B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会 (JFRI) /財団法人日本規
格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS B 0209 : 1997, JIS B 0211 : 1997及びJIS B 0215 : 1982は廃止され,JIS B 0209のこの
部,第2部及び第3部に置き換えられる。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 965-1 : 1998 (ISO general purpose
metric screw threads−Tolerances−Part 1 : Principles and basic data) を基礎として用いた。
JIS B 0209の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 0209-1 第1部:原則及び基礎データ
JIS B 0209-2 第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(はめあい区分)
JIS B 0209-3 第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS B 0209-4 第4部:めっき後に公差位置H又はGにねじ立てをしためねじと組み合わせる溶融亜
鉛めっき付きおねじの許容限界寸法
JIS B 0209-5 第5部:めっき前に公差位置hの最大寸法をもつ溶融亜鉛めっき付きおねじと組み合わ
せるめねじの許容限界寸法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 0209-1 : 2001
(ISO 965-1 : 1998)
一般用メートルねじ−公差−
第1部:原則及び基礎データ
ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−
Part 1 : Principles and basic data
序文 この規格は,1998年に第3版として発行されたISO 965-1, ISO general-purpose metric screw threads−
Tolerances−Part 1 : Principles and basic dataを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 0205-2による一般用メートルねじ (M) に対する公差方式について規定
する。
この公差方式は,JIS B 0205-1に規定する基準山形に関係する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 965-1 : 1998 ISO general-purpose metric screw threads−Tolerances−Part 1 : Principles and
basic data (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これら引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0101 ねじ用語
備考 ISO 5408 : 1983 Cylindrical screw threads−Vocabularyからの引用事項は,この規格の該当事
項と同等である。
JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形
備考 ISO 68-1 : 1998 ISO general purpose screw threads−Basic profile−Part 1 : Metric screw threads
が,この規格と一致している。
JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系
備考 ISO 261 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−General planが,この規格と一致して
いる。
JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
備考 ISO 262 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Selected sizes for screws, bolts and
nutsが,この規格と一致している。
JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法
2
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 ISO 724 : 1993 ISO general-purpose metric screw threads−Basic dimensionsが,この規格と一致
している。
JIS B 0209-2 一般用メートルねじ−公差−第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(は
