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B 0420-1:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 3 

4 指定条件及び記号 ············································································································ 14 

5 サイズの標準指定演算子 ··································································································· 16 

5.1 一般 ··························································································································· 16 

5.2 ISO標準指定演算子 ······································································································ 16 

5.3 図示標準指定演算子 ······································································································ 17 

6 サイズの特別指定演算子の図示方法 ···················································································· 18 

6.1 一般 ··························································································································· 18 

6.2 一つ以上の指定演算子の指示 ·························································································· 20 

7 サイズ特性を明確にした公差付き形体の指示 ········································································ 23 

7.1 完全な公差付きサイズ形体 ····························································································· 23 

7.2 サイズ形体の特定の限定した部分····················································································· 23 

7.3 サイズ形体の任意の限定した部分に特定の長さ当たりを適用 ················································· 24 

7.4 サイズ形体の任意の横断面 ····························································································· 24 

7.5 サイズ形体の特定の横断面 ····························································································· 25 

7.6 複数のサイズ形体に個別に要件を適用··············································································· 26 

7.7 複数のサイズ形体(サイズ特性は同一)を一つの(つながった)サイズ形体とみなして要件を適用

 ········································································································································ 27 

7.8 非剛性部品 ·················································································································· 27 

附属書A(参考)GPSマトリックスモデル ··············································································· 29 

附属書JA(規定)ISO標準GPS指定演算子及び代替標準GPS指定演算子 ····································· 31 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 33 

B 0420-1:2016  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 0420-1:2016 

製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式

−第1部:長さに関わるサイズ 

Geometrical product specifications (GPS)- 

Dimensional tolerancing-Part 1: Linear sizes 

序文 

この規格は,2010年に第1版として発行されたISO 14405-1を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格であるが,従来,日本工業規格で規定されていた用語を一部見直した。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,“円筒”及び“相対する平行二平面”の二つのサイズ形体の長さに関わるサイズに対する標

準指定演算子並びに特別指定演算子について規定する。また,これらの長さに関わるサイズのための指定

条件及びその図示方法について規定する。 

この規格で規定する長さに関わるサイズは,次による。 

− 局部サイズ 

− 2点間サイズ 

− 球サイズ 

− 断面サイズ 

− 部分サイズ 

− 全体サイズ 

− 長さに関わる直接全体サイズ 

− 最小二乗サイズ 

− 最大内接サイズ 

− 最小外接サイズ 

− 長さに関わる間接全体サイズ 

− 算出全体サイズ(体積直径の算出サイズ) 

− 算出サイズ 

− 円周直径 

− 面積直径 

− 体積直径 

− 順位サイズ 

− 最大サイズ 

B 0420-1:2016  

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− 最小サイズ 

− 平均サイズ 

− 中央サイズ 

− 中間サイズ 

− 範囲サイズ 

この規格は,次のような場合に,指定条件の使用の有無に関係なく,長さに関わるサイズの公差の表し

方について規定する(表1及び表2参照)。 

− “+”及び/又は“−”で表す許容差(例えば,0/−0.019)(図9参照) 

− 上の許容サイズ(ULS)及び/又は下の許容サイズ(LLS)(例えば,15.2 max,12 min)(図11参照) 

− JIS B 0401-1によるISOコード方式(公差クラス)(図10参照) 

この規格は,幾つかのサイズ特性の種類を明示するための一連のツールについて規定する。ただし,“機

能・用途”と“サイズ特性”との関連情報は規定しない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 14405-1:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional tolerancing−Part 1: 

Linear sizes(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0026 製図−寸法及び公差の表示方式−非剛性部品 

注記 対応国際規格:ISO 10579:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensioning and 

tolerancing−Non-rigid parts(IDT) 

JIS B 0401-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第1部:サ

イズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎 

注記 対応国際規格:ISO 286-1:2010,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for 

tolerances on linear sizes−Part 1: Basis of tolerances, deviations and fits(IDT) 

JIS B 0672-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義 

注記 対応国際規格:ISO 14660-1:1999,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical 

features−Part 1: General terms and definitions(IDT) 

JIS B 0672-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第2部:円筒及び円すいの測得中心線,測得中心

面並びに測得形体の局部寸法 

注記 対応国際規格:ISO 14660-2:1999,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical 

features−Part 2: Extracted median line of a cylinder and a cone, extracted median surface, local size 

of an extracted feature(IDT) 

ISO 17450-1:2011,Geometrical product specifications (GPS)−General concepts−Part 1: Model for 

geometrical specification and verification 

ISO 17450-2:2012,Geometrical product specifications (GPS)−General concepts−Part 2: Basic tenets, 

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B 0420-1:2016  

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specifications, operators, uncertainties and ambiguities 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0672-1,JIS B 0672-2,ISO 17450-1及びISO 17450-2によ

るほか,次による。 

3.1 

指定条件(specification modifier) 

適用したときに,基本的な“製品の幾何特性仕様”(geometrical product specifications,GPS)(以下,“GPS”

という。)指定の標準(デフォルト)定義を変更するGPS指定要素。 

注記 指定条件は,ISO規格,JIS又は社内の規格・文書で定義してもよい。 

3.2 

サイズ形体(feature of size) 

長さ又は角度に関わるサイズによって定義された幾何学的形状。 

注記1 サイズ形体には円筒,球,相対する平行二平面などがある。 

注記2 JIS B 0672-1の用語“単純な加工物”及び“単独形体”は,“サイズ形体”とほぼ同等な意味

で用いられていた。 

注記3 この規格で扱うサイズ形体を図1及び図2に示す。 

a) サイズ形体の図示例(内側及び外側) 

b) 測得形体 

図1−相対する平行二平面に関連するサイズ形体の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) サイズ形体の図事例(内側及び外側) 

b) 測得形体 

図2−円筒に関連するサイズ形体の例 

3.3 

上の許容サイズ,ULS(upper limit of size) 

サイズ形体(3.2)において,許容できる最大のサイズ。 

3.4 

下の許容サイズ,LLS(lower limit of size) 

サイズ形体(3.2)において,許容できる最小のサイズ。 

3.5 

標準指定演算子(default specification operator) 

標準指定演算だけの組合せで表記した演算子。 

注記1 標準指定演算子は,次のいずれかである。 

− ISO規格で規定したISO標準指定演算子 

− JISで規定したJIS標準指定演算子 

− 社内の規格・文書で規定した社内標準指定演算子 

− 上記の三つの演算子のうちの一つが図示された図示標準指定演算子 

注記2 ISOの基本的なGPS指定を図面に用いる場合に,標準指定演算子を適用する。 

注記3 公差は,サイズ(3.8)に関するISOの基本的なGPS指定によって,上の許容差及び/又は

下の許容差,上の許容サイズ及び/又は下の許容サイズ(表4参照),又は指定条件(3.1)

なしでJIS B 0401-1に従いISO公差クラスによって指示する。 

注記4 サイズに関するISO標準指定演算子は,この規格による(5.2参照)。 

注記5 この用語の定義及び注記1は,ISO 17450-2と同じであるが,この規格では,ISO 17450-2の

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記2及び例を含んでいない。また,この規格では,新たに注記2〜注記4を追加している。 

