B 0126:2018
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語の分類 ······················································································································ 1
4 用語及び定義 ··················································································································· 3
B 0126:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人火力
原子力発電技術協会(TENPES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS B 0126:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
B 0126:2018
火力発電用語−ボイラ及び附属装置
Glossary of terms for thermal power plants-Boilers and auxiliary equipment
1
適用範囲
この規格は,火力発電で用いられるボイラ及び附属装置に関する主な用語,及びその定義について規定
する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0127 火力発電用語−蒸気タービン及び附属装置並びに地熱発電設備
JIS B 0130 火力発電用語−一般
JIS B 0132 送風機・圧縮機用語
JIS B 0140 コンベヤ用語−種類
JIS B 8040 ガスタービン及び附属装置−用語
JIS B 8222 陸用ボイラ−熱勘定方式
JIS B 8223 ボイラの給水及びボイラ水の水質
JIS B 9909 集じん装置の仕様の表し方
JIS M 8801 石炭類−試験方法
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
3
用語の分類
用語の分類は,次による。
a) ボイラ
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) ボイラ一般
5) 性能及び試験
b) 燃焼装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
2
B 0126:2018
4) 燃焼一般
5) 性能及び試験
c) 配管
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 配管一般
d) 運炭及び灰処理装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 運炭及び灰処理一般
5) 性能及び試験
e) 通風装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 通風一般
5) 性能及び試験
f)
集じん装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 集じん一般
5) 性能及び試験
g) 排煙脱硫装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 排煙脱硫一般
5) 性能及び試験
h) 排煙脱硝装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 排煙脱硝一般
5) 性能及び試験
i)
二酸化炭素分離回収装置
1) 種類及び形式
2) 附帯設備
3
B 0126:2018
j)
石炭ガス化装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 石炭ガス化一般
4) 性能及び試験
k) 廃棄物ガス化装置
1) 種類及び形式
2) 構造
3) 附帯設備
4) 廃棄物ガス化一般
4
用語及び定義
用語及び定義は,次による。また,参考として慣用語及び対応英語を示す。
注記1 用語の一部に丸括弧( )を付けてあるものは,紛らわしくない場合には,丸括弧内を省略
してもよい。
注記2 用語の下の丸括弧( )内の仮名書きは,読み方を示す。
注記3 一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合は,記載されている順位に従って優先的
に使用する。
注記4 慣用語欄で,角括弧[ ]を付けてあるものは,分野を示す。
a) ボイラ
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1101
水管ボイラ
伝熱面が水管で構成されているボイラ。
water tube boiler
1102
自然循環ボイラ
ボイラ内の気水の密度差によって自然にボイラ
水を循環させるボイラ。
natural circulation boiler
1103
強制循環ボイラ
ポンプによって強制的にボイラ水を循環させる
ボイラ。
forced circulation boiler
1104
貫流ボイラ
給水を管の一端からポンプで押し込み,管の他
端から蒸気を取り出すボイラ。
once-through boiler
1105
廃熱ボイラ
炉,その他の排ガスの余熱を利用するボイラ。 余熱ボイラ
waste heat boiler
1106
排熱回収ボイラ
ガスタービンの排気の熱を回収して蒸気を発生
させるボイラ。
排ガスボイラ
heat recovery steam
generator,
HRSG,
exhaust gas boiler
1107
排気再燃ボイラ
ガスタービンの排気を燃焼用空気として利用す
るボイラ。
fully fired steam
generator
1108
過給ボイラ
排ガスで駆動されるガスタービンによって,圧
縮機をまわして空気を加圧し,過給して火炉圧
を高めたボイラ。
supercharged boiler
1109
石炭燃焼ボイラ
石炭を燃料とするボイラa)。
石炭だきボイ
ラ,
石炭だ(焚)き
ボイラ,
石炭ボイラ
coal fired boiler
4
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1110
重油燃焼ボイラ
重油を燃料とするボイラb)。
重油だきボイ
ラ,
重油だ(焚)き
ボイラ,
重油ボイラ
oil fired boiler
1111
ガス燃焼ボイラ
ガスを燃料とするボイラ。
ガスだきボイ
ラ,
ガスだ(焚)き
ボイラ,
ガスボイラ
gas fired boiler
1112
回収ボイラ
クラフトパルプなどの製造の際に生じる廃液を
濃縮燃焼して,再度使用できる薬品を回収する
ボイラ(JIS P 0001参照)。
注記 この際に燃焼熱も利用する。
ソーダ回収ボ
イラ
chemical recovery boiler
1113
専焼ボイラ
1種類の燃料だけを使用するボイラ。
single-fuel fired boiler
1114
混焼ボイラ
2種類以上の燃料を同時に使用するボイラ。
multi-fuel fired boiler,
co-fired boiler
1115
CWM燃焼ボイ
ラ
微粉炭と水とを混合し,流体化したものをCWM
といい,これを燃料とするボイラ。
coal-water mixture
(CWM) fired boiler
1116
超臨界圧ボイラ
蒸気圧力が臨界圧力(22.1 MPa)を超えるボイ
ラ。
supercritical pressure
boiler
1117
超々臨界圧ボイ
ラ
超臨界圧ボイラの中で蒸気圧力及び蒸気温度が
高いボイラ。
注記 一般的には蒸気温度が593 ℃以上のもの
をいう。
USCボイラ
ultra supercritical
pressure boiler,
advanced supercritical
pressure boiler
1118
先進超々臨界圧
ボイラ
超々臨界圧ボイラの中で蒸気圧力及び蒸気温度
が更に高く,高温部主要材料にNi基合金を使用
するボイラ。
注記 蒸気温度700 ℃級を目標に開発が進めら
れている。
A-USCボイラ
advanced ultra
supercritical pressure
boiler
1119
亜臨界圧ボイラ
蒸気圧力が,臨界圧力以下かつ比較的これに近
い圧力のボイラ。
subcritical pressure
boiler
1120
ドラムボイラ
自然循環,強制循環ボイラなどのように,蒸気
ドラムのあるボイラ。
drum boiler
1121
定圧運転ボイラ
全ての負荷において,タービン入口の蒸気圧力
を一定にして運転するボイラ。
constant pressure
operating boiler
1122
変圧運転ボイラ
部分負荷における熱効率の向上を図るために,
タービン入口の蒸気圧力を負荷に応じて変化さ
せて運転するボイラ。
variable pressure
operating boiler,
sliding pressure
operating boiler
1123
所内ボイラ
発電所において,発電用ボイラの起動時におけ
る,燃料油加熱用などの蒸気を供給するために
設ける補助用のボイラ。
補助ボイラ
house boiler,
auxiliary boiler
1124
流動層燃焼ボイ
ラ
流動層燃焼が行われるボイラ。
流動床燃焼ボ
イラ
fluidized bed
combustion boiler
1125
常圧流動層ボイ
ラ
通常の炉内圧力で流動層燃焼が行われるボイ
ラ。
注記 一般に,加圧流動層ボイラと記載されな
い限り,常圧流動層ボイラを指す。
常圧流動床ボ
イラ
atmospheric fluidized
bed combustion boiler
5
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1126
加圧流動層ボイ
ラ
流動層燃焼ボイラの燃焼炉を容器内に入れ,燃
焼炉内の圧力を高めたボイラ。
加圧流動床ボ
イラ
pressurized fluidized
bed combustion boiler
1127
気泡流動層ボイ
ラ
気泡流動層燃焼が行われるボイラ。
気泡流動床ボ
イラ,
BFB
bubbling fluidized bed
boiler
1128
循環流動層ボイ
ラ
循環流動層燃焼が行われるボイラ。
循環流動床ボ
イラ,
CFB
circulation fluidized bed
boiler
1129
バイオマス燃焼
ボイラ
バイオマス(動植物に由来する有機物で,エネ
ルギー源として利用することができるもの)を
燃料とするボイラ。
biomass fired boiler
1130
RDF燃焼ボイラ 可燃性一般ゴミを粉砕・乾燥し,石灰と混ぜ合
わせ固めて作った燃料をRDFといい,これを燃
料とするボイラ。
refuse derived fuel
(RDF) fired boiler
1131
RPF燃焼ボイラ 廃棄物由来の紙,プラスチックなどを固形化し
た燃料をRPFといい,これを燃料とするボイラ。
refuse derived paper and
plastics densified fuel
(RPF) fired boiler
1132
ストーカ燃焼ボ
イラ
ストーカ燃焼を行うボイラ。
stoker boiler
1133
酸素燃焼ボイラ
CO2回収を目的として空気から分離した酸素
で,燃料を燃焼させるボイラ。
oxyfuel boiler
注a) 石炭を“微粉炭”として使用する場合,又は固体燃料として“バガス”,“バーク”などを使用する場合は,用
語及び定義の“石炭”をこれらに読み替える。
b) 液体燃料として,“原油”,“軽油”,“ナフサ”,“アスファルト”,“黒液”などを使用する場合は,用語及び定義
の“重油”をこれらに読み替える。
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1201
火炉
燃料を燃焼させるボイラの部分。
燃焼室
furnace
1202
単一炉
一つのボイラで一つの火炉をもつ形式の火炉。 単炉
single furnace
1203
双炉
一つのボイラで二つの火炉をもつ形式の火炉。
twin furnace
1204
分割炉
火炉分割壁によって,ほぼ完全に分割されてい
る火炉。
隔壁炉
divided furnace
1205
乾式炉
石炭燃焼ボイラで,灰を溶融しない状態で取り
出す火炉。
dry bottom furnace
1206
湿式炉
石炭燃焼ボイラで,灰を溶融状態で取り出す火
炉。
注記 火炉の形式として二段燃焼炉,サイクロ
ン燃焼炉などがある。
wet bottom furnace,
slag tap furnace,
cyclone furnace
1207
主燃焼炉
流動層燃焼ボイラの一部で,燃料を主に燃焼さ
せる炉。
main bed cell
1208
再燃焼炉
流動層燃焼ボイラの一部で,集じん装置で捕集
した未燃カーボンを燃焼させる炉。
carbon burn-up cell
1209
炉壁
火炉を形成する壁。
furnace wall
1210
水冷壁
放射熱を吸収し,かつ,炉壁温度を低下させる
ために,炉壁に並べた水管の壁。
water wall
6
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1211
蒸冷壁
炉壁温度を低下させるために,炉壁又は後部煙
道を構成する蒸気管の壁。
steam cooled wall
1212
耐火れんが壁
耐火れんがで形成する炉壁。
firebrick wall
1213
裸水管壁
裸のままの水管を並べた炉壁。
bare tube wall
1214
スペースドチュ
ーブ壁
水管又は過熱器管を一定の間隔を設けて並べた
炉壁。
spaced tube wall
1215
タンゼントチュ
ーブ壁
水管又は過熱器管が密接した構造の炉壁。
tangent tube wall
1216
垂直管火炉壁
垂直管で構成された構造の炉壁。
vertical tube wall
1217
スパイラルチュ
ーブ壁
水管又は過熱器管が,密接又は一定の間隔で並
ぶ,ら旋状構造の炉壁。
ヘリカルチュ
ーブ壁,
スパイラリワ
ウンド壁
spiral tube wall
1218
メンブレン壁
気密を保つために,平鋼及び管を交互に溶接し
て一体とした構造の管壁。
メンブレンウ
ォール
membrane wall,
panel wall,
mono-wall,
welded wall
1219
火炉分割壁
火炉内の底部から頂部まで連続した水管又は過
熱器管で構成された垂直板状の隔壁。
火炉隔壁
division wall,
center wall
1220
ノーズ
燃焼ガスをう(迂)回させるために,火炉上部
に設けた突起壁。
デフレクショ
ンアーチ
nose,
deflection arch
1221
アーチ
ストーカ燃焼ボイラの火炉に用い,燃料の点
火・燃焼を促進する作用をするアーチ構造。
arch
1222
炉底
火炉の底面。
furnace bottom
1223
蒸気ドラム
ボイラの上部に設け,水と分離して蒸気を取り
出すドラム。
気水胴,
気水ドラム
steam drum
1224
水ドラム
ボイラの下部に設け,水を分配するためのドラ
ム。
水胴
water drum
1225
管板
(かんばん),
(くだいた)
多数の管を,溶接,ころ広げなどによって取り
付ける板。
tube plate
1226
胴板
ドラムなどの円筒部を形成する板。
shell plate
1227
鏡板
ドラムなどの両端を形成する,皿形などの板。
end plate
1228
ドラム内部装置
蒸気ドラムの内部に設置されている装置の総
称。
drum internals
1229
給水内管
蒸気ドラムの内部に設けられた給水管。
internal feed pipe (in
drum)
1230
ドラム水面計
蒸気ドラムの水位を監視するもの。
注記 偏光2色水面計,磁気形2色水面計など
がある。
drum water level gauge
1231
気水分離器
気水混合物を蒸気と水とに分離する装置。
steam separator,
water separator
1232
気水分離器ドレ
ンタンク
貫流ボイラにおいて,気水分離器によって分離
した,水(ドレン)をた(溜)める容器。
separator drain tank
1233
遠心式気水分離
器
気水混合物を旋回運動させて遠心力によって水
分を分離する分離器。
cyclone separator,
turbo separator
7
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1234
反転式気水分離
器
気水混合物の進む方向をじゃま板などによって
急激に変えることによって水分を分離する分離
器。
baffle plate type
separator
1235
スクラバ
波板を重ねたもので,その間に蒸気を通して蒸
気中の水分を除く装置。
ドライヤ
scrubber,
dryer
1236
デミスタ
網目を重ねたもので,それに蒸気を通して蒸気
中の水分を除く装置。
demister
1237
管寄せ
(かんよせ),
(くだよせ)
管を1か所に集め又は分配する容器。
ヘッダ
header
1238
混合管寄せ
給水,ボイラ水又は蒸気の混合を目的とする管
寄せ。
mixing header
1239
分配管寄せ
給水,ボイラ水又は蒸気の分配を目的とする管
寄せ。
distribution header
1240
マニホールド
比較的小径の連絡管又は管寄せを集合又は分岐
する容器。
manifold
1241
アンチクリンカ
ボックス
石炭燃焼ボイラなどで,ストーカ両側壁にクリ
ンカが付着しないように設けた冷却用管寄せ。
anti-clinker box
1242
管台
ドラム,管寄せ又は配管に,弁又は分岐管を取
り付けるために設けられた短い管。
nozzle stub
1243
点検ニップル
ドラム又は管寄せに,点検のために設けられた
短い管。
inspection nipple
1244
検査穴
管寄せなどの内部を検査するための穴。
inspection hole
1245
蒸発器
水を蒸発させる装置。
注記 火炉蒸発器又は煙道に設置される煙道蒸
発器がある。
Eva
evaporator
1246
火炉再循環管
貫流ボイラで,起動及び低負荷時に蒸発部の水
の再循環に用いる管。
recirculation pipe
1247
スラグスクリー
ン
火炉出口ガスを適当な温度に下げ,溶融灰を凝
固させる目的のために取り付けられた管間隔の
広い管群。
slag screen
1248
上昇管
気水混合物が上昇する管。
riser tube
1249
下降管
ボイラ水が下降する管。
降水管
down comer
1250
支持管
管群を支えるために利用する管。
hanger tube,
sling tube
1251
飽和蒸気管
蒸気ドラムから飽和蒸気を取り出す管。
saturated steam pipe
1252
連絡管
各部を連絡する管。
connecting pipe
1253
フィンチューブ
ひれ付きの管。
注記 ひれの形状としては板形,つば形,ら旋
形などのものがある。
finned tube
1254
スタッドチュー
ブ
スタッド付きの管。
stud tube
1255
リブドチューブ
管の内面にら旋状又はつば形の溝がある管。
ライフルチュ
ーブ
ribbed tube,
rifled tube
1256
コンポジットチ
ューブ
2種類の異なる金属を冶金学的に接合し,完全
に密着させた管。
密着二重管
composite tube
1257
後部伝熱面
火炉後に配置された伝熱面。
heat recovery area
1258
過熱器
蒸気を過熱する装置。
SH
superheater
8
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1259
接触過熱器
主として対流伝熱によって加熱する過熱器。
対流過熱器
convection superheater
