B 0130:2019
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語の分類 ······················································································································ 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
B 0130:2019
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
火力原子力発電技術協会(TENPES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて
日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本産業規格である。これによって,JIS B 0130:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
日本産業規格 JIS
B 0130:2019
火力発電用語−一般
Glossary of terms for thermal power plants-General
1
適用範囲
この規格は,火力発電で用いられる全体,環境,運用,保守など一般に関する主な用語,及びその定義
について規定する。
2
用語の分類
用語の分類は,次による。
a) 全体
1) 発電所の種類及び形式
2) 熱サイクル
b) 環境
1) 大気
2) 水質
3) 騒音・振動
4) その他
c) 運用
1) 計画・運用
2) 運転
3) 試運転及び試験
d) 保守
1) 保守一般
2) 検査
3) 溶接
4) 保温・保冷
e) 建設
1) 立地調査
2) 工程
3) 据付け
f)
土木・建築
1) 建物
2) 基礎
3) 港湾設備
2
B 0130:2019
g) 諸設備
1) クレーン及び空気圧縮機
2) 非常用電源設備及び所内通信設備
3) 防災設備
4) 騒音・振動防止設備
5) 排水処理設備
6) 所内冷却水設備
7) 用水設備
8) 冷却水取水・放水設備
h) その他
1) 測定試験装置
2) 分析
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。また,参考として慣用語及び対応英語を示す。
注記1 用語及び対応英語の一部に丸括弧( )を付けてあるものは,紛らわしくない場合には,丸
括弧内を省略してもよい。
注記2 用語の下の丸括弧( )内の仮名書きは,読み方を示す。
注記3 一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合は,記載されている順位に従って優先的
に使用する。
a) 全体
1) 発電所の種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1101
発電所
ある種のエネルギーを電気エネルギーに変換するプ
ラント。
注記 プラントとは,産業界における,ある工場又は
事業所の土地・建物・設備の全体をいう。
(electric) power
plant
1102
火力発電所
石炭,石油,天然ガス,副生ガス,副生留分,黒液,
CWM,残さ油,石油コークス,バイオマスなどがも
つ熱エネルギーを利用して発電する発電所。
注記1 微粉炭と水とを混合し,流体化したものを
CWM(coal water mixture)という。
注記2 隣接する工場からの蒸気(副生蒸気という。)
を直接利用して発電する発電所も含む。
thermal power plant
1103
汽力発電所
蒸気タービンで発電する発電所。
steam power plant
1104
ガスタービン発
電所
ガスタービンで発電する発電所。
gas turbine power
plant
1105
内燃力発電所
内燃機関で発電する発電所。
internal combustion
engine power
plant
1106
地熱発電所
地下から噴出する蒸気,熱水又はそれらの混合体で発
電する発電所。
geothermal power
plant
3
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1107
副生ガス利用発
電所
製鉄所の高炉ガス,コークス炉ガス,製油所の分解ガ
スなどの工場から副次的に発生するガスを燃料とし
て発電する発電所。
excessive gas
recovery power
plant,
surplus gas recovery
power plant
1108
コークス乾式消
火発電所
製鉄所のコークス乾式消火の熱を利用して発電する
発電所。
coke dry quenching
power plant
1109
廃棄物発電所
製糖工場のバガス,パルプ工場のバーク,廃タイヤ,
RDF,RPFなどの廃物を燃料として発電する発電所。
注記1 RDF(refuse derived fuel)とは,可燃性廃棄物
を原料として,圧縮成形,押出成形などによ
って固形化した燃料(廃棄物固形化燃料)を
いう。
注記2 RPF(refuse derived paper and plastics densified
fuel)とは,廃棄物由来の紙,プラスチックな
どを固形化した燃料をいう。
waste product
recovery power
plant
1110
バイオマス発電
所
木くず(屑),動物性残さ,畜産系廃棄物,下水汚泥
などの動植物に由来する有機物から得られるバイオ
マスエネルギーを利用して発電する発電所。
biomass power plant
1111
廃熱利用発電所
ボイラ以外の炉の排ガスの熱を利用して発電する発
電所。
waste heat recovery
power plant
1112
ごみ焼却発電所
ごみを燃料として発電する発電所。
refuse incinerating
power plant
1113
消化ガス発電所
バイオマス発電所の1種類であって,下水処理場など
の下水汚泥中に含まれる有機物を密閉タンクの中で
微生物に分解させ,発生するメタンを主成分とする消
化ガスを燃料として発電する発電所。
microorganism
disassimilated gas
power plant
1114
炉頂圧タービン
発電所
高炉の炉頂圧を利用したガスエキスパンダで発電す
る発電所。
blast furnace head
pressure (gas
expander) power
plant
1115
塔頂圧タービン
発電所
化学プラントの反応塔の塔頂圧を利用したガスエキ
スパンダで発電する発電所。
reactor head pressure
(gas expander)
power plant
1116
LNG冷熱発電
所
液化天然ガスがもつ冷熱エネルギーを利用して発電
する発電所。
LNG cryogenic
power plant
1117
太陽熱発電所
太陽熱によって蒸気を発生させ発電する発電所。
solar thermal power
plant
1118
コンバインドサ
イクル発電プ
ラント,
コンバインドサ
イクル発電所
複数の熱サイクルを組み合わせて熱効率の向上を図
る発電プラント(JIS B 8040参照)。
注記 一般的にはガスタービンで発電を行い,ガスタ
ービンの排熱回収によって発生した蒸気を使用
して蒸気タービンでも発電を行う電力供給設
備。
複合サイク
ル発電プラ
ント
combined (cycle)
power plant
1119
加圧流動層燃焼
複合発電所
圧力容器内に収納した流動層燃焼ボイラから発生す
る蒸気で駆動する蒸気タービン発電と,ボイラの排ガ
スを利用するガスタービン発電とを組み合わせたコ
ンバインドサイクル発電プラント。
注記 構成要素の例はJIS B 8040の図B.11を参照。
PFBC
pressurized
fluidized bed
combustion
combined cycle
power plant
4
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1120
石炭ガス化複合
発電所
石炭をガス化し利用して発電するコンバインドサイ
クル発電プラント。
IGCC
integrated coal
gasification
combined cycle
power plant
1121
石炭ガス化燃料
電池複合発電
所
石炭をガス化して利用し,燃料電池,ガスタービン及
び蒸気タービンの3種類の発電を組み合わせたコンバ
インドサイクル発電プラント。
IGFC
integrated coal
gasification fuel
cell combined
cycle power plant
1122
超臨界圧火力発
電所
臨界圧力(22.1 MPa)を超える超臨界圧蒸気で発電す
る火力発電所。
supercritical pressure
steam power plant
1123
超々臨界圧火力
発電所
超臨界圧火力発電所の中で,蒸気圧力及び蒸気温度が
特に高い火力発電所。
注記 一般的には蒸気温度が593 ℃(1 100 °F)以上
のものをいう。
ultra-supercritical
pressure steam
power plant
1124
亜臨界圧火力発
電所
亜臨界圧蒸気,すなわち,蒸気圧力が臨界圧以下であ
って,比較的これに近い圧力の蒸気で発電する火力発
電所。
subcritical pressure
steam power
plant
1125
山元火力発電所
(やまもとかり
ょくはつでん
しょ)
石炭の産地に設置された火力発電所。
mine-mouth power
plant
1126
内陸火力発電所
内陸部に設置された火力発電所。
inland thermal
power plant
1127
臨海火力発電所
海に接して設置された火力発電所。
seaside thermal
power plant
1128
ユニット方式
タービン1台とボイラ1缶とを組み合わせる方式。
unit system
1129
ヘッダ方式
タービン1台に対して複数のボイラを組み合わせる方
式。
注記 タービンが複数の場合もある。
header system
1130
サイドバンカ方
式
石炭燃焼ボイラを用いる場合に,石炭バンカをボイラ
の側面に設ける方式。
side bunker system
1131
フロントバンカ
方式
石炭燃焼ボイラを用いる場合に,石炭バンカをボイラ
の前面に設ける方式。
front bunker system
1132
事業用火力発電
所
電気事業者が設置する火力発電所。
electric utility
thermal power
plant
1133
共同火力発電所
電気事業者と他の企業体とで,又は企業体間で共同で
設置する火力発電所。
joint thermal power
plant
1134
自家用火力発電
所
自家消費を目的として設置する火力発電所。
industry-owned
thermal power
plant
1135
熱併給火力発電
所
(ねつへいきゅ
うかりょくは
つでんしょ)
蒸気タービンで発電を行うとともに抽気又は排気蒸
気で,産業用又は民生用の熱供給を行う火力発電所。
steam supply and
power generating
plant,
district heating
power plant,
combined heat and
power generation
plant
5
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1136
コージェネレー
ション発電所
ガスタービン,ディーゼル機関,ガス機関などを用い
て発電を行うとともに,排ガス及び冷却水の排熱で産
業用又は民生用の熱供給を行う発電所(広義には,熱
併給火力発電所も含む。)。
cogeneration power
plant
1137
局地火力発電所
局地系統に連系して発電所に比較的近い地域に電力
供給を行う火力発電所。
local thermal power
plant
1138
系統火力発電所
主要送電系統に連系して電力供給を行う火力発電所。
system thermal
power plant
1139
バイナリー発電
所
バイナリーサイクルで発電する発電所。
注記 地熱(温泉の熱水含む。),エンジンの排熱など
を用いた発電所がある。
binary cycle power
generation
2) 熱サイクル
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1201
熱(力学)サイ
クル
燃料の燃焼で発生した熱エネルギーによって作動流
体が,始めの状態から,別の状態を経由して変化し,
元の状態に戻る周期的な一連の過程で,持続的に熱エ
ネルギーの一部を機械エネルギーに変換するサイク
ル。
thermo dynamic
cycle,
heat cycle
1202
再生サイクル
1) 汽力発電の場合には,ランキンサイクルの膨張過
程において蒸気の一部をタービンから抽出し,給
水の予熱に利用することによって,熱効率の向上
を図った熱力学的サイクル。
2) ガスタービン発電の場合には,タービンでの膨張
後に作動流体が保有している熱量(排ガスの熱
量)の一部を再生用熱交換器を通して圧縮機出口
の作動流体に伝え,燃焼器での入熱量を減少させ
熱効率を向上させる熱力学的サイクル。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
regenerative cycle
1203
再熱サイクル
1) 汽力発電の場合には,ランキンサイクルの膨張過
程の中間で蒸気の再加熱を行うことによって,熱
効率の向上及びタービン低圧段落の蒸気湿り度
の低減を図った熱力学的サイクル。
2) ガスタービン発電の場合には,タービンでの膨張
過程において,作動流体を再度加熱し,出力増加
及び排ガス熱量を増加させる熱力学的サイクル。
注記1 汽力発電の場合には,一段再熱,二段再熱な
どがある。
注記2 JIS B 8040を参考に定義した。
reheat cycle
6
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1204
コンバインドサ
イクル,
複合サイクル
ガスタービンなど内燃機関のサイクルと蒸気サイク
ルとを結合させて,熱効率の向上を図った熱力学的サ
イクル(JIS B 8040参照)。
注記1 1基以上のガスタービンなど内燃機関(トッ
ピングサイクル)と蒸気タービン(ボトミン
グサイクル)とで構成される装置であり,ト
ッピングサイクルで電力又は動力を供給す
る。さらに,プロセスヒートを供給すること
もある。
注記2 慣用的には,ガスタービンと蒸気タービンと
を組み合わせて,共に発電機を駆動する場合
を,狭義にコンバインドサイクルという。
combined cycle
1205
排熱回収サイク
ル
ガスタービンの排気を排熱回収ボイラで熱回収し蒸
気タービンに使用するコンバインドサイクル。
exhaust heat
recovery cycle
1206
バイナリーサイ
クル
加熱源の媒体のサイクルと作動流体の媒体のサイク
ルとの二つの熱サイクルをもち,作動流体の媒体の沸
点より温度が高い加熱源の媒体によって沸点の比較
的低い作動流体の媒体を加熱・蒸発させるサイクル。
注記1 加熱源の媒体には蒸気,熱水などが,作動流
体の媒体には代替フロン,ペンタン,アンモ
ニア・水混合液などがある。
注記2 作動流体の媒体のサイクルにはオーガニック
ランキンサイクルが用いられることが多い。
二流体サイ
クル
binary cycle
1207
オーガニックラ
ンキンサイク
ル
水を使った蒸気タービンのサイクルであるランキン
サイクルに対し,水の代わりに沸点の低い有機媒体を
用いたランキンサイクル。
低沸点媒体
サイクル
organic rankine
cycle
b) 環境
1) 大気
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2101
大気汚染
大気が有害物質など人為的要因によって汚染され,人
の健康,生活環境,動植物などに悪影響が生じる現象
(JIS K 0216参照)。
air pollution
2102
広域汚染
汚染物質による広い地域にわたる汚染。
regional pollution
2103
局地汚染
汚染物質による限られた地域の汚染。
local pollution
2104
ばい煙
燃焼などで発生するばいじん,硫黄酸化物等の総称。
soot and smoke
2105
含じんガス
ばいじんなどの固体粒子を含むガス又は空気(JIS B
0126参照)。
dirty gas
2106
煙道ガス
煙道中を流れている排ガス。
flue gas
2107
ばいじん
燃料の燃焼過程で生じるすす・灰などの,燃焼ガス中
に含まれる固体の粒状物質(JIS B 8040参照)。
particulate matter
2108
硫黄酸化物
燃料中の硫黄が,燃焼反応において生成する硫黄酸化
物の総称(JIS B 0126参照)。
注記 主として,二酸化硫黄(SO2)及び三酸化硫黄
(SO3)である。
SOx
sulfur oxides
2109
アシッドスマッ
ト
重油(又は原油)燃焼ボイラから排出される硫黄分を
含んだすす。
acid smut
7
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2110
すす
燃料の燃焼過程で生成する遊離炭素。
soot
2111
エアロゾル
気体中に比較的安定して浮遊する固体又は液体の微
粒子(JIS K 0216参照)。
注記 ダスト,ミスト及びヒュームを含む。
aerosol
2112
スモッグ
大気汚染によって生じた霧のような状態,又は煙が混
じった霧。
smog
2113
降下ばいじん
大気中のばいじんのうち,比較的粒径が大きく重いた
め浮遊できず落下(降下)するもの,又は降水に取り
込まれて降下するもの。
注記 JIS K 0216の定義を一部変更している。
dust fall
2114
浮遊粒子状物質
大気中に浮遊する粒子状物質(JIS K 0216参照)。
注記 大気汚染防止法では,空気動力学的粒子径が10
μm以下の浮遊粒子状物質として定められてい
る。
SPM
suspended
particulate matter
2115
窒素酸化物
燃焼反応において生成する窒素酸化物(NOx)の総称
(JIS B 0126及びJIS B 8040参照)。
注記 主として,一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素
(NO2)である。
NOx
nitrogen oxides
2116
オキシダント
過酸化物質の総称。
注記 光化学スモッグの場合,オキシダントはオゾン
が主で,ほかにアルデヒド,パーオキシアセチ
ルナイトレート(PAN)などのような刺激性の
有害物質も含まれている。
oxidant
2117
光化学スモッグ
大気中の窒素酸化物,炭化水素化合物などが光化学反
応で光化学オキシダント及びエアロゾルを生成する
現象,又はこれらの物質からできたスモッグ状態(JIS
K 0216参照)。
photochemical smog
2118
環境基準
環境基本法に基づいて,政府が定める環境保全行政上
の目標で,人の健康を保護し,生活環境を保全する上
で維持されることが望ましい基準(JIS K 0216参照)。
environmental
quality standards,
