A 8327:2017
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 測定装置························································································································· 3
5 試験環境························································································································· 3
5.1 試験区域 ······················································································································ 3
5.2 暗騒音 ························································································································· 4
5.3 気候条件 ······················································································································ 4
5.4 風 ······························································································································· 4
6 機械の準備 ······················································································································ 4
6.1 電圧 ···························································································································· 4
6.2 エンジン及び変速機 ······································································································· 4
6.3 エクイップメント及びアタッチメント················································································ 4
6.4 運転席 ························································································································· 4
7 試験手順························································································································· 5
7.1 一般 ···························································································································· 5
7.2 外部に対する警報音測定 ································································································· 6
7.3 警報ブザー類及び警音器が発生する音の測定 ······································································· 6
7.4 運転席における後退警報ブザーの測定················································································ 7
7.5 基準 ···························································································································· 7
8 警報音発生要求事項 ·········································································································· 8
8.1 後退警報ブザー ············································································································· 8
8.2 警音器 ························································································································· 8
8.3 走行警報ブザー ············································································································· 9
9 報告すべき情報 ················································································································ 9
附属書A(参考)試験結果記録紙の例 ····················································································· 10
附属書B(参考)車外警報音測定用装置··················································································· 12
附属書C(参考)後退警報ブザー及び走行警報ブザーのための1/3オクターブバンド試験方法 ··········· 13
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
建設機械施工協会(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS A 8327:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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土工機械−機械装着警報ブザー類及び警音器−
試験方法及び性能基準
Earth-moving machinery-Machine-mounted travel alarms and
forward horns-Test methods and performance criteria
序文
この規格は,2010年に第2版として発行されたISO 9533を基とし,JISとして適正な内容とするなどの
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,JIS A 8308に定義する土工機械(以下,機械という。)で,現場で工事を行い,また公道を
走行するものに装着する警報ブザー類及び警音器の音響性能並びに警報音発生要件を判定するための静的
(定置)試験方法について規定する。この規格は,客観的な試験方法及び性能基準を提供する。
この規格は,土工機械に装着する警報ブザー類及び警音器だけに適用し,特定の機械に単一又は複数の
警報ブザー類又は警音器を装着することは,要求しない。また,警報音発生装置の機能又は耐久性の台上
試験には適用しない。
注記1 公道を走行する土工機械の警報ブザー類及び警音器には,道路運送車両の保安基準が適用さ
れる。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9533:2010,Earth-moving machinery−Machine-mounted audible travel alarms and forward
horns−Test methods and performance criteria(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語
注記 対応国際規格:ISO 6165,Earth-moving machinery−Basic types−Identification and terms and
definitions(MOD)
JIS A 8315 土工機械−運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
注記 対応国際規格:ISO 3411,Earth-moving machinery−Physical dimensions of operators and
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minimum operator space envelope(IDT)
JIS A 8317-2 土工機械−運転員位置における放射音圧レベルの決定−動的試験条件
注記 対応国際規格:ISO 6396:2008,Earth-moving machinery−Determination of emission sound
pressure level at operator's position−Dynamic test conditions(MOD)
JIS A 8318 土工機械−座席基準点(SIP)
注記 対応国際規格:ISO 5353,Earth-moving machinery, and tractors and machinery for agriculture and
forestry−Seat index point(IDT)
JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様
注記 対応国際規格:IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
機械基準箱(machine reference box)
