B 0631 : 2000 (ISO 12085 : 1996)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大
臣が制定した日本工業規格である。
JIS B 0631には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) モチーフの結合方法
附属書B(参考) モチーフパラメータと表面機能との関係
附属書C(参考) GPSマトリックス
附属書D(参考) 参考文献
B 0631 : 2000 (ISO 12085 : 1996)
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
3.1 一般事項 ······················································································································ 2
3.2 モチーフパラメータ ······································································································· 4
4. モチーフ法の理論的なオペレータ ······················································································· 5
4.1 一般事項 ······················································································································ 5
4.2 モチーフの上限長さ ······································································································· 5
4.3 モチーフ深さの識別 ······································································································· 6
4.4 モチーフの結合による粗さモチーフ及びうねりモチーフ ························································ 7
4.5 モチーフパラメータを算出する手順 ··················································································· 9
5. モチーフパラメータの測定条件 ························································································· 11
5.1 断面曲線のための測定条件······························································································ 11
5.2 推奨測定条件 ··············································································································· 11
5.3 量子化の条件 ··············································································································· 11
5.4 モチーフパラメータの許容条件 ························································································ 11
5.5 モチーフ法による負荷曲線関連のパラメータ ······································································ 11
5.6 図面指示の方法 ············································································································ 11
附属書A(規定) モチーフの結合方法 ·················································································· 12
附属書B(参考) モチーフパラメータと表面機能との関係 ························································ 14
附属書C(参考) GPSマトリックス ····················································································· 15
附属書D(参考) 参考文献 ································································································· 16
