試験力の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
12
B 1056:2019
9
試験方法
9.1
一般
供試ナットは,受け取った状態で試験を行う。
9.2
保証荷重試験
保証荷重試験は,JIS B 1052-2によるほか,次による。
a) 供試ナットは,試験用ボルト(9.3参照)又は試験用硬質マンドレルと組み合わせて試験する。おねじ
の先端側の最初の完全ねじ山を,プリベリングトルク発生部が通過した後,供試ナットが360°回転
する間のねじ込み最大プリベリングトルクを記録し,三つの完全ねじ山が突き出るまで,供試ナット
をねじ込み続ける。疑義が生じた場合の合否判定試験では,非金属インサート付きプリベリングトル
ク形ナットには試験用硬質マンドレルを用い,全金属製プリベリングトルク形ナットには試験用ボル
トを用いる。
試験用ボルト又は試験用硬質マンドレルにナットをねじ込む間に発生する最大プリベリングトルク
は,最初の完全ねじ山を,プリベリングトルク発生部が通過した後に記録した値でなければならない。
b) JIS B 1052-2で規定する保証荷重試験力を,試験用ボルト又は試験用硬質マンドレルの軸方向に,供
試ナット座面に対して作用させ,15秒間保持する。そのとき,供試ナットのねじ山が,せん断破壊又
は破断することなく,この試験力に耐えなければならない。受け取った状態で保証荷重試験の要求事
項を満足する必要がある。
c) 除荷後,供試ナットを,取外し側に半回転戻した後から完全に取り外すまでのねじ戻し中に,発生す
る最大プリベリングトルクは,ねじ込み中に記録した最大プリベリングトルクを超えてはならない。
ナットのねじ部が損傷していない場合,プリベリングトルク試験(9.3参照)で使用したナットを保証荷
重試験で使用してもよい。
9.3
プリベリングトルク試験
9.3.1
一般
この試験方法は,プリベリングトルク形ナットに対して次の特性を同時に求めることができる。
a) 機能特性(ナットによるプリベリングトルク)。
b) JIS B 1084によって試験したときの締付け特性。
9.3.2
試験装置
試験装置は,JIS B 1084による。また,プリベリングトルク測定の精度は,測定値の±5 %とする。
供試ナットが着座したときの試験のセット状態は,図1による。ただし,プリベリングトルクの測定中
に,締付け力が発生しないようにする。
13
B 1056:2019
1
試験用座面板
2
供試ナット
3
ねじの公差域クラス6gを満足した試験用ボルト
4
試験装置(被締結部材)
d4 試験装置の被締結板のボルト穴径
注a) 試験用座面板及びボルトの頭部は,適切な方法によって回り止めを施し,軸合わせを行う。
b) d4は,JIS B 1001の1級による。
c) 3〜5ピッチ
図1−ナットが着座したときの試験セット状態
9.3.3
試験用部品
試験用ボルト及び試験用座面板は,JIS B 1084による。ただし,亜鉛めっきを施したナットの試験には,
亜鉛めっきを施したボルトを無潤滑で用いる。受渡当事者間で特に協定がない限り,その他全てのナット
の試験には,りん酸亜鉛皮膜に油を塗布したボルトを用いる。試験用座面板は,通常,JIS B 1084のタイ
プHHとし,めっきを施さない。試験用部品は再使用してはならない。
また,供試ナットに対する試験用ボルトの強度区分は,表8から選択する。
保証荷重試験(9.2参照)に使用したナットは,プリベリングトルク試験に使用してはならない。
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B 1056:2019
表8−試験用ボルトの強度区分
強度区分
供試ナット
試験用ボルト
04
≧ 8.8
5
≧ 8.8
05
≧10.9
6
≧ 8.8
8
≧ 8.8
10
≧10.9
12
12.9
9.3.4
試験手順
9.3.4.1
初回試験
この試験は,9.3.2に規定した適切な試験装置によって自動で行うか,トルクレンチ及びロードセルとい
った適切な手動機器(9.3.2参照)を使って手動で行う。
疑義が生じた場合は,自動による方法を適用する。
締付け特性の試験条件は,JIS B 1084による。
図1に従って,供試ナットの着座後に,ねじ先がナットのプリベリングトルク発生部から突き出るよう
に,試験用ボルトを締付け力測定装置に取り付ける。
プリベリングトルク発生部がボルトと接触するまで,試験するナットをボルトに手で締め付ける。試験
前に試験用ボルトの端がナットを貫通してはならない。締め付けられたねじ長さは,図1に従って,3〜5
ピッチでなければならない。
試験開始点は,試験用ボルト及び供試ナットをセットし,プリベリングトルクが発生し始める点(図2
に示す点1)とする。点1から試験締付け力がF80に達するまで,連続的かつ等速に回転する。F80の値は
表1〜表7による。締付け力がF75のときのトルクT75を記録し,総合摩擦係数の評価に用いる。
F75における正確な評価を行うために,F80の値は,試験装置の停止信号として用いる。
着座点(図2に示す点3)が決まり,点1と点3との間で,ねじ込みプリベリングトルクの最大値TFv,max
(図2に示す点2)を求める。その値は,表1〜表7で規定する1回目のねじ込みプリベリングトルクの
上限の値を超えてはならない。
次に,供試ナットの締付け力がゼロになる(図2に示す点4)まで戻しトルクを加える。ナットが更に
360°ねじ戻す間に生じる,最大のねじ戻しプリベリングトルクTFd,max(図2に示す点5)を求める。その
値は,表1〜表7で規定する1回目のねじ戻しトルク下限の値に等しいか又は大きくなければならない。