3.6 

図示標準GPS指定演算子(drawing-specific default GPS specification operator) 

図示する場合に限り適用でき,かつ標準指定演算だけを含んだ技術文書(図面)が要求する指定演算子。 

注記1 図示標準GPS仕様又は独自の社内標準GPS仕様を使うことで,標準GPS仕様を変更するこ

とができる。図示標準GPS仕様及び独自の社内標準GPS仕様は,直接的か,文書(例えば,

地方,国内又は社内の規格)参照の形のいずれかによって指示する。 

注記2 サイズ(3.8)に関する図示標準指定演算子は,表題欄の付近に指示する(5.3参照)。 

3.7 

特別指定演算子(special specification operator) 

一つ以上の特別指定演算を含む指定演算子。 

注記1 特別指定演算子は,GPS指定で定義する。 

注記2 特別指定演算子は,完全な形体に対する指定演算子又は部分的な形体に対する指定演算子と

なる場合がある。 

例 軸に対して指定したø30±0.1

は,指定演算の中の一つである最小外接当てはめ円筒が標準指定

演算ではないため,特別指定演算子である(6.2.2参照)。 

3.8 

サイズ(size) 

図示形体,又は当てはめ形体で定義できるサイズ形体(3.2)の固有特性。 

注記1 この規格では,サイズは,円筒の直径又は相対する平行二平面間の距離のいずれかに相当す

る(“直径”及び“距離”は,“サイズ”と同じ意味である)。 

注記2 サイズには,角度(例えば,円すいの角度)及び長さ(例えば,円筒の直径)がある。この

規格では,長さに関わるサイズだけを扱う。 

3.9 

サイズ特性(size characteristic) 

サイズ(3.8)に関連し,測得形体で定義される特性。 

注記1 サイズは,複数のサイズ特性によって評価できる(例えば,2点間直径又は測得形体につい

ての当てはめ形体の直径)。 

注記2 この規格で使用する用語“測得”は,文字どおり“測って得られた”という意味で,いわゆ

る“測定結果”と同義である。 

3.10 

局部サイズ(local size) 

長さに関わる局部サイズ(local linear size) 

サイズ形体(3.2)の周り及び/又はそれに沿った一般的な評価結果を定義上もったサイズ特性(3.9)。 

注記1 与えられた形体には,無数の局部サイズがある。 

注記2 この規格では,“局部サイズ”を“長さに関わる局部サイズ”の代わりに用いる。 

注記3 図3に局部サイズの例を示す。これらの例は,順位サイズ(3.11.2.2)を考慮しない。 

3.10.1 

2点間サイズ(two-point size) 

サイズ形体(3.2)から得られた相対する2点間の距離を表したもの。局部サイズの中の一つ。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 円筒から得られた2点間サイズを,“2点間直径”という。JIS B 0672-2では,これを“測得

円筒の局部直径”と規定している。 

注記2 二つの相対する平面から得られた2点間サイズを,“2点間距離”という。ISO 14660-2では,

これを“二つの平行な測得表面の局部サイズ”として定義している。 

3.10.2 

断面サイズ(section size) 

測得形体の特定の横断面を表したもの。局部サイズ(3.10)の中の一つ。 

注記1 断面サイズは,完全な公差付きサイズ形体(3.2)の局部サイズ(3.10)である。 

注記2 横断面は,直接全体サイズ(3.11.1)を定義するために用いたものと同じ判定基準で定義する。 

注記3 円筒に対応する測得形体については,無数の横断面を定義することが可能であり,特定の当

てはめ判定基準によって当てはめ円の直径が決定できる。これが断面サイズである。 

3.10.3 

部分サイズ(portion size) 

測得形体の一部分を表したもの。局部サイズ(3.10)の中の一つ。 

注記 部分サイズは,完全な公差付きサイズ形体(3.2)の局部サイズ(3.10)である。 

3.10.4 

球サイズ(spherical size) 

最大内接球の直径を表したもの。局部サイズの中の一つ[図3 c) 参照]。 

注記 この局部サイズは,球によって定義されて,“円筒”及び“相対する平行二平面”の2種類のサ

イズ形体に適用する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 内側形体又は外側形体のいずれか,及び円筒又は 

相対する二平面のいずれかとみなす測得形体 

b) 2点間サイズ 

c) 球サイズ 

d) 最大内接判定基準(他の基準も適用可能)をもつ 

直接全体サイズから得られた断面サイズ 

注記 長さLの測得形体部だけから得られる。 

e) 最大内接判定基準(他の基準も適用可能)をもつ 

直接全体サイズから得られた部分サイズ 

  

サイズ[図3 b)] 

円筒部の長さ 

位置 

Sød 

最大内接球の直径 

図3−局部サイズの例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.11 

全体サイズ(global size) 

長さに関わる全体サイズ(global linear size) 

公差付きサイズ形体(3.2)の周り及びそれに沿った固有の評価結果をもつサイズ特性(3.9)。 

3.11.1 

直接全体サイズ(direct global size) 

長さに関わる直接全体サイズ(direct global linear size) 

サイズ形体(3.2)と同じ幾何学的な種類の当てはめ形体のサイズ(3.8)。全体サイズの中の一つ。 

注記1 完全な公差付き形体の異なった長さに関わる直接全体サイズを,図4に示す。 

注記2 異なる判定基準を当てはめ演算に用いてもよい。その場合,選択された判定基準によって,

異なる結果となる。この規格に記載される当てはめ判定基準は,全最小二乗法,最大内接法

及び最小外接法である。 

3.11.1.1 

最小二乗サイズ(least-squares size) 

全最小二乗判定基準をもつ測得形体から確立された当てはめ形体のサイズ(3.8)。全体サイズの中の一

つ。 

注記 この規格では,“全最小二乗(total least squares)”を“最小二乗(least squares)”という。なぜ

なら,例えば,直線を当てはめる“全最小二乗法”は,当てはめようとする直線に対する法線

方向の偏差の二乗和を最小化する方法であるが,最小化する前に人為的に設定した対象物の方

向が,直線の方向とほぼ平行であるので,“最小二乗法”の適用結果とほぼ同一の結果が得られ

る。 

なお,最小二乗法は,当てはめようとする直線に対する縦軸方向の偏差の二乗和を最小化す

る方法である。 

3.11.1.2 

最大内接サイズ(maximum inscribed size) 

最大内接判定基準による測得形体に対応する当てはめ形体のサイズ(3.8)。全体サイズの中の一つ。 

3.11.1.3 

最小外接サイズ(minimum circumscribed size) 

最小外接判定基準による測得形体に対応する当てはめ形体のサイズ(3.8)。全体サイズの中の一つ。 

3.11.2 

間接全体サイズ(indirect global size) 

長さに関わる間接全体サイズ(indirect global linear size) 

順位サイズ(3.11.2.2)又は算出サイズ(3.11.2.1)。 

注記 間接全体サイズは,例えば,測得円筒面における一組の2点間サイズの値の平均である。 

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a) 内側形体又は外側形体のいずれか,及び円筒 

又は相対する二平面のいずれかとみなす測得形体 

b) 最大内接サイズ 

c) 最小外接サイズ 

d) 最小二乗サイズ 

図4−直接全体サイズの図解 

3.11.2.1 

算出サイズ(calculated size) 

