サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会 (JCMA) /財

団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6016 : 1998, Earth-moving machinery

−Methods of measuring the masses of whole machines, their equipment and componentsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS A 8320には,次に示す附属書がある。 

附属書A(参考) 引張式ロードセルによる測定方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 8320 : 2001 

(ISO 6016 : 1998) 

土工機械− 

機械全体,作業装置及び 
構成部品の質量測定方法 

Earth-moving machinery− 

Methods of measuring the masses of whole machines,  

their equipment and components 

序文 この規格は,1998年に第1版として発行されISO 6016,Earth-moving machinery−Methods of measuring 

the masses of whole machines, their equipment and componentsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更

することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,機械の本体,エクイップメント,アタッチメント又は構成部品の質量を,計

量台,圧力式ロードセル又は引張式ロードセルを用いて測定する方法について規定する。 

この規格は,JIS A 8308に規定する土工機械に適用する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 6016 : 1998 Earth-moving machinery−Methods of measuring the masses of whole machines, 

thier equipment and components (IDT)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 8308 土工機械−基本的機種−用語 

備考 ISO 6165 : 1997, Earth-moving machinery−Basic types−Vocabularyが,この規格と一致してい

る。 

JIS A 8322 土工機械−寸法,性能及び容量の単位並びに測定の正確さ 

備考 ISO 9248 : 1992, Earth-moving machinery−Units for dimensions, performance and capacities, and 

their measurement accuraciesが,この規格と一致している。 

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

一般定義 (General definitions) 

3.1.1 

本体 (base machine)  必要な場合はキャブ又はキャノピ及び運転者保護構造を装備し,エクイッ

プメント又はアタッチメントは除くが,エクイップメント又はアタッチメントの装着に必要な取付具を含

む機械(図1参照)。 

3.1.2 

エクイップメント (equipment)  アタッチメントがその本来の設計動作ができるように,本体に

取り付けられた構成部品のセット(図1参照)。 

3.1.3 

特殊エクイップメント (optional equipment)  容量,屈曲性,乗心地や安全性などを増すために,

本体に取り付けられた特殊な構成部品。 

3.1.4 

アタッチメント(作業機具) [attachment (tool)]  規定された用途のために,本体又はエクイップ

メントに取り付けられる構成部品の組立品(図1参照)。 

3.1.5 

構成部品 (component)  本体,エクイップメント又はアタッチメントの部品,若しくは部品の組

立品。 

3.1.6 

機械の“左手”及び“右手” (“left-hand” and “right-hand” side of a machine)  本来の走行方向に

向いたときの機械の左手及び右手側方。 

3.1.7 

機械の“前軸”及び“後軸” (“front axle” and “rear axle” of a machine)  本来の走行方向に向い

たときの前軸及び後軸。 

3.2 

質量 (Masses) 

3.2.1 

運転質量 (operating mass, OM)  運転員 (75kg), 燃料タンク,潤滑系統,油圧系統及び冷却系統

の燃料油,水などを規定量とした本体に,製造業者の指定するエクイップメントと空荷のアタッチメント

を取り付けたときの質量。 

3.2.2 

定格積載質量 (payload, PM)  製造業者が指定する,機械が取り扱える定格積載質量。 

3.2.3 

機械総質量 (gross machinery mass, GMM)  運転質量に定格積載質量を加算した質量。 

3.2.4 

ホイール式機械の軸配分質量 

3.2.4.1 

軸配分質量 (axle load)  各軸に配分された運転質量(3.2.1参照)。 

備考 kg単位で表示する。 

3.2.4.2 

最大許容軸配分質量 (maximum permissible axle load)  製造業者の指定する最大の軸配分質量。 

備考 kg単位で表示する。 

3.2.5 

出荷質量 (shipping mass, SM)  燃料をタンク容量の10%とし,潤滑系統,油圧系統及び冷却系統

の油,水などを規定量とし,運転員を除いた本体に,エクイップメント,アタッチメント,キャブ,キャ

ノピ,転倒時保護構造 (ROPS) 及び/又は落下物保護構造 (FOPS),車輪及びカウンタウエイトを含むか

含まないかは製造業者の指定による質量。 

備考 出荷のため機械を分解しなければならないときは,製造業者は,取り外す構成部品の質量を表

示しなければならない。 

3.2.6 

キャブ,キャノピ,転倒時保護構造 (ROPS) 又は落下物保護構造 (FOPS) の質量 (cab, canopy, 

ROPS and/or FOPS)  すべての構成部品及びこれらを本体に装着するための取付具を含めた,キャブ,キ

ャノピ,転倒時保護構造 (ROPS) 又は落下物保護構造 (FOPS) の質量。 

3.3 

測定方法 (Measurements) 

