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A 8340-4:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3A 油圧ショベル特有の重大な危険源のリスト ·········································································· 3 

4 安全要求事項及び/又は安全方策 ························································································ 3 

4.1 一般 ···························································································································· 3 

4.2 乗降用,移動用設備(Access) ························································································· 3 

4.3 運転席 ························································································································· 3 

4.4 操縦装置 ······················································································································ 4 

4.5 旋回ブレーキ ················································································································ 5 

4.6 安定性及び安全装置 ······································································································· 5 

4.6A 騒音 ·························································································································· 6 

4.7 履帯式ミニショベルの駐車ブレーキ ··················································································· 6 

4.8 脚式油圧ショベル特有の要求···························································································· 6 

5 安全要求事項・安全方策の検証 ··························································································· 6 

6 使用上の情報 ··················································································································· 6 

6.1 取扱説明書 ··················································································································· 6 

附属書JA(参考)油圧ショベル特有の重大な危険源のリスト ······················································· 8 

附属書JB(規定)油圧ショベルの旋回ブレーキに対する要求事項 ················································· 9 

附属書JC(規定)長尺作業装置付き油圧ショベルの要求事項 ······················································ 11 

附属書JD(参考)代表的な機種の例 ······················································································· 27 

附属書JE(規定)非爆発環境下の地下作業に用いる油圧ショベルに対する要求事項 ························ 33 

参考文献 ···························································································································· 34 

附属書JF(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 35 

A 8340-4:2011  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設

機械化協会(JCMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。 

これによって,JIS A 8340-4:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS A 8340(土工機械−安全)の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS A 8340-1 第1部:一般要求事項 

JIS A 8340-2 第2部:ブルドーザの要求事項 

JIS A 8340-3 第3部:ローダの要求事項 

JIS A 8340-4 第4部:油圧ショベルの要求事項 

JIS A 8340-5 第5部:ダンパ(重ダンプトラック及び不整地運搬車)の要求事項 

JIS A 8340-6 第6部:機械式ショベルの要求事項 

JIS A 8340-7 第7部:グレーダの要求事項 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

A 8340-4:2011 

土工機械−安全−第4部:油圧ショベルの要求事項 

Earth-moving machinery−Safety− 

Part 4: Requirements for hydraulic excavators 

序文 

この規格は,JIS B 9700-1(機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方

法論)に記述するタイプC規格(個別機械安全規格)である。 

このタイプC規格の条項がタイプA規格又はB規格で規定する条項と異なる場合,このタイプC規格

の条項がそれらの規格の条項より優先する。 

関連する機械類及び対象とする危険源,危険状態及び危険事象の範囲は,この規格の適用範囲に示す。 

この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 20474-5を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。また,この規格では,特定の国又は地域で要求する事項を記載しているISO/TS 

20474-14の中から,日本で要求される事項及び必要に応じて関係する項目を併せて基礎としている。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JFに示す。 

適用範囲 

この規格は,JIS A 8308で定義した油圧ショベルに対する安全要求事項について規定する。 

注記1 この規格を適用する代表的な機種を,附属書JDに示す。 

この規格は,土工機械類に共通の安全要求事項を規定したJIS A 8340-1:2011と併せて用いるが,この規

格で規定した事項は,JIS A 8340-1:2011よりも優先する。 

この規格は,製造業者が意図した使用及び予見し得る誤使用の条件下で,直接関わる全ての油圧ショベ

ル特有の重大な危険源,危険状態及び危険事象を考慮している。この規格は,稼動,運転及び保全中の重

大な危険源,危険状態及び危険事象から起こるリスクを除去し,又は低減するための適切な技術的手段を

具体的に示している。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 20474-5:2008,Earth-moving machinery−Safety−Part 5: Requirements for hydraulic 

excavators(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

A 8340-4:2011  

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JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語 

JIS A 8317-2 土工機械−運転員位置における放射音圧レベルの決定−動的試験条件 

JIS A 8319 土工機械−走行速度の測定方法 

JIS A 8340-1 土工機械−安全−第1部:一般要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 20474-1:2008,Earth-moving machinery−Safety−Part 1: General requirements

(MOD) 

JIS A 8403-1 土工機械−油圧ショベル−第1部:用語及び仕様項目 

注記 対応国際規格:ISO 7135:1993,Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Terminology and 

commercial specifications(MOD) 

JIS A 8403-4 土工機械−油圧ショベル−第4部:バケットの定格容量 

注記 対応国際規格:ISO 7451:1997,Earth-moving machinery−Volumetric ratings for hydraulic 

excavator buckets and backhoe loader buckets(IDT) 

JIS A 8421-3 土工機械−ローダ−第3部:バケット定格容量 

注記 対応国際規格:ISO 7546:1983,Earth-moving machinery−Loader and front loading excavator 

buckets−Volumetric ratings(IDT) 

JIS A 8921 土工機械−ミニショベル横転時保護構造(TOPS)−試験方法及び性能要求項目 

注記 対応国際規格:ISO 12117:1997,Earth-moving machinery−Tip-over protection structure (TOPS) 

for compact excavators−Laboratory tests and performance requirements(IDT) 

JIS A 8922 土工機械−油圧ショベル−運転員保護ガードの試験及び性能要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 10262:1998,Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Laboratory tests 

and performance requirements for operator protective guards(IDT) 

JIS D 0006-1 土工機械−機関−第1部:ネット出力試験方法 

ISO 10567:2007,Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Lift capacity 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 8340-1及びJIS A 8403-1によるほか,次による(附属書

JD参照)。 

3.1 

油圧ショベル 

自走する履帯式又は車輪式の機械で,通常360°旋回できる上部旋回体をもち,作業中は下部走行体を

停止したままで,油圧で駆動するブーム,アーム及びバケットの作動によって土砂などを掘削,旋回及び

放土するもの。 

注記 油圧ショベルは,マテリアルハンドリング及び運搬にも使用する。 

3.1.1 

超小旋回形油圧ショベル 

狭あい(隘)な現場でも作業できるよう通常下部走行体全幅とほぼ同等(+20 %以下)の幅以内で旋回

できる後端旋回半径とフロント最小旋回半径とをもつように設計した油圧ショベル。 

3.1.2 

後方超小旋回形油圧ショベル 

旋回時に車体後方の安全を確保するよう,上部旋回体の後端旋回半径が下部走行体全幅の120 %以内で

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

全旋回できるが,フロント最小旋回半径の全旋回は120 %を超える油圧ショベル。 

3.1.3 

ミニショベル 

運転質量(JIS A 8320参照)が6 000 kg以下の油圧ショベル。 

3.2 

脚式油圧ショベル(Walking excavator) 

(対応国際規格ではこの用語を定義しているが,国内にはない仕様のため不採用とした。) 

3.3 

長尺作業装置付き油圧ショベル 

スーパロングフロント,伸縮アーム,テレスコピッククラムシェル,解体ロングフロントなど特別に大

きな作業半径をもった作業装置を装着した油圧ショベル。 

3.4 

マテリアルハンドリング 

次のアタッチメントを用いた油圧ショベルの用途。 

a) 任意の姿勢がとれるように2点支持のアタッチメントを装着し,対象物をつかみ又は保持して持ち上

げ,任意の位置に運搬及び/又は位置決めする作業。 

b) 1点支持されたアタッチメントを用いた集材に使用する作業。 

3A 油圧ショベル特有の重大な危険源のリスト 

リスクアセスメントの結果,油圧ショベルの重大な危険源として特定され,そのリスクを取り除く又は

減じる手段が要求される全ての危険源,危険状態及び危険事象は,附属書JAのリストによる。 

安全要求事項及び/又は安全方策 

4.1 

一般 

油圧ショベルは,JIS A 8340-1の安全要求事項,安全方策及びこの箇条で規定した油圧ショベル特有の

要求事項に適合しなければならない。 

なお,非爆発環境の地下作業に用いる油圧ショベルに対する要求事項については附属書JEによる。 

4.2 

乗降用,移動用設備(Access) 