同じ形体の一つ又は幾つかの別のサイズに,形体の固有特性に関する数式を用いて得られるサイズ(3.8)。 

注記 算出サイズは,局部サイズ(3.10),又は全体サイズ(3.11)のいずれにもなる場合がある。 

3.11.2.1.1 

円周直径(circumference diameter) 

次の式から求めた直径(d)による(測得円筒の)算出サイズ(3.11.2.1)。 

π

L

d=

ここに, 

L: 最小二乗当てはめ円筒の中心軸直線に垂直な,横断面の

外殻測得線の長さ(図5参照)。 

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注記1 円周直径は,横断面で定義する。 

注記2 幾つかの判定基準を横断面に適用する当てはめ演算に用いることができるが,選択した判定

基準に従って異なる結果が得られる。標準判定基準は,形体の最小二乗当てはめ円筒である

[JIS B 0672-2の4.2.1(測得円筒の局部寸法)参照]。 

a) 

b) 

  

輪郭の長さ(測得線) 

d Lをπで除した値に等しい円周直径 

図5−円周直径の例 

3.11.2.1.2 

面積直径(area diameter) 

次の式から求めた直径(d)による(測得円筒の)算出サイズ(3.11.2.1)。 

π

A

d

4

=

ここに, 

A: 最小二乗当てはめ円筒の中心軸直線に垂直な,横断面の

外殻測得線によって囲まれた領域の面積(図6参照)。 

注記1 面積直径は,横断面で定義する。 

注記2 幾つかの判定基準を横断面に適用する当てはめ演算に用いることができるが,選択した判定

基準に従って異なる結果が得られる。標準判定基準は,形体の最小二乗当てはめ円筒である

[JIS B 0672-2の4.2.1(測得円筒の局部寸法)参照]。 

a) 

b) 

  

測得線の輪郭の内側領域の面積 

Aから算出される面積直径 

図6−面積直径の例 

3.11.2.1.3 

体積直径(volume diameter) 

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次の式から求めた直径(d)による(測得円筒の)算出サイズ(3.11.2.1)。 

L

V

d

×

=π4

ここに, 

V: 外殻測得円筒で決まる体積 

L: 最小二乗当てはめ円筒を,その中心軸直線に垂直で,形

体の完全断面を含んだ最大限に離れた平行二平面で切断
したときに得られる円筒形体の高さ(図7参照)。 

注記 幾つかの判定基準を測得円筒と交差する横断面に適用する当てはめ演算に使用することができ

る。軸方向の長さLにおいて,選択した判定基準に従って異なる結果が得られる。標準的な判

定基準は,形体の最小二乗当てはめ円筒である[JIS B 0672-2の4.2.1(測得円筒の局部寸法)

参照]。 

 V 測得形体の体積 
 L 円筒長さ 
 d V及びLから算出した体積直径 
 a 最小二乗当てはめ円筒の中心軸直線に垂直で,そして形体の完全断面を含んでいる最大限に離れた平行二平面。 

図7−体積直径の例 

3.11.2.2 

順位サイズ(rank-order size) 

公差付きサイズ形体(3.2)の周り及び/又はそれに沿って得られた同種の局部サイズ(3.10)の値の集

まりから数学的に定義するサイズ特性(3.9)。 

注記1 順位サイズは,局部サイズ(3.10)[部分サイズ(3.10.3),断面サイズ(3.10.2),球サイズ(3.10.4),

2点間サイズ(3.10.1)]から間接全体サイズ(3.11.2)を定義するために用いることができる。 

注記2 順位サイズは,他の局部サイズから局部サイズを定義するために用いることができる(例え

ば,断面内で得られた2点間サイズから順位断面サイズを定義する)。 

注記3 この規格で規定する順位サイズの種類を,図8に示す。 

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3.11.2.2.1 

最大サイズ(maximum size) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中から,最大値で定義

される順位サイズ(3.11.2.2)。 

3.11.2.2.2 

最小サイズ(minimum size) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中から,最小値で定義

される順位サイズ(3.11.2.2)。 

3.11.2.2.3 

平均サイズ(average size) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中から,平均値で定義

される順位サイズ(3.11.2.2)。 

3.11.2.2.4 

中央サイズ(median size) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中から,中央値(メジ

アン)で定義される順位サイズ(3.11.2.2)。 

注記 中央値(メジアン)は,母集団を二つに等分する(上が50 %,下が50 %)局部サイズ。母集

団の再分割によっては,中央サイズと平均サイズとが同じになるか,又は同じでない場合があ

る。 

3.11.2.2.5 

中間サイズ(mid-range size) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中の,最大値及び最小

値の二つの値の平均値で定義される順位サイズ(3.11.2.2)。 

3.11.2.2.6 

範囲サイズ(range of sizes) 

公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(3.10)の値の集まりの中から,最大値と最小

値との差で定義される順位サイズ(3.11.2.2)。 

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13 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 1 局部サイズの値の集まり 

2 軸直線方向の位置 
3 最大サイズ(=10.498) 
4 最小サイズ(=9.543) 
5 平均サイズ(=10.012) 
6 中央サイズ(=9.970) 
7 中間サイズ(=10.020) 
8 範囲サイズ(=0.955) 

d 局部サイズの値 

図8−2点間サイズに基づいた順位サイズの例 

3.12 

包絡の条件(envelope requirement) 

形体がその最大実体寸法における完全形状の包絡面(最大実体実効状態)を超えてはならない条件。 

包絡の条件は,単独形体,すなわち円筒面又は相対する平行二平面によって決められる一つのサイズ形

体に対して適用する。この条件は,サイズの最小実体限度に適用された指定演算子の2点間サイズ(3.10.1)

と,サイズの最大実体限度に適用された指定演算子の最大内接サイズ(3.11.1.2)又は最小外接サイズ

(3.11.1.3)との組合わせによっても定義できる。 

3.12.1 

外側サイズ形体の包絡の条件(envelope requirement for external feature of size) 

下の許容サイズ(LLS)(3.4)に適用する指定演算子の2点間サイズ(3.10.1)と,上の許容サイズ(ULS)

(3.3)に適用する指定演算子の最小外接サイズ(3.11.1.3)とを組み合わせて同時に用いる条件。 

3.12.2 

内側サイズ形体の包絡の条件(envelope requirement for internal feature of size) 

上の許容サイズ(ULS)(3.3)に適用する指定演算子の2点間サイズ(3.10.1)と,下の許容サイズ(LLS)

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(3.4)に適用する指定演算子の最大内接サイズ(3.11.1.2)とを組み合わせて同時に用いる条件。 

3.13 

連続サイズ形体の公差(common feature of size tolerance) 

