B 0127:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語の分類 ······················································································································ 1
4 用語及び定義 ··················································································································· 2
B 0127:2012
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人火力
原子力発電技術協会(TENPES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS B 0127:2004は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
B 0127:2012
火力発電用語−
蒸気タービン及び附属装置並びに地熱発電設備
Glossary of terms for thermal power plant-Steam turbines
and auxiliary equipment of thermal and geothermal power plant
1
適用範囲
この規格は,火力発電で用いられる蒸気タービン及び附属装置,並びに地熱発電設備に関する用語につ
いて規定する。
注記 この規格の用語は,原子力発電用,コンバインドサイクル発電用,並びに一般産業用に使用し
ている蒸気タービン設備及び附属装置に適用してもよい。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0130 電気伝導率測定方法通則
JIS M 0102 鉱山用語
JIS Z 8802 pH測定方法
3
用語の分類
機器の類別などによって次のように分類する。
a) 蒸気タービン及び附属装置
1) 蒸気タービン
1.1) 種類及び形式
1.2) 構造
1.3) 附帯設備
1.4) 蒸気タービン一般
1.5) 性能及び試験
2) 復水装置
2.1) 種類及び形式
2.2) 構造
2.3) 附帯設備
2.4) 復水装置一般
2.5) 性能及び試験
3) 給水加熱装置
2
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3.1) 種類及び形式
3.2) 構造
3.3) 附帯設備
3.4) 給水加熱装置一般
3.5) 性能及び試験
4) 配管
4.1) 種類及び形式
4.2) 附帯設備
5) ボイラ給水ポンプ
5.1) 種類及び形式
5.2) 構造
5.3) 附帯設備
5.4) ボイラ給水ポンプ一般
5.5) 性能及び試験
6) 給水処理装置
6.1) 種類及び形式
6.2) 構造
6.3) 附帯設備
6.4) 給水処理装置一般
6.5) 性能及び試験
b) 地熱発電設備
1) 地熱発電一般
2) 坑井及び附属設備
3) タービン及び附属設備
4
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
なお,参考のために慣用語及び対応英語を示す。
注記 用語の一部に丸括弧( )を付けてある場合は,丸括弧の中の用字を含めた用語と,丸括弧の
中の用字を省略した用語との二通りあることを示す。
3
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a) 蒸気タービン及び附属装置
1) 蒸気タービン
1.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1101
蒸気タービン
適切に設けられた通路中で蒸気を連続的に膨張さ
せることによって,蒸気がもつ熱エネルギーを速度
エネルギーに変え,タービンロータを介して機械的
エネルギーとして取り出す原動機。
steam turbine
1102
復水タービン
タービンの排気を復水器で凝縮させて高真空を得
て,蒸気をタービン内で十分に低圧まで膨張させて
仕事をさせるタービン。
condensing turbine
1103
背圧タービン
排気圧力が大気圧力以上で,その排気を工場内蒸気
その他に利用するタービン。場合によっては,排気
を大気放出して運転することもある。
back pressure turbine
1104
抽気復水タービ
ン
タービンの中間段から,抽気加減弁で調圧した蒸気
を抽出し,これを工場用その他として利用する復水
タービン。
抽気タービン extraction condensing
turbine
1105
抽気背圧タービ
ン
タービンの中間段から,抽気加減弁で調圧した蒸気
を抽出し,この抽気及び排気を工場用その他として
利用するタービン。
extraction back
pressure turbine
1106
再生タービン
復水タービンの中間段から抽気をして,給水加熱器
によってボイラ給水を加熱して,サイクル効率を高
めたタービン。
regenerative cycle
turbine
1107
再熱タービン
膨張段の途中で蒸気を取り出し,再熱してタービン
へ戻し,更に膨張させるタービン。二つの異なる圧
力で再熱される2段再熱タービンもある。
リヒートター
ビン
reheat cycle turbine
1108
非再熱タービン
膨張段の途中で蒸気の再熱を行わないタービン。
non-reheat cycle
turbine
1109
超々臨界圧ター
ビン
蒸気圧力が超臨界圧力で運転されるタービンであ
って,特に圧力・温度が高い条件で運転されるター
ビン。
ultra supercritical
pressure turbine
1110
排気タービン
工場などから排出される低圧蒸気を利用するター
ビン。
exhaust steam turbine
1111
混圧タービン
圧力の異なった複数の蒸気を同一タービンに入れ
て仕事をさせるようにしたタービン。
mixed pressure turbine,
induction steam turbine
1112
衝動タービン
蒸気の圧力降下が主としてノズルで行われ,ノズル
から出る高速の蒸気の衝動力によってロータを回
転させるタービン。
impulse type turbine
1113
反動タービン
静翼で圧力を降下させて生じた蒸気速度の衝動力
を利用するだけでなく,動翼内でも圧力を降下さ
せ,主として反動力によってロータを回転させるタ
ービン。
reaction type turbine
1114
軸流タービン
蒸気が,タービン軸方向に配置した翼列に流れるタ
ービン。
axial flow turbine
1115
半径流タービン
蒸気が,タービン軸に直角な平面内で半径方向に配
置した翼列に流れるタービン。
複流タービン radial flow turbine
1116
軸流排気タービ
ン
排気蒸気が軸方向に流出するタービン。
axial exhaust flow
turbine
4
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1117
下方/上方排気
タービン
排気蒸気が下方/上方に流出するタービン。横方向
に流出する場合もある。
downward/upward
exhaust flow turbine
1118
高中圧対向流タ
ービン
タービン高圧部と中圧部の蒸気入口側を起点に対
向配置したタービン。互いの高温高圧部が近接し,
排気側に向かってロータ及びケーシングが一様に
熱伸びする構造。
turbine with opposed
flow of high and
intermediate
pressure parts
1119
単流タービン
主として,低圧タービンで,蒸気が一方向の翼列に
だけ流れるタービン。
single flow turbine
1120
複流タービン
主として,低圧タービンの中央に送り込まれた蒸気
が両側の翼列へ流れるタービン。低圧端を3分する
“三流”,4分する“四流”などの場合は,“複流”
をこれらの用語に読み替える。
double-flow turbine
1121
単車室タービン
一つのケーシングで構成されるタービン。
single casing turbine,
single cylinder turbine
1122
串形タービン
高圧・低圧タービン又は高圧・中圧・低圧タービン
が1軸に配列されたタービン。
タンデムコン
パウンドタ
ービン
tandem compound
turbine
1123
並列形タービン
高圧,低圧タービン又は高圧・中圧・低圧タービン
が2軸以上に並列に配置されたタービン。高圧ター
ビンを含むタービン群をプライマリ機,他の一方を
セカンダリ機という。
クロスコンパ
ウンドター
ビン
cross compound
turbine
1124
直結形タービン
タービン軸がカップリングによって被駆動機と直
結されているタービン。
directly coupled
turbine
1125
減速形タービン
タービン軸が減速歯車を介して被駆動機と連結さ
れているタービン。
geared turbine
1126
高速タービン
通常の回転速度(3 000 min−1又は3 600 min−1)以
上の速度で運転するタービン。
high speed turbine
1127
トップタービン
背圧タービンの一種で,その排気を他のタービンの
駆動蒸気として利用するタービン。
前置タービン top turbine
1128
ベースタービン
トップタービンの排気を利用するタービン。一般
に,トップタービンとベースタービンは,それぞれ
異なる被駆動機を動かす。
base turbine
1129
ボイラ給水ポン
プ駆動用ター
ビン
ボイラ給水ポンプを駆動するタービン。
turbine for driving
boiler feed pump,
boiler feed pump turbine
1.2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1201
超高圧タービン
蒸気の流れを圧力域によって4区分する場合の最上
流部に位置するタービン。
very high pressure
turbine
1202
高圧タービン
蒸気の流れを圧力域によって3区分する場合の最上
流部に,又は4区分する場合上流から2番目に位置
するタービン。
high pressure turbine
1203
中圧タービン
蒸気の流れを圧力域によって3区分する場合上流か
ら2番目に,又は4区分する場合上流から3番目に
位置するタービン。
intermediate pressure
turbine
1204
低圧タービン
蒸気の流れの最低圧部に位置するタービン。
low pressure turbine
5
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1205
(タービン)ケ
ーシング
タービンロータを囲む覆い。通常その内面には,ノ
ズル又は静翼が取り付けられるようになっており,
超高圧部並びに高圧部は,内部及び外部の二重構造
となっていることが多い。
車室,
気筒,
シリンダ
casing,
cylinder,
shell
1206
(タービン)外
部ケーシング
二重構造のタービンケーシングで,高圧蒸気に直接
触れない外側のケーシング。
外部車室
outer casing,
outer shell
1207
(タービン)内
部ケーシング
二重構造のタービンケーシングで,高圧蒸気に直接
触れる内側のケーシング。
内部車室
inner casing,
inner shell
1208
つぼ形ケーシン
グ
つぼ形をしたタービン外部ケーシングで,水平フラ
ンジをもたない高圧用ケーシング。
barrel-type casing
1209
(タービン)ロ
ータ
蒸気の高速度噴流をノズル又は静翼から動翼に吹
き付けて仕事を取り出す回転体。一体式及び組立式
がある。
ブレードを除いたものもタービンロータというこ
とがある。
翼車,
車軸,
シャフト
rotor,
spindle,
shaft
1210
溶接ロータ
製造上の制約又は異なる材料を組み合わせるため
に,溶接によって一体化したロータ。
welded rotor
1211
高低圧一体ロー
タ
高圧部での高温強度と,低圧部でのじん(靱)性強
度をもった単車室タービン用の一体形ロータ。
combined high-and
low-pressure rotor
1212
スーパークリー
ンロータ
ぜい(脆)化の要因となる不純物元素[りん,硫黄,
すず(錫),マンガン,けい素など]を極力低下さ
せて製造したロータ。
super clean rotor
1213
(タービン)ブ
レード
タービンの蒸気流れ通路にあって,蒸気によって衝
動・反動作用を生じさせ,タービンロータに回転力
を与えるもの。タービンケーシング側に固定したも
のと,タービンロータ側に固定したものとがある。
羽根,
翼
blade
1214
動翼
タービンロータ側に固定されたブレード。
回転羽根,
回転翼
bucket,
rotating blade
1215
静翼
タービンケーシング側に固定されたブレード。一般
に反動段落で使用される用語。
固定羽根,
固定翼
stationary blade
1216
湿分分離翼
タービン中の湿り蒸気のドレンを分離・除去する構
造をもつ静翼及び動翼。
blade with drain
separation function
1217
(タービン)ノ
ズル
蒸気のもつ熱エネルギーを有効に速度エネルギー
に変換するための噴出口。一般に衝動段落で使用さ
れる用語。
噴口
nozzle
1218
段落
蒸気が保有する熱エネルギーを速度エネルギーに
変換する役割を担うところで,車室側に固定された
静翼(ノズル)及びロータに植え込まれて,ロータ
とともに回転する動翼の一対を称する。
stage
1219
調速段
ノズル締切り調速を行うタービンの初段の段落。
control stage
1220
三次元設計翼
蒸気流れが軸方向及び周方向に加えて,半径方向に
も最適となるように設計した翼列。
three dimensional
designed blade
1221
シュラウド
複数枚のタービンブレードを一組とするように,そ
の先端に取り付けた帯状の金具。
シュラウドリ
ング
shroud ring,
shroud band,
bucket cover
1222
レーシングワイ
ヤ
動翼の過大な振動を低減する目的に,動翼の中間部
を周方向につなぐワイヤ。ダンピングワイヤともい
う。同じ目的で使用されるものに“スタブ構造”が
ある。
タイワイヤ
lacing wire,
damping wire,
tie wire
6
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1223
エロージョンシ
ールド
湿り蒸気中における動翼の水滴によるエロージョ
ンを軽減するために,動翼の前縁にステライトなど
の硬質金属を,ろう付けしたり若しくは溶接した
