B 0185 : 2002
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ロボット工業会 (JARA) /財
団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
B 0185 : 2002
(1)
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目次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 用語の分類 ····················································································································· 1
3. 用語及び定義 ·················································································································· 1
索引 ································································································································· 12
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
B 0185 : 2002
知能ロボット−用語
Intelligent robots−Vocabulary
1. 適用範囲 この規格は知能ロボットに関して用いる主な用語及び定義について規定する。
備考 知能ロボットとは,人や動物がもつ論理的推論,学習,認識・理解などの知的機能の全部,又
は一部を備えているロボットである。
2. 用語の分類 知能ロボットに関して用いる用語の分類は,次による。
a) コントロールパス関連用語
1) モデル
2) 空間
3) 作業レベル計画
4) 動作レベル計画
5) 運動学
6) 軌道レベル計画
7) サーボイング
8) 学習
9) ロボットシステム
10) ロボット作業
b) センシングパス関連用語
1) センシングパス
2) 理解レベルセンシング
3) 認識レベルセンシング
4) 知覚レベルセンシング
5) 感覚レベルセンシング
6) オペレーション
3. 用語及び定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。また,すべての用語について参考として
対応英語を示す。
a) コントロールパス関連用語
1) モデル
番号
用語
定義
対応英語(参考)
100100 タスクモデル
遂行すべき作業のモデル。
task model
100200 機能モデル
物体の役割,用途などを記述したモデル。
functional model
2
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
100300 幾何モデル
物体のユークリッド幾何学的情報を表現したモデル。 geometric model
100301 ワイヤフレームモデ
ル
物体を稜線に対応する線分(曲線を含む)だけで表現
した幾何学モデル。
wire-frame model
100302 表面モデル,
サーフェイスモデル
物体を表面の形状を表す方程式によって表現した幾
何学モデル。
surface model
100303 ソリッドモデル
物体を,その内部も含め,実体に忠実に表現した幾何
学モデル。
備考 B-rep,CSG,オクツリーなどの表現方法が
ある。
solid model
100400 物理モデル
物体表面の光学的反射特性,力学的反発特性,粘弾性
など,幾何モデルでは表現できない物理的属性を表現
したモデル。
physical model
100401 動力学モデル
物体,機構などの運動方程式を導出するために必要な
幾何学的情報及び質量,慣性モーメント,摩擦係数な
どの力学的情報を採り入れたモデル。
dynamic model
100402 摩擦円すい(錐)
二つの物体が点接触するとき,摩擦力を含む接触力ベ
クトルの存在しうる空間を,接触点を頂点とする円す
いで表したもの。
friction cone
2) 空間
番号
用語
定義
対応英語(参考)
110100 状態空間
状態変数が張る空間。
state space
110200 探索空間
探索を行う状態空間。
search space
110300 関節空間
能動関節ベクトル(関節変数の組)が張る空間。
joint space
110400 作業領域
手首基準点によって掃引される領域と,そこにおける
手首の各ジョイントの可動範囲とを合わせた領域。
work space
3) 作業レベル計画
番号
用語
定義
対応英語(参考)
120100 作業計画,
タスクプラニング
与えられた環境のもとで,作業内容,作業手順などを
計画すること。
task planning
120101 前向き推論
初期状態からオペレータを繰り返し適用して,目標状
態に至る状態遷移系列を得る手法。
forward reasoning
120102 後ろ向き推論
目標状態からオペレータを繰り返し適用して,初期状
