B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会 (JFRI) /財団法人日本規
格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 965-5 : 1998 (ISO general purpose
metric screw threads−Tolerances−Part 5 : Limits of sizes for internal screw threads to mate with hot-dip
galvanized external screw threads with maximum size of tolerance position h before galvanizing) を基礎として用
いた。
JIS B 0209の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 0209-1 第1部:原則及び基礎データ
JIS B 0209-2 第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(はめあい区分)
JIS B 0209-3 第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS B 0209-4 第4部:めっき後に公差位置H又はGにねじ立てをしためねじと組み合わせる溶融亜鉛
めっき付きおねじの許容限界寸法
JIS B 0209-5 第5部:めっき前に公差位置hの最大寸法をもつ溶融亜鉛めっき付きおねじと組み合わ
せるめねじの許容限界寸法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 0209-5 : 2001
(ISO 965-5 : 1998)
一般用メートルねじ−公差−
第5部:めっき前に公差位置hの
最大寸法をもつ溶融亜鉛めっき付きおねじと
組み合わせるめねじの許容限界寸法
ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−
Part 5 : Limits of sizes for internal screw threads
to mate with hot-dip galvanized external screw threads
with maximum size of tolerance position h before galvanizing
序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 965-5,ISO general purpose metric screw threads
−Tolerances−Part 5 : Limits of sizes for internal screw threads to mate with hot-dip galvanized external screw
threads with maximum size of tolerance position h before galvanizingを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を
変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 0205-3で規定する一般用メートルめねじの有効径及び山の頂の直径(め
ねじ内径)に対する寸法許容差及び許容限界寸法について規定する。
なお,JIS B 0205-3で規定する一般用メートルめねじは,JIS B 0205-1による基準山形をもっている。
この規格によるめねじは,溶融亜鉛めっき前に公差位置hの最大寸法をもつおねじと組み合わせること
を意図した。
この規格に示すはめあい区分に対する許容限界寸法は,JIS B 0209-1で規定する公差から導き出した。
公差位置AZをもつめねじに対する基礎となる寸法許容差は,次の公式によって計算した。
EIAZ=+ (300+20P)
ここに, EIの単位はμm,Pの単位はmmで表す。
公差位置AXをもつめねじに対する基礎となる寸法許容差は,次の公式によって計算した。
EIAX=+ (220P−20)
ここに, EIの単位はμm,Pの単位はmmで表す。
この規格によるねじ山の公差で造られた製品は,その他の機械的性質を調整せずに,JIS B 1052による
試験をしたとき,荷重不足を起こす場合がある。
2
B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ねじ山のせん断という重大な危険を引き起こすことがあるという理由によって,この規格によるねじ山
の公差をもつめねじは,JIS B 0209-4によるねじ山の公差をもつおねじと組み合わせてはならない。
備考1. 公差域クラス6AZのめねじは,溶融亜鉛めっき後に遠心分離機で処理をしたおねじと組み合
わせることを意図した。
公差域クラス6AXのめねじは,遠心分離機で処理をしない厚い皮膜をもつ溶融亜鉛めっき付
きおねじと組み合わせることを意図した。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 965-5 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 5 : Limits of sizes for
internal screw threads to mate with hot-dip galvanized external screw threads with maximum size
of tolerance position h before galvanizing (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0101 ねじ用語
