B 0672-2:2002 (ISO 14660-2:1999)
(1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標
準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
JIS B 0672-2には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) GPSマトリックス
附属書B(参考) 参考文献
JIS B 0672の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 0672-1 第1部:一般用語及び定義
JIS B 0672-2 第2部:円筒及び円すいの測得中心線,測得中心面並びに測得形体の局部寸法
B 0672-2:2002 (ISO 14660-2:1999)
(2)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 2
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
3.1 (測得形体の)デフォルト定義························································································· 2
3.2 円筒の測得中心線 ·········································································································· 2
3.3 円すいの測得中心線 ······································································································· 2
3.4 測得中心面 ··················································································································· 3
3.5 測得円筒の局部寸法,測得円筒の局部直径 ·········································································· 3
3.6 測得平行二平面の局部寸法······························································································· 3
4. デフォルト定義のための条件 ····························································································· 3
4.1 測得誘導形体 ················································································································ 3
4.2 測得形体の局部寸法 ······································································································· 7
附属書A(参考) GPSマトリックス ······················································································ 9
附属書B(参考) 参考文献 ································································································· 10
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日本工業規格 JIS
B 0672-2:2002
(ISO 14660-2:1999)
製品の幾何特性仕様 (GPS)−形体−
第2部:円筒及び円すいの測得中心線,測得中心面
並びに測得形体の局部寸法
Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometric features−
Part 2 : Extracted median line of a cylinder and a cone, extracted median
surface, local size of an extracted feature
序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 14660-2, Geometrical Product Specifications (GPS)
−Geometrical features−Part 2 : Extracted median line of a cylinder and a cone, extracted median surface, local size
of an extracted featureを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で
ある。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,製品の幾何特性仕様 (GPS) 規格である。
この規格,他の規格とGPSマトリックスとの間の詳細な関係については,附属書A(参考)を参照。
(幾何)形体は,三つの分野に存在しており,それらは次のとおりである。
− 設計の分野,すなわち,ここでは,設計者が具現化する分野。
− 加工の分野,すなわち,実体の分野。
− 検証の分野,すなわち,計測装置で実体をサンプリングしたデータを用いる分野。
これら三つの分野の関係を理解することは,重要である。この規格は,これらの分野の情報交換の標準
的用語及びそれぞれの分野の(幾何)形体に用いる標準的な用語を定義する。
この規格は,(幾何)形体 (GPS) の定義を扱う一連の規格の第2部である。
測得形体は幾何学的に完全ではないので,あいまいさがないように定義し,正しく理解するために,図