態に至る状態遷移系列を得る手法。
backward reasoning
120103 AND-ORグラフ
分割可能な問題について,そのすべてが解決するまで
の途中段階での状況と選択肢の関係をAND又はOR
の論理演算を用いて明示的に表現したグラフ。
and-or graph
120200 モデルベースト計画
作業環境モデルに基づいて作業計画を行うこと。
model-based planning
120201 幾何拘束
位置姿勢,占有空間などの幾何学的属性に関する拘
束。
geometric constraint
120202 幾何推論
期待する状況を実現するために行うべき行動の手順
を,幾何拘束を満たすように作成すること。
geometric reasoning
120300 ルールベースト計画
状況・行動の対のようなルール形式で表された知識に
基づいて作業計画を行うこと。
rule-based planning
120301 プロダクションルー
ル
ある状況が成立するときに所定の行動を実行するよ
うに記述した規則。
production rule
120302 ワーキングメモリ
プロダクションルールを適用するために現在の状況
を格納する作業用メモリで,短期記憶に相当する。
working memory
120303 メタルール
プロダクションルールに対して,それらの選択や適用
の条件を記述する上位レベルの規則。
meta rule
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
120304 ファジィルール
ファジィ集合の概念に基づいて状況・行動の対を記述
した規則。
fuzzy rule
120400 組立作業計画
マニピュレータの条件や部品組付けの優先関係など
をもとに,組立作業の手順を計画すること。
assembly task planning
120500 把握計画
対象物体の形状,特性及び周囲の障害物の配置に応じ
て,エンドエフェクタの機能を考慮した適切な把握の
仕方を計画すること。
grasp planning
4) 動作レベル計画
番号
用語
定義
対応英語(参考)
130100 占有空間
ロボットシステムがその運動空間(ユークリッド空
間)又はパラメータ空間で,ある瞬間占めている領域。
occupied space
130200 自由空間
環境を含まないロボット単体のもっている自由度が
保証されている領域。
free space
130300 コンフィギュレーシ
ョン空間
ロボットのコンフィギュレーションを一意に決定す
るパラメータが張る空間。
configuration space
130400 掃引空間
一定の規準に従って物体を動かしたときの連続軌跡
の集合。
swept volume
130500 拘束空間
ロボット単体のもっている自由度が環境に起因して
減少している領域。
constraint space
130501 ホロノミック拘束
力学的拘束条件が変数の微小変化に対する積分可能
な関係式で表される拘束。
holonomic constraint
130502 非ホロノミック拘束
力学的拘束条件が変数の微小変化に対する積分不可
能な関係式で表される拘束。
non-holonomic constraint
130503 ポテンシャル法
障害物からの距離に応じたポテンシャル場を仮想的
に構成し,その情報に基づいて障害物を回避する経路
を探索する手法。
potential field method
130600 大局動作計画
ロボットのコンフィギュレーションが明りょうに変
化する程度の大きな動作(大域動作)を計画すること。
gross motion planning
130700 局所動作計画
ロボットの局所的な動作を計画すること。
fine motion planning
130800 経路最適化
ロボットの経路を一定の評価基準のもとで最適化す
ること。
path optimization
130900 協調作業
複数のロボット機能又は複数のロボットシステムが
互いに協調し合って,全体として効率的に実行する作
業。
cooperation/cooperative
working
131000 協調動作計画
複数台のロボットによって遂行される協調動作を計
画すること。
coordinated motion planning
131100 スキル
作業から抽出した基本動作のうちで,様々な状況下で
種々の作業要素として用いることのできる汎用性,適
応性,頑健性をもつ動作。
skill
131200 動作レベル言語
ロボットの単位動作レベルに対応するプログラミン
グ言語。
motion level language
131300 作業教示
ロボットに実行させる作業内容を教示すること。
task teaching
5) 運動学
番号
用語
定義
対応英語(参考)
140100 順運動学
直列形マニピュレータの各ジョイントの変位から,メ
カニカルインタフェースのポーズを決める数学的手
法。
forward kinematics
140200 逆運動学
メカニカルインタフェースのポーズから,各ジョイン
トの変位を求める数学的手法。
inverse kinematics
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
140300 特異点
