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A 8920:2009 (ISO 3449:2005) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 通則······························································································································· 3 

5 台上試験························································································································· 4 

5.1 試験設備 ······················································································································ 4 

5.2 試験条件 ······················································································································ 5 

5.3 試験手順 ······················································································································ 6 

6 性能要求事項 ··················································································································· 8 

6.1 FOPS ··························································································································· 8 

6.2 一体形FOPS/ROPS ········································································································ 8 

6.3 材料基準 ······················································································································ 8 

7 表示······························································································································· 9 

8 試験結果の報告 ··············································································································· 10 

附属書A(規定)試験報告書の様式 ························································································ 11 

A 8920:2009 (ISO 3449:2005) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設

機械化協会(JCMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS A 8920:1995は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

A 8920:2009 

(ISO 3449:2005) 

土工機械−落下物保護構造− 

台上試験及び性能要求事項 

Earth-moving machinery-Falling-object protective structures- 

Laboratory tests and performance requirements 

序文 

この規格は,2005年に第5版として発行されたISO 3449を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,JIS A 8308に規定する搭乗式の土工機械に使用することを意図する落下物保護構造(以下,

FOPSという。)の構造特性を調べるための台上試験,及び代表試験における性能要求事項について規定す

る。これは,機械の一部として供給されるFOPS及び機械の附属品として供給されるFOPSの双方に適用

する。ランドフィルコンパクタ,ショベル系掘削機,ローラ,トレンチャ,パイプレーヤ,アタッチメン

ト操作用の追加座席(例えば,アタッチメントとしてのバックホウ)及び出力15 kW未満の機械にFOPS

を適用することは,意図していない。 

注記1 この規格は,転倒時保護構造又は落下物保護構造についての製造業者のための指針を与える

ため,これらの土工機械又は他の機械の特殊仕様機にこのような保護装置が必要な場合に適

用できる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3449:2005,Earth-moving machinery−Falling-object protective structures−Laboratory tests and 

performance requirements (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語 

注記 対応国際規格:ISO 6165,Earth-moving machinery−Basic types−Vocabulary (IDT) 

JIS A 8910 土工機械−転倒時保護構造−試験及び性能要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 3164,Earth-moving machinery−Laboratory evaluations of protective structures

−Specifications for deflection-limiting volume及びISO 3471,Earth-moving machinery−Roll-over 

A 8920:2009 (ISO 3449:2005) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

protective structures−Laboratory tests and performance requirements(全体評価:MOD) 

JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト 

注記 対応国際規格:ISO 898-1,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel

−Part 1: Bolts, screws and studs (IDT) 

JIS B 1052 鋼製ナットの機械的性質 

注記 対応国際規格:ISO 898-2,Mechanical properties of fasteners−Part 2: Nuts with specified proof 

load values−Coarse thread及びISO 898-6,Mechanical properties of fasteners−Part 6: Nuts with 

specified proof load values−Fine pitch thread(全体評価:MOD) 

JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 148-1,Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 1: Test method 

(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

落下物保護構造,FOPS(falling-object protective structure) 

頭上への落下物(木,岩石,小さいコンクリートブロック,手工具など)に対し,適切に運転員を保護

するように取り付けた構造。 

3.2 

転倒時保護構造,ROPS(roll-over protective structure) 

機械が転倒した場合,シートベルトを着けた運転員が押しつぶされる可能性を減らすことを第一の目的

とする構造。 

注記 構造物の要素は,ROPSを機械フレームに取り付けるためのサブフレーム,ブラケット,取付

具,ソケット,ボルト,ピン,サスペンション又は可とう(撓)性ショックアブソーバを含む

が,機械フレームと一体構造の取付座は含まない。 

3.3 

たわみ限界領域,DLV(deflection-limiting volume) 

通常の服装でヘルメットを装着した着席男子大柄運転員の近似的箱形形状。 

注記 JIS A 8910の附属書1(土工機械−保護構造の室内評価試験−たわみ限界領域の仕様)参照。 

3.4 

衝撃保護レベルI(level I impact protection) 