示形体と比較して更に詳しい定義を必要とする。また,測得形体の詳細な定義は,この形体又は特性を用
いるすべての規格チェーンの中で共通的に用いられることを意図している。したがって,この規格におけ
る定義は,一般的GPSマトリックスに適用する限り共通である。
この規格は,図に次の線種を用いる。
2
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形体の種類
種線
● 測得表面
● 測得線(外殻形体)
太い点線
● 測得中心面
● 測得中心線(誘導形体)
細い点線
● 測得(外殻)表面の当てはめ平面
● 測得(外殻)表面上の当てはめ直線
太い一点鎖線
● 当てはめ中心平面,当てはめ軸直線(誘導形体)
細い一点鎖線
● 実表面(実体の形)
太い実線
● 図示形体(図面指示した形体)
ISO 128-24による。
1. 適用範囲 この規格は,幾つかの加工物の測得形体を定義し,デフォルト定義に対する条件について
規定する。これは,他の定義が測得形体について図面上に指定されない場合であり,他の定義が指定され
ている場合には,この規格を適用しない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 14660-2 : 1999, Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometric features−Part 2 :
Extracted median line of a cylinder and a cone, extracted median surface, local size of an extracted
feature (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0672-1 製品の幾何特性仕様 (GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義
備考 ISO 14660-1 : 1999 Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical features−Part 1 :
General terms and definitionsが,この規格と一致している。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0672-1によるほか,次による。
3.1
(測得形体の)デフォルト定義 [default definition (of an extracted feature)] 対象とする測得形体のよ
り詳しい取り決めによる定義。図面上又はその他の技術文書における公差指示の基本事項の使用だけに適
用可能なものをいう。
備考1. 公差指示の基本事項は,例えば,JIS B 0401-1, JIS B 0021及びJIS B 0031に規定されたもの
である。
2. (測得形体の)デフォルト定義は,公差指示の基本事項に追加することによって,特定の定
義に変更することができる。
3.2
円筒の測得中心線 (extracted median line of a cylinder) 横断面の中心の軌跡。
ここに,
− 横断面の中心は,当てはめ円 (associated circles) の中心である。
− 横断面は,測得表面から得られる当てはめ円筒の軸に直角である(その半径は,図示半径と異なるこ
とがある。)。
3.3
円すいの測得中心線 (extracted median line of a cone) 断面の中心の軌跡。
3
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ここに,
− 横断面の中心は,当てはめ円の中心である。
− 横断面は,その測得表面から得られる当てはめ円すいの軸線に直角である(角度は,図示角度と異な
ることがある。)。
3.4
測得中心面 (extracted median surface) 相対する測得表面の対向2点間の中点の軌跡。
ここに,
− 対向する一対の点を結ぶ線は,当てはめ中心平面に直角である。
− 当てはめ中心平面は,測得表面から得た二つの当てはめ平行二平面の中心平面である(当てはめ平行
二平面間の距離は,図示距離とは異なることがある。)。
3.5
測得円筒の局部寸法 (local size of an extracted cylinder),測得円筒の局部直径 (local diameter of an
extracted cylinder) 形体の対向する2点間の距離。
ここに,
− 対向する2点を結ぶ当てはめ円の中心をつなぐ線。
− この横断面は,測得表面から得られる当てはめ円筒の軸線に直角である。
3.6
測得平行二平面の局部寸法 (local size of two parallel extracted surfaces) 相対する測得表面上の対向2
点間の距離。
ここに,
− 一対の点を結ぶ線は,当てはめ中心平面に直角である。
− 当てはめ中心平面は,測得表面から得られる当てはめ平行二平面の中心平面である。
4. デフォルト定義のための条件
4.1
測得誘導形体 (extracted derived feature)
4.1.1
円筒の測得誘導形体 (ほかに定義されていなければ,)円筒の測得中心線のデフォルト定義に,
次の条件を適用する。
− 当てはめ円は,最小二乗円である(図1参照)。
− 当てはめ円筒は,最小二乗円筒である(図1参照)。
参考 最小二乗法によって得られる円を最小二乗円といい,最小二乗法によって得られる円筒を最小
二乗円筒という。
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凡例
1 測得表面
2 当てはめ円筒
3 当てはめ円筒軸線
4 測得中心線
5 当てはめ円
6 当てはめ円中心
7 当てはめ円筒中心
8 当てはめ円筒
9 測得線
図 1 円筒の測得中心線
5
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4.1.2
円すいの測得中心線 (ほかに定義されていなければ)円すいの測得中心線のデフォルト定義に,
次の条件を適用する。
− 当てはめ円は,最小二乗円である(図2参照)。
− 当てはめ円すいは,最小二乗円すいである(図2参照)。
凡例
1 当てはめ円すい
2 測得表面
3 当てはめ円すい軸線
4 測得中心線
5 当てはめ円
