A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 要求値の達成 ··················································································································· 5
5 全般的試験要求事項 ·········································································································· 5
5.1 試験供試体 ··················································································································· 5
5.2 イミュニティ試験の追加要求事項······················································································ 6
5.3 土工機械から放射される広帯域電磁エミッション ································································· 6
5.4 土工機械から放射される狭帯域電磁エミッション ································································· 6
5.5 電磁エミッションに対する土工機械のイミュニティ ······························································ 7
5.6 ESAから放射される広帯域電磁エミッション ······································································ 8
5.7 ESAから放射される狭帯域電磁エミッション ······································································ 8
5.8 電磁エミッションに対するESAのイミュニティに関する規定 ················································ 8
5.9 静電気放電(ESD) ········································································································ 9
5.10 過渡電気伝導 ··············································································································· 9
6 例外······························································································································ 10
7 試験報告書 ····················································································································· 10
附属書A(規定)基準限度値の図 ··························································································· 11
附属書B(規定)土工機械から放射される広帯域電磁エミッションの測定方法 ································ 17
附属書C(規定)土工機械から放射される狭帯域電磁エミッションの測定方法 ································ 23
附属書D(規定)ESAから放射される広帯域電磁エミッションの測定方法 ····································· 26
附属書E(規定)ESAから放射される狭帯域電磁エミッションの測定方法 ····································· 32
附属書F(規定)供試体の構成を選択するための指針 ································································· 35
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本建設
機械化協会(JCMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 8316:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
A 8316:2010
(ISO 13766:2006)
土工機械−電磁両立性(EMC)
Earth-moving machinery-Electromagnetic compatibility
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 13766を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成
を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
土工機械が稼働する場所での電子装置の使用の増加に伴って,土工機械が外部電磁界への適切なイミュ
ニティ(電磁妨害が存在する環境で,機器,装置又は系が性能低下せずに動作することができる能力)を
備えていることを保証する必要がある。また,電気装置又は電子装置を装備した機械が多くなるに従って,
機械からの電磁界でのエミッション(機械から周囲への電磁エネルギーの放出)が,(周囲環境への影響の
懸念について)許容可能な限界内にあることを保証する必要がある。
注記 土工機械が稼働する場所での外部電磁界への耐性,機械から周囲への電磁エネルギーの放出が
もたらす周囲環境への懸念の許容可能な限度のいずれも一概に明確に決定されるものではない
が,土工機械の実情としてはワイパ,火花点火機関を使用する機械では原動機の使用などに起
因する広帯域電磁障害,機械の制御系のマイクロプロセッサなどの使用に起因する狭帯域電磁
障害,放送(テレビジョンなど)及び各種無線交信(合法範囲以外のものも考えられる。)など
外部からの電磁界に対する耐性,運転員などが機械に触れることによる静電気の障害,電源配
線にかかわる伝導による問題などを考慮する必要があると考えられる。
電気的障害及び高周波障害は,土工機械の機器及び装置の多くの部分に通常,運転中に発生する。これ
らは,異なる電気的特性をもつ幅広い周波数範囲で発生し,伝導,放射又はその両方によって,機械の他
の電気・電子機器及び電気・電子系に伝わる。機械の内部又は外部の障害源が発生する狭帯域信号は,電
気・電子系に結合して,機械の電気・電子機器の機能に影響を与える可能性もある。
制御装置が運転席の外に位置していることがあり,接点で電位差が発生する可能性があるため,静電気
放電は土工機械に影響を与え得る。土工機械は複数の開放系(の組合せ)の事例であることが多く,複数
の機器及び構成部品が相互に接続されているため,電源配線における過渡電気伝導を考慮しなければなら
ない。
様々な製品及び装置に対して多くの既存規格があるが,この規格で提示する試験方法は,土工機械及び
“電気・電子系又は電子サブアセンブリ”に特有な試験条件を示している。試験施設での機械の配置は,
土工機械の大きさ及び使用方法によって,これらのタイプの機械の動作特性への対応を,試験方法で考慮
している。この規格は,土工機械独自の特性及び動作パラメータを考慮した機械に適用可能な試験方法及
び基準を規定している。
土工機械は,多くの異なった形式の土工機械に使用することのできる部品から構成される多くの装置を
2
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もつため,これらの構成部品に関して“電気・電子系又は電子サブアセンブリ”を定義して代用する方法
を,イミュニティ及びエミッションの試験方法に適用する。こうすることで,これらの構成部品を,特別
に装備したシールドルームから構成される既存試験施設での試験方法によって評価することができる。電
気・電子系又は電子サブアセンブリ試験を実施するときは,土工機械へのサブアセンブリの接続に使用す
る配線系統の影響を考慮する必要がある。これらの試験は,機械(実機)上で実施することもできる。
この規格は,電磁性能に関する法律,法令及び/又は規制に対して土工機械の電磁性能を評価するため
に必要となる技術仕様を与えることを意図している。
1
適用範囲
この規格は,JIS A 8308に規定する土工機械の,電磁両立性(EMC)を評価する試験方法及び許容限度
について規定する。
この規格では,次の電磁障害現象を評価する。
− 広帯域電磁障害及び狭帯域電磁障害