1260
放射過熱器
主として放射伝熱によって加熱する過熱器。
radiant superheater
1261
横置き過熱器
水平ループ管で形成された過熱器。
horizontal superheater
1262
つ(吊)り下げ
過熱器
ボイラ天井部からつ(吊)り下げられた過熱器。
pendant superheater
1263
板形過熱器
管を板形に配列して火炉などに設けられる過熱
器。
platen superheater
1264
再熱器
タービンの高圧又は中圧排気を再び過熱する装
置。
注記 一段再熱方式と二段再熱方式とがあり,
形式及び構造は,過熱器と同様である。
RH
reheater
1265
スペーサ
水管などの隙間を一定に保つために用いた間隔
片。
ディスタンス
ピース
spacer
1266
プロテクタ
アッシュカッティングによる管の摩耗防止,炉
底管の海水飛まつによる腐食の防止などのため
に設置される,保護板又は保護管。
protector
1267
過熱低減器
過熱蒸気の温度を低減調整する装置。
減温器,
デスーパヒー
タ
desuperheater,
attemperator
1268
スプレー式過熱
低減器
給水などを噴射して過熱蒸気の温度を低減調整
する装置。
spray type desuperheater,
spray type attemperator
1269
表面冷却式過熱
低減器
冷却管を介して過熱蒸気と給水などとの間に熱
交換を行い,過熱蒸気の温度を低減調整する装
置。
surface type
desuperheater,
surface type attemperator
1270
スプレーノズル
蒸気温度を低減調整するために,過熱蒸気中に
給水を噴射するノズル。
spray nozzle
1271
ボイラ鉄骨
ボイラを支える鉄骨。
steel frame structure for
boiler
1272
(ボイラ)ケー
シング
ボイラ壁を囲む鋼板。
casing
1273
アウターケーシ
ング
ボイラ壁の一番外側に張るケーシング。
outer casing
1274
インナーケーシ
ング
ボイラ壁の内側に張るケーシング。
inner casing
1275
スキンケーシン
グ
気密を保つために,炉壁管などの背後に密着し
て張るケーシング。
skin casing
1276
バックステー
炉圧を支えるなど炉壁に必要な強度を確保する
とともに,地震力などの水平力をボイラ鉄骨に
伝える役目をするはり(梁)。
buck stay
1277
テンションプレ
ート
炉内圧を支えるなど炉壁に必要な強度を確保す
るため,水冷壁の周囲に設置されている板。
テンションメ
ンバ,
タイプレート
tension plate,
tension bar,
tie plate
1278
振れ止め装置
地震などによるボイラの横揺れを防ぐための装
置。
地震受け金具
seismic tie,
seismic damper
1279
安全弁
ドラム,過熱器,再熱器などに設け,規定圧力
以上に上昇した場合に危険を防ぐために,蒸気
を放出し,圧力が所定の値に降下すれば再び閉
じる機能をもつ弁。
safety valve
9
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番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1280
電気式逃し弁
ボイラ圧力の過度上昇を防ぐため,電磁式パイ
ロット弁の作用によって自動的に蒸気を噴き出
す逃し弁。
PCV
power control valve,
electric relief valve,
power actuated relief
valve
1281
ボイラ循環弁
ボイラ水の再循環系に用いる弁。
recirculation valve
1282
のぞ(覗)き窓
燃焼状態の監視又は内部点検のために,ボイラ
外壁に設けられた窓。
ピープホール
inspection hole,
observation hole,
inspection door
1283
爆発戸
炉内爆発が起こったとき,内部ガス圧力を逃が
す安全戸。
爆発扉
explosion door
1284
後部煙道
火炉を出た後の燃焼ガスが通過する通路。
rear pass,
secondary pass,
convection pass
1285
セル
流動層ボイラにおいて仕切りなどによって分割
され,独立して流動可能な流動層の小部屋。
cell
1286
散気管
流動層ボイラにおいて,流動層内に空気を吹き
込む管。
sparge pipe
1287
フリーボード
流動層燃焼ボイラの一部で,流動層の上部空間
部。
free board
1288
層内伝熱面
流動層内に設けた伝熱面。
immersed heating
surface
1289
空気分散板
流動層燃焼ボイラにおいて,流動層空気を層内
へ均一に吹き込むために,空気ノズルを多数取
り付けた平板。
air distributor
1290
流動媒体抜出し
管
流動層ボイラにおいて,流動層内から流動媒体
を抜き出す管。
ベッド材抜出
し管
bed material extraction
pipe
1291
流動媒体供給管
流動層ボイラにおいて,流動層内に流動媒体を
入れる管。
ベッド材供給
管
bed material injection
pipe
1292
流動媒体貯蔵バ
ンカ
流動層ボイラにおいて,流動媒体をた(溜)め
ておくバンカ形式の容器。
ベッド材貯蔵
バンカ
bed material storage
bunker
1293
流動媒体貯蔵タ
ンク
流動層ボイラにおいて,流動媒体をた(溜)め
ておくタンク形式の容器。
ベッド材貯蔵
タンク
bed material storage
tank
1294
断熱ケーシング
ボイラケーシングの内側又は外側に断熱材を張
り,薄板で表面をライニングしたケーシング構
造。
ケーシング
insulated casing
1295
伝熱管パネル
複数の伝熱管で構成される面(構造体)。
panel harp,
tube panel,
panel harp (HRSG)
1296
伝熱管ブロック
複数の伝熱管パネル,又は管寄せと複数の伝熱
管パネルとで構成された構造単位。
チューブブロ
ック,
伝熱管ユニッ
ト
tube bundle,
module bundle
1297
(排熱回収ボイ
ラ)モジュー
ル
ケーシングと伝熱管ブロックとで構成された構
造単位。
HRSG module
1298
低圧ボイラ直結
脱気器
低圧ボイラのドラムに直結された脱気器。
integral deaerator for
low pressure boiler
10
B 0126:2018
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1301
エコノマイザ,
節炭器
ボイラの燃焼ガスを利用する給水加熱器。
Eco
economizer
1302
蒸発式エコノマ
イザ,
蒸発式節炭器
給水の一部が蒸発を起こすエコノマイザ。
steaming economizer
1303
ひれ付エコノマ
イザ,
ひれ付節炭器
つば形又は板形ひれが付いた管によって構成さ
れたエコノマイザ。
フィン付Eco
finned tube economizer,
gilled ring type
economizer
1304
鋼管形エコノマ
イザ,
鋼管形節炭器
連続ループ管,連続管など鋼管によって構成さ
れたエコノマイザ。
steel tube economizer
1305
アディショナル
ヒータ
起動時及び低負荷時に熱回収を行う熱交換器。
additional heater
1306
空気予熱器
燃焼用などの空気を加熱する装置。
エアヒータ
air preheater
1307
鋼管式空気予熱
器
管の壁を介して,燃焼ガスと空気との間で熱交
換を行う空気予熱器。
tubular air preheater
1308
板形空気予熱器
多数の平板を一定の間隔に並べ,燃焼ガスと空
気とを板を隔てて層状に流して熱交換を行う空
気予熱器。
plate air preheater
1309
再生式空気予熱
器
伝熱体に熱ガスと空気とを交互に接触させるこ
とによって,熱交換を行う空気予熱器。
regenerative air
preheater
1310
蒸気式空気予熱
器
蒸気によって空気を加熱する空気予熱器。
スチームエア
ヒータ
steam air preheater
1311
ガス式給水加熱
器
ボイラ排ガスで,エコノマイザ入口給水を加熱
する熱交換器。
exhaust gas feed water
heater
1312
加熱エレメント
再生式空気予熱器で,伝熱が行われる波状の板
などの部品。
heating element
1313
バスケット
再生式空気予熱器で,一群の加熱エレメントを
入れるケース。
basket
1314
起動用熱風炉
流動層燃焼ボイラを起動するために使用する,
高温気体発生炉。
hot gas generator
1315
スートブロワ
伝熱面に付着した,すす,スラグなどを蒸気又
は空気を噴射して除去する装置。
すす吹き器
(機),
スーツブロワ
soot blower
1316
デスラッガ
火炉壁に付着した,すす,スラグなどを除去す
るスートブロワ。
短抜き差しス
ートブロワ
wall deslagger,
wall blower
1317
ガンタイプスー
トブロワ
短い噴射管を用い,伝熱面に付着した灰などを
除去するスートブロワ。
注記 使用しないときは,高温ガスから保護す
るため,噴射管を壁外に引き出すものが
多い。
gun type soot blower
1318
ロータリスート
ブロワ
長い噴射管を回転することによって,すすを除
去するスートブロワ。
定置回転式ス
ートブロワ
rotary soot blower
1319
レトラクタブル
スートブロワ
高温ガスから噴射管を保護するため,抜き差し
可能となっているスートブロワ。
長抜き差しス
ートブロワ
retractable soot blower
1320
スートブロワ盤
スートブロワを遠隔作動させるために設けた操
作盤。
soot blower control
panel
11
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1321
火炉出口ガス温
度計
火炉出口ガス温度を計測する装置。
furnace temperature
probe
1322
ボイラ循環ポン
プ
ボイラ水を循環させるために使用するポンプ。 缶水循環ポン
プ
boiler circulation pump,
boiler water circulation
pump
1323
ボイラ自動制御
装置
ボイラを自動的に制御する装置。
ABC
automatic boiler control
system
1324
燃焼制御装置
ボイラに供給される燃料量及び空気量を制御
し,かつ,空気比を最適に保つ装置。
automatic combustion
control system
1325
給水制御装置
ボイラに送る給水量を制御する装置。
feed water control
system
1326
蒸気温度制御装
置
ボイラの過熱及び再熱蒸気温度を制御する装
置。
steam temperature
control system
1327
炉内圧力制御装
置
ボイラの炉内圧力を一定に制御する装置。
furnace pressure (draft)
control system
1328
空気予熱器低温
端メタル温度
制御装置
空気予熱器の低温部の伝熱部金属温度を,所定
の温度に制御する装置。
air heater coldend metal
temperature control
system
1329
ボイラ保護イン
タロック装置
ボイラの重大な損傷を防止する目的で,自動で
炉内への燃料を遮断する装置。
boiler protection
interlock system
1330
ボイラ制御盤
ボイラ関係の諸装置の制御,操作及び監視を総
括的に行う盤。
ボイラ盤
boiler control panel
1331
計器盤
主に,計器が取り付けてある盤。
instrument panel
1332
現場盤
現場に設置し,制御,操作及び監視を行う盤。 現地盤
local panel
1333
薬液注入装置
水質を適正な状態に保持するために,化学薬品
を溶解した薬液を復水,給水,ボイラ水などに
注入する装置。
薬注装置
chemical dosing
equipment
1334
試料採取装置
給水,ボイラ水,蒸気などの中に含まれる不純
物測定のため,試料を採取する装置。
sampling equipment
1335
水噴射式スート
ブロワ
高圧水を炉壁に設置した首振り式のノズルから
噴射し,対向する炉壁に付着したクリンカなど
を熱衝撃によって除去する装置。
水スートブロ
ワ
water injection type soot
blower,
water cannon
1336
高圧ガス燃焼式
スートブロワ
高圧ガスを容器に貯め,燃焼させたときに発生
する圧力波によって,すす,スラグなどを除去
する装置。
ショックパル
ススートブロ
ワ
high pressure
combustion gas type
soot blower
1337
音波式スートブ
ロワ
高音圧の気柱共振周波数を発生させ,伝熱面な
どに付着したすす,スラグなどを除去する装置。
ソニックホー
ンスートブロ
ワ
sonic horn soot blower,
acoustic horn soot
blower
1338
空気分離装置
空気から酸素と窒素とを分離する装置。
ASU
air separation unit
4) ボイラ一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1401
最高使用圧力
設計上,許容できる最高の使用圧力。
maximum allowable
working pressure
1402
最高使用温度
設計上,許容できる最高の使用温度。
maximum allowable
working temperature
12
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1403
伝熱面
一方の側が水,蒸気などの被加熱流体に触れ,
他の側が燃焼ガスなどの加熱流体に触れる面。
heating surface
1404
蒸発伝熱面
蒸発が行われる伝熱面。
加熱面
evaporating heating
surface
1405
過熱伝熱面
蒸気の過熱が行われる伝熱面。
superheating surface
1406
放射伝熱面
火炎,火床などの放射熱による伝熱を主とする
伝熱面。
radiation heating surface
1407
接触伝熱面
燃焼ガスの接触による伝熱を主とする伝熱面。 対流伝熱面
convection heating
surface
1408
伝熱面積
伝熱面の燃焼ガスなどの加熱流体側で測った面
積。
heating surface area
1409
火炉容積
火炉の内容積。
furnace volume
1410
火炉有効投影放
射面積
火炉を構成する各面において,放射伝熱上有効
と評価される投影面積。
EPRS
effective projected
radiant surface
1411
ボイラ水循環
ボイラ内の気水の密度差又は循環ポンプによっ
て,ボイラ内を水が循環すること。
boiler water circulation
1412
自然循環
ボイラ内の気水の密度差によって,自然にボイ
ラ内を水が循環すること。
natural circulation
1413
強制循環
ボイラ内の水を循環ポンプによって,強制的に
循環させること。
forced circulation
1414
循環比
蒸発管出口の発生蒸気量に対する入口流入量の
質量割合。
circulation ratio
1415
循環速度
ボイラ水が循環する速さ。
注記 通常,蒸発管入口における速さで示す。
circulation velocity
1416
蒸気体積率
蒸発管中に存在する蒸気と気水混合物との体積
比率。
ボイド率
void fraction
1417
蒸気質量率
蒸発管中に存在する蒸気と気水混合物との質量
比率。
クォリティ
quality,
dryness fraction
1418
自己蒸発
ボイラなどの圧力が低下した場合に,保有水の
一部が蒸発する現象。
self-evaporation
1419
ボイラ水ブロー
ボイラ水濃度の調節又は補修のため,ボイラ水
の一部又は全部を排出すること。
blow off,
blow off of boiler water
1420
連続ブロー
ボイラ水濃度を調節するため,蒸気ドラム内の
ボイラ水を連続してブローすること。
continuous blow down
1421
間欠ブロー
ボイラ水濃度を調節するため,時間をおいてボ
イラ水をブローすること。
periodic blow down,
intermittent blow down
1422
ドレン
蒸気管系などで,温度低下によって蒸気が復水
したもの。
drain
1423
満水保缶
ボイラを停止する場合,腐食防止のため,微ア
ルカリ性の脱気した水を満たして,ボイラを保
存する方法。
満水保存
wet lay up
1424
乾燥保缶
ボイラを空にして,腐食防止のため窒素を封入
してボイラを保存する方法。
注記 シリカゲルなどの乾燥剤を入れることも
ある。
乾燥保存
dry lay up
1425
ホットバンキン
グ
次の起動に備えて,煙風道の各ダンパを閉止す
るなどして,ボイラをできるだけ冷やさないよ
うにすること。
hot banking
13
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1426
強制冷却
強制的にボイラを冷却して停止すること。
急速冷却
quick cooling,
forced cooling
1427
クリーンアップ
貫流ボイラにおいて,ボイラ起動時に給水及び
復水系を含んだ系統内の水を系統外に排出又は
脱塩装置を通じて循環させて,鉄分などの不純
物を除去し,水質の向上を図ること。
注記 コールドクリーンアップ(点火前)と,
ホットクリーンアップ(点火後)とがあ
る。
clean up
1428
炉内パージ
残留未燃ガス及び漏れ燃料による火炉の爆発防
止のため,点火直前又は消火直後に炉内を掃気
すること。
furnace purge
1429
乾燥だ(焚)き
ボイラの建設又は補修後,炉材に亀裂が入らな
いよう徐々に加熱乾燥すること。
furnace drying
1430
アッシュカッテ
ィング
微粉炭燃焼ボイラなどで,燃焼ガスがある速度
以上になると,接触伝熱管などが灰分によって
摩耗を起こす現象。
アッシュエロ
ージョン
ash cutting,
ash erosion
1431
スチームカッテ
ィング
蒸気式スートブロワの噴射蒸気,ドレン又は破
損管からの噴出蒸気によって,伝熱管などが摩
耗する現象。
steam cutting
1432
スラッギング
放射熱を受けるボイラ伝熱面の表面に,燃焼生
成物が付着すること。
slagging
1433
ファウリング
ボイラの対流伝熱管の外部が,燃焼生成物によ
って汚れる現象。
fouling
1434
デポジット
伝熱面の内外面に,不純物又は燃焼生成物が付
着成長したもの。
deposit
1435
バードネスト
ストーカ又は微粉炭燃焼によって生じた灰が,
溶融状態となり伝熱面に付着し,鳥の巣のよう
になる現象。
bird nest
1436
ボイラ水濃度
ボイラ水の濃縮の割合を表す値(JIS B 8223参
照)。
缶水濃度
concentration of boiler
water
1437
蒸気純度
発生蒸気中に含まれる不純物の濃度。
注記 通常,単位は“mg/L”又は“μg/L”で表
すが,運転監視の場合は,測定の都合か
ら電気伝導率で推定することが多い。
steam purity
1438
キャリオーバ
ボイラ水中に溶解している塩類,水分などが,
発生蒸気に伴われて運び出される現象。
気水共発,
飛まつ同伴
carryover
1439
プライミング
ボイラ負荷の急増,ドラム水位の異常な上昇な
