2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8422-2-1996
土工機械−ダンプトラック−
第2部:重ダンプトラックの仕様書様式
Earth-moving machinery−Dumpers−
Part 2 : Standard form of specifications on off-highway dumpers
1. 適用範囲 この規格は,主として土工作業などに使用する公道外を自走するホイール式ダンプトラッ
ク(以下,重ダンプトラックという。)の仕様書の様式及びその記入要領について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS A 8303 車輪式建設機械の回転半径測定方法
JIS A 8420 トラクタの用語,仕様書様式及び性能試験方法
JIS A 8803 ダンプトラックの性能試験方法
JIS D 0006 建設機械用ディーゼルエンジンの仕様書様式及び性能試験方法
JIS D 5301 自動車用鉛蓄電池
JIS K 2202 自動車ガソリン
JIS K 2204 軽油
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 重ダンプトラック 公道外を自走するホイール式の車両で,開放された荷台をもち,他の機械によっ
て荷台に積み込まれた土砂などを輸送し,放荷又は ま(撒)きだす機械。
(2) 空車状態 車両の積み荷は空であるが,燃料,冷却水,潤滑油などを規定量とし,運行に必要な装備
をした状態。ただし,乗員,予備部品,工具,その他の携帯物品は除く。
(3) 最大積載質量 製造業者が定めた荷台に積載できる最大質量。
(4) 最大積載状態 空車状態の車両に乗車定員及び最大積載質量の荷を積載した状態。
(5) 機械総質量 最大積載状態における質量。ただし,製造業者が指定するキャブ,ROPS(1)などを装備し,
乗車定員の質量を1名当たり75kgとする。
注(1) ROPS : Roll-over protective structure 転倒時保護構造
(6) 運転質量 機械総質量から最大積載質量を除いた質量。
(7) 機械質量 空車状態における質量
(8) 出荷質量 空車状態の本体に,製造業者が指定するキャブ,ROPSなどを加えた質量。ただし,燃料
はタンク容量の10%とする。
(9) キャブ,キャノピ又はROPSの質量 本体への取付具を含めたキャブ,キャノピ又はROPSの質量。
(10) 質量配分 機械総質量及び運転質量の各車軸に配分される質量。
(11) エンジン定格出力 JIS D 0006に規定する定格出力。
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(12) 最高走行速度 乗員1名が搭乗した空車状態において,乾燥した平たんな直線路で出し得る最高速度。
(13) 最大けん引力 良好な土地条件において,空車状態及び最大積載状態で,機械の出し得る最大のけん
引力。
なお,最大けん引力は,機械の質量及び路面の状態によって制約されるが,計測はJIS A 8803によ
る。
(14) 放荷及び復帰時間 放荷時間は,荷台が上昇を開始してから終わるまでの時間又はドア若しくはエジ
ェクタが作動開始してから終わるまでの時間。復帰時間は,上昇した空荷の荷台が元の位置まで降下
するまでの時間,又はドア若しくはエジェクタが復帰するまでの時間。
なお,計測は,エンジンを定格回転速度とし,最大積載状態で行う。
(15) 最小回転半径 JIS A 8303による回転半径。
(16) ブレーキ性能 走行ブレーキ及び非常ブレーキは最大積載状態で,駐車ブレーキは空車状態で,車両
を制動するために要求される性能。
3. 仕様書の様式 仕様書の様式は,付表1による。ただし,目的に応じて追加又は省略することができ
る。
なお,必要に応じて全体図などの図面を添付する。
4. 仕様書記入要領 仕様書の記入順序及び記入要領は,次による。
(1) 車両形式名称 製造業者名略称,呼び名,車両名称の順序に記入する。
