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B 0185 : 2002  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ロボット工業会 (JARA) /財

団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

B 0185 : 2002  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 用語の分類 ····················································································································· 1 

3. 用語及び定義 ·················································································································· 1 

索引 ································································································································· 12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 0185 : 2002 

知能ロボット−用語 

Intelligent robots−Vocabulary 

1. 適用範囲 この規格は知能ロボットに関して用いる主な用語及び定義について規定する。 

備考 知能ロボットとは,人や動物がもつ論理的推論,学習,認識・理解などの知的機能の全部,又

は一部を備えているロボットである。 

2. 用語の分類 知能ロボットに関して用いる用語の分類は,次による。 

a) コントロールパス関連用語 

1) モデル 

2) 空間 

3) 作業レベル計画 

4) 動作レベル計画 

5) 運動学 

6) 軌道レベル計画 

7) サーボイング 

8) 学習 

9) ロボットシステム 

10) ロボット作業 

b) センシングパス関連用語 

1) センシングパス 

2) 理解レベルセンシング 

3) 認識レベルセンシング 

4) 知覚レベルセンシング 

5) 感覚レベルセンシング 

6) オペレーション 

3. 用語及び定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。また,すべての用語について参考として

対応英語を示す。 

a) コントロールパス関連用語 

1) モデル 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

100100 タスクモデル 

遂行すべき作業のモデル。 

task model 

100200 機能モデル 

物体の役割,用途などを記述したモデル。 

functional model 

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B 0185 : 2002  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

100300 幾何モデル 

物体のユークリッド幾何学的情報を表現したモデル。 geometric model 

100301 ワイヤフレームモデ

ル 

物体を稜線に対応する線分(曲線を含む)だけで表現
した幾何学モデル。 

wire-frame model 

100302 表面モデル, 

サーフェイスモデル 

物体を表面の形状を表す方程式によって表現した幾
何学モデル。 

surface model 

100303 ソリッドモデル 

物体を,その内部も含め,実体に忠実に表現した幾何
学モデル。 

備考 B-rep,CSG,オクツリーなどの表現方法が

ある。 

solid model 

100400 物理モデル 

物体表面の光学的反射特性,力学的反発特性,粘弾性
など,幾何モデルでは表現できない物理的属性を表現
したモデル。 

physical model 

100401 動力学モデル 

物体,機構などの運動方程式を導出するために必要な
幾何学的情報及び質量,慣性モーメント,摩擦係数な
どの力学的情報を採り入れたモデル。 

dynamic model 

100402 摩擦円すい(錐) 

二つの物体が点接触するとき,摩擦力を含む接触力ベ
クトルの存在しうる空間を,接触点を頂点とする円す
いで表したもの。 

friction cone 

2) 空間 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

110100 状態空間 

状態変数が張る空間。 

state space 

110200 探索空間 

探索を行う状態空間。 

search space 

110300 関節空間 

能動関節ベクトル(関節変数の組)が張る空間。 

joint space 

110400 作業領域 

手首基準点によって掃引される領域と,そこにおける
手首の各ジョイントの可動範囲とを合わせた領域。 

work space 

3) 作業レベル計画 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

120100 作業計画, 

タスクプラニング 

与えられた環境のもとで,作業内容,作業手順などを
計画すること。 

task planning 

120101 前向き推論 

初期状態からオペレータを繰り返し適用して,目標状
態に至る状態遷移系列を得る手法。 

forward reasoning 

120102 後ろ向き推論 

目標状態からオペレータを繰り返し適用して,初期状
態に至る状態遷移系列を得る手法。 

backward reasoning 

120103 AND-ORグラフ 

分割可能な問題について,そのすべてが解決するまで
の途中段階での状況と選択肢の関係をAND又はOR
の論理演算を用いて明示的に表現したグラフ。 

and-or graph 

120200 モデルベースト計画 

作業環境モデルに基づいて作業計画を行うこと。 

model-based planning 

120201 幾何拘束 

位置姿勢,占有空間などの幾何学的属性に関する拘
束。 

geometric constraint 

120202 幾何推論 

期待する状況を実現するために行うべき行動の手順
を,幾何拘束を満たすように作成すること。 

geometric reasoning 

120300 ルールベースト計画 

状況・行動の対のようなルール形式で表された知識に
基づいて作業計画を行うこと。 

rule-based planning 

120301 プロダクションルー

ル 

ある状況が成立するときに所定の行動を実行するよ
うに記述した規則。 

production rule 

120302 ワーキングメモリ 

プロダクションルールを適用するために現在の状況
を格納する作業用メモリで,短期記憶に相当する。 

working memory 

120303 メタルール 

プロダクションルールに対して,それらの選択や適用
の条件を記述する上位レベルの規則。 

meta rule 

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B 0185 : 2002  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

