B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 概念······························································································································· 2
3 構造······························································································································· 3
3.1 一般 ···························································································································· 3
3.2 GPS規格の種類 ············································································································· 3
3.3 GPSマトリックスモデル ································································································· 3
3.4 幾何特性の区分 ············································································································· 4
4 データム························································································································· 4
5 チェーンリンク················································································································ 4
5.1 一般 ···························································································································· 4
5.2 チェーンリンクA:記号及び指示法 ·················································································· 4
5.3 チェーンリンクB:形体に対する要求事項 ·········································································· 4
5.4 チェーンリンクC:形体の特性 ························································································ 4
5.5 チェーンリンクD:適合及び不適合 ·················································································· 5
5.6 チェーンリンクE:測定 ·································································································· 5
5.7 チェーンリンクF:測定機器 ···························································································· 5
5.8 チェーンリンクG:校正 ································································································· 5
6 GPS規格の準備 ··············································································································· 5
6.1 指針 ···························································································································· 5
6.2 追加説明文 ··················································································································· 6
附属書A(参考)GPS規格の附属書(参考)の例 ······································································· 7
附属書B(参考)幾何特性又はチェーンリンクに関する規格若しくは
規格群を特定するために使用するGPSマトリックスモデルの例 ·············································· 8
附属書C(参考)GPSマトリックスモデルにおけるデータムに関するGPS規格の表現 ···················· 11
附属書D(参考)旧GPSマトリックスモデル ··········································································· 12
附属書E(参考)GPSマトリックスモデルとの関係 ··································································· 13
参考文献 ···························································································································· 14
