B 0119:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
3.1 発電所 ························································································································· 1
3.2 一般 ···························································································································· 3
3.3 土木 ···························································································································· 4
3.4 水力 ···························································································································· 6
3.5 形式 ··························································································································· 13
3.6 性能 ··························································································································· 19
3.7 本体一般 ····················································································································· 27
3.8 入口弁 ························································································································ 31
3.9 調速機・水位調整器 ······································································································ 33
3.10 制圧機 ······················································································································· 37
3.11 圧油装置・空気圧縮装置 ······························································································· 37
3.12 潤滑油装置 ················································································································· 39
3.13 給排水装置 ················································································································· 39
3.14 運転制御 ···················································································································· 39
3.15 可変速制御 ················································································································· 41
3.16 揚水始動 ···················································································································· 42
3.17 共通 ·························································································································· 43
3.18 試験 ·························································································································· 44
附属書A(参考)水車及びポンプ水車の分類について ································································ 48
附属書B(参考)水力発電所新設時の発電原価について ······························································ 49
B 0119:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電気学会
(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによ
って,JIS B 0119:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 0119:2009
水車及びポンプ水車用語
Glossary of terms for hydraulic turbines and reversible pump-turbines
1
適用範囲
この規格は,発電に用いる水車及びポンプ水車に関する用語及びその定義について規定する。
2
分類
用語の分類は,次による。
1) 発電所 2) 一般 3) 土木 4) 水力 5) 形式 6) 性能
7) 本体一般 8) 入口弁 9) 調速機・水位調整器 10) 制圧機
11) 圧油装置・空気圧縮装置 12) 潤滑油装置 13) 給排水装置 14) 運転制御
15) 可変速制御 16) 揚水始動 17) 共通 18) 試験
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,参考として対応英語,量記号及び単位記号を示す。
注記1 用語欄で,二つの用語をコンマ(,)でつないで併記してある場合は,その順位によって優先
使用する。
注記2 用語欄で,用語の下の( )内の平仮名書きは,読み方を示す。
注記3 定義欄で,用語の後の( )内の数字は,この規格の用語番号を示す。
注記4 量記号欄で,( )内の文字は形式記号を示す。
3.1
発電所
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
101
発電所
電力を発生するための施設。
electric power plant,
electric power
station
−
−
102
水力発電所
水力を利用した発電所。
注記 発電所出力の規模によって分類
されることがある。
hydroelectric power
plant,
hydroelectric power
station
−
−
103
潮力発電所
潮せき(汐)発電所及び潮流発電所の総
称。
tidal power plant,
tidal power station
−
−
104
潮せき(汐)発
電所
潮の干満の差によって生じる落差(位置
エネルギー)を利用した発電所。
tidal potential power
plant,
tidal potential power
station
−
−
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
105
潮流発電所
潮の干満によって生じる流れがもつ運
動エネルギーを利用した発電所。
tidal current power
plant,
tidal current power
station
−
−
106
揚水発電所
水力発電所のうち,上部貯水池に水を揚
水する能力をもつ発電所。
注記 揚水発電所の機器組合せの方式
としては,別置式(563),タンデ
ム式(564),可逆ポンプ水車式
(565)の三つの種類がある。
pumped storage
power plant,
pumped storage
power station
−
−
107
純揚水発電所
上部貯水池に河川の流入がほとんどな
く,発電力は下部貯水池から揚水した水
だけに依存する揚水発電所。
recirculating
pumped storage
power plant,
recirculating
pumped storage
power station
−
−
108
混合揚水発電所
上部貯水池に河川の水の流入があり,発
電に使用する水は,下部貯水池から揚水
した水のほかに,河川自流を合わせて使
用する揚水発電所。
multiple-use
pumped storage
power plant,
multiple-use
pumped storage
power station
−
−
109
海水揚水発電所
下部貯水池として海を利用し,海岸付近
の標高の高い位置に上部貯水池を設け
て海水を利用する揚水発電所。
seawater pumped
storage power
plant,
seawater pumped
storage power
station
−
−
110
地下発電所
主要機械を地下に配置する発電所。
underground power
plant,
underground power
station
−
−
111
屋外発電所
主要機械を屋外に配置する発電所。
outdoor power
plant,
outdoor power
station
−
−
112
半屋外発電所
主要機械を屋内又は地下に配置し,その
上の屋根を取外し可能にした発電所。
semi-outdoor power
plant,
semi-outdoor power
station
−
−
113
ダム式発電所
河川をせき(堰)止めて造ったダムによ
って高められた水位(落差)を利用する
方式の発電所。発電所は,ダムに近接し
て造られる。
注記 ダム式発電所の構造物の配列順
序を,次に示す。
ダム→取水口→(短い水路)→水
圧管路→発電所→放水路→放水口
dam type power
plant,
dam type power
station
−
−
3
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
114
水路式発電所
河川の水をせき止め,取水口から比較的
長い水路を経て発電所に導き,その間の
高低差による落差を利用する発電所。
conduit type power
plant,
conduit type power
station
−
−
115
ダム水路式発電
所
ダム式と水路式との混合形で,ダム及び
水路によって落差を得る方式の水力発
電所。
注記 ダム水路式発電所の構造物の配
列順序を,次に示す。
ダム→取水口→圧力導水路→サ
ージタンク→水圧管路→発電所
→放水路→放水口
dam and conduit
type power plant,
dam and conduit
type power
station
−
−
116
流込み式発電所
河川流量を調整する池をもたず,自然流
下する河川流量に応じて,発電する発電
所。
run-of-river power
station
−
−
117
貯水池式発電所
豊水期には余剰水量を蓄え,渇水期には
これを放水利用するために,自然流量を
季節的に調整できる程度の容量を備え
た池をもつ発電所。
reservoir power
station
−
−
118
調整池式発電所
1日又は1週間程度の比較的短期間の負
荷変動に応じて,河川の自然流量を調整
できる容量を備えた池をもつ発電所。
pondage power
station
−
−
119
逆調整池式発電
所
上流の貯水池式発電所又は調整池式発
電所群の運転によって,放流量が変化す
る場合,この流量を平滑化するように発
電所下流に設けられた池(逆調整池)に
附属する発電所。
pondage power
station
−
−
3.2
一般
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
201
電力
単位時間当たりに得られる電気のエネ
ルギー(動力)。
electric power
−
W
202
理論水力
有効落差と流量とによって理論上発生
できる水の動力(仕事率)。
theoretical water
power
−
W
203
負荷
発生した電気又は水のエネルギーを消
費又は吸収するもの。
load
−
W
204
ベース負荷
連続してかかる変動が少ない負荷。
base load
−
W
205
ピーク負荷
負荷曲線において,隆起した頂点部分の
負荷。日,月,年ピーク負荷などがある。
peak load
−
W
206
全負荷
機械に定められた出力に等しい負荷。
full load
−
W
207
部分負荷
全負荷に達しない負荷。
part load,
partial load
−
W
208
無負荷
負荷がかかっていないこと。
no-load
−
W
209
過負荷
全負荷を超える負荷。
overload
−
W
210
負荷率
ある期間中における平均負荷の最大負
荷に対する比。
load factor
−
−
4
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
211
総合効率
水車(又はポンプ水車)と発電機(又は
発電電動機)との合成効率。
注記 水車(又はポンプ水車)の効率と
発電機(又は発電電動機)の効率
との積によって求める。
combined
efficiency,
overall efficiency
ηe
−
212
設備利用率
ある期間において,平均電力を最大出力
で除し,これを百分率で表したもの。
utilization factor
−
%
213
水力利用率
水力発電所において,実際の発電電力量
を水力可能発電電力量で除し,これを百
分率で表したもの。
utilization factor of
hydro power
−
%
214
発電原価
発電所の経済性を示す指標で,単位電力
量(1 kWh)を発生するのに要する費用。
(附属書B参照)
generating cost
−
−
215
流況曲線
1年間毎日の河川流量を,その発生した
日に無関係に,大きさの順に最大のもの
から並べ,これを連ねたもの。
注記 水力発電所の建設計画において,
最大出力,常時出力,可能発電力
などの算定に用いられる。
river inflow duration
curve
−
−
216
系統連系
発電設備を商用電力系統へ並列する時
点から解列する時点までの状態。
utility interaction
−
−
3.3
土木
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
301
満水位
貯水池,サージタンクなどで常時使用す
る水位のうち最も高い水位。
high water level
HWL
m
302
基準水位
貯水池,サージタンクなどで水車の基準
落差を与える水位。
normal water level
NWL
m
303
低水位
貯水池,サージタンクなどで常時使用す
る水位のうち最も低い水位。
low water level
LWL
m
304
ダム
貯水,貯砂,取水(貯水),水位上昇,
砂防などの目的で,河川,渓谷などを締
め切る工作物。
dam
−
−
305
貯水池
豊水期には余剰水量を蓄え,渇水期には
これを放水利用するために,自然流量を
季節的に調整できる程度の容量を備え
た池。
reservoir,
storage reservoir
−
−
306
上部貯水池
揚水発電所で発電運転するためにポン
プ水車で揚水した水,河川などからの水
を蓄える池。
upper reservoir
−
−
307
下部貯水池
揚水発電所で揚水運転するためにポン
プ水車からの放水,河川などからの水を
蓄える池。
lower reservoir
−
−
308
調整池
1日又は1週間程度の比較的短期間の負
荷変動に応じて,河川の自然流量を調整
できる容量を備えた池。
regulating pondage
−
−
5
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
309
取水口
