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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A8201-1993 

シールド掘進機の仕様書様式 

Standard form of specifications of shield machine 

1. 適用範囲 この規格は,シールド掘進機(1)の仕様書の様式(以下,仕様書の様式という。)及び仕様書

記入要領について規定する。 

注(1) シールド掘進機とは,掘進機本体で土圧を支えながら本体[3.(6)参照]に附属した推進機構で

後方に反力をとり,又は推進ジャッキ,グリッパなどで地山に反力をとって推進するものをい

う。 

2. 仕様書の様式 仕様書の様式は,次のとおりとする。 

(1) 仕様書は,付表1の様式による。 

(2) 仕様書は,シールド掘進機の諸元及び性能の概略を示すもので,記入の際は,目的に応じて項目を適

当に選んでも差し支えない。 

なお,各部の構造,材料,試験方法なども必要に応じて付記する。 

(3) 仕様書には,全体組立図,テールプレート強度計算書などを必要に応じて添付する。 

なお,シールド掘進機の設計条件を示す場合は,附属書によって記入し,仕様書に添付する。 

3. 仕様書記入要領 仕様書の記入順序及び記入要領は,次による。 

(1) 形式名称 手掘り式(2),ブラインド式(3),半機械掘り式(4),機械掘り式(5),泥水加圧式(6),土圧式(7),

泥土圧式(8),限定圧気式(9),及びその他[じ(直)か打ちライニング式(10),多連式(11),く(矩)形

式(12),及び自走式(13)]の形式分類で記入する。 

注(2) 手掘り式とは,切羽面が開放され,部分的土留めを行うもので,主として人力掘削を行い,コ

ンベヤなどで排土するものをいう。 

(3) ブラインド式とは,切羽面を密閉し,その一部に調整可能な土砂取出し口又は取出し装置を備

えているもので,シールド掘進機を地山に貫入させ,フード内の土砂に塑性流動を起こさせな

がら排土するものをいう。 

(4) 半機械掘り式とは,手掘りシールドにおいて土砂の掘削積込みに動力機械が使用され,切羽全

断面を回転掘削する回転カッタヘッドをもたない構造のものをいう。 

(5) 機械掘り式とは,切羽全断面を掘削できる回転カッタヘッドを備え,連続的に掘削し,ベルト

コンベヤ,スクリュコンベヤなどで排土するもので,シールド掘進機内に密閉用隔壁をもたな

いものをいう。 

(6) 泥水加圧式とは,泥膜と加圧された泥水で切羽の山留めを行いながら掘削し,排土はスラリー

輸送によるものをいう。 

(7) 土圧式とは,回転カッタヘッドで掘削した土砂を切羽とシールド隔壁との間に充満させ,シー

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ルドの推進力によって加圧し,その削土圧を切羽全体に作用させて切羽の安定を図りながらス

クリュコンベヤなどで排土するものをいう。 

(8) 泥土圧式とは,掘削土砂の塑性流動を促進する添加材を注入しながら回転カッタヘッドで掘削

した土砂を機械的に混練りして,切羽とシールド隔壁との間に充満させ,シールドの推進力に

よって加圧し,その泥土圧を切羽全体に作用させて切羽の安定を図りながらスクリュコンベヤ

などで排土するものをいう。 

(9) 限定圧気式とは,切羽とシールド隔壁との間に圧気を作用させて切羽の安定を図り,スクリュ

コンベヤ,ロータリフィーダなどを介して圧気下から大気下へ排土するものをいう。 

(10) じか打ちライニング式とは,直接コンクリートを打設してトンネル覆工を行うシールドをいう。 

(11) 多連式とは,円形断面を二つ以上組み合わせたシールドをいう。 

(12) く(矩)形式とは,断面形状が箱形の形状のものをいう。 

(13) 自走式とは,地山に反力をとり推進するものをいう。 

(2) 製造業者名 

(3) 寸法(図1参照) 