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第14条第1項の規定に基づき,認定産業標準作成機関である一般財団法人
日本規格協会(JSA)から,産業標準の案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,経済産業
大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実用新案権に関わる確認に
ついて,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
B 0661:2020
(ISO 14638:2015)
製品の幾何特性仕様(GPS)−マトリックスモデル
Geometrical product specifications (GPS)-Matrix model
序文
この規格は,2015年に第1版として発行されたISO 14638を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考情報は,対応国際規格にはない事項である。
旧GPSマトリックスモデルについては,附属書Dに示す。また,GPSマトリックスモデルとの関係を,
附属書Eに示す。
製品の幾何特性仕様(以下,GPSという。)は,仕様の記述における部品の幾何的要求事項及びその検証
のための要求事項を定義するために使用する体系である。
ISO/TC 213が扱うGPS規格は,ISO/TC 10が扱う製品技術文書情報(TPD: Technical Product Documentation)
規格と併せて,技術製品の仕様(TPS: Technical Product Specification)を作成するために使用する。
この規格は,GPS規格体系の概要を提供する。
JIS B 0024に規定されているGPS規格の基本的な原則及び原理は,この規格にも適用し,JIS B 0641-1
に規定する規則は,特に指示がない限り,この規格に沿って作成された仕様に適用する。
1
適用範囲
この規格は,GPSに関する原理規格であり,その概念について規定する。さらに,この規格は,現状及
び将来のGPS規格が,GPS規格体系の要求事項にどのように対応するかを示す枠組みを提供する。
その枠組みによって,異なる規格の適用範囲を示し,それらがお互いにどのように関係しているかを示
すことで,GPS規格の利用者の便宜を図っている。
注記1 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14638:2015,Geometrical product specifications (GPS)−Matrix model(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
注記2 (対応国際規格では,GPSに関する国際規格の体系の参照先として,ISO/TC 213のウェブサイ
トへのリンクなどが参考情報として記載されているが,JISでは不要であるため削除した。)
2
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
2
概念
GPS規格体系は,その幾つかの異なる工程(設計,製造,検査など)の中で部品特性を記述するために
使用する。また,サイズ,距離,形状,姿勢,位置,表面性状などの幾何特性にもGPS規格は関係してい
る。
GPS規格体系では,九つの幾何特性が特定されている。ただし,これら以外の幾何特性が将来的に追加
されることがあり得る。これら九つの幾何特性の区分は,次のとおりである。
− サイズ
− 距離
− 形状
− 姿勢
− 位置
− 振れ
− 表面性状(輪郭曲線)
− 表面性状(三次元)
− 表面欠陥
これら九つの幾何特性のそれぞれに関係するGPS規格は,九つの区分の規格群にまとめられている(3.3
参照)。各区分は,複数のより具体的な要素に細分化されることもあり,この具体的な要素によって,規格
のチェーン(つながり)が分かるようになっている。
例えば,“サイズ”は一つの幾何特性の区分になる。さらに,“円筒のサイズ”,“円すいのサイズ”,“球
のサイズ”などのように細分化され,これらそれぞれが規格のチェーンに対応していることになる。
角度は“サイズ”及び“距離”の特性に区分し,半径は“距離”及び“形状”の特性に区分する。
各幾何特性に対して,その特性の仕様を定義でき,その特性を測定できること,及び仕様と測定結果と
を比較することが必要である。これらの要求事項に関係するGPS規格は,各規格のチェーンにおける七つ
のリンクとして定義する(3.3参照)。
例えば,鋳造,溶接のような製造工程は,その工程自身に特有の要求事項をもつ。特有の工程を扱う規
格は,更に深化したチェーンに入ることがある。
また,別の例としてねじ,歯車のような機械要素は,その機械要素自身に特有の要求事項をもつ。特有
の機械要素を扱う規格は,更に深化したチェーンに入ることがある。
別の幾何特性の区分及びチェーンは,製造及び検査工程での開発,更に他の産業からの要望を反映する
ために,将来的に追加されることがあり得る。
GPS規格,幾何特性の区分及び規格のチェーンは,各規格の適用範囲と規格との関係を明確に示すこと
ができるように,マトリックスに配置される。
3
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3
構造
3.1
一般
GPS規格は,行と列とから成るマトリックスに配置することが可能である。マトリックスの九つの行は,
それぞれ九つの幾何特性の区分に対応しており,更に“チェーンリンク”という七つの列に細分化する。
GPSマトリックスモデルにおいて,どの幾何特性(行)のどのチェーンリンク(列)に適用するかを示す
ことで,各GPS規格の適用範囲が分かる。
3.2
GPS規格の種類
3.2.1
GPS原理規格
GPS原理規格は,GPSマトリックスモデルにおいて,全ての区分(幾何特性の区分及び他の区分)並び
に全てのチェーンリンクに適用する規則及び原理を定義するものをいう。
注記 GPS共通規格の区分は,この規格からは除外している。かつてGPS共通規格に分類していたGPS
規格は,現在,GPS原理規格又はGPS基本規格に分類されている。
3.2.2
GPS基本規格
GPS基本規格は,GPS原理規格ではなく,一つ以上の幾何特性の区分,及び一つ以上のチェーンリンク
に適用するものをいう。
3.2.3
GPS補足規格
GPS補足規格は,特定の製造工程又は特定の機械要素について言及するものをいう。
3.3
GPSマトリックスモデル
3.3.1
幾何特性の区分
一つの幾何特性の区分は,サイズ,距離又は位置のような特定の幾何特性に関係する全ての共通規格か
ら成る。現時点では,九つの幾何特性の区分がある。
GPSマトリックスモデルにおいて,幾何特性の各区分はマトリックスの行に対応している。
