2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8952-1995
建築工事用シート
Fabric sheets for construction shelters
1. 適用範囲 この規格は,繊維製の織編生地を主材として作った帆布製シート及び網地製シート(以下,
メッシュシートという。)による建築工事用シート(以下,シートという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格は,次に示す。
JIS G 3444 一般構造用炭素鋼管
JIS G 3554 きっ甲金網
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
JIS L 1096 一般織物試験方法
JIS S 9021 はとめ及びアイレットリング
JIS Z 9001 抜取検査通則
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考値
である。
2. 種類 シートの種類は,次のとおりとする。
1類:シートだけで落下物による危害防止に使用されるもの。
2類:シートと金網を併用し,落下物による危害防止に使用されるもの。
備考1. メッシュシートは,網目の寸法が12mm以下のものをいう(図1参照)。
図1 メッシュシートの網目
2. 金網は,JIS G 3554に規定する金網で,網目呼称が13mm以下,線径0.9mm以上のもの又は
これと同等以上の性能をもつ金網をいう。
3. 品質
3.1
外観 シートの外観は,次による。
2
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 縫目の目とび,縫い外れがなく,かつ,縫い代は,ほぼ均一でなければならない。
(2) 融着部のゆがみ,外れがあってはならない。
(3) 切れ,破れ,形のゆがみ,織りむらなどの使用上有害な欠点があってはならない。
3.2
性能 シートの性能は,6.によって試験し,表1の規定に適合しなければならない。
表1 シートの性能
項目
1類
2類
引張強さ×伸び(1)
kN・mm {kgf・mm}
49.0 {5 000} 以上で1試験片の
最低が44.1 {4 500} 以上
−
引張強さ
N {kgf}
−
490 {50} 以上
引裂強さ(2)
N {kgf}
対応する方向の引張強さの5 %
以上かつ49.0 {5} 以上
対応する方向の引張強さの5 %
以上
接合部引張強さ(3)
引張強さの70 %以上
はとめ強さ
N {kgf}
2.45L {0.25L}(4)以上
1.47L {0.15L}(4)以上
耐貫通性
貫通又はシートが著しい損傷を
生じないこと
−
防炎性
薄地(5)のものはJIS L 1091のA-1法の区分3及びD法の区分2に
適合するもの。
厚地(6)のものはJIS L 1091のA-2法の区分3及びD法の区分2に
適合するもの。
注(1) 縦,横各々3個の試験片の測定値について引張強さ×伸びの値を求め,各々の平
均をその方向の引張強さ×伸びの値とする。
(2) 縦,横各々に対応する方向の引張強さの測定値に対する割合。
(3) 融着,縫製などによるシート材相互の接合で,縦,横各々の接合部のそれに対応
する方向の引張強さの測定値に対する割合。
(4) Lは,はとめの間隔 (mm)
(5) シートの質量が450g/m2以下のもの。
(6) シートの質量が450g/m2を超えるもの。
4. 構造 シートの構造は,次による。
(1) シートの各辺の縁部は,はとめ金具が容易に外れない構造でなければならない。
(2) はとめの材料及び外観は,JIS S 9021に規定する3.(材料)及び5.(外観)に適合するものを用い,
はとめの穴径は8mm以上とする。
5. 形状・寸法 シートの形状・寸法及びはとめの間隔は,表2のとおりとする。
表2 シートの形状・寸法及びはとめの間隔
単位 mm
幅×長さ
幅及び長さの許容差
はとめの間隔 L
備考
1 800×3 600
1 800×5 400
3 600×5 400
幅方向±20
長さ方向±30
450以下
主として鋼製単管足場用
及び木製足場用
1 800×3 400
1 800×5 100
主として鋼製枠組足場用
備考 上記以外の幅及び長さについては,受渡当事者間の協定によって定めるものとす
る。
3
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 試験
6.1
数値の換算 従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ
の換算は,次による。
1 kgf=9.80 N
6.2
引張強さ及び伸び試験 シートの引張強さ及び伸び試験は,JIS L 1096の6.12.1(1)[A法(ストリッ
プ法)]の重布類に準じた定速伸長形試験機によって行い,引張強さN {kgf} 及び伸び (mm) を求める。
メッシュシートの場合の試験片の幅は,縦,横それぞれ30cmの区間で,糸本数の最も少ない測り方で,
