A 8319 : 2001 (ISO 6014 : 1986)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会 (JCMA)/財団
法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6014 : 1986, Earth-moving machinery
−Determination of ground speedを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8319 : 2001
(ISO 6014 : 1986)
土工機械−
走行速度の測定方法
Earth-moving machinery−
Determination of ground speed
序文 この規格は,1986年に第2版として発行されたISO 6014, Earth-moving machinery−Determination of
ground speedを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,土工機械の走行速度を決定する方法について規定する。ホイール式及びクロ
ーラ式の両方の土工機械に適用する。
この試験方法は,多くの目的に使用される。そのそれぞれの目的に応じて機械の状態を,例えば,載荷
時又は非載荷時などを,試験報告に記録する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 60141 : 1986 Earth-moving machinery−Determination of ground speed (IDT)
1A. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8313 土工機械−製品識別番号 (PIN)
備考 ISO 10261 : 1994, Earth-moving machinery−Product identification numbering systemが,この規格
と一致している。
ISO 3450 : 1996, Earth-moving machinery−Btaking systems of rubber-tyred machines−Systems and
performance requirements and test procedures
2. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。
2.1
試験走路 (test track) その上で試験が行われる路面。
2.2
試験距離 (test track length) その上で速度が決定される試験走路の測定長さ。
2.3
時間記録計 (time recorder) 走行時間を測定するために配置された装置。
2.4
走行時間 (time interval) 試験距離を走行するに要する時間。
2.5
機械速度 (machine speed) 試験距離を走行するときの平均速度。
2.6
走行速度 (test speed) 個々の試験で記録された機械速度の平均値。
2
A 8319 : 2001 (ISO 6014 : 1986)
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2.7
質量 (mass) 機械の試験される条件における質量で,運転員と燃料の質量を含む。
3. 装置 6.に示す精度が得られるならば,速度計測にどのような装置を用いてもよい。例えば,次のよ
うな装置が使用できる(図1参照)。
3.1
フォトトランジスタ作動用の光源 バッテリ,発電機又は電灯線によって点灯された電灯。
3.2
コントロールボックス フォトトランジスタとデジタル表示の電気タイマに接続され,どちらの方
向でも時間測定が可能なように選択できるスイッチを組み入れたもの。
3.3
デジタル表示の電子式タイマ 機械が走路の試験距離を横切る間の時間を測定するのに使用される
もの(可変時間式カウンタとも呼ぶ。)。
備考 時間は,ストップウオッチで測定してもよい。
3.4
電源 電源がバッテリによって供給される直流では,直流を交流に変換するインバータが必要とな
る。交流電源を使用してもよい。
3.5
長さ25m以上の巻尺 試験距離を測定するためのもの。
3.6
調整式三脚 すべての光源及びフォトトランジスタを同じ高さに支持するもの。
4. 試験条件 試験はどのような形式の走路で実施してもよいが,試験距離は,供試機械の走行時間を精
度高く計測するに十分な距離で,最低20mなければならない。試験に使用される装置は,可搬式のものを
使用し,傾斜地,自然地面及び標準路面の任意条件の路面状態で速度を測定することができるものとする。
機械が測定区間に入るまでに所要速度が得られる十分な助走区間,ブレーキに必要な制動区間及び方向変
換するためのスペース並びに反対方向の試験が必要ならばそのためのスペースもとれるように時間記録計