バケット,ドーザ,バックホウ,リッパ及びブームのような全作業装置(エクイップメント及びアタッ
チメント)を除いた機械の本体(JIS A 8411-1参照)を,隙間なく囲む仮想の直方体。
3.2
警報ブザー類(audible travel alarm)
機械に装着した警報音発生装置であって,機械が自力で走行するときの潜在的危険源を,周囲の人に警
告又は(危険を)警報するもの。
3.2.1
走行警報ブザー(travel warning alarm)
(周囲の)人,特に機械近傍の人に機械が自力で走行するように起動されたことを警告又は(それによ
る危険を)警報することを意図した音での信号及びその信号を発生する装置。
注記 このような警報は,上部旋回式の機械を想定している。
3.2.2
後退警報ブザー(reverse warning alarm)
(周囲の)人,特に機械後方近傍の人に機械が自力で後退走行するよう起動されたことを警告又は(そ
れによる危険を)警報することを意図した音での信号及びその信号を発生する装置。
注記 このような警報は,上部旋回式以外の機械を想定している。
3.3
警音器(forward horn)
機械の運転員の意図で作動し,機械近傍の人,特に機械前方の近傍の人に警報することを意図した音で
の信号及びその信号を発生する装置。
注記 警報音は,機械の盗難又は保安上の警報装置の一部として使用することができる。
3.4
サウンドレベル一定式ブザー(fixed sound level alarm)
周囲の音響とは無関係のサウンドレベルの警報ブザー類。
3.5
サウンドレベル自動調整式ブザー(self-adjusting sound level alarm)
3
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規定された範囲内で,周囲の音響との差を自動的に一定に保つように調整したサウンドレベルの警報ブ
ザー類。
3.6
周囲の音響(ambient sound)
試験領域内で,警報ブザー類が寄与しない一切の音響。
3.7
自由音場(free field)
試験対象機械を置く反射地表面以外には,音響発生源又はマイクロホンからどの方向にも30 m以内に
は何の反射面もない空間。
4
測定装置
4.1
サウンドレベルメータ
延長コード付きサウンドレベルメータ(騒音計)は,JIS C 1509-1,タイプ1の性能要求事項に適合する
もの,又は同等のものとする。
この規格では,測定した音圧レベルは,デシベル値で整数に丸めるのがよい。
4.2
音響校正器
音響校正器又は同等の測定装置は,毎日,試験に先立ってサウンドレベルメータを校正し,試験完了後
に感度のずれを検査するために使用するのがよい。気圧,気温及びウインドスクリーンの使用の影響は,
測定装置の製造業者が推奨する構成システムの範囲内で考慮するのがよい。
4.3
マイクロホンウインドスクリーン
音響測定のために設計され,サウンドレベルメータ又は同等の騒音測定装置の製造業者が推奨するマイ
クロホンウインドスクリーンは,各試験の一貫性を保つため,及びマイクロホンを保護するために用いる。
4.4
風向風速計
風向風速計,又は他の風速及び風向の測定装置は,製造業者が推奨する最高風速において±10 %以内の
正確さをもつものでなければならない。
4.5
エンジン回転速度計
エンジン回転速度計は,表示されたエンジン回転速度の±2 %以内の正確さをもつものでなければなら
ない。
4.6
温度計
周囲温度を測定する温度計は,±2 ℃以内の正確さをもつものでなければならない。
5
試験環境
5.1
試験区域
試験区域は,非多孔質アスファルトに比べて滑らかな反射面上の半自由音場で構成しなければならない。
機械とマイクロホンとで区切られた試験区域内は,平らな水平面で構成されているか,又は試験区域の中
心から周囲に向けて下り坂でなければならない。建築物のような反射物又は表面が,マイクロホン又は測
定される機械から30 m以内に存在しないことが望ましい。
機械外部の測定を行う場合に,試験技術者及び試験機材は,音を測定するマイクロホンから2 mを超え
て離れていなければならない。
注記 試験区域のより詳細な推奨仕様は,JIS Z 8733及びISO 6393を参照する。
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5.2
暗騒音
試験中の土工機械以外を音源とする周囲のA特性音圧レベル(騒音レベル)は,風の影響も含め,対象
音の測定値の最低値よりも少なくとも10 dB低くなければならない。
5.3
気候条件
降水時,すなわち雨,雪若しくはみぞれが降っているとき,又は地上が雪で覆われているときは,測定
を行ってはならない。周囲温度は,−10 ℃〜+35 ℃の範囲内でなければならない。
注記 気候条件のより詳細な推奨事項は,ISO 6393を参照する。
5.4
風
試験場における平均風速は,8 m/s未満でなければならない。
機械の動作に伴う風速も,各測定位置において8 m/s未満がよい。測定位置での風速がこの値を超える
ときは,強風用に設計された音響測定装置を使用するのがよい。
6
機械の準備
6.1
電圧
警報ブザー類又は警音器の警報音を発生させる電圧が,それらの機器の製造業者が指定する公称作動電
圧範囲内にあるかを確認する。
6.2
エンジン及び変速機
6.2.1
一般
一般の条件では,機械は無負荷最高回転速度(ハイアイドル)で全ての一次動力系は安定した温度にな
っていなければならない。
6.2.2
冷却ファン速度
機械の動力系統又は油圧装置に可変速ファンを備えているときは,試験中,箇条7に規定する機関回転