3.3.2
補足的区分
GPSマトリックスモデルは,製造工程及び機械要素という二つの幾何学的ではない区分を含む。
3.3.3
規格のチェーン
一つの幾何特性の区分は,円筒,円すい及び球のサイズのような幾何特性の区分の細分化に関係する全
てのGPS共通規格から成る。
この細分化の詳細は,この規格には記載しない。
製造工程の区分は,異なる種類の製造工程に関連する規格のチェーンに細分化する。
機械要素の区分は,異なる種類の機械要素に関連する規格のチェーンに細分化する。
将来,各区分には更なるチェーンが追加されることもあり得る。
4
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
3.3.4
チェーンリンク
一つのチェーンリンクは,使用する記号のような幾何特性の仕様若しくは検証における特定の機能,又
はその幾何特性の測定に関係する全てのGPS共通規格から成る。現時点では,七つのチェーンリンクがあ
る。
GPSマトリックスモデルでは,各チェーンリンクはマトリックスの列に対応する。
注記 幾何特性又はチェーンリンクに関する規格若しくは規格群を特定するためにGPSマトリックス
モデルを使用することが可能な例を,附属書Bに示す。
3.4
幾何特性の区分
九つの幾何特性の区分を,表1に示す。
注記 (対応国際規格では,GPSマトリックスに含まれ得る規格が参考情報として記載されているが,
JISでは不要であるため,削除した。)
4
データム
データムは,幾何特性ではないため,GPSマトリックスモデルには示さない。
データムは,多くの幾何特性の定義に必須であるため,データムを扱うGPS規格は,マトリックスの関
連する各チェーンリンクに黒丸(●)で示す(附属書C参照)。
注記 この規格の制定される前に制定又は改正されたJISにおいては,黒丸(●)の代わりに塗り潰し
などによって示しているものがある。
5
チェーンリンク
5.1
一般
各チェーンリンクは,次に示す項目及び内容で構成する。
注記 ISO/TR 14638:1995で使用していたチェーンリンク番号を,参考までにそれぞれの注記に記載す
る。
5.2
チェーンリンクA:記号及び指示法
このチェーンリンクは,記号の形状及び大きさ(比率),指定条件の指示法並びにその使用上の規則を規
定するGPS規格で構成する。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク1であった。
5.3
チェーンリンクB:形体に対する要求事項
このチェーンリンクは,公差特性,公差域,制約及びパラメータを規定するGPS規格で構成する。この
チェーンリンクは,幾何特性,サイズ特性,表面性状パラメータ,形状,サイズ,公差域の姿勢及び位置,
並びにパラメータを規定する規格を含んでいる。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク2であった。
5
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5.4
チェーンリンクC:形体の特性
このチェーンリンクは,部品に関する形体の特性及び条件を規定するGPS規格で構成する。このチェー
ンリンクは,分割,測得,フィルタ,当てはめ,収集及び構成の各処理を規定する規格を含んでいる。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク3であった。
5.5
チェーンリンクD:適合及び不適合
このチェーンリンクは,仕様による要求事項と検証結果との比較のための要求事項を規定する規格で構
成する。
注記1 このチェーンリンクは,既定の値,適合及び不適合の規則を規定する規格,並びに不確かさを
扱う規格を含んでいる。
注記2 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク4に含まれていた。
5.6
チェーンリンクE:測定
このチェーンリンクは,形体特性及び条件を測定するための要求事項を規定する規格で構成する。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク4であった。
5.7
チェーンリンクF:測定機器
このチェーンリンクは,測定で使用する機器に対する要求事項を規定する規格で構成する。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク5であった。
5.8
チェーンリンクG:校正
このチェーンリンクは,測定機器に対する校正及び校正手順を規定する規格で構成する。
注記 このチェーンリンクは,ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク6であった。
6
GPS規格の準備
6.1
指針
この規格は,GPS規格を作成する者及び学ぶ者への指針を提供することを目的としている。この目的を
達成するために,GPS規格を作成する場合,a)〜c)に示す推奨事項を考慮することが望ましい。
a) GPS規格の各チェーンは,曖昧でなく,完全であることを意図している。
1) 規格の各チェーンは,使用する記号・指示法,形体,及び部品の測定と測定に使用する標準的国際
単位との間のトレーサビリティを確保することが望ましい。
2) “完全である”とは,各チェーンリンクが,GPSに関する規格の規定事項のほかに必要な全ての情
報を含んでいることを意味する。
b) どのGPS規格又は規格のチェーンも,他のGPS規格又は規格のチェーンに矛盾しないことが望まし
い。
c) 各GPS規格には,GPSマトリックスモデルに対する関係を説明する附属書(参考)を規格の最後に付
ける。その場合,次の文章を記載することを推奨する。
“JIS B XXXXに示されるGPSマトリックスモデルは,この規格がその一部を構成するGPS規格
体系の概要を提供している。”
6
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
6.2
追加説明文
6.2.1
一般
GPS原理規格,GPS基本規格及びGPS補足規格には,それぞれ6.2.2,6.2.3及び6.2.4に記載する説明文
を附属書に含めてもよい。附属書(参考)には,GPSマトリックスモデルの表を含むことが望ましい。GPS
マトリックスモデルについては表1を,それをどのように使用するかについては附属書Aを参照。
6.2.2
GPS原理規格
GPS原理規格は,GPSマトリックスモデルの全ての枠に黒丸(●)で示すことが望ましい。さらに,次
の説明文を附属書に記載することを推奨する。
“この規格は,GPS原理規格である。この規格の規則及び原理は,GPSマトリックスモデルにおいて,
全てのGPS基本規格及びGPS補足規格に適用する。”
6.2.3
GPS基本規格
GPS基本規格は,次の説明文を附属書に記載することを推奨する。