マニピュレータの機構学的な制約によって,ある特定
の方向の自由度の機能が失われるポーズ。
singularity
140400 DHモデル
リンクの長さ,ジョイント軸間のねじれ角,リンク間
距離,リンク間角度の4個のパラメータを用いる
Denavit-Hartenberg記法による機械構造の幾何学モデ
ル。
Denavit-Hartenberg model
140500 経由点
経路点から作業点を除いた点。
via point
140600 経路点
指令経路上の特にポーズ精度を必要とする点。
path point
140700 経路生成
ロボットの移動すべき経路を生成すること。
path generation
140800 可操作度
マニピュレータが操作方向に関して均等な速度を発
揮できる程度を表すための指標。
manipulability measure
6) 軌道レベル計画
番号
用語
定義
対応英語(参考)
150100 軌道計画
ロボットの作業及び環境に適合した軌道を計画する
こと。
trajectory planning
150200 軌道生成
軌道計画に従い具体的に指令軌道を生成すること。
trajectory generation
150300 障害物回避
外界センサで障害物を検出し,一定の評価規準の下で
障害物との干渉(接近,接触,衝突など)を回避する
こと。
obstacle avoidance
150400 衝突回避
外界センサで障害物を検出し,運動量の授受を伴う衝
突を回避すること。
collision avoidance
150500 誘導
外部からの情報を用いて移動させること。
guidance
7) サーボイング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
160100 サーボ機構
位置,力などの力学量を制御量として行う追値制御
系。サーボ系,又はサーボともいう。
servo mechanism
160101 サーボ誤差
サーボ機構の制御量の誤差。
servo error
160102 サーボ速度
サーボ機構の実現速度。
servo rate
160200 位置サーボ機構
位置を制御量として行う追値制御。
position servo
160300 力サーボ機構
力を制御量として行う追値制御。
force servo
160400 バイラテラルサーボ
機構
入力側の運動を出力側に伝達するだけでなく,出力側
に作用する運動の影響を入力側に伝達するサーボ。
bilateral servo
160500 センサベースト制御
センサを用いてロボットを制御すること。センサ制御
ともいう。
sensor-based control
160600 誘導制御
外部からの情報を用いてロボットの軌道を制御する
こと。
guidance control
160700 ハイブリッド制御
作業座標系において,位置の制御方向と力の制御方向
を独立に設定する制御方式。
hybrid control
160800 インピーダンス
物体の力学的な特性を,慣性項,粘性項及び弾性項に
よって表したもの。
impedance
160900 インピーダンス制御
マニピュレータのメカニカルインピーダンスを作業
目的に合わせて所定の値に制御すること。
備考 操作量は関節力の場合が多い。
impedance control
161000 剛性
弾性体に力が作用し,変位が生じた場合の力に対する
変位の比。
stiffness
161100 コンプライアンス
剛性の逆数。ただし,粘性を含む場合がある。
compliance
161200 コンプライアンス制
御
マニピュレータのコンプライアンスを作業目的に合
わせて所定の値に制御すること。
備考 操作量は関節速度の場合が多い。
compliance control
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
161300 RCC装置
ロボットに,エンドエフェクタを結合するために用い
るリモートセンタ形のコンプライアンスをもつ装置。
Remote Center Compliance
device
161400 受動的コンプライア
ンス
外部からエネルギーを供給するアクチュエータを用
いずに,受動的機構によって実現されるコンプライア
ンス。
passive compliance
161500 触覚フィードバック
制御
触覚情報をフィードバックしてロボットの動きを制
御すること。
tactile feedback control
161600 視覚フィードバック
制御
視覚情報をフィードバックしてロボットの動きを制
御すること。
visual feedback control
161700 自律分散制御
分散して存在する自律システムが連携して,全体とし
て一つの作業を実行する制御方式。
distributed autonomous control
8) 学習
番号
用語
定義
対応英語(参考)
170100 経路学習
出発位置から移動目標位置までの移動経路を学習す
ること。
path learning
170200 軌道学習
出発位置から移動目標位置までの軌道を学習するこ
と。
trajectory learning
170300 作業学習
作業の副目標,遂行手順,それに含まれる作業動作な
どに関する情報を学習すること。
task learning
170400 学習制御
