B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般規則························································································································· 2
4.1 表示 ···························································································································· 2
4.2 書式 ···························································································································· 3
4.3 配置 ···························································································································· 3
4.4 機器 ···························································································································· 4
5 油空圧回路内の機器の識別のための規則 ··············································································· 5
5.1 機器及びホースアセンブリの識別コード············································································· 5
5.2 ポートの識別 ················································································································ 6
5.3 配管の識別コード ·········································································································· 6
5.4 任意の配管用アプリケーションコード················································································ 7
6 回路図上の技術情報 ·········································································································· 8
6.1 全般 ···························································································································· 8
6.2 回路の機能 ··················································································································· 8
6.3 電気機器用記号 ············································································································· 8
6.4 機器 ···························································································································· 8
7 補足資料························································································································ 11
8 回路図の例 ····················································································································· 11
9 規格適合表示 ·················································································································· 11
附属書A(参考)機器及びホースアセンブリの識別コードの各部分間の関係 ··································· 12
附属書B(参考)油圧回路図の例 ··························································································· 13
附属書C(参考)空気圧回路図の例 ························································································ 16
附属書D(参考)潤滑回路図の例 ··························································································· 19
附属書E(参考)部品表の例 ································································································· 21
参考文献 ···························································································································· 22
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
フルードパワー工業会(JFPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本
工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。これによって,JIS B 0125-2:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 0125の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 0125-1 第1部:図記号
JIS B 0125-2 第2部:回路図
日本工業規格 JIS
B 0125-2:2018
(ISO 1219-2:2012)
油圧・空気圧のシステム及びその機器−
図記号及び回路図−第2部:回路図
Fluid power systems and components-Graphical symbols and circuit
diagrams-Part 2: Circuit diagrams
序文
この規格は,2012年に第2版として発行されたISO 1219-2を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,JIS B 0125-1に規定する図記号を用いて油圧・空気圧システムの回路図を描くための主要
な方法について規定する。
この規格は,油圧・空気圧システムに附随して使用する冷却システム,潤滑システム,冷却潤滑システ
ム及び気体を用いるシステムの回路図にも適用する。
回路図の例を附属書B〜附属書Dに示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 1219-2:2012,Fluid power systems and components−Graphical symbols and circuit diagrams−