幾つかの分割された形体を一つのサイズ形体(3.2)とみなして適用する単独の公差(7.7及び図28参照)。 

指定条件及び記号 

この規格で用いる指定条件及び記号は,表1及び表2による。 

サイズの指定において,上の許容限界及び/又は下の許容限界に使用できるサイズ特性の特定の種類を

定義するには,表3に定義する指定条件又は記号を用いなければならない。 

これらの指定条件と記号との組合せは,箇条5〜箇条7に規定する。 

表1−長さに関わるサイズの指定条件 

条件記号 

説明 

2点間サイズ 

球で定義される局部サイズ 

最小二乗サイズ(最小二乗当てはめ判定基準による) 

最大内接サイズ(最大内接当てはめ判定基準による) 

最小外接サイズ(最小外接当てはめ判定基準による) 

円周直径(算出サイズ) 

面積直径(算出サイズ) 

体積直径(算出サイズ) 

最大サイズa) 

最小サイズa) 

平均サイズa) 

中央サイズa) 

中間サイズa) 

範囲サイズa) 

注a) 順位サイズは,算出サイズ,全体サイズ,又は局部サイズの補足として使用できる

(3.11.2.2及び6.2参照)。 

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表2−サイズの標準指定条件 

説明 

記号 

参照 

例 

包絡の条件 
(envelope requirement) 

6.2.2, 

JIS B 0024:1988

の6.1 

10±0.1

形体の任意の限定部分 

/(理想的な)長さ 

7.3 

10±0.1

/5 

任意の横断面 
(any cross section) 

ACS 

7.4 

10±0.1

ACS 

特定の横断面 
(specified cross section) 

SCS 

7.5 

10±0.1

SCS 

複数の形体指定 

形体の数× 

7.6 
7.7 

2×10±0.1

連続サイズ形体の公差 
(common feature of size tolerance) 

CT 

7.7 

2×10±0.1

CT 

自由状態(free state) 

7.8 

10±0.1

区間指示 

7.2〜7.3 

10±0.1 A

表3−特定のサイズ特性に関する指定条件の分類 

種類 

特性 

付加定義 

例 

局部サイズ 

2点間サイズ 

球サイズ 

断面サイズ 

最小二乗当てはめ判定基準を適用 

ACS 

最大内接当てはめ判定基準を適用 

ACS 

最小外接当てはめ判定基準を適用 

ACS 

円周直径の算出サイズ 

面積直径の算出サイズ 

球サイズ又は2点間サイズの順位サイズ 

ACS

長さLの部分サイズ 

最小二乗当てはめ判定基準を適用 

/20 

最大内接当てはめ判定基準を適用 

/15 

最小外接当てはめ判定基準を適用 

/30 

体積直径の算出サイズ 

/10 

断面サイズ,球サイズ又は2点間サイズの順位サイズ 

/20

全体サイズ 

直接全体サイズ 

最小二乗当てはめ判定基準を適用 

最大内接当てはめ判定基準を適用 

最小外接当てはめ判定基準を適用 

算出全体サイズ 

体積直径の算出サイズ 

間接全体サイズ 

局部サイズを基とした順位サイズ 

局部サイズ

及び 

全体サイズ 

包絡の条件 

,又は

との組合せ 

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サイズの標準指定演算子 

5.1 

一般 

長さに関わるサイズに基本的なGPSの指示を用いる場合は,サイズの標準指定演算子を適用する。サイ

ズの標準指定演算子は,次による。 

− ISO標準GPS指定演算子(5.2参照及び附属書JA参照) 

− 図示標準GPS指定演算子(5.3参照) 

− 代替標準GPS指定演算子(附属書JA参照) 

長さに関わるサイズの基本的なGPS指定は,指定条件を付けないで,表4に示す5種類の中のいずれか

になる。 

注記 標準指定の,ISOコード方式(公差クラス)と上及び下の許容サイズとは同等である。 

表4−種々のサイズの基本的なGPS指定 

長さに関わるサイズの基本的なGPS指定 

例 

参照 

図示サイズ±許容差 

150 −0.2,  

 +0.2 

 ø38 −0.1,  55±0.2 

図9 

図示サイズとそれに続くJIS B 0401-1のISOコード方式(公差
クラス) 

68 H8, 

ø67 k6, 

165 js10 

図10 

上及び下の許容サイズの値 

85.2 
84.8 

29.000 
28.929 

120.2 
119.8 

図11 

上の許容サイズ又は下の許容サイズの値 

85.2 max 84.8 min 

図12 

“( )”を用いた参考寸法でも,“□”の枠を用いた理論的に正
確な寸法(TED)でもない,図示サイズで定義された普通公差 

図10のような図示に加えて,(表題欄
の中又はその付近に指示した)JIS B 
0405−m a) 

図JA.1 

注a) 普通公差の規定は,JIS B 0405参照。 

5.2 

ISO標準指定演算子 

(指定条件のない)サイズのISO標準指定演算子は,2点間サイズとする。 

サイズのISO標準指定演算子は,5.3に規定する他のサイズの標準指定を引用する指示が図面上にない

場合に適用する。 

2点間サイズを両方(上及び下の)の許容限界に適用する場合は,指定条件

は指示してはならない。 

2点間サイズを二つの許容限界のいずれか一方に適用する場合は,指定条件

を該当する許容サイズ

又は許容差の後に指示する(6.2.2参照)。 

図9〜図12に,サイズの基本的なGPS指定の例を示す。 

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a) サイズ形体の種類が円筒の場合 

b) サイズ形体の種類が相対する平行二平面の場合 

図9−サイズの基本的なGPS指定の例−図示サイズ±許容差 

a) サイズ形体の種類が円筒の場合 

b) サイズ形体の種類が相対する平行二平面の場合 

図10−サイズの基本的なGPS指定の例− 

JIS B 0401-1のISOコード方式(公差クラス)による図示サイズ 

a) サイズ形体の種類が円筒の場合 

b) サイズ形体の種類が相対する平行二平面の場合 

図11−サイズの基本的なGPS指定の例−上及び下の許容サイズの値(ULS及びLLS) 

a) サイズ形体の種類が円筒の場合 

b) サイズ形体の種類が相対する平行二平面の場合 

図12−サイズの基本的なGPS指定の例−上及び下の許容サイズの値 

5.3 

図示標準指定演算子 

サイズの図示標準指定演算子を適用する場合は,表題欄の中又はその付近に,次の事項を指示しなけれ

ばならない(図13参照)。 

− この規格に関する情報,すなわち,“長さに関わるサイズ JIS B 0420-1”。 

− 選択したサイズの標準定義の指定条件 

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注記1 この図面の標準指定演算子は,2点間サイズから,最小二乗サイズに変更される。 
 

他の例を次に示す。 

例1 標準指定演算子を包絡の条件に変更 
    長さに関わるサイズJIS B 0420-1 

例2 標準指定演算子を内接円直径に変更 
    長さに関わるサイズJIS B 0420-1 

注記2 特に指定のない限り,標準指定演算子は,2点間サイズである。 
注記3 図面の解釈を容易にするために,例えば特定の標準指定表示の後に,括弧で他の全ての指定条件の種類を示

すことができる(例3参照)。 

例3 長さに関わるサイズJIS B 0420-1 

ACS

) 

図13−図面全体に対するサイズの標準指定演算子の変更(図JA.1も参照) 