どによって,水分が蒸気と分離されないままに
ドラムから送り出される現象。
水けだち
priming
1440
フォーミング
ボイラ水中の油脂類,溶解塩類,浮遊物などに
よって,ドラム水面に多量の泡を生じる現象。
泡立ち
foaming
1441
ハイドアウト
りん酸ナトリウムなどをボイラ水処理に使用す
る場合,高圧ボイラではボイラ水のりん酸塩な
どの濃度が負荷を増すと減少し,負荷を減じる
と急激に増大する現象。
hide-out phenomena
1442
スケール
ボイラ水中の不純物がドラム,管内壁などに析
出し,固着したもの。
scale
14
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1443
スラッジ
ボイラ水中の不純物がドラム,管寄せなどの底
部に沈殿したもの。
sludge
1444
化学洗浄
ボイラ及びその給水・復水の系統に対して化学
薬品を適温で循環させて,内部に付着したスケ
ール,シリカ,油脂などを除去する作業(JIS B
0130参照)。
注記 無機酸及び有機酸洗浄,アルカリ洗浄,
キレート洗浄などがある。
化洗
chemical cleaning
1445
アルカリ洗浄
化学洗浄の一種でアルカリ性薬品及び界面活性
剤をボイラ又は配管系統に入れ,適温で循環さ
せて内部に付着した油脂,シリカなどを除去す
ること。
ソーダ煮
alkali cleaning
1446
酸洗い
化学洗浄の一種でボイラに酸化抑制剤を添加し
た酸性溶液を適温で循環させて,内部のスケー
ルなどを除去すること。
酸洗
acid cleaning
1447
孔食,
ピッチング
金属局部腐食の一種。
注記 小孔状に点在して発生する。
点食
pitting
1448
苛性ぜい(脆)
化
高濃度のアルカリによる応力腐食割れ。
caustic embrittlement
1449
水素ぜい(脆)
化
高温,高圧において,蒸気は鋼管と接触すると,
水素を生じ,この水素と鋼管材の炭素とが反応
して,メタンとなり,逐次粒界を縫って侵入し,
アルカリ腐食又は苛性ぜい(脆)化と同じよう
な腐食(粒界腐食又は応力腐食割れ)を生じる
こと。
hydrogen embrittlement
1450
応力腐食割れ
金属材料が引張応力の下で,腐食環境の影響を
受け,著しくぜい(脆)化して破壊する現象。
SCC
stress corrosion cracking
1451
メタルダスティ
ング
CO及びH2を多く含有する浸炭性ガスにおいて
金属が炭化物生成に伴い局部的に著しく減肉す
る現象。
metal dusting
1452
アルカリ腐食
高濃度のアルカリによって起こる腐食現象。
alkali corrosion,
caustic attack
1453
水蒸気酸化腐食
ステンレス鋼,低合金鋼の過熱器管,再熱器管
の内面に,過熱水蒸気による酸化スケールが生
成する現象。
steam oxidation
1454
高温腐食
高温場で金属が,燃焼ガス又は溶融塩中で反応
する現象の総称。
注記 この中に,高温酸化,溶融塩腐食,高温
硫化腐食,高温塩化腐食,浸炭などが含
まれる。
high temperature
corrosion
1455
高温酸化
高温場で金属が酸素と反応して酸化物を生成す
る現象。
high temperature
oxidation
1456
溶融塩腐食
油中のバナジウム,石炭中のナトリウム,カリ
ウムなどが燃焼の際に,比較的低溶融点の化合
物を形成し,過熱器管壁,再熱器管壁などの高
温伝熱面に付着,堆積し,保護スケールを溶解
して金属を腐食する現象。
[油]バナジウ
ムアタック,
[石炭]鉄アル
カリ硫酸塩腐
食
hot corrosion
15
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1457
高温硫化腐食
高温場で金属が亜硫酸ガス,硫化水素ガスなど
と反応して硫化物を生成する現象。
硫化腐食
high temperature
sulfidation,
sulfide corrosion
1458
高温塩化腐食
高温場で金属が塩素ガス,塩化水素ガスなどと
反応して塩化物を生成する現象。
注記 一般的には酸化物と塩化物とが混在して
生成され,金属塩化物の揮発,保護皮膜
剝離などによって著しい腐食減肉が生じ
る。
塩化腐食
high temperature
chloridation
1459
浸炭
炭化水素及び/又はCOガスから解離した原子
状炭素が金属中に侵入し炭化物を生成する現
象。
注記 ステンレス鋼では浸炭によってCr炭化物
が析出すると,その近傍はCr欠乏層とな
り異常酸化の原因となる。
carburization
1460
溝状腐食
高温硫化腐食と疲労との相互作用によって,管
の周方向に多数の溝状の亀裂が生じる現象。
ファイアーク
ラック,
エレファント
スキン
grooving corrosion
1461
低温腐食
排ガス中の三酸化硫黄(SO3)が水蒸気と反応し
て硫酸(蒸気)となり,露点以下の金属表面に
凝結して腐食を起こす現象。
酸露点腐食
low temperature
corrosion,
acid dew point corrosion
1462
硫酸水素アンモ
ニウム閉塞
低温腐食対策の中和剤及び脱硝反応還元剤とし
て,アンモニアを注入する場合に,空気予熱器
において硫酸水素アンモニウム及び硫酸アンモ
ニウムが堆積し,閉塞を起こす現象。
酸性硫安閉塞
ammonium hydrogen
fouling
1463
自動プラント制
御
プラント全体を協調性をもって制御する方法。 APC
automatic plant control
1464
ランピング
定圧貫流ボイラにおいて,ボイラ起動時に水・
蒸気の流れを起動系から貫流系へ切り替える操
作。
ramping
1465
デランピング
定圧貫流ボイラにおいて,ボイラ停止時に水・
蒸気の流れを貫流系から起動系へ切り替える操
作。
deramping
1466
循環貫流切替
変圧貫流ボイラにおいて,循環運転と貫流運転
とを切り替えること。
wet/dry切替
WET/DRY mode
transfer
1467
炉内足場
火炉の保守を目的として,炉内に仮設置する足
場。
注記 炉底から組み上げるもの,天井からつ
(吊)り下げるものなどがある。
furnace scaffold
1468
フレキシブル対
策
管寄せ,管台などにおいて発生する熱応力低減
のために,フレキシビリティを向上させる対策。
−
1469
溶射
摩耗(又は腐食)の防止を目的として,ボイラ
チューブ表面に耐摩耗(耐腐食)材を溶着する
こと。
thermal spray
1470
肉盛溶接
母材表面に硬化,耐食,補修,再生などの目的
に応じた所要の組織と寸法の金属とを溶着する
方法(JIS Z 3001-1参照)。
肉盛
overlaying,
cladding welding
16
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1471
アルカリ処理
水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分によって
ボイラ水のpHを調整し,各種のりん酸塩及び
ヒドラジン又は非ヒドラジン系脱酸素剤,並び
にこれらの複合添加によってボイラ水の水質を
調整する水処理方式(JIS B 8223参照)。
alkaline treatment
1472
りん酸塩処理
ボイラ蒸発管のアルカリ腐食を防止するため,
ボイラ水中に過剰のアルカリ成分を共存させる
ことなく,りん酸塩(通常,りん酸三ナトリウ
ム及びりん酸水素二ナトリウム)の濃度とpH
との関係を適正に維持してボイラ水の水質を調
節する方式(JIS B 8223参照)。
phosphating treatment
1473
揮発性物質処理
給水及びボイラ水のpHをpH調整剤を用いて,
鉄系材料の酸化物であるマグネタイト(Fe3O4)
の溶解度が小さくなるpH 8.5〜10.3程度のアル
カリ性に保持する揮発性物質だけで処理する方
式(JIS B 8223参照)。
注記 アルカリ腐食の懸念がないうえに,ボイ
ラ水の全蒸発残留物の濃度を可能な限り
低く抑えられ,蒸気純度の向上を図れる。
具体的には還元型[AVT(R)],低酸化型
[AVT(LO)],酸素型[AVT(O)]があ
る。
volatile matter treatment
1474
AVT(R)処理法 揮発性物質処理のうち,ヒドラジンなどの脱酸
素剤を用いて溶存酸素を化学的に除去し,還元
雰囲気中で腐食の抑制を図る方式(JIS B 8223
参照)。
all-volatile treatment
(reducing)
1475
AVT(LO)処理
法
揮発性物質処理のうち,ヒドラジンなどの脱酸
素剤を使用せず,溶存酸素濃度を低く保持でき
る水処理方法(JIS B 8223参照)。
all-volatile treatment
(low oxidizing)
1476
AVT(O)処理
法
揮発性物質処理のうち,ヒドラジンなどの脱酸
素剤を使用せず,酸電気伝導率を酸素処理並み
に抑制できていることを条件に,給水中の溶存
酸素濃度を5〜20 µg/Lと微量の存在を積極的に
許容し,酸化雰囲気の中で腐食を抑制する水処
理方法(JIS B 8223参照)。
all-volatile treatment
(oxidizing)
1477
酸素処理
高純度水中に微量の酸素ガスなどの酸化剤及び
揮発性アルカリ薬品,又は酸素ガスだけを復水
系統及び給水系統に注入することによって,水
中の鉄成分を2価から溶解度の低い3価の状態
に維持して水質管理を行う方式(JIS B 8223参
照)。
注記 複合水処理(CWT:Combined Water
Treatment)と呼ぶこともある。
oxygen treatment,
combined water
treatment
1478
低濃度水酸化ナ
トリウム処理
ボイラ水の注入薬品をりん酸ナトリウムに替え
て,水酸化ナトリウムで調整する処理方式(JIS
B 8223参照)。
low-concentration
sodium hydroxide
treatment
17
B 0126:2018
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1501
最大連続蒸発量
ボイラが連続して発生できる単位時間当たりの
最大蒸発量。
注記 一般的に1時間当たりの最大蒸発量で表
す。
最大連続負荷,
MCR
maximum continuous
rating
1502
経済負荷
発電プラントにおいて,最も経済的になるよう
に設計している負荷。
注記 一般的には,タービン定格負荷を経済負
荷としている。
ECR
economical continuous
rating
1503
換算蒸発量
蒸気圧力及び温度が異なるボイラの容量を比較
するときに,ある一定の基準で換算した蒸発量。
相当蒸発量
equivalent evaporation
1504
ボイラ効率
ボイラに供給された熱量に対するボイラで有効
に利用された熱量の割合。
boiler efficiency
1505
ボイラ室効率
1) ボイラに供給された熱量に対し,タービン
に有効に供給された熱量の割合。
2) ボイラ効率から主蒸気管及び再熱蒸気管の
放熱損失などを差し引いた値。
effective boiler
efficiency at terminal
1506
ボイラ熱勘定
ボイラの入熱と出熱(吸収熱及び熱損失)との
熱平衡精算(JIS B 8222参照)。
boiler heat balance
1507
ボイラ収熱割合
ボイラ各部の吸収熱量の割合。
−
1508
乾き排ガス損失
煙突へ排出する乾き排ガスの顕熱による熱損
失。
heat loss due to dry gas
1509
排ガス水蒸気損
失
排ガス中の水蒸気のもち去る熱量による熱損
失。
注記 低位発熱量を基準とする場合は,水蒸気
の顕熱だけであるが,高位発熱量を基準
とする場合は,これに水蒸気の潜熱を加
える。
湿分損失,
水分損失
heat loss due to moisture
in exhaust gas
1510
不完全燃焼ガス
損失
不完全燃焼のための燃焼ガス中の可燃分(一酸
化炭素,水素など)による熱損失。
heat loss due to
unburned gas
1511
未燃分損失
燃えがら及びフライアッシュ中の未燃分による
熱損失。
heat loss due to
combustible in refuse
1512
放散熱損失
ボイラ壁などから外気に放散される熱損失。
heat loss due to radiation
1513
未勘定損失
測定困難,測定誤差などによる熱損失。
その他の損失
unmeasured loss,
residual loss
1514
伝熱面蒸発率
単位蒸発伝熱面積について,単位時間当たりの
蒸発量。
evaporation rate of
heating surface
1515
伝熱面熱負荷
単位伝熱面積について,単位時間当たりに伝え
られる熱量。
注記 これに伝熱面積を乗じると水・蒸気側の
収熱量となる。
伝熱面熱流束
heat flux of heating
surface
1516
火炉伝熱面熱負
荷
火炉の熱負荷を示す指標の一つで,単位時間に
火炉に与えられる総熱量(燃料の発熱量,燃焼
用空気,再循環ガスなどがもつ熱量)を火炉伝
熱面積で除した値。
furnace surface
liberation rate
18
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
1517
バーナゾーン熱
負荷
火炉バーナゾーンの熱負荷を示す指標で,単位
時間に火炉に与えられる総熱量(燃料の発熱量,
燃焼用空気,再循環ガスなどがもつ熱量)を火
炉のバーナ部有効火炎冷却伝熱面積で除した
値。
burner zone liberation
rate
1518
火炉断面熱負荷
火炉の熱負荷を示す指標の一つで,単位時間に
火炉に与えられる総熱量(燃料の発熱量,燃焼
用空気,再循環ガスなどがもつ熱量)を火炉断
面積で除した値。
furnace cross section
liberation rate
1519
火炉熱負荷
火炉の熱負荷を示す指標の一つで,単位時間に
火炉に与えられる総熱量(燃料の発熱量,燃焼
用空気,再循環ガスなどがもつ熱量)を火炉容
積で除した値。
火炉負荷,
燃焼室熱発生
率
furnace liberation rate,
furnace volumetric
liberation rate
1520
空気予熱器空気
漏えい(洩)
率
空気予熱器における空気のガス側への漏えい
(洩)率。
air leakage ratio
1521
水圧試験
ボイラ及び附帯設備の耐圧部分に,水圧をかけ
て漏れ及び変形を調べる試験。
hydrostatic test,
hydrostatic pressure test
1522
空気漏れ試験
据付け後,ボイラケーシングからのガス漏れの
有無を,空気圧をかけて調べる試験。
気密試験
air leak test
1523
水張り試験
圧力容器などに水張りして漏れを調べる試験。
leak test by filling water
1524
安全弁作動試験
ボイラの安全弁が,発電用火力技術基準その他
の規則に適合して作動することを確認する試
験。
safety valve operation
test,
popping test of safety
valve
1525
安全弁油圧作動
試験
安全弁を作動試験する際,安全弁作動圧力より
も低い蒸気圧力で保持し,油圧ジャッキによっ
て弁棒を引き上げて吹出しを確認し,引上げに
要した力及びそのときの蒸気圧力から安全弁の
吹出し圧力を測定する試験。
hydraulic action test
1526
安全弁設定値
基準・規則に適合するように設定された,安全
弁の吹出し及び吹止まりの圧力の値。
set pressure of safety
valve
1527
安全弁吹出し圧
力
安全弁が吹出し動作を開始したときの圧力。
popping pressure of
safety valve
1528
安全弁吹下がり
圧力
安全弁の吹出し圧力と吹止まり圧力との差,又
はその圧力差を安全弁の吹出し圧力に対する百
分率で表したもの。
blowdown pressure of
safety valve
1529
安全弁吹止まり
圧力
安全弁の吹出し動作が停止したときの圧力。
popping stop pressure of
safety valve
1530
負荷試験
ボイラ及び補機が各負荷で所定の能力を出すこ
とを確認する試験。
load test
1531
性能試験
ボイラが所定の効率その他の性能を出すことを
確認する試験。
performance test
1532
負荷変動試験
負荷が変化した場合又は変動状態を持続する場
合に,ボイラがそれに追従する性能を調べる試
験。
load change test
1533
ボイラ動特性試
験
制御の面からみたボイラ自体の過渡的特性を調
べる試験。
boiler dynamic response
test
19
B 0126:2018
b) 燃焼装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2101
石炭燃焼装置
石炭を燃焼させる装置a)。
coal firing equipment
2102
火格子燃焼装置
火格子を用いて燃料を燃焼させる装置。
stoker firing equipment
2103
微粉炭燃焼装置
石炭を微粉砕してバーナに送り,燃焼させる装
置。
pulverized coal firing
equipment
2104
乾式燃焼方式
石炭燃焼ボイラで,灰を溶融しない状態で取り
出すように,燃焼させる方式。
ドライホッパ
ボトム
dry bottom firing system
2105
湿式燃焼方式
石炭燃焼ボイラで,灰を溶融状態で取り出すよ
うに燃焼させる方式。
注記 サイクロン燃焼方式,二段燃焼方式など
がある。
スラグタップ
slag tap firing system
2106
直接燃焼式
各ボイラに附属した微粉炭機をもち,微粉炭を
直接バーナに送る方式。
direct firing system
2107
単位貯蔵式
各ボイラに附属した微粉炭機をもち,微粉炭を
一度貯槽にためてバーナに送る方式。
semi bin system
2108
中央貯蔵式
2基以上のボイラに共通した微粉炭機をもち,
微粉炭を一度貯槽にためて各ボイラに送る方
式。
central bin system
2109
重油燃焼装置
重油を燃焼させる装置b)。
fuel oil firing equipment
2110
ガス燃焼装置
ガスを燃焼させる装置。
注記 使用する燃料としては,天然ガス,石油
精製ガス,溶鉱炉ガス,コークス炉ガス
などがある。
fuel gas firing
equipment
2111
CWM燃焼装置
CWMを燃焼させる装置。
coal-water mixture
(CWM) firing
equipment
2112
流動層燃焼装置
流動層燃焼をさせる装置。
fluidized bed combustor,
FBC
2113
酸素燃焼方式
排ガス中のCO2回収を容易にするため,空気か
ら分離した酸素によって,燃料を燃焼させる方
式。
酸素燃焼
oxyfuel combustion
system,
oxy-firing system
注a) 固体燃料として“バガス”,“バーク”などを使用する場合は,用語及び定義の“石炭”をこれらに読み替える。
b) 液体燃料として,“原油”,“軽油”,“ナフサ”,“アスファルト”,“黒液”などを使用する場合は,用語及び定義
の“重油”をこれらに読み替える。
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2201
火格子
固体燃料を上面に載せて,下方から隙間を通し
て供給される空気によって,燃焼させる装置。
stoker,
fire grate
2202
散布式ストーカ
固体燃料を火格子の上に機械的に散布して,燃
焼させる装置。
spreader stoker
2203
移床ストーカ
火格子を別の装置で移動させて,固体燃料を燃