environmental
criteria
2119
排出基準
汚染物質の排出の許容限度を決める基準。
注記 JIS K 0216を参考に定義した。
emission standards
2120 K値規制
硫黄酸化物の規制方式の一種で,煙突から排出できる
硫黄酸化物の量を,煙突の有効高さ及び地域ごとに定
めた補正係数K値によって定めるもの。
注記 K値が低いほど規制は厳しい。
K-value regulation
2121
総量規制
汚染度の高い地域に対して適用されるもので,汚染物
質の地域許容総量を定め,各工場などに割当てを行う
規制方式。
注記 大煙源ほど厳しい規制となる。
total pollutant load
control
2122
環境影響評価
開発行為などが環境に与える影響の予測評価。
環境アセス
メント
environment
assessment
2123
大気拡散
大気中でガスなどが時間とともに広がり,希薄になっ
ていく現象。
atmospheric
diffusion
2124
ばい煙濃度
煙突などから排出されるばい煙の濃度。
注記 大気汚染防止法では,ばいじん又は有害物質の
濃度。
smoke density
8
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2125
ばい煙量
煙突などから排出されるばい煙の量。
注記 大気汚染防止法では,硫黄酸化物又は特定有害
物質の量。
(smoke volume)
2126
大気安定度
大気拡散が,上層と下層との温度差によって影響を受
ける状態の程度。
注記 高度上昇に伴う“気温の減率”が断熱膨張によ
る1 ℃/100 mより大きい場合は不安定となり,
逆に高度上昇とともに気温の上昇する“逆転時”
には安定となる。
stability of
atmosphere
2127
逆転層
大気中で高度が増すほど,気温が高くなっている大気
の層。
inversion layer
2128
接地逆転
地表面に接する層間で気温が上空ほど高くなってい
る状態。
ground inversion
2129
ダウンウォッシ
ュ
風が吹いている場合,煙突の背面で気圧差によって煙
が巻き込まれ,浮力が低下し大気拡散が悪くなる現
象。
down wash
2130
ダウンドラフト
風が吹いている場合,建物・山の背面で気圧差で煙が
引き込まれ,浮力が低下し大気拡散が悪くなる現象。
down draft
2131
サットンの拡散
式
サットンが考案した,煙突から排出されるガスなどの
大気中における拡散を計算するための式。
Suttonʼs equation
2132
煙突の有効高さ
煙突から吐出される煙が,慣性力と浮力とによって上
昇する地上からの高さ。
effective stack
height
2133
視程
大気の混濁の程度を表す尺度。
注記 通常は肉眼で物体の見える水平距離。
visibility
2134
風配図
(ふうはいず)
一定期間の風の風向別分布を示した図。
wind rose
2135
風洞試験
風洞を用いて大気拡散などの状態を調べる模型試験。
wind tunnel test
2136
硫酸ミスト
霧状の硫酸で有害な大気汚染物の一つ。
注記 亜硫酸ガスが大気中の水分で亜硫酸となり,オ
キシダントが存在すると酸化されて硫酸ミスト
となるといわれている。
sulfuric acid mist
2137
酸性雨
二酸化硫黄(SO2),窒素酸化物(NOx)などを起源と
する酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み,通常より
強い酸性を示す現象。
注記 JIS K 0216を参考に定義した。
acid rain
2138
粉じん
物の破砕,選別,その他の機械的処理,又は堆積物の
飛散に伴い発生する粒子状物質。
注記1 ダストともいう。
注記2 JIS K 0216の定義を一部変更している。
dust
2139
オゾン層の破壊
クロロフルオロカーボン(CFC),ハロンなどが大気
中に放出されると成層圏にまで達し,そこで強い紫外
線を浴びて塩素を放出してオゾン層を破壊する現象。
注記1 生態系への悪影響を防ぐため,フロン,ハロ
ンなどの放出を規制している。
注記2 JIS K 0216を参考に定義した。
ozone layer
depletion
2140
地球温暖化
二酸化炭素,メタン,亜酸化窒素などの温室効果ガス
の大気中の濃度が増加し,地表面の温度が上昇する現
象。
注記 JIS K 0216を参考に定義した。
global warming
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2141
温室効果
温室効果ガスを含む大気は,日照によって暖められた
地表からの赤外線の熱放射を吸収し,地球外への放散
を抑え,蓄積するため地表の温度が暖かく保たれる効
果。
注記 JIS K 0216を参考に定義した。
greenhouse effect
2142
温室効果ガス
赤外線を吸収する性質をもち,温室効果をもたらすガ
ス。
注記 二酸化炭素(CO2),メタン(CH4),一酸化二窒
素(N2O),ハイドロフルオロカーボン(HFC),
パーフルオロカーボン(PFC),六ふっ化硫黄
(SF6)及び三ふっ化窒素(NF3)が削減対象と
されている。
GHG
greenhouse gas
2143
排出原単位
単位出力当たりの電気を発電又は使用する際に排出
される炭酸ガス(CO2),窒素酸化物(NOx),硫黄酸
化物(SOx)などの量のこと。
注記1 CO2排出原単位の評価はライフサイクル評価
手法によるものが一般化している。
注記2 発電端排出原単位及び使用端排出原単位とは
分けて呼称される。
emission factor per
electrical unit
2144
ライフサイクル
評価
発電燃料の燃焼に伴う直接的な環境負荷だけでなく,
燃料採掘,輸送,廃棄物処理などの事業に関わる活動
全般に伴う間接的な環境負荷をも含めて,全体的に評
価すること。
注記1 ライフサイクル評価手法は,JIS Q 14040に基
づく環境負荷の分析評価手法の一種。
注記2 JIS K 0216を参考に定義した。
LCA
life cycle
assessment
2145
二酸化炭素分離
回収装置
ボイラ排ガスなどから炭酸ガス(CO2)を分離回収す
る装置。
注記 分離原理の違いから,化学吸収法,物理吸収法,
膜分離法,固体吸着法などの区別がある。
CO2 recovery
equipment
2146
炭酸ガス貯蔵
回収した炭酸ガス(CO2)を隔離貯蔵し,大気中への
再拡散を防ぐこと。
注記1 研究中の貯蔵先として地中(油田,炭層,帯
水層),深海中がある。
注記2 JIS K 0216を参考に定義した。
CO2 storage
2147
ポーラスフィル
タ
乾式脱じんに用いられるセラミック,焼結金属などの
多孔質材フィルタ。
porous filter
2) 水質
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2201
赤潮
ある種のプランクトンが,異常に増殖して,海水が赤
褐色を呈する現象。
red tide
2202
青潮
酸素を含む量の著しく少ない水の塊が水面に浮き上
がり,青白くなる現象。
blue tide
2203
汚水
生活及び/又は事業(耕作の事業を除く。)活動に起
因し又は付随する排水。
waste water
2204
水質汚濁
河川などの自浄作用の限界を超えて汚染物質が流入
することによる,海,河川などの水質汚染。
water pollution
10
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2205
濁度
水の濁りの程度を示す指標(JIS K 0216参照)。
注記1 一般に,濁りは泥土,じんあい,有機物,微
生物などが沈降せずに浮遊及び分散している
ときに生じる。
注記2 カオリン又はホルマジンの懸濁液と水の濁り
とを比較して,度の単位を用いて示す。
turbidity
2206
汚濁負荷量
水質汚濁物質の1日当たりの質量(JIS K 0215参照)。
注記 主として“BOD”(t/d),
“COD”(t/d),
“SS”(t/d)
で表される。
pollution load
2207
温排水
火力発電所の復水器などで熱交換され,温度が上昇し
た冷却水の排出水。
heated effluent
2208
化学的酸素要求
量
水中の有機物を化学的に酸化し,そのとき消費する酸
化剤に相当する酸素の量をmg/Lで示す,水の有機物
による汚濁度の指標(JIS K 0211参照)。
注記1 測定には過マンガン酸カリウム,二クロム酸
カリウムなどを酸化剤として用いる。
注記2 有機物による水質汚濁の尺度の一つ。河川及
び海域の環境基準が定められている。
COD
chemical oxygen
demand
2209
生物化学的酸素
要求量
水中の好気性微生物によって消費される溶存酸素量
(JIS K 0211及びJIS K 0216参照)。
注記 有機物による水質汚濁の尺度の一つ。河川の環
境基準が定められている。
BOD
biochemical oxygen
demand
2210
全酸素要求量
試料水を高温加熱して,試料中の全ての被酸化性物質
が消費する酸素の量(JIS K 0211参照)。
注記 測定が燃焼法で迅速に行えるため,COD,BOD
などに代わって水質汚濁の指標として用いられ
ることがある。
TOD
total oxygen
demand
2211
有機体炭素
水中に存在する有機物中の炭素。
TOC
total organic carbon
2212
懸濁物質
水中に浮遊する又は水の濁りの原因となる物質の総
称。
注記1 浮遊物質ともいう。
注記2 JIS K 0216の定義を一部変更している。
SS
suspended matter,
(suspended solid)
2213
溶存酸素
水中に溶解している分子状の酸素(JIS K 0211及びJIS
K 0216参照)。
DO
dissolved oxygen
2214
スラッジ
金属水酸化物を主体とした汚濁物質で,液体中に沈降
する物質。
注記1 ボイラ水中の不純物がドラム,管寄せなどの
底部に沈殿したものがある。
注記2 JIS B 0126を参考に定義した。
sludge
11
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2215
汚泥
排水処理後に残る泥状のもの(JIS H 0400参照)。
注記1 生物処理法による下水・排水処理の場合,処
理後に残る汚泥(消化汚泥・最終汚泥)のほ
かに,プロセス中のフロック状沈殿物も汚泥
という。有機物の消化をつかさど(司)る微
生物の種類によって,好気性汚泥(活性汚泥)
と嫌気性汚泥とがある。
注記2 下水・廃水中の好気性微生物の急速な増殖に
よって生じるフロック状沈殿物で,大きな汚
泥分解能力をもつものを活性汚泥(activated
sludge)という。
注記3 下水処理場又は活性汚泥処理場から出る有機
汚泥と,鉱山,めっき工場などから出る無機
汚泥とがある。
sludge
2216
酸消費量
水中に含まれるアルカリ性成分の濃度を示す単位。
注記1 酸消費量pH8.3:フェノールフタレイン指示
薬の変色点(pH8.3)まで中和するのに要する
酸の量。主として,強アルカリ性成分の濃度
を示す。
注記2 酸消費量pH4.8:メチルレッド・ブロムクレ
ゾールグリーン混合指示薬の変色点(pH4.8)
まで中和するのに要する酸の量。弱アルカリ
性成分を含めて,アルカリの全量を示す。
注記3 JIS B 0127の定義を一部変更している。
アルカリ度,
Pアルカリ
度,
Mアルカ
リ度
acid consumption,
(alkalinity)
2217
アルカリ消費量
水に溶けて酸性を示す物質を中和又は所定のpHにす
るために必要なアルカリの量(JIS K 0216参照)。
注記 炭酸鉱酸及び加水分解によって酸性を呈する塩
類,有機酸などの酸を中和する。
酸度
alkali consumption
2218
ヘキサン抽出物
質
水中に含まれる主として揮発しにくい鉱物油,動植物
油脂類などで,ヘキサンに溶解させて抽出する物質の
総称。
extractive substance
in normal-hexane
2219
pH
水素イオン活量の逆数の常用対数(JIS K 0211参照)。
注記 ピーエッチ又はピーエイチと読む。
potential of
hydrogen,
pH value,
hydrogen exponent,
hydrogen ion
concentration
3) 騒音・振動
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2301
音響スペクトル
周波数の関数として複合音の成分の大きさ(場合によ
っては位相も)を表したもの(JIS Z 8106参照)。
sound spectrum
12
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2302
うなり
周波数の異なる二つ以上の同種の波が線形又は非線
形結合して生じる現象(JIS Z 8106参照)。
注記1 周波数の僅かに異なる二つの正弦波が重ね合
わされたときに生じる振幅の周期的変化。1
秒間に生じる振幅の変化の回数は,元の波の
周波数差に等しい。
注記2 うなりは,振動数の差で起こる。
beat,
beats
2303
騒音
不快な又は望ましくない音,その他の妨害(JIS Z 8106
参照)。
noise
2304
暗騒音
(あんそうおん)
ある音を対象としたとき,その音がないときのその場
所における音。
注記 JIS Z 8106を参考に定義した。
ground noise,
back ground noise
2305
音圧レベル
音の存在によって,静圧の上に重畳した変動圧力(音
圧)の強さを表現するため,音圧の2乗を基準音圧の
2乗で除した値の常用対数の10倍とした値(JIS B
8040参照)。
注記 基準音圧は20 μPa。単位は,デシベル(dB)。
sound pressure level
2306
音の大きさ,
ラウドネス
聴覚に関わる音の属性の一つで,小から大に至る尺度
上に配列される(JIS Z 8106参照)。
注記 音の大きさは,主として刺激の音圧に依存する
が,周波数,波形及び継続時間にも依存する。
loudness
2307
音の大きさのレ
ベル,
ラウドネスレベ
ル
ある音について,正常な聴力をもつ人がその音と同じ
大きさであると判断した自由進行波の1 000 Hzの純
音の音圧レベルに等しい値。
注記1 指定された回数の判断を行い,その中央値を
採る。単位は,フォン。
注記2 音の提示方法,例えば,ヘッドホン再生か拡
散音場で再生したのかなどを記載する必要が
ある。音の提示方法は,その音の特性の一つ
である。
注記3 JIS Z 8106の定義を一部変更している。
loudness level
2308
騒音レベル
標準の周波数重み付けと指数形時間重み付けを施し
て得られる音圧の基準音圧20 µPaに対する比の対数。
注記1 比の10を底とする対数(常用対数)を採り,
20倍すれば,重み付け音圧レベルはデシベル
で表される。単位記号は,dB。
注記2 周波数重み付け特性A,B及びC並びに指数
形時間重み付け特性fast(F),slow(S)及び
impulse(I)は,IEC 61672-1を参照。
注記3 使用した時間及び周波数の重み付け特性は,
明示するのが望ましい。特に指定がない場合
には,fast(F)指数形時間重み付け特性及び
A周波数重み付け特性が使用されているもの
とする。
注記4 我が国で用いられている騒音レベルは,周波
数重み付けA特性とF又はS指数形時間重み
付け特性とを用いた音圧レベル。
注記5 測定方法はJIS Z 8731を参照。
注記6 JIS Z 8106の定義を一部変更している。
重み付け音
圧レベル,
サウンドレ
ベル
sound level,
weighted sound
pressure level,
noise level
13
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2309
(振動)加速度
レベル
ある(振動)加速度の基準の加速度に対する比の対数。
注記1 比の10を底とする対数(常用対数)を採り
20倍すれば,(振動)加速度レベルはデシベ
ルで表される。単位記号は,dB。
注記2 特に指定がない限り,基準の加速度は,1
µm/s2。
注記3 特に指定がない限り,加速度は,実効値で表
されているものとする。
注記4 計量法では,基準の加速度は,10 µm/s2。
注記5 JIS Z 8106の定義を一部変更している。
振動レベル (vibratory)
accel-eration
level
2310
許容騒音レベル
騒音レベルで定めた許容値。
acceptable noise
level
2311
等価騒音レベル
ある指定された時間区間に与えられた標準の周波数
重み付け音圧の二乗時間平均値の基準音圧(20 µPa)
の二乗に対する比の対数。
注記1 デシベルで表した時間平均音圧レベルは,比
の10を底とする対数(常用対数)の10倍。
単位記号は,dB。
注記2 もし,周波数重み付け特性の指定がない場合
には,A周波数重み付け特性が指定されてい
るものとする。
注記3 JIS Z 8106の定義を一部変更している。
時間平均サ
ウンドレベ
ル,
等価サウン
ドレベル
time-average sound
level,
equivalent
continuous sound
level
2312
低周波空気振動
一般に20 Hz以下の空気振動。
注記 我が国ではその範囲が定まっていないため,100
Hz以下も含める場合もある。
low frequency
vibration of air
2313
周波数分析
複雑な音又は振動について,その成分の大きさを周波
数の関数として求めること。
注記1 騒音の場合はオクターブバンド幅又は31オク
ターブバンド幅に分けることが決められてい
る。
注記2 JIS T 1011を参考に定義した。
frequency analysis
2314
90パーセントレ
ンジ
騒音レベルの累積度数分布の5 %から95 %までの幅。
注記 騒音計の指示値が変化する場合は,測定結果の
90パーセントレンジの上端の数値を代表値と
する。
90 % range
2315
吸音率
ある面に音が入射したときの入射音響パワーに対す
る反射されない音響パワーの比率。
注記1 周波数,音の入射条件などによる。
注記2 特別の場合を除き,通常は拡散音場を仮定す
る。
注記3 量記号はα又はαa。
注記4 JIS Z 8106の定義を一部変更している。
sound (power)
absorption
coefficient,
absorption
coefficient of
sound
2316
防音
騒音の発生及び伝達の防止。
noise insulation
2317
吸音材料
比較的大きな吸音効果をもつ材料(JIS Z 8106参照)。
注記 多孔質材料,孔あき板構造体などがある。
sound absorbing
material,
noise absorbing
material
14
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2318
遮音材料
音の透過を防ぐために用いられる材料(JIS Z 8106参
照)。
注記 一体振動パネル,中空パネル,サンドウィッチ
パネルなどがある。
acoustical insulating