サイズの特別指定演算子の図示方法 

6.1 

一般 

特に指示のない限り,サイズの公差指示は一つの完全な単独サイズ形体に適用する(6.2及び7.1参照)。

また,次のように公差を適用することもできる。 

a) サイズ形体の任意の部分に長さ当たりで適用したり,サイズ形体の限定した部分だけに適用したりで

きる(7.2〜7.5参照)。 

b) 一つ以上のサイズ形体に適用できる(7.6及び7.7参照)。 

はめあいのサイズ及び公差は,誤った解釈を生じさせないようにした上で,組立図に指示してもよい(図

14及び図15参照)。 

サイズ特性にISO標準指定演算子を適用しない場合には,公差指示はサイズにどの特別指定演算子を適

用するのかを明示しなければならない。 

サイズ特性にISO標準指定演算子を適用しない場合,適切なサイズ特性を選択するために,指定条件(表

1及び表2参照)を用いなければならない。 

指定条件は,サイズのための基本的なGPS指定と組み合せて用いなければならない。複数の形体の指定

条件“(形体の数)×”は,図示サイズの値の前に置く(例えば,2×,5×)(7.6及び7.7参照)。 

他の指定条件は,公差値,公差クラス又は許容サイズの値の後に,次の順序(幾つかの指定条件は,公

差指定の中で省略される)で用いなければならない。 

− サイズ特性の種類の指定条件:局部サイズ,全体サイズ,又は算出サイズ。例えば,

及び

。 

− 限定した部分,任意の部分,又は完全な形体の任意の横断面に対する指定条件。例えば“/25”及び“ACS”

(7.2〜7.4参照)。 

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− 特定の横断面の指定条件“SCS”(7.5参照)。 

− 順位サイズの指定条件:例えば,

又は

。公差付き形体が,“形体の任意の部分”,“形体

の任意の横断面”又は“形体の一部の任意の横断面”の場合,順位指定条件は,完全な形体の限定し

た部分又は横断面の指定条件の後に置かなければならない。例えば,25±0.1

/25

及び12±0.05 

ACS

。 

− 連続サイズ形体の公差の指定条件“CT”(7.7参照) 

− 自由状態の指定条件“

”(7.8参照) 

指定条件を上及び下の許容サイズの両方に適用する組合せの場合には,ただ一つの指定条件の組合せを

用いる(図16〜図18,図24〜図29参照)。 

異なる指定条件を上及び下の許容サイズに対して選択する場合には,指定条件の組合せは,上の許容差

及び下の許容差に個々に付加する(6.2.2参照)。ただし,包絡の条件

の適用に関しては,例外がある[図

20 b) 参照]。 

注記 指定条件

によって示される包絡の条件は,二つの異なった指定演算子の簡略指示である

(3.12,6.2.3,図14,図15,図20,図21及び図29参照)。 

範囲サイズ(順位サイズの一つ)を要求する場合には,箇条5で規定する公差限界の指示に基準値は,

必要ではないし,必須でもない。この場合の値は,図面の一般的な単位で,付加的な指示“max”なしで

上限値に対応する規定によって定義する。例えば,0.004

は,2点間サイズ特性の最大値と最小値との

間の差が,0.004 mm以下でなければならないことを意味する(図18参照)。 

片側公差指示を用いる場合,指定条件は,“max”又は“min”記号の後に置く(例えば,54.6 max

45.9 min

)。 

a) 

b) 

c) 

図14−ISOコード方式(公差クラス)による二つの形体を互いにはめあう組立図の例 

図15−+−公差方式による二つの形体を互いにはめあう組立図の例 

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6.2 

一つ以上の指定演算子の指示 

6.2.1 

同じ指定演算子を上及び下の許容サイズに適用 

同じ特別指定演算子を,上及び下の許容サイズに適用する場合は,ただ一つの指定条件の組合せを用い

る(図16〜図18参照)。 

a) 許容差に基づいたサイズの特別指定演算子 

b) JIS B 0401-1のISOコード方式(公差クラス) 

に基づいたサイズの特別指定演算子 

注記 指定演算子“最小二乗サイズ”は,上及び下の許容サイズに適用する。 

図16−サイズの特別指定演算子の指示例 

注記 指定演算子“面積直径”は,上及び下の許容サイズに適用する。 

図17−上及び下の許容サイズに同じ指定演算子を適用した例 

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21 

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a) 指示例 

b) ISO 14405-1における指示例(参考) 

注記 指定演算子の指示:上及び下の許容サイズ(=ø50±0.02)は,2点間サイズの値の中間サイズに適用し,上限

(=0.004)には2点間サイズの値の範囲サイズに適用する。 

図18−順位指定条件の指示例 

6.2.2 

異なる指定演算子を上及び下の許容サイズに適用 

異なる指定演算子を上及び下の許容サイズに適用する場合の指定演算子は,次のいずれかによって表す。 

a) 指定演算子は,許容サイズ,許容差又はISOコード方式(公差クラス)の指示の各々に付ける(図19

及び図20参照)。 

b) 指定演算子は,次に示す要領で同じ行に記載する。 

1) 上及び下の許容サイズを角括弧で囲む。 

2) 角括弧内で上及び下の許容サイズの後に指定演算子を置く。 

3) 上及び下の許容サイズの角括弧をハイフン“−”で接続する。このときハイフンの前後にスペース

を挿入するのがよい。 

注記 異なる指定演算子を上の許容限界及び下の許容限界に適用する場合は,いずれか一方が標準

演算子であっても,各指定演算子は指定条件記号を用いて指示する。 

例 

+0.2

/15 

2×ø78 

−0.2

 又は 

2×ø78[+0.2

/15] - [−0.2

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22 

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注記 指示された指定演算子は,上の許容サイズに適用する最小外接サイズ及び下の許容サイズに適用する最大内接

サイズである。 

図19−上及び下の許容サイズのための異なる指定演算子の例 

包絡の条件

は,二つの特定された指定演算子を簡素化したものである。包絡の条件は,二つの異なる

指定条件(一つは上の許容サイズのため,もう一つは下の許容サイズのため)を用いても指示することが

できる(図20参照)。 

外側サイズ形体において,指定条件

と同じ意味をもつ二つの異なる指定条件の組合せを次に示す。 

− 上の許容サイズ:

− 下の許容サイズ:

例1 

165 −0.25

= 

165 −0.25

内側サイズ形体において,指定条件

と同じ意味をもつ二つの異なる指定条件の組合せを次に示す。 

− 上の許容サイズ:

− 下の許容サイズ:

例2 

+0.25 

+0.25

165  0 

= 

165  0 

a) 

b) 

注記 指示された指定演算子は,上の許容サイズに適用する“最小外接当てはめ判定基準”及び下の許容サイズに適

用する“2点間サイズ”である。 

図20−包絡の条件を表す指示 

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6.2.3 

複数のサイズ特性要件をサイズ形体に適用 

複数のサイズ特性要件をサイズ形体に適用する場合は,寸法線ごとに指定する[図21 a) 参照],又は一

つの寸法線上に,同時に指定する[図21 b) 及びc) 参照]。 

注記 寸法線上に十分なスペースがない場合は,寸法線から引出線を引き,参照線の上側に指定する

[図21 c) 参照]。 

a) 

b) 

c) 