めあい区分)
備考 ISO 965-2 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 2 : Limits of sizes
for general purpose external and internal screw threads−Medium qualityが,この規格と一致
している。
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
備考 ISO 965-3 : 1998 ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 3 : Deviations for
constructional screw threadsが,この規格と一致している。
JIS B 0251 メートルねじ用限界ゲージ
備考 ISO 1502 : 1996 ISO general-purpose metric screw threads−Gauges and gaugingからの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト
備考 ISO 898-1 : 1999 Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel−Part 1 :
Bolts, screws and studsが,この規格と一致している。
3. 定義及び記号
3.1
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0101による。
3.2
記号 この規格で用いる記号は,次による。
記号
意味
D
めねじ谷の径の基準寸法
D1
めねじ内径の基準寸法
D2
めねじ有効径の基準寸法
d
おねじ外径の基準寸法
d1
おねじ谷の径の基準寸法
d2
おねじ有効径の基準寸法
d3
おねじ谷の径
P
ピッチ
Ph
リード
H
とがり山の高さ
S
はめあい長さ“短い”の呼び方
N
はめあい長さ“並”の呼び方
L
はめあい長さ“長い”の呼び方
T
公差
TD1, TD2
Td, Td2
D1, D2, d, d2に対する公差
ei, EI
下の寸法許容差(図1参照)
es, ES
上の寸法許容差(図1参照)
R
おねじ谷底丸みの半径
C
おねじ谷底の切取り高さ
3
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図1 基準線(基準寸法)に対する公差域の位置
4. 公差方式の構成 公差方式は,公差グレード及び公差位置,並びに公差域クラスの選択によって構成
する。公差方式を,次のように規定する。
a) ねじの四つの各直径に対する公差グレード系列を,次に示す。
公差グレード
D1
4,5,6,7,8
d
4,6,8
D2
4,5,6,7,8
d2
3,4,5,6,7,8,9
必要なはめあい区分とはめあい長さ区分による有効径及び山の頂の直径(めねじ内径及びおねじ外
径)に対する公差グレード及び公差グレードの組合せの詳細は,優先順位を付けて12.に示す。
b) 公差位置の系列を,次に示す。
− めねじに対して,G及びH
− おねじに対して,e,f,g及びh
規定した公差位置は,通常の皮膜厚さの要求及びねじ込みやすさの要求に対応している。
c) 公差域クラス(公差グレードと公差位置との組合せ)は,はめあい長さ“短い”S,“並”N及び“長
い”Lの三つの区分と,普通に使われるはめあい区分の“精”,“中”及び“粗”との組合せに対して
与える。
普通のおねじ及びめねじ用の公差域クラスは,更に,それらの中から選択する。
12.に規定する以外の公差域クラスは,推奨できないものであり,特別の場合だけに用いる。
5. 呼び方
5.1
一般事項 ねじの呼び方は,ねじの種類及びサイズ並びにねじの公差域クラスから成り,必要な場
合には更に,個別の項目を続ける。
5.2
一条ねじの呼び方 JIS B 0205-1,JIS B 0205-2,JIS B 0205-3,JIS B 0205-4,JIS B 0209-2及びJIS B
0209-3による一般用メートルねじ規格の要求を満たすねじは,文字“M”に続けて,記号“×”で区切っ
た呼び径及びピッチの値(ミリメートルで表す。)によって示す。
例 M8×1.25
JIS B 0205-2に載っている並目ねじに関して,ピッチは省略してもよい。
4
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例 M8
公差域クラスは,有効径に対する公差域クラスに続けて,山の頂の直径に対する公差域クラスで表す。
各公差域クラスの呼び方は,次による。
− 公差グレードを表す数字
− めねじには大文字,おねじには小文字による公差位置を表す文字
有効径と山の頂の直径との二つの公差域クラスの呼び方が同じ場合には,表示を繰り返す必要はない。
例 おねじ
めねじ
ねじ部品どうしの組合せは,めねじの公差域クラスに続けて,おねじの公差域クラスを斜線で区切って
表す。
例 M6-6H/6g
M20×2-6H/5g6g
公差域クラスが示されていない場合には,次に示す公差域クラスをもつはめあい区分“中”が規定され
ていることを意味する。
めねじ
− M1.4以下のねじに対して,5H