速度のときに実現できる最高作動速度でファンを作動させる。
電動式のファンを装着している場合,エンジン停止の状態で音圧測定を行うときは,ファンを停止させ
る。
6.3
エクイップメント及びアタッチメント
試験を行う場合は,製造業者の指定する,その機械の最も典型的な仕様のエクイップメント及びアタッ
チメントを装着し,通常の運搬姿勢(JIS A 8311参照)に保持する。アタッチメントの姿勢は,製造業者
の指定による。
6.4
運転席
6.4.1
暖房,換気及び冷房装置
運転席が,暖房,換気及び冷房装置を備えるときは,いずれの試験時にも,次に示すように中間の速度
を用いる。換気用のダクトは,外気導入側に設定する。ただし,吹き出し口が運転員の方を向かないよう
にする。
− オフ,低速,高速の切換え式では,ファンの設定は高速とする。
− オフ,1速,2速,3速の切換え式では,ファンの設定は2速とする。
− 連続可変式では,ファンの設定は最高速度の50 %以上とする。
暖房,換気及び冷房装置が,複数の系統で構成されるとき,例えば上部と下部とに操作装置が分離して
いるときは,いずれの系統も中間の運転位置とする。
注記 ファン速度及びその設定に関する詳細は,ISO 6393を参照する。
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6.4.2
運転員の体格及び位置
運転員位置での試験測定では,JIS A 8315に規定する小柄運転員から大柄運転員までの範囲内で,可能
な限り中柄運転員に近い人を選定する。
調節式の場合,座席は前後及び上下方向の中心位置に調節する。座席の体重調節及びヘッドレストがあ
る場合はそれらも運転員に応じて調整しておき,各試験中そのままに保つ。
6.4.3
その他の要考慮事項
運転席に関するその他の要考慮事項としては,ラジオ,モニタの警報のような典型的とはいえない機械
の騒音の除去を含む。囲いのある運転室の場合は,全ての窓及びドアは閉じておく。運転室内の内装及び
シール類は,その機種の典型的なものとするのがよい。
7
試験手順
7.1
一般
測定は,図1及び表1に示す警報ブザー類及び警音器の試験測定位置で行い,その結果を記録する。
長方形は,機械基準箱(MRB)を表し,各番号は,試験測定位置を示す。表1参照。
注記 正確な縮尺ではない。
図1−機械基準箱に対する試験測定位置
表1−機械基準箱に対する試験測定位置
試験測定位置a)
距離(m)及び方向
(測定起点)
機械基準箱の下記各点
1
0.7
右
0.7
後
右後角部
2
0.7
左
0.7
後
左後角部
3
4.9
左
4.9
後
後中心
4
2.7
左
6.5
後
後中心
5
0.0
中央
7.0
後
後中心
6
2.7
右
6.5
後
後中心
7
4.9
右
4.9
後
後中心
8
0.0
中央
7.0
前
前中心
9
運転員の位置
耳高さ
10
0.0
中央
7.0
右
右側面中心
11
0.0
中央
7.0
左
左側面中心
注記 斜体太文字は,走行警報ブザーの試験位置を示す。
注a) 図1による。
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警報ブザー性能を評価するための1/3オクターブバンドを用いた任意試験方法を,附属書Cに示す。
7.2
外部に対する警報音測定
音響測定は,いずれも騒音計をJIS C 1509-1に定義する時間重み付け特性Fに設定して実施するのがよ
い。
音響測定は,各測定位置において最短1分間実施しなければならない。電気機械式ホーンのような警音
器を試験するときは,休止のない作動時間が1分間を超えないようにして音響測定するのがよい。休止の
長さはホーンの製造業者が指定するのがよい。警音器の音響測定は,最短30秒ずつの間隔で実施すること
ができる。
測定位置の中心は,地上から1.2 m±0.05 mの高さで,機械基準箱の中心線を向けて水平に対して0°か
ら45°で回転面に鉛直とする。マイクロホンはその平面に対して鉛直に保持し,測定を実施する技術者に
対して最小2 mの間隔を保持しなければならない(図2参照)。
単位 m
図2−外部警報音測定のための典型的な測定体勢
マイクロホンを移動させていくには,設置点を中心に260 mmの半径上をおよそ2 r/minの回転速度で動
かすことが望ましい。
図2に示す260 mm±25 mmの半径の周上の音響を測定するための機器を用いることができる。そのよ
うな装置を組み立てる方法を附属書Bに示す。
7.3
警報ブザー類及び警音器が発生する音の測定
7.3.1
後退警報ブザー:外部音量測定
7.3.1.1
一般
試験測定位置1〜7において,次に示す方法1又は方法2のいずれかによって全体の最大音圧レベルを測
定し,記録する。
7.3.1.2
方法1:サウンドレベル一定式ブザー
a) 警報オフ 後退警報ブザーをオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを取得する。
b) 警報オン 後退警報ブザーをオンとし,原動機をガバナ最低回転位置(ローアイドル)又は停止して
最大音圧レベルを取得する。
7.3.1.3
方法2:サウンドレベル自動調整式ブザー
a) 警報オフ 後退警報ブザーをオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを取得する。
b) 警報オン 後退警報ブザーをオンとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
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圧レベルを取得する。