発電用の水を河川,貯水池などから取り
入れる入口。既設設備に水車を追加する
場合には,サイフォン管を取り付け取水
することもある。
intake
−
−
310
導水路,
水路
発電用の水を導くための工作物であっ
て,取水口と上水槽(又は上部サージタ
ンク)との間にあるもの。無圧導水路と
圧力導水路とがある。
headrace,
conduit
−
−
311
無圧水路
自由水面をもつ水路。
non-pressure flume
−
−
312
圧力水路
自由水面をもたない水路。
pressure flume
−
−
313
サージタンク
水車(ポンプ水車)の流量急変の場合に,
タンク内水位が自動的に昇降して,導水
路・水圧管路及び放水路における過大な
水圧変化を調節するための工作物。
surge tank
−
−
314
上部サージタン
ク
水圧管路側にあるサージタンク。
upstream surge tank
−
−
315
下部サージタン
ク
放水路側にあるサージタンク。
downstream surge
tank
−
−
316
上水槽,
水槽
導水路への流入水量又は水車流量の変
動に対して,水位をできるだけ一定に保
つように導水路終端に設けた工作物。混
同のおそれがない場合は,上水槽を単に
水槽という。
forebay,
head tank
−
−
317
水圧管路
上水槽(又は上部サージタンク)又は取
水口から高圧状態で直接水車(ポンプ水
車)に至るまでの管路及びそれを支持す
る工作物の総称。
penstock
−
−
318
放水路
水車の放水を導くための工作物。無圧放
水路と圧力放水路とがある。放水路の始
点は吸出し管の出口とする。
tailrace
−
−
319
放水庭
放水路の一部で,その入口に設ける工作
物。
afterbay
−
−
320
放水口
水車の放水を河川,湖沼,貯水池,海な
どへ放出する出口。
outlet
−
−
321
ゲート
流水を止め又は流量を調整する工作物。 gate
−
−
322
角落し
水門扉の両側又は水路中のピヤーなど
に溝を設けて,これに角材又は薄板,鉄
製板などを横に渡して流水をふさ(塞)
ぎ上げ,水位を調整する施設。
stoplog,
stop plank,
flash board
−
−
323
減勢装置
放水のもつエネルギーを減勢する工作
物。
energy absorber,
energy killer
−
−
324
ピヤー
吸出し管内又は半渦巻ケーシング内に
設ける補強工作物。
pier
−
−
325
オーバフロー
貯水池,上水槽などであふれ出る水。
overflow
−
−
326
余水吐き
貯水池,上水槽などであふれ出る水を放
出排除するための工作物。
spillway
−
−
327
余水路
余水吐きから放出排除された水を河川
又は放水路に流下させるために設けら
れた水路。
spillway,
wasteway
−
−
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
328
標高
平均海面からの高さ。
elevation
−
m
329
サイフォン取水
方式
吸込管にサイフォン管を設けた取水方
式。
siphon intake
−
−
3.4
水力
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
401
比エネルギー
単位質量の水がもつ機械的エネルギー。 specific hydraulic
energy
e
J/kg
402
ヘッド,
水頭
単位質量の水がもつ機械的エネルギー
を高さの次元で表したもの。
h=e/g
ここに,e:比エネルギー (J/kg)
g:重力の加速度 (m/s2)
head
h
m
403
位置ヘッド,
位置水頭
単位質量の水がもつ位置エネルギーを
高さの次元で表したもの。基準面に対す
るその点の高さで表す。
potential head
z
m
404
圧力ヘッド,
圧力水頭
単位質量当たりの水が伝達する圧力エ
ネルギーを高さの次元で表したもの。
hp=pabs/ρ・g
ここに,pabs:絶対圧力 (Pa)
ρ:水の密度 (kg/m3)
g:重力の加速度 (m/s2)
pressure head
hp
m
405
速度ヘッド,
速度水頭
単位質量の水がもつ運動エネルギーを
高さの次元で表したもの。
hv=v2/2g
ここに,v:流速 (m/s)
g:重力の加速度 (m/s2)
velocity head
hv
m
406
全ヘッド,
全水頭
その点における水の位置ヘッド,圧力ヘ
ッド及び速度ヘッドの和。
ht=z+hp+hv
ここに,z:位置ヘッド (m)
hp:圧力ヘッド (m)
hv:速度ヘッド (m)
total head
ht
m
407
比エネルギー損
失
流れの二つの断面の間で失われる比エ
ネルギー。
specific hydraulic
energy loss
EL
J/kg
408
損失ヘッド,
損失水頭
流れの二つの断面の間で失われる全ヘ
ッド。
HL=EL/g
ここに,EL:比エネルギー損失
(J/kg)
g:重力の加速度 (m/s2)
head loss,
loss head
HL
m
409
落差
2点間の全ヘッドの差,又は標高差。
head
H
m
410
揚程
ポンプ水車において,ポンプによってで
きるヘッド又は上部水槽と下部水槽と
の標高差。
pump head
H
m
411
総落差
取水口水面と放水口水面との標高差。
Hg=zH−z2''
ここに,zH:取水口水位 (m)
z2'':放水口水位 (m)
gross head,
geodetic head
Hg又はZ
m
7
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
412
静落差
発電所の全部の水車(又はポンプ水車)
が停止しているとき,上水槽(又は上部
サージタンク)水面と吸出し管出口水面
との位置ヘッドの差。
ただし,ペルトン水車の場合には,吸出
し管出口水面の代わりに,ジェットの中
心線とランナのピッチ円との接点を用
いる。横軸多射ペルトン水車の場合は,
各ジェットの中心線とランナのピッチ
円との接点の平均高さを用いる。
static head
Hst
m
413
水車(ポンプ)
の高圧側指定
点
水車(ポンプ)の性能を定義するときの
高圧側の断面。
high pressure
reference section
添え字1
−
414
水車(ポンプ)
の低圧側指定
点
水車(ポンプ)の性能を定義するときの
低圧側の断面。
low pressure
reference section
添え字2
−
415
水車(ポンプ)
の比エネルギ
ー
使用状態において水車の運転に利用さ
れる比エネルギー。又はポンプの運転に
よってできる比エネルギー。高圧側及び
低圧側指定点の間の比エネルギー差で
表す。
(
)
2
1
2
2
2
1
abs2
1
abs
2
z
z
v
v
p
p
E
−
+
−
+
−
=
g
ρ
2
2
1ρ
ρ
ρ
+
=
ここに,pabs:絶対圧力 (Pa)
v:流速 (m/s)
z:位置ヘッド (m)
ρ:水の密度 (kg/m3)
ただし,添え字1は高圧側,添え
字2は低圧側を示す。
specific hydraulic
energy of
machine
E
J/kg
416
有効落差
使用状態において水車の運転に利用さ
れる全ヘッドで,水車の高圧側指定点と
低圧側指定点との全ヘッドの差。
H=E/g
ここに,E:水車(ポンプ)の比
エネルギー (J/kg)
g:重力の加速度 (m/s2)
net head,
effective head
H
m
417
単位落差
1 mの有効落差。
unit head
−
m
418
全揚程
ポンプ水車においてポンプ運転によっ
て作られるヘッドで,ポンプの高圧側指
定点と低圧側指定点との全ヘッドの差。
net pump head,
total pump head
H
m
419
ポンプの締切比
エネルギー
定格回転速度において吐出し量をゼロ
としたときのポンプの比エネルギー。
zero-discharge
(shut-off) specific
hydraulic energy
of the pump
E0
J/kg
8
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
420
締切揚程
定格回転速度において吐出し量をゼロ
としたときの全揚程。
H0=E0/g
ここに,E0:ポンプの締切比エネ
ルギー (J/kg)
g:重力の加速度 (m/s2)
zero-discharge
(shut-off) head of
pump
H0
m
421
圧力測定器の位
置
圧力測定器と測定点との間の高さ。
height of measuring
instrument
Z
m
422
圧力
面に垂直に働く単位面積当たりの力の
大きさ。
pressure
p
Pa
423
絶対圧力
完全真空をゼロ基準として表した圧力。 absolute pressure
pabs
Pa
424
ゲージ圧
基準面における流体の絶対圧力と,その
位置・時間における大気圧との差。
p=pabs−pamb
gauge pressure
p
Pa
425
大気圧
測定点での大気の絶対圧力。
ambient pressure,
atmospheric
pressure
pamb
Pa
426
飽和水蒸気圧
液相と気相とが熱的平衡状態にあると
きの,飽和蒸気の部分圧力。温度だけに
依存する。
vapour pressure
Pva
Pa
427
流量
ある断面を通る単位時間当たりの水の
体積。
discharge,
flow rate
Q
m3/s
428
水車流量
水車に使用する単位時間当たりの水の
体積。単に流量ということもある。
turbine discharge
Q
m3/s
429
揚水量
ポンプ水車のポンプが揚水する単位時
間当たりの水の体積。
pump discharge
Q
m3/s
430
キャビテーショ
ン
水の流れによって,ある点の圧力が低下
し,その部分の水がその水温で沸騰して
蒸気泡を形成し,続いてこの泡が崩壊す
る現象。
流水面の壊食,振動,騒音などを引き起
こし,発達すると効率が低下する。
cavitation
−
−
9
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
431
吸出し比エネル
ギー
水車(ポンプ)の低圧側指定点における
比エネルギーを,水車(又はポンプ水車)
の指定位置基準で表したもの。指定位置
と,低圧側指定点の標高にその圧力ヘッ
ドを加えたものとの差に相当する(432
参照)。
(
)'
2
r
s
z
z
E
−
=g
(
)
2
amb
2
abs
2
r
ρ
p
p
z
z
−
−
−
=g
ここに,zr:水車(又はポンプ水
車)の指定位置標高
(m)
z2':水車(ポンプ)の低
圧側指定点の標高
に,そこにおける圧
力ヘッドを加えたも
の (m)
z2:水車(ポンプ)の低
圧側指定点の標高
(m)
pabs2:水車(ポンプ)の
低圧側指定点の絶
対圧力 (Pa)
pamb:大気圧 (Pa)
suction specific
potential energy
of the machine
Es
J/kg
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
432
吸出し高さ,
吸込揚程
水車(ポンプ)の低圧側指定点における
圧力ヘッドを,水車(又はポンプ水車)
の指定位置基準で表したもの。指定位置
と,低圧側指定点の標高にその圧力ヘッ
ドを加えたものとの差に相当する。
ポンプ水車のポンプ運転では,吸込揚程
と呼ぶ。
Hs=Es/g
ここに,Es:吸出し比エネルギー
(J/kg)
g:重力の加速度 (m/s2)
suction height,
suction head
Hs又はZs
m
吸出し管出口水位が水車(又はポンプ水
車)の指定位置より上方にある場合Hs
は負とする。
A=zc−zr
ここに,zc:キャビテーションが
発生する位置の標高
(m)
zr:水車(又はポンプ水
車)の指定位置標高
(m)
11
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
433
NPSE,
有効吸込比エネ
ルギー
水車(ポンプ)の低圧側指定点における
比エネルギーと,飽和水蒸気圧に相当す
る比エネルギーとの差を,水車(又はポ
ンプ水車)の指定位置基準で表したも
の。
(
)
2
r
2
2
2
va
abs2
2
z
z
v
p
p
NPSE
−
−
+
−
=
g
ρ
2
2
2
2
va
amb
s
v
p
p
E
+
−
+
−
=
ρ
ここに,pabs2:低圧側指定点にお
ける絶対圧力 (Pa)
pva:飽和水蒸気圧 (Pa)
ρ2:低圧側指定点におけ
る水の密度 (kg/m3)
v2:低圧側指定点におけ
る流速 (m/s)
zr:水車(又はポンプ水
車)の指定位置標高
(m)
z2:水車(ポンプ)の低
圧側指定点の標高
(m)
pamb:大気圧 (Pa)
なお,特定のキャビテーション(例えば,
ランナベーン出口近くのキャビテーシ
ョン,又は吸出し管内の渦心のキャビテ
ーションなど)の状態に着目する場合に
は,そのキャビテーションが発生する位
置の標高zcと水車(又はポンプ水車)の
指定位置標高zrとの差(432の図のA)
に相当する比エネルギーg(zc−zr)を差し
引く必要がある。
net positive suction
specific energy
NPSE
J/kg
434
NPSH,
有効吸込ヘッド
低圧側指定点における全ヘッドと飽和
水蒸気圧との差を,水車(又はポンプ水
車)の指定位置基準で表したもの。
NPSH=NPSE/g
net positive suction
head
NPSH
m
435
キャビテーショ
ン係数
キャビテーションの発生条件を表す特
性数。
H
NPSH
E
NPSE=
=
σ
ここに,NPSE:有効吸込比エネル
ギー (J/kg)
E:水車(又はポンプ水
車)の比エネルギー
(J/kg)
NPSH:有効吸込ヘッド
(m)
H:有効落差又は全揚程
(m)
Thoma number
σ
−
436
壊食
キャビテーションによる材料の欠損。
cavitation pitting,
cavitation damage
−
−
12
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
437
液滴壊食
水滴の衝突に伴う衝撃による材料の欠
損。液滴衝撃壊食。
drop erosion
−
−
438
侵食
水中の土砂などが材料の表面を摩耗す
ることによる材料の欠損。
abrasion,
abrasive wear,
sand erosion
−
−
439
腐食
酸その他の化学的,又は電気化学的反応
による材料の欠損。
corrosion
−
−
440
過渡現象
水車(又はポンプ水車)の始動・停止,
負荷の急増急減など,運転状態を急変さ
せたときに,回転速度・流量(揚水量)・
水圧などが激しく変動する現象。
hydraulic transient,
transient phenomena
−
−
441
水撃現象
管内に充満して流れている水の速度を
急変させたとき,激しい過渡的圧力の変
動が生じる現象。
water hammer
−
−
442
水柱分離現象
水撃現象(441)で管内に大きな圧力低
下が生じ,その圧力が飽和蒸気圧に達し
たときに水路の低圧部に発生した気泡
が急激に広がって,上流と下流側とに分
離する現象。
water column
separation
phenomena
−
−
443
サージング
ある条件下で,水槽の水位,管路の圧力,
流量などが周期的に激しく変動する現
象。
surging
−
−
444
水圧脈動
水車(又はポンプ水車)の内部における
水圧の周期変動の中で,比較的短い周期
のもの。
pressure pulsation,
pressure fluctuation
−
−
445
吸出し管サージ
ング
吸出し管内部の水圧が周期的に激しく
変動して大きな振動又は騒音を発生す
る現象。
draft tube surge
−
−
446
管路時定数
管路で水のもつ慣性による時定数。
A
L
H
Q
T
∑
=
r
r
w
g
ここに,Qr:定格流量 (m3/s)
g:重力の加速度 (m/s2)
Hr:基準落差 (m)
L:管路長さ (m)
A:管路断面積 (m2)
time constant of
water passage
Tw
s
447
圧力波の伝搬速
度
水圧管路内に発生する圧力波の伝わる
速度。
+
=
t
E
D
K
a
1
1
ρ
ここに,K:水の体積弾性係数
(N/m2)
D:管の内径 (m)
E:管路材料の縦弾性係
数 (N/m2)
t:管壁の厚さ (m)
ρ:水の密度 (kg/m3)
velocity of pressure
wave propagation
a
m/s
13
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
448
圧力波の往復時
間
水圧管路の一端で発生した圧力波が管
路を往復するのに必要とする時間。
a
L
T
2
r
∑
=
ここに,L:各水圧管路の長さ (m)
a:圧力波の伝搬速度
(m/s)
penstock reflection
time
Tr
s
449
はずみ車効果
回転速度の変化を妨げようとする回転
体の物理特性。水車の負荷遮断,ポンプ