− M1.6以上のねじに対して,6H
備考 公差グレード4を一つだけ規定しているピッチP=0.2mmのねじを除く(表3及び表5を参照)。
おねじ
− M1.4以下のねじに対して,6h
− M1.6以上のねじに対して,6g
はめあい長さ“短い”S及び“長い”Lの表示は,公差域クラスの表示の後にダッシュで区切って追加
する。
例 20×2-5H-S
M6-7H/7g6g-L
はめあい長さが示されていない場合には,はめあい長さは,“並”Nが規定されることを意味する。
5
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5.3
多条ねじの呼び方 多条メートルねじは,文字“M”に続けて,呼び径の値,記号“×”,文字“Ph”
及びリードの値,文字“P”及びピッチの値(同じ方向を向く二つの隣り合うフランク間の軸方向の距離),
ダッシュ,並びに公差域クラスによって示す。呼び径,リード及びピッチは,ミリメートルで表す。
例 M16×Ph3P1.5-6H
特に明確にするために,条数,すなわち,p
phの値は,括弧付きの文句で付け加えるのがよい。
例 M16×Ph3P1.5 (two starts) -6H
5.4
左ねじの呼び方 左ねじの場合には,ねじの呼び方の後にダッシュで区切って,文字“LH”を追加
する。
例 M8×1-LH
M6×0.75-5h6h-S-LH
M14×Ph6P2-7H-L-LH
M14×Ph6P2 (three starts) -7H-L-LH
6. 公差グレード 有効径及び山の頂の直径の二つの各要素に対して,幾つかの公差グレードを設ける。
それぞれの場合に公差グレードは,はめあい区分が“中”で,はめあい長さが“並”Nのものに対して,6
とする。6より小さい公差グレードは,はめあい区分“精”及び/又ははめあい長さが“短い”Sの場合
に用いることを意図した。6より大きい公差グレードは,はめあい区分“粗”及び/又ははめあい長さが
“長い”Lの場合に用いることを意図した。幾つかの公差グレードにおいて,不適当なひっかかりの高さ
又は有効径の公差が山の頂の直径の公差を超えてはならないという要求の理由により,小さいピッチに対
する公差の値を示していない。
7. 公差位置 公差位置は,次に示すとおりとする(図2〜5及び表1参照)。
− めねじに対して:
Gは,正の基礎となる寸法許容差をもつ。
Hは,0の基礎となる寸法許容差をもつ。
− おねじに対して:
e,f及びgは,負の基礎となる寸法許容差をもつ。
hは,0の基礎となる寸法許容差をもつ。
図2 公差位置Gのめねじ
図3 公差位置Hのめねじ
6
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注(1) 最小実体寸法 (d2min) との関係だけに適用する。
11.の図6参照。
注(1) 最小実体寸法 (d2min) との関係だけに適用する。
11.の図6参照。
図4 公差位置e,f及びgのおねじ
図5 公差位置hのおねじ
表1 めねじ及びおねじの基礎となる寸法許容差
ピッチ
P
基礎となる寸法許容差
めねじ
D2,D1
おねじ
d, d2
G
H
e
f
g
h
EI
EI
es
es
es
es
mm
μm
μm
μm
μm
μm
μm
0.2
+ 17
0
−
−
− 17
0
0.25
+ 18
0
−
−
− 18
0
0.3
+ 18
0
−
−
− 18
0
0.35
+ 19
0
−
− 34
− 19
0
0.4
+ 19
0
−
− 34
− 19
0
0.45
+ 20
0
−
− 35
− 20
0
0.5
+ 20
0
− 50
− 36
− 20
0
0.6
+ 21
0
− 53
− 36
− 21
0
0.7
+ 22
0
− 56
− 38
− 22
0
0.75
+ 22
0
− 56
− 38
−22
0
0.8
+ 24
0
− 60
− 38
− 24
0
1
+ 26
0
− 60
− 40
− 26
0
1.25
+ 28
0
− 63
− 42
− 28
0
1.5
+ 32
0
− 67
− 45
− 32
0
1.75
+ 34
0
− 71
− 48
− 34
0
2
+ 38
0
− 71
− 52
− 38
0
2.5
+ 42
0
− 80
− 58
− 42
0
3
+ 48
0
− 85
−63
− 48
0
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ピッチ
P
基礎となる寸法許容差
めねじ
D2,D1
おねじ
d, d2
G
H
e
f
g
h
EI
EI
es
es
es
es
3.5
+ 53
0
− 90
− 70
− 53
0
4
+ 60
0
− 95
− 75
− 60
0
4.5
+ 63
0
−100
− 80
− 63
0
5
+ 71
0
−106
− 85
− 71
0
5.5
+ 75
0
−112
− 90
− 75
0
6
+ 80
0
−118
− 95
− 80
0
8
+100
0
−140
−118
−100
0
8. はめあい長さ はめあい長さは,表2による三つの種類S,N及びLに区分する。
表2 はめあい長さ
単位 mm
呼び径
D,d
ピッチ
P
はめあい長さ
S
N
L
を超え
以下
以下
を超え
以下
を超え
0.99
1.4
0.2
0.5
0.5
1.4