7.3.2
走行警報ブザー:外部音量測定
7.3.2.1
一般
試験測定位置5,10及び11における全体の最大音圧レベルを次のように測定し,記録する。
運転席が機械の左側にある機種では(試験測定位置11),試験測定は次に規定するように全体の最大音
圧レベルとして最低限位置5及び位置10で測定し,記録しなければならない。
7.3.2.2
方法1:サウンドレベル一定式ブザー
a) 警報オフ 走行警報ブザーをオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを取得する。
b) 警報オン 走行警報ブザーをオンとし,原動機をガバナ最低回転位置(ローアイドル)又は停止して
最大音圧レベルを取得する。
7.3.2.3
方法2:サウンドレベル一定式ブザー又はサウンドレベル自動調整式ブザー
a) 警報オフ 走行警報ブザーをオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを取得する。
b) 警報オン 走行警報ブザーをオンとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを取得する。
走行警報ブザーが後退時警報装置としても使用される場合は,7.3.1に示す試験及び基準も適用する。
7.3.3
警音器の測定:外部音量測定
試験測定位置8で次に示すように全体の最大音圧レベルを測定し,記録する。
a) 警音器オフ 警音器をオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音圧レベ
ルを取得する。
b) 警音器オン 警音器をオンとし,原動機をガバナ最低回転位置(ローアイドル)又は停止して最大音
圧レベルを取得する。
7.4
運転席における後退警報ブザーの測定
運転員の位置における音響測定(試験測定位置9)は,いずれもA特性で時間応答特性Fに設定した騒
音計で最低1分以上測定する。マイクロホンは運転員の耳の高さとし,左端から右端まで半径260 mm±
25 mmの周上を動かし,戻す。この動作によって形成される平面の高さはJIS A 8318によって設定される
SIP(座席基準点)上方650 mm±20 mmとするのがよい。マイクロホンは運転員が座る位置にある試験の
担当者が手に持っていてもよいし,運転員が座る位置に置いた機械的な回転ジグによる円周経路上でもよ
い。2±0.25 r/minの回転速度で動かすことが望ましい。マイクロホンの向きに関するより詳細な情報は,
JIS A 8317-2の6.3.1(マイクロホンの向き)による。
a) 警報オフ 後退警報ブザーをオフとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを把握する。
b) 警報オン 後退警報ブザーをオンとし,原動機をガバナ最高回転位置(ハイアイドル)として最大音
圧レベルを把握する。
運転席における人体頭部及び肩部の形状の音場に対する影響があるので,6.4.2の要求事項に適合する人,
又は音響面を考慮した人工的な頭部を使用するのがよい。
7.5
基準
7.5.1
一般
7.2〜7.4に従って実施した試験では,各測定位置及び警報種類で7.5.2〜7.5.4の基準に適合しなければな
8
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らない。
測定音圧レベルは次のように一番近い整数に丸めるのがよい。
− 0.5 dB未満は切り下げ
− 0.5 dB以上は切り上げ
7.5.2
後退警報ブザー及び走行警報ブザー:外部音量測定試験
7.5.2.1
一般
警報音発生試験で試験測定位置1〜7で測定したA特性音圧レベルは,それぞれ7.5.2.2又は7.5.2.3に規
定する音圧レベルの基準に適合しなければならない。
7.5.2.2
方法1:サウンドレベル一定式ブザー
各試験測定位置において,警報オンで記録した値は,警報オフで記録した値以上でなければならない。
7.5.2.3
方法2:サウンドレベル自動調整式ブザー
各試験測定位置において,警報オンで記録した値は,警報オフで記録した値よりも最低3 dB以上上回ら
なければならない。
7.5.3
後退警報ブザー:運転席での測定
試験測定位置9において,警報オンで記録した値は,警報オフで記録した値よりも3 dB以内で上回らな
ければならない。
7.5.4
警音器,外部音量測定
警音器のA特性音圧レベルは,試験測定位置8において,原動機ガバナ最高回転位置(ハイアイドル)
でのA特性音圧レベルよりも10 dB以上上回らなければならない。
注記 警音器については,国又は地域の規制が強制的に適用されることがある。
7.5.5
走行警報ブザー:外部音量測定
7.5.5.1
一般
警報音発生試験で試験測定位置5,10及び11で測定したA特性音圧レベルは,それぞれ7.5.5.2又は7.5.5.3
に規定する音圧レベルの基準に適合しなければならない。
7.5.5.2
方法1:サウンドレベル一定式ブザー
各試験測定位置において,警報オンで記録した値は,警報オフで記録した値以上でなければならない。
7.5.5.3
方法2:サウンドレベル自動調整式ブザー
各試験測定位置において,警報オンで記録した値は,警報オフで記録した値よりも最低3 dB以上上回ら
なければならない。
8
警報音発生要求事項
8.1
後退警報ブザー
後退警報ブザーは,機械が後退走行するよう起動されると自動的に作動しなければならない。例えば,
静油圧駆動及び油圧駆動のような二つの独立した走行伝達系をもつ場合は,警報が起動し,警報音を発生