material,
noise insulation
material
4) その他
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2401
酸露点
燃焼ガス中の硫酸蒸気が凝縮し始める最高温度(JIS Z
9211参照)。
sulfuric acid dew
point
2402
産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,
廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政
令で定める廃棄物及び輸入された廃棄物(JIS K 0216
参照)。
industrial waste
2403
一般廃棄物
産業廃棄物以外の廃棄物。
注記 JIS K 0216の定義を一部変更している。
domestic waste,
general waste,
non-industrial waste
2404
特別管理産業廃
棄物
産業廃棄物のうち,爆発性,毒性,感染性など人の健
康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがあるも
の。
注記 JIS K 0216の定義を一部変更している。
special management
industrial waste,
specially-controlled
industrial waste
2405
PCB
ビフェニル骨格に塩素が置換した化合物(JIS K 0216
参照)。
注記1 広範囲に使用されていたが,人体に有害なこ
とから製造及び使用が禁止されている。
注記2 POPs条約の対象物質。
ポリ塩化ビ
フェニル
polychlorinated
biphenyl
2406
環境ホルモン
環境中に偏在し,微量でホルモンと同じ作用を示すこ
とで生体内の内分泌系をかく(攪)乱する作用がある
化学物質。
注記 JIS K 3600の定義を一部変更している。
外因性内分
泌かく(攪)
乱化学物質
endocrine disruptor
2407
ダイオキシン
ジベンゾジオキシン,ジベンゾフランにハロゲンが化
合した化学物質の総称(JIS K 0216参照)。
注記1 有毒で発がん性をもつと推定されており,規
制の対象となっている。
注記2 塩化ビニルをはじめとする有機塩素化合物の
焼却によって大量に発生することが指摘され
ている。
dioxin,
dioxins
2408
悪臭
いやな臭い,不快な臭いの総称(JIS K 0216参照)。
注記 硫化水素,アンモニアなどは悪臭防止法によっ
て規制される。
odor
15
B 0130:2019
c) 運用
1) 計画・運用
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3101
電力需要想定
供給計画及び需給バランスを作成するための,電力系
統で消費される負荷の想定。
注記 電力構成要素別に推計して積み上げるミクロ想
定と,実績を計量的に分析して法則性を抽出す
るマクロ想定とがある。
power demand
forecast
3102
電力需給計画
将来の電力需給の均衡を図る一連の計画。
注記 期別,月別の電力の需要想定に対する供給力を
策定する。
plan of power
demand and
supply
3103
需給バランス
規定の電圧及び周波数で供給力と需要電力とが均衡
を保っている状態。
power demand
supply balance
3104
供給予備力
事故,渇水,需要の変動などに備えた需要想定以上の
供給力。
reserve capacity
3105
供給計画
電力需要想定に基づいて立てられた需給バランス,電
源開発計画,送変配電設備整備計画など。
注記 これらの計画は,毎年電気事業者が電力広域的
運営推進機関に提出し,同機関が取りまとめの
上,経済産業大臣に届け出る。
(electric power)
supply plan
3106
火力可能出力
火力発電設備のうち定期点検,補修作業などで運転で
きない設備を除く健全設備が発生できる最大出力。
available thermal
power generation
3107
発電端出力
発電機の端子における出力。
output at generator
terminal
3108
蒸気条件
蒸気の温度,圧力,湿り度などの状態。
steam condition
3109
予想性能曲線
設備又は機器の予測される諸性能を示した曲線。
estimated
performance curve
3110
設計熱効率
与えられた設計条件の下で算定された発電設備の熱
効率。
design thermal
efficiency
3111
熱消費率
熱消費量を出力で除した,単位出力当たりの熱消費
量。
注記 JIS B 8040の定義を一部変更している。
heat rate
3112
発電端熱効率
発電設備に供給された熱量に対する発電電力量(熱量
換算)の割合。
gross thermal
efficiency
3113
送電端熱効率
発電設備に供給された熱量に対する送電電力量(熱量
換算)の割合。
net thermal
efficiency
3114
所内比率
発電電力量に対する所内電力量の割合。
auxiliary power ratio
3115
保証値
設備又は機器の性能を保証した値。
guaranteed
performance
3116
利用率
定格出力に対する平均電力の割合。
注記 暦日利用率と運転時間利用率とがある。
utilization factor
3117
稼動率
ある期間内に設備が稼動できる最大時間に対する稼
動時間の割合(JIS Z 9211参照)。
availability factor
3118
負荷率
最大電力に対する平均電力の割合。
load factor
3119
総合負荷
ある電力系統内を総合した負荷。
total load
3120
ベース負荷
総合負荷のうち,最小部分に相当する負荷。
base load
3121
中間負荷
ベース負荷とピーク負荷との間にある負荷。
middle load
3122
ピーク負荷
総合負荷のうち,最大部分に相当する負荷。
peak load
16
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3123
直接費
発電に直接必要とする費用。
注記 人件費,修繕費,消耗品費及び諸費に分けられ
る。
direct cost
3124
燃料費
発電に必要な燃料に関する費用。
注記 石炭費,燃料油費,ガス費,助燃費,蒸気料な
どに分けられる。
fuel expenses
3125
燃料単価
単位熱量当たりの燃料価格。
unit fuel price
3126
運炭灰捨費
(うんたんはい
すてひ)
貯炭場からボイラまでの石炭運搬費,石炭の燃え殻搬
出費などの費用。
coal and ash
handling
expenses
3127
建設費
発電所の建設に関する一切の費用。
注記 総経費,分担関連費,建設中利子なども含まれ
る。
construction cost
3128
資本費
発電原価を構成する諸要素のうち,設備投資額によっ
て決まる金利と減価償却費との合計。
capital cost
3129
建設単価
発電設備の単位容量当たりの建設費。
unit construction
cost
3130
発電原価
単位電力量発生のために必要とされる費用。
注記 償却,金利などの資本費,人件費,修繕費など
の直接費,燃料費その他が含まれる。
generating cost
3131
蒸気単価
工業用蒸気を単位質量発生するために必要とされる
費用。
注記 償却,金利などの資本費,人件費,修繕費など
の直接費,燃料費その他が含まれる。
steam production
cost
3132
事前調査
建設予定地点につき,あらかじめ地形,地盤,交通輸
送,用水,海洋,気象,環境への影響などについて行
う調査。
preliminary survey
3133
フィージビリテ
ィスタディ
発電所立地基本計画の可能性などの調査検討。
feasibility study
3134
熱電比
建物又は施設の熱需要と電力需要との比(熱需要を電
力需要で除した値)。
注記1 コージェネレーション(システム)の熱出力
と電気出力との比にも利用される。
注記2 JIS B 8121の定義を一部変更している。
heat to power ratio
3135
発電事業
自らが維持し,及び運用する発電用の電気工作物を用
いて小売電気事業,一般送配電事業又は特定送配電事
業の用に供するための電気を発電する事業であって,
その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産
業省令で定める要件に該当するもの。
3136
発電事業者
発電事業を営むことについて電気事業法の規定によ
る届出をした者。
2) 運転
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3201
給電
電力系統を構成する電力設備の需要に応じた合理的
かつ経済的な電力供給の総合運用。
給電運用
load dispatching,
power dispatching
3202
給電指令
電力系統運用上の給電所から発せられる指示事項。
load dispatching
instruction
17
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3203
負荷予想
電力系統にかかる負荷の予想。
load forecast,
load prediction
3204
経済負荷配分
電力系統運用上の経済的な発電機の出力配分。
EDC,
ELD,
経済的負荷
配分
economical load
dispatching
3205
電力系統
多くの発電所,変電所,電線路及び負荷が有機的に連
系された電力の発生から消費までの系統。
electric power
system,
electrical power
system
3206
単独系統
独立の系統として運用されている電力系統。
isolated system
3207
系統分離
電力系統で事故発生した場合,できるだけ事故波及を
少なくするための一部系統の解列。
system splitting
3208
系統切換え
接続中の電力系統から他の電力系統への切換え。
注記 無停電状態で切り換えるループ切換えと停電状
態にして切り換える停電切換えとがある。
system switching
3209
母線分離
発電所及び変電所で,常時並用している複数の母線
を,事故発生時に系統を分断することなく行う分離。
bus separation
3210
電力潮流
電力系統内の有効電力及び無効電力の流れの総称。
power flow
3211
同期検定
二つの電力系統の周波数,電圧及び位相の比較。
synchronism
detection
3212
試送電
停止状態にある電線路を最初低電圧で充電し,徐々に
運転電圧まで上昇させながら行う充電。
trial line charging
3213
再送電
事故などによって,停止状態にある電線路を直接運転
電圧で行う充電。
試充電,
強行送電
forced line charging
3214
脱調,
同期外れ
電力系統での事故発生,異常に急激な負荷の変動など
で,同期が保てない状態。
loss of synchronism,
out-of-step
3215
乱調
電力系統のじょう乱によって同期機の入力と出力と
の間に不平衡を生じ,このため同期機の慣性によっ
て,同期速度を中心として位相角が周期的変動を繰り
返す現象。
hunting,
racing
3216
短絡
電位差がある電力回路中の2点が直接電気的につな
(繋)がれた状態。
short circuit
3217
地絡
大地に対して電位をもつ電気回路の一部が大地に直
接電気的につな(繋)がれた状態。
ground fault
3218
がいし洗浄
がいし表面の塩分などの付着物を除去するための洗
浄。
注記 がいしに塩分,ばい煙,じんあいなどが付着し
て湿気を受けると,フラッシオーバを起こしや
すくなる。
insulator washing
3219
待機予備力
起動から全負荷をとるまで数時間程度を要する供給
力。
cold reserve
3220
運転予備力
短時間内で起動して負荷をとることができる供給力。
hot reserve
3221
瞬動予備力
需要に応じて即時に応動を開始し,急速に出力を上昇
できる供給力。
spinning reserve
3222
進相運転
発電機を進みの力率で運転して,系統から無効電力を
吸収する運転。
leading power factor
operation
18
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3223
低力率運転
発電機を遅れの力率で運転して,系統に無効電力を供
給する運転。
lagging power
factor operation
3224
自動周波数制御
運転
電力系統の周波数を規定値に保持するため,自動周波
数制御装置によって発電所の出力を調整する運転。
AFC運転
automatic frequency
control operation
3225
自動無効電力調
整運転
発電機の無効電力を自動的に調整する運転。
AQR運転
automatic reactive
power regulating
operation
3226
自動力率調整運
転
発電機の力率を自動的に調整する運転。
APFR運転
automatic power
factor regulating
operation
3227
自動負荷調整運
転
発電機出力を自動的に調整する運転。
ALR運転
automatic load
regulating
operation
3228
自動電圧調整運
転
発電機の端子電圧を自動的に調整する運転。
AVR運転
automatic voltage
regulating
operation
3229
受電電力一定調
整運転
自家用火力発電所などにおいて,受電電力が一定とな
るよう発電機出力を制御する運転。
demand control
operation
3230
最低負荷運転
運転上の各種制限値内で安定して連続運転できる最
低負荷での運転。
minimum load
operation
3231
定格負荷運転
定格出力での運転。
rated load operation
3232
過負荷運転
定格出力を超える出力での運転。
overload operation
3233
ロードリミッタ
運転
電力系統の周波数変動にかかわらず,ある設定負荷以
上にならないように,負荷制限器によって燃料流量調
節弁又は蒸気加減弁の開度を制限して行う運転。
load limiter
operation
3234
ガバナ運転
電力系統の周波数を一定に保つように,調速装置の作
用によって燃料流量調節弁又は蒸気加減弁の開度を
変化させ,負荷変動を吸収して行う運転。
調速機運転,
ガバナフリ
ー運転
speed governing
operation
3235
低O2運転
燃焼用空気の過剰空気を少なくして行うボイラの運
転。
low excess air
operation
3236
変圧運転
高圧タービンの内部効率低下,又は弁絞り損失による
部分負荷での熱効率低下の度合いを少なくするため
に,負荷に応じた主蒸気圧力で行う運転。
注記 JIS B 0127の定義を一部変更している。
variable pressure
operation,
sliding pressure
operation
3237
定圧運転
主蒸気圧力を一定に保持し,蒸気加減弁開度の変化に
よって,負荷を変化させる運転。
注記 JIS B 0127を参考に定義した。
3238
片系列運転
復水器の水室が二つある場合,又は給水加熱器,空気
予熱器など2系統並列に機器を設けてある場合での1
系列を停止して行う運転。
one half capacity
operation
3239
バイパス運転
蒸気,給水などを主系統を通さずバイパス系統を用い
て行う運転。
by-pass operation
19
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3240
タービンバイパ
ス運転
1) 負荷遮断などの急激な発電機出力の減少時に,流
入蒸気流量をタービンの安定運転に見合うレベ
ルへバランスさせるまでの間,タービンへの蒸気
の流入を断ち,復水器などのタービン後段のプロ
セスにう(迂)回させることによって,タービン
の過回転によるトリップを防ぐ運転。
2) ユニットの停止又は起動過程のときに必要な蒸
気条件を確保するなどの目的で,主蒸気管系統か
ら復水器へ,又は主蒸気管系統から低温再熱蒸気
管系統へ,若しくは高温再熱蒸気管系統から復水
器へバイパスする運転。
turbine by-pass
operation
3241
ファストカット
バック
事故などの緊急時に原動機の出力を,機器の安全保証
上許容できる上限の出力低下率で,急速に低下させる
システム。
FCB
fast cut back
3242
所内単独運転
電力系統事故時に送電を遮断し,事故の復旧に備え,
ユニット内の補機をそのユニットの発電によって継
続駆動させる運転。
house load
operation
3243
系統単独運転
電力系統事故時などにおいて,分離して単独系統に送
電を行う運転。
single system
operation
3244
ボイラ単独運転
事故発生時,タービン及び発電機停止中のボイラの継
続運転。
boiler single
operation
3245
並列運転
電力系統,同期機などが並列した状態で運転されてい
る状態。
parallel operation,
parallel running
3246
コールドスター
ト
機器の温度が常温に近い状態で行う起動。
注記1 特に蒸気タービン及びガスタービンで使われ
る。
注記2 JIS B 8040を参考に定義した。
冷機起動,
冷態起動
cold start
3247
ウォームスター
ト
ユニット停止後,機器(特に蒸気タービン)の温度が
常温より比較的高い状態で行う起動。
warm start
3248
ホットスタート
ユニット停止後,機器の温度が常温よりもかなり高い
状態で行う起動。
注記1 特に蒸気タービン及びガスタービンで使われ
る。
注記2 JIS B 8040を参考に定義した。
暖機起動,
温態起動
hot start
3249
ベリーホットス
タート
ユニット停止後,機器(特に蒸気タービン)の温度が
運転状態に近い状態で行う起動。
very hot start,
extra hot start
3250
急速起動
1) 負荷の要請及び/又は起動損失軽減のため,時間
を短縮して行う起動。
2) 非常用ガスタービンなどで製造業者が許容する
最短起動時間の起動方法。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
1) quick start
2) fast start
3251
強制冷却
緊急作業などの場合,作業工程短縮のため強制的に行
うボイラ,タービンなどの冷却。
注記 JIS B 0126を参考に定義した。
急速冷却
quick cooling,
forced cooling
3252
バンキング
ユニット停止中,ボイラ温度の低下を防ぐため,ダン
パなどを閉止した状態。
banking
3253
週末停止起動
電力需要などとの関係から,週末に停止し週始めに起
動する発電所の運用形態。
週末起動停
止,
WSS
weekly start and