− 電磁界イミュニティ試験
− 電気・電子サブアセンブリの広帯域及び狭帯域電磁障害
− 電気・電子サブアセンブリの電磁界イミュニティ試験
− 静電気放電
− 過渡電気伝導
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 13766:2006,Earth-moving machinery−Electromagnetic compatibility (IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 8308 土工機械−基本機種−用語
注記 対応国際規格:ISO 6165,Earth-moving machinery−Basic types−Identification and terms and
definitions(MOD)
JIS A 8318:2001 土工機械−座席基準点(SIP)
注記 対応国際規格:ISO 5353:1995,Earth-moving machinery,and tractors and machinery for agriculture
and forestry−Seat index point(IDT)
JIS C 60050-161:1997 EMCに関するIEV用語
注記 対応国際規格:IEC 60050-161:1998,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:
Electromagnetic compatibility(MOD)
ISO 7637-1:2002,Road vehicles−Electrical disturbances from conduction and coupling−Part 1: Definitions
and general considerations
ISO 7637-2:2004,Road vehicles−Electrical disturbances from conduction and coupling−Part 2: Electrical
transient conduction along supply lines only
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ISO 10605:2001,Road vehicles−Test methods for electrical disturbances from electrostatic discharge
ISO 11451-1:2005,Road vehicles−Vehicle test methods for electrical disturbances from narrowband radiated
electromagnetic energy−Part 1: General principles and terminology
ISO 11451-2:2005,Road vehicles−Vehicle test methods for electrical disturbances from narrowband radiated
electromagnetic energy−Part 2: Off-vehicle radiation sources
ISO 11452-1:2005,Road vehicles−Component test methods for electrical disturbances from narrowband
radiated electromagnetic energy−Part 1: General principles and terminology
ISO 11452-2:2004,Road vehicles−Component test methods for electrical disturbances from narrowband
radiated electromagnetic energy−Part 2: Absorber-lined shielded enclosure
ISO 11452-3:2001,Road vehicles−Component test methods for electrical disturbances from narrowband
radiated electromagnetic energy−Part 3: Transverse electromagnetic (TEM) cell
ISO 11452-4:2005,Road vehicles−Component test methods for electrical disturbances from narrowband
radiated electromagnetic energy−Part 4: Bulk current injection (BCI)
ISO 11452-5:2002,Road vehicles−Component test methods for electrical disturbances from narrowband
radiated electromagnetic energy−Part 5: Stripline
CISPR 12:2004,Vehicles, boats and internal combustion engine driven devices−Radio disturbance
characteristics−Limits and methods of measurement for the protection of receivers except those installed
in the vehicle/boat/device itself or in adjacent vehicles/boats/devices
CISPR 16-1-1:2006,Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus and methods−Part
1-1: Radio disturbance and immunity measuring apparatus−Measuring apparatus
CISPR 16-1-4:2004,Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus and methods−Part
1-4: Radio disturbance and immunity measuring apparatus−Ancillary equipment−Radiated disturbances
CISPR 25:2002,Radio disturbance characteristics for the protection of receivers used on board vehicles, boats,
and on devices−Limits and methods of measurement
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
電磁両立性,EMC(electromagnetic compatibility)
土工機械が存在する環境において,許容できないような電磁妨害をいかなるものに対しても与えず,か
つ,電磁環境において満足に機能するための土工機械,構成部品,電気・電子系又は電子サブアセンブリ
の能力。
注記1 JIS C 60050-161:1997の161-01-07に基づく。
注記2 電磁両立性は,電磁的両立性,電磁環境両立性,又は電磁環境適合性とも呼ばれ,機器が動
作することが,干渉源となる電磁妨害を生じて他の機器の動作に影響を与えるようなレベル
とならないこと,また,他の電気機器その他によって生じる放射電磁波などによって機器の
動作を阻害されない耐性をもつことの,双方向の観点からの機器の性能であり,機器から外
部に影響を与えるレベルに関してはエミッション(3.7及び3.8),外部の電磁環境に対する機
器の耐性は電磁的イミュニティ(3.3)として評価される。
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3.2
電磁妨害(Electromagnetic disturbance)
土工機械,構成部品,電気・電子系又は電子サブアセンブリの性能を低下させるおそれのあるあらゆる
電磁現象。
例 電磁妨害は,電磁雑音,不要信号,伝搬媒質自体の変化である場合がある。
注記 JIS C 60050-161:1997の161-01-05に基づく。
3.3
電磁的イミュニティ(Electromagnetic immunity)
特定の電磁妨害が存在しても性能を低下させずに動作する土工機械,構成部品,電気・電子系又は電子
サブアセンブリの能力。
注記1 JIS C 60050-161:1997の161-01-20に基づく。
注記2 土工機械の外部電磁界に対する耐性について評価する上で,基準とすべき外部電磁界は一概
に明確に決定されるものではないが,放送(テレビジョンなど),各種無線交信などを考慮す
る必要があると考えられる。
3.4
電磁環境(Electromagnetic environment)
ある場所に存在する電磁現象のすべて(JIS C 60050-161:1997の161-01-01参照)。
3.5
基準限度値(Reference limit)
製品が適合しなければならない限度値。