道路補修工事,土地造成,その他の建設現場などで落ちてくる小形の落下物[例えば,れんが(煉瓦),

小さいコンクリートブロック,手工具]による衝撃に対する強度。 

3.5 

衝撃保護レベルII(level II impact protection) 

現場の障害物除去,頭上の解体作業又は森林作業に使用される機械で,落ちてくる重い落下物(例えば,

倒木,岩石)による衝撃に対する強度。 

3.6 

代表試験(representative test) 

材料,寸法及び製造に関する要求事項が,生産形のFOPSの典型であるような供試体による試験。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

通則 

FOPSは,運転室の構造に組み込んでもよい。 

この試験手順は,一般にFOPSの破壊を伴い,構造物に永久変形を起こさせるものであるが,落下物体

による実際の落下衝撃は多様であり,これによる構造物の変形を再現するものではない。 

機械の実地での使用に基づき,衝撃に対する保護として次の2種のレベルの性能基準を規定する。 

a) レベルI:丸い試験重錘の1 365 Jのエネルギーに相当する高さからの落下に対する保護[図1 a) 及び 

図2 a) 参照]。 

b) レベルII:円筒状の試験重錘の11 600 Jのエネルギーに相当する高さからの落下に対する保護[図1 b) 

及び図2 b) 参照]。 

試験重錘の落下高さは,図1に示すように質量の関数として定義する。 

注記 この基準に合格するFOPSは,機械が上から打撃される場合に考え得るあらゆる状況下で,運

転員を保護するものではない。しかし,少なくともa) 及びb) の条件の下で,屋根を突き破る

のを防ぐことが期待できる。 

例 45 kg×9.807 m/s2×3.1 m≒1 365 J 

a) レベルⅠエネルギー要求曲線 

図1−落下試験物体がエネルギー要求事項を満足するための高さ及び質量 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例 227 kg×9.807 m/s2×5.22 m≒11 600 J 

b) レベルⅡエネルギー要求曲線 

図1−落下試験物体がエネルギー要求事項を満足するための高さ及び質量(続き) 

