2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1014-1994
(ISO 7721-2 : 1990)
皿頭ねじ−第2部
十字穴のゲージ沈み深さ
Countersunk flat head screws−
Part 2 : Penetration depth of cross recesses
日本工業規格としてのまえがき
この規格は,1990年第1版として発行されたISO 7721-2Countersunk flat head screws−Part2 : Penetration
depth of cross recessesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で
ある。
なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
序文 皿頭ねじに対する十字穴のゲージ沈み深さは,与えられた頭部寸法に対して互いに矛盾する二つの
要求を満足させなければならない。
第一に,ねじ部品規格に決められているそれぞれの強度区分の保証荷重及び破壊荷重を達成するために,
頭部に十分な強さをもたせなければならないという要求がある。浅い十字穴は,頭部の強さを増加させる。
もう一方の要求は,ねじのねじ込み性を満足させることである。これは,十分な深さをもつ十字穴によっ
てだけ達成することができる。
この規格は,できる限り両方の要求に合うような妥協点を見つけるために作成したものである。
この規格は,低い強さの皿頭ねじに対しては,深い十字穴を規定している。すなわち,良好なねじ込み性
が得られるとともに,頭部の強さにも十分なものである。この方法はISO 7046-1で採用している(附属書
A参照)。
より高い強さのねじに対して,十分な頭部強さをもたせるには,十字穴をより浅い沈み深さにすることに
よってだけ達成することができる。このようなねじに,良好なねじ込み性を要求するならば,一般の頭部
形状という条件の下では,十分な頭部強さを保証するために,より大きい沈み深さに加えて,頭部首下の
円筒部径を大きくしなければならない。
十字穴付き皿頭ねじで,寸法は異なるが互換性がある形状に落ち着くというこの妥協は,今のところ,あ
まり適当ではないが,国際的水準で合意に達する唯一の方法である。
1. 適用範囲 この規格は,皿頭ねじ十字穴のゲージ沈み深さのシリーズ1(深形)及びシリーズ2(浅形)
の2系列について規定する。
2
B 1014-1994 (ISO 7721-2 : 1990)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2. 引用規格 次に掲げる国際規格は,この規格に引用されたことによって,この規格の規定を構成する。
出版の時点では,表示された版が有効である。すべての規格は,改正されるものであり,この規格に基づ
くことに合意した関係者は,次に列挙する規格の最新版を適用する可能性を調べることに努めるのがよい。
IEC及びISOの会員は,現行の国際規格の目録を維持管理している。
ISO 225 : 1983 Fasteners−Bolts, screws, studs and nuts−Symbols and designations of dimensions
ISO 4757 : 1983 Cross recesses for screws
ISO 7721 : 1983 Countersunk head screws−Head configuration and gauging
備考
JIS B 1013(皿頭ねじ−頭部の形状及びゲージによる検査)が,この国際規格と一致し
ている。
3. 寸法 十字穴のゲージ沈み深さ寸法は,表1による。表1の寸法に対して頭部に十分な強さをもたせ
るため,2種類の首下形状を図1及び図2に示す。
なお,これらは,JIS B 1013 [ISO 7721(1)] に規定する一般用の頭部形状の条件を満足する。
注(1) この規格は,内容を改正し,ISO 7721-1として発行される予定。
備考 寸法の記号及び表示方法は,ISO 225による。
参考 ISO 225の規定内容は,JIS B 0143(ねじ部品各部の寸法の呼び及び記号)と同等である。
図1 首下呼び径形
図2 首下有効径形
表1 十字穴のゲージ沈み深さ寸法
単位mm
ねじの呼び
(d)
十字
穴の
番号
(1)
十字穴
シリーズ1(深形)
シリーズ2(浅形)
メートル
ねじ
タッピン
ねじ
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
最小
最大
最小
最大
最小
最大
最小
最大
M1.6
−
0
0.6
0.9
1.6
0.70
0.95
1.6
−
−
−
−
−
−
M2
−
0.9
1.2
1.9
0.95
1.20
1.9
0.9
1.2
1.9
0.95
1.20
1.9
−
ST2.2
0.9
1.2
1.9
0.95
1.20
2.0
−
−
−
−
−
−
M2.5