(a) 外径 本体スキンプレート外径を記入する。 

(b) 内径 本体テール部内径を記入する。 

(c) 全長 本体に組み込まれた装置を含め,最先端部から最後端部までの全長を記入する。 

(d) 単体の最大寸法 シールド掘進機分解輸送時における分割荷姿単体の最大寸法(縦・横・高さ)を

記入する。 

(4) 質量 

(a) 機械総質量 本体,推進装置,中折れ装置,山留め装置,作業床,姿勢制御装置,測量装置,エレ

クタ装置,真円保持装置,掘削・積込機,カッタ装置,アジテータ装置,送排泥用機内管,れき処

理装置,スクリュコンベヤ,ロータリフィーダ,ベルトコンベヤ,パワーユニット,油圧ジャッキ,

油圧モータ,電動機(カッタヘッド駆動用),電気機器・配線材料,油圧機器・配管材料(作動油を

含む。)及び後続台車の設計質量の総計を記入する。 

(b) 本体質量 本体及び本体内に組み込まれた装置の設計質量の総計を記入する。 

(c) 後続設備質量 本体質量以外の後続設備の設計質量の総計を記入する。 

(d) 単体の最大質量 シールド掘進機分解輸送時における分割荷姿単体の最大質量を記入する。 

(5) 性能 

(a) 総推力 シールドジャッキの設計推力の総計を記入する。 

(b) 装備トルク 設計上の装備カッタ最大トルクを記入する。 

(6) 本体(14) 次の項目について記入する(図1参照)。 

注(14) スキンプレート及び支持枠で構成される構造物をいう。 

(a) スキンプレート外径 本体スキンプレートの外径を記入する。 

(b) スキンプレート全長 本体スキンプレートの全長を記入する。 

(c) スキンプレート板厚 フード部,リングガーダ部,テール部の板厚を記入する。 

(d) テール部内径 セグメント組立部のスキンプレート内径を記入する。 

(e) テール部長さ リングガーダのウエブ後端からスキンプレート後端までの長さを記入する。 

(f) テールクリアランス セグメント組立部のスキンプレートとセグメントとのクリアランスを記入す

る。 

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なお,スキンプレートに内張りがあるときは,内張りとセグメントとのクリアランスを記入する。 