台上試験 

5.1 

試験設備 

5.1.1 

試験重錘で,衝撃を与える面は試験時に自身の変形を防止する性状のものとし,次による。 

− レベルⅠ試験に対して,図2 a) に示す中実の鋼製又は鋳鉄製の円筒で,典型的には質量45 kgで直径

200 mm〜250 mmの球状の接触面をもつもの。 

− レベルⅡ試験に対して,図2 b) に示す中実の鋼製又は鋳鉄製の円筒で,典型的には質量227 kgのも

の。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

単位 mm 

a) レベルⅠ:質量45 kg 

b) レベルⅡ:質量227 kg 

記号 

d1 

204 mm 

l1≒102 mm 

d2 

255 mm〜260 mm 

l2≒109 mm 

d3 

203 mm〜204 mm 

l3≒584 mm 

注記1 実寸は例として示す。 
注記2 箇条4のa) 及びb) に示すエネルギーを与える持ち上げ高さに見合う試験重錘の質量によって,規定の寸法

は変更してもよい。試験重錘の寸法は,質量及び要求するエネルギーを与える持ち上げ高さ(図1によって
決定)に関係する。 

注a) つり上げアイボルト用ねじ穴をあけてもよい。 

図2−試験重錘の例 

5.1.2 

次の手段を与える試験設備とする。 

a) 試験重錘を所要高さまで持ち上げる。 

b) 重錘を拘束なしに落下させる。 

c) 試験で,FOPSがたわみ限界領域(以下,DLVという。)内へ侵入するかを判定する。 

c) の判定手段は,5.1.3又は5.1.4のどちらでもよい。 

5.1.3 

直立に置き,FOPSのいかなる部分でもDLVへ侵入したことが分かる材質で作ったDLVとする。 

FOPSカバーの下面にグリス又は他の適切な物質を塗布して侵入が分かるようにしてもよい。 

DLV及びその位置は,JIS A 8910の附属書1(土工機械−保護構造の室内評価試験−たわみ限界領域の

仕様)による。DLVは,機械の運転席と同じ位置にしっかり取り付け,試験期間中動いてはならない。 

5.1.4 DLVに対するFOPSの想定されるたわみを測定するための,動的な測定の正確さ±5 %の適切な動

的計測システムとする。 

5.2 

試験条件 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.1 

試験台 

評価するFOPSは,実際に機械に使用する場合と同じ状態で機械フレームに取り付けなければならない。 

必ずしも実機全体を使用する必要はないが,FOPSをとう(搭)載する箇所は,実機と同等とし,試験

台の垂直方向の剛性は,5.2.2に規定する実機よりも小であってはならない。 

5.2.2 

FOPSの機械への装着 

FOPSを機械に装着する場合には,次による。 

− 製造業者の規定する作業装置は,取り付けられていてもよい。 

− すべての土工装置は,正規の走行姿勢に置く。 

− 空気タイヤを含むすべての懸架装置は,運転時の状態とし,可変懸架装置は,最も硬い状態とする。 

− 窓,通常取外しのできるパネル,又は構造物以外の取付け部品のような,すべての運転室の部品は,

それらがFOPSの強度に寄与しないようにするため取り外す。 

5.3 

試験手順 

5.3.1 

FOPS 

試験の手順は次によって,記述の順序で行う。 

a) 試験重錘を,レベルⅡではその小端部を下向きにして,FOPSの衝撃試験位置の上方に置く。衝撃試

験位置は,DLV頂部平面の垂直投影を含むか又は一部にかかるようにしなければならず,それについ

て次の3種の場合及び図3に規定する。FOPSの主要構造部材は,FOPSの変形に重大な影響があるの

で,次の各ケースで,考慮に入れる必要がある。 

1) FOPSの上部主要水平部材が,FOPSの上面部におけるDLVの投影範囲内に入らないとき,落下試

験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面に対して最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限り近くな

るようにする[図3 a) 参照]。 

2) FOPSの上部主要水平部材が,DLVの垂直投影内にあり,DLVの上方表面全部を覆う材料及び厚さ

が均一のとき,落下試験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面若しくはその一部に向かって又は接線方

向に対して(構造による)最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限り近く,上部主要水平部材

から離れた範囲とする[図3 b) 参照]。 

3) DLV上方に異なった種類の材料,又は厚さの均一でない材料を使用している場合は,それぞれの面

を衝撃試験の対象としなければならない。落下試験重錘の衝撃位置を,DLV頂部平面若しくはその

一部に向かって又は接線方向に対して(構造による)最大の変形を生じ,FOPSの図心にできる限

り近く,上部主要水平部材から離れた範囲とする。 

なお,FOPSの上部覆いに切欠きがあって,これを適切に保護する装置で埋めるようになってい

るときは,その装置は,試験中は切欠きを埋める位置とする[図3 c) 参照]。 

b) 試験重錘を,a) に示す位置で,箇条4のa) 又はb) で規定している試験対象のFOPSの形式に応じた

エネルギーに相当する高さまで鉛直上方に引き上げる。 

c) 試験重錘を拘束されることなくFOPSの上に落下するように解放する。 

試験重錘を自由落下させてa) による正確な位置・姿勢で打撃するのは難しいので,次の偏差の限

界を設ける。 

− レベルIIのFOPSについては,試験重錘小端部の最初の打撃は,半径200 mmの円内に入らなけれ

ばならない。この円の中心は,a) に規定した試験重錘の垂直中心円と一致する。 

− レベルIのFOPSについては,試験球の打撃は,半径100 mmの円内に入らなければならない。こ

の円の中心は,a) に規定した試験重錘の垂直中心円と一致する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− レベルIIのFOPSについては,試験重錘とFOPSとの最初の接触は,小端部・それに隣接する曲線