入力遮断,始動・停止などの過渡特性,
及び電力系統の安定性などに影響を与
える。
慣例的に工学単位系で表したGD2が用
いられることが今でも多く,その値は
SI単位で表した慣性モーメントの4倍と
なる。
GD2の代わりに慣性モーメントJ,蓄積
エネルギー定数H又は加速定数Tjを用
いる場合もある。
flywheel effect
−
−
450
加速定数,
回転部時定数
回転体の慣性による時定数。定格出力に
対応する一定の加速トルクで回転体を
静止状態から定格回転速度まで加速す
るのに要する時間。
r
2
P
J
Tj
ω
=
ここに,J:慣性モーメント
(kg·m2)
ω:回転角速度 (rad/s)
Pr:定格出力 (W)
acceleration time
constant of unit
Tj
s
451
蓄積エネルギー
定数
定格回転速度で運転中の回転体に蓄え
られた運動エネルギーと発電機の定格
皮相電力との比。
n
2
2S
J
H =
ω
ここに,J:慣性モーメント
(kg·m2)
ω:回転角速度 (rad/s)
Sn:定格皮相電力 (VA)
stored energy
constant
H
s
3.5
形式
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
501
水車,
ハイドロタービ
ン
水のもつエネルギーを機械的エネルギ
ーに連続して変える回転機械。
注記 水車及びポンプ水車の分類につ
いては(附属書A)参照。
hydroturbine,
hydraulic turbine,
water turbine
−
−
502
衝動水車
圧力ヘッドを速度ヘッドに変えた流水
をランナに作用させる構造の水車。
impulse turbine
−
−
14
B 0119:2009
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
503
反動水車
圧力ヘッドをもつ流水をランナに作用
させる構造の水車。ランナを通過する流
れの方向によって,遠心水車,斜流水車,
軸流水車に区分される。
reaction turbine
−
−
504
遠心水車
流水がランナの外周から半径方向内向
きに流入し,ランナ内において軸方向に
向きを変えて流出する反動水車。
radial flow turbine
−
−
505
斜流水車
流水が軸に対して斜方向にランナを通
過する反動水車。
diagonal flow
turbine
−
−
506
軸流水車
流水がランナを軸方向に通過する反動
水車。
axial flow turbine
−
−
507
ペルトン水車
ノズルから流出するジェットをランナ
周辺のバケットに作用させる構造の衝
動水車。ランナは,左右対称の二つのわ
ん形状のバケットをもつ(図1〜図4)。
Pelton turbine,
Pelton wheel
(P)
−
508
斜めジェット水
車,
ターゴ水車
ノズルから流出するジェットをバケッ
トに斜めに作用させる衝動水車。ランナ
は,一つのわん形状のバケットをもつ
(図5)。
inclined-jet turbine,
Turgo turbine
(T)
−
509
クロスフロー水
車
水が円筒形ランナの外周から流入し,ラ
ンナを貫通して再び外周から流出する
水車。衝動水車の特性と反動水車の特性
とを併せもつ(図6)。
cross flow turbine
(C)
−
510
フランシス水車
流水がランナの外周から流入し,ランナ
内で軸方向に向きを変えて流出する反
動水車(図9〜図12)。
Francis turbine
(F)
−
511
デリア水車
斜流水車のうち,ガイドベーンの開度と
連動して自動的にランナベーンの取付
角度が変化できるもの(図13)。
Deriaz turbine
(D)
−
512
固定羽根プロペ
ラ水車
ランナベーンの取付角度が変化できな
いプロペラ水車。単に,プロペラ水車と
もいう(図14)。
fixed blade propeller
turbine
(S)
−
513
可動羽根プロペ
ラ水車
ランナベーンの取付角度が変化できる
ような構造をもつプロペラ水車。
movable blade
propeller turbine,
adjustable blade
propeller turbine
(K)
−
514
カプラン水車
流水が半径方向内向きにガイドベーン
を通過した後,軸方向に向きを変えてラ
ンナに流入し通過する反動水車で,ガイ
ドベーンの開度に関連させて自動的に
ランナベーンの開き角度が調整できる
もの(図15)。
Kaplan turbine
(K)
−
515
セミカプラン水
車
流水が半径方向内向きにガイドベーン
を通過した後,軸方向に向きを変えてラ
ンナに流入し通過する反動水車で,ガイ
ドベーンの開度は固定され,ランナベー
ンの開き角度が調整できるもの。
semi-Kaplan turbine
(S)
−
15
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
516
チューブラ水車
円筒形の入口ケーシングをもち,流れが
軸方向又は軸に斜めの方向からガイド
ベーンを通過した後,軸方向にランナへ
流入し通過する反動水車。発電機は,流
水路内又は流水路外に軸方向に水車と
直列に配置される構造をもつ。また,ラ
ンナベーンの開き角度及びガイドベー
ンの角度は,いずれも可変又は固定の構
造となる(図16〜図20)。
tubular turbine
(K)
−
517
立軸形
主軸を鉛直に配置した形式。
vertical shaft type
(V)
−
518
横軸形
主軸を水平に配置した形式。
horizontal shaft type
(H)
−
519
斜軸形
主軸を傾けて配置した形式。
inclined shaft type
(I)
−
520
単輪形
1個のランナをもつ形式。
single runner type
(1R)
−
521
二輪形
2個のランナをもつ形式。
two runner type,
twin runner type
(2R)
−
522
単射形
1個のノズルをもつ形式。
single jet type
(1N)
−
523
二射形
2個のノズルをもつ形式。
two jet type
(2N)
−
524
多射形
2個以上のノズルをもつ形式。
注記 二射形,三射形,四射形,五射形,
六射形などがある。
multi jet type
−
525
単流形
ランナの片側から放流する形式。
single discharge
type
−
−
526
複流形
ランナの両側から放流する形式。
double discharge
type
(D)
−
527
単段形
ランナが1段のポンプ水車又は揚水ポン
プ。
single stage
−
−
528
多段形
ランナが多段のポンプ水車又は揚水ポ
ンプ。
multi stage
−
−
529
渦巻形
渦巻ケーシングをもつ形式(図7)。
spiral type
(S)
−
530
半渦巻形
半渦巻のケーシングをもつ形式(図8)。 semi-spiral type
(H)
−
531
円筒形,
チューブラ形
円筒形のケーシングをもち,円筒軸方向
に水が通過する構造をもつ形式(図16
〜図21)。
tubular type
(T)
−
532
前口形
(まえぐちがた)
円筒形のケーシングをもち,円筒軸の方
向に水圧管から水を導入する構造をも
つ形式。
frontal type
(F)
−
533
横口形
円筒形のケーシングをもち,円筒軸と直
角な方向に水圧管から水を導入する構
造をもつ形式。
cross type
(C)
−
534
露出形
ケーシングがない形式。
open flume type
(O)
−
535
ニ連形
2個のケーシング又はハウジングが発電
機の片側にある形式。
tandem type
(T)
−
536
両掛形
ケーシング又はハウジングが発電機の
両側にある形式(図11)。
double type
(D)
−
16
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
537
双子形
(そうしがた)
2個のランナを対に配置した形式。ペル
トン水車では2個のランナが1個のハウ
ジング内にある場合,フランシス水車で
は2個のランナの吸出し管が一体の場合
をいう。
twin type
(W)
−
538
可動羽根形
ランナベーンの角度が変化できるもの。 adjustable blade
type
(K)
−
539
固定羽根形
ランナベーンの角度が変化できないも
の。
fixed blade type
(S)
−
540
横軸単輪単射ペ
ルトン水車
ランナが1個,ノズルも1個である横軸
形ペルトン水車(図1)。
horizontal shaft,
single runner,
single jet Pelton
turbine
(HP-1R1N)
−
541
横軸単輪二射ペ
ルトン水車
ランナが1個,ノズルが2個である横軸
形ペルトン水車(図2)。
horizontal shaft,
single runner, two
jet Pelton turbine
(HP-1R2N)
−
542
横軸二輪四射両
掛ペルトン水
車
2個のランナ,4個のノズルをもつ両掛
横軸形のペルトン水車(図3)。
horizontal shaft, two
runner, four jet,
double Pelton
turbine
(HP-2R4N
D)
−
543
立軸単輪四射ペ
ルトン水車
4個のノズルをもつ立軸形ペルトン水車
(図4)。
vertical shaft, single
runner, four jet
Pelton turbine
(VP-1R4N)
−
544
横軸単輪単流渦
巻フランシス
水車
単流のランナをもつ横軸形フランシス
水車(図9)。
horizontal shaft,
single runner,
single discharge,
spiral Francis
turbine
(HF-1RS)
−
545
横軸単輪複流渦
巻フランシス
水車
複流のランナをもつ横軸形フランシス
水車(図10)。
horizontal shaft,
single runner,
double discharge,
spiral Francis
turbine
(HF-1RDS)
−
546
横軸二輪単流渦
巻両掛フラン
シス水車
2個の単流形ランナを両掛形にもつ横軸
形フランシス水車(図11)。
horizontal shaft, two
runner, single
discharge, double
spiral Francis
turbine
(HF-2RSD)
−
547
立軸単輪単流渦
巻フランシス
水車
単流形ランナをもつ立軸形フランシス
水車(図12)。
vertical shaft, single
runner, single
discharge, spiral
Francis turbine
(VF-1RS)
−
548
立軸渦巻斜流水
車,
立軸渦巻デリア
水車
渦巻ケーシングをもつ立軸斜流水車,又
は渦巻ケーシングをもつ立軸形デリア
水車(図13)。
vertical shaft, spiral
diagonal flow
turbine,
vertical shaft, spiral
Deriaz turbine
(VD-1RS)
−
17
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
549
立軸渦巻固定羽
根プロペラ水
車
渦巻ケーシングをもつ固定ランナベー
ンの立軸形プロペラ水車(図14)。
vertical shaft, spiral,
fixed blade
propeller turbine
(VS-1RS)
−
550
立軸渦巻カプラ
ン水車
渦巻ケーシングをもち,ランナベーンの
取付角度が変化できる立軸形カプラン
水車(図15)。
vertical shaft, spiral
Kaplan turbine
(VK-1RS)
−
551
横軸バルブ水車
発電機が水車上流側流水路中の電球形
をしたハウジング内に設置される構造
をもち,主軸が水平のチューブラ水車
(図16)。
horizontal shaft bulb
turbine
(HK-1RT)
−
552
立軸バルブ水車
発電機が水車上流側流水路中の電球形
をしたハウジング内に設置される構造
をもち,主軸が鉛直配置され,ランナ下
方に曲がり吸出し管をもつチューブラ
水車(図17)。
vertical shaft bulb
turbine
(VK-1RT)
−
553
斜軸固定羽根バ
ルブ水車
発電機が水車上流側流水路中の電球形
をしたハウジング内に設置される構造
をもち,固定ランナベーンで主軸が斜め
のチューブラ水車(図18)。
inclined shaft, fixed
runner blade bulb
turbine
(IS-1RT)
−
554
S形チューブラ
水車
発電機を流水路の外に設置するため流
水路を屈曲させる構造をもつチューブ
ラ水車(図19)。
S-type unit,
S-turbine
(HS-1RTS)
−
555
ピット形チュー
ブラ水車
発電機を上方が開放されたピット内に
納め,流水をそのピットの両側に通すよ
うにした構造をもつチューブラ水車(図
20)。
pit unit,
pit turbine
(HK-1RTP)
−
556
一体形水車
発電機の回転子をランナの外周に直接
取り付ける構造をもつチューブラ水車
(図21)。
rim-generator unit,
straight-flow turbine
(HS-1RTB)
−
557
上掛け式水車
ランナのバケットに水を上方から連続
的に入れ,水の重力を利用して回転させ
動力を得る古典的水車。
overshot wheel
−
−
558
下掛け式水車
バケットをもつランナの一部を流水内
に入れた古典的衝動形水車。
undershot wheel
−
−
559
一体着脱式水力
発電装置
水中式の発電機と水車を一体形とした
発電用水車。
submersible-
generator unit
−
−
560
ポンプ逆転水車
一般のポンプを使用し,ポンプの吐き出
し口側から水を流入させポンプを逆方
向に回転させる発電用水車。
reverse running
pump turbine
−
−
561
相反転方式水力
発電機
発電機の内外二重回転電機子を互いに
逆方向に回転させる方式の水力発電装
置。
counter-rotating
type hydroelectric
unit
−
−
562
らせん水車
ら旋形状のスクリューを使用し,流れる
水の力で回す水車。
screw turbine
−
−
563
別置式揚水発電
(べっちしき)
水車及び発電機とは別に専用の電動機
で運転するポンプを設置する揚水発電
方式。
separate type
pumped storage
−
−
18
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
564
タンデム式揚水
発電
ポンプ,水車及び発電電動機(574)を
同一軸上に設けた揚水発電方式。
tandem type
pumped storage
−
−
565
可逆ポンプ水車
式揚水発電
ポンプ水車を発電電動機に直結させ,ラ
ンナの回転方向を変更させる揚水発電
方式。
reversible
pump-turbine
type pumped
storage
−
−
566
揚水ポンプ
揚水発電所の主機として用いられ,揚水
用に専用に設けるポンプ,又はタンデム
式の場合のポンプ。
storage pump
−
−
567
ポンプ水車
ランナの回転方向を逆転させて水車及
びポンプに共用する反動水車。
reversible
pump-turbine
(R)
−
568
フランシス形ポ
ンプ水車
ランナの形式がフランシス水車と同様
のポンプ水車(図22)。
Francis type
reversible
pump-turbine
(FR)
−
569
斜流形ポンプ水
車,
デリア形ポンプ
水車
ランナの形式がデリア水車と同様のポ
ンプ水車(図23)。
diagonal flow type
reversible
pump-turbine,
Deriaz type
reversible
pump-turbine
(DR)
−
570
チューブラ形ポ
ンプ水車
ランナの形式がチューブラ水車と同様
のポンプ水車(図24)。
tubular type
reversible
pump-turbine
(KR)
−
571
立軸渦巻単段フ
ランシス形ポ
ンプ水車
渦巻ケーシングをもち,ランナが1個で
ある立軸形のフランシス形ポンプ水車
(図22)。
vertical shaft, spiral,
single stage,
Francis type
reversible
pump-turbine
(VFR-1RS)
−
572
立軸渦巻斜流形
ポンプ水車,
立軸渦巻デリア
形ポンプ水車
渦巻ケーシングをもつ立軸斜流形ポン
プ水車,又は立軸デリア形ポンプ水車
(図23)。
vertical shaft, spiral,
diagonal
flow type
reversible
pump-turbine,
vertical shaft, spiral,
Deriaz
type reversible
pump-turbine
(VDR-1RS)
−
573
横軸チューブラ
形ポンプ水車
円筒形ケーシングをもち,ランナベーン
の取付角度を変化させることができる