(2) 製造業者名 製造業者名を記入する。
(3) 主要寸法 主要寸法は,原則として空荷の状態で,次の項目について記入する。
(3.1) 全長 重ダンプトラック全体の最大長さ。
(3.2) 全幅 重ダンプトラック全体の最大幅。
(3.3) 全高 重ダンプトラックの最高部までの高さ。
(3.4) 軸距 前車軸と後車軸間の水平距離。ただし,タンデム形状の場合は,車輪中心はボギー軸の中間
線とする。
(3.5) タンデム軸距 ボギーの前輪及び後輪の中心距離。
(3.6) 輪距 前輪及び後輪の左右タイヤの水平面に接地した状態での中心距離。
(3.7) 最低地上高さ 最大積載状態の重ダンプトラックのほぼ中心線付近における最低部のGRPからの
高さ。その箇所を付記する。
(3.8) 荷台上縁地上高さ 空荷の荷台側板上縁面の最も高い位置のGRPからの高さ。
(3.9) ダンプ時最大地上高さ 荷台を最上昇したとき,荷台の最も高い位置のGRPからの高さ
(3.10) ダンプ時荷台後縁最低地上高さ 荷台を最上昇したとき,荷台の最も低い位置の地表面からの高さ。
(3.11) ダンプ時荷台床面傾斜角 荷台を最も上昇させた状態で,荷台下面のGRPに対する移動角。
(3.12) 荷台内側寸法 荷台内側の長さ,幅及び最大深さ。
(3.13) 荷台容積 JIS A 8803によって計測した平積容量及び山積容量。
(4) 質量及び質量配分 質量及び質量配分は,次の項目について記入する。
(4.1) 機械総質量 2.(5)の値。キャブ,ROPSなどの有無を付記する。
(4.2) 運転質量 2.(6)の値。
(4.3) 最大積載質量 2.(3)の値。
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(4.4) 質量配分 2.(10)の値。
(5) 性能 性能は,次の項目について記入する。
(5.1) 最高走行速度 2.(12)の値。
(5.2) 走行性能(登坂) 走行性能曲線を添付する(付図1参照)。
(5.3) 走行性能(降坂) リターダ性能曲線を添付する(付図2参照)。
(5.4) 最大けん引力 2.(13)の値。
(5.5) ブレーキ停止距離 JIS A 8803の11.2.1(4.1.2)による走行ブレーキだけの操作によって停止できる距
離。
なお,このときの想定初速度を併記する。
(5.6) 登坂能力 機械総質量の状態で登坂できる最大傾斜角度。
(5.7) 最小回転半径 JIS A 8303によって,最大かじ取り角で回転したとき,最も外側になる車輪の路面
との接触面の中心の作る軌跡の半径及び重ダンプトラックの最外側の描く機械最外側回転半径を記
入する。
(6) エンジン エンジンは,次の順序に従い記入する。
(6.1) 名称 製造業者名略称,呼び名及び種類。
(6.2) 形式 サイクル,冷却方式,シリンダ配置,燃焼室形式,過給方式など。
(6.3) シリンダ数−内径×行程 単位はミリメートル (mm) とする。
(6.4) 総行程容積 単位はミリリットル (ml) とする。
(6.5) 性能
(a) 定格回転速度 単位は毎分回転数 (min-1) とする。
(b) 定格出力 2.(11)の値。
(c) 最大トルク 単位はニュートン・メートル (N・m) とし,そのときの回転速度を付記する。
(d) 燃料消費率 定格出力における燃料消費率 (g/kW・h)。
(6.6) 燃料系統
(a) 燃料 JIS K 2202, JIS K 2204などによる種類。
(b) 調速機 遠心式・空気式・油圧式などの別及びオールスピード式・最高最低式などの別。
(6.7) 潤滑系統
(a) 潤滑方式 はねかけ式・歯車ポンプ圧送式などの別。
(b) ろ過方式 フルフロー式・バイパス式などの別。
(c) 冷却方式 空冷式・水冷式などの別。
(6.8) 空気清浄器 遠心式・油槽式・ろ紙式などの別。
(6.9) 充電発電機 直流・交流の別,電圧及び出力。
(6.10) 始動電動機 電圧及び出力。
(6.11) 蓄電池 JIS D 5301などによる種類,電圧,容量及び個数。