部だけでなければならない(図2参照)。 

はね返りによるその後の打撃の位置又は姿勢については,何ら制限はない。 

5.3.2 

一体形FOPS/ROPS  

一体形FOPS/ROPSで,同一の構造物をFOPS及びROPSの両方の評価に使用する場合,5.3.1によるFOPS

試験をROPS試験(JIS A 8910参照)に先だって実施しなければならない。この場合,くぼみの修正又は

FOPSの上部覆いの交換を行ってもよい。 

注記 主要構造部材で囲われるFOPSの図心が,範囲ABCD内にある場合。 

a) ケース1 

注記 FOPSの面積ABCは面積DEFGよりも小さく,DLVの垂直投影面積がABCで決まる部分より

も大きい場合。 

b) ケース2 

図3−試験の衝撃位置 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 衝撃位置の一つはFOPSの面積ABCD内,もう一つは面積EFGH内にある場合。 

c) ケース3 

記号 

FOPSの図心 

衝撃位置 

図3−試験の衝撃位置(続き) 

性能要求事項 

6.1 

FOPS 

FOPSの保護能力は,キャブ又は保護構造が箇条5に規定する試験の衝撃に耐えるか否かで判断する。

FOPSはDLVの垂直投影を完全に覆っていなければならない。試験重錘による最初の打撃又ははね返りの

打撃で保護構造のいかなる部分もDLVに侵入してはならない。試験重錘がFOPSに侵入した場合には,

FOPSは試験に不合格とみなす。 

6.2 

一体形FOPS/ROPS 

ROPS及びFOPSを兼用している構造物の場合,FOPSはJIS A 8910に規定しているROPSの性能要求事

項も適宜同時に満たさなければならない。 

一体形FOPS/ROPSのFOPSは,6.1によらなければならない。 

6.3 

材料基準 

6.3.1 

材料要求事項 

衝撃要求事項に加えて,FOPSがぜい(脆)性破壊に対して十分な抵抗をもつことを保証するために,

材料要求事項を設ける。この要求事項は,必ずしも使用状況に対応したものではない。材料要求事項は,

FOPSのすべての構造部材が6.3.2及び6.3.3に規定する機械的要求事項に合致する材料で構成されている

場合は,通常の試験設備の温度で,試験重錘の打撃を与えることによって確認できる。代替法として,す

べての構造部材を−18 ℃又はそれ以下として,試験重錘の打撃を与えることによって確認できる。厚さが

2.5 mm 以下で,最大炭素含有量が0.20 %の鋼材は,シャルピー要求事項を満足するものとみなす。 

6.3.2 

ボルト及びナット 

構造に使用するボルトは,JIS B 1051に規定する強度区分8.8,9.8若しくは10.9又はこれらと同等以上

の性能をもつものとし,構造に使用するナットは,JIS B 1052に規定する強度区分8若しくは10又はこれ

らと同等以上の性能をもつものとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3.3 

構造部材 

FOPS構造部材及びこれを機械に取り付けるのに使用する材料は,−20 °C又は−30 °Cにおいて,表1

に規定するシャルピーVノッチ衝撃 (CVN) 試験値に適合するか,又はこれらと同等以上の性能をもつも

のとする。 

注記 シャルピーVノッチ衝撃試験による評価は,元来,鋼材のじん(靱)性についての品質管理上

のチェックのためのものであって,表示された温度は必ずしも直接に使用条件に関係するもの

ではない。 

試験片は,ロールの圧延方向にとり,FOPSとして成形又は溶接する前の板材,管材,形鋼などからと

らなければならない。管又は形鋼の試験片は,最長寸法の中央部から採り,溶接部を含んではならない。

JIS Z 2242参照。 

表1−最小シャルピーVノッチ衝撃強度 

試験片寸法 

mm 

エネルギー値 

−30 ℃ 

−20 ℃ b) 

10×10 a) 

11 

27.5 

10× 9 

10 

25 

10× 8 

9.5 

24 

10× 7.5 a) 