図2に示す点6は,図2に示す点4の角度位置から360°差し引いた角度に当たる。
その後,最初の角度位置(図2に示す点1)まで,供試ナットを戻して外す。
ナットを緩める間,試験締付け力がF80から点1まで,連続的かつ等速に回転する。
供試ナットを完全に外した後,供試ナット及び試験用ボルトのねじに損傷があってはならない。疑義が
生じた場合には,試験用ボルトをJIS B 0251に規定するねじリングゲージで判定する。
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B 1056:2019
点1 ねじ込みプリベリングトルクが発生し始める,TFvの測定開始点
点2 ねじ込みプリベリングトルク
点3 着座点,TFvの測定終了点
点4 試験用座面板又は座金から離れ始める,TFdの測定開始点
点5 ねじ戻しプリベリングトルク
点6 TFdの測定終了点
F
締付け力
T
トルク
θ
回転角
図2−トルク−締付け力−回転角曲線
9.3.4.2
5回目のねじ戻し試験
5回目のねじ戻しの値を求める場合は,点1と点3との間だけで,9.3.4.1の手順を更に4回繰り返す。
5回目のねじ戻しの際,ナットが360°回転する間に発生する最大のねじ戻しプリベリングトルクを図2
に従って測定する。このトルクは,表1〜表7による5回目のねじ戻しプリベリングトルクの下限の値に
等しいか又は大きくなければならない。
供試ナット又は試験用ボルトのねじに損傷があってはならない。疑義が生じた場合には,試験用ボルト
をJIS B 0251に規定するねじリングゲージで判定する。
9.3.5
試験報告書
試験報告書の内容は,JIS B 1084による。この規格に規定する試験の結果は,試験報告書に含めなけれ
ばならない。
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B 1056:2019
ねじ込みプリベリングトルクTFv及びねじ戻しプリベリングトルクTFd(必要な場合,非金属インサート
付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験結果も)を試験報告書に含めなければならない。
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B 1056:2019
附属書A
(参考)
非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験
非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットは,使用温度限界付近の−50 ℃及び120 ℃で使用
すると,プリベリングトルク性能が低下するおそれがあるため,適切な非金属材料の選択が必要になる。
この附属書は,非金属インサート付きプリベリングトルク形ナットの温度特性試験について記載する。
試験は,必要に応じて受渡当事者間で協定して行う。
この試験の結果と,実使用状況でのナットの性能とは直接関係はない。
実際の使用状況を考慮した試験手順を受渡当事者間で協定することを強く推奨する[JIS B 1084の箇条
9(特定の条件での試験)参照]。
環境温度(10 ℃〜35 ℃)において,締付け軸力を発生させないで,3〜5ピッチの完全ねじ山が供試ナ
ット上面から突き出るまで,供試ナットを試験用ボルトにねじ込む。
特別な協定がない限り,その組付け体を120 ℃の場所に置き,1時間後,組付け体をその場所から取り
出して自然に環境温度まで冷やす。
その後,特別な協定がない限り,組付け体を−50 ℃の場所に置き,1時間後,組付け体をその場所から
取り出して自然に環境温度に戻す。
9.3.4.1に規定する試験手順に従って,環境温度で組付け体を用いて,点4と点6との間でねじ戻しプリ
ベリングトルクを測定する。測定した最大ねじ戻しプリベリングトルクは,表1〜表7に規定する値と等
しいか又は大きくなければならない。
18
B 1056:2019
附属書B
(参考)
総合摩擦係数μtotの求め方
締付けは,はめ合わすボルト又はナットの保証荷重試験力の80 %である試験締付け力まで行う。総合摩
擦係数μtotを求めるための締付け力は,保証荷重試験力の65 %〜75 %の範囲とする。
総合摩擦係数μtotは,保証荷重試験力の65 %〜75 %の範囲で算出した摩擦係数を平均する。
FP
ボルト又はナットの保証荷重試験力
F65
FPの65 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の下限値
F75
FPの75 %で,総合摩擦係数を求めるための締付け力の上限値
F80
FPの80 %で,試験締付け力(締付け停止の締付け力)
T65
F65におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク
T75
F75におけるトルクで,総合摩擦係数を求めるためのトルク
図B.1−総合摩擦係数μtotの求め方
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B 1056:2019
附属書C
(参考)
強度区分8及び強度区分10におけるM3及びM4のプリベリングトルク形
ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
C.1 強度区分8及び強度区分10におけるM3及びM4のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及
びプリベリングトルクは,表C.1及び表C.2に示す。