3.6
基準アンテナ(Reference antenna)
校正データの存在する測定用のアンテナで,他のアンテナで測定した信号レベルと比較して差異がある
場合に,優先して適用すべきアンテナ。
3.7
広帯域エミッション(Broadband emission)
特定の測定器具又は受信機の帯域幅より広い帯域幅をもつエミッション。
注記 機器から外部に影響を与える広帯域エミッションに関して,何が重要かは一概に明確に決定さ
れるものではないが,圧縮着火機関を装着するものが多い土工機械では,火花点火機関を使用
する機械のように原動機が主要発生源となる可能性は低く,通常,ワイパの使用などが問題と
なる。
3.8
狭帯域エミッション(Narrowband emission)
特定の測定器又は受信機の帯域幅よりも狭い帯域幅をもつエミッション。
注記 機器から外部に影響を与える狭帯域エミッションに関して,何が重要かは一概に明確に決定さ
れるものではないが,機械の制御系のマイクロプロセッサなどの使用に起因する狭帯域電磁障
害などを考慮する必要がある。
3.9
電気・電子系(Electrical/Electronic system)
土工機械の一部として設計され,電気的接続を伴う電気・電子構成部品又は一組の構成部品。
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3.10
電気・電子サブアセンブリ,ESA(Electrical/Electronic sub-assembly)
一つ以上の特定の機能を遂行するため,土工機械の一部として設計され,電気的接続及び配線を伴う電
気・電子構成部品又は一組の構成部品。
3.11
機械タイプ(machine type)
次のような本質的様相が異なっていない土工機械。
− 構造的形状
− 電気・電子構成部品の全般的配置及び全般的配線構成
− 機械の設計を構成する主な材料(例えば,鋼,アルミニウム又はガラス繊維被覆部品)
3.12
ESAタイプ(ESA type)
次のような点で本質的様相が異なっていないESA。
− ESAによって遂行される機能
− 電気・電子構成部品の配置(適用可能な場合)
− ケーシングの主な材料
3.13
静電気放電,ESD(Electro-static discharge)
静電気電位が異なる物体同士が近接又は直接接触することによって物体間に起こる電荷の移動(JIS C
60050-161:1997の161-01-22参照)。
3.14
過渡電気伝導(conducted transients)
機械の電源配線を導体として伝導される発生源と受信側との間の過渡的な電圧又は電流。
4
要求値の達成
この規格の要求事項に,土工機械又は電気・電子サブアセンブリが適合するのは,この最終の目的を満
足しつつ機械が作業を行えるときである。この規格の利用者は,次のいずれかを選択することによって,
この規格に対する適合を証明することができる。
a) 電気・電子系又は電子サブアセンブリが,この規格の対応する箇条の基準に適合し,電子サブアセン
ブリが関連規定を遵守して装着されるときに,この規格の性能要求事項に適合している。
b) 完成機が,この規格の対応する箇条の基準に適合するときに,この規格の性能要求事項に適合してい
る。完成機がこの規格の性能要求事項を満足するときは,電気・電子系又は電子サブアセンブリに対
する測定は,不要である。
5
全般的試験要求事項
5.1
試験供試体
供試体は,機械タイプ及び/又はESAタイプであればよい。
一つの供試体だけの試験を用いて,同じ土工機械の母集団の性能を判断しなければならないので,機械
タイプ又はESAタイプの製造上の変動及び試験要因によるイミュニティの変動を考慮して,エミッション
及びイミュニティの基準限度値は,エミッション限度値を比例的に20 %減少させ,イミュニティ限度値を
6
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比例的に25 %増加させて,より制限しなければならない。
同等の供試体に関する,それ以降の試験については,基準限度値を遵守していれば,この規格の要求事
項を満足していると認めなければならない。
静電気放電及び過渡電気伝導については,その基準限度値は,供試体に対するすべての試験に対して有
効である。
5.2
イミュニティ試験の追加要求事項
試験供試体が5.5.2及び5.8.2に規定する水準のイミュニティにさらされたときに,試験全期間を通じて
機械に対する運転者の制御に影響するような妨害が発生してはならない。操縦装置はかじ取り,制動,加
減速操作などの点に関して評価しなければならない。これは,機械各部の動作及び各機能状態の変化によ
って機械が制御困難となるような操作(例えば,機械の危険な作動)とも関連する。
機械制御系又はESAに加えられた変更が,再試験が必要なほど重大な変更かどうかを判断するために,
附属書F又は類似の評価方法を適用する。これにはイミュニティ及び電磁エミッションに関して,この規
格への適合に影響する電気・電子系へのいかなる変更も含まれ得る。
モニタ,警報装置,計器,灯火類及びワイパのように機械の運転上補助的で機械操作を変化させること
のないESAは,5.5.3及び5.8.3に規定する緩い方のイミュニティ要求,又は5.5.2及び5.8.2に規定する厳
しい方のイミュニティ要求のいずれによって試験してもよい。
ソレノイド,リレーなどのような在来方式の(能動半導体によらない)操作系統は,5.5.3及び5.8.3に
規定する緩い方のイミュニティ要求にだけ適合すればよい。
5.3
土工機械から放射される広帯域電磁エミッション
5.3.1
測定方法
電磁放射は,規定されたアンテナ距離のいずれかで附属書Bの方法を用いて測定する。
その選択は,規格の利用者が行う。
5.3.2
広帯域基準限度値
10 m±0.2 mの土工機械−アンテナ間間隔を使用し,附属書Bの方法を用いて測定を行う場合は,エミ
ッション基準限度値は,図A.1に示すように,30 MHz〜75 MHzの周波数帯では34 dB(μV/m)(すなわち
50 μV/m),75 MHz〜400 MHzの周波数帯では34 dB(μV/m)〜45 dB(μV/m)(すなわち50 μV/m〜180 μV/m)
でなければならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなければな
らない。400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,45 dB(μV/m)(すなわち180 μV/m)で一定の
ままである。
3 m±0.05 mの土工機械−アンテナ間間隔を使用し,附属書Bの方法を用いて測定を行う場合は,エミ
ッション基準限度値は,図A.2に示すように,30 MHz〜75 MHzの周波数帯では44 dB(μV/m)(すなわち
160 μV/m),75 MHz〜400 MHzの周波数帯では44 dB(μV/m)〜55 dB(μV/m)(すなわち160 μV/m〜562
μV/m)でなければならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなけ
ればならない。400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,55 dB(μV/m)(すなわち562 μV/m)で
一定のままである。
供試体に対しては,dB(μV/m)(又はμV/m)単位で表す測定値は,基準限度値より少なくとも2 dB低
くなければならない。
5.4
土工機械から放射される狭帯域電磁エミッション
5.4.1
測定方法
電磁エミッションは,附属書Cの方法を用いて,規定されたアンテナ距離のいずれかで測定しなければ
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ならない。
その選択は,規格の利用者が行う。
5.4.2
狭帯域基準限度値
10 m±0.2 mの土工機械−アンテナ間間隔を使用し,附属書Cの方法を用いて測定を行う場合は,エミ
ッション基準限度値は,図A.3に示すように,30 MHz〜75 MHzの周波数帯では24 dB(μV/m)(すなわち
16 μV/m),75 MHz〜400 MHzの周波数帯では24 dB(μV/m)〜35 dB(μV/m)(すなわち16 μV/m〜56 μV/m)
でなければならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなければな
らない。400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,35 dB(μV/m)(すなわち56 μV/m)で一定の
ままである。
3 m±0.05 mの土工機械−アンテナ間間隔を使用し,附属書Cの方法を用いて測定を行う場合は,エミ
ッション基準限度値は,図A.4に示すように,30 MHz〜75 MHzの周波数帯では34 dB(μV/m)(50 μV/m),
75 MHz〜400 MHzの周波数帯では34 dB(μV/m)〜45 dB(μV/m)(すなわち50 μV/m〜180 μV/m)でなけ
ればならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなければならない。
400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,45 dB(μV/m)(すなわち180 μV/m)で一定のままであ