Part 2: Circuit diagrams(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
注記 対応国際規格:ISO 1219-1,Fluid power systems and components−Graphic symbols and circuit
diagrams−Part 1: Graphic symbols for conventional use and data-processing applications
JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語
注記 対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary
JIS B 8356-8 油圧用フィルタ性能評価方法−第8部:フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパ
ステスト法)
注記 対応国際規格:ISO 16889,Hydraulic fluid power−Filters−Multi-pass method for evaluating
filtration performance of a filter element
2
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
JIS K 2001 工業用潤滑油−ISO粘度分類
注記 対応国際規格:ISO 3448,Industrial liquid lubricants−ISO viscosity classification
JIS Z 8311 製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式
注記 対応国際規格:ISO 5457,Technical product documentation−Sizes and layout of drawing sheets
JIS Z 8313-0 製図−文字−第0部:通則
注記 対応国際規格:ISO 3098-0,Technical product documentation−Lettering−Part 0: General
requirements
ISO 6743-4,Lubricants, industrial oils and related products (class L)−Classification−Part 4: Family H
(Hydraulic systems)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142によるほか,次による。
3.1
冷却(cooling)
システム又は機器から熱又は熱エネルギーを除去する工程。
3.2
クーラント(cooling lubricant)
工作機械で一般に使用する冷却,及び工具と被切削物との間の摩擦低減のために利用する液体。
3.3
潤滑(lubrication)
適切な潤滑液の利用及び摩擦を減らすための工程。
3.4
ガスエンジニアリング(gas engineering)
気体を用いてエネルギー伝達する技術領域。
4
一般規則
4.1
表示
4.1.1
回路図は,明瞭でなければならない。また,回路図は,システムの全ての動作及び制御に対する回
路をたどることができなければならない。
4.1.2
回路図には,全ての油圧機器及び空気圧機器を示さなければならない。また,それらの機器には,
全ての接続口を示さなければならない。
4.1.3
回路図は,機器の取付けにおける実際の配置を考慮する必要はない。回路図及び他の関連する詳細
情報を含む機器又は装置に関する情報は,欠落のない一連の文書であることが望ましい。この一連の文書
は,共通の参照記号によって示し,識別できなければならない。
注記 JIS B 8361及びJIS B 8370は,油圧・空気圧システム,その機器の一般規則,安全要求事項を
規定している。
4.1.4
油圧,空気圧,潤滑,その他の媒体を用いるシステムは,媒体ごとに回路図を作成することが望ま
しい。油圧システムに空気圧をエネルギー源として使用する場合(例えば,加圧タンク,増圧装置)は,
一つの回路図に記載するのがよい。
3
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
4.2
書式
JIS Z 8311の規定によって,回路図を紙で提供する場合は,A4又はA3の用紙を用いることが望ましい。
A4以外の用紙が必要な場合には,図面はJIS Z 8311に規定している方法によって折りたたみ,A4サイ
ズにすることが望ましい。
他のデータ媒体を用いる場合には,受渡当事者間の協定による。使用する参照記号のローマ字,数字及
び記号は,全てJIS Z 8313-0によったものでなければならない。
4.3
配置
4.3.1
部品間の管路又は接続部は,交差箇所を最少にするように描くことが望ましい。交差する場合には,
JIS B 0125-1に規定する記号を用いなければならない。
4.3.2
部品の識別コード及びいかなる説明も図記号及び接続管路の上に重ねて描いてはならない。
4.3.3
コード及び指標の位置は,機器及び管路から少し離れた位置に描くことが望ましい。
4.3.4
複雑なシステムの場合は,回路図を関連する制御機能のグループに分けて示すことが望ましい。可
能な場合,制御機能は,アクチュエータに関連するものも含め,全体を一枚の用紙に表すことが望ましい。
サブアセンブリの境界は,一点鎖線で示し,明確にしなければならない。
4.3.5
アクチュエータによって作動するリミットスイッチ又はリミットバルブのような部品は,それらが
動作する場所に表示することが望ましい。例えば,シリンダの場合,ロッドの動作線上の動作位置に線を
表示し,それらの部品に識別コードを表示する。動作が一方向の場合には,矢印(
)を記入しなければ
ならない(図0Aを参照)。
図0A−シリンダによって作動するリミットスイッチの表示例
4.3.6
機器の図記号は,次に示す順序によって,下から上へ,そして,左から右へ配置することが望まし
い。
a) エネルギー源:下部左に
b) 制御機器:作動する順序によって,上へ向かって左から右へ
c) アクチュエータ:上部に左から右へ
4.3.7
回路図が二つ以上のページにまたがる場合,他のページに続く管路にはつながりをたどりやすくす
るため,飛び先記号を使用しなければならない。飛び先記号は,四角で囲まなければならない。
飛び先記号は,少なくとも,両ページに共通の参照記号,その後にダッシュ(−)を置き,更に飛び先
ページ番号による構成とし,四角の枠内に記載する(図1参照)。
要求があるとき,飛び先記号に回路の種類(例えば,油圧,空気圧)及び参照格子を追加してもよい(図
2参照)。
4
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
ad
参照記号
3,1
飛び先ページ番号
図1−二つ以上のページにまたがる回路図の連続する管路の飛び先記号の例
ad
参照記号
H
回路の種類,例えば,油圧(5.1.3.2参照)
3,1
飛び先ページ番号
B/1,B/6
参照格子
図2−二つ以上のページにまたがる回路図の連続する管路の拡張飛び先記号の例
4.4
機器
4.4.1
油圧機器及び空気圧機器を表す図記号は,JIS B 0125-1によって描かなければならない。
4.4.2
油圧及び空気圧の回路図中の図記号は,通常,JIS B 0125-1によって,非通電状態(又は休止状態)
の位置を示さなければならない。
回路機能の理解を助けるために,JIS B 0125-1の一般規則によらない図記号を用いてもよい。例えば,
油圧1ページ
油圧3ページ
1ページ
3ページ
5
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
次の意味を持つ図記号を用いる。
− ロッドが伸長状態のシリンダ(待機状態)
− 作動状態の位置にある機械操作式方向制御弁
5
油空圧回路内の機器の識別のための規則
5.1
機器及びホースアセンブリの識別コード
5.1.1
全般
5.1.1.1
機器及びホースアセンブリは,識別コードによって識別しなければならない。識別コードは,回
路図上のそれぞれの図記号に隣接して記載しなければならない。その識別コードは,全ての関連文書に使
用しなければならない。
5.1.1.2
機器及びホースアセンブリの識別コードの構成は,次によらなければならない。
a) 5.1.2による装置コード[,その後にダッシュ(−)]
b) 5.1.3による媒体コード
c) 5.1.4による回路番号[,その後にピリオド(.)]