(g) テールシール 材質及び取付段数を記入する。 

(h) フリクションカットプレート 板厚及び取付範囲の角度を記入する。 

(i) 中折れ装置 中折れ装置のあるものは,中折れ数及び最大中折れ角度を記入する。 

(j) 分割数 分割輸送時における本体の分割数を記入する。 

図1 

(7) 推進装置 

(a) シールドジャッキ ジャッキ1本の最大推力,ストローク及び装備本数を記入する。 

(b) シールドジャッキ切羽単位面積当たり装備推力 ジャッキ全数の推力(推力×本数)をシールドの

断面積で除した値を整数けたに丸めて記入する。 

(c) シールドジャッキ伸長速度 油圧ポンプの吐出し量をジャッキ全数の内径断面積で除した値を小数

点以下1けたに丸めて記入する。 

(d) セグメント着力点 シールドジャッキ推力をセグメントに伝える点のピッチ円直径を記入する。 

なお,シリンダ及びスプレッダが偏心している場合は,シールドジャッキの取付ピッチ円直径に

偏心量の2倍を加えた値を記入する。 

(8) 山留め装置 

(a) ムーバブルフード(フォアポーリング) ムーバブルフードの装備数を記入する。 

(b) ハーフムーン ハーフムーンの装備数を記入する。 

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(c) フェース フェースの装備数を記入する。 

(d) ブラインド ブラインドの有無を明記する。 

(e) その他 その他装備した山留め装置の名称と整備数を記入する。 

(9) 作業床 

(a) 固定床 手すり又は仕切板で囲われた固定床の装備数を記入する。 

(b) 可動床 可動床の装備数を記入する。 

(c) セグメント組立作業台 セグメント組立作業台の装備数を記入する。 

(d) シュート(ホッパ) シールド掘進機内に設けた排土用のシュート(ホッパ)の数を記入する。 

(10) 姿勢制御装置 

(10.1) スタビライザ 

(a) 形式 手動式,油圧式の別を記入する。 

(b) 取付位置 シールド掘進機後方から見ての取付位置を記入する。 

(10.2) 抵抗板 

(a) 形式 手動式,油圧式の別を記入する。 

(b) 取付位置 シールド掘進機後方から見ての取付位置を記入する。 

(10.3) そり 

(a) 形式 固定式,可動式の別を記入する。 

(b) 装備数 そりの装備数を記入する。 

(10.4) その他 その他装備した姿勢制御装置の名称と取付位置,装備数などを記入する。 

(11) 計測装置 

(a) ピッチング・ローリング計 電気式,U字管式,下げ振り式,水準器(気泡式)などの別を記入す

る。 

(b) シールドジャッキストローク計 ストローク計の形式と数量を記入する。装備しない場合は“なし”

と記入する。 

なお,テールにスケールを張り付ける場合は,“なし”とする。 

(c) その他 その他装備した計測装置の名称と形式を記入する。 

(12) エレクタ装置 

(a) 形式 旋回の方式については,リングギヤ方式,中空軸方式,センタドライブ方式などと区分し,

また,セグメント位置(エレクタアーム)については,門形方式,片持方式,パンタグラフ方式な

どと区分する。記入は,例えばリングギヤ・門形方式などとする。 

(b) 回転速度 高速,低速切換えの場合は,それぞれの回転速度を記入し,連続可変式の場合は速度の

範囲を記入する。 

(c) 回転角度 左右回転可能角度を記入する。 

(d) 押込力 セグメント押込力を機械損失を考慮しない数値で記入する。 

(e) つり(吊)上げ力 セグメントつり上げ力を機械損失を考慮しない数値で記入する。 

(f) 昇降ストローク エレクタの昇降ストロークを記入する。 

(g) 回転取扱質量 セグメントピースの最大質量を記入する。 

(h) 有効空間 エレクタ装置が回転作動中でも,ずり出しコンベヤ,送排泥管,油圧配管などと干渉し

ない内空間の直径を記入する。 

(i) グリップスライド量 グリップのスライド量及びスライド装置の手動式,油圧式の別を記入する。 

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(j) サポートジャッキ セグメントの振れ防止用サポートジャッキの有無を記入する。 

(k) 操作方式 有線方式,無線方式の別を記入する。 

(l) その他 ケーブルリール,ホースリール,グリップ装置のアタッチメントなどの有無,操作方式の

詳細などの特記事項を記入する。 

(13) 真円保持装置(15) 