過去の時点で得られた制御過程をもとに,制御パラメ
ータ,及び/又はアルゴリズムを,逐次所要の条件を
満たすように修正していく制御。
learning control
170500 ニューラルネットワ
ーク
生体の神経の情報処理過程をモデル化し,自己組織
化・学習・記憶などを行う人工神経回路網。
neural network
170600 遺伝的アルゴリズム
遺伝,とうた(淘汰),突然変異などの生物の進化の
メカニズムを参考にした,適応,最適化のための計算
手法。
genetic algorithm
9) ロボットシステム
番号
用語
定義
対応英語(参考)
180100 ビヘービアベースト
ロボット
ロボット作業を,認識・モデル化・計画の各機能に分
解して実現する構成法とは対照的に,基本的な行動の
相互作用に分解するアーキテクチャに基づいて構成
されたロボット。
behavior-based robot
180200 サブサンプション・ア
ーキテクチャ
上位の基本行動が下位の基本行動を抑制するように
構成した知能ロボットアーキテクチャ。
subsumption architecture
180300 自律分散ロボットシ
ステム
各ロボットが集中的に制御されるのではなく,各々が
分散した制御で働くような複数台ロボットシステム。
distributed autonomous robot
system
180400 自己組織化ロボット
複数のロボットが一つの目的のために自らの判断に
よって他のロボットと結合するなどの組織化を実行
する複数台ロボットシステム。
self organizing robot
180500 マルチエージェント
ロボットシステム
ロボットそれ自身,又は,ロボット内部の機能をそれ
ぞれ自律して働くエージェントとみなして構成した
複数台ロボットシステム。
multi-agent robot system
180600 テレオペレータ
人間によって遠隔制御される,移動やマニピュレーシ
ョンのためのセンサとアクチュエータを備えたデバ
イス。人間のセンサ,アクチュエータ機能を遠隔の極
限環境まで展開させる目的で用いる。
teleoperator
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
180700 マスタスレーブマニ
ピュレータ
主動側のマスタ及び従動側のスレーブをもつテレオ
ペレータ。
備考1. マスタは人間によって操作され,スレー
ブはその運動を模倣する。
2. 力や位置の相似拡大・縮小を伴う場合も
ある。
master slave manipulator
10) ロボット作業
番号
用語
定義
対応英語(参考)
190100 ビンピッキング
ランダムに積み重ねられた複数物体の中から物体を
順次把持して,指定の場所に運ぶこと。
bin picking
190200 ペグ・イン・ホール作
業
穴の中に棒を挿入する作業。
peg-in-hole task
b) センシングパス関連用語
1) センシングパス
番号
用語
定義
対応英語(参考)
200100 ロボットセンサ
ロボットの内界及び外界の感覚情報を取得するため
の変換器。
robot sensor
200101 内界計測センサ
ロボットの内部の状態を検出するためのセンサ。
internal measurement sensor
200102 外界計測センサ
対象物や障害物など,ロボットの外界の状態を検出す
るためのセンサ。
external measurement sensor
200200 センシング
センサによる物理量の信号変換とその情報処理をあ
わせて,ロボットの制御に必要な情報を抽出するこ
と。
sensing
200300 センサ計画,
センサプラニング
目的に応じてセンサによって情報を収集するために,
最適なセンサの使用法や配置などを計画すること。
sensor planning
200400 センサネットワーク
複数のセンサの制御信号や出力信号をネットワーク
形式で接続したもの。
sensor network
200500 マルチセンサシステ
ム
複数のセンサを用い,それらを並列的又は相補的に組
み合わせて,必要とする情報を取得するシステム。
multi-sensor system
2) 理解レベルセンシング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
210100 環境理解
作業環境を理解すること。
environment understanding
210101 ワールドモデル
ロボットと環境を含めた全体を表したモデル。
world model
210102 センサモデル
センサの機能,特性を表したモデル。
sensor model
210103 物体モデル
対象物体に関する性質を表したモデル。
object model
210104 フレーム
階層性をもった知識の記述形式。ロボットの座標系。 frame
210105 知識ベース
推論や問題解決に有効に利用できるように組織化さ
れた知識の集まり。
knowledge base
210106 データベース
多目的でかつ柔軟な検索を許すように管理されたデ
ータの集合。
data base
210200 作業理解
実行すべき作業の内容,手順を理解すること。
task understanding
210201 オブジェクト指向プ
ログラミング