3.3.1 

単純測定方法 (simple measurement)  測定結果が一つの測定装置の指示として得られるか,又は

同時に作動する数個の測定装置の指示の合計として得られる測定方法。 

background image

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3.2 

複合測定方法 (complex measurement)  測定結果が継続して作動する数個の測定装置の指示の合

計として得られる測定方法。 

3.3.3 

測定装置 (apparatus)  機械,エクイップメント又は構成部品の質量を決めるために必要な装置及

び用具のセット。 

備考 この図は例示であり,エクイップメント及びアタッチメントは機械によって異なる。 

ドーザブレード付グレーダのように本体に直接アタッチメントを装着するものもある。 

図1 本体,エクイップメント及びアタッチメントの定義の例図 

4. 試験の準備 機械は,清掃し,製造業者の指示に従って装備する。 

複合測定方法の場合,本体に対するエクイップメント及びアタッチメントの固定位置は,すべての測定

に対して同一に保つ。アーティキュレート式機械は,通常まっすぐな状態で試験する。 

ホイール式機械は,ブレーキを解除した状態で試験する。クローラ式機械は,必要に応じて,接地グロ

ーサが左右両側で水平になるように操作する。 

地面からの反力の水平方向成分が0であることを必ず確かめる。 

5. 質量の決定法 

5.1 

一般 この規格では,二つの測定方法(単純測定方法と複合測定方法)を規定する。単純測定方法

は,基本になるものであり,望ましい測定方法と考えられる。止むを得ない場合,すなわち,機械,エク

イップメント又は構成部品の質量が大きいか,若しくは寸法が大きいため,使用できる器具によって単純

測定方法の適用が不可能な場合には,複合測定方法を使ってもよい。 

5.2 

測定装置 

5.2.1 

単純測定用 単純測定には,次の器具を必要とする。 

− 計量台 

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 圧力式又は引張式ロードセル 

− ナイフエッジ(通常の寸法の圧延鋼製アングル) 

− 台板 

− クレーン又は支持構造物 

− 鋼索(又はチェン若しくはロープ) 

5.2.2 

複合測定用 複合測定には,次の器具を必要とする。 

− 計量台 

− 圧力式ロードセル 

− ナイフエッジ(通常の寸法の圧延鋼製アングル) 