る。
供試体に対しては,dB(μV/m)(又はμV/m)単位で表す測定値は,基準限度値より少なくとも2 dB低
くなければならない。
5.5
電磁エミッションに対する土工機械のイミュニティ
5.5.1
試験方法
土工機械の電磁エミッションに対するイミュニティは,ISO 11451-1及びISO 11451-2の垂直面及び水平
面に従って試験しなければならない。イミュニティ試験は,ISO 11451-1によって試験するのがよい。た
だし,対象とする系の定在波比にかかわらず進行波電力を参照基準として用いる。
試験は,電波無響室の内部で実施するか,同レベルの他の方法で行ってもよい。
機械に応じた基準点及び動作モードは,この規格の規定による。代替方法及び1 kHz正弦波の80 %振幅
変調(AM)(ISO 11451-1参照)が,試験方法として定められている。試験は,表1の基準を用いて20 MHz
〜1 000 MHzの周波数帯で実施しなければならない。
少なくとも2か所のアンテナ位置を適用する。アンテナ位置は,お互いにおおよそ直角に機械の中で最
も電子制御機器の密集した場所に指向する二つの場所とする。それぞれの場所でアンテナは,まず最初は
垂直又は水平に偏波され,その後90度回されてもう一方の偏波で再試験される。
表1−周波数間隔最大値
周波数帯
MHz
周波数間隔
MHz
対数間隔
%
20を超え
200以下
5
5
200を超え
400以下
10
5
400を超え 1 000以下
20
2
5.5.2
土工機械の機械動作制御系のイミュニティ基準限度値
基準限度値80 V/m(非変調波の実効値)を適用する。変調された試験信号の最大値は,非変調の試験信
号の最大値と整合していなければならない。イミュニティ要求事項は,(基準限度値より25 %高い)
100 V/mの電磁界強度によって満たされる。5.2によるイミュニティ試験の一般要求事項を満足しなければ
8
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ならない。適切なアンテナ及び試験設備の適用が困難な場合は,20 MHz〜60 MHz間で電磁界強度を低く
してもよい。電磁界強度が24 V/m(単一の供試体に対しては,30 V/m)未満となるときは,この周波数帯
域ではESAの試験に他の方法を用いなければならない。
5.5.3
土工機械の機械動作制御系以外(及び能動半導体不使用の制御系)のイミュニティ基準限度値
基準限度値24 V/m(非変調波の実効値)を適用する。変調された試験信号の最大値は,非変調の試験信
号の最大値と整合していなければならない。イミュニティ要求事項は,(基準限度値より25 %高い)30 V/m
の電磁界強度によって満たされる。5.2によるイミュニティ試験の一般要求事項を満足しなければならない。
24 V/m又は30 V/mでの試験は,80 V/m又は100 V/m の試験で不具合が認められた帯域に関してだけ実施
すればよい。
5.6
ESAから放射される広帯域電磁エミッション
5.6.1
試験方法
電磁障害は,附属書Dによって測定しなければならない。
5.6.2
ESA広帯域基準限度値
附属書Dの方法を適用して測定を行う場合は,エミッション基準限度値は,図A.5に示すように,30 MHz
〜75 MHzの周波数帯では64 dB(μV/m)〜54 dB(μV/m)(すなわち1 600 μV/m〜500 μV/m)でなければ
ならず,この限度値は,30 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)減少しなければならない。75 MHz
〜400 MHzの周波数帯では54 dB(μV/m)〜65 dB(μV/m)(すなわち500 μV/m〜1 800 μV/m)でなければ
ならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなければならない。
400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,65 dB(μV/m)(すなわち1 800 μV/m)で一定のままで
ある。
供試体に対しては,dB(μV/m)(又はμV/m)単位で表される測定値は,基準限度値より少なくとも2 dB
低くなければならない。
5.7
ESAから放射される狭帯域電磁エミッション
5.7.1
試験方法
電磁障害は,附属書Eによって測定しなければならない。
5.7.2
ESA狭帯域基準限度値
附属書Eの方法を用いて,測定を行う場合は,エミッション基準限度値は,図A.6に示すように,30 MHz
〜75 MHzの周波数帯では54 dB(μV/m)〜44 dB(μV/m)(すなわち500 μV/m〜160 μV/m)でなければな
らず,この限界は,30 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)減少しなければならない。75 MHz
〜400 MHzの周波数帯では44 dB(μV/m)〜55 dB(μV/m)(すなわち160 μV/m〜562 μV/m)でなければ
ならず,この限度値は,75 MHzを超える周波数では対数的に(直線的に)増加しなければならない。
400 MHz〜1 000 MHzの周波数帯では,限度値は,55 dB(μV/m)(すなわち562 μV/m)で一定のままであ
る。
供試体に対しては,dB(μV/m)(又はμV/m)単位で表される測定値は,基準限度値より少なくとも2 dB
低くなければならない。
5.8
電磁エミッションに対するESAのイミュニティに関する規定
5.8.1
試験方法
電磁場におけるESAのイミュニティ試験については,ISO 11452-2,ISO 11452-3,ISO 11452-4又はISO
11452-5の試験方法を適用する。イミュニティ試験はISO 11452-1によって行うのがよいが,ただし,対象
とする系の定在波比にかかわらず進行波電力を参照基準として用いてもよい。選択した試験方法の組合せ
9
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
は,20 MHz〜1 000 MHzの周波数帯をカバーしていなければならない。置換法及び1 kHz正弦波の80 %振
幅変調(AM)(ISO 11452-1参照)が,試験方法として定められている。
5.8.2
ESAのイミュニティ基準限度値
イミュニティ基準限度値は,非変調波の二乗平均平方根値に対して適用する。変調された試験信号の最
大値は,非変調の試験信号の最大値と整合していなければならない。ISO 11452-1〜ISO 11452-5に従って
試験を行う場合,イミュニティの基準限度値は,次のとおりである。
− 150 mmのストリップ・ライン試験方法では,80 V/m(ISO 11452-5)
− TEMセル試験方法では,80 V/m(ISO 11452-3)
− 大電流注入(BCI)試験方法では,80 mA(ISO 11452-4)
− 放射電磁界(アブソーバ・ラインド・チャンバ)試験方法では,80 V/m(ISO 11452-2)
ISO 7637-1及びISO 7637-2に規定されている機能状態クラスA(妨害にさらされている間及びその後に,
すべての機能が設計されたとおりに働く)は,すべての試験に適用される。供試体に対しては,25 %増加
した基準限度値を適用する。ESAは,土工機械に用いて許容できないような動作上の変化を呈してはなら
ない。許容できないような動作上の変化の定義は,5.2を参照。
5.8.3
機械動作制御系以外のESA(又はその機能へ)のイミュニティ基準限度値
イミュニティ基準限度値は,非変調波の二乗平均平方根値に対して適用する。変調された試験信号の最
大値は,非変調の試験信号の最大値と整合していなければならない。ISO 11452-1〜ISO 11452-5に従って
試験を行う場合,イミュニティの基準限度値は,次のとおりである。
− 150 mmのストリップ・ライン試験方法では,24 V/m(ISO 11452-5)
− TEMセル試験方法では,24 V/m(ISO 11452-3)
− 大電流注入(BCI)試験方法では,24 mA(ISO 11452-4)
− 放射電磁界(アブソーバ・ラインド・チャンバ)試験方法では,24 V/m(ISO 11452-2)
5.8.2に規定するより高いレベルの試験に適合したESAには,この緩和条件での試験を実施する必要は
ない。機能状態クラスAは,すべての試験に適用される。供試体に対しては,25 %増加した基準限度値を
適用する。ESA は,土工機械に用いて許容できないような動作上の変化を呈してはならない。許容できな
いような動作上の変化の定義は,5.2を参照。
5.9
静電気放電(ESD)
5.9.1
試験方法
標準的使用状態での(例えば,運転者の接触による)ESDがあり得る領域での土工機械又は構成部品の
測定方法として,ISO 10605に記述されている方法を使用する。
5.9.2
基準限度値
ISO 10605:2001の表Bに規定する試験レベルIV(接触による放電8 kV,空中放電15 kV)を適用する。
5.10 過渡電気伝導
5.10.1 通則
土工機械に外付けのESAが接続された場合,その外付けESAが,土工機械の内部のESA又は構成部品
に影響を及ぼす可能性がある。そのため,土工機械及びESAが適応すべき,エミッション及び感受性の最