備考 ISO 5408 : 1983 Cylindrical screw threads−Vocabularyからの引用事項は,この規格の該当事
項と同等である。
JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形
備考 ISO 68-1 : 1998 ISO general purpose screw threads−Basic profile−Part 1 : Metric screw threads
が,この規格と一致している。
JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
備考 ISO 262 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Selected sizes for screws, bolts and
nutsが,この規格と一致している。
JIS B 0209-1 一般用メートルねじ−公差−第1部:原則及び基礎データ
備考 ISO 965-1 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 1 : Principles and
basic dataが,この規格と一致している。
JIS B 0209-4 一般用メートルねじ−公差−第4部:めっき後に公差位置H又はGにねじ立てをした
めねじと組み合わせる溶融亜鉛めっき付きおねじの許容限界寸法
備考 ISO 965-4 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 4 : Limits of sizes
for hot-dip galvanized external screw threads to mate with internal screw threads tapped with
tolerance position H or G after galvanizingが,この規格と一致している。
JIS B 1052 鋼製ナットの機械的性質
備考 ISO 898-2 : 1992 Mechanical properties of fasteners−Part 2 : Nuts with specified proof load
values−Coarse threadからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0101による。
4. 呼び方 めねじに対する公差域クラスの呼び方は,6AZ又は6AXとする。
例 M12-6AZ又はM12-6AX
3
B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 寸法許容差 表1に示すめねじの寸法許容差は,次の基礎となる寸法許容差のための公式及びJIS B
0209-1で規定する公差によっている。
基礎となる寸法許容差EIAZ及びEIAXは,次の公式によって計算した。
EIAZ=+ (300+20P)
及び
EIAX=+ (220P−20)
ここに, EIの単位はμm,Pの単位はmmとする。
表1 寸法許容差
ねじの呼び
ピッチ
めねじ
P
公差域
クラス
有効径
内径
ES
EI
ES
EI
mm
μm
μm
μm
μm
M10
1.5
6AZ
+510
+330
+630
+330
6AX
+490
+310
+610
+310
M12
1.75
6AZ
+535
+335
+670
+335
6AX
+565
+365
+700
+365
M14,M16
2
6AZ
+552
+340
+715
+340
6AX
+632
+420
+795
+420
M18,M20,M22
2.5
6AZ
+574
+350
+800
+350
6AX
+754
+530
+980
+530
M24,M27
3
6AZ
+625
+360
+860
+360
6AX
+905
+640
+1 140
+640
M30,M33
3.5
6AZ
+650
+370
+930
+370
6AX
+1 030
+750
+1 310
+750
M36,M39
4
6AZ
+680
+380
+980
+380
6AX
+1 160
+860
+1 460
+860
M42,M45
4.5
6AZ
+705
+390
+1 060
+390
6AX
+1 285
+970
+1 640
+970
M48,M52
5
6AZ
+735
+400
+1 110
+400
6AX
+1 415
+1 080
+1 790
+1 080
M56,M60
5.5
6AZ
+765
+410
+1 160
+410
6AX
+1 545
+1 190
+1 940
+1 190
M64
6
6AZ
+795
+420
+1 220
+420
6AX
+1 675
+1 300
+2 100
+1 300
4
B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 許容限界寸法−めねじ−並目ねじ
はめあい区分:中
はめあい長さ:並
公差域クラス:6AZ及び6AX
表2 公差域クラス6AZのめねじの許容限界寸法
単位 mm
ねじの
呼び
はめあい長さ
谷の径(1)
有効径(1)
内径(3)
を超え
以下
最小(2)
最大
最小
最大
最小
M10
5
15
10.330
9.536
9.356
9.006
8.706
M12
6
18
12.335
11.398
11.198
10.776
10.441
M14
8
24
14.340
13.253
13.041
12.550
12.175
M16
8
24
16.340
15.253
15.041
14.550
14.175
M18
10
30
18.350