120304 ファジィルール 

ファジィ集合の概念に基づいて状況・行動の対を記述
した規則。 

fuzzy rule 

120400 組立作業計画 

マニピュレータの条件や部品組付けの優先関係など
をもとに,組立作業の手順を計画すること。 

assembly task planning 

120500 把握計画 

対象物体の形状,特性及び周囲の障害物の配置に応じ
て,エンドエフェクタの機能を考慮した適切な把握の
仕方を計画すること。 

grasp planning 

4) 動作レベル計画 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

130100 占有空間 

ロボットシステムがその運動空間(ユークリッド空
間)又はパラメータ空間で,ある瞬間占めている領域。 

occupied space 

130200 自由空間 

環境を含まないロボット単体のもっている自由度が
保証されている領域。 

free space 

130300 コンフィギュレーシ

ョン空間 

ロボットのコンフィギュレーションを一意に決定す
るパラメータが張る空間。 

configuration space 

130400 掃引空間 

一定の規準に従って物体を動かしたときの連続軌跡
の集合。 

swept volume 

130500 拘束空間 

ロボット単体のもっている自由度が環境に起因して
減少している領域。 

constraint space 

130501 ホロノミック拘束 

力学的拘束条件が変数の微小変化に対する積分可能
な関係式で表される拘束。 

holonomic constraint 

130502 非ホロノミック拘束 

力学的拘束条件が変数の微小変化に対する積分不可
能な関係式で表される拘束。 

non-holonomic constraint 

130503 ポテンシャル法 

障害物からの距離に応じたポテンシャル場を仮想的
に構成し,その情報に基づいて障害物を回避する経路
を探索する手法。 

potential field method 

130600 大局動作計画 

ロボットのコンフィギュレーションが明りょうに変
化する程度の大きな動作(大域動作)を計画すること。 

gross motion planning 

130700 局所動作計画 

ロボットの局所的な動作を計画すること。 

fine motion planning 

130800 経路最適化 

ロボットの経路を一定の評価基準のもとで最適化す
ること。 

path optimization 

130900 協調作業 

複数のロボット機能又は複数のロボットシステムが
互いに協調し合って,全体として効率的に実行する作
業。 

cooperation/cooperative 

working 

131000 協調動作計画 

複数台のロボットによって遂行される協調動作を計
画すること。 

coordinated motion planning 

131100 スキル 

作業から抽出した基本動作のうちで,様々な状況下で
種々の作業要素として用いることのできる汎用性,適
応性,頑健性をもつ動作。 

skill 

131200 動作レベル言語 

ロボットの単位動作レベルに対応するプログラミン
グ言語。 

motion level language 

131300 作業教示 

ロボットに実行させる作業内容を教示すること。 

task teaching 

5) 運動学 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

140100 順運動学 

直列形マニピュレータの各ジョイントの変位から,メ
カニカルインタフェースのポーズを決める数学的手
法。 

forward kinematics  

140200 逆運動学 

メカニカルインタフェースのポーズから,各ジョイン
トの変位を求める数学的手法。 

inverse kinematics  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

140300 特異点 

マニピュレータの機構学的な制約によって,ある特定
の方向の自由度の機能が失われるポーズ。 

singularity  

140400 DHモデル 

リンクの長さ,ジョイント軸間のねじれ角,リンク間
距離,リンク間角度の4個のパラメータを用いる
Denavit-Hartenberg記法による機械構造の幾何学モデ
ル。 