り,又は前縁に焼き入れを実施したりする構造。
erosion shield
1224
チタン翼
一般に長大動翼の大きな遠心力を軽減する目的で,
翼材としてチタン合金を使用している翼。高・中圧
部の止め翼としても適用されることがある。
titanium blade,
titanium alloy blade
1225
シュラウド一体
動翼
シュラウドと翼部とを一体素材から加工した動翼。
相隣り合う翼のシュラウド部分の接触によって,高
い振動減衰効果を得る目的がある。
integral shroud blade
1226
仕切板
タービン各段の圧力差を保つため,その周囲にター
ビンノズル又は静翼を植えた二つ割れの円板。
隔板
diaphragm
1227
動翼植込部
動翼がロータに埋設される部位。周方向挿入式と軸
方向挿入式とに大別され,共に遠心力に耐える構造
のフック及びピンで固定する構造をもつ。形状とし
てくら(鞍)形,クリスマスツリー形,フォーク形,
逆T字形などがある。
blade dovetail,
blade groove
1228
蒸気室
蒸気が蒸気加減弁に入る前に蒸気を均等に配分す
るために置かれる室。
スチームチェ
スト
steam chest
1229
ノズルボックス
タービン入口蒸気を第一段落へ導く室。ノズルが設
置されている。
nozzle box
1230
排気室
タービン最終段出口から排出される蒸気を導く室。
exhaust hood,
exhaust casing
1231
ディフューザ形
排気室
タービン通路部の最終段落と同方向に流出した主
流蒸気が,主に円すい形の通路を流れた後減速して
圧力を回復させる排気室の構造。
diffuser type exhaust
casing
1232
クロスオーバー
管
中圧タービンから低圧タービンに至る伸縮継手を
もつタービン外部の連絡蒸気管。
気筒連絡管
crossover pipe,
cross under pipe
1233
軸受
タービン,発電機,その他のロータを支える装置。 ジャーナルベ
アリング
bearing,
journal bearing
1234
スラスト軸受
タービンロータに作用する軸方向の力を支持する
軸受。
スラストベア
リング,
推力軸受
thrust bearing
1235
ティルティング
パッド軸受
受圧面を幾つかのセグメント(パッド)に分割し,
それが個々に可動する構造をもつ軸受。パッドが2
方向に可動するものを“ダブルティルティングパッ
ド軸受”ということもある。
tilting pad journal
bearing,
tilting pad thrust
bearing
1236
スラストカラー
タービン軸方向の推力荷重を支えるタービンロー
タ側の受圧部。
thrust collar
1237
グランド
タービンロータがケーシングを貫く部分に蒸気を
使用して漏れを防止する装置。
スチームシー
ルグランド,
蒸気衛帯
steam seal gland
1238
バランスピスト
ン
翼部及びディスクに生じるスラスト力を打ち消す
ために,ロータに設けられた円筒部分。
ダミーピスト
ン
balance piston,
dummy piston
1239
ラビリンスパッ
キン
タービンロータとケーシング,仕切板などとの隙間
をシールするために,漏れ蒸気を絞り作用によって
圧力降下させて漏れを少なくするパッキン構造。
labyrinth packing
7
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1240
炭素パッキン
小形タービンなどの回転軸部分をシールするため
に,複数個で組み合わされた円弧状の炭素でできた
環。
carbon packing
1241
グランド蒸気調
整器
負荷変化に関係なく,グランド蒸気圧力を一定に保
持して,ケーシンググランドからの蒸気の漏れを防
止するための調整器。
衛帯蒸気調整
器,
グランドスチ
ームレギュ
レータ
gland steam regulator
1242
主蒸気止め弁
タービン入口の蒸気止め弁で,危急時に急速に閉止
する構造の弁。バイパス弁を内蔵しているものもあ
る。
主さい止弁
main stop valve
1243
混圧蒸気止め弁
混圧蒸気のタービン流入部付近に設置される蒸気
止め弁で,危急時に急速に閉止する構造の弁。
mixed pressure steam
stop valve,
induction steam stop
valve,
admission steam stop
valve
1244
全周噴射起動装
置
起動時の熱応力を軽減するために,全てのノズルか
ら蒸気を噴射させてタービンを起動する装置。
full arc admission
starting device
1245
蒸気加減弁
蒸気流量を加減してタービンの出力を調整するバ
ルブ。
コントロール
バルブ,
ガバニングバ
ルブ,
加減弁,
調速弁
main steam control
valve,
governing valve,
steam regulating valve
1246
過負荷弁
過負荷に備えて,定格流量を超えた蒸気量をタービ
ンに流入させるバルブ。
overload valve
1247
パイロット弁
サーボモータへ送る制御油圧を加減するバルブ。
pilot valve
1248
サーボモータ
パイロット弁で制御された油圧によって駆動力を
発生させ,他の機構を動かす装置。
油筒
servomotor
1249
調速装置
タービンの速度制御を行う装置で,負荷の変動にか
かわらず,常に一定の回転速度となるように,加減
弁開度を変えて蒸気流量を調整する装置。並列運転
時には,負荷の増減を行うことができる。機械式と
電気式とがある。
ガバナ,
調速機
speed governing device,
speed governor,
speed control device
1250
加速度調速装置
タービンの加速を制限する装置の一つで,運転中,
加速度が規定値以上になったとき,これを検出して
作動するガバナ。
加速度ガバナ acceleration governor
1251
電気油圧式ガバ
ナ
検出,演算及び伝達性能に優れている電気式と,高
速度の弁操作を可能とする油圧式とを組み合わせ
たタービン制御装置。
EHガバナ
electric-hydraulic
governor,
electronic hydraulic
governor
1252
補助調速装置
タービンの過速を防止する装置の一つで,運転中,
速度が規定値以上になったとき,これを検出して作
動するガバナ。
補助ガバナ
auxiliary governor
1253
加速度リレー
蒸気加減弁又はインタセプト弁駆動機構中にあっ
て,規定値以上の加速度を検出して蒸気加減弁又は
インタセプト弁を急速に閉鎖する機構。
加速度検出装
置
acceleration relay
8
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1254
ガバナインペラ
タービン軸に連結された一種の遠心ポンプで,速度
又は速度の変化を検出する調速装置の一部分。
governor impeller
1255
回転パイロット
弁
フライボールに連結してタービンの速度変化とと
もに上下し,制御油圧を変えて加減弁開度を調整す
るバルブ。
rotating pilot valve
1256
ガバナモータ
調速装置の調整ハンドルの操作を遠方から行うた
めの電動機。
governor motor
1257
負荷制限装置
速度検出部からの信号に関係なく,蒸気加減弁の開
度が任意の開度以上に開かないように制限してお
く装置。この装置によって起動又は停止の際,回転
速度の増減を行うことができる構造のものもある。
ロードリミッ
タ
load limiter,
load limiting device
1258
補助パイロット
弁
負荷制限装置によって操作され,この位置を決める
ことによって蒸気加減弁開度を制御するバルブ。
auxiliary pilot valve
1259
再熱蒸気止め弁
再熱タービンのインタセプト弁直前に設けられた
蒸気止め弁で,危急時に急速に閉止する構造の弁。
再熱さい止弁 reheat stop valve
1260
インタセプト弁
再熱蒸気のタービン入口部にあって危急時に再熱
蒸気を制御して,タービンの過速を防止するバル
ブ。
中間阻止弁
intercept valve
1261
組合せ再熱弁
インタセプト弁と再熱蒸気止め弁とを組み合わせ
て一体構造としたバルブ。
再熱弁
combined reheat valve
1262
均圧弁
インタセプト弁の開方向の動作を容易にするため
に,この弁の前後の圧力を均一にするためのバイパ
ス弁。
エコライジン
グバルブ,
エコライザバ
ルブ
equalizing valve,
equalizer valve
1263
抽気加減弁
抽気タービンの抽気圧力を一定に保つため,抽気段
以降の蒸気流量を加減するバルブ。
extraction control valve
1264
抽気圧力制御装
置
抽気圧力を一定に保つために,主蒸気及び抽気加減
弁を制御する装置。
抽気ガバナ,
抽気圧力調整
装置
extraction pressure
governor
1265
内部抽気圧力制
御
タービンに設置した抽気加減弁で抽気圧力を制御
する方式。
internal extraction
pressure control
1266
外部抽気圧力制
御
タービンの外部に設置した圧力制御弁で,抽気した
蒸気の圧力を減圧して制御する方式。
external extraction
pressure control
1267
抽気逆止め弁
抽気管及びこれに連なる給水加熱器,脱気器などか
ら水蒸気・水がタービンへ逆流入するのを防止する
ためのバルブ。
抽気逆止弁
extraction check valve,
reverse current valve,
extraction non-return
valve
1268
先行非常調速装
置
インタセプト弁を急閉開制御可能とする調速装置
の一種。
プレエマージ
ェンシーガ
バナ
pre-emergency
governor
1269
非常調速装置
タービンが過回転した場合,定格速度の111 %以下
で作動し,タービンへの蒸気の流入を防ぎ,停止さ
せる装置。
非常調速機
emergency governor,
overspeed governor
1270
バックアップガ
バナ
主として,非常調速機のオイルトリップ作動試験時
におけるタービン過回転保護装置。約112 %回転速
度で作動する。
back-up overspeed
governor
9
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1271
先行予測ガバナ
負荷遮断を検出し,タービンの速度及び出力を調節
する加減弁を一時的に閉止して過回転を防ぐ装置。
ロードセンシ
ング装置,
ロードアンテ
シペータ,
パワーロード
アンバラン
ス装置
load sensing relay,
load anticipator
1272
真空トリップ装
置
復水器の真空度が低下した場合に,タービンを危急
停止させる装置。
真空低下遮断
装置
vacuum tripping device
1273
ロックアウト装
置
緊急停止させずに非常調速機の作動を試験するた
めの装置。
lock out device
1274
スラスト保護装
置
タービン運転中,スラスト軸受に異常を生じた場
合,タービンを緊急停止させる装置。
スラスト摩耗
遮断装置
thrust failure protection
device
1275
真空破壊弁
タービンを停止するとき,復水器に空気を導入する
バルブ。
vacuum breaker
1276
リレーダンプ弁
タービン緊急停止時に作動し,各抽気逆止め弁への
操作用空気の供給を遮断するバルブ。
抽気リレーダ
ンプ弁
relay dump valve
1277
危急ブローダウ
ン弁
タービン緊急停止時に高圧タービン,再熱器及び再
熱蒸気管中の残留蒸気を復水器へ逃がすバルブ。
緊急ブローダ
ウン弁
emergency blow down
valve
1278
主蒸気圧力低下
防止装置
タービン運転中,主蒸気圧力がある値まで低下する
と蒸気加減弁が閉まり始め,更に低下すると無負荷
開度まで閉じる装置。
主蒸気圧力調
整器,
初圧調整器,
入口蒸気圧力
調整装置
initial pressure
regulator,
initial pressure limiter
1279
主蒸気入口圧力
制御装置
タービンの入口主蒸気圧力を制御するための装置。
initial pressure
governor
1280
背圧制御装置
背圧を一定に保つために蒸気加減弁を制御する装
置。
背圧ガバナ,
背圧調整装置
back pressure governor
1281
スピードマッチ
ング弁
クロスコンパウンド二軸構成の蒸気タービンにて
並列配置した別個の発電機を駆動する場合,昇速
中,同期回転速度にするため主蒸気を第二軸側ター
ビンへ連絡して,速度を調整するバルブ。
speed matching valve
1282
無負荷検出装置
タービンが無負荷で運転していることを検出する
装置。
no-load sensing device
1283
ガバナランバッ
ク装置
再熱タービンで,負荷が急減し回転速度がある値を
超えると,自動的にガバナモータで整定速度を定格
速度近くまで下げる装置。
自動復元装置 automatic run back
device
1284
軸受油圧低下ト
リップ装置
軸受油圧が低下した場合に,タービンを緊急停止さ
せる装置。
low bearing oil pressure
tripping device
1285
軸受油圧調整弁
軸受油圧を一定に保つための圧力調整弁。
bearing oil pressure
regulating valve
1286
大気放出板
排気圧力が異常に上昇した場合,自動的に破壊して
タービンを保護する板。主として低圧ケーシングに
設けられる。
atmosphere relief
diaphragm,
rupture disc
1287
低圧ケーシング
スプレー
排気室の温度上昇を防止するための冷却水噴射装
置。
low pressure casing
spray,
desuper heating spray in
low pressure casing
1288
ラギング
ケーシング保温材の表面を囲む外覆い。
lagging
10
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1289
ドレンキャッチ
ャ
湿り蒸気中において,動翼の遠心力によって外周壁
面に飛ばされた水滴を捕集して,次段以降の動翼の
エロージョンを軽減する構造。
drain catcher
1290
アクティブ ク
リアランス
コントロール
通常運転時にケーシング側と車軸側との隙間が必
要最小限になるように,起動などの過渡運転時に加
温によって隙間を管理する運転方法。
active clearance
control
1291
ロータクーリン
グシステム
タービンにおける高温高応力部位の強度上の制約