6 当てはめ円中心
7 当てはめ円すい中心
8 当てはめ円すい
9 測得線
図 2 円すいの測得中心線
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4.1.3
測得中心面 (ほかに定義されていなければ)測得中心面のデフォルト定義に,次の条件を適用す
る。
− 当てはめ平行二平面は,最小二乗法で得られる(図3参照)。
凡例
1 測得表面
2 当てはめ平面
3 当てはめ中心平面
4 測得中心面
5 測得表面
図 3 測得中心面
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4.2
測得形体の局部寸法
4.2.1
測得円筒の局部寸法(測得円筒の局部直径) (ほかに定義されていなければ)測得円筒のデフォ
ルト定義に,次の条件を適用する。
− 当てはめ円は,最小二乗円である(図4参照)。
− 当てはめ円筒は,最小二乗円筒である(図4参照)。
凡例
1 測得表面
2 当てはめ円筒
3 当てはめ円筒軸線
4 測得中心線
5 測得線
6 当てはめ円
7 当てはめ中心
8 測得形体の局部直径
9 当てはめ円筒
10 当てはめ円筒軸線
図 4 測得円筒の局部寸法(円筒の局部直径)
8
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4.2.2
測得平行二平面の局部寸法 (ほかに定義されていなければ,)測得平行二平面のデフォルト定義
に,次の条件を適用する。
− 当てはめ平行二平面は,最小二乗法で得られる。
凡例
1 測得表面
2 当てはめ中心平面
3 測得平行二平面の局部寸法
4 対向する点
図 5 測得平行二平面の局部寸法
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附属書A(参考) GPSマトリックス
この附属書Aは,参考として示すもので,規定の一部ではない。
GPSマトリックスについての詳細は,TR B 0007を参照。
A.1 この規格及びその利用についての情報 この規格は,本体4. に規定されているように,五つの測得
形体の一般的な定義を示す。これらの一般的な定義は,五つの測得形体に対するデフォルト定義及びこの
規格では規定していない詳細な測得形体の定義の基である。
設計者が規定された定義を用いることによって,図面指示の機能を理解し,表示された要求事項で製造,
評価過程で使用することができる。
A.2 GPSマトリックスモデルにおける位置づけ この規格は,図A.1に示すようにGPS基本規格のうち,
サイズ,線の形状−誘導形体,面の形状−誘導形体,姿勢−誘導形体及び位置−誘導形体などの誘導形体
のチェーンリンク番号3にかかわる基本規格である。
GPS
原
理
規
格
GPS 共通規格
GPS 基本規格
チェーンリンク番号
1
2
3
4
5
6
サイズ
距離
半径
角度
データムに無関係な線の形状
データムに関係する線の形状
データムに無関係な面の形状
データムに関係する面の形状
姿勢
位置
円周振れ
全振れ
データム
粗さ曲線
うねり曲線
断面曲線
表面欠陥
エッジ
図 A.1
A.3 関連規格 関連規格は,図A.1に示す規格チェーンにあるものである。
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附属書B(参考) 参考文献
[1] ISO 128-24 : 1999, Technical drawings−General principles of presentation−Part 24 : Lines on
mechanical engineering drawings
[2] JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
備考 ISO 286-1 : 1988, ISO system of limits and fits−Part 1 : Bases of tolerances, deviations and fitsが,
この規格に一致している。
[3] JIS B 0021 製品の幾何特性仕様 (GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差
表示方式
備考 ISO/DIS 11011), Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical tolerancing −
Tolerances of form, orientation, location and run-outが,この規格と一致している。
[4] JIS B 0031 製図−面の肌の図示方法
備考 ISO 1302 : 1992, Technical drawings−Method of indicating surface textureからの引用事項は,
この規格の該当事項と同等である。
[5] TR B 0007 製品の幾何特性仕様 (GPS)−マスタープラン
備考 ISO/TR 14638 : 1995, Geometrical product specifications (GPS)−Masterplanが,この標準情報
(TR) と一致している。
[6] International vocabulary of basic and general terms in metrology (VIM), BIPM, lEC, IFCC, ISO, IUPAC,
IUPAP, OIML, 2nd edition, 1993
1) ISO 1101 : 1983は,改正作業中
11
B 0672-2:2002 (ISO 14660-2:1999)
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日本工業標準調査会標準部会 機械要素技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
大 園 成 夫
東京電機大学
(委員)
土 屋 孝 夫
社団法人自動車技術会
川 口 俊 充
日本工具工業会
黒 澤 富 蔵
独立行政法人産業技術総合研究所
桑 田 浩 志
有限会社桑田設計標準化研究所
望 月 正 紀
社団法人日本ねじ工業協会
岡 野 正 敏
社団法人日本バルブ工業会
小 林 正 彦
社団法人日本工作機械工業会
筒 井 康 賢
独立行政法人産業技術総合研究所
真 弓 透
社団法人日本ベアリング工業会
丸 山 一 男
工学院大学