Denavit-Hartenberg model  

140500 経由点 

経路点から作業点を除いた点。 

via point  

140600 経路点 

指令経路上の特にポーズ精度を必要とする点。 

path point  

140700 経路生成 

ロボットの移動すべき経路を生成すること。 

path generation  

140800 可操作度 

マニピュレータが操作方向に関して均等な速度を発
揮できる程度を表すための指標。 

manipulability measure  

6) 軌道レベル計画 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

150100 軌道計画 

ロボットの作業及び環境に適合した軌道を計画する
こと。 

trajectory planning  

150200 軌道生成 

軌道計画に従い具体的に指令軌道を生成すること。 

trajectory generation  

150300 障害物回避 

外界センサで障害物を検出し,一定の評価規準の下で
障害物との干渉(接近,接触,衝突など)を回避する
こと。 

obstacle avoidance  

150400 衝突回避 

外界センサで障害物を検出し,運動量の授受を伴う衝
突を回避すること。 

collision avoidance  

150500 誘導 

外部からの情報を用いて移動させること。 

guidance  

7) サーボイング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

160100 サーボ機構 

位置,力などの力学量を制御量として行う追値制御
系。サーボ系,又はサーボともいう。 

servo mechanism  

160101 サーボ誤差 

サーボ機構の制御量の誤差。 

servo error  

160102 サーボ速度 

サーボ機構の実現速度。 

servo rate  

160200 位置サーボ機構 

位置を制御量として行う追値制御。 

position servo  

160300 力サーボ機構 

力を制御量として行う追値制御。 

force servo  

160400 バイラテラルサーボ

機構 

入力側の運動を出力側に伝達するだけでなく,出力側
に作用する運動の影響を入力側に伝達するサーボ。 

bilateral servo  

160500 センサベースト制御 

センサを用いてロボットを制御すること。センサ制御
ともいう。 

sensor-based control  

160600 誘導制御 

外部からの情報を用いてロボットの軌道を制御する
こと。 

guidance control  

160700 ハイブリッド制御 

作業座標系において,位置の制御方向と力の制御方向
を独立に設定する制御方式。 

hybrid control  

160800 インピーダンス 

物体の力学的な特性を,慣性項,粘性項及び弾性項に
よって表したもの。 

impedance  

160900 インピーダンス制御 

マニピュレータのメカニカルインピーダンスを作業
目的に合わせて所定の値に制御すること。 

備考 操作量は関節力の場合が多い。 

impedance control  

161000 剛性 

弾性体に力が作用し,変位が生じた場合の力に対する
変位の比。 

stiffness  

161100 コンプライアンス 

剛性の逆数。ただし,粘性を含む場合がある。 

compliance  

161200 コンプライアンス制

御 

マニピュレータのコンプライアンスを作業目的に合
わせて所定の値に制御すること。 

備考 操作量は関節速度の場合が多い。 

compliance control  

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B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

161300 RCC装置 

ロボットに,エンドエフェクタを結合するために用い
るリモートセンタ形のコンプライアンスをもつ装置。 

Remote Center Compliance 

device  

161400 受動的コンプライア

ンス 

外部からエネルギーを供給するアクチュエータを用
いずに,受動的機構によって実現されるコンプライア
ンス。 

passive compliance  

161500 触覚フィードバック

制御 

触覚情報をフィードバックしてロボットの動きを制
御すること。 

tactile feedback control  

161600 視覚フィードバック

制御 

視覚情報をフィードバックしてロボットの動きを制
御すること。 

visual feedback control  

161700 自律分散制御 

分散して存在する自律システムが連携して,全体とし
て一つの作業を実行する制御方式。 

distributed autonomous control 

8) 学習 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

170100 経路学習 

出発位置から移動目標位置までの移動経路を学習す
ること。 

path learning  

170200 軌道学習 

出発位置から移動目標位置までの軌道を学習するこ
と。 

trajectory learning  

170300 作業学習 

作業の副目標,遂行手順,それに含まれる作業動作な
どに関する情報を学習すること。 

task learning  

170400 学習制御 

過去の時点で得られた制御過程をもとに,制御パラメ
ータ,及び/又はアルゴリズムを,逐次所要の条件を
満たすように修正していく制御。 

learning control  

170500 ニューラルネットワ

ーク 

生体の神経の情報処理過程をモデル化し,自己組織
化・学習・記憶などを行う人工神経回路網。 

neural network  

170600 遺伝的アルゴリズム 

遺伝,とうた(淘汰),突然変異などの生物の進化の
メカニズムを参考にした,適応,最適化のための計算
手法。 

genetic algorithm  

9) ロボットシステム 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

180100 ビヘービアベースト

ロボット 

ロボット作業を,認識・モデル化・計画の各機能に分
解して実現する構成法とは対照的に,基本的な行動の
相互作用に分解するアーキテクチャに基づいて構成
されたロボット。 