を解決するために,高い圧力で低温部位から導入し
た蒸気で冷却する方法。
rotor cooling system
1.3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1301
(タービン)主
油ポンプ
タービン運転中に,制御用及び軸受用圧力油を供給
する油ポンプ。
main oil pump
1302
(タービン)補
助油ポンプ
タービンの起動・停止のとき又は主油ポンプが異常
の場合に自動起動し,制御油及び軸受油を供給する
ポンプ。
auxiliary oil pump
1303
非常用油ポンプ
軸受油圧が低下した場合に,自動起動して軸受を保
護する非常保護用の油ポンプ。
非常用軸受油
ポンプ
emergency bearing oil
pump,
emergency oil pump
1304
ターニング油ポ
ンプ
タービン及び被駆動機ロータの低速回転中に,軸受
油を供給するポンプ。
ターニングギ
ヤ油ポンプ
turning gear oil pump,
turning oil pump
1305
ジャッキング油
ポンプ
起動時にロータの回転摩擦を軽減するとともに,軸
受を保護するために軸受に高圧油を注油するポン
プ。
jacking oil pump
1306
油補給ポンプ
油貯蔵タンクから主油タンクなどへ潤滑油を送る
ポンプ。
油移送ポンプ oil transfer pump
1307
オイルブースタ
ポンプ
オイルタービンによって駆動され,圧力油を主油ポ
ンプに供給するポンプ。
oil booster pump
1308
オイルタービン
圧力油で駆動されるタービン。一般に,オイルブー
スタポンプ駆動用として利用される。
oil turbine
1309
吸込油ポンプ
タービン起動・停止時にタービン軸駆動の主油ポン
プに吸込油を供給する油ポンプ。
suction oil pump
1310
オイルエゼクタ
圧力油をポンプに供給するエゼクタ。
oil ejector
1311
主油タンク
タービンの制御油及び軸受油の循環系統で,必要油
量を保有するタンク。
オイルリザー
バ
main oil tank,
oil reservoir
1312
油タンクガス抽
出機
主油タンク中の空気,湿気,ガスなどを取り除く装
置。
ベーパエキス
トラクタ
oil vapor extractor
1313
油冷却器
タービン,発電機などの潤滑油を冷却する装置。
オイルクーラ oil cooler
1314
油清浄機
タービン潤滑油などに含まれる水分,じんあいなど
の不純物を取り除く装置。遠心分離形,ろ過器形,
バウザ形のものなどがある。
oil purifier,
oil conditioner
1315
制御油装置
電気式調速装置の制御用圧力油を発生させる装置。
油タンク,制御油冷却器,制御油ポンプなどから構
成される。
hydraulic fluid unit
11
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1316
潤滑油装置
タービン,発電機などの潤滑油用圧力油を発生させ
る装置。油タンク,油冷却器,潤滑油ポンプなどか
ら構成される。
lubrication oil unit
1317
制御油ポンプ
電気式調速装置の制御用圧力油を供給するポンプ。
hydraulic fluid pump
1318
制御油冷却器
電気式調速装置の制御油を冷却する装置。
hydraulic fluid cooler
1319
油貯蔵タンク
主油タンクの点検時又は給油時に,潤滑油を一時貯
蔵するタンク。
油計量タンク batch oil tank,
oil storage tank
1320
ポンプガバナ
油ポンプの吐出し圧力を検出して駆動用タービン
の速度を制御する装置。
pump governor
1321
減速装置
タービン回転速度を減速して,被駆動機にタービン
の出力を伝達する歯車装置。
reduction gear
1322
ターニング装置
タービン及び被駆動機ロータを低速で回転する装
置。
ターニングギ
ヤ
turning gear,
turning device
1323
ターニングモー
タ
ターニング装置を駆動する電動機。
turning motor
1324
タービン基礎
タービン発電機の支持架台で,建屋床面から離した
独立基礎。剛性の高い鉄筋コンクリート製が一般的
であるが,鉄骨構造,ばね支持式構造の柔支持方式
などもある。
turbine-generator
foundation
1325
タービン制御盤
タービン関係の諸装置の制御操作及び監視を総括
的に行うために計器,スイッチ類などを設置した
盤。
turbine control panel
1326
タービン起動盤
タービン前の位置に設置し,タービンの制御操作又
は監視を行うための盤。
turbine start-up panel
1327
タービン監視計
器
タービンの安全でしかも合理的な運転を監視する
ための計器。
turbine supervisory
instrument
1328
回転計
タービンの回転速度を指示又は指示・記録する計
器。回転計用発電機を使うものが多い。
速度計
speed indicator,
speed recorder,
tachometer
1329
蒸気加減弁開度
計
タービンの蒸気加減弁駆動機構に滑り抵抗などを
付け,蒸気加減弁の開度を指示,又は指示・記録す
る計器。
カム角度計,
調速弁位置計,
速度弁位置計
cam angle indicator,
cam angle recorder,
governor valve
position recorder
1330
偏心計
タービンロータの偏心を指示,又は指示・記録する
計器。
eccentricity indicator,
eccentricity recorder
1331
伸び差計
タービンのケーシングとロータとの伸び差を,指示
又は指示・記録する計器。
differential expansion
indicator,
differential expansion
recorder
1332
伸び計
タービンのケーシングの伸びを,指示又は指示・記
録する計器。
shell expansion
indicator,
shell expansion recorder
1333
振動計
タービンの振動を指示又は指示・記録する計器。振
動は,ロータの軸振動と軸受台の振動を測定するこ
とがある。通常両振幅で表示する。
vibration indicator,
vibration recorder
1334
軸位置計
スラスト軸受の摩耗などに原因するタービンロー
タの軸方向位置を指示又は指示・記録する計器。
shaft position indicator,
shaft position recorder
1335
タービン自動起
動装置
各部の状態を監視しながら,タービンを自動的に起
動昇速する装置。
turbine automatic
starting device
12
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1336
自動負荷制御装
置
自動的に発電機負荷を制御する装置。
automatic load
regulator
1337
速度設定器
タービン起動時に目標回転速度を順次に設定し,タ
ービンの回転速度が目標値と一致するように制御
する装置。
speed setter
1338
加速度設定器
タービン起動時に目標加速度を順次に設定し,ター
ビンの加速度が目標値と一致するように制御する
装置。
acceleration setter
1339
グランド蒸気エ
キゾースタ
ケーシンググランドからの漏れ蒸気,漏入空気をグ
ランド蒸気復水器へ導き,不凝結ガスを大気に放出
する装置。
gland steam exhauster
1340
グランド蒸気復
水器
ケーシンググランドからの漏れ蒸気を,大気中に放
散しないために,凝結させる復水器。
衛帯蒸気復水
器
gland steam condenser
1341
湿分分離器
湿り蒸気から湿分を分離・除去する装置。
moisture separator
1342
湿分分離加熱器
湿分分離器で湿分を除去した蒸気を,高温・高圧の
主蒸気及び/又は抽気と熱交換させることによっ
て過熱蒸気にする装置。
moisture separator
heater,
moisture separator
reheater
1343
サーボ弁
電気信号を油圧信号に変換する電気−油圧変換器。
servo valve
1344
活性白土フィル
タ
りん酸エステル系制御油の酸化物及び水分を除去
し,制御油を低中和価に保つフィルタ。
active clay filter
1345
制御用難燃油
制御装置に供給する制御油は高圧力であるため,漏
れによる火災を防止する目的で使用する難燃性作
動油。主として,りん酸エステル系油が使われる。
fire resistant fluid for
hydraulic control
system
1346
車軸アース装置
タービンロータの磁化及び軸電流による軸受など
の電食を防止するために,タービンロータに取り付
けるアース装置。
earth brush
1347
タイロッド付伸
縮継手
配管内圧による伸び力と,それを相殺する力をタイ
ボルトによってバランスさせる伸縮継手。主として
クロスオーバー管及びケーシングに設置される。
expansion joint with tie
rod
1348
タービンバイパ
ス設備
タービン起動に必要な蒸気条件を確保するなどの
目的で,主蒸気管系統から復水器へ,又は主蒸気管
系統から低温再熱管系統へ,若しくは高温再熱管系
統から復水器へバイパスする設備。
turbine by-pass system
1.4) 蒸気タービン一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1401
絞り調速
絞り弁の開きを加減して蒸気を絞り,熱落差と蒸気
流量とを変化して出力を調整する方法。
throttle governing
1402
ノズル締切り調
速
有効熱落差一定のままでノズル群数を加減し,蒸気
流量を変化させて出力を加減する方法。
nozzle governing,
nozzle-cut-off governing
1403
全周噴射
全てのノズルから蒸気を噴射させる運転方法。
full arc admission
1404
部分噴射
ノズル締切り調速式タービンで,部分負荷時ノズル
群の一部からだけタービンに送気する方法。
partial admission
1405
主蒸気
主蒸気止め弁を通してタービンに供給される蒸気。
main steam
1406
再熱蒸気
タービンの途中から取り出し,再度ボイラで加熱し
た蒸気。
reheat steam
13
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1407
抽気
タービン中間段から抽出される蒸気。
extraction steam
1408
排気
タービンなどから排出される蒸気。
exhaust steam
1409
背圧
背圧タービンから排出される大気圧力以上の圧力
の蒸気。
back pressure
1410
冷却停止
蒸気圧力及び蒸気温度を降下させ,タービンを冷却
しながら停止する運転操作。
減温停止
cooling shut down
1411
真空度上昇
タービン起動前に空気抽出器によって復水器内の
真空度を上昇させること。
真空上昇
vacuum up
1412
真空度低下
復水器内の真空度が規定値以下(圧力が上昇する。)
になること。
真空低下
vacuum down
1413
真空破壊
タービンを停止する際に,真空破壊弁を開いて復水
器に空気を導入し,大気圧状態へ戻す操作。
vacuum break
1414
ターニング
タービン起動前又は停止後に,タービンロータのひ
ずみ発生を避けるため,ターニング装置によってロ
ータを低速で回転させる操作方法。
turning
1415
最小ターニング
時間
タービン起動前又は停止後に必要なターニングの
最短時間。
minimum turning time
1416
メタルマッチン
グ
起動時のタービンケーシングの金属温度と蒸気温
度との差を制限範囲内におさめ,過大な熱応力が生
じないようにする操作方法。
metal matching
1417
タービンメタル
温度
ケーシング,蒸気室,ケーシング水平継手部フラン
ジなどの金属部分の温度。
タービン金属
温度
turbine metal
temperature
1418
タービン起動曲
線
起動時の回転速度及び負荷上昇過程における諸操
作,特性(蒸気圧力,温度など)を時間軸に沿って
明示した曲線。
turbine start up curve
1419
初負荷
タービンメタルマッチング及びボイラの諸条件に
よって,発電機並列後最初の段階で,発電機が定め
られた期間及び運転を安定に保持する出力。
initial load
1420
負荷上昇率
毎分当たりの負荷増加の割合。
loading-up rate
1421
オイルホイップ
ロータが回転と同じ方向に大きく振れ回る一種の
自励振動の現象。旋回速度はロータの一次危険速度
にほぼ等しく一次危険速度の2倍以上の回転速度に
おいて発生する特徴がある。
oil whipping
1422
オイルホワール
オイルホイップ発生の誘因となる,ロータの小さな
自励的振れ回り現象。
oil whirl
1423
スチームホワー
ル
ロータの円周方向の変動を励振力とする不安定自
励振動の一種で,その周波数はロータの回転速度と
は無関係にほぼ一定で,ロータの一次の固有振動数
に等しくなる現象。
steam whirl
1424
聴音
金属棒などを用いて音を聞くことによって,タービ
ンなどの回転機の運転状態を察知する診断方法。
sound detection,
diagnostics
1425
センタサポート
構造
ケーシングの水平半割り面を,軸受中心と一致させ
て軸受台に支える構造。
center support
construction
1426
タービン空転時
間
タービンを回転させるための蒸気が遮断されてか
ら停止に至るまでの時間。
race time
1427
調速機高速限
調速機による無負荷運転での上限の速度。
HSS
upper-limit of speed
regulation
14
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1428
調速機低速限
調速機による無負荷運転での下限の速度。
LSS
lower-limit of speed
regulation
1429
回転速度
単位時間当たりのタービンロータの回転する回数
(min−1)。通常,1分間当たりの回数でいう。
回転数
revolution speed,
turbine speed
1430
カム角度
蒸気量を調節する加減弁を動作させるカム軸の回
転角度。通常蒸気加減弁に対するものをいう。
cam angle
1431
たわみ軸
軸体で一次危険速度が定格速度より低い軸。
flexible shaft,
flexible rotor
1432
剛性軸
軸体で一次危険速度が定格速度より高い軸。