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
B 0631 : 2000
(ISO 12085 : 1996)
製品の幾何特性仕様 (GPS) ー
表面性状:輪郭曲線方式ー
モチーフパラメータ
Geometrical Product Specification (GPS)−
Surface texture : Profile method−
Motif parameters
序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 12085, Geometrical Product Specification (GPS)−
Surface texture : Profile method−Motif parametersを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな
く作成した日本工業規格である。
この規格は,製品の幾何特性仕様規格 (GPS) の一つであり,GPS基本規格に属し(TR B 0007参照),表
面性状規格チェーンのリンク番号2,3及び4に関係する。
この規格と他のGPS規格との関連についての詳細は,附属書Cを参照する。
この規格で規定する方法は,対象としている表面の特徴を抽出するモチーフ法によって粗さモチーフ及び
うねりモチーフを断面曲線から決めるものであり,輪郭曲線フィルタとは関係なく,モチーフ深さ及びモ
チーフ長さからモチーフパラメータを求める。モチーフパラメータは,ISO 4287で定義されたパラメータ
を補うものであり,附属書Bに述べるような表面機能の特徴を表現するために利用することができる。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
備考 TR B 0007は,ISO/TR 14638 : 1995 Geometrical Product Specification (GPS)−Masterplanと一致し
ている。
参考 モチーフとは,断面曲線の凹凸の主要素いい,モチーフから求めるパラメータをモチーフパラ
メータという。
1. 適用範囲 この規格は,モチーフ法によって表面性状を規定するために用いられる用語及びモチーフ
パラメータを定義する。さらに,理論的なオペレータ及び測定条件に関連する事項について規定する。
参考 オペレータとは,不確かさを導入するために,測定機器,測定手順,フィルタなどの処理を一
体化した概念である。理論的なオペレータとは,測定機器及び量子化(ディジタル化)された
データに誤差がなく,離散化されたデータの数も無限に大きい場合のオペレータである。
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2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載年の版だけがこの規格を構成するも
のであって,その後の改訂版・追補は適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新版を適
用する。
JIS B 0031 製図−面の肌の図示方法
備考 ISO 1302 : 1992, Technical drawings−Method of indicating surface textureからの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS B 0651 触針式表面粗さ測定器
ISO 3274 : 1996, Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile method−Nominal
characteristics of contact (stylus) instruments
ISO 4287 : 1997, Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile method−Terms,
definitions and surface texture parameters
ISO 4288 : 1996, Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile method−Rules and
procedures for the assessment of surface texture
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
一般事項
3.1.1
表面の断面曲線 (surface profile) 対象面を直角な平面で切断したときに,その切り口に現れる輪
郭 (JIS B 0660 : 1998)。ISO 4287参照。
3.1.2
断面曲線 (primary profile) 測定断面曲線から短波長成分をカットオフ値λs(表1参照)の低域
フィルタによって除去した曲線 (JIS B 0660 : 1998)。ISO 3274参照。
3.1.3
断面曲線の局部山 (local peak of profile) 断面曲線の隣り合う極小点の間にある実体部分(図1
参照)。
図1 断面曲線の局部山
3.1.4
断面曲線の局部谷 (local valley of profile) 断面曲線の隣り合う極大点の間にある空間部分(図2
参照)。
図2 断面曲線の局部谷
3
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3.1.5
モチーフ (motif) 2個の局部山に挟まれた曲線部分。局部山は,必ずしも隣り合うとは限らない