(対応国際規格ではこの項を規定しているが,JIS A 8340-1の4.2を適用するため不要とした。) 

4.3 

運転席 

4.3.1 

運転席回りの最小空間 

運転席回りの最小空間は,JIS A 8340-1の4.3.1.2によるほか,次による。 

− 前窓を天井に格納できる油圧ショベルでは,JIS A 8340-1の4.3.2.5にかかわらず,前窓をキャブ内に

格納した状態で,SIPから上方の高さが920 mmを下回ってはならない。 

− 運転質量(JIS A 8320参照)が1 500 kg未満のミニショベルには,適用しない。 

4.3.2 

運転員の保護装置 

4.3.2.1 

運転員保護ガード 

運転員保護ガードは,JIS A 8340-1の4.3.3にかかわらず,次による。 

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A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

油圧ショベルは,JIS A 8922に規定する運転員保護ガードを装着できるように設計しなければならない。

製造業者は,保護ガードをオプションで準備していることを使用者に知らせ,使用者は用途に応じたリス

クに従って選択しなければならない。 

解体工事における油圧ブレーカ作業など,破片の飛来による危険が生じる場合は,運転室の前面に安全

ガラスを使用し,及び/又はキャブなし機械においてもこのような危険を防止するための適切な保護装置

を備えなければならない。 

注記 労働安全衛生規則第153条に,JIS A 8922に規定する運転員保護ガードのレベルIより要求エ

ネルギーが若干大きいヘッドガードの規定がある。 

4.3.2.2 

横転時保護構造 

横転時保護構造は,JIS A 8340-1の4.3.3にかかわらず,次による。 

超小旋回形ショベル及び運転質量が2 200 kg以下の後方超小旋回形を除くミニショベルには,JIS A 8921

に適合する横転時保護構造(以下,TOPSという。)を装備する。 

4.3.3 

運転座席 

4.3.3.1 

ミニショベルの座席調整 

JIS A 8340-1の4.4.1.3のミニ土工機械に関する規定は,運転質量(JIS A 8320参照)が2 200 kgを超え

るミニショベルにだけ適用する。 

4.3.3.2 

拘束装置(シートベルト) 

JIS A 8340-1の4.4.1.5は,運転質量が2 200 kgを超えるTOPS付きミニショベル,及び運転質量が    

6 000 kgを超える油圧ショベルに適用する。 

4.3.3.3 

振動 

JIS A 8340-1の4.4.1.4は,油圧ショベルには適用しない。 

4.3.4 

後窓 

油圧ショベルの後窓には,JIS A 8340-1の4.3.2.7のデフロスタ及び4.3.2.9のウインドワイパ及びウォッ

シャの規定を適用しない。 

4.4 

操縦装置 

操縦装置は,JIS A 8340-1の4.5.1によるほか,次による。 

a) ブームスイング及び/又はオフセット操作ペダルは,運転員の右足の届くところにペダルが位置し, 

− 横踏式では,ペダル右側を下方に動かすとブームが時計回りに回転し,ペダル左部を下方に動かす

と反時計回りに回転するものとする。 

− 縦踏式では,ペダル位置がブームフート中央より左にある場合は,ペダル前部を下方に動かすとブ

ームが時計回りに回転し,ペダル後部を下方に動かすと反時計周りに回転するものとする。ペダル

位置がブームフート中央より右にある場合は,逆回りに回転するものとする。 

ペダルの位置がブームフート中央のすぐ近くにあるなど,誤操作を誘発する位置にあってはならな

い。 

b) JIS A 8340-1の4.6.1によるほか,次による。 

− 走行及び操向用操作装置の動作は,上部旋回体が通常の走行方向でない場合は,意図した方向と一

致する必要はない。 

− 走行装置,作業装置及びブレーキの各操作部分は,運転のために必要な視界を妨げてはならない。 

c) JIS A 8340-1の4.6.2は,JIS A 8319に従って測定した走行速度が30 km/hを超える油圧ショベルにだ

け適用する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5 

旋回ブレーキ 

旋回ブレーキは,附属書JBによる要求事項に適合しなければならない。 

4.6 

安定性及び安全装置 

4.6.1 

一般 

安定性及び安全装置は,JIS A 8340-1の4.11によるほか,この規格の4.6.2〜4.6.4による。 

次に規定した全ての定格容量は,機械が水平かつ堅固な地盤上における試験及び/又は計算に基づくも

のである。 

定格荷重及び作業装置の大きさ及び/又は容量の決定には,作業装置及びクイック着脱装置(装着して

いる場合)の質量とともに,負荷の質量,密度及び重心の位置を考慮しなければならない。 

十分な安定性を保つために,意図した運転における定格荷重は,4.6.2による。 

4.6.2 

バケット及びショベル用途 

バケット及びショベル用途に用いる油圧ショベルの定格容量は,次の二つの値のいずれか小さい方とす

る。 

a) 最も不利な位置におけるISO 10567:2007の3.8に従った定格転倒荷重 

b) ISO 10567:2007の3.11(ただし,“lift”は“持上げ”とする。)に従った油圧持上げ能力 

バケット又はショベルの定格容量は,JIS A 8403-4又はJIS A 8421-3による。 

注記 バケットを特殊な用途に用いる場合は,バケット質量,定格容量及び土壌の比重を考慮しなけ

ればならない。 

4.6.3 

林業用途(Log application) 

(対応国際規格ではこの用途を規定しているが,国内にはない仕様に関する規定のため不採用とした。) 

4.6.4 

マテリアルハンドリング用途 

4.6.4.1 

一般 

マテリアルハンドリング時の取扱物の定格荷重及び/又は容量は,4.6.4.2による。 

4.6.4.2 

定格荷重及び/又は容量 

マテリアルハンドリングにおける各種用途の定格荷重及び/又は容量は,ISO 10567:2007の3.13(ただ

し,“lift”は“持上げ”とする。)に従った定格持上げ能力を基に,扱い得る物体の長さ,形状,比重及び

関連する法規などを考慮して,製造業者が決める。 

4.6.4.3 

定格荷重及び/又は容量の表示 

各種用途のマテリアルハンドリングに応じた定格荷重及び/又は容量を,運転室に表示する。 

4.6.4.4 

つかみ具の安全性 

つかみ具は,次の条件を満たさなければならない。 

− 運転席からつかみ具の開閉を操作でき,つかみ力はつかみ物を空中に保持できる大きさとする。 

− つかみ装置は意図しない緩みを防止する設計とする。 

4.6.4.4A 

長尺作業装置付き油圧ショベルの安定性及び安全装置 

スーパロングフロント,伸縮アーム,テレスコピッククラムシェル及び解体ロングフロント付き油圧シ

ョベルの安定性及び装備しなければならない安全装置は,附属書JCの規定による。 

4.6.4.5 

その他の用途(Other applications) 

(対応国際規格ではこの用途を規定しているが,国内では上記以外の派生機械はないため,不採用とし

た。) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.6A 騒音 

4.6A.1 外部放射音響パワーレベル 

外部放射音響パワーレベルは,JIS A 8340-1の4.13.2.1によるほか,次による。 

作業環境によって要求される低騒音型の油圧ショベルは,その騒音の測定値が表0Aに示す基準値以下

でなければならない。 

表0A−低騒音型油圧ショベルの判定基準値 

エンジン出力(kW) 

音響パワーレベル[dB(A)] 