(7) 動力伝達装置 伝動順序に従い,伝動方式別に次の順序で記入する。
(7.1) 機械式の場合
(7.1.1) 主クラッチ 乾式・湿式の別及び単板・複板の別。
(7.1.2) トルクコンバータ
(a) 名称 製造業者名又はその略称及び呼び名。
(b) 形式 要素数,段数及び相数。
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(c) ストールトルク比
(7.1.3) 変速機
(a) 形式 遊星歯車式・多軸歯車式・ベルト式などの別。
(b) 変速方式 滑りかみ合い式・常時かみ合い式・等速かみ合い式などの別。
(c) 操作方式 手動式・自動変速式(オートマチック)などの別。
(d) 変速段数 前進,後進の各速度段数。
(7.1.4) 減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(7.1.5) 差動機 歯車形式及び減速比。
(7.1.6) 終減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(7.2) 油圧式の場合
(7.2.1) ポンプ
(a) 名称 製造業者名又はその略称及び呼び名。
(b) 形式 歯車式・ピストン式・ベーン式などの別及び固定式・可変式の別。
(c) 容量及び個数 1回転当たりの理論最大吐出し量及び個数。
(7.2.2) モータ
(a) 名称 製造業者名又はその略称及び呼び名。
(b) 形式 歯車式・ピストン式などの別及び固定式・可変式の別。
(c) 容量及び個数 1回転当たりの理論最大押しのけ容積及び個数。
(7.2.3) 設定圧 リリーフバルブの設定圧。
(7.2.4) 減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(7.2.5) 差動機 歯車形式及び減速比。
(7.2.6) 終減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(7.3) 電気式の場合
(7.3.1) 方式 発電機,電動機の組合せの別。
(7.3.2) 発電機
(a) 名称 製造業者名又はその略称及び呼び名。
(b) 形式 直流・交流の別。直流の場合は,電機子と界磁回路との接続方法(直巻式,分巻式など)。交
流の場合は,相数など。
(c) 定格出力 発電機の定格出力とそのときの電圧,電流。
(d) 定格回転速度 定格出力時の回転速度。
(7.3.3) 電動機
(a) 名称 製造業者名又はその略称及び呼び名
(b) 形式 直流・交流の別。直流の場合は,電機子と界磁回路との接続方法(直巻式,分巻式など)。交
流の場合は,相数など。
(c) 定格出力 電動機の定格出力とそのときの電圧,電流。
(d) 定格回転速度 定格出力時の回転速度。
(7.3.4) 減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(7.3.5) 差動機 歯車形式及び減速比。
(7.3.6) 終減速機 歯車形式,段数及び減速比。
(8) 車軸及び車輪 車軸及び車輪は,次の項目について記入する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(8.1) 前車軸 構造形式。
(8.2) 後車軸 構造形式。
(8.3) 車輪配列 車輪総数×駆動輪数。
(9) タイヤ タイヤは,次の項目について記入する。
(9.1) タイヤ サイズ,プライレーティング及び使用空気圧。
(10) かじ取り装置 かじ取り装置は,次の項目について記入する。
(10.1) 形式 機械式・油圧式・電気式及びアーティキュレートの別。
(10.2) 操作機構 機械式・油圧式・電気式などの別。
(11) ブレーキ装置 ブレーキ装置は,次の項目について記入する。
(11.1) 走行ブレーキ 形式(前輪制動・後輪制動・前後輪制動などの別),構造(内部拡張式・ディスク式・
外部収縮式などの別)及び作動形式(空気式・油圧式・機械式などの別)。