rigid shaft,
rigid rotor
1433
ベンチマーク
タービン基礎の経年的な変形を観測するための基
準点。
レベルベンチ
マーク
bench mark
1434
軸電圧
ロータがもっている電位。
shaft voltage
1435
マスタトリップ
非常調速機を強制的にトリップさせること。
master trip
1436
オイルトリップ
手動で非常調速機に油圧を加えることによって,非
常調速機をトリップさせること。
oil trip
1437
ソレノイドトリ
ップ
ソレノイドの励磁によってトリップ装置を作動さ
せること。
solenoid trip
1438
過速度トリップ
タービンの過回転によってトリップ装置を作動さ
せること(過回転トリップともいう)。
over speed trip
1439
オイルフラッシ
ング
潤滑油系統又は他の油系統の配管を清浄にするた
め,フラッシングオイルを循環させ,汚れを除去す
る作業。
oil flushing
1440
ストレッチアウ
トラン
タービンのケーシング/ロータが膨張する際の障
害となる有害な干渉が起こらないように,滑らかに
膨張・収縮させる運転操作。
stretch-out run
1441
ウォータインダ
クション
主要蒸気系統,ドレン系統,給水加熱器,復水系統
などからプラント運転中にタービンに水が浸入す
る現象。
water induction
1442
フラッタ振動
低圧長大動翼において,低負荷・低真空時に空力減
衰が負となって発生する自励振動。
flutter vibration
1443
ランダム振動
低圧長大動翼において,低負荷・低真空領域の運転
時に,絶えず応力レベルが変化する不規則な振動。
random vibration
1444
翼軸連成振動
ロータとそれに植え込まれた翼が,互いに影響しな
がら振動する現象。
blade-disc-shaft
coupled vibration
1445
フレッティング
疲労
翼植込部,蒸気加減弁の弁棒などで,接触面間の繰
返ししゅう(摺)動によって誘起された疲労現象。
fretting fatigue
1446
破面遷移温度
シャルピー衝撃試験で,ぜい(脆)性破面率が50 %
となる破面遷移温度。材料の低温ぜい性を評価する
指標の一つ。
FATT
fracture appearance
transition
temperature
1447
応力腐食割れ
ステンレスなどの金属材料が引張応力の下で,腐食
環境の影響を受け,亀裂進展し破壊する現象。
SCC
stress corrosion
cracking
1448
グッドマン線図
部品の疲労強度を,静的及び動的応力で評価するた
めに用いる線図。
Goodman diagram
1449
キャンベル線図
回転体の固有振動と回転周波数の整数倍の振動数
との関係を示した線図。
Campbell diagram
1450
パーティクルエ
ロージョン
酸化物などの固形物によって引き起こされる侵食
現象。
particle erosion
15
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1451
ドレンエロージ
ョン
主に湿り域などで,水滴の衝突によって引き起こさ
れる浸食現象。
drain erosion,
drain attack
1452
ラーソン−ミラ
ー・パラメー
タ
材料のクリープ強度を,時間と温度との関係で表す
パラメータ。
Larson-Miller
parameter
1453
軸受アライメン
ト
タービン各軸受相互の芯出しの状況。軸受アライメ
ントの狂いは,軸振動及び軸受面圧の過不足に影響
を及ぼす。通常,タービンは運転時に適正なアライ
メントとなるよう,組立時にはオフセット量を考慮
して軸受の芯出しを行う。
車軸センタリ
ング
bearing alignment
1.5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1501
変圧運転
高圧タービンの内部効率低下,又は弁絞り損失によ
る部分負荷での熱効率低下の度合いを少なくする
ために,負荷に応じた主蒸気圧力で運転する方式。
一方,主蒸気圧力を一定に保持し,蒸気加減弁開度
の変化によって,負荷を変化させる運転方式を定圧
運転という。
sliding pressure
operation,
variable pressure
operation
1502
定格出力
所定条件でタービンを運転する場合の発電機端子
における保証最大連続出力,又はタービン軸端にお
ける保証最大連続出力。
定格負荷
rated output,
rated load
1503
設計最大出力
所定の主蒸気条件において,蒸気加減弁を全開とし
たときの,発電機端子における計算上の可能最大出
力。この出力は真空度によって変化する。
蒸気加減弁全
開出力
maximum design
capability,
valve wide open
capability
1504
内部効率
理論断熱熱落差に対する内部仕事に相当する熱落
差の割合。
internal efficiency
1505
機械効率
内部仕事に対する有効仕事の割合。内部仕事とは,
タービン出力に外部損失を加えたもの。
mechanical efficiency
1506
蒸気消費量
単位時間当たりの蒸気の消費量。
steam consumption
1507
蒸気消費率
タービンの単位出力当たりに要した蒸気の消費量
で,通常,1 kWh当たりの蒸気の消費量をいう。
steam rate,
specific steam
consumption
1508
熱消費量
単位時間当たりの熱の消費量。通常,1時間当たり
の熱の消費量をいう。
heat consumption
1509
熱消費率
タービンの単位出力当たりに要した熱の消費量で,
通常,1 kWh当たりの熱の消費量をいう。
heat rate,
specific heat
consumption
1510
定格速度
定格出力時の設計回転速度。
rated speed
1511
整定速度
所定条件で,ある負荷及び定格速度で運転している
タービンの調速装置の調節をそのままとして,他の
負荷に変化させた後自動的に整定した回転速度。
permanent speed
16
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1512
整定速度調定率
次の式によって定義する[Rs(%)]。
100
r
r
o
s
×
−
=
n
n
n
R
ここに,no: 整定速度(s−1)
nr: 定格速度(s−1)
調速装置の設定を変えずに,タービン出力を,定格
負荷から無負荷まで変化させたときの回転速度変
化量を,定格速度に対する比率で表した値。“ドル
ープ”ともいい,この値が0又は0.5 %以下の場合
をアイソクロノス運転という。
整定速度変動
率ドループ
steady state speed
regulation,
permanent speed
change,
permanent speed
variation droop
1513
傾斜速度調定率
次の式によって定義する[Rr(%)]。
100
r
r
×
×
=
n
p
dp
dn
R
ここに, : 出力・速度特性の任意出力点
における傾斜(s−1/kW)
p: 定格出力(kW)
nr: 定格速度(s−1)
傾斜速度変動
率
incremental speed
variation,
incremental permanent
speed variation
1514
瞬時速度上昇率
次の式によって定義する[Ri(%)]。
100
r
r
m
i
×
−
=
n
n
n
R
ここに,nm:負荷遮断後の瞬時最大速度
(s−1)
nr: 定格速度(s−1)
瞬時速度変動
率
maximum momentary
speed variation,
instantaneous speed
change
1515
速度上昇率
次の式によって定義する[Rm(%)]。
100
r
r
u
m
×
−
=
n
n
n
R
ここに,nu: 上昇した速度(s−1)
nr: 定格速度(s−1)
maximum momentary
speed variation
1516
速度変動率
次の式によって定義する[Rc(%)]。
100
r
r
c
c
×
−
=
n
n
n
R
ここに,nc: 上昇又は下降した速度(s−1)
nr: 定格速度(s−1)
speed variation
1517
非常速度上昇率
次の式によって定義する[Re(%)]。
100
r
r
e
e
×
−
=
n
n
n
R
ここに,ne: 非常調速機作動速度(s−1)
nr: 定格速度(s−1)
emergency speed
variation
1518
瞬時最大速度
所定条件で,ある負荷及び定格速度で運転している
タービンの調速装置の調節をそのままとし,その負
荷を急に遮断した直後に瞬間的に到達する最高速
度。
瞬時最高回転
数
instantaneous
maximum speed
1519
オイルトリップ
作動速度
オイルトリップ試験で非常調速機が作動したとき
の回転速度。
oil trip speed
1520
危険速度
偏心をもっている軸の回転速度が,軸の曲げの固有
振動数と一致するときの回転速度。低いものから順
次,一次,二次というように,整数倍で表す速度。
critical speed
1521
負荷遮断試験
負荷を遮断した場合に,調速装置が良好に作動する
ことを調べる試験。
ガバナテスト,
ダンプテスト
governor test,
dump test
dp
dn
17
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
1522
真空試験
タービン起動前に真空度の良好な達成を確かめる
試験。
vacuum test
1523
ステムフリーテ
スト
主要蒸気弁及び抽気逆止弁が常に円滑に作動でき
るように,電磁的又は機械的に開閉を行い,異常の
有無を確認する試験。
stem free test
1524
非常調速機試験
非常調速機が規定速度で作動するかどうかを,実際
に速度を上昇させて確認する試験。
emergency governor
test
1525
オイルトリップ
試験
オイルトリップ装置を作動させ,非常調速機の異常
の有無を確認する試験。
oil trip test
1526
つり合い試験
タービンロータがつり合っているかどうかを確認
するために行う試験。
動つり合い試験と静つり合い試験とがある。ま
た,試験を定格速度付近で行う場合を,“高速つり
合い試験”という。
バランス試験 balance test
1527
熱ひずみ試験
タービンロータを規定の温度まで加熱して,ひずみ
が生じるかどうかを確認するために,製作途中で行
う試験。
heat indication test,
heater-box test
1528
中心孔検査
ロータの軸方向中心孔内の非破壊検査。
center bore inspection
1529
トレーサ法
蒸気湿り度の測定法の1種であって,湿り蒸気のエ
ンタルピーを決定する場合に適用する。流量測定に
も利用される。
tracer method
1530
ケーパビリティ
夏場の真空度,タービンプラントロスなどの実用上
想定される最悪条件でも100 %定格出力を確保する
ために必要な主蒸気流量を求める条件(ボイラ
MCR算出上のベースとなる条件)。
出力保証点
capability,
output guarantee point
2) 復水装置
2.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2101
復水器
タービン排気を冷却して凝縮させる装置。表面冷却
式と直接接触式とがある。
コンデンサ
condenser
2102
表面冷却式復水
器
冷却水が復水器冷却管内を通り,タービン排気がそ
の管の外面に触れて冷却凝縮する装置。
surface condenser
2103
直接接触式復水
器
復水器内に冷却水を散水することによって,タービ
ン排気を冷却水に直接接触させて冷却凝縮する装
置。一般的に地熱発電所で使用される。
direct contact type
condenser
2104
複圧式復水器
2〜3の低圧ケーシングで構成されるタービンにお
いて,それに対応する2〜3の排気口ごとに復水器
を仕切って,それぞれ異なった真空度で作動するよ
うにした復水器。
多段圧復水器 dual pressure
condenser,
multi-pressure
condenser
2105
ローレベルジェ
ットコンデン
サ
直接接触式復水器の一種で,タービンより低く設置
して,復水と冷却水との混合水をポンプを用いて排
出する復水器。一般的に地熱発電所で使用される。
low level jet condenser
2106
バロメトリック
コンデンサ
直接接触式復水器の一種で,タービンより高く設置
して,タービン排気蒸気を大気圧との差で導き,冷
却水をポンプを用いて散水する復水器。一般的に地
熱発電所で使用される。
barometoric type
condenser
18
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2107
空冷復水器
蒸気タービンの排気を熱交換器を通して空気で直
接冷却して凝縮させる装置。
air-cooled condenser
2.2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2201
(復水器)胴
管巣が入っている復水器の主要部分の外殻。
condenser shell
2202
冷却管
表面復水器蒸気側を貫通している冷却水の通る細
管。
細管
condenser tube
2203
(復水器)水室
表面復水器の冷却水を復水器冷却管巣に通すため
の室。
condenser waterbox
2204
ホットウェル
表面復水器下部にある復水のた(溜)まる部分。
復水だめ
condenser hotwell
2205
(復水器)管板
表面復水器で復水器冷却管の両端を取り付けて水
室と蒸気側とを区分している板。
condenser tubesheet
2206
支え板
復水器冷却管を支持する板。
管支持板
tube support plate
2207
そらせ板
蒸気又は復水の流れを機能上必要な方向に導くた
めの板。また,復水器内に流入する蒸気の衝突から,
冷却管を守る板をいう。
guide plate,
baffle plate,
impingement plate
2208
復水部
管群のうち,主として蒸気を凝縮させることを目的
とした管群の部分。
condensing zone
2209
空気冷却部
復水器内に滞留する不凝縮ガスを,器外に抽出する
前に冷却するようにした管群の部分。
air cooling zone
2210
管群
復水器内部に配列された冷却管の群。
管束,
管巣
tube bundle,
tube nest
2211
伸縮継手接続方
式
タービン排気部と復水器胴部との間を,ベローズで
結合して,ケーシングと復水器との間の熱膨張を逃
がす方式。伸縮継手として主にゴム接続方式とステ
ンレス接続方式とに分かれる。