横軸形のチューブラ形ポンプ水車(図
24)。
horizontal shaft,
tubular type
reversible
pump-turbine
(HKR-1RT)
−
574
発電電動機
一つの機器で発電機及び電動機の機能
をもつ一体の発電機械。
generator-motor
−
−
575
極数変換形発電
機
極数変換によって2速度運転ができるよ
うにした発電機。
pole change
generator
−
−
576
極数変換形発電
電動機
極数変換によって2速度運転ができるよ
うにした発電電動機。
pole change
generator-motor
−
−
19
B 0119:2009
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3.6
性能
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
601
定格
指定された基準値。
注記 定格出力(rated output),定格回転
速度(rated speed)などのように
用いる。
rating
−
−
602
単速度式
定格回転速度で運転する方式。
single speed type
−
−
603
二速度式
水車(又はポンプ水車)の定格回転速度
を2種類に変更して運転する方式。
two speed type
−
−
604
可変速式
水車(又はポンプ水車)の回転速度を任
意に変更して運転する方式。
adjustable speed
type
−
−
605
基準有効落差
水車の出力又は流量決定の基準とする
ために選定した一つの有効落差。
注記 最大出力で運転可能な最低の有
効落差を指すことが多い。
rated net head
Hr又はHn
m
606
最高有効落差
水車の最大出力運転時の有効落差のう
ち最高のもの。
maximum net head,
maximum effective
head
Hmax
m
607
最低有効落差
水車の最大出力運転時の有効落差のう
ち最低のもの。
minimum net head,
minimum effective
head
Hmin
m
608
無負荷流量
ある有効落差,定格回転速度で,定格電
圧のもとで運転される発電機の出力が0
となる水車流量。
no-load discharge
Q0
m3/s
609
水車入力
理論水力(202)に同じ。
Ph=E・ρ1・Q1
ここに,E:水車の比エネルギー
(J/kg)
ρ1:水車の高圧側指定位
置における水の密度
(kg/m3)
Q1:水車の高圧側指定位
置を通過する流量
(m3/s)
turbine input,
hydraulic power
Ph
W
610
ランナ出力,
インペラ入力
ランナ(又はインペラ)と主軸とのカッ
プリングを通じて伝達される有効な機
械動力。水車運転の場合には,水車入力
から水車の比エネルギー損失動力,漏れ
損失動力,円板摩擦損失動力を差し引い
たもの。ポンプ運転の場合には,ポンプ
出力にポンプの比エネルギー損失動力,
漏れ損失動力,円板摩擦損失動力を加え
たもの。
mechanical power
of runner
(impeller)
Pm
W
611
水車出力
主軸を通じて伝達される有効な機械動
力。ランナ出力から,軸受損失などの損
失動力を差し引いたもの。
mechanical power
of the machine,
turbine output
P
W
20
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
612
最大出力
ある有効落差,定格回転速度で,安全に
連続して発生できる水車出力のうち最
大のもの。各有効落差における最大出力
のうち最も大きいものを公称最大出力
という。混同のおそれがない場合には公
称最大出力を単に最大出力という。
maximum output
Pmax
W
613
基準出力
基準有効落差における最大出力。
normal output,
rated output
Pn
W
614
100 %開度出力
ある有効落差,定格回転速度で,ガイド
ベーン又はニードルの開度100 %の場
合に発生することができる水車出力。
ここに,100 %開度とは,各有効落差に
おける最大出力のときのガイドベーン
(又はニードル)開度のうち最大のもの
をいう。
output at 100 % gate
opening
P100%
W
615
全開出力
ある有効落差,定格回転速度で,ガイド
ベーン又はニードルの開度を全開にし
たときの水車出力。
output at full gate
opening
PfG
W
616
ポンプ出力
ポンプ水車で,ポンプによって水に与え
られる単位時間当たりのエネルギー。次
の式で表す。
Ph=E・ρ1・Q1
ここに,E:ポンプの比エネルギ
ー(J/kg)
ρ1:ポンプの高圧側指定
点における水の密度
(kg/m3)
Q1:ポンプの高圧側指定
点を通過する流量
(m3/s)
pump output,
hydraulic power
Ph
W
617
ポンプ入力
ポンプ水車の,主軸に伝達される有効な
機械的動力。
pump input
P
W
618
最大ポンプ入力
ある全揚程,定格回転速度でポンプを安
全に連続して運転することができるポ
ンプ入力の限度。
maximum pump
input
Pmax
W
619
締切ポンプ入力
締切運転に必要なポンプ入力。
zero-discharge
pump input,
shut-off input of the
pump
P0
W
620
空転入力
水面を押し下げ,ランナを空中に置いた
状態で定格回転速度で運転するのに必
要なポンプ入力。
input power with
runner rotating in
air
−
W
621
回転速度
回転体が単位時間に回転する数。
rotational speed,
speed of rotation
n
min−1
622
定格回転速度
指定された回転速度。
rated speed
nn又はn
min−1
623
無拘束速度
ある有効落差,開度及び吸出し高さにお
ける水車の無負荷の回転速度。
runaway speed
nr
min−1
21
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
624
比速度
水車(又はポンプ水車)の水車運転での
比速度。
水車の形と運転状態とを相似に保って
大きさを変えたとき,単位落差で単位出
力を発生させる回転速度。基準有効落差
H,基準出力P,回転速度nの水車の比
速度nsは,次の式で求める。ただし,複
流形のときはP/2,ペルトン水車のとき
はノズル1本当たりの出力をとる。
4
/5
s
H
P
n
n=
特に指定がない限り,有効落差はm,水
車出力はkW,回転速度はmin−1を用い
る。
specific speed
ns
(m-kW)
注記
m-kWは単
位記号では
ないが,使
用した数値
の単位を示
すためにこ
のように表
記されるこ
とがある。
625
ポンプ比速度
ポンプ水車のポンプ運転での比速度。ポ
ンプの形と運転状態とを相似に保って
大きさを変えたとき,単位全揚程で単位
揚水量を揚水する回転速度。全揚程H,
揚水量Q,回転速度nのポンプの比速度
nspは,次の式で求める。
4
/3
sp
H
Q
n
n=
特に指定がない限り,全揚程はm,揚水
量はm3/s,回転速度はmin−1を用い,仕
様範囲内で最大揚水量を与える運転状
態の値を用いて表す。
pump specific speed nsp
(m-m3/s)
注記
m-m3/sは単
位記号では
ないが,使用
した数値の
単位を示す
ためにこの
ように表記
されること
がある。
626
流量比速度
模型水車(又は模型ポンプ水車)の運転
での比速度。流量比速度は最高効率点に
おける有効落差又は全揚程H,流量Q,
回転速度nを用いて次の式で求める。た
だし,複流形のときはQ/2,ペルトン水
車のときはノズル1本当たりの流量をと
る。
4/3
sQ
H
Q
n
n=
特に指定がない限り,有効落差・全揚程
はm,流量はm3/s,回転速度はmin−1を
用いる。
discharge specific
speed
nsQ
(m-m3/s)
注記
m-m3/sは単
位記号では
ないが,使用
した数値の
単位を示す
ためにこの
ように表記
されること
がある。
627
水車の水力効率
ランナ出力Pmと水車入力Phとの比。
1
1
m
h
m
h
Q
E
P
P
P
=
=
ρ
η
ここに,Pm:ランナ出力 (W)
E:水車の比エネルギー
(J/kg)
ρ1:高圧側指定点におけ
る水の密度 (kg/m3)
Q1:高圧側指定点を通過
する流量 (m3/s)
hydraulic efficiency
of turbine
ηh
−
22
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
628
水車の機械効率
水車出力Pと,ランナ出力Pmとの比。
m
Lm
m
m
m
P
P
P
P
P
−
=
=
η
ここに,P:水車出力 (W)
Pm:ランナ出力 (W)
PLm:軸受と主軸封水装
置の機械損失動力
(円板摩擦損失動
力は含まない)(W)
mechanical
efficiency of
turbine
ηm
−
629
水車効率
水車の出力Pと水車入力Phとの比。
m
h
h
η
η
η
=
=PP
ここに,ηh:水車の水力効率
ηm:水車の機械効率
turbine efficiency
η
−
630
保証効率
製造業者が保証する効率。
guaranteed
efficiency
−
−
631
加重平均効率
効率の加重平均値。出力又は流量の指定
された点における効率をη1, η2, η3……
とし,その効率に対する評価係数をw1,
w2, w3……とすれば,次の式で示される。
Λ
Λ
Λ
Λ
+
+
+
+
+
+
=
3
2
1
3
3
2
2
1
1
w
w
w
w
w
w
w
η
η
η
η
weighted average
efficiency
ηw
−
632
最高効率
効率のうちで最も高いもの。
maximum
efficiency,
best efficiency
ηmax又は
ηopt
−
633
ポンプの水力効
率
ポンプ出力Phとインペラ入力Pmとの
比。
m
1
1
m
h
h
P
Q
E
P
P
=
=
ρ
η
ここに,Pm:インペラ入力 (W)
E:ポンプ水車の比エネ
ルギー (J/kg)
ρ1:高圧側指定点におけ
る水の密度 (kg/m3)
Q1:高圧側指定点を通過
する流量 (m3/s)
hydraulic efficiency
of pump
ηh
−
634
ポンプの機械効
率
インペラ入力Pmとポンプ入力Pとの比。
Lm
m
m
m
m
P
P
P
P
P
+
=
=
η
ここに,Pm:インペラ入力 (W)
P:ポンプ入力 (W)
PLm:軸受と主軸封水装
置の機械損失動力
(円板摩擦損失動
力は含まない)(W)
mechanical
efficiency of
pump
ηm
−
635
ポンプ効率
ポンプ出力Phとポンプ入力Pとの比。
m
h
h
η
η
η
=
=PP
ここに,ηh:ポンプの水力効率
ηm:ポンプの機械効率
pump efficiency
η
−
23
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
636
効率換算式
模型の水力効率から実物の水力効率を
推定する場合に用いられる計算式。
step-up formula,
efficiency scale
effect formula
−
−
637
性能換算式
模型性能から実物性能を推定する場合
に用いられる計算式。
performance
conversion
formula
−
−
638
摩擦損失率
水車(又はポンプ水車)内の総水力損失
に対する,流路表面の摩擦損失の割合。
loss distribution
coefficient
V
−
639
効率帯
測定して得た各点の効率に,測定器の誤
差などで定まる上・下の許容差の数値を
加えた値をプロットして作られた2本の
曲線の間の帯状のもの。
efficiency band
−
−
640
性能
実際の運転状態のもとで水車(又はポン
プ水車)が発揮する出力(入力),流量,
効率などの相互関係。
performance
−
−
641
特性
水車(又はポンプ水車)の種類,形状が
定まれば,水車(又はポンプ水車)の大
小に関係なく決まる水車(又はポンプ水
車)の性質,性能,特徴などを示すもの。
characteristics
−
−
642
性能曲線
性能を曲線で表示したもの。
performance curve
−
−
643
特性曲線
特性を曲線で表示したもの。
characteristic curve
−
−
644
完全特性
ポンプ水車の正転,逆転,正流領域・逆
流領域にわたる全般的な特性。
正転正流領域をポンプ領域,正転逆流領
域をブレーキ領域,逆転逆流領域を水車
領域(ただし,無拘束速度以上の逆流領
域を水車ブレーキ領域という。),逆転正
流領域を逆転ポンプ領域という。
complete
characteristics,
four-quadrant
characteristics
−
−
645
揚程曲線
ポンプ水車のポンプ運転時における揚
水量に対し全揚程を表示したもの。
head-discharge
curve
−
−
646
S字特性
完全特性の一種で水車無拘束速度付近
において逆こう配がみられ,3価をもつ
曲線(同じn11で三つの異なるQ11が得
られる曲線)となるような特性。
ここに,n11:ランナ出口径1 m,
有効落差1 mのとき
のランナ回転速度
(min−1)
Q11:ランナ出口径1 m,
有効落差1 mのとき
の流量(m3/s)
S-characteristics
−
−
24
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
647
裕度
保証値と試験結果との差異の許容する
範囲。
tolerance
−
−
648
開度
ガイドベーン,ニードルなどの開口の大
きさ。
適用する対象の区別によって,ガイドベ
ーン開度,ニードル開度などという。
opening
−
−
649
部分開度
全開未満のガイドベーン開度又はニー
ドル開度。
partial opening
−
−
650
水圧変動
水車の負荷又はポンプの入力が急変し
た場合に,水圧管路その他の導水路によ
って水車又はポンプに与えられる水圧
の変動。
momentary pressure
variation
−
−
651
最大水圧値
水圧変動によって水車(又はポンプ水
車)に生じる高圧側指定点又は低圧側指
定点での最大水圧値。
maximum
momentary
pressure
pmax
Pa
652
最小水圧値
水圧変動によって水車(又はポンプ水
車)に生じる高圧側指定点又は低圧側指
定点での最小水圧値。
minimum
momentary
pressure
pmin
Pa
653
水圧変動値
水圧変動時に生じる最大水圧値又は最
小水圧値と,停止時における水車(又は
ポンプ水車)の指定位置での静水圧との
差。
Δp=pmax−pst又は
Δp=pmin−pst
ここに,pst:停止時の指定位置に
おける静水圧 (Pa)
=ρ1・g・(zH−zr)
zH:取水口水位 (m)
zr:水車(又はポンプ水
車)の指定位置標高
(m)
momentary pressure
variation value
∆p
Pa
654
水圧変動率
水圧変動値と静落差との比。
st
1
P
Δ
H
p
=
g
ρ
δ
ここに,Δp:水圧変動値 (Pa)
Hst:静落差 (m)
=zH−z2''
zH:取水口水位 (m)
z2'':水車(又はポンプ水
車)停止時の放水口
水位 (m)
momentary pressure
variation
δP
−
655
速度変動率
水車の負荷が急変したときに生じる回
転速度の変化量と定格回転速度との比。
n
i
m
n
n
n
n−
=
δ
ここに,ni:負荷変化前の回転速
度 (min−1)
nm:負荷変化時の最大
(最小)回転速度
(min−1)
nn:定格回転速度(min−1)
momentary speed
variation
δn
−
25
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
656
臨界キャビテー
ション係数,
クリティカルシ
グマ
キャビテーションの発生によって効率
が低下し始めるときのキャビテーショ
ン係数。
注記 キャビテーション特性の例
critical Thoma
number,
standard sigma
σc又はσs
−
657
初生キャビテー
ション係数
キャビテーションが目視による観察で
見え始める状態のキャビテーション係
数。
incipient Thoma
number,
incipient sigma
σi
−
26
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
658
指定キャビテー
ション係数
ある性能(通常は効率)が,キャビテー
ション係数の高い状態での値から,指定
された値だけ変化したときのキャビテ
ーション係数。
注記 σ0(効率が変化しない最低のσ),
σ1(効率が1 %低下したときのσ)
などのように用いる。
defined Thoma