注(15) 真円保持装置とは,セグメントが変形するのを防止,矯正するセグメント組立用補助装置をい

う。 

(a) 形式 上下拡張式(16),上部拡張式(17),その他(矯正方式を記入する。)の別を記入する。 

注(16) 上下拡張式とは,セグメントの上部及び下部に同時に拡張力を加える構造をもつものを総称し

ていう。 

(17) 上部拡張式とは,セグメントの上部だけに拡張力を加える構造をもつものを総称していう。 

(b) ジャッキ拡張力 組み立てたセグメントに加えるジャッキの拡張力の総計を記入する。 

(14) 掘削・積込機 掘削・積込機の形式,性能を記入する。掘削方式としてはショベル方式,回転カッタ

方式,ブレーカ方式などの別を記入し,専用積込機としてはスクリュコンベヤ,ギャザリングなどの

別を記入する。 

また,掘削・積込機の能力として,掘削範囲,刃先貫入力,時間当たり掘削量,時間当たり積込量

などを記入する。 

(15) カッタ装置 

(15.1) 支持方式 センタシャフト方式,周辺支持方式,中間支持方式の別を記入する。 

(15.2) カッタヘッド外径 カッタヘッドの外径を記入する。 

(15.3) 掘削外径 カッタヘッドに取り付けたカッタビットで掘削する外径を記入する。 

(15.4) カッタヘッド形式 面板タイプ(18),スポークタイプ(19)の別を記入する。 

注(18) 面板タイプとは,カッタヘッドの前面に土圧を支える支持板とカッタを備えたものをいう。 

(19) スポークタイプとは,カッタヘッド前面が,スポーク状のカッタだけで構成されているものを

いう。 

(15.5) 面板開口率 カッタヘッド前面の全面積に対する開口部分の面積の百分率を記入する。ただし,ス

リット開口部に含まれるビットの投影面積は,無視する。 

(15.6) 回転方向 シールド掘進機後方から見て右回転,左回転,左右回転可変の別を記入する。 

(15.7) 駆動方式 油圧モータ駆動,電動機駆動の別を記入する。 

(15.8) 回転速度 常用トルク時の回転速度及び最大トルク時の回転速度を記入する。 

(15.9) 装備トルク 油圧モータ駆動のものは,常用トルク及び最大トルクをそれぞれの油圧の値と併せて

記入する。電動機駆動のものは,電動機の連続定格におけるカッタトルクを定格トルクに記入し,

電動機の150%定格におけるカッタトルクを瞬時最大トルクに記入する。装備トルクは,油圧モー

タ,油圧配管抵抗などの損失及び機械的損失がないものとして記入する。各トルク表示には,次の

式によって算出したカッタトルク係数αを併記する。 

3

D

T

=

α

ここに, 

α: カッタトルク係数 (kN/m2) 

T: 装備トルク (kN・m) 

D: シールド外径 (m) 