“この規格は,GPS基本規格である。この規格で規定する規則及び原理は,GPSマトリックスモデルの
黒丸(●)で示された枠の全てに適用する。”
6.2.4
GPS補足規格
GPS補足規格についても,GPSマトリックスモデルの適切な枠に黒丸(●)で示された附属書として示
す。さらに,次の説明文を附属書に記載することを推奨する。
“この規格は,GPS補足規格である。この規格で規定する要求事項は,GPSマトリックスモデルの黒丸
(●)で示された枠の全てに適用する。”
表1−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
距離
形状
姿勢
位置
振れ
表面性状
(輪郭曲線)
表面性状
(三次元)
表面欠陥
7
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
附属書A
(参考)
GPS規格の附属書(参考)の例
この規格では,当該規格がGPSマトリックスモデルとどのような関係にあるのかについて,幾つかの説
明文とともに,どのGPS規格の最後にも附属書として付けることを推奨する(箇条6参照)。GPSマトリ
ックスモデルの様式(表A.1参照)及び次の説明文の例を使用してもよい(ISO 1101のG.1参照)。
例 “JIS B XXXXに示されるGPSマトリックスモデルは,この規格がその一部を構成するGPS規格
体系の概要を提供している。
この規格は,GPS基本規格である。この規格で規定する規則及び原理は,表A.1のGPSマトリッ
クスモデルの黒丸(●)で示された枠の全てに適用する。”
表A.1−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
距離
形状
●
●
姿勢
●
●
位置
●
●
振れ
●
●
表面性状
(輪郭曲線)
表面性状
(三次元)
表面欠陥
8
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
附属書B
(参考)
幾何特性又はチェーンリンクに関する規格若しくは
規格群を特定するために使用するGPSマトリックスモデルの例
注記1 この附属書にあるGPSマトリックスモデルは,一例であって,完全なものでもなく,最新のも
のでもない。
注記2 (対応国際規格では,GPSマトリックスモデルの参照先として,ISO/TC 213のウェブサイトへ
のリンクが参考情報として記載されているが,JISでは不要であるため削除した。)
B.1
例1:サイズ特性に関する規格を特定するためのGPSマトリックスモデル
表B.1参照。
表B.1−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
JIS B 0401-1 JIS B 0401-1 JIS B 0401-1 ISO/TR
16015
ISO 1938-1
JIS B 7503
JIS B 7443-3
JIS B 0641
規格群
JIS B 0420-1 JIS B 0401-2 ISO 16610
規格群
JIS B 0641
規格群
ISO 13385-1 ISO/TS
15530-4
JIS B 0420-1 JIS B 0420-1
ISO 13385-2 ISO/TR
16015
JIS B 7506
ISO 16610
規格群
ISO/TR
16015
ISO 14253
規格群
ISO/TS
23165
ISO 14253
規格群
JIS B 7440
規格群
B.2
例2:表面性状(輪郭曲線)特性の測定機器に関する規格を特定するためのGPSマトリックスモデ
ル
表B.2参照。
9
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
表B.2−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
表面性状
(輪郭曲線)
JIS B 0651
B.3
例3:“形体の特性”チェーンリンクに関する規格を特定するためのGPSマトリックスモデル
表B.3参照。
表B.3−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
JIS B 0401-1
JIS B 0420-1
ISO 16610
規格群
距離
JIS B 0420-1
JIS B 0420-2
形状
JIS B 0028
JIS B 0682-1
JIS B 0682-2
JIS B 0683-1
JIS B 0683-2
ISO 1101
ISO 1660
姿勢
ISO 1101
ISO 1660
ISO 2692
ISO 5458
位置
ISO 1101
ISO 1660
ISO 2692
ISO 5458
振れ
ISO 1101
表面性状
(輪郭曲線)
JIS B 0601
JIS B 0631
JIS B 0633
JIS B 0671
規格群
ISO
16610-21
表面性状
(三次元)
ISO
25178-601
表面欠陥
10
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
注記 (対応国際規格では,B.4にGPSマトリックスのウェブサイトに関する参考情報が記載されてい
るが,JISでは不要であるため,削除した。)
11
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
附属書C
(参考)
GPSマトリックスモデルにおけるデータムに関するGPS規格の表現
“データム”がGPSマトリックスモデルから除外されているため,データムに関する規格であるISO
5459の扱いについて,混乱が生じる可能性がある。
表C.1は,ISO 5459を,どのようにGPSマトリックスモデル内に表示するかを示している。
この規格は,GPS基本規格である。この規格で規定する規則及び原理は,GPSマトリックスモデルの黒
丸(●)で示された枠の全てに適用する。
表C.1−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
距離
形状
姿勢
●
●
●
位置
●
●
●
振れ
●
●
●
表面性状
(輪郭曲線)
表面性状
(三次元)
表面欠陥
12
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
附属書D
(参考)
旧GPSマトリックスモデル
ISO/TR 14638:1995で導入されたGPSマトリックスモデルは,六つの規格のチェーンを含んでいた(表
D.1参照)。その後,“適合及び不適合”のチェーンリンクが追加された。
ISO/TR 14638:1995のチェーンリンク3及びチェーンリンク4は曖昧であった。新しいGPSマトリック
スモデルでは,チェーンリンクCの“形体の特性”は仕様を表し,チェーンリンクDの“適合及び不適合”