P< 55 

 99 

55≦P<103 

104 

103≦P<203 

106 

203≦P 

106 

超低騒音型油圧ショベルの判定基準値(音響パワーレベル)は,低騒音型のそれより6 dB(A)を超えて

低くなければならない。 

4.6A.2 運転員位置における放射音圧レベル 

運転員位置における放射音圧レベルは,JIS A 8317-2に従って測定する。 

4.7 

履帯式ミニショベルの駐車ブレーキ 

履帯式ミニショベルは,通常の駐車ブレーキ装置を用いるほか,アタッチメント(例えばバケット)又

は特殊なアタッチメント(例えばブレード)を,機械を動かないようにするために用いることができる。 

4.8 

脚式油圧ショベル特有の要求(Specific requirements for walking excavators) 

(対応国際規格ではこの要求を規定しているが,国内にはない仕様のため不採用とした。) 

安全要求事項・安全方策の検証(Verification of safety requirements and/or protective measures) 

(対応国際規格ではこの項を規定しているが,JIS A 8340-1を適用するため不要とした。) 

使用上の情報 

6.1 

取扱説明書 

取扱説明書は,JIS A 8340-1の6.2によるほか,次による。 

− マテリアルハンドリング用途に要求される機械構成(ブーム及びアームの長さ,必要な場合には,追

加カウンタウエイトの質量など)の説明 

− 履帯式ミニショベルの駐車方法 

− それぞれの用途における機械の安定に関する説明 

− 保護ガードを追加し,使用する場合(例えば解体作業など)の安全指示(4.3.2.1参照) 

− 保護ガードなしのミニショベル(1 500 kg以下)は,落下物の危険がある場所で使用してはならない

ことの指示 

− TOPS付きミニショベルの運転時は,必ずシートベルトを締め,保護帽を着用しなければならないこ

との警告(4.3.3.2参照) 

− 運転質量が6 000 kgを超える油圧ショベルの運転中は,安全のためシートベルトを締め,保護帽を着

用するよう推奨する記述(4.3.3.2参照) 

− クイック着脱装置の正しい搭載及び装置が適切に装着されたことの確認方法に関する注意事項 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 上部旋回体が通常の走行方向でない場合は,走行及び操向用操縦装置の操作方向と機械の動作とは,

意図した方向と一致しないことの注意 

− 長尺作業機付きの場合の安全注意事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

油圧ショベル特有の重大な危険源のリスト 

JIS A 8340-1の附属書JAに示す危険源リストのほか,次のリストを追加して適用する。 

番号1) 

危険源 

JIS B 9700-1 

JIS B 9700-2 

JIS A 8340-4 

危険源,危険状態及び危険事象 

次の事項から起こる機械的危険源 

− 機械部品又は作業機器 
例えば, 
− アタッチメント,クイック着脱装置及び

/又は作業装置 

− マテリアル及び木材ハンドリング 

4.2 

4.2 

 
 
4.6.2,  4.6.4 
 
4.6.4 

1.1 

押しつぶしの危険源 

4.2.1 

4.2.1 

4.6.1,  4.6.4 

騒音から起こる危険源 

4.5 

4.2.2, 
4.3 c), 
4.4 c), 
4.8.4,  5.4.2 

4.6A 

16 

機械の安定性の欠如/転倒 

4.2.2 

4.6,  5.2.6 

4.6.1,  4.6.4.4A 

16.1 

バケット,フォーク,マテリアルハンドリン
グ,木材ハンドリング及びその他の用途にお
ける過荷重運転 

4.6.2,  4.6.4 
4.6.4.4A,附属書JC 

移動性によって付加される危険源,危険状態及び危険事象 

18 

走行機能に関連したもの 

18.4 

走行機能 

4.4 

18.6 

減速,停止及び固定するための能力が不十分 

4.7 

19 

機械上の作業位置(運転席含む)に関連したもの 

19.4 

運転/作業位置における機械的危険源 

a) 転覆 

5.2 

附属書JC 

b) 物体の落下,物体が貫通 

5.2 

4.3.2.1 

c) 旋回ブレーキ 

4.5,附属書JB 

d) 保護ガード 

5.2 

4.3.2.1 

e) 横転時保護構造(TOPS) 

5.2 

4.3.2.2 

19.7 

不適切な座席 

4.3.3 

22.3 

(機械の)救出及びけん引から起こる危険源 

5.5.5 

24 

運転員などに対する指示が不十分(取扱説明
書,標識,警告及び表示) 

箇条6 

持上げによって付加される危険源,危険状態及び危険事象 

25 

機械的危険源及び危険事象 

25.1 

次の事項から起きる荷の落下,衝突,機械の
転倒 

25.1.3 

不適切なつか(掴)み装置/附属装置 

4.6.4 

注1) 番号はJIS A 8340-1の附属書JA参照。 

  

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(規定) 

油圧ショベルの旋回ブレーキに対する要求事項 

JB.1 適用範囲 

この附属書は,3.1に規定する油圧ショベルの旋回常用ブレーキ,旋回駐車ブレーキ及び旋回ロックの性

能基準並びに試験方法について規定する。 

JB.2 用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,次による。 

JB.2.1 旋回 

油圧ショベルの下部走行体に対する上部旋回体の回転。 

JB.2.2 定格旋回速度 

旋回の定常状態における1分間当たりの回転数。 

JB.2.3 旋回減速角 

定格旋回速度から減速し,完全に停止するまで旋回した角度。 

JB.2.4 旋回トルク 

下部走行体に対し,上部旋回体を駆動するニュートンメートル(Nm)の単位で表すモーメント。 

JB.2.5 旋回常用ブレーキ 

上部旋回体の回転を止める油圧式,摩擦式,又はその他の機器若しくは装置。 

JB.2.6 旋回駐車ブレーキ 

旋回停止後,上部旋回体をその状態で保つための機器又は装置。 

JB.2.7 旋回ロック 

下部走行体に対し,定められた位置に上部旋回体を固定するための機械的なかみ合わせ装置。 

JB.3 試験条件 

試験は,製造業者が規定する標準の作業装置を装着して行う。アウトリガ又はブレードが付いている場

合は,製造業者の指定に従って,作動状態で地上に設置する。 

全ての水及び油脂類は,製造業者が指定する規定量とし,燃料は少なくともタンク容量の半分とする。

旋回装置の油圧は,製造業者が指定する規定圧力とする。 

油圧ショベルは,最大傾斜±1 %の平らな地盤に設置する。 

定格旋回速度を測定するときは,作業装置を最大堀削半径状態に伸ばし,バケットは放土状態とする。 

JB.4 最低限の性能及び計測 

JB.4.1 定格旋回速度 

定格旋回速度は,JIS D 0006-1に従ったエンジン定格回転速度における試験計測の結果によって,次に

適合しなくてはならない。 

定格旋回速度<1.05×測定値 

10 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JB.4.2 旋回常用ブレーキ 

旋回常用ブレーキ機器及び/又は装置は,切離し可能であってはならない。 

JB.4.3 旋回駐車ブレーキ 

旋回駐車ブレーキは,製造業者がその上で作業することも意図した最大の傾斜上において,作業装置を

傾斜方向と直角方向とに最大掘削半径状態で停止させた上部旋回体をそのままの状態で保持できなければ

ならない。5分後,最初の停止位置からのドリフト(ずれ動き)は10°未満でなければならない。 

旋回駐車ブレーキは,エンジン運転中及び停止中でも,自動的にかかるか,又は手動でかけることがで

きなければならず,動力源が切れても効いたままでなければならない。 

運転質量6 000 kgを超える油圧ショベルの旋回駐車ブレーキは,ばね摩擦ブレーキのように,完全な機

械式でなければならない。運転質量6 000 kg以下のミニショベルの旋回駐車ブレーキは,旋回モータに直

接取り付けた油圧ロックバルブでもよい。その場合はJB.4.4に従った別の旋回ロックを備えなければなら

ない。 

注記1 ここでの“完全な機械式”という要求は,同様の安全が得られる他の技術開発を妨げるもの

ではない。 

注記2 旋回駐車ブレーキは,ホースが破損した場合には,非常ブレーキとして機能する。 

JB.4.4 旋回ロック 

旋回ロックは,それを作動させたとき,旋回モータの最大トルクをかけても永久変形を生じてはならな

い。 

旋回ロックは,JB.2.7で定義した機能が旋回駐車ブレーキに備わっている場合には,必要としない。 

11 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(規定) 