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(15.10) オーバカット装置 

(a) 形式 コピーカッタ(20),オーバカッタ(21)の別を記入する。 

注(20) 掘削外周の任意の部分だけを余掘りするものをいう。 

(21) 全周余掘りするものをいう。 

(b) 装備数 装置の装備数を記入する。 

(c) オーバカット量 スキンプレート外面を基準として最大余掘り深さを記入する。 

(d) 作動方式 油圧式,機械式の別を記入する。 

(15.11) スリット開閉装置 

(a) 形式 山留め式(22),スライド式(23),回転式(24)などの別を記入する。 

注(22) 山留め式とは,スリットを開閉するシャッタを面板と直角方向に前後させて開口部を開閉する

ものをいう。 

(23) スライド式とは,スリットを開閉するシャッタを面板と平行方向にスライドさせて,開口部を

調節するものをいう。 

(24) 回転式とは,スリットを開閉するシャッタの断面が円弧形になっていて,円弧の中心を軸にシ

ャッタを回転させて,開口部を調節するものをいう。 

(b) 装備数 装置の装備数を記入し,スリット開口部に対して全面装備,部分装備の別を記入する。 

(c) 作動方式 油圧式,機械式の別を記入する。 

(15.12) カッタビット 刃物のすくい角によって切削するツール形,転動回転によって掘削する回転形の別

を記入する。 

(16) アジテータ装置 カッタ駆動動力から独立した駆動部をもった装置について記入する。 

(a) 羽根外径 羽根の外径を記入する。 

(b) 羽根枚数 羽根の枚数を記入する。 

(c) 回転速度 羽根軸の設計上の回転速度を記入する。 

(d) 装備トルク 常用トルクを記入する。 

(e) 駆動方式 油圧モータ駆動,電動機駆動の別を記入する。 

(f) 装備数 装置の装備数を記入する。 

(17) 送排泥機内管 シールド掘進機内に設けられたすべての送排泥機内管について記入する。 

なお,管の呼び径は,A系列とする。 

(a) 送泥管 管の呼び径及び本数を記入する。 

(b) 排泥管 管の呼び径及び本数を記入する。 

(c) 送泥予備管 管の呼び径及び本数を記入する。 

(d) 排泥予備管 管の呼び径及び本数を記入する。 

(e) その他 バイパス管,ジェット管などについて,呼称,管の呼び径及び本数を記入する。 

(18) れき処理装置 シールド掘進機内に設けられた,れき分級又は破砕装置について記入する。 

(a) 設置位置 隔壁内,隔壁外の別を記入する。 

(b) 形式 分級方式,破砕方式に大別し,分級方式については,固定ふるい形,回転ふるい形,振動ふ

るい形,れきだめ(礫溜め)形,破砕方式については,ジョークラッシャ形,回転形などに区分す

る。記入は,例えば分級方式・固定ふるい形とする。 

(c) 処理量 破砕方式の場合は,公称能力をt/hで記入し,分級方式の場合は,れきだめ部の容量をm3

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で記入する。 

(d) 処理可能最大れき径 れきの3辺の寸法を記入する。 

(e) 処理後最大れき径 れきの3辺の寸法を記入する。 

(19) スクリュコンベヤ 

(a) 形式 軸付きスクリュコンベヤ(25),リボンスクリュコンベヤ(26),ドラムスクリュコンベヤ(27),そ

の他(組合せ形など)を明記する。 

注(25) 軸付きスクリュコンベヤとは,回転軸に,ら線状のブレードを固定し,ブレード軸の回転によ

って掘削土砂がトラフ管壁上をしゅう動,搬送される構造のものをいう。 

(26) リボンスクリュコンベヤとは,ブレードを直接回転させ,軸をもたない構造のものをいう。 

(27) ドラムスクリュコンベヤとは,回転するトラフの内面にブレードが固定された構造のものをい

う。 

(b) トラフ内径 トラフ内径が途中で変化する場合は,代表寸法を数点併記し,複数のコンベヤで寸法

が異なる場合は,それぞれについて内径と基数を記入する。 

(c) スクリュ径 内径と外径を記入する。軸付スクリュコンベヤの場合は,内径を軸径として記入する。 

(d) スクリュピッチ スクリュピッチの寸法を記入する。ピッチが変化する場合は,変化ごとにピッチ