number
σd
−
659
運転キャビテー
ション係数,
プラントシグマ
実際の運転時のキャビテーション係数。 plant Thoma
number,
plant sigma
σp
−
660
水スラスト
水の作用によって生じる推力。
主軸方向に働く軸スラスト(axial thrust)
及び,主軸と垂直方向に働く半径スラス
ト(radial thrust)がある。単に水スラス
トという場合は,軸スラストを指す。
hydraulic thrust
−
N
661
空中始動
ポンプ水車のポンプ始動時に発電電動
機からの入力を少なくする目的で,圧縮
空気によって吸出し管内の水面を押し
下げ,ランナを空中で始動する方法。
starting in air
−
−
662
水中始動
ポンプ水車の運転において水面押し下
げを行わず,ランナを水中で始動する方
法。
starting in water
−
−
27
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
663
空中始動トルク
ポンプ水車を空中始動するのに必要な
トルク。
starting torque in air
−
Nm
664
水中始動トルク
ポンプ水車を水中始動するのに必要な
トルク。
starting torque in
water
−
Nm
665
水車運転,
発電運転
発電するための運転。
generating mode
(operation),
turbine mode
(operation)
−
−
666
ポンプ運転,
揚水運転
ポンプ水車の,揚水するための運転。
pumping mode
(operation),
pump mode
(operation)
−
−
667
発電時間
発電運転を行う時間。
generating duration
−
s
668
揚水時間
ポンプ水車の,揚水運転を行う時間。
pumping duration
−
s
669
締切運転
ポンプ水車の,揚水量が零のときの運
転。
zero-discharge
(shut-off)
operation
−
−
3.7
本体一般
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
701
ランナ
水車の回転部分の要素で,流水のエネル
ギーを機械エネルギーに変換するもの。
runner
−
−
702
単流ランナ
フランシス水車用ランナで,一組の羽
根,これを囲む一つのクラウン及びバン
ドからなり,軸方向に一方だけへ放流す
るもの。
single discharge
runner
−
−
703
複流ランナ
フランシス水車用ランナで,二組の羽
根,これを囲む一つのクラウン及び二つ
のバントからなり,軸方向に両側へ放流
するもの。
double discharge
runner
−
−
704
スプリッタラン
ナ
長翼と短翼(スプリッタベーン)とが周
方向に交互に配置されたランナ。
splitter blade runner
−
−
705
ランナベーン
ランナの一部で,曲面形状をなし,流水
の方向を変えてランナクラウン又はラ
ンナボスを通じて動力を伝達する部分。
runner vane,
runner blade
−
−
706
ランナクラウン
フランシス水車用ランナの一部で,ラン
ナベーンを支持し,主軸に取り付けられ
て動力を伝達する部分。
runner crown
−
−
707
ランナバンド
フランシス水車用ランナの一部で,ラン
ナクラウンとともにランナベーンを支
持する部分。
注記 シュラウドと呼ぶこともある。
runner band
−
−
708
ランナシール
ランナ外周からの漏れ流量を少なくす
るために,ランナクラウンと上カバーと
の間,ランナバンドと下カバーとの間に
設けた絞り部分。
runner seal
−
−
28
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
709
バケット
ペルトン水車用ランナの一部で,わん状
の形をし,流水の方向を変えてランナデ
ィスクを通じて動力を伝達する部分。
bucket
−
−
710
ランナディスク
ペルトン水車用ランナの一部で,円板と
なっており,周囲にバケットを取り付
け,主軸に連結されて動力を伝達する部
分。
runner disk
−
−
711
ランナボス
軸流水車ランナ,斜流水車ランナの中心
部でランナベーンを支持し,主軸に連結
されて動力を伝達する部分。
runner hub
−
−
712
クロスヘッド
カプラン水車用ランナ,デリア水車用ラ
ンナなどの可動翼水車のランナボス内
にあり,羽根のステムにアーム及びリン
クで連結され,また,ランナサーボモー
タの操作ロッドにも連結されて全部の
羽根の角度が同時に調整する部分。
crosshead
−
−
713
ランナコーン
ランナのクラウン又はボスの先端に取
り付けられた円すい形の部分。
runner cone
−
−
714
ガイドベーン,
案内羽根
ランナ上流に設けられ,流量の調整に用
いられる可動羽根。
guide vane,
wicket gate
−
−
715
ガイドリング
ガイドベーンアーム及びリンクを通し
てサーボモータの力及び動きをすべて
のガイドベーンに分配する可動リング。
regulating ring,
gate operating ring
注記 guide ring
は,ガイドベ
ーンリング
(752)を指
すので注意。
−
−
716
ステーリング,
スピードリング
ケーシングの内周側に接続する二つの
環状板との間にステーベーンを設けた
構造物。
stay ring
−
−
717
ガイドベーン操
作機構
ガイドベーンを使ってランナに供給す
る流量を調整する機構。
guide vane
regulating
apparatus
−
−
718
開度制限装置
サーボモータピストンが動ける行程を
ある値までに止める装置。
gate limiting device,
stroke limiting
device
−
−
719
ケーシング
水車の周囲にある構造物で,ステーリン
グ,ガイドベーンを通じてランナに流水
を供給するもの。
casing
−
−
720
渦巻ケーシング
水車を完全に囲んだ渦巻形のケーシン
グで,その巻き終わりまでその断面積を
次第に縮小するもの。
spiral casing
−
−
721
半渦巻ケーシン
グ
上流側は流水が水車に直接流入する形
状で,下流側は渦巻形となっているケー
シング。
semi-spiral casing
−
−
722
ステーベーン
ステーリングの一部で,ケーシングの内
周側に接続する二つの環状板を連結し,
整流作用をなすとともに,水圧を受ける
ケーシングなどの補強をする部分。
stay vane
−
−
29
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
723
バッフルベーン
渦巻ケーシング又は半渦巻ケーシング
の巻き終わり箇所に設けられるステー
ベーン。
baffle vane
−
−
724
水車カバー
ケーシング(又はステーリング)の両側
に取り付けられるカバー。
turbine cover
−
−
725
上カバー
フランシス水車,カプラン水車などで,
ランナ及びガイドベーンの上側に設け
られ,ガイドベーンの上部ステム,主軸,
パッキン箱,主軸受などを支持するカバ
ー。
head cover
−
−
726
外側上カバー
内外二つに分割した上カバーで,外側に
設けられ,ガイドベーンの上部ステムを
支持するカバー。
outer head cover
−
−
727
内側上カバー
内外二つに分割した上カバーで,内側に
設けられ,主軸,パッキン箱,主軸受な
どを支持するカバー。
inner head cover
−
−
728
下カバー
フランシス水車,カプラン水車などで,
ガイドベーンの下側に設けられ,ボトム
リングを支持するカバー。
bottom ring
−
−
729
ボトムリング
下カバーに固定され,ガイドベーンの下
側にあって,その下部ステムを支持する
リング。下カバーと一体にすることがあ
る。
bottom ring
−
−
730
ディスチャージ
リング
軸流水車及び斜流水車で,ランナベーン
の外囲いとなり,吸出し管の上流側に連
結するリング。
discharge ring
−
−
731
吸出し管
ランナから放出された流水の速度を減
少させて,流水のもつ運動エネルギーを
有効に回収させる管。
draft tube
−
−
732
円すい形吸出し
管
形状が円すい形の吸出し管。
conical type draft
tube
−
−
733
エルボ形吸出し
管,
曲がり吸出し管
入口の形状は円すい形で,これにエルボ
を接続し,出口の部分が入口方向とほぼ
直角になっている吸出し管。
elbow type draft
tube
−
−
734
吸出し管ライナ
コンクリートを保護するために吸出し
管の一部を裏張りする金属製のライナ。
draft tube liner
−
−
735
吸出し曲管
横軸反動水車に用いられ,ランナから水
平方向に放出された流水をほぼ垂直方
向に変える管。
draft bend
−
−
736
ライナ
ケーシング,ランナなど本体を保護する
ための裏張り。
liner
−
−
737
シートライナ
水車カバーのガイドベーンに面する箇
所に取り付けられた取り替えることが
できる板。
facing plate
−
−
738
ランナライナ
ランナに取り付けられた取り替えるこ
とができるリング。
rotating wearing
ring
−
−
739
カバーライナ
カバーのランナに近接した箇所に取り
付けられた取り替えることができるリ
ング。
(stationary) wearing
ring
−
−
30
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
740
水車ピット
立軸水車の上カバーと発電機下部ブラ
ケットとの間にある空所。
turbine pit
−
−
741
ピットライナ
水車ピットの内側に張られたライナ。
pit liner
−
−
742
主軸
ランナが発生する動力を伝達する軸。
main shaft
−
−
743
軸スリーブ
主軸に取り付けられ,取り替えることが
できる管状のライナ。
shaft sleeve
−
−
744
スラスト軸受
軸方向の力を支える軸受であり,油潤滑
軸受が多い。
注記 軸受のしゅう(摺)動面には,軟
質低融点金属,摩擦の小さい樹脂
材などが裏張りされる。
thrust bearing
−
−
745
案内軸受
半径方向の力を支える軸受であり,油潤
滑軸受,水潤滑軸受,転がり軸受などが
ある。
注記 軸受のしゅう(摺)動面には,軟
質低融点金属,摩擦の小さい樹脂
材,セラミック材などが裏張りさ
れる。
main guide bearing
−
−
746
主軸封水装置
主軸がカバーを貫通する箇所に設けた
回転部と固定部の間の漏水を最少にす
る装置。
shaft seal
−
−
747
パッキン箱
主軸がカバーを貫通する箇所に設けた
水漏れを止めるためのパッキンを収容
する箱。
packing box,
stuffing box
−
−
748
シーリング箱
主軸がカバーを貫通する箇所に設けら
れ,パッキンを使用しないで清浄な圧力
水を送って,水漏れを止めるもの。
sealing box
−
−
749
ラビリンスシー
ル
回転部と静止部との狭いすき間の途中
に急拡大部を設けその拡大損失で,漏れ
を少なくするシール。
labyrinth seal
−
−
750
バレル
立軸水車と発電機との間に設けられた
コンクリート製又は鉄枠製の支持台。
barrel
−
−
751
(水車の)バル
ブ
チューブラ水車の発電機又は軸受を据
え付けるため,流路内に設けられた半球
又は円筒形をした容器の部分。
bulb housing,
bulb structure
−
−
752
ガイドベーンリ
ング
チューブラ水車のガイドベーンを支持
し,流路を形成する二重の円すい(一部
球形)リング部。
guide ring
−
−
753
外側ガイドベー
ンリング
ガイドベーンリングの二重円すいリン
グのうち外側のリング。
outer guide ring
−
−
754
内側ガイドベー
ンリング
ガイドベーンリングの二重円すいリン
グのうち流路内にあるリング。
inner guide ring
−
−
755
マニホルド
立軸ペルトン水車で,水圧管からの流水
をノズルに導く部分で,ノズルパイプに
連結する分岐管をもつ部品。
manifold,
spiral distributor
−
−
756
ノズルパイプ
マニホルドとノズルとを連結する管状
の部品。
nozzle pipe,
nozzle body
−
−
757
入口曲管
横軸形ペルトン水車において,ノズルパ
イプ又はノズルとを連結する曲管。
inlet bend
−
−
31
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
758
分岐管
2個のノズルをもつ横軸形ペルトン水車
の,水圧管から入口曲管に分岐する管。
branch pipe
−
−
759
ハウジング
ペルトン水車のランナを囲み,ノズルを
支持する構造物で,バケットから放出さ
れた流水を放水路に落とす部品。
housing
−
−
760
ノズル
ノズルパイプの先端に取り付け,流水の
出口を縮小してジェットを作る部品。
nozzle
−
−
761
ノズルチップ
ノズル先端に取り付けた取替え可能な
部品。
nozzle tip,
nozzle seat ring
−
−
762
ニードル
ノズルにおいて,バケットに作用するジ
ェットの大きさを変え流量を調整する
部品。
needle
−
−
763
ニードルチップ
ニードルの先端で円すい形をし,取替え
可能で,ノズルチップに密着して流水を
遮断できる部分。
needle tip,
needle point
−
−
764
ニードルヘッド
ニードルの一部で,ステムに取り付けた
部分。
needle head
−
−
765
ニードルステム
ニードルに連結したロッドで,ニードル
ストローク調整機構に連結した棒状の
部分。
needle stem
−
−
766
バランスピスト
ン
ニードルステムに取り付け,ニードルに
かかる不平衡力を平均化させる部品。
balance piston,
relief piston
−
−
767
サーボモータ内
蔵式ノズル
ニードルがステムをもたず,サーボモー
タとともにノズルパイプ内に納められ
たノズル。
built-in servomotor
type nozzle
−
−
768
デフレクタ
ハウジング内に納められ,調速機の作動
によって急速にジェットを折り曲げて
バケットに当たらないようにする部品。
deflector
−
−
769
ジェットブレー
キ
ニードルが閉鎖した後,ランナバケット
の裏側にジェットを当ててブレーキを
かける装置。
jet brake
−
−
770
ディスチャージ
ピット
ハウジングと放水路との間にある空所。 discharge pit
−
−
3.8
入口弁
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
801
入口弁
水車への流水を止水,遮断する目的で水
車の高圧側指定点近くに設けるバルブ
で,主弁,バイパス弁,サーボモータ,
制御装置などからなる。
inlet valve,
main shut-off valve
−
−
802
主弁
入口弁の主要部分を占めるバルブ。
main valve
−
−
803
バイパス弁
主弁を開放する前に開いて,主弁の前後
の水圧を平均させるバルブ。
by-pass valve
−
−
804
ちょう形弁
流水方向に直角に設けられた軸を中心
として,円板形の弁体が回転するバルブ
(図33)。
butterfly valve
(solid type)
−
−
32
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
805
複葉弁
ちょう形弁の一種で,弁体が流水を遮断
する円板とそれを補強する板の二葉構
造となっているもの(図34)。
butterfly valve
(lattice type)
−
−
806
ニードル弁
ニードル形状の弁体が,流水と同方向に
動くバルブ(図35)。
needle valve
−
−
807
仕切弁,
スルース弁
板状の弁体が,流水の方向と直角の方向
に動くバルブ(図36)。
sluice valve,
gate valve
−
−
808
ロータリ弁
弁胴が球形をし,流れ方向に直角に設け
られた軸を中心として,弁座をもった管
状の弁体が回転するバルブ。開放したと
きに,このバルブの中の通水部の形状が
鉄管と同様となる(図37)。
rotary valve,
straight flow valve,
spherical valve
−
−
809
リングゲート
水車のガイドベーンとステーベーンと
の間に設けられ,円筒の軸に沿って動作
する円筒ゲート。
cylindrical valve,
ring gate
−
−
810
弁体
バルブにおいて,回転又はスライドして
流水を遮断する部分。
valve disc,
valve plug,
needle
−
−
811
弁胴
弁体を囲む部分。
valve body,
valve case
−
−
812
弁軸