stop
20
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3254
深夜停止起動
電力需要などとの関係から,夜間に停止し早朝に起動
する発電所の運用形態。
深夜起動停
止,
DSS
daily start and stop
3255
給電運用停止
給電運用上の理由で行うユニットの停止。
power supply
operational shut
down
3256
計画停止
点検,補修などのため,発電事業者が意図して行うユ
ニット停止。
scheduled outage
3257
計画外停止
事故,故障などによって,発電事業者の意図とは無関
係に起こるユニット停止。
注記 出力制限を含める場合もある。
forced outage
3258
冷却停止
蒸気圧力及び蒸気温度を降下させ,タービンを冷却し
ながら停止する運転操作(JIS B 0127参照)。
減温停止
cooling shut down
3259
非常停止
1) 事故など危急時のユニットの急停止。
2) 人体への危険又は差し迫った機器の損傷の危険
を回避するか又は最小限度のものにするために,
即座に手動又は自動で行うユニットの停止。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
emergency stop,
emergency shut
down
3260
長期保管
長期停止中における設備の劣化を防ぐ措置。
注記 停止状態で保管する場合と,分解して保管する
場合とがある。
long term
preservation
3261
ハンドオフ
手動での遮断器の開操作。
manual trip
3262
ユニットトリッ
プ
ユニットが事故などの場合,手動又は自動でのユニッ
ト停止。
unit trip
3263
マスタフューエ
ルトリップ
危急時におけるボイラの燃料遮断。
MFT
emergency fuel trip,
master fuel trip
3264
リセット
ロックアウト状態又は作動後の保護装置を正常状態
に戻す操作。
reset
3265
ロックアウト
異常が起こったとき装置の応動を阻止するため,操作
員及び自動装置を含む一切の起動指令を阻止する状
態。
lockout
3266
インタロック
機器の誤動作防止又は安全のため,関連装置間に電気
的又は機械的に連絡をもたせたシステム。
interlock
3267
所内全停
所内の全ての電源が喪失した状態。
black out
3268
受電
発電所が停止し,所内電源が停電しているときに起動
を目的として,電力系統の電源を受けて所内電源を生
かすこと。
power receiving,
back-feed
3269
運転制限値
機器の性能,保安などの面から設定された運転上の制
限値。
operational limit
3270
ボイラ水張り
ボイラに水を張る操作。
boiler water filling
3271
炉内パージ
残留未燃ガス及び漏れ燃料による火炉の爆発防止の
ため,点火直前又は消火直後に炉内を掃気すること
(JIS B 0126参照)。
furnace purge
3272
燃料リークチェ
ック
炉内パージの後で,燃料がバーナに供給されていない
ことを確認する操作。
fuel leak check
3273
バックファイア
火炎がバーナ部から逆行する現象。
注記 JIS B 0126を参考に定義した。
back fire,
blow back,
puff
21
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3274
点火
燃料と空気との混合物を電気火花などで加熱して燃
焼を起こさせる操作(JIS B 0126参照)。
ignition
3275
昇圧
ボイラの点火後,蒸気圧力を規定値まで上昇させる操
作。
pressure up
3276
昇温
ボイラの点火後,蒸気温度を規定値まで上昇させる操
作。
temperature up
3277
ボイラ水ブロー
ボイラ水濃度の調節又は補修のため,ボイラ水の一部
又は全部を排出すること(JIS B 0126参照)。
blow off,
blow off of boiler
water
3278
真空度上昇
タービン起動前に空気抽出器によって復水器内の真
空度を上昇させること(JIS B 0127参照)。
真空上昇
vacuum up
3279
ウォーミング
過大な熱応力,不等膨張などを防ぐため,起動に先立
って機器又は配管を暖める操作。
warming
3280
タービン起動
タービンがターニングの状態から昇速を開始する操
作。
turbine start
3281
昇速
タービンの回転速度を上げる操作。
speed up
3282
ラブチェック
タービン起動直後の低回転速度で,静止部と回転部と
の接触の有無を聴音によって確認する操作。
rubbing check
3283
ヒートソーク
タービン起動後,所定の回転速度でウォーミングを行
う運転。
heat soak
3284
同期
発電機の回転速度を接続しようとする電力系統の周
波数,電圧及び位相を一致させる操作。
synchronism
3285
並列
発電機の周波数,電圧及び位相を電力系統に合わせて
接続する操作。
parallel in,
synchronizing
3286
初負荷
タービンメタルマッチング及びボイラ諸条件によっ
て,発電機並列後最初の段階で,定められた時間,運
転を安定に保持する発電機出力。
注記 JIS B 0127の定義を一部変更している。
initial load
3287
弁切換え
ユニット起動過程において,調速段からの蒸気の流れ
を全周噴射から部分噴射に切り換える操作。
FA/PA切替
え
full-arc/partial-arc
transfer
3288
全周噴射運転
タービン調速段の全周に蒸気を流通させて行う運転。
注記 調速段全周が均一に加熱されるので,熱応力が
比較的小さくなる。
full arc admission
3289
部分噴射運転
幾つかの仕切られたタービン調速段の一部分だけに
蒸気を流通させて行う運転。
注記 調速段の一部分が加熱されるので,熱応力が比
較的大きくなる。
partial arc
admission
3290
所内切換え
所内電源を起動変圧器及び所内変圧器間で切り換え
る操作。
transfer switching
over of auxiliary
power system
3291
負荷ランバック
主要補機の緊急停止時,ユニットとして運転継続する
のに支障がない出力にまで降下させる操作。
load run-back
operation
3292
解列
発電機を並列運転から切り離す操作。
parallel off
3293
混焼率
混焼ボイラで使用する燃料の熱量のうち,主燃料以外
の燃料の熱量が占める割合。
mixed fuel burning
ratio
22
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3294
計画外停止率
ある期間内における計画外停止日数(時間数)と運転
日数(時間数)との総和に対する計画外停止日数(時
間数)の割合。
注記 計画外停止日数(時間数)に出力制限を含める
場合もある。
forced outage rate
3295
密封油装置バッ
クアップ試験
主密封油ポンプが停止した場合,非常用密封油ポンプ
又はタービン油からのバックアップが正常に作動す
ることを確認する試験。
seal oil back up test
3296
弁開閉試験
主蒸気止め弁,蒸気加減弁,再熱蒸気止め弁及びイン
タセプト弁が常に円滑に作動できるよう,電磁的又は
機械的に開閉を行い,異常の有無を確認する試験。
ステムフリ
ーテスト
valve operation test,
stem free test
3297
オイルトリップ
試験
オイルトリップ装置を作動させ,非常調速機の異常の
有無を確認する試験(JIS B 0127参照)。
oil trip test
3298
軸受油圧低下ト
リップ試験
軸受油圧低下時にタービンがトリップすることを,試
験用のバルブなどによって確認する試験。
bearing oil low
pressure trip test
3299
真空低下トリッ
プ試験
真空低下時にタービンがトリップすることを,試験用
のバルブなどによって確認する試験。
low vacuum trip test
3300
スラストトリッ
プ試験
スラスト異常時にタービンがトリップすることを,試
験用のバルブなどによって確認する試験。
thrust failure trip
test
3301
過回転トリップ
試験
定格回転速度を超えてタービンを昇速させ,非常調速
装置の作動によって,定格回転速度の1.11倍以下でタ
ービンがトリップすることを確認する試験。
過速度トリ
ップ試験
overspeed trip test
3302
補助油ポンプ自
動起動試験
主油ポンプ故障時に補助油ポンプが自動的に起動す
ることを確認する試験。
注記 ターニング油ポンプ,非常用油ポンプなどの試
験もある。
auxiliary oil pump
automatic startup
test
3303
軸受油圧低下警
報試験
軸受油圧低下時に警報が作動することを確認する試
験。
注記 制御油圧低下などの確認試験もある。
low bearing oil
pressure alarm
test
3304
主油タンク油面
警報試験
主油タンク油面の異常変動時に,警報が作動すること
を確認する試験。
main oil tank oil
level alarm test
3305
復水器逆洗
タービン運転中に復水器冷却管に詰まったごみ,海草
などを取り除くため,冷却水を逆流させた状態。
condenser back
washing
3306
熱管理
熱の発生から移動,損失などの過程を分析し,適切な
熱の運用を図り,最大の熱利用効果を上げるようにす
ることを目的とした管理。
heat management
3307
熱勘定
熱の発生,吸収,損失などの過程を分析し,エネルギ
ーの収支を精算すること(JIS B 8040参照)。
heat balance
3308
熱平衡線図
熱勘定の結果を示した線図。
heat balance
diagram
3309
熱回収
排気ガス,排気蒸気,温水などの熱を有効活用するた
めの回収。
heat recovery
3310
補給水
水及び蒸気の漏れ,ブローなどによってプラント水が
不足するのを補うための純水。
make-up water
3311
起動停止損失
ユニットの起動停止に伴って生じる燃料,所内電力,
補給水などの損失。
starting loss
3312
ボイラ追従制御
負荷変化に対応して,まず蒸気加減弁が作動し,その
結果生じる蒸気圧力及び流量の変化を検出して,給水
量,燃料量,空気量などを制御する制御方式。
boiler following
control
23
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3313
タービン追従制
御
負荷変化に対応して,まず給水量,燃料量及び空気量
が変化し,その結果生じる主蒸気圧力の偏差を打ち消
すように蒸気加減弁開度を変化させる制御方式。
turbine following
control
3314
ボイラタービン
協調制御
負荷変化の指令信号をボイラ及びタービンに並列に
加え,蒸気加減弁開度,給水量,燃料量,空気量など
を制御する制御方式。
boiler-turbine
parallel control,
boiler-turbine
coordinated
control
3315
背圧制御運転
背圧タービンで,背圧制御装置によって背圧を設定値
に制御して行う運転。
operation controlled
by back pressure
3316
抽気圧力制御運
転
抽気タービンで,抽気圧力制御装置によって抽気圧力
を設定値に制御して行う運転。
operation controlled
by extraction
pressure
3317
アナログ制御
制御系内の主要信号としてアナログ量を用いる制御。
analog control
3318
ディジタル制御
ディジタル入力信号によって,数値演算回路を用いて
制御動作をすること(JIS B 8040参照)。
digital control
3319
シーケンス制御
設定値をあらかじめ定められたプログラムによって
変化させる制御。
sequence control
3320
スキャンニング
モニタ
多点の変数を監視走査し,異常点を警報する装置。
scanning monitor
3321
データロガー
プロセスの各所から情報を収集し,印字記録,表示及
び/又は保存をする装置。
注記 簡単な計算及び/又は警報を行うものが多い。
data logger
3322
パフォーマンス
モニタ
システムの性能を監視する装置。
注記 例えば,ボイラ効率,タービン熱消費率などを
計算し,現時点の値を運転員に表示する。
performance
monitor
3323
シーケンスモニ
タ
機器の操作開始時期を判断し,諸条件を確認し,操作
手順を逐次表示する装置。
sequence monitor
3324
運転支援システ
ム
運用計画,運転操作,監視,設備診断などに関して,
運転員の意志決定・行動を知識工学の応用などによっ
て補助支援するシステム。
operation support
system
3325
運転訓練シミュ
レータ
コンピュータによって発電設備などを模擬し,制御・
操作盤と組み合わせることによって,実プラントでの
運転と同様の状況を作り出す運転員訓練用装置。
training simulator
3326
コンピュータ制
御,
計算機制御
制御系に直接コンピュータを関与させて行う制御及
びそれに伴う一連の情報処理。
computer control,
computing control
3327
自動起動
制御装置によって起動操作が自動的に行われる起動
方式。
automatic start
3) 試運転及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3401
フラッシング
流体の速度,衝撃などによる容器及び管系内部の清
掃。
flushing
3402
ブローイングア
ウト
蒸気などを用いて行う主配管の清掃。
blowing out
24
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3403
化学洗浄
ボイラ及びその給水・復水の系統に対して化学薬品を
適温で循環させて,内部に付着したスケール,シリカ,
油脂などを除去する作業。
注記 無機酸及び有機酸洗浄,アルカリ洗浄,キレー
ト洗浄などがある。
化洗
chemical cleaning
3404
シリカパージ
ボイラ起動時のボイラ水ブローによるシリカ濃度の
低減。
silica purge
3405
クリーンアップ
貫流ボイラにおいて,ボイラ起動時に給水及び復水系
を含んだ系統内の水を系統外に排出又は脱塩装置を
通じて循環させて,鉄分などの不純物を除去し,水質
の向上を図る作業(JIS B 0126参照)。
注記 コールドクリーンアップ(点火前)と,ホット
クリーンアップ(点火後)とがある。
clean up
3406
安全弁作動試験
1) 安全弁が規定の圧力で作動をすることを確認す
る試験。
2) ボイラの安全弁が,発電用火力設備の技術基準そ
の他の規則に適合して作動することを確認する
試験。
注記 JIS B 0126を参考に定義した。
safety valve
operation test,
popping test of
safety valve
3407
ハンガ調整
配管の冷暖の状況によって配管を支持するハンガに
かかる荷重,移動量などを適正に配分し,配管にかか
る応力が設計どおりになるようにするための調整。
hanger adjustment
3408
油圧調整
タービンなどの制御油及び潤滑油系統の油圧を規定
の範囲にするための調整。
oil pressure
adjustment
3409
保安装置調整
タービン発電機などの,保安装置の作動を調べて規定
の性能を発揮させるための調整。
safety device
adjustment
3410
フィールドバラ
ンス
タービン,発電機,補機などの回転体の不釣合いを実
際の使用状態の下で釣り合わせる作業。
field balancing
3411
シーケンステス
ト
各装置の操作,制御及び作動の順序について各装置間
の関係を表示した結線図に従って,その作動が良好で
あることを実地に確認する試験。
sequence test
3412
総合インタロッ
ク試験
ユニット全体として各種のインタロックが良好に作
動することを確認する試験。
unit interlock test
3413
発電機耐電圧試
験
現地据付け後,発電機のコイルと大地との間に定めら
れた電圧を加えて絶縁耐力を確認する試験。
generator (site)
withstand voltage
test,
generator high
potential test
3414
初並列
タービン発電機の系統への最初の同期並列。
initial
synchronization
3415
軸受点検
タービン発電機を一定期間定格負荷運転した後,開放
して軸受メタルの状態を確認するための点検。
メタルチェ
ック
bearing inspection
3416
無負荷試験
機器が負荷をかけない状態で良好な運転ができるこ
とを確認する試験。
no load test
25
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3417
負荷試験
1) 機器に規定の負荷をかけた状態で良好な運転が
できることを確認する試験。
2) ボイラ及び補機が各負荷で所定の能力を出すこ
とを確認する試験。
注記1 過負荷試験,最低負荷試験などがある。
注記2 JIS B 0126を参考に定義した。
load test
3418
負荷変動試験
負荷が変化した場合又は変動状態を持続する場合に,
ユニットがそれに追従する性能を調べる試験。
注記1 ユニットではなく,単にボイラに対して使う
ことがある。
注記2 JIS B 0126の定義を一部変更している。
load change test,
load swing test
3419
負荷遮断試験
1) 負荷を遮断した場合に,調速装置が良好に作動す
ることを調べる試験。
2) 定格速度で任意の負荷をとっているとき,この負
荷を遮断してガスタービンの応答特性を確認す
る試験。
注記 JIS B 0127を参考に定義した。
ロードリジ
ェクション
テスト
load rejection test
3420
動特性試験
ユニットの過渡応答特性を調べる試験。
dynamic response
test
3421
自動制御装置調
整
自動制御装置が良好に作動するように行う,装置各部
の調整作業。
automatic control
system tuning
3422
総合試運転
ユニット全体の総合的な試運転。
unit trial operation
3423
予備試験
正式な試験の前に,あらかじめその機器の性能を調べ
るための試験。
preliminary test
3424
受渡試験
機器の受渡しに当たり,所要の性能が出るかどうかを
確認するための試験。
受取試験
acceptance test
d) 保守
1) 保守一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4101
修繕工事
発電所の諸設備,建物,構築物などの不良箇所を修理