低値が要求される。
5.10.2 試験方法
ISO 7637-1及びISO 7637-2の方法を試験方法として適用する。過渡電気伝導の試験のために,ESAを土
工機械の実機に装着してもよい。
10
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.10.3 基準限度値
12 V系に対してはISO 7637-2:2004の表A.1のレベルIIIを適用して試験する。24 V系に対しては,ISO
7637-2:2004の表A.2を適用して試験する。
ESA又は土工機械の誤動作を避けるため,適用可能な場合には,ESA ごとに,土工機械又はその装置の
正しい設置及びそれらへの正しい接続を説明する記述を付加する必要がある。
6
例外
箇条5の要求事項に対しては,次の例外を認める。
a) 土工機械,電気・電子系又はESAが,9 kHzより高い動作周波数の電子発振器を含んでいない場合は,
b) 電気・電子系又はESAで,次の1)又は2)に記述する電気・電子系又はESAを使用する土工機械だけ
がイミュニティ試験を必要とし,それ以外の土工機械は,5.5,5.8,5.9及び5.10の要求事項に適合し
ているとみなす。
1) 土工機械の直接の制御及び機能状態の変化のための電気・電子系又はESA。
2) 電磁障害の影響によって危険な機械の動作をもたらすような運転員の反応を促す電気・電子系又は
ESA。
c) ラジオ及び空気調和装置のように運転員の快適のためだけのESAは,イミュニティを試験する必要は
なく,5.5,5.8,5.9及び5.10の要求事項に適合しているとみなす。
d) 無線送信機又は電話送信機に関しては,この規格の特定の試験を実施しない。各土工機械の製造業者
は,土工機械に無線,電話又はその他の送信機を設置又は操作する場合に,適用すべき注意事項があ
るときには,取扱説明書でそれらについて明記する。
7
試験報告書
試験報告書を作成する場合は,次の情報を報告書に含める必要がある。
a) 3.11又は3.12に従った試験機器の記述(機械モデル,ESA又は独立した技術的ユニットの明記)
b) 試験施設,試験現場の記述又はクラス分け
c) 計器又は計器が適合する基準の記述
d) 5.3.2に従った広帯域電磁エミッションのレベル
e) 5.4.2に従った狭帯域電磁エミッションのレベル
f)
5.5.2及び5.5.3に従った土工機械の制御機能の低下の明記
g) 5.6.2に従った広帯域電磁障害のレベル
h) 5.7.2に従った狭帯域電磁障害のレベル
i)
5.8.2及び5.8.3に従った土工機械の制御に影響するESAが示す制御機能の低下の明記
j)
5.9.2の要求事項を満足していない構成部品の明記
k) 5.10.2の要求事項を満足していない構成部品の明記
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
基準限度値の図
基準限度値は,図A.1〜図A.6に示す。
a
周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.1−土工機械の広帯域基準限度値−アンテナと機械実機の間隔10 m
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a
周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.2−土工機械の広帯域基準限度値−アンテナと機械実機の間隔3 m
13
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
縦軸にデシベル,横軸に対数周波数で描かれる狭帯域リニア信号の大きさの評価には,平均検波器が使用される。
そして,測定された発生妨害波の強度が上記のエミッション限度に適合する場合には,測定されたせん頭値をCISPR
25:2002の図1に示す放射妨害及び電導妨害に関する適合性の決定方法に従って分析し評価を行う。
a 周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.3−土工機械の狭帯域基準限度値−アンテナと機械実機の間隔10 m
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
縦軸にデシベル,横軸に対数周波数で描かれる狭帯域リニア信号の大きさの評価には,平均検波器が使用される。
そして,測定された発生妨害波の強度が上記のエミッション限度に適合する場合には,測定されたせん頭値をCISPR
25:2002の図1に示す妨害及び電導妨害に関する適合性の決定方法に従って分析し評価を行う。
a
周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.4−土工機械の狭帯域基準限度値−アンテナと機械実機の間隔3 m
15
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a
周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.5−ESA−広帯域基準限度値
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
測定されたエミッションの値が上記の基準限度値を超える場合は,それらのせん頭値をCISPR 25:2002の図1に示
す妨害及び電導妨害に関する適合性の決定方法に従って分析し評価を行う。
a
周波数の対数に対してdB値のグラフを描くと線形となる。
図A.6−ESA−狭帯域基準限度値
17
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
土工機械から放射される広帯域電磁エミッションの測定方法
B.1
通則
B.1.1 適用
この附属書で説明する試験方法は,完成品の土工機械だけに適用しなければならない。
B.1.2 測定器具
測定器具は,CISPR 16-1-1の要求事項を遵守していなければならない。
この附属書による広帯域電磁エミッションの測定には,準せん(尖)頭値検波器を使用しなければなら
ない。又は,せん(尖)頭値検波器を使用する場合は,パルス・レートに応じて適切な補正係数を使用し
なければならない(B.6及びCISPR 12を参照)。
B.1.3 試験方法
この試験は,広帯域電磁エミッションを測定するためのものである。土工機械から10 m又は 3 mの二
つの基準アンテナ距離が選択可能として許容されている。いずれの場合にも,B.2の要求事項を遵守して
いなければならない。
B.1.4 試験結果
測定結果は,120 kHz帯域幅に対してdB(μV/m)(又はμV/m)で表さなければならない。
B.2
測定位置
B.2.1 試験現場
試験現場は,土工機械とアンテナとの間の中間点から測定して,最小30 m半径の円内に電磁波を反射
する表面のない見通しのよい平らな場所でなければならない(図B.1参照)。試験現場はすべてCISPR
16-1-4の当該箇所(の規定)に適合しなければならない。
B.2.2 測定施設
試験現場内に,測定器具一式,試験小屋,又は測定器具一式を置く土工機械があってもよいが,それら
は図B.1に示す許可領域内だけに置くものとする。他の測定アンテナは,試験結果に影響を与えないこと
が証明できる場合には,試験領域内にあってもよいが,試験中の受信アンテナ及び土工機械の双方から少
なくとも10 m離れていなければならない。
B.2.3 密閉した試験施設
密閉した試験施設と屋外現場との間に相関が認められる場合は,密閉した試験施設を使用することがで
きる。密閉した試験施設は,アンテナと土工機械との距離及びアンテナの高さを除けば,図B.1の寸法要
求を満たす必要はない。また,B.2.4 に示されている試験の前後に周囲エミッションをチェックする必要
もない。
B.2.4 周囲
測定に実効的な影響を与えるのに十分な強度の外部からの雑音又は信号がないことを保証するため,主
たる試験の前後に測定を実施しなければならない。周囲測定を実施するときに土工機械が存在している場
合は,土工機械からのエミッションが周囲測定に著しく影響を与えないことを保証する必要がある(例え
ば,試験領域からの土工機械の除去,点火キーの取り外し又は電池の切り離し)。両方の測定とも,外部か
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
らの騒音又は信号は(意図的な狭帯域周囲交信を除いて),5.3.2に示した障害の限度値より少なくとも10
dB低くなければならない。
B.3
試験中の機械の状態
B.3.1 通則
連続的に使用されると考えられるすべての広帯域エミッションは,試験中はオンに切り替えていなけれ
ばならない。土工機械がエンジン駆動である場合は,エンジンは通常運転温度で動作していなければなら
ず,変速機は,中立になっていなければならない。速度設定機構が電磁エミッションに影響を与えないこ
とを保証するように留意しなければならない。各測定の間は,エンジンは,表B.1のように動作していな
ければならない。
表B.1−試験中のエンジン回転速度
エンジンの形式
測定方法
準せん(尖)頭
せん(尖)頭
エンジン回転速度
min−1
火花点火
1シリンダ
2 500±250
2 500±250
複数シリンダ
1 500±150
1 500±150
ディーゼル
通常回転速度± 10 %