− 台板 

− 水準器 

5.2.3 

精度 5.2.1及び5.2.2において,計量台,圧力式ロードセル又は引張式ロードセルの精度は,JIS A 

8322に規定する精度以内でなければならない。 

5.3 

単純測定方法 この方法は,図2,図3a)又は図3b)に示すように,同時に機械の支持軸に働く地面

の反力を,若しくは図4に示すように地上につり下げられた場合には,引張式ロードセルに働く力の測定

を含む。 

5.3.1 

手順 一つの計量台又は圧力式ロードセルを用いる場合には,機械はその中心に置く(図2参照)。

数個の計量台又は圧力式ロードセルを用いる場合には,機械のホイール又はクローラはできるだけこれら

の計量台又は圧力式ロードセルのプラットフォームの中心近くに置く[図3a)参照]。クローラ式機械の場

合には,機械の質量によって加えられる荷重を正確に計量台又は圧力式ロードセルに確実に伝達するため

に,台板及びナイフエッジを用いる[図3b)参照]。 

引張式ロードセルを用いる場合には,鋼索の一端を機械のつり上げ点に取り付け,他端をつり下げられ

たロードセルに取り付ける。その後,機械をつり上げるか,又は機械の支えを下げる(図4参照)。 

測定は,3回以上行う。 

5.3.2 

測定結果 各測定の結果は,使用した測定方法に応じて台板,ナイフエッジ又は鋼索の質量を差し

引く。 

最終の測定結果は,少なくとも3回以上の連続した測定値の算術平均として算出する。 

5.4 

複合測定方法 

5.4.1 

一般 この方法では,図5a),図5b),図6a)又は図6b)に示すように機械を置いた場合の機械の各

支持軸(すなわち,前車軸又は後車軸,左側又は右側のホイール若しくはクローラの軸)での機械に働く

地面の反力を,順に測定する。 

計量台又は圧力式ロードセルを使用する。 

引張式ロードセルを使用することは,望ましくないが,使用する際は附属書Aの方法による。 

5.4.2 

手順 一つの計量台又は圧力式ロードセルを使用する場合には,機械はプラットフォームの上に軸

を前後に置くか[図5a)及び図5b)参照],又は左側及び右側を前後に並べて置き[図6a)及び図6b)参照],

他の車軸(側)は計量台に隣接した硬い表面の上に支えておくことによって,部分質量を測定する。 

数個の圧力式ロードセルを使用する場合には,機械を水平位置に保ちながら各支持車軸の軸(前,中間

又は後)の下又は左側/右側のホイール若しくはクローラの軸の下にそれぞれ順に置く。測定は,3回以

上行う。 

background image

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.3 

測定結果 測定結果は,台板,ナイフエッジ又は鋼索の質量を差し引かなければならない。最終結

果は,3回の連続した測定値の算術平均として算出する。 

通常,計量台のプラットフォームと周辺地面の水平にわずかの差があるため,又は測定器具の精度の制

約のため,前後又は左右の質量の合計が運転質量と等しくならない。したがって, 

a) ホイール式機械の全体の質量を決定するためには,前後の質量の合計を用いることが望ましい。 

b) クローラ式機械の全体の質量を決定するためには,左側及び右側質量の合計を用いることが望ましい。 

5.5 

エクイップメント,アタッチメント又は構成部品の質量の決定 エクイップメント,アタッチメン

ト又は構成部品の質量を決定するためには,どちらの方法を使ってもよいが,単純測定方法を用いること

が望ましい。この目的のため,エクイップメント又は構成部品の質量及び寸法に応じて5.2に示す測定器

具を使用してもよい。 

6. 測定結果の報告 試験報告には,少なくとも次の事項が含まれていなければならない。 

a) 測定された機械 

1) 製造業者名 

2) 形式 

3) モデル名 

4) PIN又は製造番号 

5) 測定時の機械とその装備状態(装着されたエクイップメント/アタッチメント,構成部品,カウン

タウェイト,工具,予備品,タイヤ空気圧など)についての記述 

6) 測定場所及び測定日 

7) 測定責任者 

b) 使用した測定器具及び測定方法 使用した計量器具及び測定方法についての記述 

c) 結果 

1) 機械の運転質量を表1によって記録する。 

2) 機械の指定した状態におけるその他の質量も同様の要領で記録する。 

表1 質量測定記録表 

単位kg 

測定位置 

測定値 

平均値 

前車軸 

中間軸 

後車軸 

合計 

又は左側 

右側 

合計 

background image

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 計量台 

図3 計量台又は圧力式ロードセル 

図4 クレーンフック及び引張式ロードセル 

図5 計量台又は圧力式ロードセル−軸質量測定 

background image

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6 計量台又は圧力式ロードセル−片側質量測定 

図7 クレーンフック及び引張式ロードセルによる機械の前又は後質量の測定 

background image

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図8 クレーンフック及び引張式ロードセルによる機械の片側質量の測定 

A 8320 : 2001 (ISO 6016 : 1998) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) 引張式ロードセルによる測定方法 

引張式ロードセルの使用はすすめられないが(5.4.1参照),適用する場合は,その方法は次による。 

機械の前又は後の質量を測定する場合には,ロードセルのつり下げ点は与えられた前又は後車軸と機械

全体の長手方向の主軸[図7a)及び図7b)参照][JIS A 8411-1(土工機械−寸法及び記号の定義−第1部:

本体)及びJIS A 8411-2(土工機械−寸法及び記号の定義−第2部:作業装置)参照]によって決定され

る垂直平面との交線上に正確におく。 

機械の片側の質量を測定する場合には,ロードセルのつり下げ点は,各左側又は右側ホイール又はクロ

ーラの長手方向軸と機械全体の横方向の主軸[図8a)及び図8b)参照]によって決定される垂直面との交線

上に置く。 

以上,いずれの場合にも機械は水平位置に保つ。 

建設機械JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 大 橋 秀 夫 

学識経験者 

(委員) 

藤 田 昌 宏 

通商産業省機械情報産業局 

○ 八 田   勲 

通商産業省工業技術院標準部 

平 野 良 雄 

労働省労働基準局建設安全対策室 

成 田 秀 志 

建設省建設経済局建設機械課 

村 松 敏 光 

建設省土木研究所材料施工部 

○ 橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

○ 杉 山 庸 夫 

学識経験者 

○ 藤 本 義 二 

学識経験者 

三 浦   甫 

静岡理工科大学知能情報学科 

西ケ谷 忠 明 

社団法人日本建設機械化協会建設機械化研究所 

小 田 征 宏 

鹿島建設株式会社建設総事業本部機械部 

桑 原 資 孝 

西松建設株式会社施工部機材部 

青 山 俊 行 

日本鋪道株式会社工務部 

高 場 常 喜 

株式会社熊谷組土木本部施工設備部 

青 木 義 清 

株式会社エスシー・マシナリ 

腰 越 勝 輝 

大成建設株式会社安全・機材本部機械部 

○ 本 橋   豊 

住友建機株式会社設計開発室 

○ 徳 永   薫 

株式会社小松製作所建機事業本部 

○ 福 地 真理夫 

新キャタピラー三菱株式会社相模事業所技術部 

○ 山 地 一 孝 

油谷重工株式会社技術部 

○ 定 免 克 昌 

MHIさがみハイテック株式会社 

○ 渡 辺   正 

日立建機株式会社品質保証本部 

(事務局) 

○ 川 合 雄 二 

社団法人日本建設機械化協会 

○ 西 脇 徹 郎 

社団法人日本建設機械化協会 

備考 ○印は,小委員会委員を兼ねる。 

(文責 大橋 秀夫)