−
1
1.4
1.8
2.9
1.48
1.73
2.8
1.25
1.55
2.7
1.22
1.47
2.5
M3
ST2.9
1.7
2.1
3.2
1.76
2.01
3.0
1.4
1.8
2.9
1.48
1.73
2.8
M3.5
ST3.5
2
1.9
2.4
4.4
1.75
2.2
4.1
1.6
2.1
4.1
1.61
2.05
4.0
M4
ST4.2
2.1
2.6
4.6
2.06
2.51
4.4
2.1
2.6
4.6
2.06
2.51
4.4
M5
ST4.8
2.7
3.2
5.2
2.6
3.05
4.9
2.3
2.8
4.8
2.27
2.72
4.6
3
B 1014-1994 (ISO 7721-2 : 1990)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位mm
ねじの呼び
(d)
十字
穴の
番号
(1)
十字穴
シリーズ1(深形)
シリーズ2(浅形)
メートル
ねじ
タッピン
ねじ
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
沈み深さ(2)
m
(参考)
最小
最大
最小
最大
最小
最大
最小
最大
−
ST5.5
3
2.8
3.3
6.6
2.73
3.18
6.3
−
−
−
−
−
−
M6
ST6.3
3.0
3.5
6.8
3.0
3.45
6.6
2.8
3.3
6.6
2.73
3.18
6.3
M8
ST8
4
4.0
4.6
8.9
4.15
4.6
8.8
3.9
4.4
8.7
3.87
4.32
8.5
M10
ST9.5
5.1
5.7
10.0
5.19
5.64
9.8
4.8
5.3
9.6
4.78
5.23
9.4
適用条件(3)
首下有効径形
タッピンねじ
木ねじ
小ねじ−強度区分4.8
首下呼び径形
小ねじ−強度区分8.8, 9.8
スレッドカッティングねじ
スレッドフォーミングねじ
首下有効径形
小ねじ−強度区分8.8
スレッドフォーミングねじ
スレッドカッティングねじ
注(1) 十字穴の番号は,ISO 4757による。
参考 ISO 4757の規定内容は、JIS B 1012(ねじ用十字穴)のH形及びZ形に関する規定と同等である。
(2) 沈み深さは,ISO 4757によって測定した寸法とする。
(3) この条件は鋼製のものに適用する。鋼以外の材料に対する適用は,製造業者の任意とする。
参考 十字穴のゲージ沈み深さ寸法の記号として,JIS B 1012, JIS B 1111(十字穴付き小ねじ)など
では“q”を用いている。
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B 1014-1994 (ISO 7721-2 : 1990)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考) 参考文献
(1) ISO 7046 : 1983 Cross recessed countersunk flat head screws (common head style) −Product grade A and
property class 4.8 only(2)
参考 ISO 7046の規定内容は,JIS B 1111本体の強度区分4.8の皿小ねじに関する規定と同等である。
注(2) この規格は,内容を改正し,ISO 7046-1として発行される予定。
(2) ISO 7046-2 : 1990 Cross recessed countersunk flat head screws (common head style)−Grade A−Part2 :
Steel of property class 8.8, stainless steel and non-ferrous metals
参考 ISO 7046-2の規定内容は,JIS B 1111本体の強度区分8.8,ステンレス鋼製及び非鉄金属製の皿小
ねじに関する規定と同等である。
“皿頭ねじ−頭部形状及びゲージ外1件”の新規JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
吉 本 勇
拓殖大学
(幹事)
大 橋 宣 俊
湘南工科大学
丸 山 一 男
東京工業大学
安 達 俊 雄
通商産業省機械情報産業局
若 松 茂 三
工業技術院標準部
稲 葉 元 成
日本ねじ研究協会
中 村 圭 男
技術士
新 井 正
日産自動車株式会社
渡 邊 道 弘
株式会社日立製作所
小 林 正 彦
社団法人日本工作機械工業会
谷 口 良 憲
トヨタ自動車株式会社
辻 健 次
ダイキン工業株式会社
深 澤 一 男
株式会社フカサワ
岡 田 弘 之
日東精工株式会社
尾 形 卓
株式会社桂川精螺製作所
菊 井 幸 雄
株式会社トープラ
木 村 進 一
尾張精機株式会社
田 中 誠之助
株式会社佐賀鉄工所
森 江 嘉 一
株式会社山科精工所
(事務局)
中 村 智 男
日本ねじ研究協会
文責 稲葉 元成(日本ねじ研究協会)