する工事。
repair work
4102
改良工事
設備の機能を改良又は回復する工事。
improvement work
4103
拡充工事
設備の新設・増設の工事及びこれに類する工事。
extension work
4104
直営工事
設備所有者が直接施工する工事。
work under direct
management
4105
請負工事
設備所有者が一定の条件の下に契約した専門の業者
に施工させる工事。
contract work
4106
附帯工事
主な工事に附帯して実施する工事。
incidental work
4107
定期補修
ボイラ,タービンなどの機器の保安及び性能維持のた
め,定期的に主要部分を開放して行う点検・修理。
periodic
maintenance
4108
定期点検
定期的に行う機器の点検・手入れ。
periodic inspection
4109
安全管理審査
定められた時期に受ける監督官庁,又は登録安全管理
審査機関による審査。
注記 使用前安全管理審査及び定期安全管理審査があ
る。
safety management
review
26
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4110
使用前安全管理
検査
次で構成される検査。
1) 設置者が行う使用前自主検査。
2) 監督官庁又は登録安全管理審査機関が行う使用
前安全管理審査。
3) 監督官庁が行う,使用前安全管理審査の結果に基
づく使用前自主検査に関わる体制の総合的な評
定。
pre-service safety
control inspection
4111
使用前自主検査
設置者によって電気工作物の使用開始前に実施され
るボイラ,タービンなどの事業者検査。
autonomous
pre-service
inspection
4112
使用前安全管理
審査
使用前自主検査に関わる体制(実施に関わる組織,検
査の方法,工程管理など)について,定められた時期
に受ける監督官庁,又は登録安全管理審査機関による
審査。
pre-service safety
control review
4113
溶接事業者検査
設置者によって電気工作物の使用開始前に実施され
る耐圧部分の溶接に関する事業者検査。
welding power
supplier inspection
4114
定期安全管理検
査
次で構成される検査。
1) 設置者が行う定期事業者検査。
2) 監督官庁又は登録安全管理審査機関が行う定期
安全管理審査。
3) 監督官庁が行う,定期安全管理審査の結果に基づ
く定期事業者検査に関わる体制の総合的な評定。
periodic safety
control inspection
4115
定期事業者検査
設置者によって定期に実施されるボイラ,タービンな
どの事業者検査。
periodic power
supplier inspection
4116
定期安全管理審
査
定期事業者検査に関わる体制(実施に関わる組織,検
査の方法,工程管理など)について,定められた時期
に受ける監督官庁,又は登録安全管理審査機関による
審査。
periodic safety
control review
4117
補修計画
次年度以降に実施予定の定期補修の時期,工事期間,
内容などの計画。
maintenance
schedule
4118
補修頻度
設備,部品などの機能を維持するために実施する修理
の回数。
maintenance
frequency
4119
日常保守
運転員及び/又は保修員による日常巡視点検及び日
常運転に伴って発生する小修理。
daily maintenance
4120
事故補修
機器などの事故のため,発電を停止して実施する点
検・修理。
forced maintenance
4121
日常点検
定期点検とは別に実施する周期的な機器の点検・手入
れ。
daily inspection
4122
外部点検
機器を開放しないで,外部から実施する点検・手入れ。
external inspection
4123
開放点検
1) 機器及び補機のケーシングを取り外して行う内
部点検。
2) ガスタービンの場合,ケーシングを取り外し,主
要構成部分を現地又は修理工場において検査し
て,不良部品の修理又は交換を行う作業。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
overhaul,
inspection
4124
補修記録
機器及び補機の点検・手入れ,試験・測定などの結果
の記録。
maintenance record
27
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4125
主任技術者
電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安監督を
行うことのできる法令に基づく有資格者。
注記 火力発電関係では,電気主任技術者,ボイラー・
タービン主任技術者などがある。そのほか資格
が必要なものとして放射線取扱主任者,高圧ガ
ス製造保安責任者,エネルギー管理者,危険物
取扱者,公害防止管理者などがある。
licensed engineer
4126
保安規程
電気工作物の設置者が,電気工作物の保安を確保する
ため,自主的に定めて経済産業大臣に届け出る規程。
safety regulations,
maintenance code
2) 検査
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4201
静釣合い
剛体の重心が回転軸上にある状態。
static balance
4202
動釣合い
剛体の重心を通る慣性主軸の一つが回転軸と一致す
る状態。
dynamic balance
4203
軸受間隙計測
軸と軸受との上部隙間を鉛線などを用いて組立時に
行う計測。
bearing clearance
check
4204
打音検査
(だおんけんさ)
金づちなどでたたいて打音の高さ,減衰の速さから内
部の状態を判断する検査。
hammering test
4205
酸洗い検査
酸化抑制剤を添加した塩酸などの酸液を用いて,主と
して表面欠陥のきず,割れ,しわなどを調べる検査。
pickling test
4206
マクロ組織検査
材料の被検査面を研磨又は腐食液で処理し,肉眼で金
属組織,欠陥などの状態を調べる検査。
macroscopic
examination,
macrography
4207
ミクロ組織検査
材料の被検査面を腐食液で処理し,顕微鏡によって金
属組織などを調べる検査。
microscopic
examination,
micrography
4208
内面検査
蒸発管などの内面のきず,腐食,付着物などの状況を
調べる検査。
inner surface
inspection
4209
摩耗検査
厚さ計又は肉眼で測定して摩耗状況を調べる検査。
abrasion inspection
4210
破面検査
損傷部品の破面の観察によって,割れがどのような応
力の下で生じたかを調べる検査。
fractography test,
fractography
examination
4211
破壊検査
被検査材から試験片を採取し,材料の強度などを破壊
によって調べる検査。
DT
destructive test
4212
非破壊検査
材料及び製品を破壊しないで行う欠陥の有無,材質,
状態などの検査。
注記 放射線,超音波,渦流,磁気,浸透などによる
方法がある。
NDT
non-destructive test,
non-destructive
examination
4213
放射線透過検査
X線,γ線などの放射線を被検査材に照射し,透過像
によって欠陥の有無を調べる検査。
RT
radiograph test,
radiograph
examination
4214
超音波探傷検査
超音波を被検査材に伝え,その示す音響的性質を利用
して,欠陥の有無を調べる検査。
UT
ultrasonic test,
ultrasonic
examination
28
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4215
磁粉探傷検査
強磁性体の被検査材を磁界内に置き,生じた磁気的ひ
ずみによって,欠陥の有無を調べる検査。
MT
magnetic-particle
test,
magnetic-particle
examination,
magnetic-field test,
magnetic-field
examination
4216
渦流探傷検査
交番磁界に置かれた導体内に流れる電流を用いて欠
陥の有無を調べる検査。
ET
eddy current test,
eddy current
examination,
electromagnetic test,
electromagnetic
examination
4217
液体浸透探傷検
査
浸透性が強い着色した液又は蛍光を発する液を被検
査面に塗布して,欠陥の有無を調べる検査。
PT
liquid penetrant test,
liquid penetrant
examination
4218
硬さ試験法
被検査材に規定の力を加えて,くぼみの大きさによる
比較又は一定の高さから一定寸法のハンマを落とし
跳ね上がり高さを比較することによって,硬さを検査
する方法。
注記 経年劣化状態を定量評価する非破壊検査手法の
一つ。
hardness test
4219
レプリカ法
実機部材の表面をフィルムに転写し,これを観察し,
劣化状態を評価する方法。
注記 経年劣化状態を定量評価する非破壊検査手法の
一つ。
replica method
4220
電気抵抗法
金属組織内の炭化物凝集及び粗大化度合いを電気抵
抗で測定し,劣化度合いを検査する方法。
注記 経年劣化状態を定量評価する非破壊検査手法の
一つ。
electric resistance
method
4221
絶縁抵抗試験
電気設備の絶縁物の抵抗を絶縁抵抗計又はこれに類
する直流電源内蔵の直読計器で測定し,絶縁状態を判
定する試験。
メガー測定,
絶縁抵抗測
定
insulation resistance
test
4222
絶縁耐力試験
1) 絶縁物が規定の電圧で破壊しないことを確かめ
るための試験。
2) 絶縁物が破壊する電圧を測定するための試験。
dielectric strength
test
4223
誘電正接試験
電気設備の回路に交流電圧を加え,その電圧と電流と
の位相差角の余角(δ)の正接(tan δ)特性を測定し,
絶縁性状を判定する試験。
tan δ試験
dielectric loss
tangent test
4224
直流試験
電気設備の回路に直流電圧を加え,電流−時間特性な
どを測定し,絶縁性状を判定する試験。
direct current test
4225
交流電流試験
電気設備の回路に交流電圧を加え,電流−電圧特性を
測定することによって,絶縁性状を判定する試験。
alternating current
test
4226
部分放電試験
電気設備の回路に電圧を加え,これらの絶縁物中の気
体ギャップ及び/又は絶縁物表面で発生する部分放
電を測定し,絶縁性状を判定する試験。
コロナ試験 partial discharge test
4227
油中ガス分析
油入変圧器等の内部異常の有無及び/又はその状況
を推定するために行う,絶縁油中に溶解しているガス
の分析。
analysis of dissolved
gas in oil
29
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4228
軸振動
円板,翼などをもつ回転体が回転するとき発生する軸
の振動。
shaft vibration,
spindle vibration
4229
腐食
材料が化学的又は電気化学的作用によって変質・浸食
される現象。
コロージョ
ン
corrosion
4230
エロージョン
材料が流体又は固体によって摩耗するなど物理的な
原因によって浸食される現象。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
侵食,
浸食
erosion
4231
高温腐食
1) 高温場で金属が,燃焼ガス又は溶融塩中で反応す
る現象の総称。
2) ガスタービンの場合,燃料中のバナジウム,ナト
リウム若しくは硫黄化合物又は空気中の塩分が,
燃焼器において比較的低融点の化合物を形成し,
タービンブレードなどの表面に付着堆積し,金属
を腐食させる現象。
注記1 高温酸化,溶融塩腐食,高温硫化腐食,高温
塩化腐食,浸炭などがある。
注記2 JIS B 0126を参考に定義した。
high temperature
corrosion,
hot corrosion
4232
酸化還元腐食
ボイラ又はガス化炉内部で発生する硫化水素などの
還元性の物質による還元雰囲気条件下での金属腐食。
還元腐食,
硫化還元腐
食
corrosion in
reducing
atmosphere
4233
低温腐食
排ガス中の三酸化硫黄(SO3)が水蒸気と反応して硫
酸(蒸気)となり,露点以下の金属表面に凝結して腐
食を起こす現象(JIS B 0126参照)。
酸露点腐食 low temperature
corrosion,
acid dew point
corrosion
4234
アルカリ腐食
高濃度のアルカリによって起こる腐食現象(JIS B
0126参照)。
alkali corrosion,
caustic attack
4235
アンモニア腐食
復水及び給水中のアンモニア量が多くなり,銅系統の
材料が腐食される現象。
ammonia corrosion,
ammonia attack
4236
経年劣化
長い年月の間に材料の腐食,摩耗などによる時間経過
に伴う物理的性質が低下する現象。
aged deterioration
4237
(チューブ)膨
出
(ぼうしゅつ)
材質不良,腐食,摩耗などによる強度の不足,又は過
熱によって管が膨らむ現象。
tube swelling
4238
(チューブ)乱
れ
管相互の伸びの不均等,スペーサの損傷などによって
管の整列が乱れる現象。
tube disarrangement
4239
クリープ破断
材料がある応力の下でクリープを生じて破断する現
象。
クリープラ
プチャ
creep rupture
4240
クリープボイド
クリープ温度域での粒界破壊発生の核となる空孔。
注記 金属材料のクリーブ破壊は,温度の上昇,応力
の低下に伴い,粒内破壊から粒界破壊へと変化
する。粒界破壊は,クリープボイドの生成,成
長,合一結合,最終破断の過程から成る。
creep void
4241
熱疲労
熱応力の繰返しによって生じる疲労損傷。
注記 金属内又は金属間において,温度差が発生し,
その膨張差による変形が拘束されると,金属内
又は金属間に応力(熱応力)が生じる。
thermal stress
fatigue
30
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4242
クリープ疲労重
畳
クリープと熱疲労とが同時に作用し,相互に影響し合
うこと。
注記 従来,クリープと熱疲労とは,強度現象として
は異なった性質のものであり,高温で使用され
る金属材料においては,クリープ又は疲労のい
ずれかに限られるという場合は非常に少なく,
両者の相互作用によって寿命が消費される。
creep fatigue
interaction
4243
低サイクル疲労
破壊に至るまでのひずみ繰返し回数(許容繰返し回
数)が少ない場合の疲労。
注記1 一般的には,繰返し回数104〜105回を境界と
し,破壊に至るまでの繰返し回数がそれより
少ないものをいう。
注記2 そのひずみの状態から塑性疲労ともいう。
low cycle fatigue
4244
高サイクル疲労
破壊に至るまでのひずみの繰返し回数(許容繰返し回
数)が多い場合の疲労。
注記 火力発電所の場合,タービン動翼の疲労などが
代表的な例である。
high cycle fatigue
4245
疲労限度
材料にある繰返し応力を作用させたとき,材料が永久
に破壊しない応力の限度。
注記 繰返し応力は,上限及び下限の絶対値が等しく
ない場合が多い。このような場合には,上限及
び下限の平均値を平均応力とし,その差の半分
を応力振幅として,両者の組合せによって疲労
限度を表示するものを疲労限度線図又は耐久限
度線図という。
fatigue limit
4246
寿命診断
材料の使用開始から,時間経過に伴って劣化し破壊す
るまでを寿命とする場合,現在までの寿命消費を推定
する診断。
life assessment,
life estimation
4247
余寿命診断
設備・材料の残された寿命を推定する診断。
remaining life
assessment
3) 溶接
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4301
アーク溶接
電気アークを熱源とする融接(JIS Z 3001-7参照)。
arc welding
4302
ガス溶接
溶接熱が燃料ガス又は燃料ガスの混合ガスと酸素の
燃焼火炎とで得られる融接(JIS Z 3001-1参照)。
gas welding
4303
イナートガスア
ーク溶接
ティグ溶接及びミグ溶接の総称(JIS Z 3001-7参照)。 不活性ガス
アーク溶接
inert gas shielded
arc welding
4304
シールドアーク
溶接
アーク及び溶着金属を保護媒質で大気から遮蔽しな
がら行うアーク溶接。
shielded arc welding
4305
抵抗溶接
溶接継手部に大電流を流し,ここに発生する抵抗熱に
よって加熱し,圧力を加えて行う溶接(JIS Z 3001-6
参照)。
注記 スポット溶接のように接合部を溶かして溶接す
る溶融接合の方法と,アプセット溶接のように
溶かさない固相接合の方法とに分かれる。
resistance welding
4306
自動アーク溶接
溶接ワイヤの送りが自動的にでき,連続的に溶接が進
行する装置を用いて行うアーク溶接。
automatic arc
welding
31
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4307
手溶接
溶接棒ホルダ,溶接ガン又はトーチを手動で操作して
行う溶接(JIS Z 3001-1参照)。
注記 抵抗溶接は除く。
manual welding,
hand welding
4308
シール溶接
流体の漏れを防ぐことだけを目的とする溶接(JIS Z
3001-1参照)。
漏れ止め溶
接
seal welding,
seal weld
4309
タック溶接
本溶接の前に,定められた位置に母材を保持するため
の断続的な位置決めのための溶接(JIS Z 3001-1参
照)。
注記 一時的溶接を含めて仮付溶接又は組立溶接とも
いう。
tack weld,
tack welding
4310
肉盛溶接
母材表面に硬化,耐食,補修,再生などの目的に応じ
た所要の組織及び寸法の金属などの層を加える溶接
(JIS Z 3001-1参照)。
cladding by welding,
overlaying
4311
開先加工
溶接性をよくするため,母材の縁に施す加工。
edge preparation
4312
余盛
突合せ継手で,母材表面から盛り上がった溶接金属
(JIS B 0190参照)。
weld reinforcement,
reinforcement of
weld
4313
スラグ巻込み
溶接金属に巻き込まれたスラグ(JIS Z 3001-4参照)。
注記 その形成状況によって,線状,孤立状,群れ状