表C.1−強度区分8のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M3
2 336
2 190
1 898
0.43
0.12
0.08
M4
4 080
3 825
3 315
0.90
0.18
0.12
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分8.8のボルト保証荷重値の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
表C.2−強度区分10のプリベリングトルク形ナットの試験締付け力及びプリベリングトルク
ねじの呼び
D
試験締付け力
F80a)
N
締付け力
総合摩擦係数計算で使用b)
プリベリングトルク
N・m
上限値
F75b)
N
下限値
F65b)
N
1回目の
ねじ込み
上限値c)
1回目の
ねじ戻し
下限値
5回目の
ねじ戻し
下限値
M3
3 344
3 135
2 717
0.60
0.15
0.10
M4
5 832
5 468
4 739
1.20
0.22
0.15
注記 プリベリングトルク試験結果を統計的工程管理(SPC)方法によって評価しても,統計学的な妥当性はない。
注a) JIS B 1051に規定する強度区分10.9のボルト保証荷重値の80 %に等しい。
b) 附属書B参照。
c) 1回目のねじ込みのプリベリングトルクは,全金属製プリベリングトルク形ナットだけに適用する。非金属イ
ンサート付きプリベリングトルク形ナットのプリベリングトルクは,その値の50 %とする。
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B 1056:2019
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1056:2019 締結用部品−プリベリングトルク形鋼製ナット−機能特性
ISO 2320:2015,Fasteners−Prevailing torque steel nuts−Functional properties
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 引用規格 引用JISの一覧
2
引用ISO規格の一覧
追加
JIS B 0205-1,JIS B 0205-3を追加。 ISO規格の引用から欠如。
追加
JIS B 0251を追加。
ねじゲージの規格を指定するた
め。
4 記号
規格で用いる記号
の一覧
4
規格で用いる記号の
一覧
追加
FPの説明に“ボルト又はナットの”
を追加。
保証荷重試験力は,ボルト及びナ
ットの2種類であることを示す。
変更
“ミリメートル”など用語による表
示を単位による表示に変更。
ほかのJISでの様式に合わせる。
5 ねじ
ねじに対する要求
5
ねじに対する要求
追加
JIS B 0251を追加。
ねじプラグゲージの規格を指定。
8 プリベリ
ングトルク
性能に関す
る要求事項
プリベリングトル
ク値の規定
8
プリベリングトルク
値の規定
変更
表3注a)にD>24 mmの場合は強度
区分4.8のボルトの保証荷重試験力
であることを追記。
ISO規格は,表3の値と注a)との
説明が適合しない。
ISOに改訂提案する。
9 試験方法 ナットの試験方法
9
ナットの試験方法
変更
9.2の注記を本文に移動した。
注記の内容に規定を含んでいる。
ISOに改訂提案する。
変更
図1のd4の説明文を箇条4に規定
した文に変更。
同じ規格内で異なる説明を規定し
ている。ISOに改訂提案する。
変更
9.3.3試験用ボルトの表面処理を
ISO 2320:1997の内容に戻した。
ISO 2320:2015の“plain surface,
uncoated and degreased”ではプリ
ベリングトルクの値を満足しな
い。ISOに改訂提案する。
変更
9.3.4.1の注記を本文に移動した。
注記の内容に規定を含んでいる。
ISOに改訂提案する。
3
B
1
0
5
6
:
2
0
1
9
21
B 1056:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 試験方法
(続き)
追加
9.3.4.1及び9.3.4.2にJIS B 0251を
追加。
ねじリングゲージの規格を指定。
追加
図2に表1〜表7のプリベリングト
ルク規定値の位置を追加。
規定値と測定値(TFV,max, TFd,max)
との違いを明確にするため。
附属書A
(参考)
温度特性試験方法
Annex A
(normative)
温度特性試験方法
変更
“規定”から“参考”に変更。
箇条8で“使用者は…要求しても
よい”と規定しているため,“参
考”に当たる。ISOに改訂提案す
る。
附属書B
(参考)
総合摩擦係数の求
め方
Annex B
(informative)
総合摩擦係数の求め
方
追加
FPの説明及び1行目に“ボルト又
はナットの”を追加。
保証荷重試験力は,ボルト及びナ
ットの2種類であることを示す。
ISOに改訂提案する。
追加
3行目に“保証荷重試験力の”を追
加。
2行目の記載に合わせる。
変更
図B.1の原点付近の線を点線に変
更。
締付け力がゼロになってもトルク
は残るため,図2と適合しない。
ISOに改訂提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2320:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
B
1
0
5
6
:
2
0
1
9