は検証を表している。
表D.1−ISO/TR 14638におけるGPSマトリックスモデル
リンク番号
1
2
3
4
5
6
形体の幾何特性
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
測定
測定機器
校正
1
サイズ
2
距離
3
半径
4
角度
5
データムに無関係
な線の形状
6
データムに関係す
る線の形状
7
データムに無関係
な面の形状
8
データムに関係す
る面の形状
9
姿勢
10
位置
11
円周振れ
12
全振れ
13
データム
14
粗さ曲線
15
うねり曲線
16
断面曲線
17
表面欠陥
18
エッジ
13
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
附属書E
(参考)
GPSマトリックスモデルとの関係
この規格で規定するGPSマトリックスモデルは,GPS規格体系の概要を示している。JIS B 0024で規定
するGPS規格の基本原則は,この規格にも適用する。また,JIS B 0641-1による既定の決定規則は,特に
指示がない限り,この規格に従って作成された仕様に適用する。
この規格は,GPS原理規格である。この規格の規則及び原理は,GPSマトリックスモデルにおいて,全
てのGPS基本規格及びGPS補足規格に適用する(表E.1参照。)
表E.1−GPSマトリックスモデル
チェーンリンク
A
B
C
D
E
F
G
記号及び
指示法
形体に対す
る要求事項
形体の特性
適合及び
不適合
測定
測定機器
校正
サイズ
●
●
●
●
●
●
●
距離
●
●
●
●
●
●
●
形状
●
●
●
●
●
●
●
姿勢
●
●
●
●
●
●
●
位置
●
●
●
●
●
●
●
振れ
●
●
●
●
●
●
●
表面性状
(輪郭曲線)
●
●
●
●
●
●
●
表面性状
(三次元)
●
●
●
●
●
●
●
表面欠陥
●
●
●
●
●
●
●
14
B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
参考文献
[1] JIS B 0021 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
注記 対応国際規格:ISO/DIS 1101:1996,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical
tolerancing−Tolerances of form, orientation, location and run-out
[2] ISO 5459,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−Datums and datum systems
注記 対応日本産業規格:JIS B 0022 幾何公差のためのデータム
[3] JIS B 0023 製図−幾何公差表示方式−最大実体公差方式及び最小実体公差方式
注記 対応国際規格:ISO 2692:2006,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing
−Maximum material requirement (MMR), least material requirement (LMR) and reciprocity
requirement (RPR)
[4] JIS B 0024 製品の幾何特性仕様(GPS)−基本原則−GPS指示に関わる概念,原則及び規則
注記 対応国際規格:ISO 8015,Geometrical product specifications (GPS)−Fundamentals−Concepts,
principles and rules
[5] JIS B 0025 製図−幾何公差表示方式−位置度公差方式
注記 対応国際規格:ISO 5458,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−
Pattern and combined geometrical specification
[6] ISO 1660,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−Profile tolerancing
注記 対応日本産業規格:JIS B 0027 製図−輪郭の寸法及び公差の表示方式
[7] JIS B 0028 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法及び公差の表示方式−円すい
注記 対応国際規格:ISO 3040,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensioning and tolerancing
−Cones
[8] JIS B 0401-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第1部:サ
イズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎
注記 対応国際規格:ISO 286-1,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for tolerances
on linear sizes−Part 1: Basis of tolerances, deviations and fits
[9] JIS B 0401-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第2部:穴
及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表
注記 対応国際規格:ISO 286-2,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for tolerances
on linear sizes−Part 2: Tables of standard tolerance classes and limit deviations for holes and shafts
[10] JIS B 0420-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第1部:長さに関わるサイズ
注記 対応国際規格:ISO 14405-1,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional tolerancing
−Part 1: Linear sizes
[11] JIS B 0420-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第2部:長さ又は角度に関わるサ