注記 図21のa)〜c) に指示された二つの指定演算子は,次のとおり。 
 

− 完全なサイズ形体に対する包絡の条件 0/+0.2 

− サイズ形体の任意の位置で,25 mmの長さ当たりに対する包絡の条件 0/+0.1 

図21−複数のサイズ特性要件をサイズ形体に適用した例 

サイズ特性を明確にした公差付き形体の指示 

7.1 

完全な公差付きサイズ形体 

指定条件は,一般的に完全な公差付きサイズ形体に適用する。公差付き形体が完全な形体である場合,

追加の指示は不要である(図22参照)。 

注記 指示された指定演算子は,標準演算子である。完全なサイズ形体の任意の横断面における2点間サイズ(直径)

は,上及び下の許容差の両方に適用する。 

図22−完全なサイズ形体の指示例 

7.2 

サイズ形体の特定の限定した部分 

指定条件を完全なサイズ形体の限定した1か所に指定する場合は,次のいずれかで指示する。 

− 完全な形体の限定した部分を示す,寸法補助線と結び付けられた太い一点鎖線[図23 a) 参照]。 

− (固定された)限定した部分の始まりと終わりの定義付けに,二つの文字記号を使用する。これら二

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24 

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つの文字記号は,サイズの公差の後に“区間指示”記号とともに記載する[図23 b) 参照]。 

限定した部分の範囲及び位置は,理論的に正確な寸法(TED)によって定義する。 

注記 限定した部分を指定する寸法は,公差なしで指示する。 

a) 太い一点鎖線によって定義付けられた限定部分 

b) 

記号によって定義付けられた限定部分 

注記 指示された指定演算子は,標準演算子である。サイズ形体の限定した部分の,任意の横断面における2点間サ

イズ(直径)は,上及び下の許容サイズの両方に適用する。 

図23−サイズ形体の特定の限定した部分に対する指示例 

7.3 

サイズ形体の任意の限定した部分に特定の長さ当たりを適用 

指定条件を,完全なサイズ形体又は(固定された)限定した部分に,任意の位置で特定の長さ当たりに

適用する場合,特定の長さの値(TEDとみなす)を指定条件記号“/”の後に続けて指示する[図24 a) 参

照]。 

サイズ形体の限定した部分の範囲及び位置の指示方法は,7.2による[図23及び図24 b) 参照]。 

a) “/長さ”記号の使用 

b) “

”記号の使用 

注記 図24 a) に示す指定演算子は,円筒形体の任意の場所で,長さ10 mm当たりの最大内接サイズ(直径)を,上

及び下の許容サイズの両方に適用することを表している。 

図24−サイズ形体の任意の限定した部分に特定の長さ当たりを指示した例 

7.4 

サイズ形体の任意の横断面 

指定条件を,完全なサイズ形体又は(固定された)限定した部分の,任意の横断面に適用する場合は,

指定条件記号“ACS”を指示する[図25 a) 参照]。また,横断面は図面上に公差を付けて指示し,指定条

件記号“ACS”はその公差に追加する[図25 b) 参照]。さらに,任意の横断面を完全なサイズ形体の限定

した部分から採る場合は,限定した部分は太い一点鎖線又は区間指示記号によって指示する。限定した部

分の適用に関する関連付けは,図24 b) に示す。 

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a) (正)投影図での指示 

b) 断面図での指示 

注記 円筒形体の任意の横断面に対する指定演算子“最小二乗サイズ(直径)”は,上及び下の許容サイズの両方に適

用する。 

図25−サイズ形体の任意の横断面の要件を表す指定条件ACSの使用例 

7.5 

サイズ形体の特定の横断面 

指定条件を,完全なサイズ形体に定義された一つの横断面に適用する場合には,その横断面の位置は理

論的に正確な寸法を用いて形体に明示し,指定条件は図面の横断面に,指定条件記号“SCS”を用いて指

示する[図26 a) 及びc) 参照]。特定の横断面に対する指示が明らかな場合は,指定条件記号“SCS”は

省略できる[図26 b) 参照]。 

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26 

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注記 理論的に正確な寸法(TED)10 mmは,幾何学的な位置の指定に用いる。 

a) 横断面の位置と同じ投影図に指定条件記号“SCS”を用いて指示した例 

b) 横断面の位置と同じ投影図に指定条件記号“SCS”を用いないで指示した例 

c) 投影図に横断面の位置を指示して断面図に指定条件記号“SCS”を指示した例 

図26−完全なサイズ形体の特定の横断面への指示例 

7.6 

複数のサイズ形体に個別に要件を適用 

指定条件を,複数のサイズ形体に対して個別の要件として適用する場合は,適用する形体の数を指示す

るために,指定条件記号“形体の数×”を,指定条件の最初の要素として記載する(図27参照)。 

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27 

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注記 指定演算子“最小外接サイズ(直径)”は,二つの直径(図示サイズ150 mm),すなわち,上及び下の許容サイ

ズの両方に適用する。 

図27−二つの分断されたサイズ形体に同じ要件を指示 −個別に評価する例− 

注記 指定条件記号“形体の数×”は,指定条件を適用する形体が明らかな場合にだけ用いることが

できる。 

7.7 

複数のサイズ形体(サイズ特性は同一)を一つの(つながった)サイズ形体とみなして要件を適用 

指定条件を,複数のサイズ形体を包括した一つのサイズ形体とみなして適用する場合には,適用する形

体の数を指示するために,指定条件記号“形体の数×”を,指定条件の最初の要素として記載する。指定

条件記号“CT”は,適切な位置(適用するサイズ特性の後)に記載する(図28参照)。 

注記 指定演算子“最小外接サイズ(直径)”は,二つの直径(図示サイズ150 mm),すなわち,上及び下の許容サイ

ズの両方に共通の要件として適用する。 

図28−二つの分断されたサイズ形体に同じ要件を指示 −それぞれに共通な複数連続サイズ形体の公差

(共通の公差)を指示した例− 

7.8 

非剛性部品 

指定条件を非剛性部品に適用する場合には,指定条件記号

(JIS B 0026参照)を,自由状態の形体又

は加工物に指定条件を適用したことを示すために付加する(図29参照)。 

注記 重力の方向については,JIS B 0026を参照。 

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28 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 指定演算子“包絡の条件”は,自由状態で上及び下の許容サイズの両方に適用する。 

図29−可とう性のある加工物(非剛性部品)の自由状態の指示例 

29 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

GPSマトリックスモデル 

A.1 一般 

GPSのマトリックスモデルの詳細については,ISO/TR 14638を参照。 

ISO/TR 14638に示すISO/GPSマスタープランは,この規格がISO/GPSシステムのどの一部になってい

るかの概要を示す。ISO 8015に示すISO/GPSの基本的な規則は,この規格に適用し,また,JIS B 0641-1

に示す標準的な決定規則は,指示しない場合を除き,この規格に従って書かれた仕様を適用する。 

A.2 規格及びその使用とに関する情報 

この規格は,長さに関わるサイズの標準定義,及び“円筒”又は“相対する平行二平面”のサイズ形体

の長さに関わるサイズについての特別定義及び図示方法について規定している。 

A.3 GPSマトリックスモデルの中における位置 

この規格は,図A.1の網掛けに示すように,GPSマトリックスのうち,サイズに関する規格チェーンの

リンク番号1〜3に影響するGPS基本規格である。 

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30 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