(4.4参照)。
モチーフは,次の長さ及び深さによって表される(図3及び図5参照)。
− 断面曲線の横方向に測定した長さ(モチーフ長さという。)ARi又はAWi
− 縦方向に測定した2個の山頂から谷底までの深さ(モチーフ深さという。)Hj及びHj+1,又はHWj及
びHWj+1
− 2個のモチーフ深さ(例えばHjとHj+1)のうち浅いほうの深さT
3.1.6
粗さモチーフ (roughness motif) 4.2及び5.2に規定する粗さモチーフの上限長さA(図3参照)
の理論的なオペレータによって導かれるモチーフ。
備考 この定義では,粗さモチーフ長さARiは,A以下の長さになる。
図3 粗さモチーフ
3.1.7
包絡うねり曲線 [upper envelope line of the primary profile (waviness profile)] 4.の操作によって
識別された断面曲線の山頂を直線によって連ねた曲線(図4参照)。
図4 包絡うねり曲線
3.1.8
うねりモチーフ (waviness motif) 4.2及び5.2に規定するうねりモチーフの上限長さBの理論的
なオペレータによって包絡うねり曲線から求めたモチーフ(図5参照)。
4
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図5 うねりモチーフ
3.2
モチーフパラメータ
3.2.1
粗さモチーフの平均長さ (mean spacing of roughness motifs), AR 評価長さで求めた粗さモチーフ
長さARiの算術平均値(図6参照)。すなわち,
∑
=
=
n
i
i
AR
n
AR
1
1
ここで,nは,粗さモチーフの数である(ARiの数に等しい)。
3.2.2
粗さモチーフの平均深さ (mean depth of roughness motifs), R 評価長さで求めた粗さモチーフ深
さHjの算術平均値(図6参照)。すなわち,
∑
=
=
m
H
m
R
1
j
j
1
ここで,mは,Hjの数である。
備考 Hjの数は,ARiの数の2倍となる (m=2n)。
3.2.3
粗さモチーフの最大深さ (maximum depth of profile irregularity), Rx 評価長さで求めたHjの最大
値。
例 図6では,Rx=H3。
図6 粗さモチーフパラメータ
3.2.4
うねりモチーフの平均長さ (means spacing of waviness motifs), AW 評価長さで求めたうねりモチ
ーフ長さAWiの算術平均値(図7参照)。すなわち,
∑
=
=
n
AW
n
AW
1
i
i
1
5
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ここで,nは,うねりモチーフの数である(AWiの数に等しい)。
3.2.5
うねりモチーフの平均深さ (mean depth of waviness motifs), W 評価長さで求めたうねりモチー
フ深さHWjの算術平均値(図7参照)。すなわち,
∑
=
=
m
Hw
m
W
1
j
j
1
ここで,mは,HWjの数である。
備考 HWjの数は,AWjの数の2倍である (m=2n)。
3.2.6
うねりモチーフの最大深さ (maximum depth of waviness), Wx 評価長さにわたって求めたHWjの
最大値(図7参照)。
3.2.7
包絡うねり曲線の全深さ (total depth of waviness), Wte 包絡うねり曲線(4.及び附属書Aのルール
に従って求めた包絡うねり曲線)の最高点と最低点との間の縦方向距離(図7参照)。
図7 うねりモチーフパラメータ
4. モチーフ法の理論的なオペレータ
4.1
一般事項 ここでは,モチーフの識別条件(モチーフ長さ及びモチーフ深さの識別)について規定
し,粗さモチーフパラメータ及びうねりモチーフパラメータの計算方法を示す。
4.2
モチーフの上限長さ 図8に示す粗さモチーフの上限長さA及びうねりモチーフの上限長さBの推
奨値は,5.で規定する。
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図8 モチーフの上限長さ
4.3
モチーフ深さの識別 モチーフ深さの識別は,断面曲線によって行う。
4.3.1
最小モチーフ深さに基づく識別 断面曲線を間隔2Aによって区切り,上辺及び下辺で断面曲線に接
する長方形の高さを求める。
山として識別される局部山は,モチーフ深さがこれら長方形の平均高さの5%以上とする(図9参照)。
図9 モチーフ深さの識別
4.3.2
最大モチーフ深さに基づく識別 モチーフ深さHjの粗さモチーフから,Hjの平均Hj及び標準偏差
σHjを計算する。
j
j
65
.1
H
H
H
σ
+
=
より大きいモチーフ深さの局部山又は局部谷を,Hのレベルに置き換え
る(図10参照)。
備考 Hjが正規分布する場合には,5%の山及び谷がこの条件に関与する。この識別によって,際立っ
て高い山が包絡うねり曲線に直接影響しないようになる。
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図10 最大モチーフ深さに基づく識別
4.4 モチーフの結合による粗さモチーフ及びうねりモチーフ 次の四つの検定条件は図11に示してある。
図11のRは粗さを,Wはうねりを表す。
条件I 包絡条件 第1の条件は,隣接する山のうち,高いほうの山を残す。
条件II モチーフ長さの条件 第2の条件は,4.2及び5.2の定義に従い,Aの値(粗さモチーフとうねり
