B 0002-1 : 1998 (ISO 6410-1 : 1993)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS B 0002-1982は改正され,JIS B 0002のこの部及び第3部に置き換え
られる。
JIS B 0002-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 参考文献
JIS B 0002は,次の3部で構成される。
第1部:通則
第2部:ねじインサート
第3部:簡略図示方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 0002-1 : 1998
(ISO 6410-1 : 1993)
製図−ねじ及びねじ部品
−第1部:通則
Technical drawings−Screw threads and threaded parts
−Part 1:General conventions
序文 JIS B 0002のこの部は,1993年に第1版として発行されたISO 6410-1, Technical drawings−Screw
threads and threaded parts−Part 1 : General conventionsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“備考”及び“参考”は,原国際規格にはない事項である。
JIS B 0002は,締結用部品の設計,製造,及び組付けに携わる種々の関係者の間の,情報交換の共通の方
法を供するために作成された。
1. 適用範囲 JIS B 0002のこの部は,ねじ及びねじ部品を図に表す方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,JIS B 0002のこの部の規定の一
部を構成する。これらの規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0002-3 製図−ねじ及びねじ部品−第3部:簡略図示方法
備考 ISO 6410-3 : 1993, Technical drawings−Screw threads and threaded parts−Part 3 : Simplified
representationが,一部を除き,この規格と一致している。
JIS B 0143 ねじ部品各部の寸法の呼び及び記号
備考 ISO 225 : 1983, Fasteners−Bolts, screws, studs and nuts−Symbols and designations of dimensions
からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 1003 ねじ先の形状・寸法
備考 ISO 4753 : 1983, Fasteners−Ends of parts with external metric ISO threadからの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8312 製図に用いる線
備考 ISO 128 : 1982, Technical drawings−General principles of presentationからの引用事項は,この規
格の該当事項と同等である。
JIS Z 8317 製図における寸法記入方法
備考 ISO 129 : 1985, Technical drawings−Dimensioning−General principles, definitions, methods of
execution and special indicationsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
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3. 図示
3.1
ねじの実形図示 ある種の製品技術文書(例えば,刊行物,取扱説明書など)において,単品又は
組み立てられた部品の説明のために,ねじを側面から見た図(1)又はその断面図の実形図示(図1〜3参照)
が,必要となることがある。ねじのピッチ,又は形状のいずれも,一般に厳密な尺度で描く必要はない。
製図では,ねじの実形図示(図1〜3参照)は,絶対に必要な場合にだけ使用するのがよく,つる巻き線
は,可能な限り直線で表すのがよい(図2参照)。
注(1) ねじの軸線に直角な方向から見た図。
図1
図2
図3
3.2
通常図示 通常は,すべての種類の製図では,ねじ及びねじ部品の図示は,慣例によって図4〜7に
示すように単純にする。
3.2.1
ねじの外観及び断面図 側面から見た図及びその断面図で見える状態のねじは,図4〜13に示すよ
うに,ねじの山の頂1)を太い実線(JIS Z 8312による。)で,ねじの谷底2)を細い実線(JIS Z 8312による。)
で示す。
参考 JIS Z 8312による太い実線及び細い実線は,それぞれISO 128のtype A及びtype Bと同等であ
る。
ねじの山の頂と谷底とを表す線の間隔は,ねじの山の高さとできるだけ等しくするのがよい。ただし,
この線の間のすきまは,いかなる場合にも,次のいずれか大きいほうの値以上とする。
− 太い線の太さの2倍
− 0.7 mm
注1) 山の頂は,通常,おねじの外径,及びめねじの内径を指す。
2) 谷底は,通常,おねじの谷の径,及びめねじの谷の径を指す。
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備考1. ある場合,例えば,CADでは,次のようにする。
− 呼び径8 mm以上のねじに対しては,一般に1.5 mmの間隔が受け入れられている。
− 呼び径6 mm以下のねじに対しては,簡略図示が推奨されている(JIS B 0002-3参照)。
3.2.2
ねじの端面から見た図 ねじの端面から見た図において,ねじの谷底は,細い実線で描いた円周の
3/4にほぼ等しい円の一部(図4及び図5参照)で表し,できれば,右上方に4分円を開けるのがよい。
面取り円を表す太い線は,一般に端面から見た図では省略する(図4及び図5参照)。
備考2. 欠円の部分は,直交する中心線に対して,他の位置にあってもよい(図6参照)。
図4
図5
3.2.3
隠れたねじ 隠れたねじを示すことが必要な場所では,山の頂1)及び谷底2)は,図7に示すよう
に細い破線(JIS Z 8312による。)で表す。
参考 JIS Z 8312による細い破線は,ISO 128のtype Fと同等である。
参考 ねじを加工する際に必要な,不完全ねじ部又は逃げ
溝を図示するのがよい。
図6
図7
3.2.4
ねじ部品の断面図のハッチング 断面図に示すねじ部品では,ハッチングは,ねじの山の頂を示す
線まで延ばして描く(図5〜8参照)。
3.2.5
ねじ部の長さの境界 ねじ部の長さの境界は,次による。
− 見える場合には,境界を示す。図示には太い実線を用いる。
− 隠れている場合に,境界を示してもよい。図示には細い破線を用いる。
これらの境界線は,ねじの大径(おねじの外径,又はめねじの谷の径)を示す線で止める(図4,図8
〜11,及び図13参照)。
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
3.2.6