とピッチ数を記入する。 

(e) スクリュ長さ スクリュブレードの先端から後端までの寸法を記入する。 

(f) 駆動方式 油圧モータ駆動,電動機駆動の別を記入する。 

(g) 回転速度 最大回転速度と最小回転速度を記入する。 

(h) 装備トルク 常用トルクを,油圧モータ,油圧配管抵抗などの損失及び機械的損失がないものとし

て記入する。 

(i) 装備数 スクリュコンベヤの装備数を記入する。 

(j) 排土量 効率100%時の時間当たり設計排土量を記入する。 

(k) 排土口ゲート ゲートの有無を記入する。 

また,排土口形式としてスライド式,フラップ式,回転式など,駆動方式として油圧駆動,電動

機駆動,空気圧駆動などの形式を併記する。 

(20) ロータリフィーダ スクリュコンベヤの後端に装備した回転式の仕切装置について記入する。 

(a) ケーシング内径 ケーシング内径を記入する。 

(b) チャンバ数 仕切部屋数を記入する。 

(c) 駆動方式 油圧モータ駆動,電動機駆動の別を記入する。 

(d) 回転速度 最大回転速度と最小回転速度を記入する。 

(e) 装備トルク 常用トルクを,油圧モータ,油圧配管抵抗などの損失及び機械的損失がないものとし

て記入する。 

(f) 排土量 効率100%時の時間当たり設計排土量を記入する。 

(21) 注入口 シールド掘進機に取り付けた粘土,ベントナイトなどの添加材注入口について記入する。 

(a) 注入位置 注入位置を記入し,併せて添付図面に表示する。 

(b) 個数 注入口の個数を記入する。 

(c) 管径 呼び径をA系列で記入する。 

(22) 切羽安定制御装置 切羽安定保持のため機内に装備した各種計測器及びシステムについて記入する。 

(a) 制御装置名 土圧制御装置(28),土量制御装置(29),水圧制御装置(30),カッタ負荷制御装置(31)などを

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記入する。 

注(28) 土圧制御装置とは,切羽又はチャンバ内の土圧を計測し,土圧を適正値に管理し,切羽の安定

を図る装置をいう。 

(29) 土量制御装置とは,理論掘削土量と実掘削土量を,質量又は容量で比較して随時適正値に管理

し,切羽の安定を図る装置をいう。 

(30) 水圧制御装置とは,切羽又はチャンバ内の水圧を計測し,適正値に維持管理することによって,

切羽の安定を図る装置をいう。 

(31) カッタ負荷制御装置とは,カッタトルクの変動を検出することによって,切羽の状態を検知し,

切羽の安定を図る装置をいう。 

(b) 調節対象項目 シールドジャッキ速度,スクリュコンベヤ回転速度,ロータリフィーダ回転速度,

排出ゲート開度,添加材の注入量,添加材の比重などを具体的に記入する。 

(c) 制御方法 手動,自動の別を記入する。 

(23) パワーユニット 

(23.1) 電動機 油圧ポンプを駆動するものについて記入する。 

(a) 用途 シールドジャッキ,カッタヘッド,山留めジャッキ,エレクタなど装置の名称を記入する。 

(b) 形式 保護方式,絶縁種別を記入する。 

(c) 出力 電動機連続定格出力を記入する。 

(d) 極数 極数を記入する。 

(e) 電圧及び周波数 電圧及び周波数を記入する。 

(f) 台数 パワーユニットに組み込まれている電動機の台数を記入する。 

(g) 備考 必要に応じて用途の兼用などを記入する。 

(23.2) 油圧ポンプ 

(a) 用途 シールドジャッキ,カッタヘッド,山留めジャッキ,エレクタなどの装置の名称を記入する。 

(b) 種類 ギヤポンプ,ベーンポンプ,ピストンポンプ(プランジャポンプ),トロコイドポンプ,ねじ

ポンプなどの別を記入する。 

(c) 吐出し量 使用圧力のときの吐出し量を記入する。ただし,エレクタ装置は,低速のときの吐出し

量と高速のときの吐出し量を記入し,カッタ装置は,常用トルクのときの吐出し量と最大トルクの

ときの吐出し量を記入する。 

(d) 圧力 使用圧力を記入する。ただし,カッタ装置は,常用トルクのときの圧力と最大トルクのとき

の圧力を記入する。 

(e) 回転速度 回転速度を記入する。 

(f) 台数 パワーユニットに組み込まれた油圧ポンプの台数を記入する。 