長尺作業装置付き油圧ショベルの要求事項 

JC.1 適用範囲 

この附属書は,スーパロングフロント,伸縮アーム,テレスコピッククラムシェル,解体ロングフロン

トなどの長尺作業装置付き油圧ショベルに関する設計基準,評価方法,備えなければならない安全装置,

注意事項などについて規定する。 

(これらは技術の進歩によって変わり得るので,製造業者においては常に最新の技術をもって対応し,

更なる安全を確保するよう努めなければならない。) 

なお,この附属書に規定した全ての長尺作業装置付き油圧ショベルの安定性の評価は,次の条件の下に

行うものとし,その他の条件は個別に規定する。 

− 機械は運転質量状態 

− 水平堅土上 

− 履帯の前後方向及び横方向のうちで安定に不利な方向 

JC.2 用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,次による。 

JC.2.1 運転質量状態 

燃料,潤滑油,作動油及び冷却水を規定量とし,製造業者が指定するキャブ又はキャノピ,運転員保護

ガード(OPG)などを装着した本体に,作業装置を付け,携行工具を備え,運転員(75 kg)1名が乗車し

た状態。 

JC.2.2 転倒支線 

ISO 10567:2007に規定する転倒の支点となる点を結んだ水平線。 

JC.2.3 転倒状態 

ISO 10567:2007の3.8に規定する定格転倒荷重を負荷した状態。 

JC.2.4 最大積載質量 

最大作業半径の状態において,上部旋回体に対し,360°いずれの方向においても十分な安定度をもつこ

とができる積載質量をいい,標準バケット山積容量(m3)に,土砂の密度として1 800 kg/m3を乗じた値。 

JC.2.5 銘板 

キャブ,その他見やすい箇所に貼り付け,その製造経歴,仕様,注意事項などを明示するためのプレー

ト又はシール。製造銘板,仕様銘板,取扱説明銘板,給油銘板,安全標識など。 

JC.2.6 安全標識 

製品に直接貼り付けたりして取り付ける警告表示。JIS A 8340-1の附属書JC参照。 

JC.2.7 スーパロングフロント 

長大な作業半径及び掘削深さを必要とするため,特別に長く設計されたブーム及びアームと,軽掘削用

小容量バケットとからなる作業装置。 

JC.2.8 伸縮アーム 

伸縮動作が主に油圧で行われる長さを自由に伸縮することができる構造のアーム。 

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12 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.2.9 テレスコピッククラムシェル 

伸縮動作は主に油圧で行われるが,伸縮機構の一部としてワイヤロープを使用するものもある,多段式

の伸縮アームとクラムシェルバケットとからなる作業装置。 

JC.2.10 解体ロングフロント 

地上から数階の高さに届くよう設計された解体用ロングブーム,ロングアーム,油圧圧砕機,又は鉄筋

カッタからなる作業装置。 

JC.3 スーパロングフロント付き油圧ショベル 

JC.3.1 静的安定性 

JC.3.1.1 前方安定度 

スーパロングフロント付き油圧ショベルの静的前方安定度は,JC.3.1.1.1の機械姿勢において,JC.3.1.1.2

に示す計算式の計算結果が,JC.3.1.1.3に示す値以上でなければならない。 

JC.3.1.1.1 機械の姿勢及び条件 

− ブーム及びアームは最大掘削半径の状態(図JC.1参照) 

− バケットはクラウド状態で,負荷(最大積載質量)及び空荷 

JC.3.1.1.2 計算式 

×

×

)

(

/)

(

j

j

i

i

f

L

W

L

W

S=

ここに, 

Sf: 静的前方安定度 

Wi: 安定側の質量(kg) 

Li: 転倒支線から安定側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

Wj: 転倒側の質量(kg) 

Lj: 転倒支線から転倒側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

図JC.1−スーパロングフロント付き油圧ショベルの前方安定度の評価姿勢(横方向の例) 

JC.3.1.1.3 判定基準 

バケット最大積載時    Sf ≧ 1.1 

バケット空荷時        Sf  ≧ 1.5 

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13 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.3.1.2 後方安定度 

スーパロングフロント付き油圧ショベルの静的後方安定度は,JC.3.1.2.1の機械姿勢及び条件において,

JC.3.1.2.2に示す計算結果が,JC.3.1.2.3に示す値以上でなければならない。 

JC.3.1.2.1 機械の姿勢及び条件 

− ブームは最大に上昇させ,アーム及びバケットは,後方安定度に最も不利な姿勢(アームシリンダ及

びバケットシリンダは最伸長)(図JC.2参照) 

− バケットは空荷 

JC.3.1.2.2 計算式 

Sr=(R1/W0)×100 

ここに, 

Sr: 静的後方安定度(%) 

R1: 前方転倒支線における配分質量(kg) 

W0: 機械の運転質量(kg) 

JC.3.1.2.3 判定基準 

Sr≧15 % 

図JC.2−スーパロングフロント付き油圧ショベルの後方安定度の評価姿勢 

JC.3.2 動的安定性 

動的安定性を,計算又はシミュレーションで一義的に判定することは難しいので,実機で次のJC.3.2.1

の機械の姿勢及び条件の下で,JC.3.2.2に示す動作を行い,JC.3.2.3で示す判定基準で評価する。 

JC.3.2.1 機械の姿勢及び条件 

− ブーム,アームは最大掘削作業半径の状態 

− バケットはクラウド状態 

− 本体製造業者が指定するエンジン最高回転速度(作業モード指定時はそのときのエンジン回転速度) 

− 作業モード/又は流量制御は本体製造業者の指定どおり 

− バケットは空荷 

14 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.3.2.2 動的安定性評価のための操作 

最大掘削高さの1/2の位置から,ブーム操作レバーを下げ方向にフルストローク動かして作業装置を急

落下させ,最大掘削半径の位置でレバーを中立に戻して作業装置を止める。 

JC.3.2.3 判定基準 

JC.3.2.2の操作によっても最終的に転倒状態になってはならない。 

JC.3.3 安全装置 

安全のために必要な場合,次の装置を備えなければならない。 

− 作業装置の動作最高速度を運転員の意図する速さ(遅い速度の選定)に設定できる機構 

JC.3.4 取扱説明書 

箇条6に追加して,スーパロングフロント付き油圧ショベル特有の次の事項を取扱説明書に記載しなけ

ればならない。 

a) 機械諸元 

− ブーム,アーム,バケットの種類及びその組合せ 

− 使用可能なバケットの容量及び対象土砂の密度 

b) 注意事項 

− 地山掘削,採石作業の禁止など,作業内容の禁止事項の明示 

− 旋回時の慣性が大きいので,停止距離を考えたレバー操作の遵守 

− 作業機の慣性が大きいので,急激なレバー操作の禁止 

− 走行時の作業装置の姿勢,許容傾斜角の明示 

− 降坂時はエンジン回転速度を下げて遅い走行速度にする操作の遵守 

− 不整地の走行,突起物の乗り越え禁止 

− カウンタウエイトを取り付けたままで作業装置を外すと転倒の危険がある場合には,その旨の明示 

JC.3.5 銘板及び安全標識 

スーパロングフロント付き油圧ショベル特有の次に関わる銘板及び安全標識を,キャブ内の見やすい位

置及び機械の適切な場所に貼り付けなければならない。 

− 仕様銘板 

− 輸送荷姿銘板 

− 操作要領銘板 

− 操作に関する安全標識 

− 転倒注意などの安全標識(走行時,傾斜地での作業) 