d) 5.1.5による機器番号
これらの識別コードは,四角で囲まなければならない(図3参照)。
注記 装置,回路及び機器の関係を附属書Aに示す。
1
装置コード
2
媒体コード
3
回路番号
4
機器番号
図3−機器及びホースアセンブリの識別コード
5.1.2
装置コード(X-XX.X)
回路が二つ以上の装置から成り立っている場合,識別コードは,番号又は文字を使用した装置コードを
含まなければならない。回路を一つの装置で構成している場合には,装置コード及びダッシュ(−)を省
略してもよい。
5.1.3
媒体コード(X-XX.X)
5.1.3.1
二つ以上の媒体を使用する場合,5.1.3.2に定めた媒体コードを識別コードに含めなければならな
い。使用する媒体が一つの場合には,媒体コードを省略してもよい。
5.1.3.2
二つ以上の媒体を使用する場合,次の文字記号の媒体コードを回路図上に使用しなければならな
い。
a) H:油圧
b) P:空圧
6
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
c) C:冷却
d) K:クーラント
e) L:潤滑
f)
G:ガスエンジニアリング
5.1.4
回路番号(X-XX.X)
パワーユニット又は動力源に取り付ける全ての附属品に対しては,回路番号を付与しなければならない。
全ての油圧及び空気圧回路に対して0(ゼロ)で始まる続き番号の回路番号を付与することが望ましい。
5.1.5
機器番号(X-XX.X)
回路上の各機器には,1で始まる続き番号の機器番号を付与しなければならない。
5.2
ポートの識別
ポートは,機器,サブプレート又はマニホールド上に表示した文字によって,回路図上において識別し
なければならない。
必要な場合,機能的に接続された機器又は配管の役割を明確にするために,全てのポートの識別を回路
図上の機器又はその近傍に追加しなければならない。
5.3
配管の識別コード
5.3.1
全般
5.3.1.1
チューブ及びホース(5.1に規定のホースアセンブリを除く。)は,回路図上に,配管の識別コー
ドによって識別しなければならない。識別コードは,図記号に隣接して示さなければならない。また,そ
の識別コードは,全ての関連文書に使用しなければならない。
注記 部品(チューブ,ホース及びホースアセンブリ)の組付中及び保守中に,誤った組合せを避け
るために,回路図のデータに基づく次のいずれかの方法によって,識別コードを配管部品に表
示するか,又は配管部品に取り付けることが望ましい。
a) 識別コードによる表示,又は取り付ける(5.1.1.1参照)。
b) 機器及びポートの識別による導管端部への表示,又は取り付ける(片端又は両端)。
c) a)及びb)の組合せによる導管全体及びその端部への表示,又は取り付ける。
5.3.1.2
配管の識別コードの構成は,次によらなくてはならない(図4参照)。
a) 5.3.2による任意の識別番号[,その後にダッシュ(−)]
b) 5.3.3による必須の技術情報,直径の記号(φ)で始め,そのすぐ後に6.4.13に規定する一連の数字及
び記号
1
識別番号(任意)
2
配管の技術情報
注記 5.3.4の例を参照
図4−配管の識別コード
7
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
5.3.2
任意の識別番号
識別番号の使用は,任意とする。識別番号を使用する場合には,装置内の全ての導管(ホースアセンブ
リを除く。5.1参照)に続き番号を付与しなければならない。
5.3.3
技術情報
配管の技術情報は,必須であり,6.4.13によらなければならない。
5.3.4
配管の識別コードの例
例1 1−φ30×4
ここで,
1:導管の識別番号
φ30×4:チューブの呼び外径及び肉厚:単位はミリメートル(mm)
例2 3−φ25
ここで,
3:導管の識別番号
φ25:ホースの呼び寸法
例3 12−φ8/5.5
ここで,
12:導管の識別番号
φ8/5.5:チューブの代替技術情報としての外径及び内径:単位はミリメートル(mm)
5.4
任意の配管用アプリケーションコード
5.4.1
全般
5.4.1.1
回路図の明確化に役立つ場合には,任意のアプリケーションコードを配管に使用してもよい。
この任意のアプリケーションコードは,その配管に沿って,回路図の理解及び明確化に役立つように,
どこに設けてもよい。
5.4.1.2
配管のアプリケーションコードの構成は,次によらなければならない。
a) 5.4.2による媒体コード[,その後にダッシュ(−)]
b) 5.4.3による管路コード,そのすぐ後に5.4.4による圧力レベル指標
図5参照。
1
媒体コード
2
管路コード
3
圧力レベル指標
図5−配管用アプリケーションコード
5.4.2
媒体コード
回路が二つ以上の媒体を使用する場合,5.1.3.2による文字記号を使用した媒体コードを配管用アプリケ