不完全ねじ部 不完全ねじ部は,植込みボルトの植込み側を除き,ねじ部の終端を越えた所である。
不完全ねじ部は,機能上必要な場合(図8参照),又は寸法指示をするために必要な場合(図13参照)
には,傾斜した細い実線で表す。ただし,不完全ねじ部は省略可能であれば,表さなくてもよい(図4,
図5及び図7参照)。
3.3
組み立てられたねじ部品 3.2に規定する通常図示は,ねじ部品の組立にも適用する。ただし,
おねじ部品は,常にめねじ部品を隠した状態で示し,めねじ部品で隠さない(図8及び図10参照)。めね
じの完全ねじ部(2)の限界を表す太い線は,めねじの谷底まで描く(図8及び図9参照)。
注(2)
参考図1参照。
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参考図1
4. ねじ部品の指示及び寸法記入
4.1
呼び方 ねじの種類及びその寸法は,ねじに関する規格に規定する呼び方によって指示をする。
図面に呼び方を指示する場合には,名称及び規格番号は,省略する。
一般に,ねじの呼び方は,次の事項を含む。
− ねじの種類の略号(標準化された記号,例えば,M, G, Tr, HAなど)
− 呼び径又はサイズ(例えば,20, 1/2, 40, 4.5など)
もし必要なら,次の事項を追加する。
− ミリメートルによるリード (L)
− ミリメートルによるピッチ (P)
− ねじ山の巻き方向(4.4参照)
さらに必要なら,次の事項も追加する。
− 該当する規格による公差等級
− ねじのはめ合い長さ(S=短,L=長,N=並)
− 条数
例 (附属書Aに示す国際規格による。)
a) M20×2−6G/6h−LH
b) M20×L3−P1.5−6H−N
c) G 1/2 A
d) Tr40×7
e) HA4.5
4.2
寸法記入
4.2.1
ねじの呼び径dは,常におねじの山の頂1)(図11及び図13参照)又はめねじの谷底2)(図12参
照)に対して記入する。
不完全ねじが機能上必要である場合(例えば,植込みボルト),かつ,そのために明確に図示する場合(図
8及び図13)以外には,ねじ長さの寸法は,一般にねじ部長さ(図11参照)に対して記入する。
備考3. ねじ先の寸法(JIS B 1003参照)は,ねじ部長さ (b) 又は呼び長さ (l) に含めるのがよい。
参考 JIS B 1003によるおねじ部品のねじ先の寸法は,ISO 4753の規定内容と同等である。
すべての寸法は,JIS Z 8317及びJIS B 0143によるか,又は4.3によって表示をする。
参考 JIS Z 8317による寸法の表し方は,ISO 129の規定内容と同等であり,JIS B 0143によるねじ部
品各部の寸法の呼び及び記号は,ISO 225の規定内容と同等である。
4.3
ねじ長さ及び止まり穴深さ ねじ長さ寸法は一般に必要であるが,止まり穴深さは,通常,省略し
てもよい。
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止まり穴深さ表示の必要性は,主として部品自身,又はねじ加工に使用する工具のいかんによる。穴深
さの寸法を指定しない場合には,ねじ長さの1.25倍程度に描く(図14参照)。また,図15に示すような
簡単な表示を使用してもよい。
図14
図15
4.4
ねじ山の巻き方向の指示 右ねじは,一般に,特記する必要はない。左ねじは,ねじの呼び方に略
号LHを追加して示す。同一部品に右ねじ及び左ねじがある場合には,それぞれ双方に示す。右ねじは,
必要なら,ねじの呼び方に略号RHを追加して示す。
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B 0002-1 : 1998 (ISO 6410-1 : 1993)
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附属書A(参考) 参考文献
[1] ISO 228-1 : 1982, Pipe threads where pressure-tight joints are not made on the threads−Part 1 : Designation
dimensions and tolerances.
備考 JIS B 0202-1982(管用平行ねじ)に規定するねじの表し方は,同等である。
[2] ISO 261 : −3), ISO general-purpose metric screw threads−General plan.
備考 JIS B 0205-1982(メートル並目ねじ),及びJIS B 0207-1982(メートル細目ねじ)に規定する
ねじの表し方は,異なる。
[3] ISO 262 : −4), ISO general-purpose metric screw threads−Selected size for screws, bolts and nuts.
備考 JIS B 0207-1982(メートル細目ねじ)に規定するねじの表し方は,異なる。
[4] ISO 965-1 : 1980, ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 1 : Principles and basic data.
備考 JIS B 0209-1982(メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差),及びJIS B 0215-1982(メート
ルねじ公差方式)に規定するねじの表し方は,異なる。
[5] ISO 2902 : 1977, ISO metric trapezoidal screw threads−General plan.
備考 JIS B 0216-1987(メートル台形ねじ)に規定するねじの表し方は,同等である。
[6] ISO 5835 : 1991, Implants for surgery−Metal bone screws with hexagonal drive connection, spherical
under-surface of head, asymmetrical thread−Dimensions.
[7] International guide to screw threads−Symbols, profiles and designations of threads in standards of various
countries, Beuth Verlag, Berlin.
注3) 原国際規格の発行時点で,近く発行の予定(ISO 261 : 1973の改正)
4) 原国際規格の発行時点で,近く発行の予定(ISO 262 : 1973の改正)
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ねじ製図JIS原案作成WG 構成表
氏名
所属
(主査)
中 込 常 雄
中込技術士事務所
(幹事)
西 山 信 夫
株式会社名古屋螺子製作所
(委員)
池 田 雅 俊
通商産業省機械情報産業局
桑 田 浩 志
トヨタ自動車株式会社
田 中 誠之助
株式会社佐賀鉄工所
中 村 智 男
日本ねじ研究協会
福 島 彰
日本船舶標準化協会
福 永 太 郎
東京都立工科短期大学(名誉教授)
本 間 清
工業技術院標準部
吉 本 勇
東京工業大学(名誉教授)
(事務局)
杉 田 光 弘
財団法人日本規格協会技術部国際整合化規格室
大 芦 誠
財団法人日本規格協会技術部国際整合化規格室
文責 西山 信夫