A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定では,対応する国際規格に整合させるために,ISO 7546 : 1983を基礎として用いた。
JIS A 8421-○は,一般名称を“土工機械−ローダ”として,次の各部によって構成する。
第1部:用語及び仕様項目
第2部:仕様書様式及び性能試験方法
第3部:バケット定格容量
第4部:最大掘起し力及び持上げ力測定方法
第5部:定格積載質量の計算及び検証方法
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8421-3 : 1998
(ISO 7546 : 1983)
土工機械−ローダ−
第3部:バケット定格容量
Earth-moving machinery−Loaders−
Part 3 : Bucket volumetric ratings
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 7546, Earth-moving machinery−Loader and front
loading excavator buckets−Volumetric ratingsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,ローダ及びローディングショベルのバケットに積載される代表的な材料の容量を算出
する手順について規定する。この容量は,バケットの内部寸法によって定まる平積容量と,その上部に積
載される山部の容積とからなる。
1.2
この方法は,形状の複雑なバケットを簡単な幾何学的形状に分割してバケット容量を算出する。
1.3
この方法は,バケットの容量を比較するためのもので,実際の積載量を規定するものではない。
図1 バケット
2
A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8421-1 土工機械−ローダ−第1部:用語及び仕様項目
備考 ISO 7131 : 1997, Earth-moving machinery−Loaders−Terminology and commercial specifications
が,この規格と一致している。
JIS A 8403-1 土工機械−油圧ショベル−第1部:用語及び仕様項目
備考 ISO 7135 : 1993, Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Terminology and commercial
specificationsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 適用条件
3.1
バケットのつめ,つめ取付部,ガセットなどの部分的不連続部は,バケット容量に含めない。
3.2
バケットの後ろ側から荷こぼれする材料に対して,機械又は運転員を保護するため,バケットに装
着された格子状又は溝付きのバックシートは,容量計算に含めない。同じ機能をもつ穴あきでないバック
シートは,それがバケットと一体のときは計算に含めてもよい。
3.3
X/Yが12を超えるバケットだけを計算の対象とする(図2参照)。
図2 不規則な側板のX及びY
4. 定義・記号
4.1
バケットの構成要素 (bucket component) 図1及びJIS A 8421-1,JIS A 8403-1参照。
4.2
平積平面 (strike plane) カッティングエッジからバックシートまでのバケット幅を横切る平面(5.
を参照して各種のバケット形状に適用)。
4.3
平積容量 (struck volume) Vs 平積平面から下の容積。
4.4
山部の容積 (top volume) VT 平積平面から1 : 2こう配の材料の容積。
4.5
定格(山積)容量 (rated bucket volume) VR 平積容量と山部の容積の合計。
3
A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
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VR=Vs+VT
5. 定格(山積)容量
5.1
基本バケット バックシートは側板の後縁をつなぐ線から突出せず,カッティングエッジは側板の
前縁をつなぐ線から突き出していない。
5.1.1
平積平面は,図3に示すとおりバックシートの上縁とカッティングエッジとを通る面とする。
5.1.2
図3に示す式によって定格(山積)容量を算出する。
図3 基本バケット
5.2
突き出した直線形状のカッティングエッジをもつバケット カッティングエッジは,幅方向に直線
で,側板の前縁をつなぐ線から突き出しており,バックシートは,側板の後縁をつなぐ線から突き出して
いない。
5.2.1
平積平面は,図4に示すとおり突き出したカッティングエッジと,バックシートの上縁とを通る。
5.2.2
図4に示す式によって定格(山積)容量を算出する。
4
A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
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図4 突き出した直線形状のカッティングエッジをもつバケット
5.3
突き出したバックシートをもつバケット バックシートは,側板の後縁をつなぐ線から突き出して
おり,カッティングエッジは,側板の前縁をつなぐ線から突き出していない。
5.3.1
平積平面は,図5に示すとおり,突き出したバックシートと,切刃の上縁とを通る面とする。
5.3.2
図5に示す式によって定格(山積)容量を算出する。
図5 突き出したバックシートをもつバケット
5.4
不規則な形状のカッティングエッジをもつバケット カッティングエッジが側板の前縁をつなぐ線
から突き出していて,その形状が幅方向に直線でなく,バックシートは,側板の後縁をつなぐ線から突き
出していない
5
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5.4.1
平積平面は,図6に示すとおり突き出したカッティングエッジの31の位置を通る仮想横断線と,バ
ックシートの上縁とを通る面とする。
5.4.2
図6に示す式によって定格(山積)容量を算出する。
図6 不規則な形状のカッティングエッジをもつバケット
5.5
突き出したカッティングエッジ及び突き出したバックシートをもつバケット 直線又は不規則形状
のカッティングエッジは,側板の前縁をつなぐ線から突き出し,バックシートは,側板の後縁をつなぐ線
から突き出している。
5.5.1
平積平面は,図7に示すとおりバックシートの上縁と,直線形状切刃の上縁か,不規則形状のカッ
ティングエッジの点(5.4.1参照)とを通る面。
5.5.2
図7に示す式によって定格(山積)容量を算出する。
6
A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図7 突き出したカッティングエッジ及び突き出したバックシートをもつバケット
6. 容量の表示方法
6.1
バケットの定格(山積)容量は,平積容量と,山部の容積の合計とし,立方メートル (m3) で表示す
る。
6.2
定格(山積)容量は,表1に示す最小単位を用いて表示する。ただし,算出された容量が表示容量
より2%を超えて下回る場合は,一段低い表示とする。
表1
単位 m3
定格容量の範囲
最小単位
0.6以下
0.02
0.6を超え 1.5以下
0.05
1.5を超え 2.5以下
0.1
2.5を超え 5.0以下
0.2
5.0を超え 10.0以下
0.5
10.0を超える
1.0
7
A 8421-3 : 1998 (ISO 7546 : 1983)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
土工機械分野国際整合化調査委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 大 橋 秀 夫
学識経験者
中 島 誠
通商産業省機械情報産業局
○ 本 間 清
工業技術院標準部
高 橋 元
労働省労働基準局安全衛生部
山 元 弘
建設省建設経済局建設機械課
吉 田 正
建設省土木研究所材料施工部
○ 杉 山 庸 夫
社団法人日本建設機械化協会
○ 藤 本 義 二
株式会社石垣
○ 橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会技術部
青 木 智 成
鹿島建設株式会社建設総事業本部機械部
小 室 一 夫
西松建設株式会社平塚製作所
青 山 俊 行
日本鋪道株式会社工務部
根 尾 紘 一
株式会社熊谷組購買部
青 木 義 清
株式会社アクティオ営業推進部
中 野 澄 男
大成建設株式会社安全・機材本部機械部
○ 川 本 正 治
住友建機株式会社設計開発室
○ 大 原 誠 一
コマツ建機事業本部カスタマーサポート本部
○ 小 栗 匡 一
新キャタピラー三菱株式会社相模事業所技術部
○ 谷 仲 哲太郎
株式会社神戸製鋼所(建機・汎用)統括部
○ 宮 本 康 民
三菱重工業株式会社相模原製作所車両・機器技術部
○ 渡 辺 正
日立建機株式会社品質保証本部
(事務局)
○ 川 合 雄 二
社団法人日本建設機械化協会
○ 西 脇 徹 郎
社団法人日本建設機械化協会
備考 ○印は,小委員会兼任を示す。