(g) 備考 流量調節方式について,手動操作,遠隔操作,馬力一定制御,電気比例制御などの別を記入

する。 

(23.3) パワーユニット設置場所 

(a) ユニット名 装置の名称を記入する。 

(b) 設置場所 リングガーダ内,後部作業台,後続台車,エレクタ回転体などの設置場所を記入する。 

(23.4) 作動油タンク容量 

(a) 数量 タンクの数量を記入する。 

(b) 総容量 複数の作動油タンクをもつものは,その総計を記入する。 

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(24) 油圧ジャッキ 

(a) 名称 用途別にシールドジャッキ,中折れジャッキ,ムーバブルジャッキ,フォアポーリングジャ

ッキ,ハーフムーンジャッキ,デッキジャッキなどの名称を記入する。 

(b) 推力 使用圧のときの推力を記入する。 

(c) 本数 本数を記入する。 

(d) 全推力 推力の総計を記入する。 

(e) ストローク ストロークを記入する。 

(f) 使用圧力 使用最高圧力を記入する。 

(g) 備考 必要に応じてスプレッダ偏心量などを記入する。 

(25) 油圧モータ 

(a) 用途 装置の名称を記入する。 

(b) 種類 アキシャルピストンモータ,ラジアルピストンモータ,ギヤモータなどの別を記入する。 

(c) 出力軸トルク 使用圧力における値を記入する。 

(d) 出力軸回転速度 カッタ装置用は,常用トルク時と最大トルク時の値を記入する。 

(e) 使用圧力 使用最高圧力を記入する。カッタ装置用は,常用トルク時と最大トルク時の値を記入す

る。 

(f) 台数 モータの台数を記入する。 

(g) 備考 減速機付油圧モータの場合には減速機付きと記入し,減速機出力軸のトルク,回転速度を記

入する。 

(26) 駆動用電動機 装置を直接駆動する減速機付電動機について記入する。 

(a) 用途 装置の名称を記入する。 

(b) 出力 電動機連続定格出力を記入する。 

(c) 極数 極数を記入する。 

(d) 電圧及び周波数 電圧及び周波数を記入する。 

(e) 出力軸トルク 電動機150 %定格時の減速機の出力軸トルクを記入する。カッタ装置用は,連続定

格トルクと電動機150 %定格時のトルクを記入する。 

(f) 出力軸回転速度 電動機定格出力時の減速機の出力軸回転速度を記入する。 

(g) 台数 電動機の台数を記入する。 

(h) 備考 クラッチの種類,制御方式などを記入する。 

(27) 電気機器,配線仕様 

(a) 使用電源 供給電源,動力回路,操作回路,照明回路のそれぞれの区分について,電圧,周波数,

相数を記入する。 

(b) 起動方式 電動機容量を区分し,それぞれについて,直入起動,スターデルタ起動などの別を記入

する。 

(c) 制御装置 動力盤,操作盤,接続箱,エレクタ操作箱の区分について,それぞれの形式,設置場所

を記入する。 

(d) 照明及び照明用予備コンセント 照明灯とコンセントの種類を区分し,それぞれの形式(防水,防

滴,防爆,ガード付き,カバー付きなど)及び仕様(容量,電圧,個数)を記入する。 

(e) トランス 照明回路用,操作回路用,受電用,付帯設備用などの用途に区分し,それぞれについて,

トランスの種類,仕様(容量,一次電圧,二次電圧)及び設置場所を記入する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(f) 配線 動力盤以降の配線材料,配線方法,接地及び特殊仕様について記入する。 

(28) 塗装 

(28.1) 塗装要領 

(a) 下地処理 鋼材表面の下地処理の方法を記入する。 

(b) シールド本体外面 塗料の種類,塗装回数を記入する。 

(c) シールド本体内面,エレクタ等附属装置 塗料の種類,塗装回数を記入する。 

(d) 電気品,油圧機器 塗装色を記入する。 

(28.2) 表示 本体に表示する工事名などの内容,位置,字体,大きさ,色などを記入する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表1 シールド掘進機仕様書様式 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書 シールド掘進機の設計条件 