弁体を回転又はスライドさせる軸。
valve shaft
−
−
813
バルブシール
弁体と弁胴との間からの漏水を止める
ため,弁体側に設けられたゴム又は金属
製のパッキン。
valve seal
−
−
814
バルブシート
弁体と弁胴との間からの漏水を止める
ため,固定して設けられた金属製リン
グ。
注記 主に仕切弁,ロータリ弁及びニー
ドル弁に用いる。
valve seat
−
−
815
ルーズフランジ
主弁と水圧鉄管との連結に用い,主弁の
取外しを容易にする部品。
loose flange
−
−
816
重錘閉鎖式入口
弁
おもりによって主弁を閉鎖する入口弁。 inlet valve with
counter weight
−
−
817
入口弁の閉鎖時
間
主弁又はバイパス弁が全開から全閉ま
でに必要とする時間。
closing time for
inlet valve
−
min, s
818
入口弁の開き時
間
主弁又はバイパス弁が全閉から全開ま
でに必要とする時間。
opening time for
inlet valve
−
min, s
819
流水遮断
水が流れているときに,入口弁を閉鎖す
る行為。
closure under
current
−
−
33
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3.9
調速機・水位調整器
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
901
調速機
水車の回転速度及び出力を調整するた
め,自動的にガイドベーン操作機構など
の水量調整機構を制御する装置であり,
速度検出部,配圧弁,サーボモータ,復
元部,速度調整装置,負荷調整装置,手
動操作機構などからなる。
speed governor
−
−
902
機械式調速機
回転速度の変化を機械的に検出する調
速機(図38)。
mechanical speed
governor
−
−
903
電気式調速機
回転速度の変化を電気的に検出する調
速機。電気式にはアナログ式とデジタル
式の2種類がある。また,制御演算方式
には,PI形及びPID形[比例(P)積分(I)
微分(D)機能]がある(図39〜図41)。
electro-hydraulic
governor
−
−
904
速度検出部
調速機において,回転速度の変化を検出
する部分。スピーダによる機械式,PMG
(磁石発電機)又はSSG(スピードシグ
ナルジェネレータ)による電気式などが
ある。
speed detector
−
−
905
増幅部
調速機において,速度調整装置又は負荷
調整装置からの制御量(微少なエネルギ
ー)をガイドベーン操作機構などの水量
調整機構を操作できるエネルギーに増
幅,拡大する部分で,半導体増幅器,油
圧増幅機構などがある。
amplifier
−
−
906
変換部
電気式調速機において,電気的信号を機
械的動きに変換する部分。油圧サーボモ
ータ式の場合は,E/Mコンバータを使用
し,電動サーボモータ式の場合は電動機
を使用する。
注記 E/Mコンバータ:電磁変換器
(electromagnetic converter)
electro-hydraulic
converter,
electromechanical
converter
−
−
907
復原部
調速機において,サーボモータの動きを
速度検出部又は増幅部に復原する部分
で,剛性復原部と弾性復原部とに区分さ
れる。
return
−
−
908
剛性復原部
サーボモータの動きを速度検出部又は
増幅部に復原し,サーボモータの動きを
回転速度の変化と比例関係に保たせる
もの。
rigid return
−
−
909
弾性復原部
サーボモータの動きを速度検出部又は
増幅部に復原し,サーボモータの行過ぎ
を防ぎ安定に制御するもの。復原する方
法としては,機械式調速機ではダッシュ
ポット,電気式調速機ではPI制御(ダ
ンピング回路を含む)又はPID制御を用
いる。
flexible return,
compensation
−
−
34
B 0119:2009
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
910
速度調整装置
調速機によって設定された水車の回転
速度を調整する装置。
speed adjusting
device,
speed changer
−
−
911
負荷調整装置
並列運転中に水車の出力を調整する装
置。
load adjusting
device,
load changer
−
−
912
負荷制限装置
速度検出部からの信号に関係なくガイ
ドベーン又はニードルが任意の開度以
上に開かないように制限しておく装置。
gate limiting device,
gate limiter
−
−
913
アクチュエータ
ロック装置
ガイドベーン又はニードルを現在運転
されているその開度に一時的に固定す
る装置。
actuator locking
device
−
−
914
速度垂下率調整
装置
剛性復原による復原量を調整し,速度垂
下率(939)を設定する装置。
permanent speed
droop adjusting
device
−
−
915
過渡速度垂下率
調整装置
弾性復原による復原量を調整し,過渡速
度垂下率(940)を設定する装置。
momentary speed
droop adjusting
device
−
−
916
弾性復原時定数
調整装置
弾性復原の時定数(941)を設定する装
置。
time constant
adjusting device
−
−
917
調速機の保護装
置
調速機の内部に発生した故障を検出し,
その信号を配電盤の保護回路などに伝
える装置。
protective device
−
−
918
停止装置
ガイドベーン又はニードルを閉じて水
車を停止させる装置。
shut-down device
−
−
919
始動装置
ガイドベーン又はニードルを開いて水
車を始動させる装置。
starting device
−
−
920
指示装置
回転速度,ガイドベーン又はニードル開
度,調速機油圧などを指示する装置。
indicating device
−
−
921
結合運転装置
1発電所内で2台以上の水車の出力を自
動的に同一にそろえ,あたかも1台の水
車のように運転する装置。
joint operating
device
−
−
922
水位調整装置
上水槽の水位に応じて水車を運転する
装置。
water level regulator
−
−
923
高効率運転装置
落差変動,周波数変動,流量又は指令さ
れた出力に対して最も効率的なランナ
ベーン開度の設定(カプラン水車など
で),ノズル数の選定(ペルトン水車で),
台数の選定などを自動的に決定し,発電
所として最高効率を発揮できるように
運転する装置。
high efficiency
operating device
−
−
924
調速機盤
アクチュエータ,主配圧弁などを内蔵し
たキャビネット。
governor cabinet
−
−
925
調速機制御盤
速度検出装置,各種調整装置,復原部,
増幅部などの電気機器を内蔵したキャ
ビネット。
regulator cubicle
−
−
926
アクチュエータ
復原部,変換部,負荷制限装置,指示装
置などで構成され,配圧弁を操作する装
置。
actuator
−
−
35
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
927
PMG,
磁石発電機
水車の回転速度を検出する発電機。この
発電機によって調速機に必要な電源を
供給する場合もある。
permanent-magnet
generator
−
−
928
SSG,
スピード・シグ
ナルジェネレ
ータ
水車の回転速度を検出する検出器(又は
水車の回転速度を検出する装置。)。
speed signal
generator
−
−
929
ペンジュラム駆
動用電動機
ペンジュラムを駆動する電動機。機械式
調速機に用いる。
pendulum motor
−
−
930
スピーダ
振り子の遠心力によって回転速度の変
化を検出し,パイロット弁を操作するも
の。スピーダは,電動機,ベルト歯車な
どによって駆動される。機械式調速機に
用いる。
speeder,
governor head
−
−
931
ペンジュラム
スピーダの部品としての振り子。機械式
調速機に用いる。
pendulum
−
−
932
主配圧弁
変換部(E/Mコンバータ),補助サーボ
モータなどによって作動され,主サーボ
モータに圧油を分配するバルブ。
注記 リレーバルブを含むものもある。
カプラン及び斜流水車では,ガイ
ドベーン用とランナベーン用を
それぞれ設け,ペルトン水車では
ニードル用とデフレクタ用とを
それぞれ設ける。
main distributing
valve,
main control valve
−
−
933
補助サーボモー
タ
パイロットバルブから分配される圧油
によって作動するサーボモータで,主配
圧弁を操作するもの。E/Mコンバータで
直接主配圧弁を操作する場合,補助サー
ボモータは省略される。
注記 E/Mコンバータ:電磁変換器
(electromagnetic converter)
auxiliary
servomotor
−
−
934
主サーボモータ
主配圧弁から供給される油圧によって
作動するサーボモータで,ガイドベー
ン,ニードル又はデフレクタを操作する
もの。操作用動力源によって,油圧式と
電動式とに区別される。
main servomotor
−
−
935
ランナサーボモ
ータ
主配圧弁から圧油導入装置で供給され
る油圧によって作動するサーボモータ
で,ランナベーンを操作するもの。操作
用動力源によって,油圧式と電動式に区
別される。油圧式の場合は,回転部であ
る主軸又はランナボス内に設けられる
場合が多い。
runner servomotor,
blade servomotor
−
−
936
圧油導入装置
通常発電機の頂上に設けられ,主配圧弁
から供給される圧油を回転部(主軸又は
ランナボス)内に設けられたランナサー
ボモータに供給する装置。
oil head,
combinator
−
−
36
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
937
緩衝装置
主サーボモータを急閉するとき,無負荷
開度付近からサーボモータの閉鎖速度
を遅くする装置。
slow closing device
−
−
938
速度調定率
ある有効落差及びある出力で運転中の
水車の調速機に調整を加えない場合に
直結発電機の負荷を変化したとき,定常
状態における回転速度の変化分と発電
機の負荷の変化分との比。
permanent speed
regulation
R
%
939
速度垂下率
調速機に調整を加えずにサーボモータ
をある位置からある位置へ動かしたと
き,ストローク変化前後の定常状態にお
ける水車の回転速度の変化分とサーボ
モータの位置変化分との比。
permanent speed
droop,
steady state speed
droop
D
%
940
過渡速度垂下率
調速機に調整を加えずにサーボモータ
をある位置からある位置へ動かしたと
き,調速機の弾性復原に相当する回転速
度の変化分とサーボモータの位置変化
分との比。
momentary speed
droop
D'
%
941
弾性復原の時定
数
調速機の弾性復原の要素が,ある量の動
作を行って復帰する場合,その動作量の
63 %を復帰するのに必要とする時間。
time constant of
damping
Td
s
942
安定度
水車がある負荷で運転されている場合,
又は新しい負荷要求に追従する場合に,
調速機系によって回転速度の変動又は
出力の変動が生じないように,ガイドベ
ーン開度又はニードル開度を安定させ
る程度。
stability
−
−
943
開き時間
ガイドベーン又はニードルを無負荷開
度から指定した出力に相当する開度ま
で動かすのに必要とする最短時間。
opening time
To
s
944
閉鎖時間
ガイドベーン又はニードルを指定した
出力における開度から全閉まで動かす
のに必要とする最短時間。
closing time
Tc
s
945
不動時間
水車の回転速度が変化し始めてからガ
イドベーン又はニードルの動作が開始
するまでの時間。
dead time
τ
s
946
調速機の不動時
間
水車の回転速度が変化し始めてから調
速機の主サーボモータの動作が開始す
るまでの時間。補助サーボモータがある
場合は,補助サーボモータの動作が開始
するまでの時間。
dead time of speed
governor
τ
s
947
不動帯
定格回転速度のもとでガイドベーン又
はニードルを開動作(又は閉動作)させ
るのに必要とする回転速度の大きさの
定格回転速度に対する比。特定の不動帯
を示す場合は,その旨を明示する。
dead band
2∆
%
37
B 0119:2009
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
948
調速機の不動帯
定格回転速度のもとで主サーボモータ
を開動作(又は閉動作)から逆に閉動作
(又は開動作)させるのに必要とする回
転速度の大きさの定格回転速度に対す
る比。補助サーボモータがある場合は,
補助サーボモータを動作させたときの
比。
governor dead band
2∆
%
949
ハンチング
調速機内部の欠陥及び調速機・水車水路
系など広範囲の事象が関連して起きる
振動のために,サーボモータストローク
が周期的に変化する好ましくない状態。
hunting
−
−
950
レーシング
無負荷運転時に,回転速度,サーボモー
タなどが相互に関係しながら起こるハ
ンチング。
racing
−
−
951
ジャンピング
速度検出部が不円滑に駆動されるため
に,スピーダ,パイロット弁などに発生
する好ましくない振動。
jumping
−
−
3.10 制圧機
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1001
制圧機
ガイドベーンを急に閉鎖したとき,水圧
管路の水圧が上昇するのを防止するた
めの装置(図42,図43)。
pressure regulator,
relief valve
−
−
1002
放水管
制圧機から放出された水を放水路へ導
く管路。
discharge pipe
−
−
1003
制圧機の復原部
制圧機の開度を,急閉鎖前の水車ガイド
ベーン開度に相当した値まで開き,その
後ダッシュポットの効果によってこれ
を徐々に閉鎖させる復原部。
compensator for
pressure regulator
−
−
1004
制圧機の不動時
間
ガイドベーンが閉じ始めてから制圧機
が開き始めるまでの時間。
dead time for
pressure regulator
τ
s
1005
制圧機の閉鎖時
間
制圧機が全開から全閉までに必要とす
る時間。
closing time for
pressure regulator
Tc
s
1006
制圧機の開き時
間
制圧機が全閉から全開までに必要とす
る時間。
opening time for
pressure regulator
To
s
3.11 圧油装置・空気圧縮装置
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1101
圧油装置
水車(又はポンプ水車)の運転制御に必
要な圧油を供給する装置。
注記 圧油タンク,集油タンク,油ポン
プなどからなる。
oil pressure supply
system
−
−
1102
ブラダ形圧油装
置
ブラダ形アキュムレータを用いて水車
の運転制御に必要な圧油を供給する装
置。
oil pressure supply
system of bladder
type
−
−
38
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1103
圧油タンク
水車(又はポンプ車)の運転制御のため
の圧油を収容するタンク。
pressure oil tank
−
−
1104
ブラダ形アキュ
ムレータ
圧縮自在なブラダ(ゴム袋)に窒素ガス
を封入し,その圧縮性を利用して,流動
体の圧力を貯蔵させるタンク。
accumulator of
bladder type
−
−
1105
集油タンク
圧油系統の排油を収容するタンク。
oil sump tank
−
−
1106
圧油ポンプ
水車(又はポンプ水車)の運転制御に必
要な圧油を供給するポンプ。
pressure oil pump
−
−
1107
直接加圧ポンプ
圧油タンクに圧油を蓄積することなく,
圧油ポンプによって作られる圧油で直
接サーボモータを操作するポンプ。
direct booster
pressure oil pump
−
−
1108
可変容量ポンプ
無負荷時最大油量を送り,負荷がかかる
と吐出し量は減少するが圧力は保持さ
れ,その圧力での作動に必要な油量だけ
を吸入し吐き出すポンプ。
variable discharge
pressure oil pump
−
−
1109
自動油面調整装
置
圧油タンク内の油面を自動的に規定値
に保たせる装置。
automatic oil level
regulator
−
−
1110
アンローダ
圧油タンクの圧力を規定値に保つよう