その糸本数を数え,試験片はその101の糸本数の幅とする。ただし,糸本数の小数点以下は切り捨てる。
6.3
引裂強さ試験 シートの引裂強さ試験は,JIS L 1096の6.15.4[C法(トラペゾイド法)]による。
ただし,メッシュシートの試験片は,図2に示すように切れ目は網目の中央とし,切れ目を入れる糸の端
部から1cmの切れ目を入れ,この切れ目が糸にかかった場合は,その糸は切断する。
図2 引裂強さ試験片
6.4
接合部引張強さ試験 接合部引張強さ試験は,シート材相互の接合部を荷重方向と直角方向に図3
に示す試験片のほぼ中央部に位置させ,6.2の試験方法によって行う。
4
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図3 接合部引張強さ試験片
6.5
はとめ強さ試験 はとめ強さ試験は,シートの長さ方向及び幅方向のそれぞれについて,図4に示
すように,シートの縁から約30cmのところで,はとめ組付け部分がほぼ中央となるように,幅約45cmの
つかみ金物で固定して引っ張る。引張速度は1分間当たり約20cmとし,長さ方向のはとめ強さ及び幅方
向のはとめ強さを,そのときに示す最大荷重N {kgf} で表し,長さ方向,幅方向各々3回の平均値で表す
(有効数字3けたまで)。ただし,異常に切れたものは除く。
図4 はとめ強さ試験
6.6
耐貫通性試験 シートの貫通性試験は,図5に示すように,水平面に対し30度傾斜している試験枠
(7)に供試シートを緩みのないように取り付け,図7に示す質量5kgの落体(8)を,フレーム縁面レベルから
上方3mの高さから円筒チップを下方にした状態で落下点に自由落下させ,シートの貫通及び破断の有無
を調べる。落下点は,シートの中心とする。
注(7) 試験枠はJIS G 3444に規定するSTK 500の鋼管とし,図6に示す形状及び寸法のものとする。
(8) 落体は,図7に示す形状及び寸法のものとし,チップ部及び円柱部の材料は,JIS G 4051に規
定するS 45 C又はこれと同等以上の性能とする。
5
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.7
防炎性試験 シートの防炎性試験は,JIS L 1091に規定する3.(1)A法(燃焼試験)のうち,(a)A-1
法(45°ミクロバーナ法)又は(b)A-2法(45°メッケルバーナ法)及び3.(4)D法(接炎試験)による。
図5 シートの貫通試験装置の一例
6
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図6 試験枠
図7 落体
7. 検査
7.1
検査は,JIS Z 9001によってロットの大きさを決定し,次に示す試料を用いて行う。
(1) 外観 引張強さ×伸び,引張強さ,引裂強さ,接合部引張強さ,はとめ強さ,防炎性及び形状・寸法
の検査は,ランダムに3枚の試料を抜き取って行う。
なお,引張強さ×伸び,引張強さ,引裂強さ及び防炎性の試験は,縫製又は融着加工前のシートで
代用することができる。
(2) 耐貫通性の検査は,(1)以外にランダムに3枚の試料を抜き取って行う。
7
A 8952-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.2
引張強さ×伸び,引張強さ及び引裂強さの検査は,各々の試料の平均値が3.の規定に適合すれば,
そのロットを合格とする。
7.3
外観,耐貫通性,防炎性及び形状・寸法の検査は,各々の試料が3.及び5.の規定に適合すれば,そ
のロットを合格とする。
7.4
接合部引張強さ及びはとめ強さの検査は,各々の試料の平均値が3.の規定に適合すれば,そのロッ
トを合格とする。
8. 表示 シートには,次の事項を容易に消えない方法で見やすい箇所に表示する。
(1) 種類
(2) 製造業者名又はその略号
建築工事用シート改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
岸 谷 孝 一
東京大学名誉教授
石 井 一 夫
横浜国立大学
立 石 真
建設省住宅局
増 田 優
通商産業省生活産業局
林 康 夫
通商産業省生活産業局
加 藤 康 宏
工業技術院標準部
木 下 英 敏
消防庁
木 下 鈞 一
労働省産業安全研究所
福 島 深
財団法人日本防炎協会
斉 藤 文 春
財団法人住宅部品開発センター
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
青 木 義 清
清水建設株式会社
麻 薙 恒 男
大成建設株式会社
井 上 恵 司
鹿島建設株式会社
森 下 節 男
株式会社大林組
池 田 一 男
社団法人仮設工業会
加 藤 鍈 一
東レ株式会社
遊 佐 伸 彦
株式会社クラレ
岡 本 悠治郎
帝人株式会社
坂 井 忠 勝
ユニチカ株式会社
神 谷 邦 明
協和商事株式会社
小 峰 徹
小峰ハンプ株式会社
森 幸三郎
株式会社伊藤シート産業
平 岡 義 次
平岡織染株式会社
梶 原 弘 光
カンボウプラス株式会社
(事務局)
松 山 秀 雄
日本帆布製品工業組合連合会