するのは,両方の系統が後退走行に起動されてからでよい。例えば,機械式の操縦装置のようにある種の
走行操縦装置で,後退警報無しでも,リスクアセスメントによって,ゆっくりした後退は許容されること
がある。機械の後退走行の作動が停止するまで,後退警報は音響発生し続けなければならない。
8.2
警音器
警音器は専用の操作装置によって手動で作動し,ホーン自体の限度内で,操作し続ける限り警報音を発
生し続けなければならない。
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ホーンを機械自体の保安上の警報装置として使用する場合,警報音がホーンに恒久的な被害を与えない
ように,警報音の頻度を機器の製造業者が設定しなければならない。
8.3
走行警報ブザー
走行警報ブザーは,機械の走行操作の作動によって,自動的に作動しなければならない。例えば,静油
圧駆動及び油圧駆動のような二つの独立した走行伝達系をもつ場合は,警報が起動し,警報音を発生する
のは,両方の系統が走行に起動されてからでよい。例えば,機械式の操縦装置のようにある種の走行操縦
装置で,走行警報無しでも,リスクアセスメントによって,ゆっくりした走行は許容されることがある。
走行警報ブザーの発生する音は時間制限してもよい。制限時間は,次の規定を満たせば,自動又は手動
のいずれで設定してもよい。
− 警報音は,最短5秒間は発生し続ける。
− 走行警報ブザーは,走行操縦装置が中立に戻るか,又は作動しなくなったときに,通常の状態に戻ら
なければならない。
− 走行警報ブザーは,機械が停止するか,又は作動しなくなったときに,通常の状態に戻らなければな
らない(すなわち,機械が再起動したときに,機械が,その動力で車両走行しているときに警報が作
動する)。
− 所要時間発した警報を停止するための手動操作装置は,可能であれば,保護装置を付けるか,据え付
けるか,又はインターロックを設けて意図しない作動を避ける。この手動(停止)操作装置は,その
使用目的を示す表示を付けなければならない。また,その取扱いに関する指示を運転取扱説明書に記
載しなければならない。
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報告すべき情報
附属書Aに,この規格を使用するときの試験結果記録紙の典型的な様式を示す。記録する情報は次を含
むのがよい。
− 機械型式,製造番号(例えば,製品識別番号PIN)及び試験したアタッチメント
− 機械のアイドル及び最高回転速度(ハイアイドル)
− 警報ブザー類及び警音器の製造業者名及び型式
− 警報音オン及びオフでの全ての試験測定位置における測定レベル
− 環境条件に関する観察(温度,風速など)
− 試験日時
− 試験実施及び解析実施者氏名
− 測定装置(ISO 6393:2008の箇条9参照)
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
試験結果記録紙の例
この記録紙は,例として示し,製造業者の都合によって手直しが必要となることがある。
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS A 8327警報ブザー類又は警音器試験結果記録紙
機械 (母機)
A 特性デシベル値 :
警報試験方法
型式 A : 112 dB
□ 方法 1(サウンドレベル一定式ブザー)
型式 B : 107 dB
−
型式 C : 97 dB
□ 方法 2 (サウンドレベル自動調整式ブザー)
型式 D : 87 dB
−機関ハイアイドルで警報オン
型式 E : 77 dB
□ 1/3 オクターブバンド方法
型式 F : その他
後退警報ブザー車外測定
方法 1 :測定位置 1−7,警報オンと警報オフとの測定差 ≧ 0 dB
方法 2 :測定位置 1−7,警報オンと警報オフとの測定差 ≧ 3 dB
走行警報ブザー車外測定
方法 1 :測定位置 5,8,10 及び 11, 警報オンと警報オフとの測定差 ≧ 0 dB
方法 2 :測定位置 5,8,10 及び 11,警報オンと警報オフとの測定差 ≧ 3 dB
警報器車外測定
測定位置 8,警報オンと警報オフとの測定差 ≧ 10 dB
後退時警報車内測定
測定位置 9,警報オンと警報オフとの測定差 ≦ 3 dB
備考欄 :
環境条件に関する観察(温度,風速など)
試験日時
試験実施及び解析実施者氏名
警報ブザー類又は警音器
1
後退
走行
前進
製造業者
型式番号
出力レベル
形式
型式
8
9
10
11
位置
2
3
4
5
6
7
4.9
7.0
7.0
7.0
測定差
警報オフ
警報オン
音圧レベル
A 特性 dB
製造番号
機関回転速度
冷却ファン
中央
中央
警報
距離及び方向
m
運転席(260 mm 半径円)
運転席/開放式キャノピ
後退
後退
後退
後退
後退及び走行
後退
後退
前進及び走行
後退
0.7
0.7
4.9
6.5
7.0
6.5
機関ローアイドル又は停止で警報オン
走行
走行
測定起点
機械基準箱
の下記各点
0.7
0.7
4.9
2.7
0.0
2.7
4.9
0.0
0.0
0.0
右
左
左
左
中央
右
右
中央
左側面
右角部
左角部
後中心
後中心
後中心
後中心
後中心
前中心
耳高さ
右側面
左側面
後
後
後
後
後
後
後
前
右側面
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
車外警報音測定用装置
この測定のための効果的な装置の配置を図B.1に示す。測定中は,車外警報音測定用装置の一部は,左
端にマイクロホンが付いたスタンドの上に置かれ,7.2に記載したように回転する。