1.4
0.25
0.6
0.6
1.7
1.7
0.3
0.7
0.7
2
2
1.4
2.8
0.2
0.5
0.5
1.5
1.5
0.25
0.6
0.6
1.9
1.9
0.35
0.8
0.8
2.6
2.6
0.4
1
1
3
3
0.45
1.3
1.3
3.8
3.8
2.8
5.6
0.35
1
1
3
3
0.5
1.5
1.5
4.5
4.5
0.6
1.7
1.7
5
5
0.7
2
2
6
6
0.75
2.2
2.2
6.7
6.7
0.8
2.5
2.5
7.5
7.5
5.6
11.2
0.75
2.4
2.4
7.1
7.1
1
3
3
9
9
1.25
4
4
12
12
1.5
5
5
15
15
11.2
22.4
1
3.8
3.8
11
11
1.25
4.5
4.5
13
13
1.5
5.6
5.6
16
16
1.75
6
6
18
18
2
8
8
24
24
2.5
10
10
30
30
22.4
45
1
4
4
12
12
1.5
6.3
6.3
19
19
2
8.5
8.5
25
25
3
12
12
36
36
3.5
15
15
45
45
4
18
18
53
53
4.5
21
21
63
63
8
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
呼び径
D,d
ピッチ
P
はめあい長さ
S
N
L
を超え
以下
以下
を超え
以下
を超え
45
90
1.5
7.5
7.5
22
22
2
9.5
9.5
28
28
3
15
15
45
45
4
19
19
56
56
5
24
24
71
71
5.5
28
28
85
85
6
32
32
95
95
90
180
2
12
12
36
36
3
18
18
53
53
4
24
24
71
71
6
36
36
106
106
8
45
45
132
132
180
355
3
20
20
60
60
4
26
26
80
80
6
40
40
118
118
8
50
50
150
150
9. 山の頂の直径の公差
9.1
めねじ内径の公差 (TD1) めねじ内径の公差 (TD1) に関して,表3による五つの公差グレード4,5,
6,7及び8がある。
9.2
おねじ外径の公差 (Td) おねじ外径の公差 (Td) に関して,表4による三つの公差グレード4,6及
び8がある。
公差グレード5及び7は,おねじの外径に対して存在しない。
表3 めねじ内径の公差 (TD1)
ピッチ
P
mm
公差グレード
4
5
6
7
8
公差 μm
0.2
38
−
−
−
−
0.25
45
56
−
−
−
0.3
53
67
85
−
−
0.35
63
80
100
−
−
0.4
71
90
112
−
−
0.45
80
100
125
−
−
0.5
90
112
140
180
−
0.6
100
125
160
200
−
0.7
112
140
180
224
−
0.75
118
150
190
236
−
0.8
125
160
200
250
315
1
150
190
236
300
375
1.25
170
212
265
335
425
1.5
190
236
300
375
475
1.75
212
265
335
425
530
9
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ピッチ
P
mm
公差グレード
4
5
6
7
8
公差 μm
2
236
300
375
475
600
2.5
280
355
450
560
710
3
315
400
500
630
800
3.5
355
450
560
710
900
4
375
475
600
750
950
4.5
425
530
670
850
1 060
5
450
560
710
900
1 120
5.5
475
600
750
950
1 180
6
500
630
800
1 000
1 250
8
630
800
1 000
1 250
1 600
表4 おねじ外径の公差 (Td)
ピッチ
P
mm
公差グレード
4
6
8
公差 μm
0.2
36
56
−
0.25
42
67
−
0.3
48
75
−
0.35
53
85
−
0.4
60
95
−
0.45
63
100
−
0.5
67
106
−
0.6
80
125
−
0.7
90
140
−
0.75
90
140
−
0.8
95
150
236
1
112
180
280
1.25
132
212
335
1.5
150
236
375
1.75
170
265
425
2
180
280
450
2.5
212
335
530
3
236
375
600
3.5
265
425
670
4
300
475
750
4.5
315
500
800
5
335
530
850
5.5
355
560
900
6
375
600
950
8
450
710
1 180
10. 有効径の公差 めねじ有効径の公差 (TD2) に関して,表5による五つの公差グレード4,5,6,7及
び8がある。おねじ有効径の公差 (Td2) に関して,表6による七つの公差グレード3,4,5,6,7,8及び
9がある。
10
