A 8330-2:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会(JCMA)/財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10263-2:1994,Earth-moving
machinery − Operator enclosure environment − Part 2: Air filter testを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS A 8330-2には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)パネル式エアフィルタのJIS A 8330-2に準じた認定試験様式の例
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS A 8330の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 8330-1 第1部:用語
JIS A 8330-2 第2部:空気ろ過試験
JIS A 8330-3 第3部:運転室加圧試験方法
JIS A 8330-4 第4部:運転室換気,暖房及び/又は空気調和試験方法
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 試験装置及び機器 ············································································································ 2
5. 試験条件 ························································································································ 4
6. 要求性能 ························································································································ 6
附属書A(参考)パネル式エアフィルタのJIS A 8330-2に準じた認定試験様式の例 ··························· 7
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ··································································· 8
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日本工業規格 JIS
A 8330-2:2004
土工機械−運転室内環境−第2部:空気ろ過試験
Earth-moving machinery − Operator enclosure environment − Part 2: Air
filter test
序文 この規格は,1994年に第1版として発行されたISO 10263-2:1994,Earth-moving machinery ‒ Operator
enclosure environment ‒ Part 2: Air filter testを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書1(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,強制外気導入装置を装着した土工機械について,運転室内に取り入れられる
空気のろ過に使用するパネル式フィルタの性能を判定するための試験方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 10263-2:1994,Earth-moving machinery − Operator enclosure environment − Part 2: Air filter
test (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8330-1 土工機械−運転室内環境−第1部:用語
備考 ISO 10263-1:1994, Earth-moving machinery ‒ Operator enclosure environment ‒ Part 1: General
and definitionsが,この規格と一致している。
JIS D 1612 自動車用エアクリーナ試験方法
備考 ISO 5011:1988, Inlet air cleaning equipment for internal combustion engines and compressors ‒
Performance testingからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS A 8330-1 による。
2
A 8330-2:2004
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4. 試験装置及び機器
4.1
試験装置は図1による。この装置は,通気抵抗,粉じん保持容量,粉じんろ過効率,漏れ特性の評
価試験に用いる。粉じんに対する能力及び効率の試験においては,供試フィルタの上流で粉じんを適切に
混合するため,図1に規定する絞り板を使用する(5.7参照)。パネルフィルタ以外の構成部品については,
JIS D 1612を参照。
4.2
粉じん供給装置は図2による。図3に規定する粉じん射出器とともに使用すれば必要な量を正確に
供給することができる。平均供給量は,指定供給量の5 %以内とする。また,その瞬間供給量の誤差は,
平均供給量の5 %を超えてはならない。供給装置は,粉じんの粒度分布を変化させてはならない。
4.3
基準フィルタは,ガラス繊維からなり,その最小厚さは12.7 mmで,最小密度は9.5 kg/m3とする。
繊維の径は0.76〜1.27 μmで,水分吸収量は,温度50℃,相対湿度95 %の大気中に96時間放置して質量
変化が1 %以下とする。フィルタは,適切に保持できる気密性のホルダに,けば側を上流側に向けて取り
付けなければならない。
凡例
1
粉じん計量装置 9
基準フィルタハウジング
2
粉じん移送配管 10
流量測定装置
3
圧縮空気源 11
流量制御装置
4
圧縮空気配管 12
送風機又は空気の流れをつくるためのその他の装置
5
粉じんエジェクタ 13
圧力損失測定装置
6
試験用シュラウド L
フィルタ長さ
7
試験対象のフィルタエレメント W
フィルタ幅
8
圧度計
図 1 試験装置
3
A 8330-2:2004
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図 2 粉じん供給装置
単位 mm
4
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単位 mm
図 3 粉じん射出器
5. 試験条件