焼させる装置。
traveling grate stoker
2204
鎖床ストーカ
鎖状に組み合わされた火格子自体を移動させ
て,固体燃料を燃焼させる装置。
chain grate stoker
20
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2205
階段ストーカ
固体燃料を,階段状に傾斜している火格子の上
で滑り落としながら燃焼させる装置。
step grate stoker
2206
石炭ゲート
石炭の流れを調節又は遮断する装置。
coal gate
2207
石炭シュート
石炭を滑り落とすとい(樋)。
給炭管
coal chute
2208
石炭計量機
石炭の量を測定する装置。
coal weigher,
coal scale
2209
給炭機
石炭を供給する装置。
coal feeder
2210
テーブルフィー
ダ
回転円板を用いた燃料供給装置。
table feeder
2211
スクリューフィ
ーダ
ねじ式の燃料供給装置。
screw feeder
2212
ロータリフィー
ダ
羽根車式の燃料供給装置。
rotary feeder
2213
ドラッグフィー
ダ
チェーン式の燃料供給装置。
drag link feeder
2214
ベルトフィーダ
ベルト式の燃料供給装置。
belt feeder
2215
スプレッダーフ
ィーダ
固体燃料をヒレ付ロータで,炉内に分散させる
装置。
spreader feeder
2216
微粉炭機
石炭を微粉砕する装置。
ミル
coal pulverizer,
mill
2217
チューブミル
鋼球が入った胴形の容器を回転させ,その中で
石炭を粉砕する装置。
tube mill
2218
ローラミル
ローラとリング又はバウルとの接触面で,石炭
を粉砕する装置。
roller mill,
bowl mill
2219
ボールミル
ボールとリングとの接触面で,石炭を粉砕する
装置。
ball mill
2220
ハンマミル
ハンマを回転させて,石炭を粉砕する装置。
beater mill,
hammer mill
2221
湿式ミル
液体と混合して石炭を粉砕する装置。
wet mill
2222
粗粉分離器
粉砕された石炭を級別する装置。
注記 ベーン式粗粉分離器,回転式粗粉分離器
などがある。
セパレータ,
分級器
separator,
classifier
2223
バーナ
燃料噴射装置及び空気量調整装置をもち,空気
と燃料とを混合して燃焼させる装置。
burner
2224
微粉炭バーナ
微粉炭と空気とを混合して燃焼させるバーナ。
pulverized coal burner
2225
旋回式バーナ
微粉炭と空気とを共に旋回させて混合し,燃焼
させるバーナ。
swirl-stabilized burner
2226
交差式バーナ
微粉炭と空気とを,幾つかのポートから交差す
るように噴出させて混合し,燃焼させるバーナ。
intertube burner
2227
角度調整機構付
きバーナ
蒸気温度制御のために,バーナノズルの角度変
更ができる機構をもつバーナ。
チルティング
バーナ
tilting burner,
angle adjustable burner
2228
ランスバーナ
流動層ボイラにおいて,炉内に筒を挿入し,燃
料油を筒先端から層内に注入する形式の起動用
バーナ。
lance burner
2229
エアレジスタ
燃焼用空気を,燃焼に適した流れ及び量に整え
るためウインドボックスに設置される装置。
air register
2230
ウインドボック
ス
バーナヘの燃焼用空気を供給する風箱。
風箱
wind box
21
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2231
微粉炭管
微粉炭を輸送する配管。
フューエルパ
イプ
pulverized fuel pipe
2232
排炭機
微粉炭を空気流にのせて,微粉炭機から吸い出
すファン。
エキゾースタ
mill exhauster
2233
一次空気ファン
一次空気を送り込むファン。
primary air fan
2234
シールエアファ
ン
燃焼装置の各部から,石炭又はガスが漏れない
ように,高圧のシールエアを送り出すファン。
seal air fan
2235
ベントファン
貯蔵式石炭燃焼装置の場合,サイクロンで微粉
炭を分離した後の空気を送り出すファン。
vent fan
2236
ベントバーナ
貯蔵式石炭燃焼装置の場合,ベントファンから
送り出された空気を炉内に吹き込む装置。
vent burner
2237
ロータリシール
石炭シュートの途中に設けられ逆流を防ぐ装置
a)。
rotary seal
2238
微粉炭貯槽
微粉炭を貯蔵する容器。
ビン
bin,
pulverized coal storage
bunker
2239
微粉炭分配器
微粉炭を幾つかの微粉炭管に分配する装置。
pulverized coal
distributor
2240
(微粉炭)サイ
クロン
微粉炭と輸送空気とを分離する装置。
cyclone,
pulverized coal separator
2241
微粉炭輸送ポン
プ
サイクロンで捕集された微粉炭を貯槽に送る装
置。
pulverized coal transfer
pump
2242
微粉炭フィーダ
貯槽からの微粉炭を一次空気中に送り込む装
置。
pulverized coal feeder
2243
重油サービスタ
ンク
使用重油の数時間分の量を貯蔵しておくタンク
b)。
重油デイタン
ク
fuel oil service tank
2244
重油ストレーナ
重油中の固形物を,金網などによって除去する
装置b)。
重油ろ過器
fuel oil strainer
2245
重油噴燃ポンプ
重油をバーナに供給するために,必要な圧力ま
で昇圧させるポンプb)。
重油ポンプ
fuel oil pump
2246
低圧重油ポンプ
バーナにおける噴霧圧力が高く,2段昇圧する
場合の一次側ポンプb)。
fuel oil low pressure
pump
2247
高圧重油ポンプ
バーナにおける噴霧圧力が高く,2段昇圧する
場合の二次側ポンプb)。
fuel oil high pressure
pump
2248
重油加熱器
重油を必要な温度まで昇温させる機器b)。
注記 蒸気式重油加熱器と電気式重油加熱器と
がある。
重油ヒータ
fuel oil heater
2249
サクションヒー
タ
タンクの重油をポンプで輸送するために,ポン
プの吸い込み側に設けられ,必要な温度まで上
げる燃料加熱器b)。
suction heater
2250
ボトムヒータ
重油タンク内の油温を油の流動点以上に上げる
ために,タンク底部に設置された燃料加熱器b)。
tank bottom heater
2251
重油バーナ
重油を噴霧燃焼させるバーナb)。
fuel oil burner
2252
圧力噴霧バーナ
ポンプで与えられた燃料油自体の圧力によっ
て,噴霧燃焼させるバーナb)。
油圧式バーナ,
機械噴霧式バ
ーナ
pressure atomizer,
pressure atomizing
burner
22
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2253
リターンフロー
バーナ
圧力噴霧バーナに属し,供給された燃料油の一
部分を戻して,燃焼量を調節する構造のバーナ
b)。
return flow atomizer,
return flow burner
2254
空気噴霧バーナ
圧縮空気の噴出する力によって,燃料油を霧化
して燃焼させるバーナb)。
air atomizer,
air atomizing burner
2255
蒸気噴霧バーナ
蒸気の噴出する力によって,燃料油を霧化して
燃焼させるバーナb)。
steam atomizer,
steam atomizing burner
2256
ロータリバーナ
回転するカップに燃料油を供給し,遠心力と空
気の流れとで霧化燃焼させるバーナb)。
rotary burner,
spinning cup burner
2257
助燃バーナ
主バーナの燃焼を安定させるための補助バー
ナ,又は排熱回収ボイラなどでガス温度を高め
るためのバーナ。
ダクトバーナ
(排熱回収ボ
イラの場合)
stabilizing burner,
supplementary firing
burner,
duct burner
2258
点火用軽油ポン
プ
点火用の軽油ポンプ。
ignition light oil pump
2259
起動用軽油ポン
プ
ボイラ起動に用いる軽油ポンプ。
warm-up light oil pump,
start-up light oil pump
2260
点火トーチ
主バーナに点火するためのトーチ。
点火バーナ,
パイロットト
ーチ,
イグナイタ
pilot torch,
igniter,
lighter
2261
起動用軽油バー
ナ
ボイラ起動に用いる軽油バーナ。
warm-up light oil burner,
start-up light oil burner
2262
ダクトバーナ
排熱回収ボイラでの蒸気発生量の増加を目的と
して,ダクト内,又は排熱回収ボイラの伝熱管
パネル間で助燃するためのバーナ。
duct burner
2263
点火変圧器
点火用電極でスパークさせるための高電圧を得
る昇圧用変圧器。
ignition transformer
2264
フローティング
ルーフタンク
浮き屋根式のタンク。
floating roof tank
2265
コーンルーフタ
ンク
円すい形屋根式のタンク。
cone roof tank
2266
重油遮断弁
重油を遮断する弁b)。
fuel oil emergency shut
off valve
2267
差圧調整弁
流体の圧力差をある値に保つように調整する
弁。
differential pressure
control valve
2268
重軽油切替弁
重油と軽油とを切り替える弁。
heavy oil/light oil
transfer valve
2269
重油圧力保持装
置
バーナ本数の変化,ポンプ切替時などの重油燃
焼系統の圧力変動防止装置b)。
アキュムレー
タ
fuel oil pressure
accumulator
2270
燃料かくはん
(攪拌)装置
燃料の混合及び均一化の目的のために,プロペ
ラなどでかき混ぜる装置。
fuel agitator mixer
2271
ガス水封弁
水を用いてガスを遮断する弁。
water sealed gas valve
2272
ガス遮断弁
ガスを遮断する弁。
gas emergency shut off
valve
2273
ガスタンク
ガスを貯蔵しておくタンク。
ガスホルダ
gas tank
2274
ガスバーナ
ガスを燃焼させるバーナ。
gas burner
23
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2275
ガスブースタフ
ァン
ガスを燃焼させるのに必要な圧力まで昇圧させ
るファン。
ガス昇圧機
gas booster fan
2276
バーナスロート
バーナ用炉壁開口部。
burner throat
2277
低窒素酸化物バ
ーナ
燃料及び空気の供給方法の最適化などによって
窒素酸化物(NOx)を低減させるバーナ。
注記 濃淡燃焼,段階燃焼,緩慢燃焼,分割火
炎などの方法がある。
低NOxバーナ
low-NOx burner
2278
オーバエアポー
ト
二段燃焼において,バーナ部の不足分の空気を
バーナの後流において供給するための空気口
(ポート)。
オーバファイ
アエアポート,
アフタエアポ
ート,
NOポート
over air port,
over fire air port
注a) 燃料として“木質チップ”,“RDF”などを使用する場合は,用語及び定義の“石炭”をこれらに読み替える。
b) 液体燃料として,“原油”,“軽油”,“ナフサ”,“アスファルト”,“黒液”などを使用する場合は,用語及び定義
の“重油”又は“燃料油”をこれらに読み替える。
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2301
フラッシュドラ
イヤ
湿分が多い粉粒体を,熱気流の中に分散させて
乾燥させる装置。
flash dryer
2302
ロータリドライ
ヤ
湿分が多い粉粒体を回転する胴体中に投入し,
熱風によって加熱して乾燥させる装置。
rotary dryer
2303
スチームコンバ
ータ
重油加熱器,重油バーナなどプラントに必要な
補助蒸気を,他の蒸気との熱交換によって発生
させる機器。
steam converter
2304
ドレン油回収装
置
各機器からの漏れ油及び掃気によって排出され
た油を,再び燃焼装置に回収する装置。
drain oil recovery
equipment
2305
換気ファン
原油又はガスだ(焚)きの場合,漏れガス濃度
を爆発下限界以下に掃気するのに用いられるフ
ァン。
ventilation fan
2306
可燃性ガス検知
器
ガス,原油燃焼などを行う場合に,爆発,引火
事故を防止するために用いる漏れガスの検知機
器。
explosive gas detector,
flammable gas detector
2307
バーナ自動制御
装置
バーナの操作を自動的に行うための制御装置。
automatic burner control
system
2308
火炎検出器
火炎の有無を検出する機器。
フレームアイ
flame detector
2309
重油受入ポンプ
貯蔵タンクに重油を受け入れるポンプa)。
fuel oil unloading pump
2310
重油貯蔵タンク
重油を貯蔵しておくタンクa)。
重油ストレー
ジタンク
fuel oil storage tank
2311
重油移送ポンプ
重油を貯蔵タンクからサービスタンクに移送す
るポンプa)。
重油輸送ポン
プ,
トランスファ
ーポンプ
fuel oil transfer pump
2312
液化ガス貯蔵タ
ンク
液化ガスを保冷して液状で貯蔵するタンク。
liquefied gas storage
tank
2313
液化ガス気化装
置
液化ガスを再ガス化する装置。
liquefied gas vapourizer
24
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2314
ガス減圧装置
ガス圧力を燃焼装置に適する圧力へ減圧する装
置。
gas pressure reducing
equipment
2315
ガス点火装置
液化石油ガスなどを用いたガス式点火装置。
gas igniting equipment
2316
バーナ操作盤
バーナ操作に用いる盤。
burner operation panel
2317
ミルバーナ制御
装置
ミル及び微粉炭バーナの制御を行う装置。
注記 給炭機・ミルの起動停止,微粉炭バーナ
などの自動制御を行う。
MBC
mill burner control
system
2318
炉内監視テレビ
ジョン
炉内の燃焼状態を監視するテレビジョン装置。 炉内テレビ
furnace flame viewing
television
2319
自動試料採取装
置
自動的に試料を採取する装置。
自動サンプラ
automatic sampler
注a) 液体燃料として,“原油”,“軽油”,“ナフサ”,“アスファルト”,“黒液”などを使用する場合は,用語及び定義
の“重油”をこれらに読み替える。
4) 燃焼一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2401
専焼
1種類の燃料だけを燃焼させること。
single fuel firing,
exclusive firing
2402
混焼
2種類以上の燃料を同時に燃焼させること。
multi-fuel firing,
co-firing,
mixed firing
2403
混炭
産地,性状が異なる2種類以上の石炭を混ぜる
こと,又は混ぜたもの。
mixed coal
2404
予混合火炎
燃料ガスと空気とをあらかじめ混合して燃焼さ
せるときに形成される火炎。
premixed flame
2405
拡散火炎
燃料ガスと空気とを別々に供給し,両者の界面
に,それぞれが拡散し燃焼することによって形
成される火炎。
diffusion flame
2406
火炎伝ぱ(播)
速度
静止可燃性混合ガス中において,その点火源を
中心として火炎面が既燃部分から未燃部分へ移
動する速度。
flame propagation
velocity,
flaming speed
2407
理論空気量
燃料の完全燃焼に理論上必要な空気量。
theoretical air,
theoretical combustion
air
2408
過剰空気量
実際の燃焼に使用した空気量と理論空気量との
差。
excess air
2409
空気過剰率
理論空気量に対する過剰空気量の百分率。
過剰空気率
percentage of excess air
2410
空気比
理論空気量に対する実際の燃焼に使用した空気
量の割合。
air ratio
2411
バーナ空気比
燃焼に必要な理論空気量に対するバーナ部に供
給される空気量の割合のことで,次の式で表す。
th
b
b
Q
Q
γ=
ここに, γb: バーナ空気比
Qb: バーナ部に供給される空
気量(m3/h)a)
Qth: 理論空気量(m3/h)a)
burner zone
stoichiometric ratio
25
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2412
点火
燃料と空気との混合物を電気火花などで加熱し
て燃焼を起こさせる操作。
ignition
2413
着火
点火動作によって燃料が燃焼を始めた状態。
light off,
light up,
ignition
2414
失火
火炎が何らかの原因で消失した状態。
flame off
2415
消火
燃料供給を停止して火炎を消す操作。
shut down
2416
パージインタロ
ック
炉内パージと燃焼装置とのインタロック(JIS B
0130参照)。
purge interlock
2417
バックファイヤ
1) 火炎がバーナ部から逆行する現象。
2) 火炎が燃焼室から逸失する現象。
back fire,
blow back,
puff
2418
完全燃焼
燃料が未燃分を残さないで燃焼し尽くすこと。
complete combustion
2419
脈動燃焼
燃焼が周期的な圧力変動を伴い,不安定な燃焼
状態になること。
振動燃焼
pulsating combustion,
oscillating combustion
2420
息づき燃焼
着火部分の変動によって生じる不安定な燃焼。
discontinuous
combustion
2421
加圧燃焼
大気圧以上の圧力の下で行われる燃焼。
圧力燃焼
pressurized combustion
2422
燃焼速度
燃焼の進行する速さ。
burning velocity,
combustion speed
2423
水平燃焼
水平に配置したバーナで行う燃焼。
horizontal firing
2424
垂直燃焼
火炉上部から下方に向けて,又は火炉底部から
上方に向けて配置したバーナで行う燃焼。
vertical firing
2425
前面燃焼
ボイラ火炉の前面にバーナを配置して行う燃
焼。
front wall firing
2426
後面燃焼
ボイラ火炉の後面にバーナを配置して行う燃
焼。
rear wall firing
2427
対向燃焼
バーナを火炉前後壁又は両側壁に設け,対向し
て行う燃焼。
opposed firing
2428
コーナファイア
リング
火炉四隅で同一高さから,火炉中央の仮想円に
対して接線方向にバーナを向け行う燃焼。
タンゼンシャ
ルファイアリ
ング
corner firing,
tangential firing
2429
一次空気
1) 火格子燃焼の場合は,火格子の下方から供
給され,主として燃焼にあずかる空気。
2) 微粉炭燃焼の場合は,微粉炭をバーナに送
る空気。
3) 油燃焼及びガス燃焼の場合は,バーナ周り