などがある。
slag inclusion
4314
ブローホール
溶接金属中に生じる球状の空洞(JIS Z 3001-4参照)。
gas pore,
blow hole
4315
アンダカット
母材又は既溶接の上に溶接して生じた止端の溝(JIS Z
3001-4参照)。
undercut
4316
溶込み
母材の溶けた部分の最頂点と,溶接中に母材又は前の
溶接層で溶けた範囲の先端位置との距離(JIS Z
3001-1参照)。
penetration,
weld penetration,
fusion penetration,
penetration depth of
fusion
4317
ピーニング
特殊なハンマなどで溶接部を連続的に打撃して,表面
層に塑性変形を与える操作。
注記1 表面層の引張残留応力緩和の目的でも使用さ
れる。
注記2 JIS Z 3001-1の定義を一部変更している。
peening
4318
ビード
1回の溶接パスによって作られる結果としての1回分
の溶接部又は溶接金属(JIS Z 3001-7参照)。
溶接ビード bead
4319
ルート
溶接の断面で見た場合の溶着金属の底と母材との交
点。
root of weld
4320
後熱
(ごねつ)
溶接部,ガス切断部などに後から熱を加える作業(JIS
Z 3001-7参照)。
postheating
4321
溶接後熱処理
溶接,はんだ付,ろう付,溶射又は切断後に組み立て
た溶接構造物を加熱する処理(JIS Z 3001-1参照)。
注記 代表的な溶接後熱処理として,応力除去熱処理
がある。
post weld heat
treatment
32
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4322
裏当て
開先溶接において,片面から溶接施工するため又は溶
落ち,欠陥の発生などを防止するために,開先の底部
に裏から当てる金属板又は粒状フラックス。
注記1 金属板であって母材とともに溶接される場合
は,裏当て金ともいう。
注記2 JIS Z 3001-7の定義を一部変更している。
backing,
backing ring,
backing strip,
backing metal
4323
インサートリン
グ
管内に突起部分ができないように,接合する部材の隙
間に差し入れるリング状部材。
insert ring
4324
予熱
溶接に先立って部材の適切な範囲を加熱する作業
(JIS Z 3001-7参照)。
preheating
4) 保温・保冷
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4401
耐火れんが
炉壁その他高温で使用する構造物の構築に適する
種々の形をもった耐火物。
注記 JIS R 2001の定義を一部変更している。
firebrick,
refractory brick
4402
耐火断熱れんが
熱伝導率の低い耐火れんが。
注記 JIS R 2001の定義を一部変更している。
insulating firebrick
4403
耐火モルタル
耐火れんがを積むときの目地材料。
注記1 その硬化の状態から,熱硬性,気硬性及び水
硬性の3種類の耐火モルタルに分類される。
JIS R 2501を参照。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
refractory mortar,
refractory cement
4404
キャスタブル耐
火物
耐火性骨材及び硬化剤を混合した粉体の耐火物。
注記1 水和性又は化学結合をもち,鋳込み,振動,
突き固め,ラミング等種々の形式で施工され
る。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
castable refractory
4405
プラスチック耐
火物
耐火性骨材に可塑性のある材料を加え,さらに,適量
の水を混ぜてねり土状にした耐火物。
注記1 比較的低温で硬化させるように化学薬品を添
加したものもある。
注記2 JIS R 2001の定義を一部変更している。
plastic refractory,
moldable refractory
4406
目地材
(めじざい)
れんがを積む場合に,れんが間を結合するために使用
する材料。
注記 モルタルなどが用いられる。
bond
4407
保温材,
保温材料
保温とは常温以上,約1 000 ℃以下の物体を被覆し熱
放散を少なくすること,又は被覆後の表面温度を低下
させることをいい,保温の目的を果たすために使用さ
れる材料。
注記1 無機多孔質及び繊維質材料が使用される。
注記2 工業分野で主として呼称する。
注記3 JIS A 0202の定義を一部変更している。
hot insulation
material,
thermal insulating
material
4408
保温工事
高温部から低温部への熱の放散を防止するために保
温材,外装板などで外面を包む工事。
hot insulation work
4409
外装板
保温材などの表面を囲んで,それらの損傷を防止する
ための外被。
outer jacketing
lagging
33
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4410
防湿材
保冷用保温材への湿気の侵入を防止するための水分
の透過を少なくする材料。
注記 JIS A 0202を参考に定義した。
vapor barrier
retarder,
vapor barrier
4411
保冷工事
外気から低温部への熱の侵入を防止するために保冷
用保温材,防湿材,外装板などで外面を包む工事。
cold insulation work
e) 建設
1) 立地調査
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5101
地質調査
発電所立地点の岩石,地層の種類及びそれらの分布状
態についての調査。
注記 工事の設計・施工の資料とする。
geological survey
5102
深浅調査
(しんせんちょ
うさ)
海洋,河川,湖沼などで水面以下の深さの測定。
注記 この測定の結果で深浅図を作成する。
soundings
5103
水理実験
水の流動特性を究明するための模型による実験。
hydraulics model test
5104
ボーリング
地質調査,さく井などのための地盤せん孔作業。
注記1 ビットに回転及び推力を与えて地盤又は構築
物にあな(孔)をあけること。
注記2 JIS M 0103を参考に定義した。
試すい,
せん孔,
さく孔
boring,
drilling
5105
載荷試験
積荷板,試験ぐい,ピアー又は既に施工された構造物
のはり(梁)などに一時的に静的荷重を加えて,載荷
重と沈下又は変形との関係を求め,地盤,くい,ピア
ーの支持力,はり(梁)などの安定性を調査する試験。
load test
5106
土質試験
土の物理的及び力学的性質を求める試験。
soil test
5107
沈下量
地盤,盛土又は構造物のある点が,種々の原因で鉛直
方向に下がる変位量。
settlement
5108
地盤係数
地盤上に直径30 cm又は75 cmの鋼板を介して圧力を
加えたときの,圧力に対する地盤の変位量の割合。
modulus of
subgrade reaction
5109
風力係数
構造物の形状に応じて決まる係数で,物体の風方向の
投影面積をA,風荷重をW,風速をV,空気密度をρ
とし,W/Aを次の式で表したときのCの値。
2
2
1V
Cρ
A
W=
注記 JIS B 8830を参考に定義した。
force coefficient,
coefficient of wind
force
5110
水平震度
構造物に作用する水平方向の加速度。
horizontal seismic
coefficient
5111
許容支持力
地盤のせん断破壊又は沈下によって,その上部構造物
に被害が生じない範囲で許容できる最大の地盤の耐
力。
allowable bearing
capacity
5112
既往最高潮位
既往の潮位のうちで最高の潮位。
HHWL
highest high water
level
5113
既往最低潮位
既往の潮位のうちで最低の潮位。
LLWL
lowest low water
level
5114
基本水準面
地理調査所の水準標準と周辺海面の潮位とから算定
した最低潮位面。
datum plane for
sounding
34
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5115
工事用基準面
港湾又は海岸工事の高さの基準となる水面。
注記 港湾区域内では基本水準面と一致させる。
datum plane for
construction
5116
設計潮位
構造物の設計上の最高及び最低の潮位。
seawater level for
design
5117
東京湾平均海面
東京湾の海面を明治6年から明治12年までの間,東
京湾霊岸島で測定した結果から定めた中等潮位で,我
が国の水準測量の基準面。
TP
mean sea level of
Tokyo Bay
2) 工程
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5201
工事期間
着工から営業運転開始までの期間。
工期
construction period
5202
工事計画
電気工作物の設置又は変更に要する工事についての
計画。
construction plan
5203
着工
工事に着手する時期。
注記 通常,現地の土木工事着手をいう。
construction work
starting
5204
くい打ち
上部構造物の荷重を支える木ぐい,コンクリートくい
などを地盤の支持層まで打ち込む作業。
piling
5205
立柱
ボイラ据付け工事上の工程で,建屋,ボイラなどの柱
を立てる時期。
column setting up
5206
ドラム揚げ
ボイラ据付け工事上の工程で,ボイラドラムをボイラ
鉄骨上につり揚げ,据え付ける時期。
drum lifting
5207
ヘッダ揚げ
ボイラ据付け工事上の工程で,ボイラヘッダをボイラ
鉄骨上につり揚げ,据え付ける時期。
header lifting
5208
タービンオンべ
ース
タービン据付け工事上の工程で,タービンを基礎上に
据え付ける時期。
タービンオ
ンベッド
turbine on base
5209
溶接検査
溶接作業が良好な条件の下で行われ,その結果が良好
であり,使用しても保安上支障がないかどうかを確認
するための検査。
welding inspection
5210
(建設)受電
建設工事上の工程で,補機試運転に必要な電力を他の
電源系統から初めて受ける時期。
initial power
receiving,
initial back-feed
5211
漏えい試験
圧力容器などの漏えいの有無について,水圧,空気圧
などによって行う試験。
リークテス
ト
leak test
5212
耐電圧試験
電力用機器に対して,定められた電圧を加えて絶縁物
が破壊しないことを確かめる試験。
(site) power
frequency
withstand test,
high potential test
5213
火入れ
ボイラ据付け中の工程で,最初に火炉内で燃料を点火
燃焼させる時期。
initial firing
5214
(ガスタービ
ン)点火
ガスタービン据付け中の工程で,最初に燃料を点火燃
焼させる時期。
注記 JIS B 8040を参考に定義した。
(ガスター
ビン)着火
ignition
5215
初通気
タービン据付け中の工程で,最初にタービンケーシン
グ内に蒸気を入れる時期。
通気
first steaming to
turbine,
(initial roll)
5216
試験使用
使用前自主検査の完了前に外部系統に並列して行う
運転。
trial operation
35
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5217
運転開始
発電設備の営業運転開始。
運開
commencement of
commercial
operation
3) 据付け
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5301
輸送限界
鉄道及び道路の輸送物に対して質量,高さ,幅などに
ついて決められた一定の制限値。
transportation limit
5302
据付け荷重
据付け時の機器の荷重。
installed load
5303
つり上げ荷重
つり上げ対象機器及びその運搬用器具を含めた質量。
lifting load
5304
アンカフレーム
基礎ボルトなどの設定位置を固定するためのコンク
リート内に埋め込まれる鋼製枠。
anchor frame
5305
パッカ設定
機器据付け基礎面の微小調整を行う作業。
注記 調整後,基礎板及び/又は共通床板の下にモル
タルを詰める。
packer setting
5306
テンプレート
機器の基礎ボルトの正確な位置を設定するために設
けられた鋼製の形板又は形枠。
template
5307
グラウト
据付け機器の基礎と基礎板,共通床板などとの間の隙
間をなくすように流し込む軟らかいモルタル。
grout
5308
芯合せ,
心合せ
2台以上の回転機器を組み合わせるとき,軸のたわみ,
熱膨張,軸受荷重の適正な配分などを考慮しながら相
互の回転中心線が一致するように機器を配列する作
業。
アラインメ
ント,
アライメン
ト
alignment
5309
芯出し,
心出し
2台の回転機器を結合するとき,軸継手面の平行及び
偏心を調整する作業。
センタリン
グ
centering
5310
ギャップ調整
タービン,発電機,補機などの回転機器で,静止部と
回転体との隙間を適切な値にする調整作業。
gap adjustment
f)
土木・建築
1) 建物
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6101
本館
ボイラ,タービン,発電機などの主要機器を収容した
建物。
main station
building
6102
サービスビル
発電所内の管理部門を収容した建物。
service building,
administration
building
6103
ボイラ室
本館内で,ボイラ及びボイラ補機を収容した部分。
boiler room
6104
タービン室
本館内で,タービン,発電機及びその補機を収容した
部分。
turbine room
6105
中央制御室
発電用の諸機械を集中管理制御する室。
中央操作室 main control room
36
B 0130:2019
2) 基礎
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6201
くい基礎
くいを打設して作った基礎。
注記 木ぐい,鉄筋コンクリートぐい,鋼ぐいなどに
よる既製くい基礎と,現場でその位置に削孔し
てコンクリートを打ち込むことによって作られ
る場所打ちコンクリートぐい基礎とがある。
pile foundation
6202
ケーソン基礎
地盤を掘削しながら中空の筒を支持層まで沈めて作
った基礎。
注記 空気ケーソン基礎,井筒基礎などがある。
caisson foundation
6203
フーチング基礎
上部構造の荷重をフーチングによって地盤,くいなど
に伝える基礎。
注記 独立,複合及び連続したものがある。
footing foundation
6204
べた基礎
上部構造の広範囲な面積内の荷重を,単一の基礎スラ
ブで地盤,くいなどに伝える基礎。
mat foundation
6205
地盤改良
地盤の支持力の増大,沈下の抑制を目的とした,土の
締固め,脱水,固結,置換などの処置。
注記 砂ぐい工法,注入工法,置換工法などがある。
soil improvement,
soil stabilization
6206
標準貫入試験
質量63.5 kgの標準ハンマを75 cmの高さから自由落
下させ,標準貫入試験用サンプラを30 cm打ち込むの
に要する打撃数を測定し,土層の硬軟を調べる試験。
standard penetration
test
6207
不等沈下
構造物の基礎面下の地盤沈下量が,場所によって差が
あるような沈下。
differential
settlement,
uneven settlement
6208
直接基礎
上部構造物の荷重を,くい・ケーソンを用いないで,
構造物底面によって直接地盤に伝える基礎。
spread foundation
3) 港湾設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6301
岸壁
船舶が接岸係留して,荷役を行うふ頭。
注記 揚油岸壁,揚炭岸壁及び荷揚岸壁がある。
quay wall
6302
桟橋
水中に立てられた支柱上にはり(梁)と桁とを渡し,
その上に床を張って設置された係船用施設。
注記 揚油桟橋,揚炭桟橋及びLNGバースがある。
pier
6303
シーバース
沖合の水深の大きい場所に設置された係船用施設。
sea berth
6304
ドルフィン
船舶の係留及び回転操作用としてふ頭に設置される
構造物。
注記 構造形式は,可とう形と剛体形との二つに大別
される。
dolphin
6305
ブイ
航路標識用及び係船用に用いる水面に浮かぶ構造物。
注記 1点係留ブイ,多点係留ブイなどがある。
buoy
6306
係船柱
船舶の係留用引綱を支持する柱。
mooring post
6307
護岸
河岸又は堤防を流水による浸食から保護するために,
それらの法面及び/又は脚部の表面に施す工作物。
revetment,
bulkhead
6308
防砂堤
沿岸漂砂の堆積を阻止する砂止めの機能をもつ堤防。
注記 防波堤を兼用することもある。
groin
6309
導流堤
火力発電所の温排水を,海・河川などに放流する場合,
水流を誘導する堤防。
guide wall
37
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6310
防潮堤
高潮の浸入を防止し,堤内沿岸の地域を防護する堤
防。
tide wall
6311
防波堤
外海の波から港を遮蔽する堤防。
breakwater
g) 諸設備
1) クレーン及び空気圧縮機
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7101
天井クレーン
走行サドルによって軌道に直接支持された橋桁ガー
ダをもつクレーン(JIS B 0146-1参照)。
bridge crane,
overhead traveling
crane
7102
橋形クレーン
軌道上の脚の上側に支持されたガーダをもつクレー
ン(JIS B 0146-1参照)。
portal bridge crane,
gantry crane
7103
ジブクレーン
ジブ又はジブに沿って走るトロリからつり下げられ
たつり具をもつクレーンのうち,移動式クレーン,タ
ワークレーン,鉄道クレーン,浮きクレーン及びオフ
ショアクレーンを除くクレーン(JIS B 0146-1参照)。
注記1 腕は水平片持ばりのもの,傾斜して取り付け
るものなどがある。
注記2 つち形,高脚形,塔形などがある。
jib crane
7104
ホイスト
単体のユニットとして作られた横行駆動装置をもつ
(又はもたない)巻上げ機構(JIS B 0146-1参照)。
hoist
7105
空気圧縮機
ロータの回転運動又はピストンの往復運動によって
空気を圧送する機械。