対象物体の状態や変化を中心にして表現したプログ
ラム。
object oriented programming
210202 プロダクションシス
テム
すでに知られている事実と,行動や論理の規則の集合
から推論を行うシステム。
production system
210203 エキスパートシステ
ム
専門家の知識ベースから推論を行うことによって,特
定の分野又は応用領域の問題を専門的に解決するシ
ステム。
expert system
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
210300 物体理解
対象物体の形状,特性,状態などを理解すること。 object understanding
210400 言語理解
与えられた言語を理解すること。
language understanding
3) 認識レベルセンシング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
220100 パターン認識
図形やその他のデータ構造を集合やカテゴリーの集
まりに記述・分類すること。
pattern recognition
220101 画像認識
視覚画像の中の物体が何であるかを認識すること。 image recognition
220102 物体認識
対象物体の属性を明暗情報,距離情報などを用いて認
識すること。
object recognition
220200 センサフュージョン
記憶や運動系の情報を含めて多種類のセンサ情報を
用いて,単一の感覚だけの情報に比べて多義的な情報
を提供する処理機構。
sensor fusion
220201 センサ融合
複数のセンサからの情報を融合することによって,新
たな情報を得る処理。
sensor fusion/
sensor data fusion
220202 センサ統合
複数のセンサからの情報を統合することによって,相
乗作用を得る処理。
sensor integration
220300 環境認識
環境状況を光学的手段や音響的手段などを用いて認
識すること。
environment recognition
220301 環境モデル
環境の幾何学的形状,物理的属性などをモデル化した
もの。
environment model
220302 作業状況認識
ロボットの作業がどのように行われているか,作業の
段階や対象物体とロボットの関係などを認識するこ
と。
recognition of task condition
220400 認識処理
パターン認識を行うための処理。
processing for recognition
220401 前処理
センサから得られた信号を処理装置に送る前に行う,
信号増幅,インピーダンス変換,フィルタリング,ノ
イズ除去などの基本的な処理。
pre-processing
220402 濃度ヒストグラム
明暗画像における各明るさの出現割合を表したもの。 intensity histogram
220403 2値化
アナログ信号をしきい値を用いて1か0の2値信号に
変換すること。
binarization
220404 画像符号化
画像情報を符号化してデータを圧縮すること。
image coding
220405 雑音除去
センサ信号に混入している雑音成分を取り除くこと。 noise reduction
220406 しきい値
入力信号がある値以下のとき出力に影響を与えず,一
定値を超えたときだけ出力に影響を与えるときのそ
の値。
threshold
220407 フィルタ
入力された信号から目的の信号成分を得るための,装
置又はアルゴリズム。
filter
220408 画素
処理の都合上,又は撮像装置に使用する素子の都合な
どによって,画面を構成する単位として分解されてい
る最小の要素。
備考 ピクセルともいう。
pixel
220409 エッジ抽出
画像の変化部分を強調することによって物体の輪郭
線を抽出すること。
edge detection
220410 ディジタルフィルタ
ディジタル記憶素子や演算素子を用いて構成したフ
ィルタ。
digital filter
220411 空間フィルタ
格子やスリット列などの特別な構造パターンを通し
て特定の空間周波数成分を抽出するための透過パタ
ーン。
spatial filter
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
220412 微分オペレータ
画像処理において,空間微分を行うために画素の周辺
に適用するテンプレート。
differential operator
220413 パターン分類
パターン認識のために,入力パターンを類似パターン
に分類分けすること。
pattern classification
220414 パターンマッチング
二つのパターンを比較し,両者が同類であるかどうか
を調べ,判別すること。
pattern matching
220415 テンプレートマッチ
ング
テンプレートを用いて行われるパターンマッチング。 template matching
220416 特徴抽出
画像データから計測対象の固有の幾何学的性質を表
す特徴値を取り出すこと。
feature extraction
220500 音声認識
発声された音声を情報として認識すること。
speech recognition
220600 音声合成