に供給され着火を安定させる空気。
4) 流動層燃焼の場合は,流動層に供給する主
として燃焼にあずかる空気。
primary air
2430
二次空気
1) 火格子燃焼の場合は,火格子上に高速で噴
出し,燃料と空気との混合を良好にする空
気。
2) バーナ燃焼の場合は,旋回又は交差噴出に
よって,燃料と空気との混合を良好にしな
がら,主として燃焼にあずかる空気。
3) 流動層燃焼の場合は,主に炉中間部に供給
され,段階燃焼にあずかる空気。
secondary air
26
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2431
三次空気
1) 揮発分の少ない無煙炭のように,燃焼しに
くい燃料で着火の安定を図るため,一次空
気及び二次空気を減じ,燃焼の過程で追加
される空気。
2) 火炎の形状を調整するため,一次空気及び
二次空気とは別個に供給される空気。
tertiary air
2432
ガス再循環
蒸気温度制御,窒素酸化物(NOx)低減又は火
炎温度低減などを目的として,ボイラ出口ガス
を火炉に戻すこと。
GR
gas recirculation
2433
噴霧
燃料油を噴出して霧化することb)。
atomization
2434
噴霧角度
噴霧の流れが開く角度。
spray angle
2435
噴霧粒径
噴霧された燃料油の粒の大きさb)。
atomized particle size
2436
噴霧圧力
噴霧に要する圧力。
atomizing pressure
2437
噴霧粘度
噴霧するときの気体及び液体の粘度。
atomizing viscosity
2438
粒度分布
粉粒体を構成している粒子の粒径の分布割合。 粒子径分布
particle size distribution
2439
爆発限界
可燃性ガスが空気などと混合し,爆発する一定
の濃度範囲。
注記 この濃度範囲以上,又は以下では爆発し
ない。
可燃限界,
燃焼眼界
flammability limits,
explosion mixture limits
2440
危険場所
空気中に,爆発又は燃焼するのに十分な量の爆
発性ガスが,存在するおそれがある場所。
防爆範囲
hazardous area
2441
燃焼効率
完全燃焼する度合いで,燃料が完全燃焼したと
きの発生熱量に対する,実際に燃焼したときの
発生熱量の割合。
combustion efficiency
2442
発熱量
燃料の完全燃焼時に発生する熱量。
heating value,
calorific value
2443
高位発熱量
燃料の発熱量を表示する方法の一つで,熱量計
で測定され,水蒸気の潜熱を含んだ発熱量。
高発熱量,
総発熱量
higher heating value,
gross calorific value
2444
低位発熱量
燃料の発熱量を表示する方法の一つで,高位発
熱量から水蒸気の潜熱を引いたもの。
低発熱量,
真発熱量
lower heating value,
net calorific value
2445
粘度
気体及び液体の粘りの度合い。
viscosity
2446
流動点
燃料油を冷却したときに流動状態を保つことが
できる最低温度b)。
注記 一般に凝固点(流動が止まる最高温度)
よりも2.5 ℃高い温度。
pour point
2447
着火点
燃料を空気又は酸素がある所で徐々に温度を上
げたとき,自己燃焼によって急激な温度上昇を
生じる最低温度。
着火温度
ignition point,
ignition temperature
2448
引火点
燃料油から発生した可燃性蒸気が爆発限界値の
濃度に達する燃料油の温度b)。
注記 引火点では火炎などの点火源を近づける
と着火する。
flash point
2449
重油添加剤
重油の燃焼及び貯蔵中に起こる,種々の障害を
軽減するために添加する物質の総称b)。
fuel oil additives
2450
粘結性
石炭を乾留した場合,温度の上昇に伴って軟化,
溶融し,後に固まって残留物が多孔質の固体と
なる性質。
粘着性
coking property
27
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2451
灰の軟化点
灰の一部の溶融が始まる温度。
initial deformation point
of ash
2452
灰の溶融点
灰の溶融する温度で,試料が溶融して半球形に
なる温度。
melting point of ash,
ash fusion point
2453
灰の流動点
灰の溶融する温度で,試料が溶融して平らにな
る温度。
fluid point of ash,
ash fluid point
2454
工業分析
燃料の成分を分析する一つの方法。
注記 石炭の場合には,固定炭素,揮発分,水
分及び灰分の四つに分け,質量比で表示
する。
proximate analysis
2455
元素分析
燃料の成分元素を検出して,その含有量を定め
ること。
ultimate analysis
2456
燃料比
燃料中の固定炭素と揮発分との質量比のこと
で,次の式で表す。
m
f
V
C
FR=
ここに, FR: 燃料比
Cf: 固定炭素(%)
Vm: 揮発分(%)
注記 石炭の場合には炭化作用の度合いを示
す。
fuel ratio
2457
A/C比
一次空気流量と微粉炭量との質量比。
A/C
air by coal
2458
灰中未燃分
フライアッシュ及びシンダ灰中に含まれる未燃
炭素分の質量割合。
unburned combustible in
ash
2459
炉内脱硫
炉内において燃焼と同時に脱硫を行うこと。
furnace desulfurization
2460
CWM添加剤
濃度向上,粘度低減など,CWMの特性を改善
するために添加する物質。
coal-water mixture
(CWM) additive
2461
CWM安定剤
CWMの貯蔵又は移送中に生じる,微粉炭と水
との分離を軽減するために,添加する物質。
coal-water mixture
(CWM) stabilizer
2462
CWM濃度
CWM中の微粉炭濃度を質量%で表示したもの。
coal concentration in
coal-water mixture
(CWM)
2463
CWM見掛け粘
度
CWMを液体としてみなしたときの見掛けの粘
度。
coal-water mixture
(CWM) apparent
viscosity
2464
流動層
小粒径の固体層に下方から気体を吹き込み,流
動状態にしている部分。
流動床
fluidized bed
2465
流動層燃焼
小粒径に粉砕した固体燃料を流動媒体中に投入
し,分散板から噴出した燃焼用空気によって流
動状態として行う燃焼。
流動床燃焼
fluidized bed
combustion
2466
気泡流動層燃焼
流動層燃焼において気泡を発生させ,沸騰状態
にして流動層を維持しながら行う燃焼。
低速流動層燃
焼,
バブリング流
動層燃焼
bubbling type fluidized
bed combustion
2467
循環流動層燃焼
流動層燃焼において,気泡流動層燃焼の領域か
ら更に空塔速度を高め,搬送域の手前の状態で
行わせる燃焼。
高速流動層燃
焼
circulating fluidized bed
combustion
2468
加圧流動層燃焼
流動層燃焼において,燃焼炉の圧力を高め,燃
焼室負荷を大きくした燃焼。
加圧流動床燃
焼
pressurized fluidized
bed combustion
28
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2469
塊状化
流動層ボイラにおいて,流動媒体が塊状になる
現象。
アグロメ
agglomerate
2470
空塔速度
流動層内通過気体流量を,流動層断面積で除し
た値。
superficial velocity
2471
流動媒体
流動層を形成させるために使用する物質。
注記 小粒径のけい砂,炭酸カルシウム(石灰
石)などが用いられる。
ベッド材,
流動材,
BM
bed material
2472
粒子飛散率
流動層内の粒子のうち,流動層から,ガス中に
混入して飛び出すものの割合。
elutriation rate
2473
静止層高
流動用気体を,流動層へ送り込まないときの流
動媒体の高さ。
static bed height
2474
固定層
流動化開始速度に達していない粒体の層。
fixed bed
2475
ダストリサイク
ル
集じん装置で捕集したダストを,主燃焼炉へ戻
して燃焼させること。
dust recycle
2476
スランピング
流動層への流動用気体の送り込みを止めて固定
層にすること。
slumping
2477
(流動層)ボイ
ド率
流動層の気体容積の全容積に対する割合。
void fraction
2478
層内脱硫
流動層内に,二酸化硫黄(SO2)吸収剤として炭
酸カルシウム(石灰石)などを送入し,層内で
脱硫を行うこと。
desulfurization in
fluidized bed
2479
Ca/Sモル比
石炭中の硫黄分(モル数)に対する層内脱硫に
使用する吸収剤[炭酸カルシウム(石灰石)な
ど]中のカルシウム分(モル数)の比。
Ca/S molar ratio
2480
メチレンブルー
吸着量
ボイラから排出される灰の有効利用の指標の一
つで,未燃炭素分の吸着作用を示す指標。
methylene blue
absorption
2481
二段燃焼
燃焼に必要な空気量よりも少ない空気で,還元
燃焼を行うことによって,窒素酸化物(NOx)
を低減させる燃焼。
注記 不足分の空気は,バーナの後流のポート
から送って完全燃焼させる。
two staged combustion
2482
排ガス混合燃焼
燃焼用空気に燃焼排ガスの一部を混入して,燃
焼空気中の酸素濃度を低減させ,緩やかな燃焼
を行い,燃焼温度を低下させることによって,
窒素酸化物(NOx)を低減させる燃焼。
gas mixing combustion
2483
サーマルNOx
空気中の窒素が高温において,酸素と反応して
生成する窒素酸化物。
サーマルNO
thermal NOx,
thermal NO
2484
フューエルNOx 燃料中の窒素化合物が燃焼のときに分解し,そ
の窒素と酸素とが反応して生成する窒素酸化物。
フューエルNO fuel NOx,
fuel NO
注a) 0 ℃,1 013 hPaの状態。
b) 液体燃料として,“原油”,“軽油”,“ナフサ”,“アスファルト”,“黒液”などを使用する場合は,用語及び定義
の“重油”又は“燃料油”をこれらに読み替える。
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2501
火格子燃焼率
単位時間に火格子単位面積当たり消費する燃料
の量の割合。
火床面負荷
stoker combustion rate
29
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2502
火格子面積
火格子の燃焼に有効な面積。
火床面積
grate area
2503
微粉度
粉砕された粒子の細かさの度合い。
fineness
2504
粉砕性
石炭を粉砕する場合の難易の度合い。
注記 石炭の粉砕性を表示する指数として,ハ
ードグローブ指数(hardgrove grindability
index)がある。
grindability
2505
ハードグローブ
指数
ハードグローブ試験機を用いて,規定条件の下
で求めた,石炭の粉砕性を示す数値(JIS M 8801
参照)。
注記 一般的にHGIとして表す。ハードグロー
ブ指数は,粉砕性100として選んだ石炭
と比較して,相対的な粉砕性を示す数値
で,指数が高い方が粉砕されやすい。
HGI
hardgrove grindability
index
2506
ミル差圧
一次空気の微粉炭機前後の差圧。
mill differential pressure
2507
ミル負荷率
微粉炭機の定格負荷に対する実際負荷の割合。
mill load ratio
2508
ミル軸動力
微粉炭機の運転で実際に消費される動力。
mill shaft power
2509
着火性
火付きの良否。
ignitability
2510
燃焼性
燃え方の良否。
combustibility
2511
安定燃焼限界
1) 液体燃料の場合,発煙及び吹き消えがなく,
安定した燃焼を続けることができる空気
量,空気温度,燃料温度,噴霧媒体の量及
び圧力の上下限。
2) 気体燃料の場合,発煙及び吹き消えがなく,
安定した燃焼を続けることができる空気
量,空気温度,燃料の組成などの上下限。
火炎安定限界
stable combustion limit
2512
発煙限界
燃焼中に燃焼用空気を徐々に減少させたとき,
発煙を生じる限界。
smoke limit
2513
空燃比
燃焼に使用した燃料に対する空気の質量割合。
air/fuel ratio,
air fuel ratio
2514
バーナ特性
バーナにおける負荷と噴霧圧力などとの関係を
示す特性。
burner characteristics
2515
バーナ負荷調整
範囲
バーナの本数又はチップを変更することなしに
できる,負荷の調整が可能な範囲。
turn down ratio,
load ratio,
load range
2516
熱しゃく(灼)
減量
灰を600±25 ℃,3時間 強熱したときの質量減
量値。
ignition loss
2517
層内燃焼率
流動層燃焼において,層内で燃焼する燃料の割
合。
砂中燃焼率,
層内燃焼割合
in bed combustion ratio
2518
窒素酸化物低減
率
窒素酸化物(NOx)を低減させることによって
減少する窒素酸化物(NOx)量の,その方法を
用いない場合の窒素酸化物(NOx)量に対する
割合のことで,次の式で表す。
100
1
0
1
r
×
−
=
NOx
NOx
NOx
η
ここに, ηr: 窒素酸化物(NOx)低減率
(%)
NOx1: 対策前(NOx)(ppm)a)
NOx0: 対策後(NOx)(ppm)a)
NOx低減率
NOx reduction ratio
30
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
2519
二段燃焼率
二段燃焼において,燃焼に必要な全空気量に対
する,バーナ後流のポートから供給する空気量
の割合のことで,次の式で表す。
100
t
u
a
×
=Q
Q
γ
ここに, γa: 二段燃焼率(%)
Qu: バーナ上部空気口からの
投入空気量(m3/h)b)
Qt: 全燃焼用空気量(m3/h)b)
two staged combustion
ratio
2520
排ガス混合率
燃焼用空気量に対する混合する排ガス量の割合
のことで,次の式で表す。
100
t
g
g
×
=Q
Q
γ
ここに, γg: 排ガス混合率(%)
Qg: 混入排ガス量(m3/h)b)
Qt: 全燃焼用空気量(m3/h)b)
gas mixing ratio
2521
フューエルNOx
変換率
燃料中の窒素化合物(窒素分)が全て窒素酸化
物(NOx)に変換したと仮定した場合の変換量
に対する実際の変換量との比。
フューエル
NOx転換率
fuel NOx conversion
ratio
2522
換算NOx濃度
排ガス中の酸素濃度を標準酸素濃度に換算した
ときのNOx濃度のことで,次の式で表す。
s
n
s
c
21
21
O
O
C
C
−
−
×
=
ここに, Cc: 換算NOx濃度(ppm)a)
Cs: 排ガス中の実測NOx濃度
(ppm)a)
On: 標準酸素濃度(%)
Os: 排ガス中の実測酸素濃度
(%)
NOx corrected at % O2
注a) ppmは体積百万分率。
b) 0 ℃,1 013 hPaの状態。
c) 配管
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3101
主蒸気管
ボイラ出口からタービンにつながる蒸気管。
MSP
main steam pipe
3102
高温再熱蒸気管
ボイラ再熱器出口からタービンにつながる蒸気
管。
HRP,
HTRP
hot reheat pipe,
high temperature reheat
pipe
3103
低温再熱蒸気管
タービン出口からボイラ再熱器につながる蒸気
管。
CRP,
LTRP
cold reheat pipe,
low temperature reheat
pipe
3104
給水管
給水ポンプからボイラまでの高圧水を導く管。
feed water pipe
3105
過熱器バイパス
管
ボイラの起動時間短縮を目的として,蒸気の一
部を過熱器をバイパスして復水器に導く管。
superheater bypass pipe
3106
再熱器バイパス
管
再熱蒸気温度の制御を目的として,再熱器をバ
イパスする管。
reheater bypass pipe
31
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3107
タービンバイパ
ス管
タービンをバイパスする管。
注記 タービン全てをバイパスするタービンバ
イバス管のほか,高圧タービンバイパス
弁に接続する高圧タービンバイパス管及
び低圧タービンバイパス弁に接統する低
圧タービンバイパス管がある。
turbine bypass pipe
3108
送気管
ボイラ又はタービンから抽気してプロセス用な
どに使用する管。
process steam pipe
3109
補助蒸気管
補助蒸気用として使用する管。
auxiliary steam pipe
3110
加熱蒸気管
熱交換器などに加熱蒸気を供給する管。
heating steam pipe
3111
ドレン管
ドレンを排出する管。
drain pipe
3112
空気抜管
機器及び/又は配管から空気を抜き出す管(JIS
B 0127参照)。
air vent pipe
3113
排気管
蒸気をタービン又はその附属設備から外部へ排
出する管。
exhaust pipe
3114
ブロー管
蒸気,水などを排出する管。
blow off pipe,
blow down pipe
3115
スプレー水管
蒸気温度を制御するためスプレー水を供給する
管。
spray water pipe
3116
軸受冷却水管
軸受,油冷却器,水素冷却器などに冷却水を供
給する管。
bearing cooling water
pipe
3117
ボイラ水張り管
ボイラ水張りに使用する管。
boiler water filling pipe
3118
フラッシング管
容器及び管系を流体の速度と衝撃とによって清
掃するための管。
flushing pipe
3119
ブローイング管
蒸気又は空気を使用して主配管の清掃をするた
めの仮配管。
blowing pipe
3120
ウォーミング管
蒸気などで,機器及び配管をあらかじめ暖める
のに用いる配管。
warming pipe
3121
アスピレーショ
ンエア管
加圧燃焼のボイラで,バーナなどを取り出す際
に,炉内ガスの噴出を防止するための圧縮空気
を導入する管。
aspirating air pipe
3122
シールエア管
加圧燃焼のボイラなどで,炉内ガスの漏れを防
止するために,炉壁貫通部に加圧空気を導入す
る管。
seal air pipe
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3201
ボイラ主蒸気止
め弁
ボイラ出口に設けられた主蒸気の止め弁。
boiler main stop valve
3202
ブロー弁
蒸気,ドレン,水などを排出する弁。
blow down valve
3203
連続ブロー弁
連続ブロー量を調節する弁。
continuous blow down
valve
3204
ドレン弁
ドレンを排出する弁。
drain valve
3205
給水止め弁
ボイラ入口に設けられた給水の止め弁。
feed water stop valve
3206
給水逆止め弁
ボイラ給水が,ボイラから給水ポンプ側へ逆流
するのを防ぐ弁。
feed water check valve
32