16.950
16.726
16.094
15.644
M20
10
30
20.350
18.950
18.726
18.094
17.644
M22
10
30
22.350
20.950
20.726
20.094
19.644
M24
12
36
24.360
22.676
22.411
21.612
21.112
M27
12
36
27.360
25.676
25.411
24.612
24.112
M30
15
45
30.370
28.377
28.097
27.141
26.581
M33
15
45
33.370
31.377
31.097
30.141
29.581
M36
18
53
36.380
34.082
33.782
32.650
32.050
M39
18
53
39.380
37.082
36.782
35.650
35.050
M42
21
63
42.390
39.782
39.467
38.189
37.519
M45
21
63
45.390
42.782
42.467
41.189
40.519
M48
24
71
48.400
45.487
45.152
43.697
42.987
M52
24
71
52.400
49.487
49.152
46.697
46.987
M56
28
85
56.410
53.193
52.838
51.206
50.456
M60
28
85
60.410
57.193
56.838
55.206
54.456
M64
32
95
64.420
60.898
60.523
58.725
57.925
注(1) 寸法は,溶融亜鉛めっき後オーバサイズにねじ立てした (tapped) めねじに適用する。
(2) フランクの直線が終わる点を通る,仮想の同軸円筒を対象とする。
(3) 寸法は,亜鉛めっき前,又は亜鉛めっき後に亜鉛の断片を除去しためねじに適用する。
5
B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 公差域クラス6AXのめねじの許容限界寸法
単位 mm
ねじの
呼び
はめあい長さ
谷の径(1)
有効径(1)
内径(3)
を超え
以下
最小(2)
最大
最小
最大
最小
M10
5
15
10.310
9.516
9.336
8.986
8.686
M12
6
18
12.365
11.428
11.228
10.806
10.471
M14
8
24
14.420
13.333
13.121
12.630
12.255
M16
8
24
16.420
15.333
15.121
14.630
14.255
M18
10
30
18.530
17.130
16.906
16.274
15.824
M20
10
30
20.530
19.130
18.906
18.274
17.824
M22
10
30
22.530
21.130
20.906
20.274
19.824
M24
12
36
24.640
22.956
22.691
21.892
21.392
M27
12
36
27.640
25.956
25.691
24.892
24.392
M30
15
45
30.750
28.757
28.477
27.521
24.961
M33
15
45
33.750
31.757
31.477
30.521
29.961
M36
18
53
36.860
34.562
34.262
33.130
32.530
M39
18
53
39.860
37.562
37.262
36.130
35.530
M42
21
63
42.970
40.362
40.047
38.769
38.099
M45
21
63
45.970
43.362
43.047
41.769
41.099
M48
24
71
49.080
46.167
45.832
44.377
43.667
M52
24
71
53.080
50.167
49.832
48.377
47.667
M56
28
85
57.190
53.973
53.618
51.986
51.236
M60
28
85
61.190
57.973
57.618
55.986
55.236
M64
32
95
65.300
61.778
61.403
59.605
58.805
注(1) 寸法は,溶融亜鉛めっき後オーバサイズにねじ立てした (tapped) めねじに適用する。
(2) フランクの直線が終わる点を通る,仮想の同軸円筒を対象とする。
(3) 寸法は,亜鉛めっき前,又は亜鉛めっき後に亜鉛の断片を除去しためねじに適用する。
6
B 0209-5 : 2001 (ISO 965-5 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ねじ基本関係JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
吉 本 勇
東京工業大学名誉教授
(幹事)
大 橋 宣 俊
湘南工科大学機械工学科
西 山 信 夫
メイラ株式会社技術本部
(委員)
穐 山 貞 治
経済産業省産業技術環境局標準課
稲 葉 元 成
元・ミネベア株式会社藤沢製作所
及 川 文 廣
株式会社サトーラシ品質保証部
近 藤 清 隆
いすゞ自動車株式会社藤沢工場開発管理室
杉 浦 孝 之
株式会社田野井製作所埼玉工場
大 黒 雅 之
大黒興業株式会社(ねじ商連)
田 中 誠之助
株式会社佐賀鉄工所開発部
谷 口 良 憲
トヨタ自動車株式会社設計管理部設計管理室
八 賀 聡 一
社団法人日本工作機械工業会技術部
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
丸 山 一 男
工学院大学機械工学科
三 井 雅 夫
株式会社弥満和製作所技術本部技術部
(事務局)
中 村 智 男
日本ねじ研究協会
文責 西 山 信 夫