音声を人工的に発声すること。
speech synthesis perception
level sensing
4) 知覚レベルセンシング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
230100 能動センシング
探索的動作又は,行動と認識の並列動作に基づいてセ
ンシングすること。
active sensing
230200 非接触センシング
対象物体に接触することなく,その状況や相対関係を
検出すること。
noncontact sensing
230300 能動ビジョン
画像入力装置の位置や状態を,目的に応じて変化させ
ながら複数の画像を取得することのできる視覚シス
テム。
active vision
230301 ハンドアイシステム
ロボットアームに視覚センサを搭載し,アームの動き
によって必要な画像情報をアクティブに取り込むこ
とができるようにしたシステム。
hand eye system
230302 トラッキングビジョ
ン
画像上の特定の点の移動をリアルタイムで追跡する
装置。
tracking vision
230303 注視点制御
視野内で注目すべき場所を,対象物体の状況,作業内
容,視野を遮る障害物体などの状況に応じて変化させ
ること。
view point control
230400 三次元センシング
環境や対象物体の三次元情報をセンサと情報処理に
よって抽出すること。
three dimensional sensing
230401 スポットセンシング
光の点を照射してその画像から三次元情報を抽出す
る方法。
spot sensing
230402 スリットセンシング
直線状の光を照射してその画像から三次元情報を抽
出する方法。
slit sensing
230403 ストラクチュアドラ
イト
物体認識などを行うために,光源から発する光に固有
の特性(パターン)を付加すること。
structured light
230404 オプティカルフロー
物体又はセンサの三次元的運動における,各点の移動
ベクトルの分布。
optical flow
230405 GPS
多数の周回する人工衛星を用いた測位システム。
grobal positioning system
230406 三角測量
計測装置上の2点と対象物体上にある1点から,対象
物体との距離を計測する方法。
triangulation
230407 ランドマーク
移動ロボットが現在の位置・方向を決定するために用
いる外部環境の人工物又は自然物。
land mark
230500 ステレオビジョン
視点の異なるイメージセンサから得られた画像を処
理して,三次元情報を得ることのできるビジョンシス
テム。
stereo vision
230600 3Dビジョン
平面の濃淡情報に加えて距離情報も含む視覚
3D vision
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B 0185 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
230700 デッドレコニング
天体,地上設備など外部からの情報を用いないで,ジ
ャイロ,走行距離計,速度計などだけから移動体の位
置と方向を求める方法。
備考 推測航法ともいう。
dead rekoning
230800 接触形センシング
対象物体に触れながらその状況や特性を検出するこ
と。
contact sensing
230900 触覚イメージセンシ
ング
平面状の分布触覚センサ素子を用いて,接触圧力の大
きさとその分布を検出し,画像として表現すること。
tactile image sensing
5) 感覚レベルセンシング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
240100 非接触形センサ
対象物に接触することなく,その位置,姿勢,属性な
ど,相対関係を検出するセンサ。
non-contact sensor
240200 接触形センサ
対象物に触れることによってその位置,姿勢,属性な
どを検出するセンサ。
contact sensor
240300 視覚/視覚センサ
光学的情報に関する感覚。/視覚を実現するためのセ
ンサ。
vision sense,
visual sense/
vision sensor,
visual sensor
240301 画像センサ,
イメージセンサ
一次元又は二次元の光学像信号を得るためのセンサ
の総称。
image sensor
240302 エリアセンサ
二次元の光情報を検出できるセンサ。
area sensor
240303 ラインセンサ
直線状の光情報を検出するセンサ。
line sensor
240400 距離センサ,
レンジファインダ
物体表面上の一点又はある領域に対して,センサ位置
からの距離を検出するセンサ。
distance sensor,
range finder
240500 超音波センサ
対象に対して超音波を送波し,対象からの反射や遮断
などの応答によって,対象の存在,距離又は形状の識
別を行うセンサ。
ultra-sonic sensor
240600 聴覚/聴覚センサ
空気中や水中を伝搬する音波に関する感覚。/聴覚を
実現するためのセンサ。
備考 音声認識の感覚と音響計測の感覚とに分
けられる。
acoustic sense,