GPS原理 

規格 

GPS共通規格 

GPS基本規格 

リンク番号 

サイズ 

距離 

半径 

角度 

データムに無関係な線の形状 

データムに関係する線の形状 

データムに無関係な面の形状 

データムに関係する面の形状 

姿勢 

位置 

円周振れ 

全振れ 

データム 

粗さ曲線 

うねり曲線 

断面曲線 

表面欠陥 

エッジ 

リンク番号 
1:記号と指示法 
2:形体に対する要求事項 
3:形体の性質 
4:測定 
5:測定機器 
6:校正 

図A.1−GPSマトリックスモデルにおける位置付け 

A.4 関連国際規格 

関連国際規格又は日本工業規格は,図A.1に示す規格チェーンの全てである。 

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31 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(規定) 

ISO標準GPS指定演算子及び代替標準GPS指定演算子 

JA.1 一般 

現時点ではJIS化されていないISO 8015:2011の6.2及び6.3の内容を,次に示す。 

JA.2 6.2 ISO標準GPS指定演算子について 

次に示す二つの場合は, 

− ISO 1101,ISO 1302,ISO 5459などに従ったISO基本GPS仕様が,図面上のどの幾何特性に対して

も実際に適用できる仕様で,かつ, 

− 一般的な代替標準GPS仕様が,表題欄の中又は近くに指示されていない場合, 

ISO標準指定演算子は,注目されている標準指定演算子を定義している最新のISO規格によって要求さ

れる指定演算子である。その標準指定演算子を定義するISO規格は,常に,図面を準備しているときに利

用できる最新版の内容を適用する。その規格の以前の版が必要な場合は,そのことを明確に記載しなけれ

ばならない。 

注記 現在,ISOのGPS規格は,全ての仕様の演算に対してデフォルト,すなわち標準条件は規定し

ていない。したがって,多くのISO標準指定演算子は完全なものではない。 

JA.3 6.3 代替標準GPS指定演算子について 

代替標準GPS指定演算子は,関連文書で定義する。 

また,それは完全な指定演算子とみなされるように,綿密で曖昧さがなく完全に定義される必要がある。 

代替標準GPS指定演算子は,図面の表題欄の中又は近くに指示しなければならない。ISO/GPS規格に

ないものを適用する場合には,その指示は,最低限,次を含まなければならない。 

− “寸法の公差表示方式”又は,“寸法の公差表示方式 JIS B 0024”という表現。 

− 標準が変更された“Altered Default”を意味する

という記号。 

− 関連する文書を,他の必要な情報(例えば,発行年月日)とともに指示する。 

もし,一つ以上の代替標準指定演算子を図面で使用した場合には,それぞれの記号

は,番号を伴わ

なければならない。 

幾つかのISO規格及びJISは,例えば,それぞれ“長さに関わるサイズ ISO 14405 GG”及び“長さに

関わるサイズJIS B 0420-1 GG”のように,ISOの標準条件を変更する手段を提供している。 

なお,

は,ISO/GPS規格ではないものを適用するときにだけ使用する。 

寸法の公差表示方式 JIS B 0024 

 −ABC1234:2010 

記号 

関連文書を完全に認識できること,及び他の必要情報 

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32 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図JA.1の例を参照。 

注記 他の規格においても,図面全体に適用する項目を表題欄の中又は近くに指示しなければならないと規定してい

る。そのため,必要に応じて多くの項目を表題欄の中に記載することは現実的には困難となる場合がある。そ
のような場合には,表題欄の近くに記載することになる。しかし,これらが羅列的(無秩序)に記載されるよ
りは,この図の例のように,表題欄に接するような欄を設けるか,図面の空いた箇所に表形式として記載する
とよい。 

図JA.1−代替標準GPS指定演算子の指示の一例 

参考文献 [1] ISO/R 1938:1971,ISO system of limits and fits−Part II: Inspection of plain workpieces 

[2] JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する

公差 

注記 対応国際規格:ISO 2768-1,General tolerances−Part 1: Tolerances for linear and 

angular dimensions without individual tolerance indications(IDT) 

[3] JIS Z 8313-2 製図−文字−第2部:ギリシャ文字 

注記 対応国際規格:ISO 3098-2,Technical drawings−Lettering−Part 2: Greek characters

(IDT) 

[4] ISO/TR 14638:1995,Geometrical product specification (GPS)−Masterplan 

[5] ISO 14660-2,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical features−Part 2: Extracted 

median line of a cylinder and a cone, extracted median surface, local size of an extracted feature 

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33 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 0420-1:2016 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第1部:
長さに関わるサイズ 

ISO 14405-1:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional tolerancing
−Part 1: Linear sizes 

(I)JISの規定 

(II)
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 指定条件の追記 

JISとほぼ同じ 

追加 

指定条件フローに合わせるため,算
出全体サイズを追記。 

同左。 

上及び/又は下の
許容サイズ 

JISとほぼ同じ 

変更 

JIS Z 8318及びISO/TC10関係の規
格に合わせて,Max及びminの後
のドット削除。また,図11の参照
で十分と判断し,“or 30,2/30,181”
を削除した。 

実質的な差異はない。 

ISOコード方式 

JISとほぼ同じ 

変更 

例の削除。 

実質的な差異はない。 

3 用語及び
定義 

用語に関する引用
規格 

JISとほぼ同じ 

削除 

ISで引用されているISO 286-1及び
ISO 8015を削除した。 

実質的な差異はない。 
ISO 286-1に関する用語は本文中
に注記等で記載するとともに,
ISO 8015に関する用語のうち必
要なものは附属書JAの記載で補
っている。 

標準指定演算子 

3.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

National StandardとしてJISを記載。 実質的な差異はない。 

図示標準GPS指定
演算子の注記1 

3.6 
注記1 

JISとほぼ同じ 

変更 

IS原文の“ISO 8015参照”の意図
を踏まえ,各社のGPS仕様を認め
る記載とした。 

実質的な差異はない。 

特別指定演算子 

3.7 

JISとほぼ同じ 

削除 

この規格とは直接関係のない例で
ある表面性状に関する記述のため,
例2を削除。 

実質的な差異はない。 

サイズ特性 

3.9 
注記2 

JISとほぼ同じ 

追加 

測得に関する説明を追記。 

実質的な差異はない。 

4

B

 0

4

2

0

-1

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義(続き) 

局部サイズ 

3.10 

JISとほぼ同じ 

削除 

この規格では,長さに関わるサイズ
だけを扱っているので,sizeはlinear 
sizeのことであり,sizeはsize 
characteristicでもあるので,総合的
に判断して,local size characteristic
及びlocal linear size characteristicを
削除。 