JC.4 伸縮アーム付き油圧ショベル 

JC.4.1 静的安定性 

JC.4.1.1 前方安定度 

伸縮アーム付き油圧ショベルの静的前方安定度は,JC.4.1.1.1の機械姿勢及び条件において,JC.4.1.1.2

に示す計算式の計算結果が,JC.4.1.1.3に示す値以上でなければならない。 

JC.4.1.1.1 機械の姿勢及び条件 

− ブーム,アームは最大掘削半径の状態(図JC.3) 

− 伸縮アームは最伸長の状態 

− バケットはクラウド状態で,負荷(最大積載質量)及び空荷 

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15 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− ブームスイングの状態のうちで最も安定に不利なブームスイング角度 

JC.4.1.1.2 計算式 

×

×

)

(

/)

(

j

j

i

i

f

L

W

L

W

S=

ここに, 

Sf: 静的前方安定度 

Wi: 安定側の質量(kg) 

Li: 転倒支線から安定側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

Wj: 転倒側の質量(kg) 

Lj: 転倒支線から転倒側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

図JC.3−伸縮アーム付き油圧ショベルの前方安定度の評価姿勢 

JC.4.1.1.3 判定基準 

バケット最大積載時   Sf ≧ 1.1 

バケット空荷時       Sf ≧ 1.5 

JC.4.1.2 後方安定度 

伸縮アーム付き油圧ショベルの静的後方安定度は,JC.4.1.2.1の機械姿勢及び条件において,JC.4.1.2.2

に示す計算結果が,JC.4.1.2.3に示す値以上でなければならない。 

JC.4.1.2.1 機械の姿勢及び条件 

− ブームは最大に上昇させ,アームとバケットとは,後方安定度に最も不利な姿勢(図JC.4は伸縮アー

ムは最縮長,アームシリンダは最縮長,バケットシリンダは最伸長の例) 

− バケットは空荷 

− ブームスイング機構の付いた機械の場合は,後方安定度に最も不利なブームスイング角度の状態 

JC.4.1.2.2 計算式 

Sr=(R1/W0)×100 

ここに, 

Sr: 静的後方安定度(%) 

R1: 前方転倒支線における配分質量(kg) 

W0: 機械の運転質量(kg) 

JC.4.1.2.3 判定基準 

Sr≧15 % 

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16 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図JC.4−伸縮アーム付き油圧ショベルの後方安定度の評価姿勢 

JC.4.2 動的安定性 

動的安定性を,計算及びシミュレーションで一義的に判定することは難しいので,実機で次のJC.4.2.1

の機械の姿勢及び条件の下で,JC.4.2.2に示す動作を行い,JC.4.2.3で示す判定基準で評価する。 

JC.4.2.1 機械の姿勢及び条件 

− ブーム及びアームは最大掘削半径の状態,ただし,伸縮アームは最伸長 

− バケットはクラウド状態 

− ブームスイングの状態のうちで,安定に不利な方向及びブームスイング角度の状態 

− 本体製造業者が指定するエンジン最高回転速度(作業モード指定時にはそのときのエンジン回転速度) 

− 作業モード及び/又は流量制御は製造業者の指定どおり 

− バケットは空荷 

JC.4.2.2 動的安定性評価のための操作 

最大掘削高さの1/2の位置から,ブーム操作レバーを下げ方向にフルストローク動かして作業装置を急

落下させ,最大掘削半径の位置でレバーを中立に戻して作業装置を止める。 

JC.4.2.3 判定基準 

JC.4.2.2の操作によっても最終的に転倒状態になってはならない。 

JC.4.3 安全装置 

安全のため必要な場合には,次の装置を備えなければならない。 

− ブームスイング角度などの作業範囲の規制装置 

− 作業装置の動作最高速度を運転員の意図する速さ(遅い速度の選定)に設定できる機構 

JC.4.4 取扱説明書 

箇条6に追加して,伸縮アーム付き油圧ショベル特有の次の事項を取扱説明書に記載しなければならな

い。 

a) 機械諸元 

− 使用可能なバケットの容量及び対象土砂の密度 

b) 注意事項 

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17 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− アームの伸縮に起因する障害物などとの接触を防止するための注意事項 

− 安全装置の取扱い方法に関する注意事項 

− 機械の破損を防止するための注意事項 

JC.4.5 銘板及び安全標識 

伸縮アーム付き油圧ショベル特有の次の事項に関わる銘板及び安全標識を,キャブ内の見やすい位置及

び機械の適切な場所に,貼り付けなければならない。 

− 仕様銘板 

− 輸送荷姿銘板 

− 操作要領銘板 

− 操作に関する安全標識 

− 転倒注意などの安全標識(走行時,傾斜地での作業) 

JC.5 テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベル 

JC.5.1 静的安定性 

JC.5.1.1 前方安定度 

テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルの静的前方安定度は,JC.5.1.1.1の機械姿勢及び条件にお

いて,JC.5.1.1.2に示す計算式の計算結果が,JC.5.1.1.3に示す値以上でなければならない。 

JC.5.1.1.1 機械の姿勢及び条件 

− 作業装置は最大作業半径(本体製造業者の指定による。)の状態(図JC.5参照) 

− バケットは負荷(最大積載質量)及び空荷 

図JC.5−テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルの前方安定度の評価姿勢 

(最大作業半径時の例) 

JC.5.1.1.2 計算式 

×

×

=

)

(

/)

(

j

j

i

i

f

L

W

L

W

S

ここに, 

Sf: 静的前方安定度 

background image

18 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Wi: 安定側の質量(kg) 

Li: 転倒支線から安定側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

Wj: 転倒側の質量(kg) 

Lj: 転倒支線から転倒側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

JC.5.1.1.3 判定基準 

バケット最大積載時    Sf≧1.15 

バケット空荷時        Sf≧1.5 

JC.5.1.2 後方安定度 

テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルの静的後方安定度は,JC.5.1.2.1の機械姿勢及び条件にお

いて,JC.5.1.2.2に示す計算結果が,JC.5.1.2.3に示す値以上でなければならない。 

JC.5.1.2.1 機械の姿勢及び条件 

− ブームは最大に上昇させ,テレスコピックアームを最縮長とし,アームが安定に最も不利な姿勢(図

JC.6参照) 

− バケットは空荷 

図JC.6−テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルの後方安定度の評価姿勢 

(アームシリンダ最縮長の例) 

JC.5.1.2.2 計算式 

Sr=(R1/W0)×100 

ここに, 

Sr: 静的後方安定度(%) 

R1: 前方転倒支線における配分質量(kg) 

W0: 機械の運転質量(kg) 

JC.5.1.2.3 判定基準 

Sr≧15 % 

JC.5.1.3 機械の傾斜限界値 

作業時及び走行時における機械の最大傾斜限界値は,JC.5.1.3.1及びJC.5.1.3.2を満足しなければならな

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19 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