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3207
自動制御弁
自動制御装置の操作端として,調節部の信号に
よって自動操作される弁の総称。
注記 調整弁(自力式)と調節弁(他力式)と
がある。
automatic control valve
3208
調節弁
調節部の信号を受け,弁の作動に必要な動力を,
補助動力源から受ける弁の総称。
制御弁
control valve
3209
調整弁
弁の作動に必要な動力を,検出部を通して制御
対象から受ける弁の総称。
self operated regulating
valve
3210
給水調節弁
給水量を調節する弁。
給水制御弁
feed water control valve
3211
スプレー調節弁
蒸気温度を制御するために,注水量を加減する
弁。
スプレー制御
弁
spray water control
valve
3212
過熱器バイパス
弁
過熱器入口から過熱器をバイパスして,流体を
導くための弁。
superheater bypass valve
3213
気水分離器水位
調節弁
貫流ボイラの気水分離器で発生したドレンを,
復水器などへ導くための調節弁。
water separator drain
level control valve
3214
気水分離器圧力
調節弁
貫流ボイラの気水分離器で発生した蒸気の圧力
を,制御するための調節弁。
water separator steam
pressure control valve
3215
ボイラ再循環流
量調節弁
貫流ボイラで,気水分離器を通してエコノマイ
ザ入口ヘ流体を再循環させるための調節弁。
boiler recirculation flow
control valve
3216
タービンバイパ
ス弁
タービンをバイパスする弁。
turbine bypass valve
3217
空気抜弁
空気を抜く弁。
air vent valve
3218
切替弁
管の系統を切り替える弁。
selector valve
3219
パイプラック
管などを並べて支持する棚状の枠。
pipe rack
3220
管支持装置
管を支持するための装置。
pipe hanger,
pipe support
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3301
蒸気だめ
蒸気を集めて各使用先へ連絡する容器。
レシーバ
steam receiver
3302
ブロータンク
ブロー管の蒸気及びドレンを受け入れるタン
ク。
blow down tank
3303
フラッシュタン
ク
高温の圧力水をフラッシュさせるタンク。
flash tank
3304
蒸気アキュムレ
ータ
蒸気を一時ためておき,負荷の必要に応じてそ
れを利用する容器。
蒸気貯蔵器
steam accumulator
3305
アキュムレータ
調圧又は圧力の脈動防止他のために取り付ける
容器。
accumulator
3306
フレームアレス
タ
タンク・配管などの内部で可燃性流体の爆発が
発生した際に,発生した火炎の伝ぱ(播)を防
止する装置。
flame arrester
33
B 0126:2018
4) 配管一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
3401
ウォータハンマ
弁の急激な開閉,気体の混入などによって,管
内の流速が急変した場合,異常圧力が発生し,
管をたたくような音が生じる現象。
water hammer,
water ram
3402
コールドスプリ
ング
配管が熱膨張した場合に応力が軽減されるよ
う,あらかじめ伸び量分を考慮しておくこと。
cold spring
3403
蒸気式トレース
輸送管などに蒸気管を沿わせて暖管する方法。 スチームトレ
ース
steam heat tracing
3404
温水式トレース
輸送管などに温水管を沿わせて暖管する方法。
hot water heat tracing
3405
電気式トレース
輸送管などを電熱で暖管する方法。
electric heat tracing
3406
二重管式トレー
ス
輸送管などを二重管にして,一方に加熱用蒸気
又は温水を通じて暖管する方法。
double pipe heat tracing
d) 運炭及び灰処理装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4101
揚炭機
船で運ばれてきた石炭を荷揚げする機械。
アンローダ
coal unloader
4102
マントロリ式揚
炭機
トロリに運転室を設け,橋げた上を走る形式の
揚炭機。
mantrolley type coal
unloader
4103
ロープトロリ式
揚炭機
橋けた上の機械室に各装置を設け,ロープを介
してトロリ移動を行う形式の揚炭機。
ropetrolley type coal
unloader
4104
引込クレーン式
揚炭機
ジブを前後に移動させ,グラブバケットを引き
込む形式の揚炭機。
luffing crane type coal
unloader
4105
クラブトロリ式
揚炭機
機械室が橋げた上を走行し,トロリ移動を行う
形式の揚炭機。
crab trolly type coal
unloader
4106
連続式揚炭機
石炭を連続的に荷揚げする揚炭機。
連続式アンロ
ーダ
continuous coal
unloader
4107
スタッカ
貯炭場に石炭を広域にわたって積み付ける機
械。
stacker
4108
リクレーマ
貯炭場の石炭を連続的に採取し,ベルトコンベ
ヤに送る機械。
reclaimer
4109
スタッカ・リク
レーマ
スタッカとリクレーマとを組み合わせた機械。
stacker-reclaimer
4110
スクレーパ
貯炭場の石炭を運搬,圧縮及び整炭する機械。
注記 広範囲の移動に適する。
scraper
4111
カーダンパ
貨車で運搬された石炭を受け入れるために,貨
車を転倒させる装置。
car dumper,
tippler
4112
水力輸送灰処理
装置
灰と水との混合物を,管又はとい(樋)の中を
通して輸送する装置。
hydraulic ash handling
equipment
4113
空気輸送灰処理
装置
空気の流れによって灰を管で輸送する装置。
pneumatic ash handling
equipment
4114
シップローダ
灰などを連続的に船に積み込む機械。
ship loader
34
B 0126:2018
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4201
グラブバケット
揚炭機などからつ(吊)り下げて石炭をつかみ
取る器具。
glove bucket
4202
石炭トリッパ
ベルトコンベヤの石炭を自動的に所定の場所へ
落とす機械。
coal tripper
4203
コンベヤフィー
ダ
コンベヤを用いて石炭を供給する装置a)。
conveyor feeder
4204
振動フィーダ
振動を利用して石炭を適量ずつ送り出す装置
a)。
vibrating feeder
4205
エプロンフィー
ダ
エプロンコンベヤを用いて石炭を適量ずつ送り
出す装置a)。
apron feeder
4206
石炭ホッパ
石炭を送り出しやすくした漏斗状の容器a)。
coal hopper
4207
石炭バンカ
石炭を蓄えておく容器a)。
coal bunker
4208
石炭サイロ
外部から受け入れた石炭を貯蔵する槽a)。
coal silo
4209
石炭払出装置
石炭を貯蔵するサイロから,連続して払い出す
装置a)。
石炭切出装置
coal discharger
4210
ベルトコンベヤ
ベルトによって連続的に石炭などを運ぶ機械。
belt conveyor
4211
空気浮上式コン
ベヤ
空気によってベルトを浮上させ,連続的に石炭
などを運ぶ機械。
FDC
flow dynamic conveyor,
pneumatic levitation
type belt conveyor
4212
パイプコンベヤ
ベルトで密閉筒状断面を形成することによっ
て,連続的に石炭などを運ぶ機械。
pipe conveyor
4213
チェーンコンベ
ヤ
エンドレスに動くチェーンによって,又はそれ
にスラット,バケットなどを取り付け,石炭な
どを運ぶ機械(JIS B 0140参照)。
chain conveyor
4214
フローコンベヤ
密閉ダクト内のチェーンコンベヤによって,連
続的に石炭などを運ぶ機械。
flow conveyor
4215
バケットコンベ
ヤ
バケットによって,連続的に石炭などを運ぶ機
械。
bucket conveyor
4216
石炭クラッシャ
石炭を適当な大きさに破砕する機械。
coal crusher
4217
振動ふるい
振動を利用して石炭の粒度をふるい分ける機械
a)。
vibrating screen
4218
コンベヤスクレ
ーパ
ベルトコンベヤの途中に取り付けて,石炭をか
き落とす器具a)。
conveyor scraper
4219
アッシュホッパ
落下灰を集めるホッパ。
注記 火炉下に設けるものをクリンカホッパ,
後部伝熱面などに設けるものをシンダホ
ッパともいう。
ash hopper
4220
アッシュクーラ
炉底などから排出された灰を冷却する装置。
ash cooler
4221
灰輸送管
灰を空気又は水と混合して輸送する管。
ash conveying pipe
4222
アッシュセパレ
ータ
灰と輸送空気とを分離する装置。
ash separator
4223
アッシュバキュ
ームブレーカ
空気式灰輸送管内の真空を破壊する弁。
ash vacuum breaker
4224
アッシュエキゾ
ースタ
圧力水を利用して,灰の空気輸送に必要な真空
を発生させる装置。
ash exhauster
35
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4225
エアセパレータ
空気輸送に必要な真空を発生させるための,圧
力水と空気とをアッシュエキゾースタ出口で分
離する装置。
air separator
4226
クリンカクラッ
シャ
クリンカを適当な大きさに破砕する機械。
clinker crusher
4227
分級器
ボイラからの燃焼灰(シンダ及びフライアッシ
ュ)を,ある粒径範囲に選別する装置。
注記 分級器に入る燃焼灰を原粉(row fly ash),
分級された成分で粒度の粗い方を粗粉
(coarse fly ash),細かい方を細粉(fine fly
ash)と呼ぶ。
classifier
4228
磁気分離器
鉄片を磁力によって取り除く装置。
磁選器
magnetic separator
4229
ジェットポンプ
圧力水を噴射させ,クリンカを水力輸送するポ
ンプ。
jet pump
4230
脱水槽
水力輸送されてきたクリンカを脱水して,搬出
を容易にする装置。
dewatering bin
4231
灰処理ポンプ
灰処理に必要な圧力水を送るポンプ。
ash sluicing pump
4232
スラッジポンプ
水と混合した灰を輸送するポンプ。
スラリーポン
プ
sludge pump,
slurry pump
4233
ダストレスアン
ローダ
灰に湿りを与え飛散を少なくして搬出する装
置。
dustless unloader
注a) 燃料として“木質チップ”,“RDF”などを使用する場合は,用語及び定義の“石炭”をこれらに読み替える。
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4301
貯炭場
石炭を蓄えておく場所。
coal yard
4302
屋外貯炭方式
石炭を屋外に貯炭する方式。
注記 野積方式及び擁壁方式がある。
field coal storage system
4303
屋内貯炭方式
石炭を屋内に貯炭する方式。
注記 サイロ方式,ドーム方式,建屋方式など
がある。
indoor coal storage
system
4304
アーチブレーカ
石炭ホッパにおいて,石炭のアーチによる詰ま
りを防止する装置。
注記 バイブレータ式及び高圧空気噴射式があ
る。
arch breaker
4305
ホッパヒータ
温度降下によるホッパ内のシンダの凝集を防ぐ
ための加熱器。
hopper heater
4306
ホッパバイブレ
ータ
ホッパの壁に機械的に振動を与えて,石炭灰な
どの付着を防止する装置。
hopper vibrator
4307
フリューダイザ
貯蔵された灰を排出するときに,低圧空気を吹
き込み流動性を与えて排出を容易にする装置。
fluidizer
4308
パッカ
袋詰めをする装置。
packer
4309
灰沈殿池
水輸送されてきた灰を沈降分離させる池。
ash settling basin
4310
灰沈降槽
水輸送されてきた灰を沈降分離させる槽。
ash settling tank
4311
灰処理貯水槽
水力輸送用の水を一時的に貯蔵する槽。
surge tank
4312
灰捨場
灰を廃棄処分するための場所の総称。
ash pond
4313
空気吸入弁
空気輸送に必要な空気を吸い込む弁。
air intake valve
36
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4314
ダスト弁
シンダ及びフライアッシュを輸送管へ送り込む
弁。
ash intake valve,
soot intake valve
4315
アッシュゲート
アッシュホッパからクリンカを排出するゲー
ト。
ash gate
4316
ロータリバルブ
ひれ付きロータで,貯灰サイロ底部から定量切
出しをする装置。
rotary valve
4317
エアスライダ
傾斜したとい(樋)などに張られた布などの下
から低圧の空気を吹き出し,灰に流動性を与え
て輸送する装置。
air slider
4318
貯灰サイロ
空気輸送されたフライアッシュを,一時貯蔵す
る槽。
アッシュビン
fly ash silo
4319
ブレンディング
装置
貯灰サイロ下部から空気を送り込み,内部でフ
ライアッシュを流動拡散させ均質させる装置。
blending system
4320
乾式クリンカコ
ンベヤ
ボイラ火炉下部に落下するクリンカを,連続的
に移送する乾式コンベヤ。
dry clinker extracting
conveyor,
meshbelt ash cooling
extractor
4321
乾式クリンカ冷
却コンベヤ
乾式クリンカコンベヤから運び出されたクリン
カを,空気によって冷却しながら運ぶ機械。
dry clinker cooling
conveyor,
post cooling conveyor
4322
水封式ドラグチ
ェーンコンベ
ヤ
ボイラ火炉下部に落下するクリンカを,連続的
に移送する水封式コンベヤ。
drag chain conveyor,
submerged scraper
conveyor
4) 運炭及び灰処理一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4401
シンダ
燃焼によって生成される粗粒灰。
cinder
4402
フライアッシュ
燃焼によって生成される細粒灰。
fly ash
4403
パイライト
石炭を微粉炭機で粉砕する際に,粉砕されずに
排出する異物。
pyrite
4404
クリンカ
燃焼によって生成される灰が塊状となったも
の。
clinker
4405
ボトムアッシュ
燃焼によって生成した灰のうち,炉底に落下し
たもの。
bottom ash
4406
スラグ
固体燃料の灰などが溶融してガラス状に変質し
た物質。
slag
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
4501
輸送量試験
石炭,灰などの輸送能力を測定する試験。
conveying capacity test
4502
灰輸送管漏れ試
験
灰を空気輸送する場合の管系の漏れ試験。
leakage test of ash
conveying pipe
37
B 0126:2018
e) 通風装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5101
押込ファン
燃料の燃焼に必要な空気を送り込むファン。
押込通風機,
強圧ファン,
FDF
forced draft fan
5102
誘引ファン
煙道ガスを煙突に送り込むファン。
誘引通風機,
吸込ファン,
吸出ファン,
IDF
induced draft fan
5103
ガス再循環ファ
ン
煙道ガスを再循環するファン。
ガス再循環通
風機,
ガス循環ファ
ン,
GRF
gas recirculating fan
5104
排ガス混合ファ
ン
燃焼用空気に排ガスを混合するためのファン。 ガス混合通風
機,
ガス混合ファ
ン,
GMF
gas mixing fan
5105
二段燃焼用ファ
ン
二段燃焼用空気を送り込むファン。
TSF
two staged combustion
fan
5106
遠心ファン
主に遠心力によって気体を圧送するファン。
centrifugal fan
5107
軸流ファン
翼列の回転によって気体を軸方向に圧送するフ
ァン。
注記 動翼の取付け角を変化させることによっ
て,風量・風圧の制御を行うものを動翼
可変ピッチ軸流ファンという。
axial fan
5108
コンクリート製
煙突
鉄筋コンクリート製の煙突。
concrete stack,
concrete chimney
5109
鋼製煙突
鋼板製の煙突。
steel stack
5110
FRP製煙突
FRP(繊維強化プラスチック)製の煙突。
fiber reinforced plastic
stack
5111
自立形煙突
自立形式の煙突。
selfsupported stack
5112
鉄塔支持形煙突
筒身を鉄塔で支持した構造の煙突。
steel tower supported
stack
5113
コンクリート支
持形煙突
筒身をコンクリート塔で支持した構造の煙突。
concrete tower
supported stack
5114
多脚形煙突
複数個の筒身で自立した構造の煙突。
multi-cylinder stack
5115
集合煙突
排煙の上昇高さを高めるため,複数のボイラの
筒身を組み合わせた構造の煙突。
concentric stack
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5201
羽根
遠心ファンで,気体に遠心力を与える板状の部
分。
vane
5202
翼
軸流ファンで,気体に軸方向の流れを与える翼
形断面の板。
blade
38
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5203
インペラ
遠心ファンなどで羽根をもつ回転体。
羽根車
impeller
5204
(ファン)ケー
シング
回転体を囲む鋼板。
casing
5205
吸込ベーン
吸込コーン又はケーシング袖内に,放射状に設
けた可動の案内羽根(JIS B 0132参照)。
inlet vane,
guide vane
5206
筒身
煙突で排ガスが通る部分。
筒体
stack shell,
cylinder
5207
(煙突)外筒
二重筒構造の煙突で,その外側の筒身。
注記 強度部材としての役目を果たす。
external cylinder
5208
(煙突)内筒
二重筒構造の煙突で,その内側の筒身。
注記 ライニング材の役目を果たす。
internal cylinder
5209
動翼
ロータ(ハブ)に取り付けた回転する翼(JIS B
0132参照)。
rotor blade,
rotor vane
5210
可変静翼
運転中に,その取付け角度が変えられるような
機構をもった静翼(JIS B 0132参照)。
variable stator blade,
variable stator vane
5211
可変動翼
運転中に,その取付け角度が変えられるような
機構をもった動翼(JIS B 0132参照)。
variable rotor blade,
variable rotor vane
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5301