ーションコードに含めなければならない。媒体が一つの場合,媒体コードを省略してもよい。
5.4.3
管路コード
回路図内の様々な管路コードには,次の文字記号を使用しなければならない。
8
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
a) P:圧力供給ライン及び補助圧力供給ライン
b) T:戻りライン
c) L, X, Y, Z:パイロットライン,ドレンラインなどに使用してもよい管路コード
5.4.4
圧力レベル指標
同じ管路コードで,伝達する流体の圧力が異なる配管は,圧力レベル指標として1から始まる数字を付
加して識別してもよい。
5.4.5
任意の配管用アプリケーションの例
例 H−P1
ここで,H:油圧
P:圧力供給ライン
1:圧力レベル指標
6
回路図上の技術情報
6.1
全般
6.1.1
6.2〜6.4で規定する技術情報は,回路図上の関連する図記号又は回路に隣接して示さなければなら
ない。また,4.3の要件を満たせば,他の情報も含めてよい。
6.1.2
一つの回路図内で,同じパラメータ(例えば,流量,圧力)に対して異なる単位を使用することは,
避けることが望ましい。
6.2
回路の機能
装置の各回路は,機能別に分けて示さなければならない(例えば,クランプ,リフト,反転,穴あけ,
駆動など)。この情報は,関連する回路の上部に記載することが望ましい。
6.3
電気機器用記号
電気接続図に使用する電気機器用記号は,回路図上のソレノイド,及び他の電気接続部又は機器の場所
に示さなければならない。
注記 附属書B〜附属書Dの回路図の例では,電気機器用記号の代わりに“xxx”又は“yyy”を使用
している。
6.4
機器
6.4.1
油タンク,レシーバ及びサージタンク
6.4.1.1
油タンクに対しては,次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 作動油の推奨最大容量:単位はリットル(L)
b) 作動油の推奨最少容量:単位はリットル(L)
c) JIS K 2001及びISO 6743-4によった作動油の種類,カテゴリ及び粘度等級
d) 密封タンクについては,最大許容圧力:単位はメガパスカル(MPa)
6.4.1.2
空気圧のレシーバ及びサージタンクに対しては,次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 容量:単位はリットル(L)
b) 最大許容圧力:単位はキロパスカル(kPa)又はメガパスカル(MPa)
6.4.2
空気圧源
次の情報を示さなければならない。
a) 定格流量:単位はリットル毎分[L min−1(ANR)],又は1回転当たりの押しのけ容積:単位は立方セ
ンチメートル(cm3),又は両方
9
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
b) 供給圧力範囲:単位はキロパスカル(kPa)又はメガパスカル(MPa)
6.4.3
油圧ポンプ
6.4.3.1
定容量形ポンプに対しては,次のいずれかの情報を回路図に示さなければならない。
a) 呼び流量:単位はリットル毎分(L min−1)
b) 1回転当たりの押しのけ容積:単位は立方センチメートル(cm3)
c) a) 及びb) の両方
6.4.3.2
速度制御を行う原動機によって駆動する定容量形ポンプに対しては,次の情報を回路図に示さな
ければならない。
a) 最大回転速度:単位は毎分当たりの回転数(min−1)
b) 1回転当たりの押しのけ容積:単位は立方センチメートル(cm3)
6.4.3.3
可変容量形ポンプに対しては,次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 呼び最大流量:単位はリットル毎分(L min−1),又は1回転当たりの最大押しのけ容積:単位は立方
センチメートル(cm3),又は両方
b) 圧力,流量など制御量の設定値
6.4.4
原動機
原動機については,次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 定格出力:単位はキロワット(kW)
b) 呼び同期回転速度:単位は毎分当たりの回転数(min−1)
6.4.5
方向制御弁
6.4.5.1
制御機構
2位置及び多位置の方向制御弁の制御機構は,機器に表示している文字記号を回路図に示し,識別しな
ければならない。
制御機構の役割を明確にする必要があるときには,全ての制御機構の識別を回路図上の機器又はその近
傍に追加しなければならない。
6.4.5.2
機能
方向制御弁の切換位置の違いによるそれぞれの機能を,回路図に示さなければならない。
6.4.6
流量制御弁,オリフィス及び固定絞り弁
6.4.6.1
流量制御弁に対しては,設定値(例えば,角度位置,回す回数)又は流量調整の結果として生じ