behavior-based robot  

180200 サブサンプション・ア

ーキテクチャ 

上位の基本行動が下位の基本行動を抑制するように
構成した知能ロボットアーキテクチャ。 

subsumption architecture  

180300 自律分散ロボットシ

ステム 

各ロボットが集中的に制御されるのではなく,各々が
分散した制御で働くような複数台ロボットシステム。 

distributed autonomous robot 

system  

180400 自己組織化ロボット 

複数のロボットが一つの目的のために自らの判断に
よって他のロボットと結合するなどの組織化を実行
する複数台ロボットシステム。 

self organizing robot  

180500 マルチエージェント

ロボットシステム 

ロボットそれ自身,又は,ロボット内部の機能をそれ
ぞれ自律して働くエージェントとみなして構成した
複数台ロボットシステム。 

multi-agent robot system 

180600 テレオペレータ 

人間によって遠隔制御される,移動やマニピュレーシ
ョンのためのセンサとアクチュエータを備えたデバ
イス。人間のセンサ,アクチュエータ機能を遠隔の極
限環境まで展開させる目的で用いる。 

teleoperator 

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B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

180700 マスタスレーブマニ

ピュレータ 

主動側のマスタ及び従動側のスレーブをもつテレオ
ペレータ。 

備考1. マスタは人間によって操作され,スレー

ブはその運動を模倣する。 

2. 力や位置の相似拡大・縮小を伴う場合も

ある。 

master slave manipulator 

10) ロボット作業 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

190100 ビンピッキング 

ランダムに積み重ねられた複数物体の中から物体を
順次把持して,指定の場所に運ぶこと。 

bin picking 

190200 ペグ・イン・ホール作

業 

穴の中に棒を挿入する作業。 

peg-in-hole task 

b) センシングパス関連用語 

1) センシングパス 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

200100 ロボットセンサ 

ロボットの内界及び外界の感覚情報を取得するため
の変換器。 

robot sensor 

200101 内界計測センサ 

ロボットの内部の状態を検出するためのセンサ。 

internal measurement sensor 

200102 外界計測センサ 

対象物や障害物など,ロボットの外界の状態を検出す
るためのセンサ。 

external measurement sensor 

200200 センシング 

センサによる物理量の信号変換とその情報処理をあ
わせて,ロボットの制御に必要な情報を抽出するこ
と。 

sensing 

200300 センサ計画, 

センサプラニング 

目的に応じてセンサによって情報を収集するために,
最適なセンサの使用法や配置などを計画すること。 

sensor planning 

200400 センサネットワーク 

複数のセンサの制御信号や出力信号をネットワーク
形式で接続したもの。 

sensor network 

200500 マルチセンサシステ

ム 

複数のセンサを用い,それらを並列的又は相補的に組
み合わせて,必要とする情報を取得するシステム。 

multi-sensor system 

2) 理解レベルセンシング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

210100 環境理解 

作業環境を理解すること。 

environment understanding 

210101 ワールドモデル 

ロボットと環境を含めた全体を表したモデル。 

world model 

210102 センサモデル 

センサの機能,特性を表したモデル。 

sensor model 

210103 物体モデル 

対象物体に関する性質を表したモデル。 

object model 

210104 フレーム 

階層性をもった知識の記述形式。ロボットの座標系。 frame 

210105 知識ベース 

推論や問題解決に有効に利用できるように組織化さ
れた知識の集まり。 

knowledge base 

210106 データベース 

多目的でかつ柔軟な検索を許すように管理されたデ
ータの集合。 

data base 

210200 作業理解 

実行すべき作業の内容,手順を理解すること。 

task understanding  

210201 オブジェクト指向プ

ログラミング 

対象物体の状態や変化を中心にして表現したプログ
ラム。 

object oriented programming  

210202 プロダクションシス

テム 

すでに知られている事実と,行動や論理の規則の集合
から推論を行うシステム。 

production system  

210203 エキスパートシステ

ム 

専門家の知識ベースから推論を行うことによって,特
定の分野又は応用領域の問題を専門的に解決するシ
ステム。 

expert system  

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B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