hearing sense/
acoustic sensor,
hearing sensor
240700 触覚/触覚センサ
ロボットと物体の接触に関する感覚。/触覚を実現す
るためのセンサ。
tactile sense/ tactile sensor
240701 分布形触覚/分布形
触覚センサ
検出点が多数分布配置されている触覚。/分布形触覚
を実現するためのセンサ。
distributed tactile sense/
distributed tactile sensor
240702 接触覚/タッチセン
サ
ロボットと物体の接触の有無を検出する触覚。/接触
覚を実現するためのセンサ。
touch sense/
touch sensor
240703 圧覚/圧覚センサ
ロボットと物体の接触面で,その法線方向の力を検出
する感覚。/圧覚を実現するためのセンサ。
contact force sense/
contact force sensor
240704 すべり覚/すべりセ
ンサ
ロボットと物体の接触面内での相対的な動きを検出
する感覚。/すべり覚を実現するためのセンサ。
slip sense/slip sensor
240800 力覚/力覚センサ
ロボットの動作に関する力の感覚。/力覚を実現する
ためのセンサ。
備考1. この力は,並進3軸方向の力成分と,回
転3軸回りのモーメント成分の6成分に
分けられる。
2. 力トルクセンサ,6軸力センサともいう。
force sense/force sensor
240801 力センサ
ロボットの3軸方向の力成分を検出するセンサ。
force sensor
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B 0185 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
240802 トルクセンサ
ロボットの3軸回りのモーメント成分を検出するセ
ンサ。
torque sensor
240900 近接覚/近接センサ
ロボット及び物体がある範囲内に接近した状態で,両
者の相対関係を検出する感覚。/近接覚を実現するた
めのセンサ。
proximity sense/proximity
sensor
241000 味覚/味センサ
味を検出する感覚。/液体の成分を分析するセンサ
で,味を検出するもの。
sense of taste/taste sensor
241100 嗅覚/においセンサ
匂いを検出する感覚。/気体の成分を分析するセンサ
で,匂いを検出するもの。
sense of smell/smell sensor
6) オペレーション
番号
用語
定義
対応英語(参考)
250100 ヒューマンインタフ
ェース
人間と機械が情報交換するための接合部。指令センサ
部と情報提示部に分けられる。
human interface
250101 ヒューマンマシンイ
ンタフェース
人間と機械が情報交換するための接合部。
human-machine interface
250200 バーチャルリアリテ
ィ
現実感を伴った仮想的な世界をコンピュータで作り
出す技術。仮想現実。
vertual reality
250201 センサグローブ
手や指の動きを検出するための各種のセンサを搭載
した装具。
sensor glove
250202 ヘッドマウントディ
スプレイ
オペレータの頭部に装着して立体画像を提示すると
ともに,頭部の動きを検出することのできる装置。
head mount display/HMD
250203 触覚ディスプレイ
マトリックス触覚の情報を多数の発光素子の光やモ
ニタ画像,振動ピンの配列などに変えて提示する装
置。
tactile display
250204 ハプティクインタフ
ェース
触覚機能を利用したインタフェース。
haptic interface
250205 テレイグジスタンス
ロボットを遠隔操作する際,ロボットの視覚や触覚で
得られた実際の作業環境や作業対象物に関する情報
を,操作者自身の感覚を通して,あたかもその作業環
境にいて作業を実行しているように適切に提示する
こと。
tele-existance
250206 テレプレゼンス
テレイグジスタンスと同義。
備考 宇宙のように通信の時間遅れを無視でき
ない遠隔地を主に想定している。
tele-presence
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B 0185 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
知能ロボットJIS原案作成専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
松 島 皓 三
筑波大学
(委員)
長谷川 健 介
東京工業大学
柿 倉 正 義
東京電機大学
増 田 良 介
東海大学
長谷川 勉
九州大学
坂 根 茂 幸
中央大学
佐々木 伸 彦
経済産業省
八 田 勲
経済産業省
橋 本 進
財団法人日本規格協会
高 島 覺
財団法人機械振興協会
黒 澤 豊 樹
黒澤R&D技術事務所
稲 垣 荘 司
技術士事務所“ロボティ”
榊 原 伸 介
ファナック株式会社
佐 野 正 俊
川崎重工業株式会社
山 本 直 樹
株式会社神戸製鋼所
橋 本 秀 一
株式会社デンソー