注記1 所内用,制御用,スートブロア用などに用い
る。
注記2 JIS B 0142を参考に定義した。
コンプレッ
サ
air compressor
7106
オイルレス空気
圧縮機
シリンダ潤滑油を必要としない往復式空気圧縮機。
注記 圧縮した空気中に油が混入しないので,主とし
て計器用及び制御用に用いる。
oilless air
compressor,
oilfree air
compressor
7107
空気だめ
圧縮空気を一時ためておく容器。
air receiver,
reserver tank
7108
除湿装置
圧縮空気中の水分を除去する装置。
注記 主として計器用及び制御用に用いる。
dehumidifier,
air dryer
7109
フィルタ
圧縮空気中の油脂分,ちり,ほこりなどを除去する設
備又は部品。
注記 主として計器用及び制御用に用いる。
エアクリー
ナ
air cleaner
2) 非常用電源設備及び所内通信設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7201
非常用電源装置
発電所の常用電源が喪失した場合,所内非常用電力の
供給を目的とした電源装置。
emergency electric
supply unit
38
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7202
非常用ディーゼ
ル発電機
発電所の非常用電力の供給を目的としたディーゼル
機関によって駆動される交流発電機。
注記 一般に,所内電源が喪失した場合,ユニットの
安全停止などのための補機,発電所の防災設備
などに電力を供給する。
emergency diesel
generator
7203
非常用ガスター
ビン発電機
発電所の非常用電力の供給を目的としたガスタービ
ンによって駆動される交流発電機。
注記 一般に,所内電源が喪失した場合速やかにユニ
ットを再起動するための補機に電力を供給す
る。
emergency gas
turbine generator
7204
蓄電池
充電して繰り返して使用できる電池。
注記 一般に,無停電電源として整流器と組み合わせ
て制御用電源に用いられるほか,所内電源が喪
失した場合にユニットを安全に停止するための
直流電源。
バッテリ
storage battery
7205
ページング装置
発電所内の連絡及び一斉呼出し用の通話装置。
注記 保安通信にも使用する。
paging system
7206
ハンドセット
ページング装置の送受話器。
hand set
7207
無停電電源装置
コンピュータ,制御機器などに安定した電源を供給す
る装置。
UPS,
CVCF
uninterruptible
power supply unit
3) 防災設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7301
地震計
地震動を自動的に記録する計器。
注記 水平及び垂直の各方向について,変位,速度及
び/又は加速度を記録するものがある。
seismograph,
seismometer
7302
感震計
地震の加速度を検出し,加速度がある一定値を超える
と警報又は制御信号を発する装置。
注記 水平又は垂直の各方向専用のものがある。
acceleration
seismograph
apparatus
7303
避雷針
落雷を避けるため屋上などに立てる金属の棒。
注記 導線で地下に埋めた金属板につな(繋)いであ
り,空中電気を安全に地中に流す。
lightning conductor,
lightning rod
7304
消火栓
消火活動に必要な水を供給するための設備。
注記 屋内消火栓と屋外消火栓とがある。
fire hydrant
7305
不活性ガス消火
設備
不活性ガス(窒素,アルゴン及び二酸化炭素)の酸素
希釈作用及び吸熱作用によって消火する設備。
inert gas
extinguishing
system
7306
スプリンクラ設
備
天井などへの固定配管上にスプリンクラヘッドを配
置し,火災が発生して温度が上昇するとスプリンクラ
ヘッドの可溶部が溶解又は破壊して配管中に常時加
圧されている水を放水し,自動的に消火を行う設備。
sprinkler system
7307
水噴霧消火設備
(みずふんむし
ょうかせつび)
特殊ノズルを用いて火点一帯に水を噴霧し,水の蒸発
潜熱で冷却するとともに空気を遮断する方式の消火
設備。
water spray
extinguishing
system
7308
ドレンチャ設備
延焼防止のため,被保護物の周囲又は上に水の噴出口
を設け,被保護物全体を水幕で包み,空気を遮断する
方式の防火設備。
drencher for fire
protection
39
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7309
泡消火設備
化学的発泡性消火薬剤を用い,泡で空気を遮断して消
火する設備。
foam extinguishing
system
7310
粉末消火設備
熱せられると二酸化炭素を発生する化学的粉末薬剤
を用い,空気を遮断して消火する設備。
dry chemical
extinguishing
system
7311
ハロゲン化物消
火設備
ハロゲン化物の燃焼抑制作用によって消火する設備。
halogenide
extinguishing
system
7312
航空障害灯
障害物があることを認識させるため,法令の規制に従
い,地表又は水面上60 m以上の高さの建造物に設置
しなければならない灯火。
注記 条件によって設置を免除される場合もある。
air obstruction light
7313
昼間障害標識
障害物があることを認識させるため,法令の規制に従
い,地表又は水面上60 m以上の高さの建造物に設置
しなければならないもので,赤と白,又は黄赤と白と
で交互に塗色した標識。
注記 条件によって設置を免除される場合もある。
air obstruction mark
7314
可燃性ガス検知
装置
ガス,原油燃焼などを行う場合に,爆発及び引火事故
を防止するために用いる漏れガスの検知機器(JIS B
0126参照)。
explosive gas
detector,
flammable gas
detector
7315
自動火災報知設
備
火災によって発生する熱及び/又は煙を自動的に検
知し,警報ベルなどで火災を報知する設備。
自火報設備 fire alarm system
7316
防潮扉
高潮の浸入を防止するため要所に設置する扉。
tide gate
7317
防油堤
コンクリート,れんが又は土えん堤で油の流出を防ぐ
隔壁。
oil retaining wall
7318
流出油防止堤
(りゅうしゅつ
ゆぼうしてい)
鉄筋コンクリート又は土で造られ,防油堤の外に設け
防油堤から油の流出を防ぐ隔壁。
effluent oil block
embankment
7319
消火用屋外給水
施設
消防車が放水する水を供給する屋外の施設。
outdoor water
facilities for
fire-fighting
7320
防爆仕様
爆発性雰囲気の中で使用できる電気機器の形式仕様
であり,爆発性雰囲気の種類と適応する防爆構造との
組合せで規定され,専門認定機関で認定されたもの。
注記1 防爆仕様は電気機器の防爆構造,対応する爆
発性雰囲気のグループ及び温度等級によって
規定される。JIS C 60079-0,JIS C 60079-6及
びJIS C 60079-11を参照。
注記2 防爆構造には,耐圧防爆,内圧防爆,油入防
爆,安全増防爆,本質安全防爆などの種類が
ある。JIS C 60079-0,JIS C 60079-6及びJIS C
60079-11を参照。
specification of
explosion
protection
7321
消火器
消火剤をガスの圧力で噴射する携帯又は可搬式の機
械式消火器具で,消防法に定める形式承認,検定を受
けたもの。
注記 加圧式と蓄圧式との2種類があり,また,消火
剤の種類によって,粉末系消火器,水系消火器,
泡消火器及びガス系消火器に大別される。
portable fire
extinguisher
40
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7322
ABC粉末消火
器
粉末系消火器の一種で,[A火災(普通火災)]・[B火
災(油火災)]・[C火災(電気火災)]に使用できる消
火器。
注記1 消火器として最も汎用。
注記2 粉末状のりん酸塩類を主成分とした微粒子が
入っており,ガスの圧力によって噴射させる。
ABC dry chemical
extinguisher
4) 騒音・振動防止設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7401
騒音防止装置
騒音を防止するための装置(JIS B 8530参照)。
noise control
equipment
7402
遮音装置
音のエネルギーを反射させる装置(JIS B 8530参照)。
noise insulation
equipment
7403
消音器
気体の吸込み・吐出しのときに発生する騒音を減少さ
せる装置。
注記 JIS B 0127の定義を一部変更している。
サイレンサ silencer,
muffler
7404
振動防止装置
振動を防止するための装置(JIS B 8530参照)。
防振装置
vibration control
equipment
7405
吸音装置
音のエネルギーを吸収する装置(JIS B 8530参照)。
noise absorption
equipment
7406
振動絶縁装置
振動エネルギーを反射させる装置(JIS B 8530参照)。
vibration isolation
equipment
7407
振動減衰装置
振動エネルギーを吸収する装置(JIS B 8530参照)。
注記 振動面に減衰材を付加し振動エネルギーを吸収
し,制振処理(ダンピング処理ともいう)する。
vibration damping
equipment
5) 排水処理設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7501
排水処理装置
排水を処理する装置(スラッジの処理装置を含む。)。
waste water
treatment
equipment
7502
総合排水処理装
置
給水装置排水,床ドレン水などの定常排水及び発電所
の水洗水である非定常排水を処理する装置。
注記 主として凝集沈殿,中和などの処理を行う。
synthetic waste
water treatment
equipment
7503
脱硫排水処理装
置
排煙脱硫装置の排水を処理する装置。
注記 主としてふっ素,SS及びCOD処理を行う。
waste water
treatment
equipment for
flue gas
desulfurization
7504
含油排水処理装
置
油タンクなどからの油分を含む排水を分離処理する
装置。
waste water
treatment
equipment for oil
bearing water
41
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7505
揚運貯炭場排水
処理装置
揚運炭設備の機器洗浄水及び貯炭ヤード排水を処理
する装置。
注記 主として沈殿ろ過処理を行う。
waste water
treatment
equipment for
coal handling
system and
drainage of coal
storage yard
7506
灰処理排水処理
装置
灰処理装置の排水を処理する装置。
waste water
treatment
equipment for ash
handling system
7507
生活排水処理装
置
サービスビルなどからの生活排水を処理する浄化槽
装置。
sewage treatment
equipment
7508
固液分離装置
排水又は汚泥中の固形物又は浮遊物質を除去する装
置(油分を除去する装置を含む。)。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
solid-liquid
separator
7509
スクリーン
固形物及び浮遊物質を平行棒,格子,網,有孔板など
によって分離する装置(JIS B 8530参照)。
注記 バースクリーン,回転スクリーン,ストレーナ,
振動スクリーンなどがある。
screening equipment
7510
沈降分離装置
排水又は汚泥中の固形物及び浮遊物質を重力によっ
て沈降分離又は濃縮する装置(凝集作用を利用する装
置を含む。)。
注記1 沈砂池,自然沈殿池,凝集沈殿池,濃縮槽な
どがある。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
precipitation
equipment
7511
濃縮槽
スラッジを重力分離によって濃縮する槽。
シックナ
thickener
7512
浮上分離装置
排水又は汚泥中の油分又は浮遊物質を比重差によっ
て浮上分離する装置。
注記1 自然浮上分離装置と強制浮上分離装置とがあ
る。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している
floatation equipment
7513
油水分離装置
排水中の油分を分離する装置。
注記 API式油水分離装置,CPI式油水分離装置など
がある。
oil separator
7514
オイルスキマ
排水中の表面に浮上する油分をすくい取る装置。
oil skimmer
7515
除濁装置
排水の濁度成分を凝集沈殿,ろ過などを行って除去す
る装置。
注記 JIS B 0127の定義を一部変更している。
clarifier
7516
凝集沈殿装置
排水に凝集剤を加えて微細懸濁物質及びコロイド状
物質を水酸化アルミニウムなどのフロックに吸着さ
せ,これを沈殿させて濁度成分を除去する装置。
注記1 フロックとは,凝集によって生じる(独立し
た粒子とみなし得るような)粒子集合体。
注記2 JIS B 0127の定義を一部変更している。
coagulator
7517
ろ過装置
排水中の浮遊物質をろ材によってろ過分離する装置。
注記 緩速ろ過機,急速ろ過機,プレコートろ過機な
どがある。
filtration equipment
for clarifying
42
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7518
脱水装置
スラッジ中の水分を減圧又は加圧によって,ろ過又は
ろ板を介して分離する装置。
注記 ベルトプレス脱水機,加圧脱水機,真空脱水機,
絞り加圧脱水機などがある。
filtration equipment
for dewatering
7519
遠心分離装置
排水又は汚泥中の固形物,浮遊物質,油分などを遠心
力によって分離する装置。
注記1 サイクロン形遠心分離機,分離板形遠心分離
機,円筒形遠心分離機,デカンタ形遠心分離
機などがある。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
centrifugal separator
7520
物理化学的処理
装置
物理現象又は化学反応若しくはその両方を併用する
排水処理装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
physical and
chemical
treatment
equipment
7521
pH調整装置
排水のpHを調整する装置(中和装置を含む。)。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
pH controlling
equipment
7522
酸化還元装置
排水中の物質を酸化又は還元処理する装置。
注記1 処理には,酸化剤,還元剤,電気分解法,紫
外線などが使用される。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
oxidation-reduction
equipment
7523
吸着装置
排水中の物質を吸着材を用いて除去する装置。
注記1 吸着材には活性炭,けい(珪)藻土,活性白
土,活性アルミナなどがある。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
absorber
7524
イオン交換装置
排水中の物質をイオン交換材を用いて除去する装置。
注記1 イオン交換材には,陽イオン又は陰イオン交
換樹脂,ゼオライト樹脂,キレート樹脂など
を用いる。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
ion exchange
equipment
7525
軟化装置
イオン交換樹脂などによって,排水中に含まれるカル
シウム,マグネシウムなどの成分を除去する装置。
注記 JIS B 0127の定義を一部変更している。
軟水装置
softener
7526
電気透析装置
排水中の物質をイオン交換膜を通して電気的に移動
させ,分離する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
electrodialyzer
7527
逆浸透装置
排水中の溶存物質を半透膜を用いて,浸透圧以上に圧
力を加え,分離する装置。
注記1 ホローファイバ,スパイラル,プレートアン
ドフレーム,チューブラなどの方式がある。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
reverse osmosis
equipment
7528
限外ろ過装置
排水中の物質を半透膜を用いてろ過する装置。
注記1 逆浸透装置と異なり電離物質,低分子物質及
び電離とコロイド領域との境界付近の微細小
物質までろ過して除去することはできない。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
ultrafilter
7529
脱気装置
排水中の溶存ガスを除去する装置。
注記1 酸素,二酸化炭素,アンモニアなどの除去を
行う。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
degasifier
43
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7530
排水タンク
排水を蓄える槽。
waste water tank
7531
排水ポンプ
排水を送るポンプ。
waste water pump
7532
急速かくはん
(攪拌)槽
排水に凝集剤を加えてフロックを生成させるとき,そ
の生成速度を速めるためにかき混ぜる槽。
mixing tank for
coagulation
7533
消毒設備
排水中に塩素又は塩素化合物を注入して消毒を行う
設備。
disinfection
equipment
7534
生物化学的処理
装置
微生物の代謝作用を利用して排水を処理する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
biochemical
treatment
equipment
7535
活性汚泥処理装
置
排水に適応した活性汚泥を培養したばっ(曝)気槽内
に排水を流動接触させ,有機性排水を処理する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