B.3.2 試験現場周囲
雨若しくはその他のものが土工機械に降下している間,又はそのような降下が停止した後の10分以内は,
試験を実施してはならない。
B.4
アンテナ
B.4.1 アンテナのタイプ
基準アンテナに正規化できる場合は,任意のアンテナを使用することができる。CISPR 12:2004の附属
書Aの方法は,アンテナの校正に使用することができる。
B.4.2 測定の高さ及び距離
B.4.2.1 高さ
B.4.2.1.1 10 m試験
アンテナの位相中心は,土工機械がある平面の3 m±0.05 m上になければならない。
B.4.2.1.2 3 m試験
アンテナの位相中心は,土工機械がある平面の1.8 m±0.05 m上になければならない。
B.4.2.1.3 アンテナの位置
アンテナの受信要素のどの部分も,土工機械がある平面から0.25 mより下にあってはならない。
B.4.2.2 測定距離
B.4.2.2.1 10 m試験
B.4.1に説明されている正規化手順の間に規定されたアンテナの先端又はその他の適切な点から土工機
械の外側車体構造表面までの水平距離は,10 m±0.2 mでなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.4.2.2.2 3 m試験
B.4.1に説明されている正規化手順の間に規定されたアンテナの先端又はその他の適切な点から土工機
械の外側車体構造表面までの水平距離は,3 m±0.05 mでなければならない。
B.4.2.2.3 密閉した施設
無線周波数の電磁的遮へいのために密閉した施設内で試験を実施する場合は,アンテナの受信要素は,
無線吸収材の1 m以内であってはならず,密閉施設の壁の1.5 m以内であってはならない。試験中の受信
アンテナと土工機械との間に吸収材があってはならない。
B.4.3 土工機械に対する相対的なアンテナの位置
アンテナは,土工機械の左右対称面に平行で,土工機械の左右に次の点を通る線上に並んでいなければ
ならない。
a) ディーゼルエンジンの場合:座席基準点(SIP)(JIS A 8318参照)
b) 火花点火エンジンの場合:エンジン中心点
図B.2及び図B.3参照。
B.4.4 アンテナの位置
各測定点では,アンテナを水平偏波及び垂直偏波にして読取りを行わなければならない(図B.2及び図
B.3参照)。
B.5
読取り
各スポット周波数でのB.4.3及びB.4.4に従って行う4回の読取値の最大値を,測定を行った周波数の特
性読取値として採用する。
B.6
周波数
測定は,30 MHz〜1 000 MHzの周波数範囲全体を通して行わなければならない。最小走査時間は,CISPR
12に適合しなければならない。
試験中に限度値を超えた場合は,周囲の放射ではなく機械に起因することを確認しなければならない。
測定は,準せん(尖)頭値検波器又はせん(尖)頭値検波器のいずれかを用いて実施してよい。限度値
で5.3.2に示すものは,準せん(尖)頭値に対するものである。せん(尖)頭値を使用する場合は,1 MHz
帯域幅には38 dBを加算し,1 kHz帯域幅には22 dBを減算する。
− 限度値[せん(尖)頭,1 MHz]=限度値[準せん(尖)頭,120 kHz]+38 dB
− 限度値[せん(尖)頭,1 kHz]=限度値[準せん(尖)頭,120 kHz]−22 dB
注記 準せん(尖)頭値とせん(尖)頭値との測定値の関係は,CISPR 12によれば,120 kHz帯域で
は+20 dBで,前記の式に含む。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 m
記号
1
機械
2
アンテナと機械との間の中間の見通しのよい領域の中心
3
アンテナ
4
測定器具一式(小屋又は車両に入れる)が許容される領域
試験領域は,電磁波を反射する表面のない見通しのよい平らな領域とする(CISPR 12参照)。
図B.1−土工機械−試験領域
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 m
a) 放射の垂直成分を測定するダイポールアンテナの位置
b) 放射の水平成分を測定するダイポールアンテナの位置
記号
SIP
座席基準点(JIS A 8318)
B
10±0.2 (3±0.05)
H
3±0.05 (1.8±0.05)
図B.2−ディーゼルエンジン式土工機械を測定するアンテナの位置
22
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 m
a) 放射の垂直成分を測定するダイポールアンテナの位置
b) 放射の水平成分を測定するダイポールアンテナの位置
記号
CLE エンジンの中心線
B
10±0.2 (3±0.05)
H
3±0.05 (1.8±0.05)
図B.3−火花点火エンジン式土工機械を測定するアンテナの位置
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
土工機械から放射される狭帯域電磁エミッションの測定方法
C.1 通則
C.1.1 適用
この附属書で規定する試験方法は,完成品の土工機械だけに適用する。
C.1.2 測定器具
測定器具は,CISPR 16-1-1の要求事項を遵守していなければならない。
この附属書にある狭帯域電磁エミッションの測定に対しては,せん(尖)頭値検波器又は平均値検波器
を使用しなければならない。
C.1.3 試験方法
この試験は,マイクロプロセッサをベースとした電気・電子系又はその他の狭帯域源から発する狭帯域
エミッションを測定するためのものである。試験手順の中で,土工機械から10 m又は3 mの二つの基準
アンテナ距離が選択可能として許容されている。いずれの場合にも,C.2の要求事項を遵守していなけれ
ばならない。
C.1.4 測定結果
測定結果は,dB(μV/m)(又はμV/m)で表さなければならない。
C.2 測定位置
C.2.1 試験現場
試験現場は,土工機械とアンテナとの間の中間点から測定して,最小30 m半径の円内に電磁波を反射
する表面のない見通しのよい平らな領域でなければならない(図B.1参照)。試験現場はすべてCISPR
16-1-4の当該箇所(の規定)に適合しなければならない。
C.2.2 測定施設
試験現場内に,測定器具一式,試験小屋,又は測定器具一式を置く土工機械があってもよいが,それら
は図B.1に示す許可領域内だけに置くものとする。他の測定アンテナは,試験結果に影響を与えないこと
が証明できる場合には,試験領域内にあってもよいが,試験中の受信アンテナ及び土工機械の双方から少
なくとも10 m離れていなければならない。
C.2.3 密閉した試験施設
密閉した試験施設と屋外現場との間に相関が認められる場合は,密閉した試験施設を使用することがで
きる。密閉した試験施設は,アンテナと土工機械との距離及びアンテナの高さを除けば,図B.1の寸法要
求を満たす必要はない。C.2.4 に示されているように試験の前後に周囲エミッションをチェックする必要
もない。
C.2.4 周囲
測定に実効的な影響を与えるのに十分な強度の外部からの雑音又は信号がないことを保証するため,主
たる試験の前後に,測定を実施しなければならない。周囲測定を実施するときに土工機械が存在している
場合は,土工機械からのエミッションが周囲測定に著しく影響を与えないことを保証する必要がある(例
えば,試験領域からの土工機械の除去,点火キーの取り外し又は電池の切り離し)。両方の測定とも,外部
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
からの騒音又は信号は(意図的な狭帯域周囲交信を除いて),5.4.2に示した障害の限度値より少なくとも
10 dB低くなければならない。
C.3 試験中の土工機械の状態
C.3.1 機械の電子系
機械の狭帯域電磁エミッションを発生し得る電子系は,測定中は動作させておかなければならない。広
帯域電磁エミッションを発生し得る電子系は,必要であれば遮断しなければならない。
C.3.2 機械制御
点火又はエンジン動作制御は,オンに切り替えていなければならない。エンジンは,動作していてはな
らない。
C.3.3 周囲条件
雨若しくはその他が土工機械に降下している間,又はそのような降下が停止した後の10分以内は,試験
を実施してはならない。
C.4 アンテナ
C.4.1 アンテナのタイプ
基準アンテナに正規化できる場合は,任意のアンテナを使用することができる。CISPR 12:2004の附属
書Aの方法は,アンテナの校正に使用することができる。
C.4.2 測定の高さ及び距離
C.4.2.1 高さ
C.4.2.1.1 10 m試験
アンテナの位相中心は,土工機械がある平面の3 m±0.05 m上になければならない。
C.4.2.1.2 3 m試験
アンテナの位相中心は,土工機械がある平面の1.8 m±0.05 m上になければならない。
C.4.2.1.3 アンテナの位置
アンテナの受信要素のどの部分も,土工機械がある平面から0.25 mより下にあってはならない。
C.4.2.2 測定距離
C.4.2.2.1 10 m試験
C.4.1に説明されている正規化手順の間に規定されたアンテナの先端又はその他の適切な点から土工機
械の外側車体構造表面までの水平距離は,10 m±0.2 mでなければならない。
C.4.2.2.2 3 m試験
C.4.1に説明されている正規化手順の間に規定されたアンテナの先端又はその他の適切な点から土工機