単位 m
注a) (測定)機械基準箱(MRB)の中心線
図B.1−測定装置の効果的な配置例
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
後退警報ブザー及び走行警報ブザーのための
1/3オクターブバンド試験方法
C.1 一般
警報音の周波数及び/又は時間軸での分布が対比する周囲の騒音と明確に異なっている場合,所要の信
号の音圧レベルは,やや低めでも十分である。事例によっては,作業中の機械の周囲の騒音の中で後退警
報ブザーの聞き取りやすさを評価するのに,1/3オクターブバンド法を適用するのは有益なことがある。
注記1 詳細及び指針としてISO 7731参照。
注記2 この試験方法では,1/3オクターブバンド法で測定できるサウンドレベルメータ又は同等の測
定装置が必要である。
C.2 試験手順
C.2.1 測定準備
1/3オクターブバンドでの測定ができるサウンドレベルメータを,時定数をファストとして各1/3オクタ
ーブバンドでの最大A特性音圧レベルを測定できるようにする。測定準備については7.3.1を参照する。
C.2.2 1/3オクターブバンド測定
図1に示す後退警報ブザーでの試験測定位置1〜7及び走行警報ブザーでの試験測定位置5,10及び11
で1/3オクターブバンドの各バンドについて前記最大音圧レベルのA特性での測定デシベル値を測定し,
記録する。
C.2.3 サウンドレベル一定式及びサウンドレベル自動調整式ブザー
− 警報オフ 機関ハイアイドルで後退警報ブザーはオフでの最大音圧レベル。
− 警報オン 機関ハイアイドルで後退警報ブザーはオンでの最大音圧レベル。
C.3 判定基準:1/3オクターブバンド−サウンドレベル一定式及びサウンドレベル自動調整式ブザー
後退警報ブザーでの試験測定位置1〜7及び走行警報ブザーでの試験測定位置5,10及び11で,500 Hz
から4 000 Hzの間で,支配的なブザーの警報音を含む1/3オクターブバンドを見分ける。
各位値での支配的な1/3オクターブバンドで,警報オンでの記録値が,警報オフでの記録値よりも,
+13 dB上回らなければならない。
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 JIS A 8311 土工機械−運転員の視野−測定方法及び性能基準
注記 対応国際規格:ISO 5006,Earth-moving machinery−Operator's field of view−Test method
and performance criteria(IDT)
JIS A 8411-1 土工機械−寸法及びコードの定義−第1部:本体
注記 対応国際規格:ISO 6746-1,Earth-moving machinery−Definitions of dimensions and codes
−Part 1: Base machine(IDT)
JIS Z 8733 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音
場における実用測定方法
注記 対応国際規格:ISO 3744,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy
levels of noise sources using sound pressure−Engineering methods for an essentially free
field over a reflecting plane(MOD)
ISO 6393:2008,Earth-moving machinery−Determination of sound power level−Stationary test
conditions
ISO 7731,Ergonomics−Danger signals for public and work areas−Auditory danger signals
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A 8327:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 8327:2017 土工機械−機械装着警報ブザー類及び警音器−試験方法及び
性能基準
ISO 9533:2010,Earth-moving machinery−Machine-mounted audible travel alarms and
forward horns−Test methods and performance criteria
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 適用範囲を規定。
1
JISとほぼ同じ。
変更
ISO規格は,むしろ法令などでの
ISOの参照の可能性を注記してい
るのに対して,JISでは“公道を走
行する土工機械の警報ブザー類及
び警音器には,道路運送車両の保安
基準が適用される。”旨を注記。
JISとしては国内法令を優先せざ
るを得ないのでその旨を注記。た
だし,法令そのものの
UNECE/WP29(国際連合欧州経済
委員会作業部会29自動車基準調
和世界フォーラム)での国際整合
化の動向を注視。
2 引用規格
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 9533:2010,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
A
8
3
2
7
:
2
0
1
7