モチーフとを分けるモチーフの上限長さ),又はBの値(うねりモチーフと形状とを分けるモチーフの上
限長さ)によってモチーフ長さを制限する。
条件III 拡張条件 第3の条件は,可能な限り大きなモチーフを見付け出して小さな山を消去する。ただ
し,結合を試みる一対(隣接する2個)のモチーフを1個のモチーフとみなして得られるT(拡張Tとい
う)が元の2個のモチーフのT(図11のT1,T2)のいずれか一方より小さくなった場合には,2個のモチ
ーフを結合することはできない。(この条件によって,高い山の間に存在する小さな山を消去することがで
きる。)
条件IV 類似モチーフ深さ条件 第4の条件は,特に周期的な表面に対して,モチーフ深さが類似してい
る2個のモチーフの結合を制限する。(これによってある山とそれに隣接する山の高さが同等な場合の山
の消去を防ぐ。)
結合アルゴリズムは,結合の可能性がなくなるまで適用する。
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図11 モチーフの結合
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4.5
モチーフパラメータを算出する手順
注(1) モチーフパラメータR及びARは,最低3個のモチーフから計算する。
(2) モチーフパラメータW及びAWは,最低3個のモチーフから計算する。
(3) モチーフが3個未満の場合でも,Rx又はWxは計算する。
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図12 モチーフパラメータの計算手順
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5. モチーフパラメータの測定条件
5.1
断面曲線のための測定条件 うねりモチーフパラメータを計算するためには,断面曲線は,基準案
内を基にして測定しなければならない(ISO 3274及びJIS B 0651参照)。
5.2
推奨測定条件 推奨測定条件を表1に示す(ISO 3274参照)。
表1
A(4)
B(4)
測定長さ
評価長さ
λs(5)
触針先端の最大
mm
mm
mm
mm
μm
半径 μm
0.02
0.1
0.64
0.64
2.5
2±0.5
0.1
0.5
3.2
3.2
2.5
2±0.5
0.5
2.5
16
16
8
5±1
2.5
12.5
80
80
25
10±2
注(4) 他に指示がない場合には,標準としてA=0.5mm,B=2.5mm
とする。
(5) 短波長成分を遮断する低域フィルタのカットオフ値。
5.3
量子化の条件 この規格によるモチーフパラメータは,断面曲線が縦方向に最低150段階で量子化
されている必要がある。
5.4
モチーフパラメータの許容条件 ISO 4288の16%ルールを,モチーフパラメータに適用する。
5.5
モチーフ法による負荷曲線関連のパラメータ 包絡うねり曲線は,ISO 13565-2のパラメータRk,
Rpk及びRvkを評価するためのISO 13565-1のフィルタの代わりとして用いることができる。この場合の
パラメータの表示は,Rke,Rpke及びRvkeとする。
5.6
図面指示の方法 モチーフパラメータは,JIS B 0031によって図面上に指示する。
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附属書A(規定) モチーフの結合方法
現存する装置と整合した結果を得るためには,A.1〜A.3の計算方法をソフトウェアに適用しなければな
らない(附属書A図1参照)。
A.1 断面曲線のセグメントへの分解 次の条件を満足する2個の山Pi及びPi+1の探索
− 2個の山頂間の横方向距離が最大である。
− 横方向距離は,A及びB以下である(表1参照)。
− 2個の山の間には,この2個の山のどちらよりも高い山は,存在しない。
これら2個の山の間の曲線部分をセグメントと呼ぶ。
A.2 セグメント内のモチーフの結合 各セグメント内では,隣接する一対(隣接する2個)のモチーフに
対して,4.4の三つの条件I,III及びIVを検定する。2個の独立したモチーフの結合は,これら三つの条
件が満足された場合に可能となる。条件IVに対しては,MIN (Hj+1, Hj+2) がセグメントのT[セグメント
の2個の山から最も深い谷までの高さh1,h2(附属書A図1参照)のうち小さいほうの値]の60%と比較
し,一対(隣接する2個)のモチーフの拡張Tとは比較しない。
セグメント内のすべてのモチーフについて結合の操作を行った後,セグメントの最初からセグメント内
の結合がなくなるまで結合の操作を行う。同様の操作を次のセグメントについて行う。
A.3 断面曲線の全長にわたる結合 断面曲線の全長にわたり,A.2までの段階で得られたすべてのモチー
フに対して,一対(隣接する2個)の結合の操作を逐次行う。2個ずつのモチーフの各対について,条件I,
II,III及びIVの検定を行う。これらの四つの条件が満足されたときだけ,一対のモチーフが結合される。
条件IVに対しては,Tは,対象としている結合されたモチーフの2個のモチーフ深さのうち,小さいほう
の値をとる。
すべてのモチーフについて結合の操作を行った後,あらためて断面曲線の初めからモチーフの結合の可
能性がなくなるまで,結合の操作を行う。
参考 A.3でいうモチーフとは,A.2の操作で得られたセグメントによるモチーフを指す。
A.4 モチーフの結合の計算(まとめ)
断面曲線及び包絡うねり曲線をセグメントに分解
(粗さモチーフ長さ≦A, うねりモチーフ長さ≦B)
↓
各セグメント内のモチーフの結合
条件I,III及びIVの検定
↓
断面曲線の全長にわたるモチーフの結合