風道
空気を輸送するための通路。
空気ダクト
air duct
5302
熱風道
空気予熱器で加熱された,温度が高い空気を輸
送する風道。
熱空気ダクト
hot air duct
5303
冷風道
空気予熱器で加熱していない,低温の空気を輸
送する風道。
冷空気ダクト
cold air duct
5304
テンパリングエ
アダクト
ミル用などとして,温度調節用低温空気を輸送
する風道。
冷却空気風道
tempering air duct
5305
吸込風道
押込みファンの吸込側の風道。
サクションダ
クト
suction air duct
5306
ダンパ
風道を通過する風量又は煙道を通過するガス量
を,調節又は遮断する装置。
damper
5307
ダイバータダン
パ
ガスタービン排気の流れを切り換えるか又は調
整するダンパ。
diverter damper
5308
スライドゲート
ダンパ
流れに直角に鋼板などの遮蔽物を出し入れし
て,流れを遮断するダンパ。
ギロチンダン
パ
isolation damper
5309
ルーバダンパ
よろい戸式のダンパ。
louver damper
5310
バタフライダン
パ
回転式のダンパ。
butterfly damper
5311
ダンパエアシー
ル
ダンパからのガス漏れを防ぐエアシール。
damper air seal
5312
煙道
燃焼後のガスを輸送するための通路。
ガスダクト
gas duct
5313
再循環煙道
燃焼ガスを再循環する煙道。
再循環ガスダ
クト
recirculating gas duct
5314
テンパリングガ
スダクト
火炉出口ガスの温度を下げるための再循環ガス
を輸送する煙道。
tempering gas duct
39
B 0126:2018
4) 通風一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5401
吸込状態
吸込口における気体の圧力・温度・湿度・流速
などの状態。
inlet condition,
suction condition
5402
吐出し状態
吐出しにおける気体の圧力・温度・湿度・流速
などの状態。
discharge condition,
exit condition
5403
通風損失
ボイラ,煙道,風道などを通じて生じる通風の
圧力損失。
ドラフト損失
draft loss
5404
通風力
圧力損失に打ち勝って,気体を流す力。
draft
5405
押込通風
押込ファンを使用して,炉内圧を大気圧以上に
保ちながら運転する通風方法。
強圧通風
forced draft
5406
平衡通風
押込ファンと誘引ファンとを併用して,炉内圧
を大気圧近くの負圧に保ちながら運転する通風
方法。
balanced draft
5407
誘引通風
誘引ファンを使用して,燃焼ガスを吸い出しな
がら運転する通風方法。
induced draft
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
5501
軸動力
送風機,ポンプなどの回転機械を駆動するのに
必要な動力。
shaft power
5502
吐出し風圧
ファンの吐出し口における静圧。
discharge pressure,
delivery pressure,
outlet pressure
5503
吐出し風量
ファンが吐き出す風量。
capacity
f)
集じん装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6101
機械式集じん装
置
遠心力,重力又は慣性力を利用して,含じんガ
スからダストを分離捕集する集じん装置。
mechanical dust
collector
6102
サイクロン集じ
ん装置
円筒内回転流によって含じんガスに遠心力を与
えて,ダストを分離捕集する集じん装置。
cyclone dust collector
6103
マルチサイクロ
ン集じん装置
小形サイクロンを並列に配置した集じん装置。
multi-cyclone dust
collector
6104
乾式集じん装置
水を用いずに,ガス中のダストを分離捕集する
集じん装置。
dry type dust collector
6105
湿式集じん装置
含じんガス又は分離したダストを水と接触さ
せ,湿潤状態でダストを捕集する集じん装置。
wet type dust collector
6106
電気集じん装置
放電極のコロナ放電を利用して含じんガス中の
粒子に電荷を与え,この帯電粒子を集じん電極
に分離捕集する装置。
電気集じん器,
EP
electrostatic precipitator
6107
低温電気集じん
装置
空気予熱器を通過した低温排ガス中の粒子を,
分離捕集するために設けた電気集じん装置。
低温電気集じ
ん器,
低温EP
cold side electrostatic
precipitator
40
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6108
高温電気集じん
装置
エコノマイザを通過した高温排ガス中の粒子
を,分離捕集するために設けられた電気集じん
装置。
高温電気集じ
ん器,
高温EP
hot side electrostatic
precipitator
6109
低低温電気集じ
ん装置
低低温排ガス中の粒子を,分離捕集するために
設けた電気集じん装置。
注記 通常,空気予熱器と電気集じん装置の間
に,ガス-ガスヒータの熱回収器を設置す
る。これを通過した排ガスを低低温排ガ
スと呼ぶ。
低低温電気集
じん器,
低低温EP
very cold side
electrostatic
precipitator
6110
ろ過集じん装置
含じんガスをろ過材を通過させダストを捕集す
る装置。
注記 布袋をろ過材とするものを,バグフィル
タと呼ぶ。
filter type dust collector
(separator)
6111
移動電極式電気
集じん装置
チェーンで連結された移動式の集じん極を集じ
ん極下部まで移動させ,設置されているブラシ
によってダストを除去する電気集じん装置。
moving electrode-type
electrostatic
precipitator
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6201
(ダスト)サイ
クロン
含じんガスに遠心力を与えてダストを分離する
装置。
cyclone dust separator
6202
導翼
サイクロンでガスに旋回運動を与える案内羽
根。
案内羽根,
ガイドベーン
guide vane
6203
集じん極
電気集じん装置で,負の電荷をもつダストを吸
着する陽極。
集じん電極
collecting electrode
6204
放電極
電気集じん装置で,ダストを負の帯電粒子にす
るための陰極。
discharge electrode
6205
集じん室
含じんガスからダストを分離捕集する部屋。
precipitator room
6206
ガス整流板
集じん室内のガス流が,均一になるように取り
付けた固定板。
gas distributor
6207
ろ布
バグフィルタにろ過材として使用する織布,不
織布(フェルト)など。
filter cloth
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6301
水洗装置
集じん装置に付着したダストを水洗いする装
置。
water washing
equipment,
water washing device
6302
荷電装置
電気集じん装置で,放電極と集じん極との間に
荷電するための装置。
charging equipment
6303
整流装置
交流を直流に変換する装置。
注記 シリコン整流装置,ケノトロン整流装置,
セレン整流装置などがある。
rectifier
41
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6304
払落し装置
1) 電気集じん装置において,電極に付着した
ダストを払い落とすために振動を与える装
置。
2) ろ過集じん装置において,ろ布に振動,逆
気流などを与えて,ろ布に捕集されたダス
トを払い落とす装置(JIS B 9909参照)。
つい打装置(第
一段落),
シェイキング
装置(第二段
落)
rapping device,
shaking device
6305
バイブレータ
高速振動の衝撃を与える装置。
vibrator
6306
調質装置
集じん装置を有効に働かせるために,含じんガ
ス中に水,蒸気,薬品などを注入して,含じん
ガス又はダストの性状を改善させる装置。
gas conditioning
equipment
4) 集じん一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6401
ばいじん濃度
含じんガスの単位体積に含まれるダストの量。 含じん濃度,
ダスト濃度
dust concentration
6402
ダスト
気体中に含まれる固体粒子。
粉じん
dust
6403
ミスト
気体中に含まれる液体微粒子。
mist
6404
粒径分布
ダスト又はミストの粒径の分布割合を表したも
の。
粒子径分布
particle size distribution
6405
含じんガス
ばいじんなどの固体粒子を含むガス又は空気。
dirty gas
6406
再飛散
電気集じん装置で,電極上に一旦捕集されたダ
ストが再びガス中に飛散すること。
re-entrainment
6407
見掛け電気抵抗
率
集じん極に堆積した状態におけるダスト層の電
気抵抗率。
注記 一般的に単位は“Ω・cm”又は“Ω・m”で
表す。
見掛け電気抵
抗,
灰電気抵抗値
apparent electrical
resistivity,
ash resistivity
6408
安定荷電
電気集じん装置で,集じん効果が良好で,かつ,
放電極と集じん極との間の電位差が安定してい
る状態。
stable charging
6409
逆電離
集じん極に堆積したダスト層で,空間部分の絶
縁破壊による正コロナを生じること。
注記 この現象が起きると,集じん率は低下す
る。
back corona
6410
ダスト移動速度
ダストが集じん極に引き寄せられる速度。
注記 ダストの集じんの難易度を示し,一般的
に単位は“cm/s”で表す。
migration velocity
42
B 0126:2018
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6501
集じん率
集じん装置で捕集したダストの割合のことで,
次の式で表す。
100
1
0
1
×
−
=
W
W
W
η
ここに, η: 集じん率(%)
W1: 集じん装置入口の含じん
濃度(g/m3)a)
W0: 集じん装置出口の含じん
濃度(g/m3)a)
集じん効率,
捕集効率,
捕集率,
除じん効率,
分離効率,
回収率
collection efficiency
6502
部分集じん率
ダスト又はミストの粒径分布のうち,ある範囲
の粒径に着目した集じん率。
部分集じん効
率,
部分捕集効率,
部分分離率,
部分効率,
部分除じん率
fractional (partial)
collection efficiency,
fractional efficiency,
point efficiency
6503
通過率
集じん装置で捕集できなかったダストの割合の
ことで,次の式で表す。
100
1
0
p
×
W
W
η=
ここに, ηp: 通過率(%)
W1: 集じん装置入口の含じん
濃度(g/m3)a)
W0: 集じん装置出口の含じん
濃度(g/m3)a)
penetration
6504
基本流速
集じん装置で,集じん効果に影響する代表的な
場所のガス流速。
fundamental gas
velocity
6505
ガス滞留時間
含じんガスが集じん装置を通過する時間。
retention time
6506
ろ過面積
気体が通過する,ろ過材の表面積。
filtration area
6507
比集じん面積
単位処理ガス量当たりの集じん面積のことで,
次の式で表す。
c
a
G
S
SCA=
ここに, SCA: 比集じん面積(s/m)
Sa: 集じん面積(m2)
Gc: 処理温度におけるガス流
量(m3/s)
specific collecting area
6508
液ガス比
集じん作用に直接関与する洗浄液の流量と入口
ダクトにおける湿りガス流量との体積比。
注記 一般的に単位は“L/m3”で表すa)。
注水率,
洗浄率
liquid-gas ratio,
liquid-gas flow rate ratio,
liquid to gas flow,
liquid flow rate
6509
荷電時間
含じんガスが,電気集じん装置の電界中を通過
する時間。
loading duration
6510
等速吸引
含じんガス中のダストを同濃度で試料採取装置
に導くため,吸引口における吸引ガス速度と,
含じんガス速度とが等しくなるように吸引する
こと。
isokinetic sampling
6511
ガス整流試験
整流板を調整してガスの流れを均一にするた
め,ガス通路断面各部における流速を測定する
試験。
gas distribution test,
gas flow test
43
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
6512
荷電試験
電気集じん装置で,荷電電圧を変えて電圧と電
流との関係その他を調べる試験。
loading test
注a) 0 ℃,1 013 hPaの状態。
g) 排煙脱硫装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7101
湿式排煙脱硫装
置
排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を,吸収液を用
いて湿式で処理する装置。
注記 排ガス中のダストを脱じん塔又は冷却塔
で除去してから吸収塔で脱硫する灰分離
方式(double loop process)と,ダストを
除去せずに吸収塔で脱硫する灰混合方式
(single loop process)とがある。
Wet-FGD,
Wet De-SOx
wet type flue-gas
desulfurization
equipment
7102
乾式排煙脱硫装
置
排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を,活性炭など
を用いて乾式で処理する装置。
注記 活性炭,活性コークスなどの炭素系触媒
を接触させることによって,SOx,NOx,
ダイオキシン類及び微量有害物質を除去
する活性炭吸着法がある。
Dry-FGD,
Dry De-SOx
dry type flue-gas
desulfurization
equipment
7103
半乾式排煙脱硫
装置
スラリー状の吸収剤を微粒化して,スプレード
ライヤ内で排ガス中の硫黄酸化物と反応させ,
副生品を乾燥固体で回収する装置。
semidry flue-gas
desulfurization
equipment
7104
酸化塔別置方式
湿式排煙脱硫装置の酸化システムの一つで,吸
収塔に酸化用空気を供給せず,別途設置した酸
化塔において亜硫酸塩を硫酸塩に酸化する方
式。
酸化塔別置型
inhibited oxidation
system
7105
吸収塔内酸化方
式
湿式排煙脱硫装置の酸化システムの一つで,吸
収塔に酸化用空気を供給して,SOxの吸収から
硫酸塩への酸化までを吸収塔内で行う方式。
吸収塔内酸化
型,
塔内酸化型
forced oxidation system
7106
石灰-石こう
(膏)法
排ガスを冷却し,吸収塔で排ガス中の亜硫酸ガ
スを気液接触によって吸収し,生成する亜硫酸
カルシウムを酸化塔で空気酸化し,石こう(膏)
として回収する方式。
limestone-gypsum
process
7107
液柱方式
吸収塔で脱硫する方式の一つで,塔下部に設置
したノズルから上向きに吸収液を噴出させ,上
部で分散後下方へ落下させる上下往復吸収液に
よる気液接触方式。
double contact flow
scrubber
7108
グリッド充塡方
式
吸収塔で脱硫する方式の一つで,塔上部にある
スプレーヘッダから吸収液を下向きに噴出さ
せ,グリッド状の充塡物をぬ(濡)らし,そこ
で排ガスと吸収液との気液接触によってSO2吸
収を行う方式。
packed scrubber process
7109
ジェットバブリ
ングリアクタ
方式
吸収塔で脱硫する方式の一つで,多数のガスス
パージャを通じて,排ガスを液面下数百mmに
位置する開口部から水平方向に噴出し,吸収液
と激しくバブリングさせることで気液接触させ
る方式。
jet bubbling reactor
process
44
B 0126:2018
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7201
脱じん塔
排ガス中のダストを除去する装置。
除じん塔
prescrubber
7202
冷却塔
排ガスを冷却する装置。
quencher,
gas cooler
7203
吸収塔
排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を吸収液で吸収
し,除去する装置。
absorber
7204
スプレー塔
吸収塔の一つで,吸収液をスプレーノズルで噴
霧した液滴によって,排ガス中の硫黄酸化物
(SOx)を吸収し,除去する装置。
spray tower
7205
ベンチュリース
クラバ
ベンチュリー方式のガス洗浄器。
venturi scrubber
7206
酸化塔
酸化塔別置方式の湿式排煙脱硫装置において,
吸収塔で生成した亜硫酸塩を酸化して硫酸塩に
する装置。
−
7207
酸化槽
吸収塔内酸化方式の湿式排煙脱硫装置におい
て,生成した亜硫酸塩を酸化して硫酸塩にする
装置。
注記 吸収塔の一部分である。
酸化タンク
oxidation tank
7208
石こう(膏)脱
水機
石こう(膏)(硫酸カルシウム)スラリーの水分
を分離する装置。
石こう(膏)分
離機
dehydrater,
gypsum separator
7209
吸着塔
排ガス中の二酸化硫黄(SO2)を,活性炭などの
吸着剤で吸着し,除去する装置。
adsorption tower
7210
脱離塔
吸着剤に吸収された二酸化硫黄(SO2)を加熱す
ることによって,高濃度の二酸化硫黄(SO2)と
して脱離させる装置。
再生塔
regenerator
7211
二酸化硫黄還元
塔
二酸化硫黄(SO2)を還元剤で還元して,単体硫
黄とする装置。
SO2 reduction tower
7212
スプレードライ
ヤ
吸収液を微粒化して高温の排ガス中に噴霧し,
硫黄酸化物(SOx)を吸収すると同時に,排ガ
スの顕熱によって水分を蒸発させ,反応生成物
を乾燥固形物とする装置。
spray drier
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7301
ガス昇圧ファン
脱硫装置に必要な通風力を排ガスに与えるファ
ン。
脱硫ファン,
脱硫通風機,
BUF
boost up fan
7302
冷却液循環ポン
プ
冷却塔内の冷却液を循環させるポンプ。
冷却塔循環ポ
ンプ
prescrubber recirculation
pump
7303
吸収液循環ポン
プ
吸収塔内に吸却液を循環させるポンプ。
吸収塔循環ポ
ンプ
absorbent recirculation
pump
7304
ガス再加熱装置
吸収塔出口のガスを再加熱する装置。
gas reheater
7305
ガス再加熱炉
ガス再加熱装置の一種で,燃料をた(焚)いて
吸収塔出口のガスを再加熱する装置。
アフタバーナ
gas reheating furnace
7306
ガス-ガスヒー
タ
吸収塔の入口ガスと出口ガスとを熱交換させる
装置。
GGH
gas-gas heater
45
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7307