械の外側車体構造表面までの水平距離は,3 m±0.05 mでなければならない。
C.4.2.2.3 密閉した施設
無線周波数の電磁的遮へいのために密閉した施設内で試験を実施する場合は,アンテナの受信要素は,
無線吸収材の1 m以内であってはならず,密閉施設の壁の1.5 m以内であってはならない。試験中の受信
アンテナと土工機械との間に吸収材があってはならない。
C.4.3 土工機械に対する相対的なアンテナの位置
アンテナは,土工機械の左右対称面に平行で,土工機械の左右に座席基準点(SIP)を通る線上に並んで
いなければならない(図B.1参照)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.4.4 アンテナの位置
各測定点では,アンテナを水平偏波及び垂直偏波にして読取りを行わなければならない(図B.2参照)。
C.5 読取り
各スポット周波数でのC.4.3 及びC.4.4 に従って行う4回の読取値の最大値を,測定を行った周波数の
特性読取値として採用する。
C.6 周波数
測定は,30 MHz〜1 000 MHzの周波数範囲全体を通して行わなければならない。最小走査時間は,CISPR
12に適合しなければならない。試験中に限度値を超えた場合は,周囲の放射ではなく機械に起因すること
を確認しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(規定)
ESAから放射される広帯域電磁エミッションの測定方法
D.1 通則
D.1.1 適用
この附属書で規定する試験方法は,ESAに対して適用する。
D.1.2 測定器具
測定器具は,CISPR 16-1-1の要求事項を遵守していなければならない。この附属書にある広帯域電磁エ
ミッションの測定には,準せん(尖)頭値検波器を使用しなければならない。又は,せん(尖)頭値検波
器を使用する場合は,適切な補正係数を使用しなければならない(D.6及びCISPR 12参照)。
D.1.3 試験方法
この試験は,ESAからの広帯域電磁エミッションを測定するためのものである。
D.1.4 測定結果
測定結果は,120 kHz帯域幅に対してdB(μV/m)(又はμV/m)で表さなければならない。測定器具の(kHz
で表現した)実際の帯域幅Bが120 kHzとは異なる場合は,係数として120/B倍して,120 kHz幅での値
に換算しなければならない。
注記 この係数は,妨害信号のスペクトル(周波数特性)によっても依存する。火花のような妨害電
圧では係数は前記のとおりである。高調波信号の場合,係数は
B
/
120
になる。
D.2
測定位置
D.2.1 試験現場
試験現場は,CISPR 16-1-4の要求事項を遵守しなければならない(図D.1参照)。
D.2.2 測定施設
測定器具一式,試験小屋,又は測定器具一式を置く土工機械は,図D.1に示す境界外になければならな
い。
D.2.3 密閉した試験施設
密閉した試験施設と屋外現場との間に相関が認められる場合は,密閉した試験施設を使用することがで
きる。密閉した試験施設は,試験中のアンテナとESAとの距離及びアンテナの高さを除けば,図D.1の寸
法要求を満たす必要はない(図D.2及び図D.3を参照)。
D.2.4 周囲環境測定
測定に実効的な影響を与え得るような強度の外部からの雑音又は信号がないことを保証するため,主た
る試験の前後に,測定を実施しなければならない。両方の測定とも,外部からの雑音又は信号は,意図的
な狭帯域周囲交信を除いて,5.6.2に示されている障害の限度値より少なくとも10 dB低くなければならな
い。
D.3 試験中のESA の状態
D.3.1 動作モード
試験中のESAは,通常動作モードでなければならない。雨若しくはその他のものがESA に降下してい
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る間,又はそのような降下が停止した後の10分以内は,試験を実施してはならない。
D.3.2 ESAのセットアップ
試験中のESA 及び配線ハーネスは,木製又は同等の非伝導支持台によって金属グラウンド面の50 mm
±5 mm上に位置していなければならない。しかし,試験中のESAの任意の部分が土工機械の金属車体構
造に電気的に結合するように設計されている場合は,その部分は,グラウンド面に置かなければならず,
グラウンド面に電気的に結合しなければならない。
グラウンド面は,少なくとも0.5 mmの厚さの金属薄板でなければならない。グラウンド面の最小サイ
ズは,試験中のESAのサイズに依存するが,ESAの配線ハーネス及び構成部品を広げておけるものでな
ければならない。グラウンド面は,接地系統の保護導体に接続しなければならない。グラウンド面は,試
験施設の床面から1 m±0.1 m上に位置していなければならず,それに平行でなければならない。
試験中のESAは,その要求事項に従って配線及び接続しなければならない。電源ハーネスは,アンテナ
に最も近いグラウンド面/テーブルの端に沿って100 mm±10 mmに位置していなければならない。
試験中のESAは,製造業者の取付仕様に従って接地系統に接続しなければならず,更に接地接続するこ
とは認められない。
試験中のESAと(試験対象物の下のグラウンド面/テーブルを除く。)遮へい領域の壁など他のすべて
の伝導性構造物との間の距離は,最小1 mでなければならない。
D.3.3 ESAへの電力
電力は,グラウンド面に電気的に結合された5 μH/50疑似回路網(AN)を介して試験中のESAに加え
なければならない。電源電圧は,その公称系統動作電圧の±10 %に維持しなければならない。リプル電圧
は,AN 監視ポートで測定した公称系統動作電圧の1.5 %未満でなければならない。
D.3.4 複数のESA
試験中のESAが複数のユニットから構成されている場合は,相互接続ケーブルは,理想的には土工機械
に使用するのと同じ配線ハーネスである必要がある。これらを使用できない場合は,電子制御ユニットと
ANとの間の最小の長さは,1.5 mでなければならない。すべてのケーブル・ツリー(ハーネス)は,でき
るだけ実際と同じように終端する必要があり,本当の負荷及びアクチュエータがあれば望ましい。試験中
のESAの正しい動作のために外部の機器が必要な場合は,測定されたエミッションへのその寄与分を補正
しなければならない。
D.4 アンテナ
D.4.1 アンテナのタイプ
基準アンテナに対して正規化できる場合は,任意の直線偏波アンテナを使用することができる。
D.4.2 測定の高さ及び距離
D.4.2.1 高さ
アンテナの位相中心は,グラウンド面から150 mm±10 mm上になければならない。
D.4.2.2 測定距離
アンテナの位相中心又は適切な先端からグラウンド面の端までの水平距離は,1 m±0.05 mでなければ
ならない。アンテナのどの部分も,グラウンド面に0.5 mより近くてはならない。アンテナは,グラウン
ド面に直交する平面に平行に置き,ハーネスの主要部分が走るグラウンド面の端に一致していなければな
らない。
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D.4.2.3 密閉した施設
無線周波数の電磁的遮へいのために密閉した施設内で試験を実施する場合は,アンテナの受信要素は,
無線吸収材の0.5 m以内であってはならず,密閉施設の壁の1.5 m以内であってはならない。試験中の受
信アンテナとESAとの間に吸収材があってはならない。
D.4.3 アンテナの向き及び偏波
各測定点では,アンテナを水平偏波及び垂直偏波にして読取りを行わなければならない。
D.5 読取り
各スポット周波数でのD.4.3に従って実施する二つの読取値の最大値は,測定を行った周波数での特性
読取値として採用されなければならない。
D.6 周波数
測定は,30 MHz〜1 000 MHzの周波数範囲全体を通して行わなければならない。最小走査時間は,CISPR
12に適合しなければならない。
試験中に限度値を超えた場合は,周囲の放射ではなくESAに起因することを確認しなければならない。
測定は,準せん(尖)頭値検波器又はせん(尖)頭値検波器のいずれかを用いて実施してよい。限度値
で5.6.2に示すものは準せん(尖)頭値に対するものである。せん(尖)頭値を使用する場合は,1 MHz
帯域幅には38 dBを加算し,1 kHz帯域幅には22 dBを減算する。
− 限度値[せん(尖)頭,1 MHz]=限度値[準せん(尖)頭,120 kHz]+38 dB
− 限度値[せん(尖)頭,1 kHz]=限度値[準せん(尖)頭,120 kHz]−22 dB
注記 準せん(尖)頭値とせん(尖)頭値との測定値の関係は,CISPR 12によれば,120 kHz帯域で
は+20 dBで,前記の式に含む。
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単位 m
記号
1
グラウンド面上の供試体
2
アンテナ
試験場所は,電磁波を反射する表面のない見通しのよい平らな場所とする(CISPR 16-1-4参照)。
図D.1−ESA又は構成部品の試験場所の境界
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単位 mm
記号
1
アンテナの軸又はログペリの最も近い要素へ:1 000 mm±50 mm
2
壁に結合されたグラウンド面のある試験ベンチ
3