210300 物体理解 

対象物体の形状,特性,状態などを理解すること。  object understanding  

210400 言語理解 

与えられた言語を理解すること。 

language understanding  

3) 認識レベルセンシング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

220100 パターン認識 

図形やその他のデータ構造を集合やカテゴリーの集
まりに記述・分類すること。 

pattern recognition  

220101 画像認識 

視覚画像の中の物体が何であるかを認識すること。  image recognition  

220102 物体認識 

対象物体の属性を明暗情報,距離情報などを用いて認
識すること。 

object recognition  

220200 センサフュージョン 

記憶や運動系の情報を含めて多種類のセンサ情報を
用いて,単一の感覚だけの情報に比べて多義的な情報
を提供する処理機構。 

sensor fusion  

220201 センサ融合 

複数のセンサからの情報を融合することによって,新
たな情報を得る処理。 

sensor fusion/ 
sensor data fusion  

220202 センサ統合 

複数のセンサからの情報を統合することによって,相
乗作用を得る処理。 

sensor integration  

220300 環境認識 

環境状況を光学的手段や音響的手段などを用いて認
識すること。 

environment recognition  

220301 環境モデル 

環境の幾何学的形状,物理的属性などをモデル化した
もの。 

environment model  

220302 作業状況認識 

ロボットの作業がどのように行われているか,作業の
段階や対象物体とロボットの関係などを認識するこ
と。 

recognition of task condition  

220400 認識処理 

パターン認識を行うための処理。 

processing for recognition  

220401 前処理 

センサから得られた信号を処理装置に送る前に行う,
信号増幅,インピーダンス変換,フィルタリング,ノ
イズ除去などの基本的な処理。 

pre-processing  

220402 濃度ヒストグラム 

明暗画像における各明るさの出現割合を表したもの。 intensity histogram  

220403 2値化 

アナログ信号をしきい値を用いて1か0の2値信号に
変換すること。 

binarization  

220404 画像符号化 

画像情報を符号化してデータを圧縮すること。 

image coding  

220405 雑音除去 

センサ信号に混入している雑音成分を取り除くこと。 noise reduction  

220406 しきい値 

入力信号がある値以下のとき出力に影響を与えず,一
定値を超えたときだけ出力に影響を与えるときのそ
の値。 

threshold  

220407 フィルタ 

入力された信号から目的の信号成分を得るための,装
置又はアルゴリズム。 

filter  

220408 画素 

処理の都合上,又は撮像装置に使用する素子の都合な
どによって,画面を構成する単位として分解されてい
る最小の要素。 

備考 ピクセルともいう。 

pixel 

220409 エッジ抽出 

画像の変化部分を強調することによって物体の輪郭
線を抽出すること。 

edge detection  

220410 ディジタルフィルタ 

ディジタル記憶素子や演算素子を用いて構成したフ
ィルタ。 

digital filter  

220411 空間フィルタ 

格子やスリット列などの特別な構造パターンを通し
て特定の空間周波数成分を抽出するための透過パタ
ーン。 

spatial filter  

background image

B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

220412 微分オペレータ 

画像処理において,空間微分を行うために画素の周辺
に適用するテンプレート。 

differential operator  

220413 パターン分類 

パターン認識のために,入力パターンを類似パターン
に分類分けすること。 

pattern classification  

220414 パターンマッチング 

二つのパターンを比較し,両者が同類であるかどうか
を調べ,判別すること。 

pattern matching  

220415 テンプレートマッチ

ング 

テンプレートを用いて行われるパターンマッチング。 template matching  

220416 特徴抽出 

画像データから計測対象の固有の幾何学的性質を表
す特徴値を取り出すこと。 

feature extraction  

220500 音声認識 

発声された音声を情報として認識すること。 

speech recognition  

220600 音声合成 

音声を人工的に発声すること。 

speech synthesis perception 

level sensing  

4) 知覚レベルセンシング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

230100 能動センシング 

探索的動作又は,行動と認識の並列動作に基づいてセ