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 めねじ有効径の公差 (TD2)
呼び径
D mm
ピッチ
P
mm
公差グレード
4
5
6
7
8
を超え
以下
公差 μm
0.99
1.4
0.2
40
−
−
−
−
0.25
45
56
−
−
−
0.3
48
60
75
−
−
1.4
2.8
0.2
42
−
−
−
−
0.25
48
60
−
−
−
0.35
53
67
85
−
−
0.4
56
71
90
−
−
0.45
60
75
95
−
−
2.8
5.6
0.35
56
71
90
−
−
0.5
63
80
100
125
−
0.6
71
90
112
140
−
0.7
75
95
118
150
−
0.75
75
95
118
150
−
0.8
80
100
125
160
200
5.6
11.2
0.75
85
106
132
170
−
1
95
118
150
190
236
1.25
100
125
160
200
250
1.5
112
140
180
224
280
11.2
22.4
1
100
125
160
200
250
1.25
112
140
180
224
280
1.5
118
150
190
236
300
1.75
125
160
200
250
315
2
132
170
212
265
335
2.5
140
180
224
280
355
22.4
45
1
106
132
170
212
−
1.5
125
160
200
250
315
2
140
180
224
280
355
3
170
212
265
335
425
3.5
180
224
280
355
450
4
190
236
300
375
475
4.5
200
250
315
400
500
45
90
1.5
132
170
212
265
335
2
150
190
236
300
375
3
180
224
280
355
450
4
200
250
315
400
500
5
212
265
335
425
530
5.5
224
280
355
460
560
6
236
300
375
475
600
90
180
2
160
200
250
315
400
3
190
236
300
375
475
4
212
265
335
425
530
6
250
315
400
500
630
8
280
355
450
560
710
180
355
3
212
265
335
425
530
4
236
300
375
475
600
6
265
335
425
530
670
8
300
375
475
600
750
11
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6 おねじ有効径の公差 (Td2)
呼び径
d mm
ピッチ
P
mm
公差グレード
3
4
5
6
7
8
9
を超え
以下
公差 μm
0.99
1.4
0.2
24
30
38
48
−
−
−
0.25
26
34
42
53
−
−
−
0.3
28
36
45
56
−
−
−
1.4
2.8
0.2
25
32
40
50
−
−
−
0.25
28
36
45
56
−
−
−
0.35
32
40
50
63
80
−
−
0.4
34
42
53
67
85
−
−
0.45
36
45
56
71
90
−
−
2.8
5.6
0.35
34
42
53
67
85
−
−
0.5
38
48
60
75
95
−
−
0.6
42
53
67
85
106
−
−
0.7
45
56
71
90
112
−
−
0.75
45
56
71
90
112
−
−
0.8
48
60
75
95
118
150
190
5.6
11.2
0.75
50
63
80
100
125
−
−
1
56
71
90
112
140
180
224
1.25
60
75
95
118
150
190
236
1.5
67
85
106
132
170
212
265
11.2
22.4
1
60
75
95
118
150
190
236
1.25
67
85
106
132
170
212
265
1.5
71
90
112
140
180
224
280
1.75
75
95
118
150
190
236
300
2
80
100
125
160
200
250
315
2.5
85
106
132
170
212
265
335
22.4
45
1
63
80
100
125
160
200
250
1.5
75
95
118
150
190
236
300
2
85
106
132
170
212
265
335
3
100
125
160
200
250
315
400
3.5
106
132
170
212
265
335
425
4
112
140
180
224
280
355
450
4.5
118
150
190
236
300
375
475
45
90
1.5
80
100
125
160
200
250
315
2
90
112
140
180
224
280
355
3
106
132
170
212
265
335
425
4
118
150
190
236
300
375
475
5
125
160
200
250
315
400
500
5.5