ベローズ接続
方式
bellows-connected
method
2212
ばね支持方式
タービン排気部と復水器胴部との間を,強固に結合
して,ケーシング及び復水器の熱膨張を,復水器下
部を支持したばねで逃がす方式。
spring support method
2.3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2301
復水ポンプ
復水器の復水をホットウェルから外部へ送水する
ポンプ。
condensate pump
2302
復水ブースタポ
ンプ
復水脱塩装置の下流にあって,復水を必要な圧力ま
で昇圧するポンプ。
復水昇圧ポン
プ
condensate booster
pump
2303
復水器冷却水ポ
ンプ
復水器に冷却水を送るポンプ。
循環水ポンプ circulating water pump,
cooling water pump
2304
復水器冷却水管
復水器冷却水ポンプから放水路までの冷却水管。
循環水管
circulating water pipe,
cooling water pipe
2305
復水器逆洗弁
タービン運転中に復水器冷却管内に堆積した異物
を取り除くために,冷却水を逆流させるための切換
え式弁。
backwash valve,
reverse wash valve
19
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2306
復水器電気防食
装置
冷却管及び復水器構造物という異種金属による電
食を防止するために,海水中での自然電位を外部電
源で調整する装置。
condenser cathodic
protection equipment
2307
復水器冷却管洗
浄装置
タービン運転中にスポンジボールなどによって,復
水器冷却管内を連続して洗浄する装置。
復水器細管洗
浄装置
condenser tube
cleaning equipment
2308
復水器連続除貝
装置
海水に含まれる貝殻などを連続的に除去するフィ
ルタ。
continuous removal
device of condenser
cooling water,
mussel filtration
equipment for
condenser cooling
water,
debris filter
2309
復水器ウォータ
カーテンスプ
レー
タービンバイパスなど,高温の蒸気が流入する際に
構造物の過熱を防ぐため,復水器上部から水を噴霧
するスプレー装置。
water curtain spray of
condenser
2310
防食犠牲板
海水中で水室構造物の金属部分が露出した場合に
電食を防止するため,その金属よりも自然電位の低
い卑な金属でできた電極。一般には亜鉛が使用され
る。
anode plate
2311
空気抽出器
復水器真空度を維持するために,内部にた(溜)ま
った空気などの不凝縮ガスを抽出する装置。蒸気エ
ゼクタ方式と真空ポンプ式とがある。
venting equipment,
air removal device,
air ejector
2312
中間冷却器
多段の空気抽出器の間に置き,前段で抽出した混合
気体を冷却して蒸気を凝縮させる装置。
intercooler
2313
後置冷却器
多段の空気抽出器の後段で抽出した混合気体を冷
却して蒸気を復水とし,空気を大気中に放出する装
置。
after cooler
2314
起動エゼクタ
タービン起動時に使用するエゼクタ式空気抽出器。 起動用空気抽
出器
starting ejector,
hogging ejector
2315
プライミングエ
ゼクタ
復水器冷却水側に水を充満させるための空気抽出
器。
呼び水エゼク
タ
priming ejector
2316
復水検塩装置
復水器中への冷却水の漏れを検知する装置。主とし
て,電気伝導率計が用いられる。
circulating water
leakage detector
2317
鉄イオン注入装
置
銅合金の冷却管の海水による腐食防止のため,鉄を
電解して冷却管内面に酸化鉄皮膜を形成する装置。
ferrous ion injection
device
2318
超音波流量計
復水器冷却水などの大流量を,配管外面から測定す
ることのできる流量計。超音波の伝ぱ(播)速度の
変化を利用する。
supersonic flow meter
2.4) 復水装置一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2401
復水量
復水の流量。
condensate flow
2402
冷却水量
復水器用冷却水の流量。
circulating water flow,
cooling water flow
2403
復水温度
復水器出口における復水の温度。
condensate temperature
20
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2404
冷却水温度
復水器入口における冷却水の温度。
circulating water
temperature,
cooling water
temperature
2405
復水器冷却面積
復水器冷却管の熱交換に有効な管外表面積。
condenser cooling
surface area
2406
ガルバニックア
タック
復水器における異種材の電位差腐食。例えば,ネー
バル黄銅管板にチタン管を取り付けて海水を流し
た場合,陽極のネーバル黄銅が陰極のチタンへ溶出
していく現象をいう。
電位差腐食
galvanic attack
2407
復水器折流数
表面冷却復水器で,冷却水が復水器内を通過する回
数。
number of pass
2408
アンモニアアタ
ック
冷却管外面が,アンモニアの化学反応によって腐食
する現象。アンモニアが器内に滞留しやすい復水器
及び低圧給水加熱器で,銅合金管を使用する場合に
起こりやすい。
アンモニア腐
食
ammonia attack
2409
デポジットアタ
ック
管内面に異物が付着し,その後流で渦が発生して管
内面の皮膜を破壊しながら減肉する現象。海水を用
いる銅合金管の復水器及び冷却水冷却器で起こり
やすい。
deposit attack
2.5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2501
真空度
真空の度合いを標準気圧との差で示したもの。
vacuum
2502
復水器負荷
復水器で冷却水に与えられる熱量,又は,復水器の
内容積当たりの処理蒸気流量。
condenser duty
2503
清浄度
新しい管の熱貫流率に対する管の汚れの程度によ
る修正係数。
クリーンリネ
スファクタ
cleanliness factor
2504
冷却管内流速
復水器冷却管内を流れる冷却水の流速。
circulating water
velocity,
cooling water velocity
2505
サブクール温度
蒸気の復水器内圧力に対応する飽和温度と,ホット
ウェルの復水温度との差。
過冷却温度
condensate depression,
sub-cooling temperature
2506
復水器性能試験
復水器の伝熱,脱気などの性能試験。
condenser performance
test
2507
復水器冷却水温
度上昇
復水器での冷却水の出口と入口との温度差。
circulating water
temperature rise,
cooling water
temperature rise
2508
復水酸素含有量
復水に溶存している酸素の量。
oxygen content in
condensate
2509
冷却管漏えい
(洩)検査
冷却管からの漏れの有無を確認する検査。通常,復
水器開放時に蒸気室内に水を張り込み確認する。
なお,プラント運転中に復水器を片肺にして,管
板面にビニールシートを張り付けたり,発泡剤を塗
布し,器内の真空を利用して行うこともある。
冷却管リーク
テスト
cooling tube leak
inspection (or leak
test)
21
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
2510
空気漏えい(洩)
検査
系統への空気吸込み箇所を判定するために行う検
査。一般に,復水器の真空が通常値を確保できない
場合などに行う。真空域各部位ごとにヘリウムガス
を放出して,真空ポンプ出口でガス検知器によって
確認する方法がある。
air leak inspection
3) 給水加熱装置
3.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3101
脱気器
蒸気によって給水を直接加熱し,給水中の溶存ガス
を物理的に分離・除去する装置。
デアレータ
deaerator
3102
スプレー式脱気
器
流入した復水を脱気器内部へ噴霧して,水中の溶存
ガスを分離する脱気器。
スプレー式デ
アレータ
spray type deaerator
3103
トレイ式脱気器
流入した復水を脱気器内部のトレイに流して,水中
の溶存ガスを分離する脱気器。
トレイ式デア
レータ
tray type deaerator
3104
スプレートレイ
式脱気器
流入した復水を脱気器内部へ噴霧した水を更にト
レイに流し,溶存ガスを分離する脱気器。
スプレートレ
イ式デアレ
ータ
spray and tray type
deaerator
3105
単胴型脱気器
脱気部と貯水部を一つの容器に納めた脱気器。
single cylinder type
deaerator
3106
給水加熱器
タービンからの抽気でボイラ給水を加熱する熱交
換器。
ヒータ
feed water heater
3107
低圧給水加熱器
給水ポンプより上流の復水器側の給水系統にある
給水加熱器。
低圧ヒータ
low pressure feed
water heater
3108
高圧給水加熱器
給水ポンプよりボイラ側の給水系統にある給水加
熱器。
高圧ヒータ
high pressure feed
water heater
3109
U字管式給水加
熱器
加熱管をU字形に曲げて管板に取り付けている給
水加熱器。
Uチューブ形
ヒータ
U-tube type feed water
heater
3110
遊動管板式給水
加熱器
加熱管が直管で,両側の管板が自由に動くことによ
って,熱膨張を逃がす構造の給水加熱器。
フローティン
グヘッド形
ヒータ
floating head type feed
water heater
3111
立形給水加熱器
胴の軸心が鉛直に据え付けられる給水加熱器。
たて(竪)形
給水加熱器,
立形ヒータ,
立置形給水加
熱器
vertical type feed water
heater
3112
横形給水加熱器
胴の軸心が水平に据え付けられる給水加熱器。
横形ヒータ,
横置形給水加
熱器
horizontal type feed
water heater
3113
ドレンクーラ
熱回収及びフラッシング防止のため,ドレンを冷や
す給水加熱装置。
ドレン冷却器 drain cooler
3114
蒸化器
純度の低い水から純度の高い水又は蒸気を取り出
すため,水を加熱蒸発させる装置。
エバポレータ steam evaporator
3115
スチームコンバ
ータ
主系統の蒸気を熱源として,別系統で蒸気を発生さ
せる熱交換装置。
steam converter
22
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3201
脱気室
脱気器タンクの上部にあって,復水中の溶存ガスを
分離する室。
deaerating chamber
3202
脱気器タンク
脱気室で溶存ガスを除去した水を貯蔵するタンク。 脱気器貯水タ
ンク
deaerator storage tank
3203
ベントコンデン
サ
脱気室で分離したガスを冷却し,ガス中の蒸気を凝
縮させる装置。
vent condenser
3204
トレイ
落下する水の表面積を増すために,脱気室内部に設
置したじゃま板。
tray
3205
スクラバ
水を蒸気の噴出によってかき混ぜる装置。
scrubber
3206
均圧管
脱気室と脱気器タンクとの圧力差をなくすための
連絡管。
バランス管,
平衡管
balancing pipe
3207
分配トレイ
脱気室内で水を均等に落下させる装置。
給水分散皿
distribution box tray
3208
噴射ノズル
給水を小さい水滴にして噴出させるノズル又は弁。 スプレーノズ
ル,
スプレー弁
spray nozzle
3209
脱気器連絡管
脱気室から脱気器タンクにつながる水管。
deaerator connecting
pipe,
deaerator down comer
3210
デスーパヒーテ
ィングゾーン
過熱蒸気が飽和蒸気になるまで,熱を給水に与える
給水加熱器の加熱管の部分。
過熱戻し部
desuper heating zone
3211
コンデンシング
ゾーン
飽和蒸気が凝縮して熱を給水に与える給水加熱器
の加熱管の部分。
復水部
condensing zone
3212
ドレンクーリン
グゾーン
加熱蒸気のドレンを飽和温度より更に冷却する給
水加熱器の加熱管の部分。
ドレン冷却部 drain cooling zone
3213
(給水加熱器)
水室
全部の加熱管に給水を分配する部分。
water chamber,
water box
3214
(給水加熱器)
胴
容器の外殻を構成する部分。
shell
3215
鏡板
胴の端を構成する皿形状などの板。
end cover
3216
(給水加熱器)
管板
加熱管の端部をまとめて管束状に取り付けるため
の板。
tube plate,
tube sheet
3217
衝撃防止板
蒸気,ドレンなどの流れ方向を変え,伝熱をよくし
て,かつ,冷却管などの内部部品を保護する板。
じゃま板,
バッフルプレ
ート
baffle plate,
impingement baffles
3218
加熱管
伝熱面を構成する管。
伝熱管
heating tube
3219
支え板
給水加熱器などの加熱管を支持する板。
管支持板
tube support plate
3.3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3301
脱気器給水ポン
プ
脱気器へ給水を送るポンプ。
deaerator feed water
pump
3302
脱気器再循環ポ
ンプ
脱気器内へ給水を戻し再循環させるポンプ。
deaerator recirculation
pump
3303
脱気器再循環水
管
脱気器へ給水を再循環させる給水管。
deaerator recirculation
pipe
23
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3304
脱気器オーバフ
ロー管
脱気器タンクの水位が制限を超えたとき,余分の水
を排出する管。
deaerator overflow
pipe
3305
ドレンタンク
ドレンを収容するタンク。
drain tank
3306
ドレンポンプ