試験ハーネス 長さ1 500 mm±75 mm グラウンド面の上50 mm±5 mm
4
電源入力 試験対象へ
5
貫通接続
6
AN の入った接続箱
7
グラウンド面の端から最も近い放射要素で最小500 mm
8
シールドルーム
9
二重遮へい(蔽)同軸ケーブル
10
測定受信機
11
アンテナの近傍にあるアンテナ整合ユニット(必要な場合)
12
ESA
図D.2−ESAから放射される広帯域電磁エミッション−試験レイアウト(概略平面図)
31
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
記号
1
アンテナ
2
ハーネスの基準点及び主要部分を置く平面
3
基準点
4
基本平面
図D.3−ESAから放射される広帯域電磁エミッション−試験ベンチの概要側面図,垂直面に対称
32
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(規定)
ESAから放射される狭帯域電磁エミッションの測定方法
E.1
通則
E.1.1 適用
この附属書で規定する試験方法は,ESAに対して適用する。
E.1.2 測定器具
測定器具は,CISPR 16-1-1の要求事項を遵守していなければならない。この附属書に従った狭帯域電磁
エミッションの測定には,せん(尖)頭値検波器又は平均値検波器を使用しなければならない。
E.1.3 試験方法
この試験は,マイクロプロセッサをベースとした電気・電子系から発するような狭帯域電磁エミッショ
ンを測定するためのものである。短い(2分〜3分)最初のステップとして,一つのアンテナ偏波を選択す
るときは,せん(尖)頭値エミッションの位置を示すため,スペクトル分析器を用いてE.6に識別されて
いる周波数範囲のスィープを行うことが認められる。こうすることによって,試験する周波数の選択が容
易になる(E.6参照)。
E.1.4 測定結果
測定結果は,dB(μV/m)(又はμV/m)で表さなければならない。
E.2
測定位置
E.2.1 試験現場
試験現場は,CISPR 16-1-4の要求事項を遵守していなければならない(図D.1を参照)。
E.2.2 測定施設
測定器具一式,試験小屋,又は測定器具一式を置く土工機械は,図D.1に示す境界外になければならな
い。
E.2.3 密閉した試験施設
密閉した試験施設と屋外現場との間に相関が認められる場合は,密閉した試験施設を使用することがで
きる。密閉した試験施設は,試験中のアンテナとESAとの距離及びアンテナの高さを除けば,図D.1の寸
法要求を満たす必要はない(図D.2及び図D.3を参照)。
E.2.4 周囲環境測定
測定に実効的な影響を与え得るような強度の外部からの雑音又は信号がないことを保証するため,主た
る試験の前後に測定を実施しなければならない。両方の測定とも,外部からの雑音又は信号は,意図的な
狭帯域周囲交信を除いて,5.7.2に示されている障害の限度値より少なくとも10 dB低くなければならない。
E.3
試験中のESA の状態
E.3.1 動作モード
試験中のESAは,通常動作モードでなければならない。
E.3.2 試験現場周囲条件
雨若しくはその他のものがESAに降下している間,又はそのような降下が停止した後の10分以内は,
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試験を実施してはならない。
E.3.3 ESAのセットアップ
試験中のESA及び配線ハーネスは,木製又は同等の非伝導支持台によって金属グラウンド面の50 mm
10
0
+mm上に位置していなければならない。しかし,試験中のESAの任意の部分が土工機械の金属車体構
造に電気的に結合するように設計されている場合は,その部分は,グラウンド面に置かなければならず,
グラウンド面に電気的に結合しなければならない。
グラウンド面は,少なくとも0.5 mmの厚さの金属薄板でなければならない。グラウンド面の最小サイ
ズは,試験中のESAのサイズに依存するが,ESAの配線ハーネス及び構成部品を広げておけるものでな
ければならない。グラウンド面は,接地系統の保護導体に接続しなければならない。グラウンド面は,試
験施設の床面から1 m±0.1 m上に位置していなければならず,それに平行でなければならない。
試験中のESAは,その要求事項に従って配線及び接続しなければならない。電源ハーネスは,アンテナ
に最も近いグラウンド面/テーブルの端に沿って100 mm±10 mmに位置していなければならない。
試験中のESAは,製造業者の取付仕様に従って接地系統に接続しなければならず,更に接地接続するこ
とは認められない。
試験中のESAと(試験対象物の下のグラウンド面/テーブルを除く。)遮へい領域の壁など他のすべて
の伝導性構造物との間の距離は,最小1 mでなければならない。
E.3.4 ESAへの電力
電力は,グラウンド面に電気的に結合された5 μH/50疑似回路網(AN)を介して試験中のESAに加え
なければならない。電源電圧は,その公称系統動作電圧の±10 %に維持しなければならない。リプル電圧
は,AN監視ポートで測定した公称系統動作電圧の1.5 %未満でなければならない。
E.3.5 複数のESA
試験中のESAが複数のユニットから構成されている場合は,相互接続ケーブルは,理想的には土工機械
に使用するのと同じ配線ハーネスである必要がある。これらを使用できない場合は,電子制御ユニットと
ANとの間の最小の長さは,1.5 mでなければならない。室内のすべてのケーブルは,できるだけ実際と同
じように終端する必要があり,本当の負荷及びアクチュエータがあれば望ましい。試験中のESAの正しい
動作のために外部の機器が必要な場合は,測定されたエミッションへのその寄与分を補正しなければなら
ない。
E.4
アンテナ
E.4.1 アンテナのタイプ
基準アンテナに対して正規化できる場合は,任意の直線偏波アンテナを使用することができる。
E.4.2 測定の高さ及び距離
E.4.2.1 高さ
アンテナの位相中心は,グラウンド面から 150 mm±10 mm上になければならない。
E.4.2.2 測定距離
アンテナの位相中心又は適切な先端からグラウンド面の端までの水平距離は,1 m±0.05 mでなければ
ならない。アンテナのどの部分も,グラウンド面に0.5 mより近くてはならない。
アンテナは,グラウンド面に直交する平面に平行に置き,ハーネスの主要部分が走るグラウンド面の端
に一致していなければならない。
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A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.4.2.3 密閉した施設
無線周波数の電磁的遮へいのために密閉した施設内で試験を実施する場合は,アンテナの受信要素は,
無線吸収材の1 m以内であってはならず,密閉施設の壁の1.5 m以内であってはならない。試験中の受信
アンテナとESAとの間に吸収材があってはならない。
E.4.3 アンテナの向き及び偏波
各測定点では,アンテナを水平偏波及び垂直偏波にして読取りを行わなければならない。
E.5
読取り
各スポット周波数でのE.4.3に従って実施する二つの読取りの最大値は,測定を行った周波数での特性
読取値として採用しなければならない。
E.6
周波数
測定は,30 MHz〜1 000 MHzの周波数範囲全体を通して行わなければならない。最小走査時間は,CISPR
12に適合しなければならない。
35
A 8316:2010 (ISO 13766:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(規定)
供試体の構成を選択するための指針
F.1
一般
土工機械の電気・電子系統は同一機種でも多様であるため,機械又はESAの供試体の選択は,最も著し
いエミッション及び土工機械へのイミュニティの影響を表す可能性のある条件,及びそれを使用する環境
の評価を基にして行わなければならない。したがって,試験のために使用する機械又はESAの構成の種類
を減少させるため,この規格の利用者が,試験する構成の最善の選択を行うには,附属書Fにある情報が
役に立つ。
F.2
検討基準
F.2.1
狭帯域エミッション
9 kHzより高い発振器がない(9 kHzより高い発振器の例は,マイクロプロセッサのクロック及びパルス
幅変調信号である)。
F.2.2
広帯域エミッション
広帯域放射源がない(広帯域雑音源の例は,ワイパのモータ及び点火プラグである)。
連続的に運転しない。
F.2.3
イミュニティ
電気・電子系の性能の低下は,次のとおりである。
− 土工機械の運転者による直接の制御に影響しない。
− エンジン速度制御に影響しない。
− ステアリング系統に影響しない。
− ブレーキ系統に影響しない。
− 土工機械の作業機の動作に影響しない。
− その他の安全関連機能に影響しない。
− 表示が誤った信号を示すことによって,機械の危険な動作を引き起こし,また,運転員に伝わる応答
が危険な操作の原因となるような影響を起こさない。
電気・電子系は能動半導体素子を含んでいない(能動半導体素子の例は,トランジスタ及びマイクロプ
ロセッサである。)。
デバイスへの電力は,直接に又はリレー接点を介して切り替える。
電気・電子系の(性能)低下が,運転者に知覚できる程度ではない。製造業者は,最大変化率などの機
械としての限界を明記又は明示しなければならない。