スチーム-ガス
ヒータ
吸収塔出口のガスを蒸気で再加熱する装置。
steam-gas heater
7308
ミストエリミネ
ータ
吸収塔を出たガスに含まれるミストを除去する
装置。
mist eliminator
7309
緊急ブロー槽
緊急時に脱硫装置内の吸収液スラリー及び石こ
う(膏)スラリーを一時貯液する槽。
emergency slurry
storage pit
7310
酸化用空気ブロ
ワ
吸収塔内酸化方式の酸化槽,及び酸化塔別置方
式の酸化塔に空気を送る送風機。
酸化空気ブロ
ワ
oxidation air blower
7311
吸収剤供給装置
吸収塔又は吸収塔循環タンクに吸収剤を供給す
る装置。
absorbent preparation
system
7312
吸着剤移送装置
吸着剤を移送するコンベヤなどの設備。
absorbent conveying
system
7313
バイパスダクト
ボイラ排ガスを直接煙突へ導き,脱硫装置をバ
イパスするダクト。
bypass duct
4) 排煙脱硫一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7401
硫黄酸化物
燃料中の硫黄が,燃焼反応において生成する硫
黄酸化物の総称。
注記 主として,二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫
黄(SO3)とである。
SOx
sulfur oxides
7402
吸収剤
硫黄酸化物(SOx)を吸収する薬品。
注記 炭酸カルシウム(石灰石),酸化カルシウ
ム(生石灰),水酸化カルシウム(消石灰)
などがある。
absorbent
7403
副生品
脱硫装置で副生される製品。
注記 石こう(膏),硫酸,硫黄などがある。
by-product
7404
活性炭
硫黄酸化物(SOx)などを吸着させる多孔質の
炭。
activated carbon
7405
脱離ガス
脱離塔で吸着剤から分離された高濃度の二酸化
硫黄(SO2)から成るガス。
SO2 carrier gas
7406
未処理ガス
脱硫装置で処理していないガス。
dirty gas
7407
処理ガス
脱硫装置で処理したガス。
clean gas
7408
酸化用空気
1) 酸化塔別置方式の湿式脱硫装置において酸
化塔に供給する空気。
2) 吸収塔内酸化方式の湿式脱硫装置において
酸化槽に供給する空気。
酸化空気
oxidation air
46
B 0126:2018
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
7501
脱硫率
硫黄酸化物(SOx)を除去する割合のことで,
次の式で表す。
100
1
0
1
s
×
−
=
SOx
SOx
SOx
η
ここに, ηs: 脱硫率(%)
SOx1: 脱硫装置入口の硫黄酸化
物(SOx)濃度(ppm)a)
SOx0: 脱硫装置出口の硫黄酸化
物(SOx)濃度(ppm)a)
SOx removal efficiency
7502
液ガス比
脱硫率に大きく影響を与える因子で,吸収液量
と処理ガス量との体積比。
注記 一般的に単位は“L/m3”で表すb)。
liquid-gas ratio
7503
脱じん率
ダストを除去する割合のことで,次の式で表す。
100
1d
0
d
1d
d
×
−
=
W
W
W
η
ここに, ηd: 脱じん率(%)
Wd1: 脱じん装置入口の含じん
濃度(g/m3)b)
Wd0: 脱じん装置出口の含じん
濃度(g/m3)b)
除じん率
dust removal efficiency
7504
吸収剤過剰率
吸収剤の理論的な必要量に対し,過剰に投入す
る吸収剤量の割合。
absorbent excess ratio,
absorbent stoichiometry
注a) ppmは体積百万分率。
b) 0 ℃,1 013 hPaの状態。
h) 排煙脱硝装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8101
乾式排煙脱硝装
置
触媒を用いて,排ガス中の窒素酸化物(NOx)
を乾式で処理する装置。
De-NOx,
脱硝装置
dry type NOx removal
equipment
8102
選択接触還元法
触媒を用いて,排ガス中の窒素酸化物(NOx)
をアンモニアなどの還元剤によって,窒素と水
蒸気とに分解する方法。
触媒脱硝,
SCR
selective catalytic
reduction process
8103
無触媒還元法
触媒を用いないで,高温度域で排ガス中の窒素
酸化物(NOx)をアンモニアなどの還元剤によ
って,窒素と水蒸気とに分解する方法。
無触媒脱硝,
SNCR
selective non-catalytic
reduction process
8104
高ダスト脱硝方
式
石炭だ(焚)きボイラの排煙脱硝において,脱
硝反応器の上流で除じんしないで脱硝する方
式。
high dust SCR system
8105
低ダスト脱硝方
式
石炭だ(焚)きボイラの排煙脱硝において,脱
硝反応器の上流で除じんした後,脱硝する方式。
low dust SCR system
8106
高温脱硝方式
ガスタービンの排ガス脱硝において単純サイク
ルなどの高温排ガスを脱硝する触媒脱硝方式
(JIS B 8040参照)。
注記 高温排ガスとはおおむね450 ℃以上をい
う。
high temperature SCR
47
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8107
中温脱硝方式
排熱回収ボイラの排ガス脱硝において中温排ガ
スを脱硝する触媒脱硝方式。
注記 中温排ガスとはおおむね250〜450 ℃を
いう。
medium temperature
SCR
8108
低温脱硝方式
排熱回収ボイラの排ガス脱硝において低温排ガ
スを脱硝する触媒脱硝方式。
注記 低温排ガスとはおおむね250 ℃以下をい
う。
low temperature SCR
8109
炉内脱硝
ボイラの火炉内において,燃焼過程で生成され
る中間生成物(炭化水素化合物)によって窒素
酸化物(NOx)を還元する脱硝方法。
in-furnace NOx
reduction
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8201
脱硝反応器
触媒を充塡し,脱硝反応を行わせるための容器。
NOx removal reactor
8202
触媒層
触媒を充塡している層。
catalyst layer
8203
触媒容器
触媒を鋼板製容器に詰めて取扱いの単位とした
もの。
触媒バスケッ
ト,
触媒ユニット,
触媒ブロック,
触媒パック
catalyst basket,
catalyst module
8204
板状触媒
平行平板形構成の平行流形触媒。
plate type catalyst
8205
格子状触媒
格子目状の平行流形触媒。
honeycomb type catalyst
8206
コルゲート状触
媒
波目形の平行流形触媒。
corrugate type catalyst
8207
粒状触媒
球形,円柱形,円筒形などの粒状形触媒。
pellet type catalyst
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8301
アンモニア供給
装置
脱硝反応を行わせるためのアンモニアを供給す
る装置。
ammonia supply
equipment
8302
アンモニア注入
装置
脱硝反応器の上流で排ガス中にアンモニアを注
入する装置。
ammonia injection
equipment
8303
アンモニア注入
格子
脱硝用アンモニアを均一に注入するために,注
入口(ノズル)が格子状に配置された注入設備。
アンモニア注
入ノズル,
アンモニア注
入グリッド,
AIG
ammonia injection
nozzle,
ammonia injection grid
8304
アンモニア希釈
空気
アンモニア供給装置からのアンモニアを希釈す
るための空気。
注記 希釈濃度は,アンモニアの爆発限界を考
慮して決定される。
ammonia dilution air
8305
アンモニア気化
器
液体アンモニアを蒸気などで加熱して気化する
装置。
ammonia vaporizer
8306
アンモニア希釈
エアファン
アンモニアとの混合用空気を強制して送る送風
機。
ammonia dilution air fan
48
B 0126:2018
4) 排煙脱硝一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8401
窒素酸化物
燃焼反応において生成する窒素酸化物(NOx)
の総称。
注記 ボイラ排ガス中の窒素酸化物(NOx)は,
主として,一酸化窒素(NO)と二酸化窒
素(NO2)とである。用語番号2483及び
2484参照。
NOx
nitrogen oxides
8402
脱硝触媒
脱硝反応を促進させる物質。
NOx removal catalyst
8403
リークアンモニ
ア
脱硝反応に寄与せずに,脱硝反応器を通り抜け
るアンモニア。
残留アンモニ
ア,
未反応アンモ
ニア
leakage ammonia,
slip ammonia
8404
シンタリング
触媒の粒子構造が高温にさらされることによっ
て破壊され,比表面積が減少する現象。
焼結
sintering
8405
被毒
触媒の反応活性点が,排ガス中に含まれるアル
カリ成分(ナトリウム及び/又はカリウム)に
よって吸着され,触媒性能が失活する現象。
poisoning
8406
アンモニア代替
還元剤
尿素水,重炭酸アンモニウムなど,排ガス中で
アンモニアに転換して脱硝効果が得られる物
質。
ammonia substitute
5) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8501
脱硝率
排ガス中の窒素酸化物(NOx)が脱硝装置で除
去される割合のことで,次の式で表す。
100
in
out
in
x
×
−
=
NOx
NOx
NOx
η
ここに, ηx: 脱硝率(%)
NOxin: 脱硝装置入口の窒素酸化
物(NOx)濃度(ppm)a)
NOxout: 脱硝装置出口の窒素酸化
物(NOx)濃度(ppm)a)
NOx removal efficiency
8502
SV値
触媒単位体積当たりの処理ガス流量のことで,
次の式で表す。
V
G
SV=
ここに, SV: SV値(h−1)
G: 処理ガス流量(m3/h)b)
V: 触媒量(m3)
space velocity
8503
LV値
触媒層へ入る前のガス速度のことで,次の式で
表す。
S
Q
LV=
ここに, LV: LV値(m/s)
Q: 処理温度におけるガス流
量(m3/s)
S: 触媒層へ入る前のガス入
口断面積(m2)
linear velocity
49
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
8504
AV値
触媒の単位ガス接触表面積当たりの処理ガス流
量のことで,次の式で表す。
A
V
G
AV =
ここに, AV: AV値[m3/(h・m2)]b)
G: 処理ガス流量(m3/h)b)
V: 触媒量(m3)
A: 触媒単位体積当たりのガ
ス接触表面積(m2/m3)
area velocity
8505
NH3/NOxモル比 窒素酸化物(NOx)量(モル数)に対する脱硝
反応をさせるために注入するアンモニア量(モ
ル数)の比。
NH3/NOx molar ratio
8506
三酸化硫黄
(SO3)転換率
脱硝反応器において,二酸化硫黄(SO2)が触媒
によって酸化されて三酸化硫黄(SO3)に転換さ
れる割合のことで,次の式で表す。
100
1
1
0
cr
×
−
2
3
3
SO
SO
SO
η=
ここに, ηcr: 三酸化硫黄(SO3)転換率
(%)
0
3
SO: 脱硝反応器出口の三酸化
硫黄(SO3)濃度(ppm)a)
1
3
SO: 脱硝反応器入口の三酸化
硫黄(SO3)濃度(ppm)a)
1
2
SO: 脱硝反応器入口の二酸化
硫黄(SO2)濃度(ppm)a)
二酸化硫黄
(SO2)酸化率
SO2 to SO3 conversion
ratio
8507
触媒寿命
触媒が使用中に,経時的に性能低下し,所定の
脱硝率を下回り,交換などを必要とするまでの
期間。
catalyst life
注a) ppmは体積百万分率。
b) 0 ℃,1 013 hPaの状態。
i)
二酸化炭素分離回収装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
9101
化学吸収法
排ガス中のCO2をアミンなどの溶液を用いて化
学的に吸収液に吸収させ分離し,回収する方法。
chemical absorption
process
9102
物理吸収法
排ガス中のCO2を大量に溶解できる液体中に接
触させ,高圧・低温下で物理的にCO2を吸収し,
減圧又は加熱してCO2を回収する方法。
physical absorption
process
9103
膜分離法
排ガス中のCO2を分離機能をもつ薄膜を利用し
て分離し,回収する方法。
membrane separation
process
9104
固体吸着法
排ガス中のCO2を固体吸着剤を用いて吸収して
分離し,回収する方法。
solid adsorption process
50
B 0126:2018
2) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
9201
二酸化炭素分離
回収装置
ボイラ排ガスなどから炭酸ガス(CO2)を分離
回収する装置(JIS B 0130参照)。
注記 分離原理の違いから,化学吸収法,物理
吸収法,膜分離法,固体吸着法などの区
別がある。
CO2 recovery equipment
j)
石炭ガス化装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
10101
噴流床式ガス化
炉
微粉炭をバーナによって酸化剤(酸素又は空気)
とともに炉内に噴射し,部分燃焼によって発生
する高温で短時間にガス化する炉。
entrained flow gasifier
10102
流動層式ガス化
炉
炉内の分散板上に粉炭を供給し,炉底からの酸
化剤(空気,水蒸気など)によって,流動させ
ながらガス化する炉。
fluidized bed gasifier
10103
固定層式ガス化
炉
上部から火格子上に塊炭を供給し,部分燃焼に
よって発生する高温ガスでガス化する炉。
fixed bed gasifier
10104
溶融浴式ガス化
炉
炉底の溶融熱媒体(溶融灰,溶融鉄,炭酸塩な
ど)に,石炭,酸素及び水蒸気を吹き付け,石
炭をガス化する炉。
molten bath gasifier
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
10201
ガス冷却器
ガス化炉から発生した高温の石炭ガスと熱交換
し,蒸気などを発生する熱交換器。
syngas cooler
10202
放射形ガス冷却
器
主に放射形伝熱面によって構成されるガス冷却
器。
radiant syngas cooler
10203
対流形ガス冷却
器
主に対流形伝熱面によって構成されるガス冷却
器。
convection syngas
cooler
10204
乾式ガス精製装
置
ガス化炉で発生したガスを高温のまま脱じん,
脱硫及びその他の不純物除去を行う装置。
hot gas cleanup unit
10205
湿式ガス精製装
置
ガス化炉で発生したガスを気液接触法で脱硫及
びその他の不純物除去を行う装置。
wet gas cleanup unit
3) 石炭ガス化一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
10301
酸素吹き
石炭のガス化剤として空気よりも酸素濃度が高
い気体を用いる方法。
oxygen blown
10302
空気吹き
石炭のガス化剤として空気を用いる方法。
air blown
10303
スラリーフィー
ド
ガス化炉への石炭供給の一つで,微粉炭と水と
を混合したスラリーで搬送する方法。
湿式給炭
slurry feed
10304
ドライフィード
ガス化炉への石炭供給の一つで,微粉炭を気流
で搬送する方法。
dry feed
51
B 0126:2018
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
10305
O/C比
ガス化炉に投入される石炭中の炭素とガス化剤
中の酸素との原子数比。
O by C
10306
ガス化剤
石炭中の固定炭素に酸素を供給し,これをガス
化するもの。
oxidant,
oxidizing agent,
gasifying agent
10307
フラックス添加
灰融点を下げるために,石灰石などを混ぜるこ
と。
flux addition
4) 性能及び試験
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
10401
炭素転換率
ガス化炉に供給した石炭中の炭素量に対する生
成ガス中の炭素量の割合。
carbon conversion ratio,
carbon conversion
efficiency
10402
冷ガス効率
ガス化炉に供給した石炭の発熱量に対する生成
ガスの発熱量の割合。
cold gas efficiency
10403
熱ガス効率
ガス化炉に供給した総熱量に対する生成ガスの
総熱量の割合。
注記 総熱量には全顕熱を含み,ガス化炉から
系外への回収熱量がある場合は,生成ガ
ス側の熱量に加算する。
hot gas efficiency
k) 廃棄物ガス化装置
1) 種類及び形式
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
11101
キルン式ガス化
プロセス
回転式加熱方式で,固形廃棄物の熱分解ガス化
を行うこと。
kiln type gasification
process
11102
流動床式ガス化
プロセス
低酸素状態の流動床で加熱してガス化を行うこ
と。
fluidized bed
gasification process
11103
乾留炉
固形廃棄物を空気遮断状態で間接加熱して熱分
解を行う装置。
pyrolysis furnace
2) 構造
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
11201
廃棄物燃料払出
装置
廃棄物燃料を払い出す装置。
注記 バンカ底面にレーキを設置し切断する形
式のもの,スクリュー式のものなどがあ
る。
waste discharger
3) 附帯設備
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
11301
改質設備
廃棄物処理で得られた燃料ガスを低分子化し
て,燃料性能の向上(改質)を行う設備。
reformer
11302
水噴射式燃焼ガ
ス冷却装置
廃棄物燃焼ガスを排ガス処理に適した温度まで
水噴射によって急冷する設備。
water spray type
quenching facility
52
B 0126:2018
4) 廃棄物ガス化一般
番号
用語
定義
参考
慣用語
対応英語
11401
ガス化改質
固形廃棄物を低酸素状態で熱分解して,燃料化
したガスを更に改質して,高品位燃料ガスを得
ること。
gasification and
reforming
11402
ガス化溶融
固形廃棄物を熱分解した後,発生ガスを燃焼又
は回収するとともに,灰,不燃物などを溶融す
ること。
gasification and melting
11403
吸着式ガス処理
物理吸着によって有害物を除去するガス処理方
式。
gas treatment by
adsorption process
11404
活性炭吸着法
活性炭,活性コークスなどの炭素系触媒を接触
させることによって,SOx,NOx,ダイオキシ
ン類及び微量有害物質を除去する方法。
activated carbon
adsorption process