ドレンを排出するポンプ。
drain pump
3307
フラッシュ防止
装置
飽和水の再蒸発を防止する装置。
anti-flashing equipment
3308
窒素シール装置
運転停止時,器内に空気が侵入して,さび(錆)が
発生するのを防止するために,窒素ガスを封入する
装置。
nitrogen gas seal
equipment
3309
逃し弁
圧力が異常に上昇した際,容器を保護するため内部
流体を排出する弁。
レリーフ弁
relief valve
3310
ベント弁
器内の空気を排出する弁。
vent valve
3311
蒸化器給水ポン
プ
蒸化器に水を送るポンプ。
エバポレータ
給水ポンプ
evaporator feed water
pump
3312
スチームコンバ
ータ給水ポン
プ
スチームコンバータに水を送るポンプ。
steam converter feed
water pump
3.4) 給水加熱装置一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3401
加熱蒸気
給水を加熱するのに使用する蒸気。
heating steam
3402
真空脱気
給水の圧力を低下させることによって,給水中の気
体溶解度を低下させて脱気する方法。
vacuum deaeration
3403
加熱脱気
給水の温度を上昇させることによって,給水中の気
体溶解度を低下させて脱気する方法。
heating deaeration
3404
保有水量
タンクに貯蔵されている水の量。
holding water quantity
3405
インレットアタ
ック
伝熱管入口部が給水の縮流及び渦流によって浸食
される現象。
inlet attack
3.5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
3501
溶存酸素
脱気器タンク内で,給水中に溶け込んでいる酸素。
dissolved oxygen
3502
初温度差
給水の入口と加熱蒸気のドレン出口との温度差。
initial temperature
difference
3503
終温度差
給水の出口と加熱蒸気入口との温度差。
final temperature
difference
3504
端末温度差
給水の出口温度と加熱蒸気の圧力における飽和温
度との差。
terminal temperature
difference
4) 配管
4.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
4101
復水管
復水器と脱気器との間の水管。ただし,脱気器が設
置されない設備の場合もある。
condensate pipe
24
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
4102
脱気器降水管
脱気器と給水ポンプとの間の水管。
deaerator downcomer
water pipe
4103
給水管
給水ポンプからボイラまでの高圧水を導く管。
feed water pipe
4104
主蒸気管
ボイラ出口からタービンにつながる蒸気管。
main steam pipe
4105
高温再熱蒸気管
ボイラ再熱器出口からタービンにつながる蒸気管。
hot reheat pipe,
high temperature
reheat pipe
4106
低温再熱蒸気管
タービン出口からボイラ再熱器につながる蒸気管。
cold reheat pipe,
low temperature reheat
pipe
4107
抽気管
タービンの抽気を給水加熱器などへ導く管。
extraction steam pipe
4108
補給水管
ボイラ給水への補給水を復水器などへ送り込む管。 蒸留水管
make-up pipe,
make-up water pipe,
distilled water pipe
4109
復水再循環水管
復水ポンプ最小流量の確保などを目的として,復水
を復水器へ再循環させる管。
condensate
recirculating pipe
4110
復水スピルオー
バ管
ホットウェルの水位を検出し,復水管から補給水タ
ンクなどへ復水をいつ(溢)流させる管。
condensate spill over
pipe
4111
補助蒸気管
発電所の熱源・動力として使用される補助蒸気用配
管。
auxiliary steam pipe
4112
加熱蒸気管
熱交換器などに加熱蒸気を供給する管。
heating steam pipe
4113
ドレン管
機器及び/又は配管からドレンを抜き出す管。
drain pipe
4114
空気抜管
機器及び/又は配管から空気を抜き出す管。
エアベント管 air vent pipe
4115
排気管
蒸気をタービン又はその附属設備から外部へ排出
する管。
exhaust pipe
4116
ブロー管
圧力をもった蒸気,水などを排出する管。
ブローダウン
管
blow off pipe,
blow down pipe
4117
スプレー水管
蒸気温度を制御するため,スプレー水を供給する
管。
spray water pipe
4118
軸受冷却水管
軸受,油冷却器,発電機冷却器などに冷却水を供給
する管。
bearing cooling water
pipe
4119
封水管
弁及び機器のグランド部に水を供給する管。真空部
分に接続された弁などのグランド部をシールする
目的で設けられる。
シール管
seal water pipe
4120
フラッシング管
容器及び管系を流体の速度と衝撃とによって清掃
するための管。
flushing pipe
4121
ブローイング管
蒸気を使用して主配管の清掃をするための仮配管。 ブローイング
アウト管
blowing pipe,
blowing out pipe
4122
ウォーミング管
蒸気などで,機器及び配管をあらかじめ暖めるのに
用いる管。
warming-up pipe
4123
二重管
油配管で,火災に対する保護のために外側に保護管
を設けた構造のもの,又は軸受給排油配管で,内管
内を給油が,内管と外管との間に排油を流す構造の
もの。
guarded pipe,
annular pipe,
pipe-within-pipe,
double pipe
25
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
4201
復水器水位調節
弁
復水器ホットウェルの水位を調節する弁。
condenser level control
valve
4202
給水加熱器水位
調節弁
給水加熱器のドレンの水位を調節する弁。
feed water heater level
control valve
4203
脱気器水位調節
弁
脱気器の水位を調節する弁。
deaerator level control
valve
4204
脱気器圧力調節
弁
脱気器の圧力を調節する弁。
deaerator pressure
control valve
4205
復水回収タンク
ドレンなどを復水として復水器へ回収するために
設置されるタンク。
condensate return tank
4206
ブローダウンタ
ンク
ブロー管の蒸気,ドレンを受け入れるタンク。
ブロータンク blow down tank
4207
フラッシュタン
ク
高温の圧力水をフラッシュさせるタンク。
flash tank
4208
補給水タンク
脱塩水を復水器などに補給するために貯蔵するタ
ンク。
蒸留水タンク make-up water tank,
distilled water tank
4209
補給水ポンプ
脱塩水を補給水タンクから復水器などに送り込む
ポンプ。
蒸留水ポンプ make-up water pump,
distilled water pump
4210
フローサイト
配管系路で,油など内部の流れの状態が直接確認で
きるのぞき窓。
flow sight
4211
ストレーナ
流体通路で,油,水及び蒸気に含まれている異物を
除去する装置。
strainer,
screen
4212
蒸気減圧減温装
置
高圧蒸気を所内補助蒸気用又は工場送気用として
用いる場合に,減圧弁,減温器などを用いて適切な
圧力・温度にする装置。
pressure reducer and
attemperator
4213
封水タンク
水グランド用水を貯蔵するタンク。
seal water tank
5) ボイラ給水ポンプ
5.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5101
ボイラ給水ポン
プ
給水の圧力を上げてボイラに押し込むポンプ。
boiler feed water pump
5102
多段ディフュー
ザ形遠心ポン
プ
インペラが直列に2段以上あるポンプで,インペラ
吐出し側にガイドベーンをもつもの。
多段ディフュ
ーザポンプ,
多段タービン
ポンプ
multi-stage diffuser type
centrifugal pump,
multi-stage turbine type
centrifugal pump
5103
多段ボリュート
形遠心ポンプ
インペラが直列に2段以上あるポンプで,インペラ
吐出し側に渦巻き形のケーシングをもつもの。
多段ボリュー
トポンプ
multi-stage volute type
centrifugal pump
5104
バレル形給水ポ
ンプ
シリンダ形状のたる(樽)の中に,水平割形又は輪
切形の多段ポンプを設けた構造の給水ポンプ。
二重胴形給水
ポンプ
barrel type feed water
pump
5105
水平割り形給水
ポンプ
胴体が軸を含む水平面で上下に二つに割れる構造
の給水ポンプ。
上下二つ割形
給水ポンプ
horizontally split type
feed water pump
5106
輪切形給水ポン
プ
胴体が軸垂直割り形の多段ポンプで,1段ごとに分
割する構造の給水ポンプ。
sectional type feed
water pump
5107
主給水ポンプ
ボイラ給水用として連続的に常時使用するポンプ。
main feed water pump
26
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5108
起動給水ポンプ
大容量プラントで,主として,起動時に運転する比
較的小容量の給水ポンプ。
start-up feed water
pump
5109
タービン駆動給
水ポンプ
蒸気タービンによって駆動される給水ポンプ。
turbine driven feed
water pump
5110
電動機駆動給水
ポンプ
電動機によって駆動される給水ポンプ。
motor driven feed
water pump
5.2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5201
(給水ポンプ)
ケーシング
揚液の流路を形成するポンプの胴殻の総称。
casing
5202
(給水ポンプ)
外部ケーシン
グ
バレル形及びプルアウト形二重ケーシングポンプ
の外側ケーシングの総称。
outer casing
5203
(給水ポンプ)
内部ケーシン
グ
バレル形及びプルアウト形二重ケーシングポンプ
の内側ケーシングの総称。
inner casing
5204
(給水ポンプ)
ケーシングカ
バー
ケーシングに取り付けられて,ケーシングの一部を
形成するカバー。
casing cover
5205
(給水ポンプ)
吸込ケーシン
グ
輪切形ポンプの吸込口に通じるケーシング。
suction casing
5206
(給水ポンプ)
中間ケーシン
グ
輪切形ポンプの吸込胴体と吐出胴体との中間に取
り付けられるケーシング。
intermediate casing
5207
(給水ポンプ)
吐出しケーシ
ング
輪切形ポンプの吐出口に通じるケーシング。
discharge casing
5208
主軸
ポンプインペラに動力を伝達する軸。
pump shaft
5209
羽根車
流体に圧力を与えるための羽根をもつ回転体。
インペラ
impeller
5210
ガイドベーン
流体の速度エネルギーを圧力エネルギーに変える
ための羽根をもつ静止側の部品。
guide vane
5211
グランドパッキ
ン
ケーシングと軸の貫通部との軸封部シールに用い
るパッキン。
gland packing
5212
メカニカルシー
ル
軸封部の漏れを,回転リングと固定リングとの滑り
(接触させる)によって減少させる装置。
mechanical seal
5213
スロットルブッ
シュシール
軸封部の漏れを,ブッシュとスリーブとの狭い隙間
によって減少させる装置。
throttle bush seal
5214
フローティング
リングシール
軸封部の漏れを,分割したフローティングと軸スリ
ーブとの狭い隙間によって減少させる装置。
floating ring seal
5215
パッキン箱
軸封部を形成し,グランドパッキン,メカニカルシ
ールなどのシール装置を収納する部品。
スタフィング
ボックス
stuffing box
27
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5.3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5301
給水ブースタポ
ンプ
高圧給水ポンプに必要な吸込圧力を与えるため,そ
の吸込側に設けられるポンプ。
ブースタ給水
ポンプ
feed water booster
pump
5302
(給水ポンプ)
主油ポンプ
潤滑装置で常時給油に使用する油ポンプ。
main oil pump
5303
(給水ポンプ)
補助油ポンプ
潤滑装置で起動時又は主油ポンプが故障したとき
に使用する油ポンプ。
auxiliary oil pump
5304
(給水ポンプ)
油タンク
給水ポンプ装置の潤滑系統にあって,必要油量を保
有するタンク。
oil tank
5305
(給水ポンプ)
油冷却器
給水ポンプ装置の潤滑油を冷却する装置。
oil cooler
5306
吸込ストレーナ
ポンプの入口に取り付け,異物の混入を防ぐための
装置。
suction strainer
5307
増速機
ポンプの回転速度を高速にするため,ポンプと電動
機との間に取り付ける増速装置。歯車式,流体継手
式などがある。
speed up gears
5308
減速機
ポンプの回転速度に合わせて減速するための減速
装置。
reduction gears
5309
ダイヤフラムカ
ップリング
軸の変位及び/又は曲げ力は吸収し,回転トルクだ
けを伝達するダイヤフラム形状の軸継手。
diaphragm coupling
5310
流体継手
回転動力を,内部に充塡した流体を介して伝達する
軸継手。
fluid coupling
5311
(給水ポンプ)
ウォーミング
系統
停止中の予備給水ポンプの急速起動に備え,ポンプ
ケーシングを常時適温に保つための系統。
warming system
5312
過熱防止再循環
系統
ポンプの締切り運転又は過度の絞り運転の際に,ポ
ンプ内部流体の過熱を防止するため,適量の流体を
再循環させる系統。
minimum flow
recirculating system