るパラメータ(例えば,シリンダの移動に要する時間)を回路図に示さなければならない。
6.4.6.2
オリフィス及び固定絞り弁に対しては,流路の直径を回路図に“φ”の記号の後に寸法を続けて
表さなければならない(例えば,φ1.2 mm)。
6.4.7
圧力制御弁及び圧力スイッチ
設定圧力及び必要に応じて公差範囲を,回路図にキロパスカル(kPa)又はメガパスカル(MPa)で示さ
なければならない。
6.4.8
シリンダ
次の情報を回路図に示さなければならない。
a) シリンダ内径:単位はミリメートル(mm)
b) ロッド径:単位はミリメートル(mm)(油圧シリンダには必要であるが,空気圧シリンダには不要)
c) 最大ストローク:単位はミリメートル(mm)例えば,内径100 mm,ロッド径56 mm及び最大ストロ
ーク50 mmの油圧シリンダは,φ100/56×50と表す。
10
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
6.4.9
揺動形アクチュエータ
次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 1行程当たりの押しのけ容積:単位は立方センチメートル(cm3)
b) 回転角度:単位は度(°)
6.4.10 モータ
6.4.10.1 定容量形モータに対しては,次の情報を回路図に示さなければならない。
− 1回転当たりの押しのけ容積:単位は立方センチメートル(cm3)
6.4.10.2 可変容量形モータに対しては,次の情報を回路図に示さなければならない。
a) 最大及び最小押しのけ容積:単位は立方センチメートル(cm3)
b) 呼びトルク:単位はニュートン・メートル(N·m)
c) 呼び回転速度:単位は毎分当たりの回転数(min−1)
6.4.11 アキュムレータ
6.4.11.1 全ての種類のアキュムレータに対しては,容器の全容積をリットル(L)で回路図に示さなけれ
ばならない。
6.4.11.2 気体式アキュムレータに対しては,6.4.11.1の規定のほか,次の情報を回路図に示さなければな
らない。
a) セルシウス度(℃)で表した指定温度範囲における気体の封入圧力:単位はメガパスカル(MPa)
b) 最高使用圧力及び最低使用圧力:単位はメガパスカル(MPa)
c) 気体の種類
6.4.12 フィルタ
6.4.12.1 油圧フィルタに対しては,ろ過比率を回路図に示さなければならない。ろ過比率は,JIS B 8356-8
によって決定することが望ましい。
6.4.12.2 空気圧フィルタに対しては,公称ろ過度精度をマイクロメートル(μm),又は可能な場合には,
ろ過システムにおける各対象汚染物質に対する特性値を回路図に示さなければならない。
6.4.13 配管
6.4.13.1 チューブに対しては,呼び外径及び肉厚をミリメートル(mm)(例えば,φ38×5),又は必要に
応じて外径及び内径をミリメートル(mm)(例えば,φ8/5.5)で回路図に示さなければならない。
6.4.13.2 ホース及びホースアセンブリに対しては,ホースの呼び径(例えば,φ16)を回路図に示さなけ
ればならない。
6.4.14 液面計
液量の警告液面レベル及び最低液面レベルを適切な単位で回路図に示さなければならない。
6.4.15 温度計
流体の警告温度及び最高温度をセルシウス度(℃)で回路図に示さなければならない。
6.4.16 サーモスタット
温度の設定値をセルシウス度(℃)で回路図に示さなければならない。
6.4.17 圧力計
最高圧力又は圧力範囲をキロパスカル(kPa)又はメガパスカル(MPa)で回路図に示さなければならな
い。
6.4.18 タイマ
遅延時間又はタイミングの範囲を秒(s)で回路図に示さなければならない。
11
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
7
補足資料
機器の識別コード及びその部品仕様との関係を明確にするため,部品表などの補足資料を回路図上又は
回路図とは別に提供することが望ましい。
部品表は,最低でも次の情報を含むのが望ましい。
a) 識別コード
b) 機器名称
c) 機器の形式番号
この箇条に基づいて作成した部品表の例を附属書Eに示す。
8
回路図の例
この規格に基づいて作成した回路図の例を,油圧の場合は附属書Bに,空気圧の場合は附属書Cに,潤
滑の場合は附属書Dに示す。
注記 この例の回路図は,規格紙面の制約上縮小しているので,図記号はJIS B 0125-1に規定してい
る大きさにはなっていない。
9
規格適合表示
この規格に適合していることを,試験報告書,カタログ及び販売資料に記載する場合は,次の文言を用
いる。
“回路図は,JIS B 0125-2:2018,油圧・空気圧のシステム及びその機器−図記号及び回路図−第2部:
回路図に適合する。”
12
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
