サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

B 0060-7:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 表面性状の指示方法 ·········································································································· 1 

4.1 一般事項 ······················································································································ 1 

4.2 図示記号の指示位置及び向き ··························································································· 3 

4.3 要求事項の簡略図示 ······································································································· 4 

4.4 筋目の指示 ··················································································································· 5 

4.5 表面処理前後の指示 ······································································································· 7 

附属書A(参考)デジタル製品技術文書情報(DTPD)スコープマトリックス·································· 8 

附属書B(参考)要素間連携 ·································································································· 9 

B 0060-7:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法等の一

部を改正する法律附則第9条により,日本産業標準調査会の審議等の手続を経たものとみなさ

れる。 

JIS B 0060の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 0060-1 第1部:総則 

JIS B 0060-2 第2部:用語  

JIS B 0060-3 第3部:3DAモデルにおける設計モデルの表し方 

JIS B 0060-4 第4部:3DAモデルにおける表示要求事項の指示方法−寸法及び公差 

JIS B 0060-5 第5部:3DAモデルにおける幾何公差の指示方法 

JIS B 0060-6 第6部:3DAモデルにおける溶接の指示方法 

JIS B 0060-7 第7部:3DAモデルにおける表面性状の指示方法 

JIS B 0060-8 第8部:3DAモデルにおける非表示要求事項の指示方法(予定) 

JIS B 0060-9 第9部:DTPD及び3DAモデルにおける一般事項(予定) 

JIS B 0060-10 第10部:組立3DAモデルの表し方(予定) 

日本産業規格          JIS 

B 0060-7:2020 

デジタル製品技術文書情報− 

第7部:3DAモデルにおける表面性状の指示方法 

Digital technical product documentation- 

Part 7: Indication of surface texture for 3D annotated model 

適用範囲 

この規格は,JIS B 0060-1に基づき,一般機械,精密機械,電気機械などの工業分野で用いる3DAモデ

ル(3D annotated model:三次元製品情報付加モデル)における表面性状の指示方法について規定する。 

注記1 この規格における3D指示例は,軸測投影保存ビューだけではなく,3DAモデルを任意の方

向でコンピュータモニタなどに表示した例も含んでいる。 

注記2 この規格では,一部の図に二次元製図による指示例(以下,2D指示例という。)を参考とし

て記載している。 

注記3 この規格と各製造工程との関連範囲を,附属書Aに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0031 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状の図示方法 

JIS B 0060-1 デジタル製品技術文書情報−第1部:総則 

JIS B 0060-2 デジタル製品技術文書情報−第2部:用語 

JIS B 0672-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義 

JIS Z 8114 製図−製図用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0060-2,JIS B 0672-1及びJIS Z 8114による。 

表面性状の指示方法 

4.1 

一般事項 

表面性状の指示方法に関する一般事項は,JIS B 0031及びJIS B 0060-1によるほか,次による。 

a) 表面性状は,通常,設計モデルに表示要求事項として指示する(図1参照)。 

注記 2D指示例(JIS B 0031による)及び3D指示例における表面性状パラメータ(例えば,Ra)

の書体が異なる場合があるが,この規格ではCADで使用できる書体を適用している。 

background image

B 0060-7:2020  

a) 2D指示例 

b) 3D指示例 

図1−表示要求事項の指示例 

b) 表面性状は,要求事項配置面を用いて指示する[図2及びJIS B 0060-4の箇条5(表示要求事項及び

要求事項配置面)参照]。要求事項配置面は,一つの設計モデルの中に複数あってもよい。また,表面

性状の要求事項(例えば,表面性状パラメータ,フィルタの通過帯域,加工方法)は,非表示要求事

項で指示してもよい(図3参照)。 

 1 

要求事項配置面 

図2−要求事項配置面の使用例 

a) 3DAモデル 

b) 加工処理前後の指示(非表示要求事項) 

注記 b)は,a)の表面性状を選択して非表示要求事項を表示させた例。 

図3−表面性状の指示に対する加工処理前後の非表示要求事項による指示例 

F: Fe/Ni15pCrr 
処理前Ra 6.3 
処理後Ra 3.2 

 表面性状 

background image

B 0060-7:2020  

c) 設計モデルに表面性状を指示したときの形体と記号との間で,自動的に関連付けが行われる3D CAD

の機能(以下,要素間連携という。)については,附属書Bを参照する。 

4.2 

図示記号の指示位置及び向き 

図示記号の指示位置及び向きは,次による。 

a) 外殻形体の境界(エッジ)の内側に指示する場合は,黒丸付きの引出線につなげた参照線上に図示記

号を配置する(図4参照)。 

注記 3D CADで指示線を実体の外側に引き出したときの黒丸は,円形の半分が形体内部にうずも

れるため,半円形にしか見えない場合が多い。 

a) 2D指示例 

b) 3D指示例 

図4−図示記号の指示位置の例1 

b) 外殻形体上(表面上)に直接に,図示記号を指示しない。 

c) 外形線の延長線上に指示する場合には,延長線上に図示記号を配置する(図5参照)か,又は延長線

から矢印付きの引出線を引き出し,これにつなげた参照線上に図示記号を配置する(図6参照)。 

この面に対する表面性状の指示 

図5−図示記号の指示位置の例2 

図6−図示記号の指示位置の例3 

background image

B 0060-7:2020  

d) 設計モデルを二次元製図の第三角法及び矢示法による投影図と同様の向きで見たとき,図示記号は,

コンピュータモニタの下側又は右側から読み取れるように指示する(図5参照)。 

e) 誤った解釈をされるおそれがない場合には,図7のように図示記号を寸法線上又は寸法線の延長線上

に指示してもよい。 

図7−図示記号を寸法線上に配置した例 

f) 