5313
軸推力つり合い
装置
インペラに働く軸推力を,バランスディスク又はバ
ランスピストンのように,軸方向のスラストをつり
合わせる装置。
axial thrust balancing
apparatus
5.4) ボイラ給水ポンプ一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5401
キャビテーショ
ン
流体の流れで局部的に低い圧力を生じる部分で,流
体の蒸発,溶解ガスの分離などが起こり,流体中に
空洞を生じる現象。
cavitation
5402
吸込圧力
ポンプ吸込口における静圧。
suction pressure
5403
吐出し圧力
ポンプ吐出口における静圧。
discharge pressure
5404
給水温度
ポンプの吐出部における給水の温度。
feed water temperature
5405
温度上昇
ポンプの出口と入口とにおいて,ポンプによって発
生する給水の温度差。
temperature rise
5406
ミニマムフロー
過熱,騒音,振動などを生じることなく,給水ポン
プを連続運転できる最小の吐出し流量。
minimum flow
5407
有効吸込ヘッド
ポンプのキャビテーションを検討するときの数値
で,1段目インペラ直前における流体のもつ圧力と
流体のその温度における飽和蒸気圧力との差。
NPSH
net positive suction
head
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B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5408
軸封水
パッキン箱からの高温水の流出を防止するため,又
は外気の侵入を防ぐために外部から注入する水。
シール水
seal water
5.5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
5501
性能試験
全圧力,吐出流量,軸動力,効率,回転速度などの
ポンプ性能を求める試験。
performance test
5502
運転試験
ポンプの振動,騒音,漏水,軸受温度などの運転状
態を確かめる試験。
機械試験
running test
5503
必要有効吸込ヘ
ッド試験
必要有効吸込ヘッドを求める試験。
NPSH試験
cavitation test
5504
つり合い試験
回転体のつり合いをとる試験。
バランス試験 balance test
5505
ポンプ効率
ポンプ軸動力(ポンプ入力)に対する水動力(ポン
プ出力)の割合。
pump efficiency
5506
増速機効率
増速歯車の入力に対する正味伝達動力の割合。
gear efficiency
6) 給水処理装置
6.1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6101
酸素注入装置
酸素ガスを復水又は給水へ注入する装置。
oxygen feeder
6102
脱塩装置
海水リークによるプレボイラ系への海水流入を防
ぐ目的で,イオン交換樹脂又は逆浸透膜によって,
水中に含まれる陽イオン及び陰イオンを除去する
装置。
純水装置
demineralizer
6103
軟化装置
イオン交換樹脂などによって,水中に含まれるカル
シウム,マグネシウムなどの成分を除去する装置。
軟水装置
softener
6104
前処理装置
脱塩装置などのイオン除去装置の上流で,水中に含
まれる懸濁物質及びコロイド状物質を,凝集,ろ過
などによって除去する装置。
pre-treatment
equipment
6105
薬液注入装置
復水,給水,ボイラ水などに薬液を注入する装置。
注入薬液はアンモニア溶解装置,ヒドラジン希釈装
置などによって適切な濃度の溶液とする。
薬注装置
chemicals feeder,
chemical injection
equipment
6106
復水脱塩装置
復水系統に設置した脱塩装置。
コンデミ
condensate
demineralizer
6107
復水ろ過装置
復水又はドレン中の異物を除去する装置。
condensate filter
6.2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6201
除濁装置
水の濁度成分を凝集沈殿又はろ過などを行って除
去する装置。
clarifier
6202
凝集沈殿装置
水に凝集剤を加えて微細懸濁物質及びコロイド状
物質を水酸化アルミニウムなどのフロックに吸着
させ,これを沈殿させて濁度成分を除去する装置。
coagulator
6203
ろ過器
水中の濁度成分,懸濁物質などを除去する装置。
filter
29
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6204
中空糸ろ過装置
復水系統に設置して,精密ろ過膜である中空糸膜に
よって,水中に含まれる懸濁物質及びコロイド状物
質を除去する装置。
hollow fiber filter
6205
凝集ろ過装置
ろ過器に供給する原水に凝集剤を加えて微フロッ
クを生成させ,その状態で直接ろ過することによっ
て,水中に含まれる微細懸濁物質を除去する装置。
マイクロフロ
ックろ過装
置
direct filtration
equipment
6206
プレコート式ろ
過器
けい藻土を付着させたフィルタで懸濁物質をろ過
する装置。
precoat filter
6207
電磁ろ過装置
ろ過用の充塡物に磁性体を用い,ろ過器の周囲に電
磁コイルを設けて,コイルに直流電流を流すことに
よって発生する磁力で充塡物を磁化し,水中の磁性
懸濁物質を除去する装置。
electro-magnetic filter
6208
陽イオン交換塔
イオン交換樹脂によって水中の陽イオンを除去す
る装置。
カチオン交換
塔
cation exchange tower
6209
陰イオン交換塔
イオン交換樹脂によって水中の陰イオンを除去す
る装置。
アニオン交換
塔
anion exchange tower
6210
ポリッシャ
脱塩装置で一旦処理した脱塩水の純度を更に高め
るため,また,シリカのように除去しにくい成分を
完全に近く除去する目的で設ける脱塩装置。
polisher
6211
混床式イオン交
換塔
陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを混合し
て充塡して,水中の陽イオン及び陰イオンを除去す
る装置。
混床塔
mix bed ion exchange
tower
6212
脱塩塔
復水脱塩装置の混床式イオン交換塔で,外部再生を
行う脱塩だけを目的とした装置。
condensate polisher
6213
再生塔
外部再生を行う場合に,イオン交換樹脂を再生する
装置。
regeneration tower
6214
樹脂貯槽
外部再生を行う場合に,再生したイオン交換樹脂を
蓄える装置。
resin storage tank
6215
真空脱気器
内部を常温程度で真空にして,水中の溶存ガスを除
去する脱気器。
脱塩装置では,陽イオン交換した処理水中の二酸
化炭素を除去するのに用いる。
vacuum deaerator
6216
脱炭酸塔
陽イオン交換した処理水中へ空気を吹き込んで,二
酸化炭素を大気へ放出させる装置。
脱炭酸ガス塔 decarbonater
6.3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6301
前置ろ過器
復水脱塩装置の上流側に設けるろ過器。
pre-filter
6302
後置ろ過器
復水脱塩装置の後流側に,主として,漏れた樹脂を
捕集する目的で設けるろ過器。
post-filter
6303
ろ過水ポンプ
ろ過した水を送るポンプ。
filtrate pump
6304
ろ過水タンク
ろ過した水を蓄えるタンク。
filtrate tank
6305
除濁水ポンプ
凝集沈殿後の水を送るポンプ。
clarified water pump
6306
原水タンク
原水を蓄えるタンク。
raw water tank
6307
原水ポンプ
原水を送るポンプ。
raw water pump
6308
脱炭酸水ポンプ
脱炭酸水を陰イオン交換塔へ送るポンプ。
decarbonated water
pump
30
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6309
脱炭酸水タンク
脱炭酸水を蓄えるタンク。
decarbonated water
tank
6310
脱塩水タンク
脱塩水を蓄えるタンク。
demineralized water
tank
6311
逆洗ポンプ
ろ過器を洗浄するために,逆方向に水を流すための
ポンプ。
backwash pump
6312
廃液中和槽
脱塩装置の再生時の廃液を,外部への排出に際し,
中和処理する槽。
waste water
neutralization tank
6313
廃液ポンプ
中和した廃液を排出するポンプ。
waste water disposal
pump
6314
薬液注入ポンプ
薬品溶液を復水,給水,ボイラ水などへ注入するポ
ンプ。
薬注ポンプ
chemicals feed pump
6315
薬液溶解タンク
薬品を水で溶解するタンク。
chemicals dissolving
tank
6316
薬液貯蔵タンク
溶解された薬品溶液を蓄えるタンク。
chemicals dissolved
water storage tank
6317
薬液計量タンク
薬液注入ポンプで注入される薬品量を量るタンク。
chemicals measuring
tank
6.4) 給水処理装置一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6401
りん酸塩処理
ボイラ水のpH及びりん酸イオンの濃度を,りん酸
塩で調節する処理方法。
phosphate treatment
6402
揮発性物質処理
ボイラ水調節剤としてヒドラジン,アンモニアなど
の揮発性物質を使用する処理方法。
all volatile treatment
6403
酸素処理
高純度の給水中に微量の酸素を注入して,その酸化
作用によって難溶解性の鉄酸化物を生成させるこ
とによって,腐食を抑制させる処理方法。
oxygenated water
treatment
6404
イオン交換樹脂
イオン交換作用をもつ合成樹脂。陽イオンを交換す
る陽イオン交換樹脂と陰イオンを交換する陰イオ
ン交換樹脂の総称。
ion exchange resin
6405
活性炭
吸着性の強い炭素質の炭。脱塩装置では,有機物の
除去用としてイオン除去装置の前で用いられる。
activated carbon
6406
再生
脱塩装置,軟化装置で,採水によってイオン交換能
力が飽和状態に近づいたとき,それぞれの再生剤に
よって性能を回復させること。
regeneration,
reactivation
6407
清缶剤
ボイラ内でスケールの生成,腐食の発生などを防ぐ
ために,給水及び/又はボイラ水に注入する薬品。
boiler compounds
6408
膜脱気
シリコーン系,テフロン系の気体透過膜によって,
水中に含まれる溶存酸素を除去する方法。
membrane dearation
6409
膜処理
水中に含まれる懸濁物,塩類などを膜によって分
離,除去する方法。膜のポアサイズ(孔径)の大き
いものから精密ろ過,限外ろ過,逆浸透及び気体分
離に分類される。
membrane treatment
6410
脱酸素剤
金属の腐食の原因となる溶存酸素を除去するため
に,ボイラの給水に添加する薬品。
oxygen scavenger
31
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6411
脱塩
脱塩装置によって,水中に含まれる陽イオン及び陰
イオンを除去すること。
demineralization
6412
原水
河川水,地下水,水道水,工業用水などの,まだ給
水処理をしていない水。
淡水
raw water
6413
脱塩水
脱塩装置で処理した純度の高い水。水質分析方法で
は,イオン交換水という。
純水
demineralized water
6414
軟水
軟化装置で処理して硬度成分を除去した水。
softened water
6415
電気伝導率
断面積1 m2,距離1 mの相対する電極間にある溶液
がもつ電気抵抗の逆数(JIS K 0130)。
electric conductivity
6416
pH
水の酸性及びアルカリ性の度合いを示す数値。水素
イオン濃度の逆数の常用対数(JIS Z 8802)。
ペーハー
pH-value
6417
シリカ
地表上の元素の大部分を占めるけい素の二酸化物
(SiO2)。水中に溶解しているシリカの形態は非常
に複雑で,分子状,イオン状及び不安定なコロイド
状のものが存在するが,いずれもボイラ水中では硬
度成分と結合して硬質スケールを作り,また,プラ
イミング,フォーミング及び蒸気に溶解することに
よるキャリオーバによって,タービンでの析出物と
なる原因物質である。
silica
6418
酸消費量
水中に含まれるアルカリ性成分の濃度を示す単位。
酸消費量pH 8.3:フェノールフタレイン指示薬の変
色点(pH 8.3)まで中和するのに要する酸の量。主
として,強アルカリ性成分の濃度を示す。
酸消費量pH 4.8:メチルレッド・ブロムクレゾール
グリーン混合指示薬の変色点(pH 4.8)まで中和す
るのに要する酸の量。弱アルカリ性成分を含めて,
アルカリの全量を示す。
アルカリ度,
Pアルカリ度,
Mアルカリ度
acid consumption
(alkalinity)
6419
濁度
水の濁りの程度を示す単位。一般に,濁りは泥土,
じんあい,有機物,微生物などが沈降せずに浮遊,
分散しているときに生じる。
turbidity
6420
硬度
水中に含まれるカルシウム,マグネシウムを炭酸カ
ルシウムに換算した質量(mg/l)。
hardness
6421
全蒸発残留物
水を蒸発させたとき残留した物質の全量で,水中の
懸濁物質と溶存物質との合計量(ただし,揮発性物
質は除く。)。
total matter
6.5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6501
原水水質
原水の濁度,pH,電気伝導率,酸消費量,全蒸発残
留物,その他の共存物質によって表される特質。
quality of raw water
6502
処理水水質
脱塩装置,軟化装置などで処理した水のpH,電気
伝導率,酸消費量,全蒸発残留物,その他の共存物
質によって表される特質。
quality of treated water
6503
処理水量
脱塩装置,軟化装置などで処理する水量。
quantity of water to be
treated
6504
貫流点
イオン交換において,水などをイオン交換樹脂充塡
層に通し,処理水中に交換されるべきイオンが,あ
る濃度以上に漏出し始める点。
break-through point
32
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