に圧油ポンプからの圧油を圧油タンク
に送入したり排出したりするバルブ。
電磁弁によるものを,電磁弁式アンロー
ダという。
unloader valve,
unloading valve
−
−
1111
コンプレッサ給
気方式
圧油タンク内の圧力保持を空気圧縮機
によって行う給気方式。
air supply method
by compressor
−
−
1112
アンローダ給気
方式
圧油ポンプからの油をアンローダ経由
後,補助タンクを介して圧油タンクヘ送
る方式。
注記 補助タンク経由時,空気を気泡と
して油とともに圧油タンクヘ送
ることによって圧油タンクに圧
縮空気が貯蔵されるので,空気圧
縮装置が不要となる。
air supply method
by unloader
−
−
1113
圧縮空気タンク
空気圧縮機からの圧縮空気を蓄積して
おくタンク。
accumulator,
air chamber,
air receiver
−
−
1114
漏油タンク
漏油を貯蔵するタンク。
leakage oil tank
−
−
1115
水面押下装置
ランナ下部に圧縮空気を送り,水面を低
下させる装置で空気タンク,コンプレッ
サー及び給排気弁からなる装置。
注記 調相運転,ペルトン水車の洪水時
運転,ポンプの始動時などに用い
る。
water depression
system
−
−
39
B 0119:2009
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3.12 潤滑油装置
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1201
潤滑油装置
水車(又はポンプ水車),発電機(又は
発電電動機)の主軸受,その他各軸受に
潤滑油を供給する装置。
lubricating oil
system
−
−
1202
上部油タンク
各軸受に重力によって給油潤滑させる
ため,建屋上部,発電機頂部などに設け
た潤滑油タンク。
gravity oil tank
−
−
1203
潤滑油ポンプ
潤滑に必要な油を供給するポンプ。
lubricating oil pump
−
−
1204
潤滑油タンク
各軸受にポンプによって供給する潤滑
油を貯えるタンク。
sump tank of
lubricating oil
−
−
1205
オイルリフタ装
置
軸受静荷重が大きい場合,始動時の軸受
油膜を強制的に形成させるための装置。
oil lifter system
−
−
1206
グリースポンプ
軸受にグリースを圧入するポンプ。
grease pump
−
−
1207
分配弁
ポンプから圧送されたグリースを各軸
受に分配するバルブ。
distributor
−
−
3.13 給排水装置
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1301
給水装置
水車(又はポンプ水車),発電機(又は
発電電動機)の軸受,油類の冷却,発電
機本体の冷却などに給水を行う装置。
cooling water
supply system,
feed water supply
system
−
−
1302
給水ポンプ
給水に必要な水を供給するポンプ。
water supply pump
−
−
1303
サンドセパレー
タ
給水に必要な水に含まれる砂などを分
離,排出する装置。
注記 河川水を給水に用いる場合に適
用される。
sand separator
−
−
1304
減圧装置
水圧管路などから給水する場合,管路水
圧を給水に必要な水圧に減圧する装置。
pressure reducing
device
−
−
1305
排水装置
排水ピット,吸出し管などの排水を行う
装置。
drainage system
−
−
1306
排水ピット
水車からの漏水,発電所からのゆう(湧)
水などを集めるピット。
drainage pit
−
−
1307
排水ポンプ
排水ピットから水を排水するポンプ。
drainage pump
−
−
1308
油水分離装置
排水ピット内に混入した油分を分離す
る装置。
oil water separator
−
−
3.14 運転制御
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1401
制御
ある目的に適合するように,対象となっ
ているものに所要の操作を加えること。
control
−
−
1402
運転制御
水車(又はポンプ水車)・発電機(又は
発電電動機)の始動,同期並列,負荷調
整などを行うこと。
operation control
−
−
40
B 0119:2009
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1403
運転制御装置
水車(又はポンプ水車)の自動運転制御
に必要な諸装置。
注記 制御盤,電磁弁,自動弁,切換弁,
油圧継電器などで構成される。
control device
−
−
1404
始動
圧油装置,潤滑油装置,給水装置,封水
装置などの準備を整えて,水車(又はポ
ンプ水車)ランナを始動させること。
starting
−
−
1405
普通停止
負荷調整装置によって負荷を減じ,ガイ
ドベーン又はニードルを閉じて水車を
停止させること。
normal stop
−
−
1406
緩停止
軽度の故障が生じたとき,負荷調整装置
によって負荷を減じ,ガイドベーン又は
ニードルを閉じて水車を停止させるこ
と。
normal shutdown
−
−
1407
急停止
発電所に機械的事故が生じたとき,ガイ
ドベーン又はニードル,及び入口弁を閉
じた後,並列用遮断器及び主界磁遮断器
を開き,水車を停止させること。
quick stop
−
−
1408
非常停止
発電所に電気的事故が生じたとき,並列
用遮断器及び主界磁遮断器を同時に開
くとともに,ガイドベーン又はニード
ル,及び入口弁を同時に閉じて水車を停
止させること。
emergency stop
−
−
1409
一人制御
(いちにんせい
ぎょ)
一人の運転員が配電盤上の主制御開閉
器を操作するだけで水車発電機の始動
停止ができ,しかも,負荷の増減その他
すべての運転制御を行う方式。
one-man control
−
−
1410
遠方制御
水車(又はポンプ水車)・発電機(又は
発電電動機)の始動,停止,負荷の増減,
その他すべての運転制御を遠方の制御
所から行う方式。
remote control,
supervisory control
−
−
1411
水車制御盤
水圧計,軸受温度計,電磁弁など水車の
運転制御に必要な装置を内蔵したキャ
ビネット。
turbine control
board
−
−
1412
最高常用油圧
常用油圧の上限。
注記 この油圧で,アンローダがポンプ
からの圧油を集油タンクへの送
油に切り換える。
unloading oil
pressure
p
Pa
1413
最低常用油圧
常用油圧の下限。
注記 この油圧で,アンローダがポンプ
からの圧油を圧油タンクへの送
油に切り換える。
loading oil pressure
p
Pa
1414
警報油圧
最低常用油圧から油圧が低下し,予備ポ
ンプが始動してもなお油圧が下がる場
合に,間もなく停止油圧になるという圧
油装置の異常を告げる油圧。
alarm oil pressure
p
Pa
41
B 0119:2009
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番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1415
停止油圧
この油圧まで低下すると水車を停止す
るもので,圧油ポンプからの補給なしに
各サーボモータが一行程を行っても,許
容最低油圧に対し余裕があるもの。
turbine shutdown oil
pressure
p
Pa
1416
許容最低油圧
各サーボモータを操作できる最低の油
圧。
minimum allowable
oil pressure
p
Pa
1417
調相機運転
水車(又はポンプ水車)を系統からの電
力で空中回転し電力系統の無効電力を
調整する運転。
condenser operation
−
−
1418
待機運転
電力系統の負荷急増時に対応するため,
水車を系統からの電力で空中回転し,待
機する運転。
spinning reserve
operation
−
−
1419
水位調整器運転
上水槽の水位をほぼ一定に保つように,
水路の流入量に応じて出力を調整する
運転。
level governor
operation
−
−
1420
応水運転
水路式発電所又は流込み式発電所にお
いて,水路の流入量に応じて始動停止を
自動的に行う運転方式。
inflow governor
operation
−
−
1421
調速機運転,
ガバナフリー運
転
調速機の周波数調整機能によって,系統
周波数の変化に追随して出力を敏速に
増減させ,系統周波数の安定に寄与させ
る運転方式。
governor free
operation
−
−
1422
AFC運転,
自動周波数制御
運転
電力系統の周波数変動の周期が比較的
長いものに対して,自動周波数調整装置
を設け,系統周波数のずれに応じて調速
機を動作させ,出力を調整して系統周波
数の改善に寄与する運転方式。
automatic frequency
control operation
−
−
3.15 可変速制御
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1501
可変速運転
定められた回転速度幅において,回転速
度を変化させ,安定的に運転する制御方
式。
variable-speed
operation,
adjustable-speed
operation
−
−
1502
発電可変速運転
発電運転中にポンプ水車の回転速度を
変化させて高効率運転又は安定に運転
する制御方式。
variable-speed
generating
operation,
adjustable-speed
generating
operation
−
−
1503
揚水可変速運転
揚水運転中にポンプ水車の回転速度を
変化させて入力調整を行う運転制御方
式。
variable-speed
pump operation,
adjustable-speed
pump operation
−
−
1504
揚水AFC運転
揚水運転中にポンプ水車の回転速度を
変化させて入力調整を行い,主に夜間系
統周波数の調整を行う運転制御方式。
automatic frequency
control for pump
operation
−
−
42
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1505
二次励磁装置
ポンプ水車の回転速度と系統周波数と
の差を補償するための発電電動機の励
磁装置。
secondary exciter
−
−
1506
一次側入力・
一次側出力
発電電動機一次端子(通常,固定子端子)
における有効電力又は皮相電力。
primary input /
primary output
−
W
1507
システム入力・
システム出力
一次側入力・一次側出力と二次励磁装置
電源回路電力とのベクトル和。
system input /
system output
−
W
1508
可変速永久磁石
発電システム
永久磁石同期発電機を用いて任意の回
転速度で発電する発電システム。
注記 マイクロ水力への適用事例があ
る。
variable-speed
permanent
magnet generator
system,
adjustable-speed
permanent
magnet generator
system
−
−
3.16 揚水始動
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1601
揚水始動方式
揚水運転(揚水方向調相運転を含む)を
開始する際のポンプ始動の各種方式。
pump starting
−
−
1602
制動巻線始動方
式
発電電動機の回転子に大容量の制動巻
線を設け,固定子巻線に系統電圧を印加
し,かご形誘導機の原理によってポンプ
水車を始動する方式。
damper winding
starting
−
−
1603
同期始動方式
駆動しようとする電動機と始動用の発
電機を停止中に電気的に結合し,同期さ
せてポンプ水車を始動する方式。
back-to-back
starting
−
−
1604
起動用電動機直
結始動方式
発電電動機に始動用の電動機を直結し
てポンプ水車を始動する方式
directly coupled
motor starting
−
−
1605
サイリスタ始動
方式
サイリスタ変換器によって0〜定格周波
数まで変化する交流を発電電動機の固
定子巻線に印加し,ポンプ水車を始動す
る方式。
static frequency
converter starting
−
−
1606
水面押下運転
揚水始動時や調相運転中に,吸出管水面
を圧縮空気にて押し下げ,水車ランナを
空気中で回転させる運転。
dewatered operation
−
−
43
B 0119:2009
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3.17 共通
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1701
集中方式
圧油装置,潤滑油装置,空気圧縮装置な
どを2台以上の水車(又はポンプ水車)
に対して共通に設ける方式。
central system
−
−
1702
単位方式
圧油装置,潤滑油装置,空気圧縮装置な
どを各水車(又はポンプ水車)ごとに単
独に設ける方式。
unit system
−
−
1703
圧油
調速機,入口弁,制圧機,運転制御装置
などを油圧で操作するための油。
pressure oil
−
−
1704
配圧弁
調速機,入口弁,制圧機などに使用され,
サーボモータに油圧又は水圧を分配す
るバルブ。
distributing valve,
control valve
−
−
1705
リレーバルブ
力を増幅して動きを伝える油圧機構。
relay valve
−
−
1706
ダッシュポット
機械式調速機,制圧機などの弾性復原効
果を作りだすもの。
dashpot
−
−
1707
フローティング
レバー
調速機,制圧機などに使用され,独立し
て動くいろいろの支点をもち,その支点
が固定されていないレバー。
floating lever
−
−
1708
サーボモータ
ピストンとシリンダとからなり,油圧に
よってガイドベーン,ニードル,入口弁,
制圧機などを開閉する装置。
注記 入口弁については,油圧に替えて
水圧が利用される例がある。
servomotor
−
−
1709
電動サーボモー
タ
電動機によってガイドベーン,入口弁な
どを開閉するサーボモータ。
electric servomotor
−
−
1710
ハイブリッドサ
ーボモータ
可変速電動機で直接加圧ポンプを自動
制御することによって,主配圧弁や圧油
タンクなどの調速機,圧油装置を不要と
した電気油圧複合式サーボモータシス
テム。
hybrid servomotor
−
−
1711
ロック装置
ガイドベーン,ニードル,入口弁,制圧
機などの開きを指定した位置に機械的
に固定する装置。
locking device
−
−
1712
手動装置
ガイドベーン,ニードル,入口弁,制圧
機などを人力で開閉する装置。
hand operating
device
−
−
1713
エアーブリーザ
圧油装置,潤滑油装置などに設ける開放
形の油タンクにおいて,油面の上下につ
れて空気が出入りしても内圧を大気圧
に保持し,システムが要求する清浄度に
空気をろ過する装置。
air breather
−
−
1714
油冷却装置
圧油,潤滑油などを冷却する装置。
注記 内蔵クーラ式(水冷),別置クー
ラ式(空冷,水冷),ヒートポン
プなどの構成がある。
oil cooler
−
−
1715
油清浄器
使用された油を清浄する装置。
oil purifier
−
−
1716
ストレーナ
給水に必要な水及び水車制御用などに
必要な油をろ過する装置。
strainer
−
−
1717
水位検出器
上水槽,放水庭,排水ピットなどの水位
を検出する装置。
water level detector
−
−
44
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.18 試験
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1801
受入試験
水車(又はポンプ水車)に保証された事
項を立証するために行う試験。主に次の
項目からなる。
1) 耐圧試験
2) 組立検査
3) 調速機性能試験
4) 圧油装置及び潤滑油装置試験
5) 給水装置試験
6) 排水装置試験
7) 水面押下装置試験
8) 運転制御装置試験
9) 負荷遮断試験
10) 入力遮断試験(ポンプ水車だけ実
施)
11) 負荷試験
12) 入力試験(ポンプ水車だけ実施)
13) 効率試験
なお,必要によって材料試験,模型試験
などを行う。
acceptance test
−
−
1802
組立検査
水車(又はポンプ水車)及び附属装置の
組立を行って各部の寸法を測定し,ま