い。 

JC.5.1.3.1 作業時 

水平堅土上で次の機械の姿勢及び条件において,前後左右に5°まで傾けても転倒状態になってはなら

ない。ただし,これはb)の計算によって算定してもよい。 

a) 機械の姿勢及び条件 

− ブームを最大に上げる。 

− テレスコピックアームは水平で,最大可能作業半径とする。 

− バケットには,最大積載荷重を負荷する。 

図JC.7−テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルの傾斜限界値の評価姿勢 

(作業時) 

b) 計算式 

β=tan−1(B/H )>5° 

ここに, 

β: 傾斜限界角度(°) 

B: JC.5.1.3.1 a)の状態での転倒支線から機械全体の重心位

置Gまでの水平距離(mm) 

H: JC.5.1.3.1 a)の状態で基準地表面からの機械全体の重心

位置Gまでの高さ(mm) 

JC.5.1.3.2 走行時 

少なくとも15°の傾斜地で次の機械の姿勢及び条件において,通常の走行発進操作を行い,登坂・降坂

できなければならない。 

− 上部旋回体を本体製造業者が規定した走行時の向きとする。 

− テレスコピックアームは垂直で最縮長状態 

− ブーム上げ(バケット地上高さ約400 mm) 

− バケット空荷 

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20 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.5.2 動作確認 

次の動作確認をもって動的安定性の評価基準とする。 

− 作業装置の作動開始,停止時に円滑な操作ができなければならない。 

− 各動作の微操作が容易で,円滑な作動ができなければならない。 

− 本体機械の製造業者が指定する最大作業半径内での作業装置の作動時に,ローラの一部が履帯から離

れるような揺動があってはならない。  

JC.5.3 ワイヤロープ設計基準 

テレスコピック機構にワイヤロープを使用する場合のワイヤロープの安全率は5以上でなければならな

い。また,シーブピッチ円直径(D)とワイヤロープ直径(d)の比(D/d)は,表JC.1に示す値以上でな

ければならない。 

表JC.1−ワイヤロープのD/d 

ワイヤロープの構成による区分 

D/dの値 

19本線6よりのワイヤロープ 

25 

24本線6よりのワイヤロープ 

20 

37本線6よりのワイヤロープ 

16 

フィラ形25本線6よりのワイヤロープ 

20 

フィラ形29本線6よりのワイヤロープ 

16 

ウォリントンシール形26本線6よりのワイヤロープ 

16 

ウォリントンシール形31本線6よりのワイヤロープ 

16 

JC.5.4 安全装置 

JC.5.4.1 次の装置は,テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベルに標準で装着しなければならない。 

− テレスコピックアームの伸びによる急激なクラムシェルの降下を防止する弁。 

− ワイヤロープ切断時の安全装置として,ワイヤロープの作動回数を積算して交換を促す装置を取り付

けるか,複数のロープを使用して切断時に他のワイヤロープで保持可能とする。 

JC.5.4.2 安全を確保するために必要な場合には,次の装置を装備しなければならない。 

− 作業速度を制御する装置 操作時のショックを低減するため,作業装置並びに走行の最大作動速度,

最大加速度及び最大減速度を制限する装置 

− 機体傾斜表示装置 機械の水平度を視認できる水準器などの装置 

− ブームシリンダ降下防止装置 油圧ホースの破損などによって,ブームの急激な降下を防止する弁 

JC.5.5 取扱説明書 

箇条6に追加して,テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベル特有の次の事項を取扱説明書に記載

しなければならない。 

a) 機械諸元 

− 使用可能なクラムシェルバケットの容量及び対象土砂の密度 

b) 注意事項 

− 機械設置上の注意(水平堅土上など) 

− 急操作の禁止 

− 掘削作業要領 

− 作業可能半径の表示及びその遵守 

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21 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 傾斜地での作業及びその許容傾斜角 

− つり荷作業の禁止 

− 衝撃による掘削の禁止 

− ブーム及び/又はアームを用いた機体のジャッキアップの禁止 

− 走行時の作業装置の姿勢及び許容傾斜角の明示 

− 急発進・急停止の禁止 

JC.5.6 銘板及び安全標識 

テレスコピッククラムシェル付き油圧ショベル特有の次の事項に関わる銘板及び安全標識を,キャブ内

の見やすい位置及び機械の適切な場所に,貼り付けなければならない。 

− 仕様銘板 

− 輸送荷姿銘板 

− 操作要領銘板 

− 操作に関する安全標識 

− 転倒注意などの安全標識(走行時,傾斜地作業時など,また最大可能作業半径を超えた作業の禁止) 

− つり荷作業禁止の安全標識 

JC.6 解体ロングフロント付き油圧ショベル 

JC.6.1 静的安定性 

JC.6.1.1 前方安定度 

解体ロングフロント付き油圧ショベルの静的前方安定度は,JC.6.1.1.1の機械姿勢及び条件において,

JC.6.1.1.2に示す計算式の計算結果が,JC.6.1.1.3に示す値以上でなければならない。 

図JC.8−解体ロングフロント付き油圧ショベルの前方安定度の評価姿勢 

background image

22 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.6.1.1.1 機械の姿勢及び条件 

− 本体機械の製造業者の指定する,取付け可能な最大の油圧圧砕機を取り付ける。 

− 本体機械の製造業者が指定する最大作業半径姿勢とする(図JC.8参照)。 

JC.6.1.1.2 計算式 

(

)

(

)

×

×

j

j

i

i

f

L

W

L

W

S=

ここに, 

Sf: 静的前方安定度 

Wi: 安定側の質量(kg) 

Li: 転倒支線から安定側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

Wj: 転倒側の質量(kg) 

Lj: 転倒支線から転倒側質量の重心位置までの水平距離

(mm) 

JC.6.1.1.3 判定基準 

Sf≧1.5 

JC.6.1.2 後方安定度 

解体ロングフロント付き油圧ショベルの静的後方安定度は,JC.6.1.2.1の機械姿勢において,JC.6.1.2.2

に示す計算結果が,JC.6.1.2.3に示す値以上でなければならない。 

JC.6.1.2.1 機械の姿勢及び条件 

− 油圧圧砕機を外す。 

− ブームは最大角度まで上昇させる。 

− アームの先端を可能な限りブームに接近するようにアームを抱え込む。 

図JC.9−解体ロングフロント付き油圧ショベル−後方安定度の評価姿勢 

background image

23 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.6.1.2.2 計算式 

Sr=(R1/W0)×100 

ここに, 

Sr: 静的後方安定度(%) 

R1: 前方転倒支線における配分質量(kg) 

W0: 機械の運転質量(kg) 

JC.6.1.2.3 判定基準 

Sr≧15 % 

JC.6.1.3 機械の傾斜限界値 

解体ロングフロント付き油圧ショベルの限界傾斜角は,機械を水平堅土上で次に示す作業姿勢で前後左

右に5°まで傾けても転倒状態になってはならない。 

ただし,これは計算によって算定してもよい。 

JC.6.1.3.1 機械の姿勢及び条件 

本体機械の製造業者が指定する取付け可能な最大の油圧圧砕機を取り付け,次の姿勢とする。 

a) ブーム及びアームを最大角度まで上昇させ,油圧圧砕機を最も安定に不利な姿勢とした状態(図JC.10

参照)。 

図JC.10−解体ロングフロント付き油圧ショベルの傾斜限界値の評価姿勢(1) 

background image

24 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 本体製造業者が指定する最大作業半径の姿勢(図JC.11参照)。 

図JC.11−解体ロングフロント付き油圧ショベルの傾斜限界値の評価姿勢(2) 

JC.6.1.3.2 計算式 

β=tan−1(B/H )>5°又は, 

β=tan−1(B'/H' )>5° 

ここに, 

β: 傾斜限界角度(°) 

B: JC.6.1.3.1 a)の状態での転倒支線から機械全体の重心位

置Gまでの水平距離(mm) 

B': JC.6.1.3.1 b)の状態での転倒支線から機械全体の重心位

置G'までの水平距離(mm) 

H: JC.6.1.3.1 a)の状態で地上から機械全体の重心位置Gの

高さ(mm) 

H': JC.6.1.3.1 b)の状態で地上から機械全体の重心位置G'の

高さ(mm) 

JC.6.2 動作確認 

次の動作確認を行うことによって動的安定性の評価基準に代える。 

− 作業装置の作動開始,停止時に円滑な操作ができなければならない。 

− 各動作の微操作が容易で,円滑な作動ができなければならない。 

− 本体機械の製造業者が指定する最大作業半径内での作業装置の作動時に,ローラの一部が履帯から離

れるような揺動があってはならない。 

JC.6.3 安全装置 

解体ロングフロント付き油圧ショベルには,次に示す安全装置及び構造を備えなければならない。 

− ブーム角度計 解体作業中,油圧圧砕機の位置が許容作業範囲内にあることを確認するための計器。 

− キャブの上方視界 運転員の着座位置において,油圧圧砕機を最も上昇させたときでも,油圧圧砕機

が視認可能な上方視界 

25 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 作業装置の降下防止装置 油圧ホースの破損などによる作業装置の急激な降下を防止するための装置

で,下ブームの回路に備える。 

− 作業範囲の警報装置 本体製造業者が規定した許容作業範囲を超えないように作動する合図,警報装

置 

− 作業速度を制御する装置 操作時のショックを低減するため,作業装置並びに走行の最大作動速度,

最大加速度及び最大減速度を制限する装置 

− 安全ガラス キャブの前面及び上面に使用する。 

− トップガード及びフロントガード 破砕物の落下又は飛来による危険防止のため,キャブに装備する

保護装置(JIS A 8922の規定による。) 

JC.6.4 取扱説明書 

箇条6に追加して,解体ロングフロント付き油圧ショベル特有の次の事項を取扱説明書に記載しなけれ

ばならない。 

a) 機械諸元 

− 装着可能な油圧圧砕機の最大質量及び/又は形式 

− 装着可能な油圧圧砕機の能力(開口寸法,破砕力など) 

− 作業範囲図(解体ロングフロント標準仕様,ブーム及びアームの変更組合せなど) 

b) 注意事項 

− 本体製造業者が指定する最大質量及び/又は形式以外の油圧圧砕機の使用禁止 

− 機械設置上の注意(水平堅土上など) 

− 傾斜地での作業禁止 

− 作業装置の標準組合せ,又は本体製造業者が指定する作業装置の組合せのそれぞれに対する許容作

業範囲の図示による明示 

− 許容作業範囲外での使用禁止 

− 解体作業において,対象物に油圧圧砕機を衝撃的に使用すること,機体の走行力による引き倒し,

油圧圧砕機での斜めかみ,屈曲回転破砕などの禁止 

− 急旋回操作の禁止 

− 油圧シリンダの伸縮操作による,姿勢制御時の微操作遵守。また,警告,警報装置が設けられたも

のでは,その信号の遵守(必要に応じて,微操作の調整要領) 

− 作業装置の各組合せごとの角度計の確認要領,計器,警報器の特定要領 

− つり荷作業の禁止 

− ブーム及び/又はアームを用いた機体ジャッキアップの禁止 

− 追加カウンタウエイトの取扱い 

− 現場内移動時の走行姿勢と諸注意事項の記載(作業装置を装着したままの場合,油圧圧砕機又は油

圧圧砕機とアームとを共に外した場合など) 

− 傾斜地走行時の許容傾斜角 

− 急発進・急停止の禁止 

− 走行時上部旋回体の向きを確認することの警告 

− 作業時,移動時を問わず最低速度段での低速走行の遵守 

− 移送及び輸送のための機械分解作業の作業手順及び操作要領の解説 

26 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JC.6.5 銘板及び安全標識 

解体ロングフロント付き油圧ショベル特有の次の事項に関わる銘板及び安全標識を,キャブ内の見やす

い位置及び機械の適切な場所に貼り付けなければならない。 

− 仕様銘板 

− 輸送荷姿銘板 

− 操作要領銘板 

− 操作に関する安全標識 

− 作業要領及び走行要領又は安全標識 

− 破砕落下物の落下範囲内へ入ることを禁止する安全標識 

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27 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JD 

(参考) 

代表的な機種の例 

JD.1 油圧ショベル 

JD.1.1 履帯式油圧ショベル(図JD.1参照) 

図JD.1−履帯式油圧ショベル 

JD.1.2 車輪式油圧ショベル(図JD.2参照) 

図JD.2−車輪式油圧ショベル 

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28 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JD.2 超小旋回形油圧ショベル(図JD.3参照) 

図JD.3−超小旋回形油圧ショベル 

JD.3 後方超小旋回形油圧ショベル(図JD.4参照) 

図JD.4−後方超小旋回形油圧ショベル 

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29 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JD.4 ミニショベル 

JD.4.1 履帯式ミニショベル(図JD.5参照) 

図JD.5−履帯式ミニショベル 

JD.4.2 車輪式ミニショベル(図JD.6参照) 

図JD.6−車輪式ミニショベル 

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30 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JD.5 マテリアルハンドリングの例 

JD.5.1 木材グラップル(図JD.7参照) 

図JD.7−木材グラップル 

JD.5.2 鋼材ハンドリング(図JD.8参照) 

図JD.8−鋼材ハンドリング 

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31 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JD.5.3 グラップルバケット(図JD.9参照) 

図JD.9−グラップルバケット 

JD.5.4 フォークグラップル(図JD.10参照) 

図JD.10−フォークグラップル 

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32 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JD.5.5 各種つかみ具及びつかみバケット(図JD.11参照) 

a) 生コンバケット 

b) 回転式クランプ 

c) つかみバケット(1) 

d) つかみバケット(2) 

図JD.11−各種つかみ具及びつかみバケット 

33 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JE 

(規定) 

非爆発環境下の地下作業に用いる油圧ショベルに対する要求事項 

JE.1 一般 

地下鉱山(鉱物の継続的生産),トンネル工事(一時的地下作業)など低く及び/又は狭い場所の,非爆

発環境化の地下作業に用いる油圧ショベルは,JIS A 8340-1の“非爆発環境下の地下作業に用いる土工機

械に対する要求事項”のうち運転席についての要求事項は,この附属書による。 

JE.2 運転席 

4.3によるほか,次の特例事項を適用する。 

JE.2.1 キャブなし土工機械の使用 

機械をキャブなしで使用する場合は,次の事項を適用する。 

JE.2.1.1 設計 

運転席の設計は,運転員の身体が運転員包絡空間の外に突き出るのを防止する,又は機械可動部と偶発

的に接触するのを防止するものでなければならない。 

JE.2.1.2 転倒時保護構造(ROPS) 

ROPSは,必要としない。 

JE.2.1.3 落下物保護構造(トップガード) 

落下物の危険がある場合は,JIS A 8922のレベルIに従ったトップガードを取り付ける。その場合,運

転席の高さ空間は減じてもよいが,SIPの上900 mm未満であってはならない。 

JE.2.1.4 室内灯 

運転員のキャップランプは,操作盤の十分な照明とみなせる。 

JE.2.1.5 防護天井 

活線の下で使用される機械は,例えば絶縁天井などの手段によって,導体との接触によって生じる危険

源から,運転員を保護しなければならない。 

JE.2.1.6 座席 

調整代は,4.3.3.1のミニショベルに対する要求事項に適合しなければならない。 

JE.2.1.7 個人用安全装具 

油圧ショベルには個人用装具を保管する場所を設ける。 

JE.2.1.8 運転席周りの空間高さ 

キャブ付き機械の運転席周りの空間高さは減じてもよいが,SIPの上900 mm未満であってはならない。 

34 

A 8340-4:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

1) JIS A 8317-1 土工機械−音響パワーレベルの決定−動的試験条件 

注記 対応国際規格:ISO 6395:1988,Acoustics−Measurement of exterior noise emitted by earth-moving 

machinery−Dynamic test conditions(IDT) 

2) JIS A 8320 土工機械−機械全体,作業装置及び構成部品の質量測定方法 

3) JIS A 8403-5 土工機械−油圧ショベル−第5部:掘削力測定方法 

注記 対応国際規格:ISO 6015:1989,Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Methods of 

measuring tool forces(IDT) 

4) JIS A 8921-2:2011 土工機械−ショベル系掘削機保護構造の台上試験及び性能要求事項−第2部:6ト

ンを超える油圧ショベルの転倒時保護構造(ROPS) 

注記 対応国際規格:ISO 12117-2:2008,Earth-moving machinery−Laboratory tests and performance 

requirements for protective structures of excavators−Part 2: Roll-over protective structures (ROPS) 

for excavators of over 6 t(IDT) 

5) JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論 

注記 対応国際規格:ISO 12100-1:2003,Safety of machinery−Basic concepts,general principles for 

design−Part 1: Basic terminology,methodology(IDT) 

6) JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部:技術原則 

注記 対応国際規格:ISO 12100-2:2003,Safety of machinery−Basic concepts,general principles for 

design−Part 2: Technical principles(IDT) 

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JF 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 8340-4:2011 土工機械−安全−第4部:油圧ショベルの要求事項 

ISO 20474-5:2008 Earth-moving machinery−Safety−Part 5: Requirements for 
hydraulic excavators 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

この規格の適用範
囲について規定。 


 

JISとほぼ同じ 

削除 

“発行日以前に製造された機
械には適用しない。”を削除。 

ISO/TS 20474-14に日本の要求と
して追加及び削除が必要。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

JISと同じ 

一致 

ただし,“(附属書JD参照)”
を追加。 

3.1.2 後方
超小旋回
形油圧シ
ョベル 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

3.3 長尺
作業装置
付き油圧
ショベル 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

− 

3.2 

”walking excavator”の定義 削除 

日本にはない仕様のため削除。 

3.4 マテ
リアルハ
ンドリン
グ 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

3A 重大
な危険源
のリスト 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
を採用(附属書JAの追加を伴
う。)。 

3

A

 8

3

4

0

-4

2

0

11

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4 安全要
求事項及
び/又は
安全方策 

JISとほぼ同じ 

4.1 一般 

JIS A 8340-1及びこ
の規格の箇条に適
合しなければなら
ないことの記述 

4.1 

追加 

非爆発環境下の地下作業に用
いる油圧ショベルに対する要
求事項を追加。 

附属書JD参照 

4.2 

4.2 

Access 

削除 

“第1部を適用”なので不要。 

4.3 運転席  

4.3 

4.3.1 運転
席回りの
最小空間 

4.3.1 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
を採用及び日本の要求に従う。 

4.3.2 運転
員の保護
装置 

4.3.2 

4.3.2.1 運
転員保護
ガード 

4.3.2.1 

追加 

ISO/TS 20474-14参照の記載だけ
であり,ISO/TS 20474-14での記
載なし。ISO/TS 20474-14への記
載が必要。 

4.3.2.2 横
転時保護
構造 

4.3.2.2 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

− 

4.3.2.3 

log applicationにおける防
護について規定  

削除 

日本にはない仕様に関する規定
のため削除。 

4.3.3 運転
座席 

4.3.3 

4.3.3.1 ミ
ニショベ
ルの座席
調整 

4.3.3.1 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

ISO/TS 20474-14参照の記載の追
加が必要。また,ISO/TS 20474-14
での記載“4.4.1.3”から“4.3.3.1”
への変更が必要。 

3

A

 8

3

4

0

-4

2

0

11

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4.3.3.2 拘
束装置 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

ISO/TS 20474-14参照の記載の追
加が必要。 

4.3.3.3 振
動 

4.3.3.2 

追加 

ISO/TS 20474-14参照の記載だけ
であり,ISO/TS 20474-14での記
載なし。ISO/TS 20474-14への記
載が必要。 

4.4 操縦
装置 

4.4 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
を採用及び日本の要求に従う。 

4.5 旋回
ブレーキ 

4.5 

追加 

ISO/TS 20474-14参照の記載だけ
であり,ISO/TS 20474-14での記
載なし。ISO/TS 20474-14への記
載が必要。 

4.6 安定
性及び安
全装置 

4.6 

4.6.2 バケ
ット及び
ショベル
用途 

4.6.2 

変更 

ISO 10567の引用に,ただし書
き(ただし,“lift”は“持上げ”
とする。)を追加。 

− 

4.6.3 

Log applicationにおける
安定性について規定 

削除 

日本にはない仕様に関する規定
のため削除。 

4.6.4 マテ
リアルハ
ンドリン
グ用途 
 
 
 
 

4.6.4 

3

A

 8

3

4

0

-4

2

0

11

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4.6.4.2 定
格荷重 

4.6.4.2 

追加 

ISO 10567の引用に,ただし書
き(ただし,“lift”は“持上げ”
とする。)を追加。定格荷重を
決めることについて,“扱い得
る物体の長さ,形状,比重及び
関連する法規などを考慮して,
製造者が”を追加。 

4.6.4.3 定
格荷重の
表示 

4.6.4.3 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
を採用。 

4.6.4.4 つ
かみ具の
安全性 

4.6.4.4 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

4.6.4.4A
長尺作業
装置付き
油圧ショ
ベル 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

− 

4.6.4.5 

派生機械の定格荷重につ
いて規定 

削除 

上記以外の派生機械はないため
削除。 

4.6A 騒音  

− 

追加 

騒音対策は重要であるため現
行の規定を残す。 

ISO/TS 20474-14参照の記載,
ISO/TS 20474-14への記載ともに
必要。 

4.7 履帯
式ミニシ
ョベルの
駐車ブレ
ーキ 

4.7 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
を採用。 

− 

4.8 

walking excavatorについ
て規定 

削除 

日本にはない仕様に関する規定
のため削除。 

3

A

 8

3

4

0

-4

2

0

11

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

− 

安全要求事項・安全方策
の検証 

削除 

“第1部を適用”なので不要。 

6 取扱説
明書 

JIS A 8340-1の6.2
に加えて取扱説明
書に記載する事項。 

一致 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
に従う。 

ISO/TS 20474-14参照の記載の追
加が必要。 

附属書JA
(参考) 

油圧ショベル特有
の重大な危険源の
リスト 

− 

附属書JB
(規定) 

旋回ブレーキに対
する要求事項 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14のEUの要求
(5.4)採用に伴う。 

附属書JC
(規定) 

長尺作業装置付き
油圧ショベルの要
求事項 

− 

追加 

ISO/TS 20474-14の日本の要求
(5.5.4)採用に伴う。 

附属書JD
(参考) 

代表的な機種の例 

附属書A
(参考) 

附属書JE
(規定) 

非爆発環境下の地
下作業に用いる油
圧ショベルに対す
る要求事項 

− 

追加 

地下作業で機械をキャブなし
で使用する場合の特例事項を
追加。 

ISO/TS 20474-14に日本の要求と
して追加及び削除が必要。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 20474-5:2008,MOD 

関連する外国規格 

EN 474-5:2006 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

A

 8

3

4

0

-4

2

0

11