6505
樹脂貫流容量
貫流点までに示されるイオン交換樹脂の単位量当
たりのイオン交換容量。
樹脂交換容量 break-through capacity
6506
再生レベル
イオン交換樹脂の単位量当たりの再生剤の使用量。
regeneration level
6507
水質試験
原水,処理水などの水質の試験。
quality test of water
b) 地熱発電設備
1) 地熱発電一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
7101
地熱エネルギー
広義には地球内部で生成され,蓄積された熱エネル
ギー。資源という観点からは,現在の技術水準で採
取し利用可能なエネルギーを指す。浅部地熱,深部
地熱,深層熱水,高温岩体,火山エネルギーなどに
分類される。
geothermal energy
7102
予想資源量
地質調査,物理探査,地化学探査,少数の試すい(錐)
による熱流量調査などから見積られる地熱エネル
ギーの量。
probable reserve
7103
確定資源量
適宜な数の坑井群によって確認された地熱資源の
エネルギーの量。
proven reserve
7104
地熱貯留層
地熱流体が賦存している地層部分。堆積岩で代表さ
れるような多孔性媒質中に含まれている場合と割
れ目中に含有されている場合とがある。
geothermal reservoir
7105
地熱流体
地下に存在する,又は温泉若しくは地熱地域の地上
に噴出する高温の流体。一般には,蒸気,熱水及び
不凝結性ガスの混合体。蒸気と熱水との比率から,
蒸気卓越形又は熱水卓越形という場合がある。
geothermal fluid
7106
地熱バイナリー
サイクル発電
地熱流体の熱エネルギーを熱交換器において低沸
点媒体などのほかの流体に伝え,加熱,気化された
媒体でタービンを駆動する発電サイクル。低温側サ
イクルの動作媒体として,炭化水素系媒体,水−ア
ンモニア混合媒体などを使用するものがある。ま
た,水−アンモニア混合媒体を使用するものの一つ
にカリーナサイクルがある。
geothermal binary
cycle power
generation
7107
二相流体発電
地熱井から噴出する蒸気,熱水及び不凝結ガスを分
離しないで,そのまま原動機に導いて仕事をさせる
発電方式。
トータルフロ
ー発電
total flow power
generation,
two-phase flow power
generation
7108
地熱複合サイク
ル発電
背圧式蒸気タービンでの発電のほかに,蒸気タービ
ンの排気側に蒸発器を設置してバイナリー発電を
行う複合発電の方式。
geothermal combined
cycle power
generation
7109
高温岩体発電
熱水系が存在しない高温岩体に人工熱水系を作っ
て蒸気又は熱水を取り出し,これを利用する発電。
hot dry rock power
generation
7110
地熱利用率
地熱流体の総エネルギーに対する,電気として有効
に利用できるエネルギーの比率。
geothermal usable
efficiency,
available geothermal
energy factor
7111
不凝結ガス
地熱流体に含まれる凝結しないガス。一般に二酸化
炭素を主とし,若干の硫化水素を含む。
不凝縮ガス
non-condensible gas
33
B 0127:2012
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
7112
スケール
地熱流体に含まれる化学成分が析出したもの。スケ
ールの例としてシリカスケール,炭酸カルシウムス
ケール,硫化物スケールなどがある。
デポジット
scale,
deposit
2) 坑井及び附属設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
8101
地熱井
地熱流体を採取するために蒸気,熱水貯留層又は高
温岩体中に掘削する坑井。
geothermal well
8102
調査井
地熱開発のための調査を目的として,地熱流体を採
取する坑井。
exploration well
8103
生産井
地熱貯留層から蒸気,熱水又はこれらの混合流体を
採取し,これを利用することを目的とする坑井。蒸
気と熱水との比率によって,蒸気卓越井,熱水卓越
井という場合がある。
蒸気井
production well,
steam-dominated fluid
well,
water-dominated fluid
well
8104
還元井
気水分離器で分離された熱水を還元熱水として地
下へ戻す坑井。
re-injection well
8105
注入井
天然の地熱流体がないところから地熱エネルギー
を取り出すために流体を注入するための坑井。
injection well
8106
還元熱水
気水分離器で分離された発電に寄与しない熱水。常
温より高い温度をもち,地下へ還元されるもの。
re-injected water
8107
熱水還元方式
気水分離器で分離した還元熱水を地下へ還元する
方式。スケール付着防止のため熱水を大気に開放せ
ず,加圧状態で高温を維持したまま地下へ還元する
高温直接還元方式のほかに,滞留槽還元方式,希釈
還元方式などがある。
type of water
re-injection
8108
還元容量
還元井の性能を示す指標であり,注水して坑内水位
が地表に達しバランスした際の単位時間当たりの
注水流量。
re-injection capacity
8109
還元ポンプ
気水分離器で分離された熱水を地下へ還元するた
めの移送ポンプ。
re-injection pump
8110
坑井特性
坑井口元圧力と蒸気,熱水又はこれらの混合体の噴
出量との関係。還元井では還元圧力と還元量との関
係をいう。
characteristics of
geothermal well
8111
検層
坑井内に測定器を降ろし,地層温度,圧力などの物
性を測定し,井戸の状態を検査すること。電気検層,
音波検層,温度検層などがある。
坑内検層
well logging
8112
水圧破砕
人工貯留層の生成,又は地熱貯留層からの地熱流体
産出の増強などを目的に水圧によって岩体などを
破砕すること。
フラクチャリ
ング
hydraulic fracturing
8113
配管洗浄
配管などに詰まったスケールを除去する方法。一般
に水圧駆動によって切削するピグ洗浄と高圧水ジ
ェット洗浄とがある。
pipe cleaning (pigging
pipe cleaning) (high
pressure water jet
pipe cleaning)
8114
坑内薬注装置
スケール付着防止のため,薬液を坑内へ注入する設
備。
chemical injection
device
34
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
8115
ケーシングパイ
プ
掘削及び仕上げの目的で坑井内に挿入される管。坑
壁の崩壊又は障害となるガス,水などの坑井内への
侵入を防ぐためのもの。
ケーシング
casing pipe
8116
孔明管
地熱流体が通過するようスリットの入ったケーシ
ング。フィードゾーンに配置することで,地層の崩
壊,岩片の噴出などを防止する管。
孔明き管
slotted pipe
8117
ケーシングプロ
グラム
坑井の掘削孔径,深度,挿入するケーシングの種類,
寸法,設置深度,セメンティング法,口元弁,口元
管台などの計画を示したもの。
casing program
8118
泥水
坑井掘削作業において,地表と坑底との間を循環さ
せる流体。掘りくず(屑)を地表へ運ぶほかに,坑
井内の冷却,坑壁の保護の目的で使用する。ベント
ナイトなどの粘土及び水が主体である。
drilling mud
8119
逸泥
坑井掘削作業において,泥水が地層の割れ目,又は
空洞に逃げて正常な循環が行われない現象。逸水と
もいう(JIS M 0102)。
lost circulation of mud
water
8120
口元弁
坑井の噴気を停止するために坑井の口元に設置す
る主弁。
master valve
8121
ブリード弁
口元弁を全閉した際の過度の坑井圧力の上昇を避
けるために,地熱流体を逃がす目的で設置する弁。
bleed valve
8122
坑口装置
坑井口元管,口元弁,ブリード弁,圧力逃し装置,
坑口サイレンサ,坑口附近の配管などを含む装置の
総称(JIS M 0102)。
well-head equipment
8123
気水分離器
坑井から噴出する地熱流体を蒸気と熱水,土石など
に分離し,蒸気を取り出す装置。
セパレータ
steam separator
8124
還元タンク
気水分離器で分離された熱水を一時的にた(溜)め
ておくタンク。
ヘッダータン
ク,
レシーバー
re-injection tank
8125
減圧気化器
気水分離器で分離された熱水を減圧し,蒸気及び水
に分離する装置。
フラッシャー flasher
8126
湿分分離器
気水分離器からキャリオーバした熱水ミストをタ
ービン入口で分離して捕獲するための装置。
ミストセパレ
ータデミス
タ
moisture separator,
mist separator demister
8127
蒸気スクラバ
蒸気中の不純物を捕獲するため,復水などを注入し
て蒸気性状を向上させるための装置。湿分分離器の
手前に設置することが多い。
steam scruber
8128
二相流体輸送
蒸気及び熱水からなる相の異なる流体を分離する
ことなく輸送する方法。
two-phase flow
transportation
8129
輸送管
地熱蒸気,熱水又はこれらの二相流体を目的の場所
まで輸送するための配管。
transportation pipe
8130
大気放出板
設備,機器を保護するために,圧力の異常上昇によ
って破裂し,地熱流体を大気に放出する板状の装
置。
rupture disc
8131
大気放出弁
タービントリップ時などに蒸気圧力の過度の上昇
を防ぐために,異常圧力によって作動して大気に放
出するバルブ。
relief valve
8132
緊急放出弁
還元タンクの水位が規定値以上に上昇した際,ター
ビンへの熱水の浸入を防ぐために,熱水を緊急的に
系外ピットへ排出するための弁。
blow down valve
35
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番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
8133
ボールチェック
弁
熱水による浮力でボールが浮上して弁座に圧着す
ることで,蒸気配管へ熱水が流入するのを防止する
バルブ。
ball check valve
8134
消音器
蒸気又はガスの大気放出時に発生する騒音を減少
させる装置。
サイレンサ
silencer
3) タービン及び附属設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
9101
多段フラッシュ
地熱流体を飽和圧力以下に減圧してフラッシュさ
せることで蒸気を発生させることを,多段にシリー
ズに行うこと。1段減圧フラッシュをシングルフラ
ッシュ,2段減圧フラッシュをダブルフラッシュと
もいう。
multi flash
9102
一次蒸気
多段フラッシュの場合に,一段目のフラッシュで得
られた蒸気。
高圧蒸気
primary steam,
high pressure steam
9103
二次蒸気
多段フラッシュの場合に,二段目のフラッシュで得
られた蒸気。
低圧蒸気
secondary steam,
low pressure steam
9104
作動媒体
バイナリー発電において,地熱流体の熱から熱交換
によって熱エネルギーを加えられ,タービンサイク
ルを作動させるための流体。
working medium
9105
蒸発器
バイナリー発電において,地熱熱水又は地熱蒸気の
熱によって,サイクルの作動媒体を蒸発させる装
置。
evaporator
9106
シャットダウン
シール
バイナリー発電において,タービン停止中にタービ
ン車軸部から作動媒体が外部に漏れないようにす
るための軸シール。
shut down seal
9107
ガス抽出機
復水器を真空にするために,器内のガスを抽出する
装置。
gas extractor,
gas removal system
9108
エゼクタコンデ
ンサ
ガス抽出機の一種であるエゼクタの下流に設けら
れ,エゼクタで圧力を回復した蒸気を冷却し,ガス
分を大気中に放出する復水器。地熱発電において
は,主に直接接触式が用いられ,一般には冷却され
た蒸気と冷却水との混合水は復水器に回収され,ガ
ス分は大気に放出される。
ejector condenser
9109
予熱器
バイナリー発電において,タービン抽気,排気又は
還元熱水を加熱源として,作動媒体の温度を上げる
ための加熱器。
pre-heater
9110
フィードポンプ
バイナリー発電において,作動媒体の圧力を上げて
蒸発器に押し込むポンプ。
feed pump
9111
ブースタポンプ
バイナリー発電において,フィードポンプの必要吸
込圧力以上に作動媒体の圧力を上げるポンプ。
booster pump
9112
媒体分離回収装
置
バイナリー発電において,タービン軸シール油に溶
解した作動媒体を分離し,回収するための装置。
working medium
separation and
recovery equipment
9113
媒体タンク
バイナリー発電において,復水器で凝縮された作動
媒体を一時的に貯めておくタンク。
working medium tank
36
B 0127:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
慣用語
英語
9114
冷却塔
大気との熱交換によって冷却水を冷却する装置。熱
交換の方式によって,乾式(伝熱管を介す)及び湿
式(直接接触)があり,通風方法によって,強制通
風式及び自然通風式がある。また,冷却空気と冷却
水との互いの流れ方向の関係から,向流式及び直交
流式がある。
クーリングタ
ワー
cooling tower
9115
不凝結性ガス有
効上昇高さ
冷却塔又は排ガス管から吐き出される不凝結ガス
が,慣性力と浮力とによって実際に上昇する地上か
らの高さ。
effective stack height
9116
硫化水素除去装
置
硫化水素を除去する装置。例として,地熱発電用タ
ービン機器については,硫化水素を大気に放出させ
ないため,ガス抽出機によって復水器から抽出した
不凝縮ガスから硫化水素ガスを除去する装置を設
けることがある。
硫化水素ガス
除去装置
H2S gas abatement
system
参考文献 JIS B 0126 火力発電用語−ボイラ及び附属装置
JIS B 0128 火力発電用語−ガスタービン及び附属装置
JIS B 0130 火力発電用語−一般
JIS B 8101 蒸気タービンの一般仕様
JIS B 8102 蒸気タービン−受渡試験方法