ンシングすること。 

active sensing  

230200 非接触センシング 

対象物体に接触することなく,その状況や相対関係を
検出すること。 

noncontact sensing  

230300 能動ビジョン 

画像入力装置の位置や状態を,目的に応じて変化させ
ながら複数の画像を取得することのできる視覚シス
テム。 

active vision  

230301 ハンドアイシステム 

ロボットアームに視覚センサを搭載し,アームの動き
によって必要な画像情報をアクティブに取り込むこ
とができるようにしたシステム。 

hand eye system  

230302 トラッキングビジョ

ン 

画像上の特定の点の移動をリアルタイムで追跡する
装置。 

tracking vision  

230303 注視点制御 

視野内で注目すべき場所を,対象物体の状況,作業内
容,視野を遮る障害物体などの状況に応じて変化させ
ること。 

view point control  

230400 三次元センシング 

環境や対象物体の三次元情報をセンサと情報処理に
よって抽出すること。 

three dimensional sensing  

230401 スポットセンシング 

光の点を照射してその画像から三次元情報を抽出す
る方法。 

spot sensing  

230402 スリットセンシング 

直線状の光を照射してその画像から三次元情報を抽
出する方法。 

slit sensing  

230403 ストラクチュアドラ

イト 

物体認識などを行うために,光源から発する光に固有
の特性(パターン)を付加すること。 

structured light  

230404 オプティカルフロー 

物体又はセンサの三次元的運動における,各点の移動
ベクトルの分布。 

optical flow  

230405 GPS 

多数の周回する人工衛星を用いた測位システム。 

grobal positioning system  

230406 三角測量 

計測装置上の2点と対象物体上にある1点から,対象
物体との距離を計測する方法。 

triangulation  

230407 ランドマーク 

移動ロボットが現在の位置・方向を決定するために用
いる外部環境の人工物又は自然物。 

land mark  

230500 ステレオビジョン 

視点の異なるイメージセンサから得られた画像を処
理して,三次元情報を得ることのできるビジョンシス
テム。 

stereo vision  

230600 3Dビジョン 

平面の濃淡情報に加えて距離情報も含む視覚 

3D vision  

background image

B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

230700 デッドレコニング 

天体,地上設備など外部からの情報を用いないで,ジ
ャイロ,走行距離計,速度計などだけから移動体の位
置と方向を求める方法。 

備考 推測航法ともいう。 

dead rekoning  

230800 接触形センシング 

対象物体に触れながらその状況や特性を検出するこ
と。 

contact sensing  

230900 触覚イメージセンシ

ング 

平面状の分布触覚センサ素子を用いて,接触圧力の大
きさとその分布を検出し,画像として表現すること。 

tactile image sensing  

5) 感覚レベルセンシング 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

240100 非接触形センサ 

対象物に接触することなく,その位置,姿勢,属性な
ど,相対関係を検出するセンサ。 

non-contact sensor  

240200 接触形センサ 

対象物に触れることによってその位置,姿勢,属性な
どを検出するセンサ。 

contact sensor  

240300 視覚/視覚センサ 

光学的情報に関する感覚。/視覚を実現するためのセ
ンサ。 

vision sense,  
visual sense/ 
vision sensor,  
visual sensor  

240301 画像センサ, 

イメージセンサ 

一次元又は二次元の光学像信号を得るためのセンサ
の総称。 

image sensor  

240302 エリアセンサ 

二次元の光情報を検出できるセンサ。 

area sensor  

240303 ラインセンサ 

直線状の光情報を検出するセンサ。 

line sensor  

240400 距離センサ, 

レンジファインダ 

物体表面上の一点又はある領域に対して,センサ位置
からの距離を検出するセンサ。 

distance sensor,  
range finder  

240500 超音波センサ 

対象に対して超音波を送波し,対象からの反射や遮断
などの応答によって,対象の存在,距離又は形状の識
別を行うセンサ。 

ultra-sonic sensor  

240600 聴覚/聴覚センサ 

空気中や水中を伝搬する音波に関する感覚。/聴覚を
実現するためのセンサ。 

備考 音声認識の感覚と音響計測の感覚とに分

けられる。 

acoustic sense,  
hearing sense/ 
acoustic sensor,  
hearing sensor  

240700 触覚/触覚センサ 

ロボットと物体の接触に関する感覚。/触覚を実現す