132
170
212
265
335
425
530
6
140
180
224
280
355
450
560
90
180
2
95
118
150
190
236
300
375
3
112
140
180
224
280
355
450
4
125
160
200
250
315
400
500
6
150
190
236
300
375
475
600
8
170
212
265
335
425
530
670
180
355
3
125
160
200
250
315
400
500
4
140
180
224
280
355
450
560
6
160
200
250
315
400
500
630
8
180
224
280
355
450
560
710
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B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
11. 谷底の形状 めねじ及びおねじの実体の谷底の形状は,どの箇所も基準山形の境界を越えてはならな
い。
強度区分8.8以上(JIS B 1051参照)のねじ部品のおねじにおいて,谷底の輪郭は,反転することのな
い曲率をもち,いずれの部分も0.125×Pより小さい丸み半径になってはならない(表7参照)。
谷の径d3が最大の位置において,丸み半径Rmin=0.125×Pは,最大実体のフランクとJIS B 0251による
通りゲージの内径円筒とが交差する点を通り,最小実体のフランクに接するようにつなぐ。
最大の切取り高さCmaxの値は,次の公式によって計算する。
2
4
1
cos
arc
3
cos
1
4
2
min
2
min
max
d
d
T
R
T
R
H
C
+
−
−
−
−
=
・
π
ただし,(
)
P
R
H
×
=
34
144
.0
6
の切取り高さにするのが望ましく,おねじ谷の径d3の応力計算の基礎として6Hを用
いることを推奨する(対応する値に関して,JIS B 0209-3を参照。)。
最小の切取り高さCminの値は,次の公式によって計算する。
7
125
.0
min
H
P
C
≒
=
強度区分が8.8より下のねじ部品のおねじも,前述の要求に適合することが望ましい。これは,疲労又
は衝撃の負荷を受けるねじ部品又はその他のねじ付き部品にとって,特に重要なことである。しかし,お
ねじ谷の径の最大寸法d3maxが,JIS B 0251による通りゲージの最小内径寸法より小さくなければならない
ということ以外の制限は,一般にない。
図6 おねじ谷底の形状
13
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表7 最小の谷底丸み半径
ピッチ P
mm
Rmin
μm
0.2
25
0.25
31
0.3
38
0.35
44
0.4
50
0.45
56
0.5
63
0.6
75
0.7
88
0.75
94
0.8
100
1
125
1.25
156
1.5
188
1.75
219
2
250
2.5
313
3
375
3.5
438
4
500
4.5
563
5
625
5.5
688
6
750
8
1 000
12. 推奨する公差域クラス ゲージ及び製造工具の数を少なくするために,公差域クラスは,表8及び表
9から選ぶのがよい。
はめあい区分の選択は,次の一般的な基準による。
− 精:はめあいの変動量が小さいことを必要とする精密ねじ用。
− 中:一般用。
− 粗:例えば,熱間圧延棒や深い止まり穴にねじ加工をする場合のように,製造上困難が起こり得る
場合。
はめあい長さは,(標準ボルトの製造のように)ねじの実際のはめあい長さが分からない場合には,区分
Nを推奨する。
太線枠の付いた公差域クラスは,普通のおねじ及びめねじ用に選ぶ。
太い文字の公差域クラスは,第1選択である。
普通の文字の公差域クラスは,第2選択である。
括弧の公差域クラスは,第3選択である。
めねじ用に推奨される公差域クラスのどれもが,おねじ用に推奨される公差域クラスのどれとも組み合
わせることができる。しかし,十分なひっかかりを保証するために,完成品は,H/g,H/h又はG/hのはめ
あい構成にするのがよい。M1.4以下のねじサイズについては,5H/6h,4H/6h又はより精密な組合せを選
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ぶ。
皮膜を施すねじについて,特に指定がなければ,公差は皮膜を付ける前の部品に適用する。皮膜を付け
た後の実体のねじ山形状は,どの箇所も公差位置H又はhに対する最大実体寸法の境界を越えてはならな
い。
備考 これらの規定は,例えば,電気めっきによって得られる,薄い皮膜に対して用いることを意図
した。
表8 推奨するめねじの公差域クラス
はめあい
区分
公差位置 G
公差位置 H
S
N
L
S
N
L
精
−
−
−
4H
5H
6H
中
(5G)
6G
(7G)
5H
6H
7H
粗
−
(7G)
(8G)
−
7H
8H
表9 推奨するおねじの公差域クラス
はめあい
区分
公差位置 e
公差位置 f
公差位置 g
公差位置 h
S
N
L
S
N
L
S
N
L
S
N
L
精
−
−
−
−
−
−
−
(4g)
(5g4g)
(3h4h)