条件I,II,III及びIVの検定
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備考 ×消去された山
(条件I,II,III及びIVを満たす。)
○残留する山
参考 原国際規格では,P3の山の右側のセグメント設定に誤りがあったので,訂正してある。この図
の例は,A=500μmとしている。
附属書A図1 モチーフの結合
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附属書B(参考) モチーフパラメータと表面機能との関係
附属書B表1は,表面機能に従って指定するモチーフパラメータを情報として示す。
附属書B表1
表面
表面機能
パラメータ
粗さモチーフ
パラメータ
うねりモチーフ
パラメータ
断面曲線
パラメータ
項目
記号*
R
Rx
AR
W
Wx
Wte
Aw
Pt
Pδc
接
触
2
表
面
相対運
動をす
る場合
潤滑下の滑り
FG
●
≦0.8R
○
●
乾燥摩擦
FS
●
○
●
○
転がり
FR
●
≦0.3R
●
○
○
衝撃抵抗
RM
○
○
○
○
●
流体摩擦
FF
●
○
○
動的シー
リング
ガスケット有
ED
●
○
○ ≦0.6R
●
○
ガスケット無
○
●
≦0.6R
●
相対運
動をし
ない場
合
静的シー
リング
ガスケット有
ES
○
●
≦R
○
○
ガスケット無
○
●
≦R
●
接触
AC
○
●
接着
AD
●
○
単
独
表
面
応力大
の場合
切削工具(切刃面)
OC
○
○
●
●
疲れ強度
EA
○
●
○
○
応力が
ない場
合
耐腐食
RC
●
●
ペンキ塗装
RE
○
○
電気めっき
DE
● ≦2R
●
測定寸法
ME
●
≦R
外観
AS
●
○
○
○
備考 ●:最も重要なパラメータ:少なくとも一つは指示する。
○:副次的なパラメータ:部品機能にとって必要な場合に指示する。
≦0.8Rの表示:例えば,FGの場合,Wが指示されていなければ,Wの上限値は,Rの上限値の0.8倍とす
る。
注*
記号(FGなど)は,フランス語による名称の頭文字である。
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附属書C(参考) GPSマトリックス
GPSマトリックスの詳細は,TR B 0007製品の幾何特性仕様 (GPS)−マスタープランを参照。
C.1 規格及びその利用についての情報 この規格は,ISO 4287の輪郭曲線方式のパラメータを補足する粗
さモチーフパラメータ及びうねりモチーフパラメータを規定する。これらのモチーフパラメータは,表面
の山が表面機能にとって重要な場合に用いることができる。
備考 一般に,輪郭曲線方式のパラメータからモチーフパラメータへの変換及びその逆の変換は不可
能である。
C.2 GPSマトリックスにおける位置付け この規格は,附属書C図1に示す粗さ曲線及びうねり曲線に関
する規格チェーンのリンク番号2,3及び4に関わる基本規格である。
附属書C図1
C.3 関連国際規格 関連国際規格は,附属書C図1に示す規格チェーンに含まれる規格である。
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附属書D(参考) 参考文献
(1) ISO 13565-1 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile method ; Surfaces
having stratified functional properties−Part 1 : Filtering and general measurement conditions.
(2) ISO 13565-2 : 1996 Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture : Profile method ; Surfaces
having stratified functional properties−Part 2 : Height characterization using the linear material ratio curve.
(3) ISO/TR 14638 : 1995 Geometrical Product Specification (GPS)−Masterplan.
備考 TR B 0007 製品の幾何特性仕様 (GPS)−マスタープランが,この規格と一致している。
(4) VIM−International vocabulary and general terms in metrology, BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, IUPAP, OIML,
2nd edition, 1993.
モチーフ法JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
塚 田 忠 夫
東京工業大学
(幹事)
笹 島 和 幸
東京工業大学
荒 井 正 敏
株式会社東京精密
加 納 孝 文
株式会社ミツトヨ
桑 田 浩 志
トヨタ自動車株式会社
坂 野 憲 幾
工業技術院計量研究所
佐 藤 隆
株式会社東芝
橋 本 進
財団法人日本規格協会
八 田 勲
工業技術院標準部
原 田 和 昌
日本精工株式会社
福 島 彰
財団法人日本船舶標準協会
太 箸 孝 善
石川島播磨重工業株式会社
宮 下 勤
テーラーホブソン株式会社
宮 本 紘 三
株式会社小坂研究所
(事務局)
杉 田 光 弘
財団法人日本規格協会
増 森 かおる
財団法人日本規格協会