5.1
試験ダストは,表1に規定する成分とする。また,表2及び表3に規定する粒度分布をもつもので
なければならない。
すべての稼動条件を代表する一つの試験粉じんの粒度分布及び濃度を選択することは困難なので,試験
に用いる粉じんの濃度は,細粒,微粒ともに1 g/m3とする。
備考 1 g/m3の濃度は,一般的にはゼロ視界条件とされる。
表 1 試験粉じんの化学成分
化学成分
量
% (m/m)
SiO2
67〜69
Fe2O3
3〜5
Al2O3
15〜17
CaO
2〜4
MgO
0.5〜1.5
全アルカリ成分: 3 %(m/m)〜5%(m/m)
強熱減量: 2 %(m/m)〜3 %(m/m)
5
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表 2 粒度分布(体積)
径
μm
精級
最大 %(V/V)
粗級
最大 %(V/V)
≦ 5.5
38 ± 3
13 ± 3
≦ 11
54 ± 3
24 ± 3
≦ 22
71 ± 3
37 ± 3
≦ 44
89 ± 3
56 ± 3
≦ 88
97 ± 3
84 ± 3
≦ 125
100
100
表 3 粒度分布(質量)
径d
μm
精級
%(m/m)
粗級
%(m/m)
0<d ≦ 5
39 ± 2
12 ± 2
5<d ≦ 10
18 ± 3
12 ± 3
10<d ≦ 20
16 ± 3
14 ± 3
20<d ≦ 40
18 ± 3
23 ± 3
40<d ≦ 80
9 ± 3
30 ± 3
80<d ≦200
0
9± 3
5.2
基準フィルタの前面風速は,フィルタを元の状態に保つため50 m/minを超えてはならない。
5.3
基準フィルタの質量は,105 ℃±5 ℃の換気恒温槽で質量を十分安定させた後,0.01 g単位で測定す
る。もし状態の安定判断ができなければ,フィルタを少なくとも4時間恒温槽に入れておく。
5.4
すべての試験は,フィルタに入る空気温度24±8℃,相対湿度50±15 %の条件で実施される。
備考 大気条件が試験結果に影響するため,同じ用途に設計されたフィルタの比較試験をするときは,
温度と湿度をできるだけ狭い条件範囲で実施する。
5.5
すべての風量測定では,25 ℃,100 kPaの標準条件にて校正する。
5.6
粉じん混合室の入口に入ってくる空気の速度は,絞り板の入口の間で,測定した風量に基づき,そ
の風量を対象面積で除した値に等しいとして算出する。速度は,少なくとも6 m/sとする(図1参照)。
5.7
通気抵抗試験は,定格風量の80 %,100 %,120 %の少なくとも3点で,図1に示した試験装置を用
いて実施する。供試品は少なくとも30分その試験室で同じ温度,湿度の条件にさらしておく。
5.8
ろ過効率Eは,百分率で次のように計算する。
100
A
f
f
×
+
=
m
m
m
E
ここに,
mf: 試験を通してフィルタの増加した質量
mA: 基準フィルタの増加質量
上記の式の代替として,次の式を用いてもよい。
100
d
A
d
×
−
=
m
m
m
EA
ここに,
EA: 代替式を用いて求めたろ過効率
md: 供給されたダストの質量
6
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 要求性能 要求性能は,受渡当事者間の協定による。認定試験の様式については,附属書Aを参照す
るものとする。
7
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考)パネル式エアフィルタのJIS A 8330-2に準じた認定試験
様式の例
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
パネル式エアフィルタのJIS A 8330-2に準じた認定試験様式の例
試験流量: m3/min
初期圧力損失: Pa
粉じん濃度(5.1参照): g/m3
粉じんの種類: 精級/粗級
圧力損失 Paに達するまでの粉じん最低必要量: g
上記の圧力損失でのフィルタエレメントの最低効率: %
圧力損失 125 Paでのフィルタエレメントの最低効率,初期効率: %
試験室条件
試験前 試験後
温度 ℃ ℃
相対湿度 % %
気圧 kPa kPa
8
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS A 8330-2:2004 土工機械−運転室内環境−第2部:空気ろ過試験
ISO 10263-2:1994,Earth-moving machinery − Operator enclosure environment
− Part 2: Air filter test
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
運転室内に取り入れられ
る空気のろ過に使用する
パネル式フィルタの試験
方法について規定
1
JISに同じ
IDT
−
−
2.引用規
格
JIS A 8330-1
JIS D 1612
2
ISO 10263-1
ISO 5011
IDT
−
−
3.定義
主な用語を定義
3
JISに同じ
IDT
−
−
4.試験装
置及び機
器
試験装置を記載
4
JISに同じ
IDT
−
−
4.1
4.1
JISに同じ
IDT
−
−
4.2
4.2
JISに同じ
IDT
−
−
4.3
4.3
JISに同じ
IDT
−
−
8
A
8
3
3
0
-2
:
2
0
0
4
9
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
4.1
4.1
JISに同じ
IDT
−
−
4.2
4.2
JISに同じ
IDT
−
−
4.3
4.3
JISに同じ
IDT
−
−
5.試験条
件
試験条件を記載
5
JISに同じ
IDT
−
−
5.1
5.1
JISに同じ
IDT
−
−
5.2
5.2
JISに同じ
IDT
−
−
5.3
5.3
JISに同じ
IDT
−
−
5.4
5.4
JISに同じ
IDT
−
−
5.5
5.5
JISに同じ
IDT
−
−
5.6
5.6
JISに同じ
IDT
−
−
5.7
5.7
JISに同じ
IDT
−
−
5.8
ろ過効率の計算式及び代
替式を規定
5.8
代替式はISOになし
MOD/選択 JISにISOにない代替
式を追加し選択可能
とした。
国内では代替式を使用するのが一般的
であり,今後ともISOの修正を求めて
いく。
6.要求性
能
要求性能に関して規定
6
JISに同じ
IDT
−
−
附属書A
(参考)
パネル式
エアフィ
ルタの
JIS
A
8330-2に
準じた認
定試験様
式の例
認定試験様式に関して例
示
Annex A
JISに同じ
IDT
−
−
9
A
8
3
3
0
-2
:
2
0
0
4
10
A 8330-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/選択……… 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 国際規格と一致している。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
1
0
A
8
3
3
0
-2
:
2
0
0
4