実質的な差異はない。 

全体サイズ 

3.11 

JISとほぼ同じ 

削除 

この規格では,長さに関わるサイズ
だけを扱っているので,sizeはlinear 
sizeのことであり,sizeはsize 
characteristicでもあるので,global 
size characteristic及びglobal linear 
size characteristicを削除。 

実質的な差異はない。 

直接全体サイズ 

3.11.1 

JISとほぼ同じ 

削除 

この規格では,長さに関わるサイズ
だけを扱っているので,sizeはlinear 
sizeのことであり,sizeはsize 
characteristicでもあるので,direct 
size characteristic及びdirect linear 
size characteristicを削除。 

実質的な差異はない。 

最小二乗サイズ 

3.11.1.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

全最小二乗法と最小二乗法との関
係に関する補足説明を追記。 

実質的な差異はない。 

最大内接サイズ 

3.11.1.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

Mating sizeは,強いて訳せば“はめ
あいサイズ”となるが,従来のJIS
ではそのような用語は定義してこ
なかった。そのため,以前の対応す
る呼称に関する注記はなくても誤
解は招かないと判断し削除した。 

実質的な差異はない。 

最小外接サイズ 

3.11.1.3 

JISとほぼ同じ 

削除 

同上 

実質的な差異はない。 

 
 

4

B

 0

4

2

0

-1

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義(続き) 

間接全体サイズ 

3.11.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

この規格では,長さに関わるサイズ
だけを扱っているので,sizeはlinear 
sizeのことであり,sizeはsize 
characteristicでもあるので,indirect 
size characteristic及びindirect linear 
size characteristicを削除。 

実質的な差異はない。 

範囲サイズ図8パラ
メータ 

3.11.2.2.6 

JISとほぼ同じ 

変更 

サイズ数値の丸め処理。 

有効桁を考慮した記述とするた
め。 

包絡の条件 

3.12 

JISとほぼ同じ 

変更 

IS原文には,“テーラーの原理を参
照”の旨の記述があるだけであった
ため,規格使用者の理解を助けるた
め,注記に代わる補足説明を付けて
明確にした。 

実質的な差異はない。 

4 指定条件
及び記号 

図記号に関するル
ール 

JISとほぼ同じ 

削除 

原文Annex Aを不採用としたため,
Annex Aを引用する記載を削除。 

ISでは,Annex Aは規定であるが,
規定としても遵守しづらい面があ
るため,JISでは参考とした。 

表2 サイズの標準
指定条件 


表2 

JISとほぼ同じ 

変更 

表2の該当欄にJIS B 0024の引用を
記載し,表下の注を削除。 

最新のISO 8015に対応するJISが
ないため,現行の対応JISを記載。 

5 サイズの
標準指定演
算子 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO 8015の説明を附属書JAとして
作成し,引用した。 

規格使用者の便宜を図るためであ
り,実質的な差異はない。 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.1 
表4 

JISとほぼ同じ 

変更 

JIS Z 8318及びISO/TC10関係の規
格に合わせて,Max及びminの後
のドット削除。 

実質的な差異はない。 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.1 
表4 

JISとほぼ同じ 

追加 

表4参照の欄に図12を追加。 

maxとminの例が,IS原文にはな
かったため,追加した。 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.1 
表4 

JISとほぼ同じ 

追加 

表4参照の欄に図JA.1を追加。 

これ以外の規格でも多くの指示
が,“表題欄の中,又は近くに”記
述されることになるが,表題欄は
限られたスペースであることを考
慮し,さらにまとまった形式に見
えるように,図JA.1を追加した。 

4

B

 0

4

2

0

-1

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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36 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 サイズの
標準指定演
算子(続き) 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

原文Annex Cを不採用としたため,
Annex Cを引用する記載を削除。 

Annex Cを削除しても,誤解は生
じないと判断したため。 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.2 
図12 b) 

JISとほぼ同じ 

変更 

図のハッチングを他図と同じ方向
に修正。 

統一感を出すため,IS原文の図を
修正。 

ISO標準GPS演算子
の説明 

5.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

上又は下の許容サイズの値の参照
として新たに図12を作成し,分か
りやすくした。以降,図番号修正。 

6 サイズの
特別指定演
算子の図示
方法 

ISOコード方式の例  

6.1 
図15 

JISとほぼ同じ 

追加 

図14のそれぞれの図に記号[a),
b) 及びc)]を付けることで,分か
りやすくした。 
右の図のハッチングを他図と同じ
方向に修正。 

IS原文の当該図には,a),b),c)がつ
いていないが,他の図には,a),b)
などがあるため,表現を統一する。 
また,JIS Z 8318に準拠した例を
掲載し,さらに規格使用者の理解
を助けるため。 

順位指定条件の指
示例 

6.2.1 
図19 

JISとほぼ同じ 

変更 

図18の例を,手描き製図及びCAD
製図での便宜を考慮した図に変更
した。 

実質的な差異はない。 

7 サイズ特
性を明確に
した公差付
き形体の指
示 

横断図に指定条件
記号を指示した例 

7.4 
図26 b) 

JISとほぼ同じ 

変更 

この図の場合,ハッチングの有無に
は無関係で図示の意味は同じであ
り,図面作成作業が簡単な方を選択
するという意味合いから,図25 b)
のハッチングを図から削除した。 

実質的な差異はない。 

断面図に指定条件
記号を指示した例 

7.5 
図27 
a),b),c) 

JISとほぼ同じ 

変更 

各図の修正(CAD製図での便宜を
考慮した図に変更した。)。 
図26 c) のハッチングについては,
A-A断面図であることが明確であ
るので,さらにハッチングを施すこ
とは二重のこととなるので,ハッチ
ングは削除した。 

実質的な差異はない。 

 
 

4

B

 0

4

2

0

-1

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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37 

B 0420-1:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

− 

− 

Annex A 

Annex 

(normative) 

Proportions 

and 

dimensions of graphical 
symbols 

削除 

JIS運用上支障があるため,不採用
とした。 

手書き製図,CAD製図において,
この内容を規定とされると,多く
の不都合が生じることが予想され
るため。 

− 

− 

Annex B 

Annex B (informative) 
Overview diagram for 
size 

削除 

系統図が本文と不整合で,また不完
全なため,JISでは不採用とした。 

同左。 

− 

− 

Annex C 

Annex C (informative) 
Former 

practice 

and 

consequences 

削除 

GPS適用の重要性をごく簡単に記
述しているだけであることから,
JISでは不採用とした。 

同左。 

附属書A 
(参考) 

GPSマトリックス
モデル 

Annex D 

JISとほぼ同じ 

変更 

原本のAnnex A,B,Cを不採用と
したことから,GPSマトリックスモ
デルに関する附属書番号を繰り上
げた。 

同左。 

附属書A 
(参考) 

GPSマトリックス
モデル 

Annex D 

JISとほぼ同じ 

追加 

リンク番号の説明を追加 

実質的な差異はない。 

附属書JA 
(規定) 

− 

追加 

ISO 8015を引用とせず,附属書JA
として関連内容を記載。 

最新のISO 8015に対応するJISが
ないので,該当する部分だけを掲
載し,規格使用者の便宜を図った。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14405-1:2010,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

4

B

 0

4

2

0

-1

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。