を配置する。走行速度を他の規格のために測定するときの試験走路及び機械の状態は,その規格の規定に
よる(例えば,ISO 3450のように速度に関する情報を必要とするブレーキ試験では,その規格の規定する
条件による。)。
水平な試験走路では,25mを超えない範囲にある任意の2点間の高さの差が100mmを超えてはならな
い。
試験走路の全長にわたる横断こう配は,1/40を超えてはならない。
試験の直前に,エンジン,変速機,オイル及び冷却水が通常の作動温度になるように十分な時間,機械
を走行させなければならない。
5. 試験手順 機械は,定められた準備を終えてから試験区間にいたるまでに一定速度となるよう助走し,
燃料レバー位置や変速ギヤを変更しないで試験距離を通過する。走路の試験距離の縦軸方向に走行し,機
械の一点が試験距離を通過する時間を計測する。
走路が水平の場合には,試験は両方向に対してそれぞれ3回以上実施し,こう配における速度を決定す
る場合には,1方向に対して6回以上実施する。
1方向の試験中の最大風速は6m/s以下とする。個々の試験での試験距離上の平均速度を(下式によって)
機械速度として算出し,さらに,得られた機械速度の平均値を算出してこれを走行速度として報告する。
試験実施に当たっては,次の精度が守られなければならない。
測定項目
精度
試験距離l (m)
±0.25%
走行時間t (s)
±2.0%
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速度,v (m/s) は,次の式で計算する。
t
l
v=
走行速度は,少なくとも6回の速度計測の平均値とする。
6. 試験報告 試験報告には,次の事項を記録する。
a) この規格に関連した事項
b) 機械の形式
c) 機械の製造業者
d) 機械の製造番号又は製品識別番号(PIN, JIS A 8313参照)
e) ホイール式,クローラ式の別
f)
機械の状態,例えば,積載,非積載,その他
g) 機械の質量 (kg)
h) 装着された附属部品,例えば,ドーザブレード
i)
アタッチメントの姿勢,例えば,“走行姿勢にしたバケット”
j)
タイヤのサイズ,プライ数及び状態
k) タイヤ空気圧 (kPa)
l)
試験走路の状態,湿潤又は乾燥
m) 試験走路の形式 アスファルト,コンクリート,砂利,自然土
n) 試験距離 (m)
o) 試験走路の長さ方向こう配,例えば,水平,上りこう配,下りこう配
p) 試験走路の横断こう配
q) 試験時の速度段
r) 天候,風速 (m/s) と試験走路に対する風向
s)
その他実施したそれぞれの試験に関する詳細事項,例えば,ブレーキの形式と作動様式,機械の状態
t)
速度の測定値
試験距離 l:m 使用速度段:
試験番号
n
走行方向
(例えば,右から左,
左から右)
走行時間 t
走行速度
t
l
v=
m/s (km/h)
1
t1
v1
2
t2
v2
3
t3
v3
4
t4
v4
5
t5
v5
6
t6
v6
・
・
・
・
・
・
・
・
・
n
tn
vn
u) 機械の試験速度 (km/h) の算出
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n
v
v
v
v
v
n
+
+
+
+
=
Λ
3
2
1
備考 速度の平均値vの値は,小数点以下1けたの数値に丸める。
図1 試験速度測定装置の代表的配置
5
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建設機械JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 大 橋 秀 夫
学識経験者
(委員)
藤 田 昌 宏
通商産業省機械情報産業局
○ 八 田 勲
通商産業省工業技術院標準部
平 野 良 雄
労働省労働基準局安全対策室
成 田 秀 志
建設省建設経済局建設機械課
村 松 敏 光
建設省土木研究所材料施工部
○ 橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
○ 杉 山 庸 夫
学識経験者
○ 藤 本 義 二
学識経験者
三 浦 甫
静岡理工科大学知能情報学科
西ケ谷 忠 明
社団法人日本建設機械化協会建設機械化研究所
小 田 征 宏
鹿島建設株式会社建設総事業本部機械部
桑 原 資 孝
西松建設株式会社施工部機材部
青 山 俊 行
日本鋪道株式会社工務部
高 場 常 喜
株式会社熊谷組土木本部施工設備部
青 木 義 清
株式会社エスシー・マシナリ
腰 越 勝 輝
大成建設株式会社安全・機材本部機械部
○ 本 橋 豊
住友建機株式会社設計開発室
○ 徳 永 薫
株式会社小松製作所建機事業本部
○ 福 地 真理夫
新キャタピラー三菱株式会社相模事業所技術部
○ 山 地 一 孝
油谷重工株式会社技術部
○ 定 免 克 昌
MHIさがみハイテック株式会社
○ 渡 辺 正
日立建機株式会社品質保証本部
(事務局)
○ 川 合 雄 二
社団法人日本建設機械化協会
○ 西 脇 徹 郎
社団法人日本建設機械化協会
備考 ○印は,小委員会委員を兼ねる。
(文責 大橋 秀夫)