activated sludge
process
equipment
7536
接触ばっ(曝)
気処理装置
生物膜を接触材に付着させた固定ろ床を排水中に浸
せき(漬)させてばっ(曝)気し,有機性排水を処理
する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
biological contact
aeration
equipment
7537
嫌気性消化装置
排水に適応した嫌気性微生物から成る汚泥を培養し
た消化槽に有機性濃度排水又は汚泥を混合,接触さ
せ,有機物をメタンと炭酸ガスとに分解して除去し,
排水又は汚泥を処理する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
anaerobic digester
7538
生物脱窒装置
排水に適応した硝化菌を培養した硝化槽で排水をば
っ(曝)気して流動接触させ,溶存するアンモニア性
窒素(NH4-N,NH3-N)を硝酸性窒素(NO3-N)及び
亜硝酸性窒素(NO2-N)まで酸化した後,脱窒菌を培
養した脱窒槽で流動接触させ,それらの窒素酸化物を
還元分解して窒素(N2)とし,排水中の窒素を除去す
る装置。
注記 JIS B 8530を参考に定義した。
biological
denitrification
equipment
7539
熱処理装置
排水又は汚泥を加熱又は冷却によって処理する装置
(蒸発及び凍結処理装置を含む。)。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
thermal treatment
equipment
7540
蒸発装置
排水を蒸発によって濃縮又は乾固する装置。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
evaporator
7541
加熱処理装置
排水又は汚泥を加熱して,酸化分解,加水分解,汚泥
の脱水性の改善などを行う装置。
注記1 湿式酸化装置と加熱調質装置とがある。
注記2 JIS B 8530の定義を一部変更している。
heat treatment
equipment
7542
加温冷却装置
排水又は汚泥を加温又は冷却することによって温度
を調節する装置(熱交換器などを含む。)。
注記 JIS B 8530の定義を一部変更している。
heating-cooling
equipment
6) 所内冷却水設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7601
冷却水冷却器
軸受冷却水などを冷却する熱交換器。
注記 冷却には,海水,河川水,冷却塔による循環冷
却水などを用いる。
cooling water heat
exchanger,
cooling water cooler
44
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7602
復水予熱器
発電機,冷却器などの冷却に用いた水で復水を予熱す
る熱交換器。
condensate
preheater
7603
冷却水タンク
軸受冷却水などをためておくための槽。
cooling water tank
7604
冷却水ヘッドタ
ンク
軸受冷却水などに水頭をもたせるために設けられる
槽。
cooling water head
tank
7605
軸受冷却水ポン
プ
軸受冷却水などを供給するポンプ。
bearing cooling
water pump,
auxiliary cooling
water pump
7606
海水ブースタポ
ンプ
冷却水を冷却する海水を昇圧して供給するポンプ。
海水昇圧ポ
ンプ
seawater booster
pump
7) 用水設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7701
深井戸
(ふかいど)
深層の地下水を揚水するための井戸。
deep well
7702
深井戸ポンプ
深層の地下水を揚水するポンプ。
deep well pump
7703
工業用水受入タ
ンク,
所内用水タンク
ボイラ用水,雑用水などの工業用水の一次受入貯蔵
槽。
工業用水受
入槽
industrial water
receive tank
7704
工業用水ポンプ,
所内用水ポンプ
工業用水受入タンクから給水処理装置に送水するポ
ンプ。
industrial water
pump
7705
市水受入タンク,
上水タンク,
飲料水タンク
主に水道水を貯蔵する槽。
注記 主として飲料用水に用いるが,発電用水用とし
て用いる場合もある。
city water tank,
potable water tank
7706
市水ポンプ,
上水移送ポンプ,
飲料水ポンプ
主に水道水を供給するポンプ。
city water feed
pump,
potable water pump
8) 冷却水取水・放水設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7801
取水口
冷却水としての海水又は河川水の取入れ口。
intake
7802
取水路
冷却水の取水用水路。
inlet channel
7803
取水槽,
取水ピット
冷却水の取水用水槽。
吸込水槽
intake chamber,
intake pump pit
7804
沈砂池
(ちんさち)
主として吸込水槽の上流側に設け,水中に含まれる
土,砂,れきなどを流速を落とすことによって沈殿さ
せるための池(JIS B 0131参照)。
sand basin
7805
放水路
冷却水を海又は河川へ放出するための水路。
discharge channel
7806
放水口
冷却水を海又は河川へ放出する場所。
outlet
45
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7807
冷却塔
大気との熱交換によって冷却水を冷却する装置。
注記1 熱交換の方式によって,乾式(伝熱管を介す)
及び湿式(直接接触)があり,通風方式によ
って,強制通風式及び自然通風式がある。
注記2 冷却空気と冷却水との互いの流れ方向の関係
から,向流式及び直交流式がある。
注記3 JIS B 0127の定義を一部変更している。
クーリング
タワー
cooling tower
7808
冷却池
池の表面から大気への蒸発によって冷却水の冷却を
行う池。
注記 噴水式のものもある。
cooling pond
7809
取水口スクリー
ン
水中の大形浮遊物が,ポンプ内に流入するのを防ぐた
めに,取水口に設ける格子状の設備。
注記 バースクリーン,ロータリスクリーンなどがあ
る。
intake screen
7810
スクリーン洗浄
ポンプ
ロータリスクリーンに付着したごみなどに水を吹き
付け洗い落とすためのポンプ。
screen wash pump
7811
取水口クレーン
取水設備の点検及び清掃のために使用するクレーン。 インテーク
クレーン
intake crane
7812
塩素注入装置
復水器冷却管などの腐食,汚れ及び詰まりの原因とな
る貝・藻類の繁殖を防止するために,冷却水に微量の
塩素又は次亜塩素酸ソーダを注入する装置。
chlorination
equipment
7813
海水電解装置
復水器冷却管などの腐食,汚れ及び詰まりの原因とな
る貝・藻類の繁殖を防止するために,海水から電気分
解によって塩素を発生させ,次亜塩素酸ソーダを生成
して冷却水に注入する装置。
electrochlorination
equipment
7814
スクリーン防食
装置
冷却用海水によるスクリーンの電食を防止するため
の外部電源などによる防食装置。
galvanic protection
equipment,
cathodic protection
equipment
7815
カーテンウォー
ル
温度が低い深層海水を取水するための取水口前面に
設けた上部海水遮断用の壁。
curtain wall
7816
深層取水
冷却水として,カーテンウォール又は深層に取水口を
もった管による温度が低い海水の取水。
deep water intake
h) その他
1) 測定試験装置
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8101
圧力計試験器
圧力計の校正を行うための器具。
pressure gauge tester
8102
化学天びん(秤) 化学分析,化学実験で質量の測定に用いる天びん
(秤)。
chemical balance
8103
比重瓶
比重を測定する器具。
pycnometer
8104
比重浮ひょう
(秤)
ガラス管の下部に水銀,小さい鉛球などを入れ,液中
に直立させて比重を測定する計器。
hydrometer
8105
光高温計
高温物質が発する光の強さと一定の発光体との光度
を比較して,温度を測定する計器。
optical pyrometer
8106
放射高温計
測定対象からの放射熱をサーモパイルに受けて温度
を測定する計器。
radiation pyrometer
46
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8107
ベックマン温度
計
ベックマンが考案した小さい温度変化を極めて精密
に測る水銀温度計。
Beckmann
thermometer
8108
粘度計
液体の粘度を測定する計器。
viscosimeter,
viscometer
8109
比色計
着色溶液の色の濃淡を測定比較する器具。
colorimeter
8110
断熱熱量計
測定中に起こる外界との熱の出入を遮断し,燃料の発
熱量を測定する装置。
adiabatic
calorimeter
8111
引火点測定器
石油類のような可燃性液体の引火点を測定する装置。
flashing point tester
8112
オルザットガス
分析器
1個のビュレットと数個のガスピペットとから構成さ
れる携帯用ガス分析器。
注記 吸引法によって気体混合物中の二酸化炭素,酸
素,一酸化炭素及び窒素の含有量を測定する。
Orsat analyzing
apparatus
8113
燃焼式ガス分析
計
ガスの燃焼による容積の変化又は発熱量を測定して,
そのガスの濃度を測定する計器。
fired gas analyzer
8114
赤外線ガス分析
計
特定のガスが赤外線を吸収する性質を利用して,特定
成分のガス分析を行う計器。
infrared gas
analyzer
8115
磁気式酸素分析
計
酸素ガスの磁化率が他のガスに比較して非常に大き
いことを利用して,混合ガス中の酸素を分析する計
器。
magnetic oxygen
meter
8116
質量分析計
被測定物質の分子をイオン化し,その質量の差を利用
し,一定質量のイオンを分離して混合ガスの成分を分
析する計器。
mass spectrometer
8117
ガスクロマトグ
ラフ
多成分ガスの各成分を吸着する際,吸収剤による吸着
吸収の能力の差を利用して成分ごとに分離し,成分を
測定する計器。
ガスクロマ
トグラフ装
置
gas chromatograph
8118
ばいじん量測定
器
主として煙道でばいじん濃度を測定する計器。
注記 光電式,ろ紙式,集じん式などがある。
dust content
measuring
instrument
8119
分光光度計
分光器によって波長分散されたスペクトルを測定す
る機器(JIS K 0212参照)。
注記 試料溶液に適切な波長の光を透過させ,その光
の透過量によって試料中の成分濃度を測定す
る。
spectrometer,
spectrophotometer
8120
原子吸光分析計
原子の蒸気層に適切な波長の光を透過させると,原子
が光を吸収する現象を利用して,原子の種類及び濃度
を測定する計器。
注記 JIS K 0121を参考に定義した。
原子吸光分
析装置
atomic absorption
photometer
8121
発光分光分析計
試料に適切な方法でエネルギーを与えて,蒸発,気化
及び励起発光をさせ,この光のスペクトルによって,
原子の種類及び濃度を測定する計器。
注記 JIS K 0116を参考に定義した。
発光分光分
析装置
emission
spectrophotometer
8122
イオン交換クロ
マトグラフ
固定相にイオン交換体を用い,イオン交換反応によっ
て試料溶液中のイオン種成分を分離し,イオンの種類
及び濃度を測定する計器。
注記 JIS K 0214を参考に定義した。
イオン交換
クロマトグ
ラフ装置
ion chromatograph,
ion exchange
chromatograph
8123
全硫黄酸化物測
定装置
気体中の二酸化硫黄,無水硫酸などの硫黄酸化物の全
量を測定する装置。
total sulfur oxide
measuring
instrument
47
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8124
二酸化硫黄自動
計測器
排ガス中の二酸化硫黄の濃度を自動連続測定する装
置。
注記 溶液導電率方式,赤外線吸収方式,紫外線吸収
方式,干渉分光方式などがある。
continuous analyzer
for sulfur dioxide
8125
窒素酸化物自動
計測器
排ガス中の窒素酸化物の濃度を自動連続測定する装
置。
注記 化学発光方式,赤外線吸収方式,紫外線吸収方
式,定電位電解方式などがある。
continuous analyzer
for oxides of
nitrogen
8126
酸素自動計測器
排ガス中の酸素の濃度を自動連続測定する装置。
注記 磁気式としては磁気風方式,磁気力方式(ダン
ベル形,圧力検出形),電気化学式としてはジル
コニア方式,電極方式などがある。
continuous analyzer
for oxygen
8127
超音波厚さ計
超音波を被試験材に与え,反射波を検出して厚さを測
定する計器。
ultrasonic
thicknessmeter
8128
硬さ試験機
金属材料などの硬さを測る装置。
hardness tester
8129
騒音計
騒音レベルを測定する計器。
sound level meter
8130
風向風速計
風向及び風速の瞬間値を測定する計器。
anemometer
8131
平均風速計
風速の一定時間内の連続平均値を測定する計器。
mean wind speed
meter
8132
百葉箱
(ひゃくようば
こ)
温度計,湿度計などを入れるため,地上1.5 mの高さ
の所に置かれた箱。
instrument screen
8133
潮位計
潮位を測定する計器。
tide gauge
2) 分析
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8201
灰中アルカリ率
石炭灰中に含まれる金属元素が燃焼過程において低
溶融塩を生成する可能性を表す比であり,灰中のアル
カリ性成分を酸性成分で除した値。
注記 この質量比が高いと低融点の酸化物及び複合塩
が形成されやすく,スラッギング性が高くなる。
alkaline rate in ash
8202
水分
一般に物質と水とが共存する場合,その中に含まれる
水分の割合。
注記1 固有水分,化合水分に分けられるが,単に水
分といった場合には固有水分を表し,規定の
温度に加熱乾燥したとき,その減量の試料に
対する百分率をもって水分とする。
注記2 石炭類及びコークス類の水分定量方法につい
ては,JIS M 8812を参照。
注記3 JIS Z 9211を参考に定義した。
moisture content
8203
灰分
(かいぶん,は
いぶん)
固体燃料及び液体燃料について,規定の温度及び方法
で加熱したとき,燃焼残量の試料に対する百分率。
注記1 石炭類及びコークス類の灰分定量方法につい
ては,JIS M 8812を参照。
注記2 JIS Z 9211の定義を一部変更している。
ash content
48
B 0130:2019
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8204
揮発分
固体燃料が燃焼する際,乾留されて気体となる成分。
注記1 試料を規定の温度に調整されている電気炉中
で規定時間加熱して定量する。
注記2 石炭類及びコークス類の揮発分定量方法につ
いては,JIS M 8812を参照。
注記3 JIS Z 9211を参考に定義した。
volatile matter
content
8205
固定炭素
固体燃料の工業分析での,水分,灰分及び揮発分から
次の式によって求められる値。
固定炭素(%)=100−[水分(%)+灰分(%)+揮発分
(%)]
注記1 石炭類及びコークス類の固定炭素質量分率算
出方法については,JIS M 8812を参照。
注記2 JIS Z 9211の定義を一部変更している。
fixed carbon content
8206
チャー
石炭を加熱した際に,軟化・溶融状態を経ないで生成
する炭素質物質(JIS M 0104参照)。
注記 石炭のガス化などの際に生成する炭素質残さも
チャーということがある。
char
49
B 0130:2019
参考文献 JIS A 0202 断熱用語
JIS B 0126 火力発電用語−ボイラ及び附属装置
JIS B 0127 火力発電用語−蒸気タービン及び附属装置並びに地熱発電設備
JIS B 0131 ターボポンプ用語
JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語
JIS B 0146-1 クレーン−用語−第1部:一般
JIS B 0190 圧力容器の構造に関する共通用語
JIS B 8040 ガスタービン及び附属装置−用語
JIS B 8121 コージェネレーションシステム用語
JIS B 8530 公害防止装置用語
JIS B 8830 クレーン−風荷重の評価
JIS C 60079-0 爆発性雰囲気−第0部:電気機器−一般要件
JIS C 60079-6 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第6部:油入防爆構造“o”
JIS C 60079-11 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第11部:本質安全防爆構造“i”
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0216 分析化学用語(環境部門)
JIS K 3600 バイオテクノロジー用語
JIS H 0400 電気めっき及び関連処理用語
JIS M 0103 ボーリング用機械・器具用語
JIS M 0104 石炭利用技術用語
JIS M 8812 石炭類及びコークス類−工業分析方法
JIS Q 14040 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み
JIS R 2001 耐火物用語
JIS R 2501 耐火モルタル
JIS T 1011 医用電気機器用語(共通編)
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-4 溶接用語−第4部:溶接不完全部
JIS Z 3001-6 溶接用語−第6部:抵抗溶接
JIS Z 3001-7 溶接用語−第7部:アーク溶接
JIS Z 8106 音響用語
JIS Z 8731 環境騒音の表示・測定方法
JIS Z 9211 エネルギー管理用語(その1)
IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications