A 8331:2005 (ISO 10532:1995)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会(JCMA)/財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10532:1995,Earth-moving machinery
−Machine-mounted retrieval device−Performance requirements及びAmendment 1:2004を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS A 8331には,次に示す附属書がある。
附属書 A (参考) 参考文献
A 8331:2005 (ISO 10532:1995)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 要求事項 ························································································································ 2
5. 検証 ······························································································································ 2
附属書A(参考)参考文献 ····································································································· 3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8331:2005
(ISO 10532:1995)
土工機械−機械装着救出装置−性能要求事項
Earth-moving machinery-
Machine-mounted retrieval device-Performance requirements
序文 この規格は,1995年に第1版として発行されたISO 10532,Earth-moving machinery−Machine-mounted
retrieval device−Performance requirements及びAmendment 1(2004)を翻訳し,技術的内容を変更すること
なく作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)については,編集し,一体とした。
1. 適用範囲 この規格は,JIS A 8308に定義する土工機械に装着した救出装置の性能要求事項について
規定する。必要に応じて行う検証試験の要求事項も含む。
研究の結果,ぬかるみにはまって動けなくなった大形土工機械の救出に用いるけん引ロープは,直径40
mmのワイヤロープより太いことはめったにないことが分かった。これは,人間がけん引ロープを機械に
取り付けるのに取り扱えるほぼ最大の大きさである。
したがって,この規格は,106 Nを超えない能力の機械装着救出装置に適用できる。この値は,JIS G 7301
に規定した40 mm直径鉄しんワイヤロープグループ3の最小破断力と一致する。
備考1. ISO/DIS 6750: 2004, Earth-moving machinery-Dumpers-content and formatの規定に従い,救出
装置の適切な使用ための取扱要領は,取扱説明書に記載する。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 10532:1995,Earth-moving machinery−Machine-mounted retrieval device−Performance
requirements及びAmendment 1:2004 (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語
備考 ISO 6165 Earth-moving machinery−Basic types−Vocabularyが,この規格と一致している。
JIS A 8320 土工機械−機械全体,作業装置及び構成部品の質量測定方法
備考 ISO 6016 Earth-moving machinery−Methods of measuring the masses of whole machines,their
equipment and componentsが,この規格と一致している。
JIS A 8322 土工機械−寸法,性能及び容量の単位並びに測定の正確さ
備考 ISO 9248 Earth-moving machinery−Units for dimensions, performance and capacities, and their
measurement accuraciesが,この規格と一致している。
2
A 8331:2005 (ISO 10532:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
機械装着救出装置(machine-mounted retrieval device) ぬかるみにはまって動けなくなった機械に,
けん引ロープ,チェーン又はけん引バーを取り付ける目的で機械に装着する連結装置。
3.2
(救出装置の)能力(capacity) 機械に装着した救出装置に加えることができる力の値で,単位N
で表す。救出装置の材料の耐力に対応する。
3.3
計算に用いる機械質量(machine mass for calculation)
3.3.1
自走式スクレーパ及びダンパの機械質量 JIS A 8320で定義した機械の運転質量に,製造業者が規
定する定格積載質量を加えた質量。
備考 この質量は,“機械総質量”である(JIS A 8422-1及びJIS D 0004-1を参照)。
3.3.2
その他すべての機械の機械質量 JIS A 8320で定義した機械の運転質量。
3.4
最大けん引角度(maximum pull angle) 中心軸が,機械に装着した救出装置のけん引ロープ連結点
を通る水平線,かつ,機械の前後軸に平行で,しかも機械の構造物によって干渉されない円すいの20°の
角度。
4. 要求事項
4.1
機械に装着した救出装置の能力(単位N)は,自走式スクレーパと底開きダンパを除き,計算に用
いる機械質量(3.3参照)の1.5倍に重力加速度 (g) を乗じた値と同じでなければならない。自走式スクレ
ーパ及び底開きダンパの場合の救出装置の容量(単位N)は,計算に用いる機械質量に重力加速度 (g) を
乗じた値と同じでなければならない。
備考 いかなる機械の救出装置もその能力は,106 Nを超える必要はない(1. 参照)。
4.2
機械に装着した救出装置は,最大けん引角度において4.1に規定した能力に耐えなければならない。
4.3
機械に装着した救出装置は,故障(破断)する前に目に見える変形(降伏)を示し,過負荷がかか
っていて,修理するか取り替えなければならないことが分かる材料で作らなければならない。
4.4
機械に装着した救出装置は,4.1の能力に一致する力に耐え得る寸法のワイヤロープ索又はU字金具
を使用できるよう設計しなければならない。
4.5
ピンけん引形救出装置を用いる場合,装置は,使用中ピンを所定の所に保持し,使用しないときに
ピンをなくさないように作らなければならない。
4.6
機械に装着した救出装置は,機械の前部及び/又は後部に据え付けられる。救出装置は,けん引ロ
ープ,チェーン又はけん引バーを取り付けるときに,容易にアクセスできる位置になければならない。
運転質量が105 kgより大きな機械には,機械の同じ側に第二の救出装置を付けるのがよい。それぞれの
装置は,この規格の要求事項に適合しなければならない。
4.7
製造業者が機械の構造部材にワイヤロープ,チェーン又はリンクを巻き付けて用いるのを機械救出
の手段として推奨する場合は,機械の救出及びけん引の説明を取扱説明書に明示しなければならない。
5. 検証
5.1
機械に装着した救出装置及びその支持構造の性能要求事項は,試験又は計算によって検証しなけれ
ばならない。
3
A 8331:2005 (ISO 10532:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
試験によって検証する場合は,水平面における最大けん引角度で1回,垂直面における最大けん引
角度で1回,けん引を行わなければならない。力は,4.1で規定した能力と一致しなければならない。試験
荷重及びけん引角度の許容差は,JIS A 8322による。
4
A 8331:2005 (ISO 10532:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考)参考文献
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
[1] JIS G 7301 一般用ワイヤロープ−ISO仕様及び特性
参考 ISO 2408 Steel wire ropes for general purposes−Minimum requirementsが,この規格と一致し
ている。
[2] ISO/DIS 6750: 2004 Earth-moving machinery−Operation manual−Content and format
参考 対応するJIS A 8334土工機械−取扱説明書−内容及び様式を制定する予定である。
[3] JIS A 8422-1 土工機械−ダンプトラック−第1部:用語及び仕様項目
参考 ISO 7132 Earth-moving machinery−Dumpers−Terminology and commercial specificationsが,こ
の規格と一致している。
[4] JIS D 0004-1 土工機械−スクレーパ−第1部:用語及び仕様項目
参考 ISO 7133 Earth-moving machinery−Tractor-scrapers−Terminology and commercial specifications
が,この規格と一致している。