4h
(5h4h)
中
−
6e
(7e6e)
−
6f
−
(5g6g)
6g
(7g6g)
(5h6h)
6h
(7h6h)
粗
−
(8e)
(9e8e)
−
−
−
−
8g
(9g8g)
−
−
−
13. 公式 この規格の値は,経験に基づいている。矛盾のない体系を得るために,数値計算の公式が開発
された。
有効径及び山の頂の直径の公差及び,基礎となる寸法許容差に対する値は,公式によって計算し,標準
数列R40に最も近い値に丸めた。しかし,小数点がある場合には,更に,値が最も近い整数になるように
丸めた。
滑らかな連続性を得るために,これらの丸め方は,常には使用していない。
表7で規定する谷底の丸み半径は,0.125Pに等しい。
13.1 基礎となる寸法許容差 めねじ及びおねじの基礎となる寸法許容差は,次の公式によって計算した。
EIG=+ (15+11P)
EIH=0
ese=− (50+11P) 1)
esf=− (30+11P) 2)
esg=− (15+11P)
esh=0
ここに, EI及びesはμm,Pはmmで表す。
13.2 はめあい長さ 表2におけるはめあい長さlNの許容限界の計算のために,次の計算式を適用した。
ある直径範囲における各ピッチに対して,dは,全体系(JIS B 0205-2参照)に記載されている(範囲内
で)最も小さい直径に等しく固定した。
注 1) P≦0.45mmのねじ山に対する値は,例外である。
2) P≦0.3mmには,適用しない。
15
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
lN min(約)=2.24Pd0.2
lN max(約)=6.7Pd0.2
ここに, lN,P及びdはmmで表す。
13.3 山の頂の直径公差
13.3.1 おねじ外径の公差 (Td),グレード6 公差グレード6に対するTd(6)の値は,次の公式によって計
算した。
()
P
P
Td
15
.3
180
6
3
2−
=
ここに, Tdはμm,Pはmmで表す。
他の公差グレードに対するTdの値は,下の表に従って,Td(6)の値(表4を参照)から求める。
公差グレード
4
6
8
0.63Td (6)
Td (6)
1.6Td(6)
13.3.2 めねじ内径の公差 (TD1),グレード6 公差グレード6に対するTD1(6)の値は,次の公式によって計
算した。
a) 0.2〜0.8mmのピッチ
TD1(6)=433P−190P1.22
b) 1mm以上の粗いピッチ
TD1(6)=230P0.7
ここに, TD1はμm,Pはmmで表す。
他の公差グレードに対する値は,下の表に従って,TD1(6)の値(表3の中)から求める。
公差グレード
4
5
6
7
8
0.63TD1 (6)
0.8TD1 (6)
TD1 (6)
1.25TD1 (6)
1.6TD1(6)
13.4 有効径の公差
13.4.1 おねじ有効径の公差 (Td2) 表6のTd2(6)の値は,次の公式によって計算した(dは,直径範囲の
限界の幾何平均に等しくして)。
Td2(6)=90P0.4d0.1
ここに, Td2(6)はμm,Pはmmで表す。
他の公差グレードに対する値は,下の表に従って,Td2(6)の値(表6を参照)から求める。
公差グレード
3
4
5
6
7
8
9
0.5Td2 (6)
0.63Td2 (6)
0.8Td2 (6)
Td2 (6)
1.25Td2 (6)
1.6Td2 (6)
2Td2(6)
与えた公式に従って計算した値が,推奨する公差域クラスとして表になっている公差グレードTdの値を
超える場合には,表6にTd2の値を掲げていない。
13.4.2 めねじ有効径の公差 (TD2) TD2の値は,下の表に従ってTd2(6)の値(表6参照)から求める。
公差グレード
4
5
6
7
8
0.85Td2 (6)
1.06Td2 (6)
1.32Td2 (6)
1.7Td2 (6)
2.12Td2 (6)
与えた公式に従って計算した値が,0.25Pを超える場合には,表5にTD2の値を掲げていない。
16
B 0209-1 : 2001 (ISO 965-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ねじ基本関係JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
吉 本 勇
東京工業大学名誉教授
(幹事)
大 橋 宣 俊
湘南工科大学機械工学科
西 山 信 夫
メイラ株式会社技術本部
(委員)
穐 山 貞 治
経済産業省産業技術環境局標準課
稲 葉 元 成
元・ミネベア株式会社藤沢製作所
及 川 文 廣
株式会社サトーラシ品質保証部
近 藤 清 隆
いすゞ自動車株式会社藤沢工場開発管理室
杉 浦 孝 之
株式会社田野井製作所埼玉工場
大 黒 雅 之
大黒興業株式会社(ねじ商連)
田 中 誠之助
株式会社佐賀鉄工所開発部
谷 口 良 憲
トヨタ自動車株式会社設計管理部設計管理室
八 賀 聡 一
社団法人日本工作機械工業会技術部
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
丸 山 一 男
工学院大学機械工学科
三 井 雅 夫
株式会社弥満和製作所技術本部技術部
(事務局)
中 村 智 男
日本ねじ研究協会
文責 西 山 信 夫