イズ以外の寸法
注記 対応国際規格:ISO 14405-2,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional tolerancing
−Part 2: Dimensions other than linear or angular sizes
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B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
[12] JIS B 0420-3 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第3部:角度に関わるサイズ
注記 対応国際規格:ISO 14405-3,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional tolerancing
−Part 3: Angular sizes
[13] JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
注記 対応国際規格:ISO 4287,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Terms, definitions and surface texture parameters
[14] JIS B 0631 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−モチーフパラメータ
注記 対応国際規格:ISO 12085,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Motif parameters
[15] JIS B 0633 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式及び手順
注記 対応国際規格:ISO 4288,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Rules and procedures for the assessment of surface texture
[16] JIS B 0641(規格群) 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査
注記 対応国際規格:ISO 14253(規格群),Geometrical product specifications (GPS)−Inspection by
measurement of workpieces and measuring equipment
[17] JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格:ISO 3274,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Nominal characteristics of contact (stylus) instruments
[18] JIS B 0671(規格群) 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式;プラトー構造表面の
特性評価
注記 対応国際規格:ISO 13565(規格群),Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture:
Profile method; Surfaces having stratified functional properties
[19] JIS B 0682-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−真円度−第1部:用語及びパラメータ
注記 対応国際規格:ISO 12181-1,Geometrical product specifications (GPS)−Roundness−Part 1:
Vocabulary and parameters of roundness
[20] JIS B 0682-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−真円度−第2部:仕様オペレータ
注記 対応国際規格:ISO 12181-2,Geometrical product specifications (GPS)−Roundness−Part 2:
Specification operators
[21] JIS B 0683-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−真直度−第1部:用語及びパラメータ
注記 対応国際規格:ISO 12780-1,Geometrical product specifications (GPS)−Straightness−Part 1:
Vocabulary and parameters of straightness
[22] JIS B 0683-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−真直度−第2部:仕様オペレータ
注記 対応国際規格:ISO 12780-2,Geometrical product specifications (GPS)−Straightness−Part 2:
Specification operators
[23] JIS B 7440(規格群) 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査
注記 対応国際規格:ISO 10360(規格群),Geometrical product specifications (GPS)−Acceptance and
reverification tests for coordinate measuring systems (CMS)
[24] JIS B 7443-3 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定機(CMM):測定不確かさの求め方−第3部:
校正された測定物又は測定標準を使用する方法
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B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
注記 対応国際規格:ISO 15530-3,Geometrical product specifications (GPS)−Coordinate measuring