た,ガイドベーン,ランナベーン,ニー
ドル,デフレクタ,入口弁などを操作し
てその動作状況を確認する検査。
shop assembly test
−
−
1803
模型試験
模型水車(又はポンプ水車)を用いて行
う各種試験。
model test
−
−
1804
性能試験
水車(又はポンプ水車)の性能(642)
を求める試験。
performance test
−
−
1805
特性試験
水車(又はポンプ水車)の特性(643)
を求める試験。
characteristic test
−
−
1806
負荷試験
水車が各負荷で振動,漏油,漏水,騒音,
軸受温度その他の異常がなく連続して
運転できることを確認する試験。
load test,
power output test
−
−
1807
入力試験
ポンプ水車のポンプ運転時に振動,漏
油,漏水,騒音,軸受温度,その他の異
常がなく連続して運転できることを確
認する試験。
power input test
−
−
1808
負荷遮断試験
水車の負荷を遮断したときに,ガイドベ
ーン又はニードルが正常に動作し,水車
その他の設備が安全であることを確認
するとともに,水車の水圧変動値又は水
圧変動率,速度変動率及び速度調定率を
測定する試験。
load rejection test
−
−
1809
入力遮断試験
ポンプ水車のポンプ運転で入力を遮断
したときにガイドベーンが正常に動作
し,ポンプその他の設備が安全であるこ
とを確認するとともに,水圧変動などを
測定する試験。
input rejection test
−
−
45
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1810
耐圧試験
水車(又はポンプ水車),調速機及び附
属装置の水圧,油圧又は空気圧を受ける
部分に圧力をかけて所定の圧力に耐え
得ることを確認する試験。
pressure test
−
−
1811
耐圧力
水車(又はポンプ水車),調速機及び附
属装置の水圧,油圧又は空気圧を受ける
部分が安全に耐え得る最大圧力。
withstanding
pressure
−
Pa
1812
調速機特性試験
調速機の組立を行って,所定の性能があ
ることを確認する試験。次の項目からな
る。
1) 各種配圧弁及び機構の動作試験
2) 速度検出部特性
3) 速度調整範囲
4) 不動時間
5) 開き時間
6) 閉鎖時間
7) 比例,積分,微分ゲイン
8) 不動帯
9) 速度調定率
10) 速度垂下率
governor test
−
−
1813
圧油装置及び潤
滑油装置試験
圧油装置及び潤滑油装置の所定の性能
を確認する試験。次の項目からなる。
1) 油圧ポンプ及び潤滑油ポンプの吐
出量試験
2) 動作試験(アンローダ,空気補給装
置,予備機との切替装置,安全弁な
ど)
3) 連続運転試験
4) 圧油タンク容量試験
pressure oil system
test,
lubrication oil
system test
−
−
1814
給水装置試験
給水装置の所定の性能を確認する試験。
次の項目からなる。
1) 給水ポンプの吐出量試験
2) 動作試験(ストレーナ,減圧装置,
予備機との切替など)
3) 連続運転試験
water supply system
test
−
−
1815
排水装置試験
排水装置の所定の性能を確認する試験。
次の項目からなる。
1) 排水ポンプの吐出量試験
2) 動作試験(水位検出器,予備機との
切替など)
3) 連続運転試験
water drainage
system test
−
−
1816
水面押下装置試
験
水面押下装置の所定の性能を確認する
試験。次の項目からなる。
1) 動作試験(水面押下時間,空気補給
時間,安全弁など)
2) 空気圧縮機の連続運転試験
water depression
system test
−
−
46
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1817
運転制御装置試
験
運転制御装置の各部の動作が適正で確
実であることを確認する試験及び個々
の性能試験を実施後,総合的な動作が適
切であることを確認する試験。自動始動
停止試験,保護停止試験などがある。
turbine control and
functional test
−
−
1818
キャビテーショ
ン試験
水車(又はポンプ水車)のキャビテーシ
ョンの発生限界を求め,キャビテーショ
ンによる水車(又はポンプ水車)の特性
変化を求める試験。
cavitation test
−
−
1819
効率試験
水車(又はポンプ水車)の運転状態にお
ける出力(又は入力),流量,効率など
を求める試験。
efficiency test
−
−
1820
流量測定
水車(又はポンプ水車)を通る単位時間
当たりの水量の測定。
flow measurement
−
−
1821
質量法
一定時間に容器に流入する水の質量か
ら流量を測定する方法。次の式から算出
する。
(
)T
'
'
M
M
Q
a
1
2
ρ
ρ−
−
=
′
ここに,Q':流量 (m3/s)
M1:注水前質量 (kg)
M2:注水後質量 (kg)
ρ':水の密度 (kg/m3)
ρa':空気の密度 (kg/m3)
T:注水時間 (s)
weighing method
−
−
1822
容積法
一定時間に容器に流入する水の体積か
ら流量を測定する方法。次の式から算出
する。
T
V
Q'=
ここに,Q':流量 (m3/s)
V:注水体積 (m3)
T:注水時間 (s)
volumetric method
−
−
1823
流速計法
流速計を用いて流量を測定する方法。
current meter
method
−
−
1824
ピトー管法
ピトー管を用いて流量を測定する方法。 Pitot-tube method
−
−
1825
移動幕法
少量の水量を測定するのに適し,流路断
面の形状が一様な水平長方形水路流路
いっぱいに広げた幕を流し,その移動距
離と所要時間とから流量を測定する方
法。
travelling screen
method,
screen method,
curtain method
−
−
1826
塩水速度法
円形断面の水圧管内に塩水を噴射し,水
圧管内に設けた電極でその通過時間を
測定して流量を求める方法。
salt velocity method
−
−
1827
濃度法
導水管又は水路の長い場合に適し,上流
から一定流量で正確に溶液を流し,溶液
が流水中に十分混合した下流において
混合水を採取して,その濃度から元の流
量を測定する方法。
solution method,
dilution method
−
−
47
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
量記号
単位記号
1828
圧力時間法
ガイドベーン又はニードル閉鎖時に水
圧管内に起こる水圧変化を測定し,ガイ
ドベーン又はニードル閉鎖前の流量を
求める方法。
注記 その一つにギブソン法がある。
pressure-time
method
−
−
1829
インデックス法
流路内の適切な2点間の差圧を測定して
流量の相対値を求める方法。
index method,
winter-kennedy
method
−
−
1830
超音波法
超音波を用いて流量を測定する方法。
acoustic method
−
−
1831
誤差
真の値と測定値との差。
error,
uncertainty
−
−
1832
許容差
基準にした値と試験値との差の許容で
きる値。
tolerance
−
−
1833
校正
精密標準計器と対照することによって,
計器の指示値を修正すべき値を求める
こと。
calibration
−
−
1834
校正曲線
計器の指示値をより正しい値に修正す
るため校正値を描いた曲線。
calibration curve
−
−
1835
実物水車
模型水車に対応して用いる,現場に据え
付ける水車。
prototype turbine
−
−
1836
実物ポンプ水車
模型ポンプ水車に対応して用いる,現場
に据え付けるポンプ水車。
prototype
pump-turbine
−
−
1837
模型水車
実物水車の性能を推定するために用い
る,流水部の形状が幾何学的に実物水車
と相似な水車。
model turbine
−
−
1838
模型ポンプ水車
実物ポンプ水車の性能を推定するため
に用いる,流水部の形状が幾何学的に実
物ポンプ水車と相似なポンプ水車。
model pump-turbine
−
−
48
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
水車及びポンプ水車の分類について
序文
この附属書は,水車及びポンプ水車の分類について記載するものであって,規定の一部ではない。
水車及びポンプ水車は,回転の原理,流れの方向及び構造によって,表A.1のように分類される。
表A.1−水車及びポンプ水車の水力学的分類
水車
ポンプ水車
衝動水車
ペルトン水車
なし
ターゴ水車
なし
クロスフロー水車
なし
反動水車
遠心水車
フランシス水車
フランシス形ポンプ水車
斜流水車
デリア水車
デリア形ポンプ水車
軸流水車
カプラン水車
なし
プロペラ水車
セミカプラン水車
チューブラ水車
バルブ形水車 チューブラ形ポンプ水車
ピット形水車
一体形水車
S形水車
注記 クロスフロー水車は,衝動水車及び反動水車の特性を併せもち,それらの中間に
位置づけられる。
[出典]社団法人電気学会 電気規格調査会標準規格 JEC-4001-2006“水車及びポンプ水車”3.1項 表
3.1
49
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
水力発電所新設時の発電原価について
序文
この附属書は,水力発電所新設時の発電原価計算の例について記載するものであって,規定の一部では
ない。
B.1 水力発電所(ただし,揚水発電所はB.2による。)の原価は,次の式によって概算で求めることがで
きる。
a) 発電原価(貨幣単位/kWh)=kWh当たり建設費×年経費率
b) kWh当たり建設費(貨幣単位/kWh)
)
年間発電電力量(
建設費(貨幣単位)
kWh
=
B.2 揚水発電所の原価は,次の概算式によって求めることができる。
a) 発電原価(貨幣単位/kWh)
)
揚水動力費(貨幣単位
)
年間発電運転時間(
年経費率
)
位
当たり建設費(貨幣単
/kWh
h
/kW
kW
+
×
=
b) kW当たり建設費(貨幣単位/kW)
)
設備出力(
建設費(貨幣単位)
kW
=
c) 揚水動力費(貨幣単位/kWh)=揚水電力単価(貨幣単位/kWh)÷揚水総合効率0.7
ここに,“揚水総合効率”とは揚水に用いられたエネルギー量に対する発電エネルギー量と定義され,そ
の率として70 %が一般的に用いられる。
50
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1−横軸単輪単射ペルトン水車(番号507,540)
図2−横軸単輪二射ペルトン水車(番号507,541)
51
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図3−横軸二輪四射両掛ペルトン水車(番号507,542)
図4−立軸単輪四射ペルトン水車(番号507,543)
52
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5−斜めジェット水車(番号508)
図6−クロスフロー水車(番号509)
53
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図7−渦巻ケーシング(番号529,720)
図8−半渦巻ケーシング(番号530,721,723)
54
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図9−横軸単輪単流渦巻フランシス水車(番号510,544)
図10−横軸単輪複流渦巻フランシス水車(番号510,545)
55
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図11−横軸二輪単流渦巻両掛フランシス水車(番号510,536,546)
図12−立軸単輪単流渦巻フランシス水車(番号510,547)
56
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図13−立軸渦巻斜流水車(立軸渦巻デリア水車)(番号511,548)
図14−立軸渦巻固定羽根プロペラ水車(番号512,549)
57
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図15−立軸渦巻カプラン水車(番号514,550)
図16−横軸バルブ水車(番号516,531,551)
58
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図17−立軸バルブ水車(番号516,531,552)
図18−斜軸固定羽根バルブ水車(番号516,531,553)
59
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図19−S形チューブラ水車(番号516,531,554)
図20−ピット形チューブラ水車(番号516,531,555)
60
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図21−一体形チューブラ水車(番号531,556)
図22−立軸渦巻単段フランシス形ポンプ水車(番号568,571)
61
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図23−立軸渦巻斜流形ポンプ水車(立軸渦巻デリア形ポンプ水車)(番号569,572)
図24−横軸チューブラ形ポンプ水車(番号570,573)
62
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図25−立軸単輪単流渦巻フランシス水車(547)
63
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図26−立軸単輪単流渦巻フランシス水車(547)
64
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図27−横軸単輪単流渦巻フランシス水車(544)
1
4
B
0
11
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
65
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図28−立軸渦巻カプラン水車(550)
66
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図29−横軸バルブ水車(551)
1
4
B
0
1
1
9
:
2
0
0
9
67
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図30−横軸単輪二射ペルトン水車(541)
1
4
B
0
1
1
9
:
2
0
0
9
68
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図31−立軸単輪四射ペルトン水車(平面)(543)
図32−立軸単輪四射ペルトン水車(立面)(543)
69
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図33−ちょう形弁(804)
1
4
B
0
1
1
9
:
2
0
0
9
70
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図34−複葉弁(805)
1
4
B
0
1
1
9
:
2
0
0
9
71
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図35−ニードル弁(806)
72
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図36−仕切弁(スルース弁)(807)
73
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図37−ロータリ弁(808)
74
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図38−機械式調速機(902)
75
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図39−電気式調速機(油圧サーボモータ式,補助サーボモータ付)(903)
76
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図40−電気式調速機(油圧サーボモータ式,補助サーボモータ省略)(903)
77
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図41−電気式調速機(電動サーボモータ式)(903)
図42−立形制圧機(1001)
78
B 0119:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図43−横形制圧機(1001)