誤った解釈をされるおそれがない場合には,図8のように幾何公差の公差記入枠の上側に図示記号を

指示してもよい。 

図8−図示記号を公差記入枠の上側に配置した例 

4.3 

要求事項の簡略図示 

要求事項の簡略図示は,次による。 

a) 同じ要求事項を二つ以上の外殻形体に適用する場合には,形状の個数又は反復を表す記号“×”を用

いて形体の数を参照線の下側に記載して,1か所だけに図示記号を指示してもよい(図5参照)。ただ

し,図示記号と対象となる形体とは,要素間連携(附属書B参照)によって関連付けを行う。 

b) 文字付き図示記号と非表示要求事項とを組み合わせて指示する(図9参照)。 

注記 JIS B 0031の附属書D図1(図面に指示する表面性状の管理項目)のような,曖昧さのない

表面機能の管理に必要な指示を行う場合には,この簡略図示は有用である。 

background image

B 0060-7:2020  

図9−表面性状の文字付き図示記号と非表示要求事項とを組み合わせた指示例 

4.4 

筋目の指示 

筋目の指示は,次による。 

a) 筋目とその方向とは,JIS B 0031の筋目方向の記号によって指示する。 

b) 筋目の指示において,“=”(平行),“⊥”(直角)及び“×”(2方向に交差)の場合は,筋目方向の

記号に続いて,基準となる平面を表す座標系の該当平面を指示する(図10,図11及び図12参照)か,

又は基準となる平面を設計モデル上に指示し,筋目方向の記号に続いて,指示した該当平面を指示す

る(図13参照)。 

なお,“×”(2方向に交差)の筋目の方向は,基準となる平面を表す座標系の該当平面又は設計モ

デル上に指示した平面に対して,斜めで二方向に交差する。 

a) 指示例 

b) 解釈 

図10−筋目の指示及び解釈の例1(平行) 

background image

B 0060-7:2020  

a) 指示例 

b) 解釈 

図11−筋目の指示及び解釈の例2(直角) 

a) 指示例 

b) 解釈 

図12−筋目の指示及び解釈の例3(2方向に交差) 

a) 指示例 

b) 解釈 

図13−筋目の指示及び解釈の例4(平行) 

c) 一方向の筋目は,細い実線の補足幾何形状を用いて表してもよい。このとき,筋目方向の記号は,指

示しない(図14参照)。 

background image

B 0060-7:2020  

筋目の方向を示す補足幾何形状 

a) 2D指示例 

b) 3D指示例 

図14−筋目方向の3D指示例 

4.5 

表面処理前後の指示 

表面処理前後の表面性状を指示する場合には,文字付き図示記号と非表示要求事項とを組み合わせて指

示する(図15参照)。 

F:Fe/Ni15pCrr 処理前Ra 6.3処理後Ra 3.2 

a) 2D指示例 

b) 3D指示例(文字付き図示記号と非表示要求事項と

を適用した例) 

図15−表面処理前後の表面性状の要求事項の指示例 

background image

B 0060-7:2020  

附属書A 

(参考) 

デジタル製品技術文書情報(DTPD)スコープマトリックス 

A.1 規格及びその利用についての情報 

この規格は,デジタル製品技術文書情報(DTPD)の3DAモデルにおける表面性状の指示方法を示す。 

A.2 デジタル製品技術文書情報(DTPD)スコープマトリックスにおける位置付け 

この規格は,表A.1に示すデジタル製品技術文書情報(DTPD)に関わる3DAモデルの基本規格であり,

全ての工程に関わる。 

なお,3DAモデルの中で示さなければならない3DAモデルと当該工程との関係,又は当該工程への指

示事項がある場合についても,表A.1では丸印を付けている。 

表A.1−この規格の関連範囲[デジタル製品技術文書情報(DTPD)スコープマトリックス] 

分類 

工程 

開発・設計 生産準備 

加工 

組立 

検査 

サービス 

三次元製品情報付加
モデル 

モデル管理情報 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

設計モデル 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

製品特性 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

二次元図面 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

デジタル製品技術文書情報(DTPD) 
管理情報 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

三次元製品情報付加
モデルに付加,又は
連携させるデータ 

DMUデータ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

解析データ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

試験データ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

製造データ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

品質データ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

サービスデータ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

background image

B 0060-7:2020  

附属書B 

(参考) 

要素間連携 

B.1 

一般 

3D CADの多くは,設計モデルに表面性状を指示したときの形体と記号との間で,自動的に関連付けが

行われる。 

3DAモデルのもつデジタル技術情報の一つとして,この要素間連携は,必要な機能であり,B.2に代表

的な例を示す。 

なお,要素間連携の規定は,JIS B 0060-4を参照。 

B.2 

要素間連携の例 

要素間連携の例を,図B.1に示す。 

a) 2D指示例 

b) 3D指示例 

 1 

選択(照会) 

表示応答 

c) 3D指示例の解釈 

図B.1−要素間連携の例 

● 

10 

B 0060-7:2020  

参考文献 

[1] JIS B 0060-3 デジタル製品技術文書情報−第3部:3DAモデルにおける設計モデルの表し方 

[2] JIS B 0060-4 デジタル製品技術文書情報−第4部:3DAモデルにおける表示要求事項の指示方法

−寸法及び公差 

[3] JIS B 0420-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第1部:長さに関わるサイズ 

[4] ISO 16792,Technical product documentation−Digital product definition data practices