るためのセンサ。 

tactile sense/ tactile sensor  

240701 分布形触覚/分布形

触覚センサ 

検出点が多数分布配置されている触覚。/分布形触覚
を実現するためのセンサ。 

distributed tactile sense/  
distributed tactile sensor  

240702 接触覚/タッチセン

サ 

ロボットと物体の接触の有無を検出する触覚。/接触
覚を実現するためのセンサ。 

touch sense/ 
touch sensor  

240703 圧覚/圧覚センサ 

ロボットと物体の接触面で,その法線方向の力を検出
する感覚。/圧覚を実現するためのセンサ。 

contact force sense/ 
contact force sensor  

240704 すべり覚/すべりセ

ンサ 

ロボットと物体の接触面内での相対的な動きを検出
する感覚。/すべり覚を実現するためのセンサ。 

slip sense/slip sensor  

240800 力覚/力覚センサ 

ロボットの動作に関する力の感覚。/力覚を実現する
ためのセンサ。 

備考1. この力は,並進3軸方向の力成分と,回

転3軸回りのモーメント成分の6成分に
分けられる。 

2. 力トルクセンサ,6軸力センサともいう。 

force sense/force sensor  

240801 力センサ 

ロボットの3軸方向の力成分を検出するセンサ。 

force sensor  

background image

10 

B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

240802 トルクセンサ 

ロボットの3軸回りのモーメント成分を検出するセ
ンサ。 

torque sensor  

240900 近接覚/近接センサ 

ロボット及び物体がある範囲内に接近した状態で,両
者の相対関係を検出する感覚。/近接覚を実現するた
めのセンサ。 

proximity sense/proximity 

sensor  

241000 味覚/味センサ 

味を検出する感覚。/液体の成分を分析するセンサ
で,味を検出するもの。 

sense of taste/taste sensor  

241100 嗅覚/においセンサ 

匂いを検出する感覚。/気体の成分を分析するセンサ
で,匂いを検出するもの。 

sense of smell/smell sensor  

6) オペレーション 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

250100 ヒューマンインタフ

ェース 

人間と機械が情報交換するための接合部。指令センサ
部と情報提示部に分けられる。 

human interface  

250101 ヒューマンマシンイ

ンタフェース 

人間と機械が情報交換するための接合部。 

human-machine interface  

250200 バーチャルリアリテ

ィ 

現実感を伴った仮想的な世界をコンピュータで作り
出す技術。仮想現実。 

vertual reality  

250201 センサグローブ 

手や指の動きを検出するための各種のセンサを搭載
した装具。 

sensor glove  

250202 ヘッドマウントディ

スプレイ 

オペレータの頭部に装着して立体画像を提示すると
ともに,頭部の動きを検出することのできる装置。 

head mount display/HMD  

250203 触覚ディスプレイ 

マトリックス触覚の情報を多数の発光素子の光やモ
ニタ画像,振動ピンの配列などに変えて提示する装
置。 

tactile display  

250204 ハプティクインタフ

ェース 

触覚機能を利用したインタフェース。 

haptic interface  

250205 テレイグジスタンス 

ロボットを遠隔操作する際,ロボットの視覚や触覚で
得られた実際の作業環境や作業対象物に関する情報
を,操作者自身の感覚を通して,あたかもその作業環
境にいて作業を実行しているように適切に提示する
こと。 

tele-existance  

250206 テレプレゼンス 

テレイグジスタンスと同義。 

備考 宇宙のように通信の時間遅れを無視でき

ない遠隔地を主に想定している。 

tele-presence  

11 

B 0185 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

知能ロボットJIS原案作成専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

松 島 皓 三 

筑波大学 

(委員) 

長谷川 健 介 

東京工業大学 

柿 倉 正 義 

東京電機大学 

増 田 良 介 

東海大学 

長谷川   勉 

九州大学 

坂 根 茂 幸 

中央大学 

佐々木 伸 彦 

経済産業省 

八 田   勲 

経済産業省 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

高 島   覺 

財団法人機械振興協会 

黒 澤 豊 樹 

黒澤R&D技術事務所 

稲 垣 荘 司 

技術士事務所“ロボティ” 

榊 原 伸 介 

ファナック株式会社 

佐 野 正 俊 

川崎重工業株式会社 

山 本 直 樹 

株式会社神戸製鋼所 

橋 本 秀 一 

株式会社デンソー