(11.2) 非常ブレーキ 形式,構造,作動形式及び操作形式。
(11.3) 駐車ブレーキ 形式(車輪制動,推進軸制動などの別),構造(内部拡張式・ディスク式・外部収縮
式などの別)及び操作形式。
(11.4) リターダ 形式とその操作形式。
(12) 懸架装置 懸架装置は,次の項目について記入する。
(12.1) 前輪 形式。
(12.2) 後輪 形式。
(13) フレーム フレームは,次の項目について記入する。
(13.1) 形式及び形状 一体式・アーティキュレート式などの別,及びフロントフレーム中央部付近の形状
(箱形・円形・I形など)。
(13.2) アーティキュレート角度 最大屈折時におけるフロントフレーム中心線とリヤフレーム中心線との
なす角度。
(14) ダンプ装置 ダンプ装置は,次の項目について記入する。
(14.1) ダンプ方式 ダンプの方式(リヤダンプ・ボトムダンプ・サイドダンプの別)
(14.2) 荷台形状 荷台の形状(V形・スクープエンド形などの別)。
(14.3) 油圧ポンプ
(a) 形式・個数 形式(歯車形,ベーン形,ピストン形などの別)及び個数。
(b) 吐出し量・吐出し圧力 エンジン定格回転速度及び油温約50℃における値。
(14.4) ダンプシリンダ 形式及び本数。
(15) 水・油類の種類及び容量 水・油類の種類とその容量を記入する。
(a) 冷却水 放熱器,エンジンなどを含めた容量。
(b) 燃料タンク 燃料タンクの規定容量。
(c) エンジンオイルパン 使用油の種類及び規定量。
(d) 主クラッチ 使用油の種類及び規定量。
(e) トルクコンバータ 使用油の種類及び規定量。
(f) 変速機 使用油の種類及び規定量。
(g) 減速機及び差動機 使用油の種類及び規定量。
(h) 終減速機 使用油の種類及び規定量。
(i) かじ取り装置 使用油の種類及び規定量。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(j) ブレーキ装置 使用油の種類及び規定量。
(k) 油圧装置 作動油の種類及び規定量。
(16) 附属品及び附属工具 附属品及び附属工具の名称(標準工具など)と数。
(17) その他 その他必要と思われる事項を記入する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 重ダンプトラック仕様書様式
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 走行性能曲線(例)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 リターダ性能曲線(例)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
藤 本 義 二
株式会社エミック
藤 野 達 夫
通商産業省機械情報産業局
天 野 徹
工業技術院標準部
西 本 徳 生
労働省労働基準局安全衛生部
今 岡 亮 司
建設省建設経済局
吉 田 正
建設省土木研究所材料施工部
石 原 晴 美
建設省建設大学校建設部
永 盛 峰 雄
千葉工業大学
杉 山 庸 夫
社団法人日本建設機械化協会
倉 田 恒 三
マルマ重車輌株式会社
杉 本 豊
株式会社小松製作所技術本部
吉 田 雄 彦
三菱重工業株式会社相模原製作所
小 栗 匡 一
新キャタピラー三菱株式会社技術部
服 部 士 朗
小松メック株式会社技術管理室
矢 仲 哲太郎
株式会社神戸製作所建設・汎用機械本部
渡 辺 正
日立建機株式会社マーケッティング本部
北 崎 誠
東洋運搬機株式会社竜ケ崎工場
杉 山 篤
水資源開発公団第一工務部
小 室 一 夫
西松建設株式会社平塚製作所
根 尾 紘 一
株式会社熊谷組工事総合本部機材部
水 口 弘
株式会社大林組東京本社機械部
山 岸 宏 充
大成建設株式会社機械部
木 村 隆 一
鹿島建設株式会社土木技術本部
高 野 漠
日本鋪道株式会社
野 村 昌 弘
国土開発工業株式会社
(事務局)
川 合 雄 二
社団法人日本建設機械化協会
大 橋 秀 夫
社団法人日本建設機械化協会