9.5 

24 

10× 7 

22.5 

10× 6.7 

8.5 

21 

10× 6 

20 

10× 5 a) 

7.5 

19 

10× 4 

17.5 

10× 3.3 

15 

10× 3 

15 

10× 2.5 a) 

5.5 

14 

注a) 推奨寸法を示す。試験片の寸法は,材料の許容する範囲で推奨寸法の最大寸法を下回ってはならない。 

b) −20 ℃におけるエネルギー要求値は,−30 ℃における規定値の2.5倍とする。 

なお,衝撃エネルギー強度には,その他の,例えば,ロール方向,降伏点,粒塊形成,溶接といった要因

も影響する。鋼材の選定に当たってはこれらのことも考慮しなくてはならない。 

表示 

すべてのFOPSにラベルを取り付けなければならない,構造物がFOPS及びROPSの性能要求事項の双

方を満たす場合には,ROPSに関する表示はJIS A 8910によらなければならない。 

ラベルは,半永久的なもので,構造物に半永久的に取り付けられなければならない。ラベル及びその内

容は読みやすい大きさでなければならない。 

ラベルは構造上の容易に見ることのできる位置に取り付け,耐候性がなければならない。 

ラベルは,最小限次の情報を与えなければならない。 

a) FOPSの製造業者名又は組立業者名及び住所 

b) FOPSの識別番号(ある場合は) 

c) 保護構造が取り付けられるよう設計されている機械の製造業者名及び型式又は製造識別番号 

d) 保護構造が満たしているすべての性能要求事項及びそれを満足しているレベルを規定している国際規

格番号(国の規制を含めてもよい。) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) FOPSの製造年(機械の附属品の場合は本体とは別に。) 

f) 

FOPS/ROPSラベル組合せの場合は,a)〜c) の事項は必ず含むものとする。 

g) 製造業者は,適切と思われる指示事項をラベルに記載してもよい(例えば,取付け,修理又は交換に

関する情報)。 

試験結果の報告 

試験報告は,試験結果を含まなければならない。報告書の様式に関しては,附属書Aによる。 

11 

A 8920:2009 (ISO 3449:2005) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

試験報告書の様式 

序文 

この附属書は,試験報告書の様式について規定する。 

A.1 識別 

A.1.1 機械 

形式 

製造業者名 

型式 

製品識別番号 

機械車体部品番号 

A.1.2 FOPS 

製造業者名 

型式 

製造番号(可能な場合) 

FOPS(ROPSを含んでもよい)部品番号 

A.2 試験機関の提供する情報 

A.2.1 試験重錘に関する記述 

試験した衝撃保護レベル:      

質量:      kg 

落下試験高さ:      m 

試験重錘寸法(又は図示) 

打撃位置に関する記述でDLVに対する位置を示す。 

A.2.2 写真 

試験重錘及び試験前の試験全景写真 

必要に応じ,試験後のFOPS頂部及び底部を示す写真 

A.2.3 試験結果 

A.2.3.1 衝撃試験 

試験重錘でFOPSのいかなる部分もDLVに侵入せず,また,FOPSの貫通もない試験重錘のエネルギ 

ー:      J 

A.2.3.2 材料基準 

試験は    ℃におけるFOPS及び機械フレームで実施した,又は, 

FOPS及びROPS(又はFOPS上部覆い)の金属製構造部材に対するシャルピーVノッチ衝撃強度の証明 

ボルト及びナット(6.3.2参照)に対する強度クラスの要求の確認(6.3.2参照):           

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12 

A 8920:2009 (ISO 3449:2005) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.3 結論 

この試験でJIS A 8920(レベルⅠ又はⅡ)の最小性能要求事項を,満足している。 

試験日:           

試験機関の名称及び住所:                                

試験者署名:           

報告書作成日:          

参考文献  

[1] JIS A 8922 土工機械−油圧ショベル−運転員保護ガードの試験及び性能要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 10262, Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Laboratory tests and 

performance requirements for operator protective guards (IDT)