machines (CMM): Technique for determining the uncertainty of measurement−Part 3: Use of
calibrated workpieces or measurement standards
[25] JIS B 7503 ダイヤルゲージ
注記 対応国際規格:ISO 463,Geometrical Product Specifications (GPS)−Dimensional measuring
equipment−Design and metrological characteristics of mechanical dial gauges
[26] JIS B 7506 ブロックゲージ
注記 対応国際規格:ISO 3650,Geometrical Product Specifications (GPS)−Length standards−Gauge
blocks
[27] ISO 1101:2017,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−Tolerances of form,
orientation, location and run-out
注記 ISO/DIS 1101:1996,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−
Tolerances of form, orientation, location and run-outに対応するものとして次がある。
JIS B 0021:1998 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び
振れの公差表示方式
[28] ISO 1829:1975,Selection of tolerance zones for general purposes
注記 この規格は,ISO 286-1:2010,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for
tolerances on linear sizes−Part 1: Basis of tolerances, deviations and fitsに置き換えられた。
[29] ISO 1938-1:2015,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional measuring equipment−Part 1: Plain
limit gauges of linear size
[30] ISO 11562:1996,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile method−Metrological
characteristics of phase correct filters
注記 この規格は,ISO 16610-21:2011,Geometrical product specifications (GPS)−Filtration−Part 21:
Linear profile filters: Gaussian filtersに置き換えられた。
[31] ISO/PAS 12868:2009,Geometrical product specification (GPS)−Coordinate measuring machines (CMM):
Testing the performance of CMMs using single-stylus contacting probing systems
注記 この規格は,ISO 10360-5:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Acceptance and
reverification tests for coordinate measuring machines (CMM)−Part 5: CMMs using single and
multiple stylus contacting probing systemsに置き換えられた。
[32] ISO 13385-1,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional measuring equipment−Part 1: Callipers;
Design and metrological characteristics
[33] ISO 13385-2,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional measuring equipment−Part 2: Calliper
depth gauges; Design and metrological characteristics
[34] ISO/TS 15530-4,Geometrical Product Specifications (GPS)−Coordinate measuring machines (CMM):
Technique for determining the uncertainty of measurement−Part 4: Evaluating task-specific measurement
uncertainty using simulation
[35] ISO/TR 16015,Geometrical product specifications (GPS)−Systematic errors and contributions to measurement
uncertainty of length measurement due to thermal influences
[36] ISO 16610(規格群),Geometrical product specification (GPS)−Filtration
[37] ISO/TS 23165,Geometrical product specifications (GPS)−Guidelines for the evaluation of coordinate
measuring machine (CMM) test uncertainty
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B 0661:2020 (ISO 14638:2015)
[38] ISO 25178-601,Geometrical product specifications (GPS)−Surface texture: Areal−Part 601: Nominal
characteristics of contact (stylus) instruments