附属書A
(参考)
機器及びホースアセンブリの識別コードの各部分間の関係(図A.1参照)
装置
回路
機器
図A.1−機器及びホースアセンブリの識別コードの各部分間の関係
13
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
附属書B
(参考)
油圧回路図の例(図B.1参照)
a) 油圧ユニット
図B.1−油圧回路図の例
14
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
b) 昇降装置
図B.1−油圧回路図の例(続き)
15
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
c) 搬送装置
図B.1−油圧回路図の例(続き)
16
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
附属書C
(参考)
空気圧回路図の例(図C.1参照)
a) 空気圧ユニット
図C.1−空気圧回路図の例
17
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
b) 翼制御装置
図C.1−空気圧回路図の例(続き)
18
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
c) 予備回路・潤滑装置・インデックス装置・接地装置
図C.1−空気圧回路図の例(続き)
19
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
附属書D
(参考)
潤滑回路図の例(図D.1参照)
a) 潤滑ユニット
図D.1−潤滑回路図の例
20
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
b) 主軸の複式刃物台・タレットの複式刃物台
図D.1−潤滑回路図の例(続き)
21
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
附属書E
(参考)
部品表の例
図B.1の回路図に関連する部品表の例を,表E.1に示す。
表E.1−部品表の例
識別コード
機器名称
機器の形式番号
0.1
油タンク
0.2
液面計
0.3
温度スイッチ,レベルスイッチ
0.4
エアブリーザ
0.5
電動機
0.6
油圧ポンプ
0.7
カップリング
0.8
フィルタ
0.9
目詰まり表示器
0.10
検圧用継手
0.11
ホースアセンブリ
0.12
リリーフ弁
0.13
3ポート2位置電磁切換弁
0.14
圧力計
0.15
4ポート3位置電磁切換弁
22
B 0125-2:2018 (ISO 1219-2:2012)
参考文献
[1] JIS B 8361 油圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
注記 対応国際規格:ISO 4413,Hydraulic fluid power−General rules and safety requirements for systems
and their components
[2] JIS B 8370 空気圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
注記 対応国際規格:ISO 4414,Pneumatic fluid power−General rules and safety requirements for
systems and their components
[3] JIS C 0452-1 電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原理及び
参照指定−第1部:基本原則
注記 対応国際規格:IEC 61346-1,Industrial systems, installations and equipment and industrial products
−Structuring principles and reference designations−Part 1: Basic rules
[4] JIS C 0452-2 電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原理及び
参照指定−第2部:オブジェクトの分類(クラス)及び分類コード
注記 対応国際規格:IEC 61346-2,Industrial systems, installations and equipment and industrial products
−Structuring principles and reference designations−Part 2: Classification of objects and codes for
classes