1. 適用範囲 この附属書は,シールド掘進機の設計条件を規定する場合に適用する。 

2. 記入様式 

2.1 

記入様式は,附属書付表1による。 

2.2 

記入様式は,設計条件の概略を示すもので,記入の際は,目的に応じて項目を適当に選んで差し支

えない。 

また,必要に応じて図面などを添付する。 

3. 記入要領 記入順序及び記入要領は,次による。 

3.1 

地山の条件 施工区間の地山の代表的な性状について記入する。 

(1) 土質 土質名を記入する。 

(2) 土かぶり シールド施工区間内の土かぶりの最大値及び最小値を記入する。 

(3) 地下水位 土かぶりを記入した各地点の地表面から何メートル (m) 下に地下水面が存在するか,その

数値を記入する。 

(4) 間げき(隙)水圧 切羽土質における間げき水圧の数値を記入する。 

(5) 透水係数 切羽土質における透水係数の数値を記入する。 

(6) N値 切羽土質におけるN値の数値を記入する。 

(7) 粘着力 切羽土質における粘着力の数値を記入する。 

(8) 一軸圧縮強度 切羽土質における一軸圧縮強度の数値を記入する。 

(9) 土の湿潤密度 施工区間の地山の土質ごとの湿潤密度の数値を記入する。 

(10) 土の内部摩擦角 施工区間の地山の土質ごとの内部摩擦角の数値を記入する。 

(11) 上載荷重 路面荷重又は路面荷重以上の特別な荷重が想定される場合は,その荷重の数値を記入する。 

(12) 地盤反力係数 切羽土質における地盤反力係数の数値を記入する。 

(13) 最大れき径 想定されるれきの3辺(縦×横×高さ)を記入する。 

なお,れき形状は,球形,柱形,偏平形など種々あるので,れき形状の特徴も併記すること。 

(14) れきの粒度分布 れきの粒度分布は,1m3当たりの個数をれき径の区分に従って記入する。 

(15) ガス ガスについて記入する。 

(16) その他 埋木の有無などを記入する。 

3.2 

施工条件 

(1) 工事延長 シールド掘進機が掘削する総延長を記入する。 

(2) 最小曲線半径及び長さ 計画線で示されている最小曲線半径とその長さを記入する。 

(3) こう配 上り区間,下り区間における,それぞれの最大こう配を記入する。 

(4) 切羽圧力 圧気,泥水圧など,切羽にかかる設定圧力を記入する。 

(5) 補助工法 地盤改良,圧気,凍結,地下水位低下,薬液注入などの有無を記入し,特にシールド発進

部の地盤改良を施工する場合,改良部分の強度を記入する。 

(6) 立坑開口寸法 シールド掘進機の投入に際して,確保できる立坑の開口寸法(長さ×幅)を記入する。 

(7) 立坑内のり寸法 立坑の内のり寸法(長さ×幅×高さ)を記入する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(8) 立坑深さ 地盤面から立坑の底版上面までの深さを記入する。 

(9) その他 障害物などがあれば記入する。 

3.3 

セグメント 

(1) 種類 材質,形状(中子形,平板形など),キーセグメントの形状及びリング間ジョイントの方式など

を記入する。 

(2) 寸法 リングの外径,幅(トンネル縦断方向に測ったセグメント寸法),高さ(トンネル横断面の半径

方向に測ったセグメントの側壁の高さ)を記入する。 

(3) 分割数 1リングを構成するセグメント数を記入する。 

(4) 1リング質量 1リングを構成するセグメントの総質量を記入する。 

(5) 1ピース最大質量 1リングを構成するセグメントピースのうちの最大質量を記入する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書付表1 シールド掘進機の設計条件 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長)    

森 木 泰 光 

マルマ重車輌株式会社 

河 野 博 文 

通商産業省機械情報産業局 

服 部 幹 雄 

工業技術院標準部 

高 島 信 也 

労働省労働基準局安全衛生部 

中 岡 智 信 

建設省建設経済局 

杉 山   篤 

建設省土木研究所機械施工部 

須 田 光 俊 

建設省建設大学校建設部 

永 盛 峰 雄 

千葉工業大学 

藤 本 義 二 

社団法人日本建設機械化協会建設機械化研究所 

杉 山 庸 夫 

日立建設株式会社技術本部 

会 田 紀 雄 

三菱重工株式会社相模原製作所 

前 田 祥 彦 

新キャタピラー三菱株式会社技術部 

福 住   剛 

株式会社小松製作所技術本部 

渡 辺   正 

日立建機株式会社第三技術部 

前 田 英 一 

株式会社神戸製鋼所建設機械事業部 

北 崎   誠 

東洋運搬機株式会社竜ヶ崎工場 

岩 田 登喜夫 

小松メック株式会社 

川 端 徹 哉 

水資源開発公団第一工務部 

水 口   弘 

株式会社大林組東京本社機械部 

藤 野 茂 雄 

大成建設株式会社機械部 

中 川   毅 

鹿島建設株式会社機械部 

立 川   昭 

株式会社熊谷組工事総合本部機材部 

高 野   漠 

日本鋪道株式会社 

小 室 一 夫 

西松建設株式会社平塚製作所 

野 村 昌 弘 

国土開発工業株式会社 

(事務局)    

大 橋 秀 夫 

社団法人日本建設機械化協会