A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS A 8110 : 1988は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 6012, Earth-moving machinery−Service
instrumentationを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,この
ような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案出願に
かかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 8110 : 2000
(ISO 6012 : 1997)
土工機械−
サービス診断用計測器具
Earth-moving machinery−Service instrumentation
序文 この規格は,1997年に第4版として発行されたISO 6012,Earth-moving machinery−Service
instrumentationを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,作業現場で土工機械を点検するための診断用計測器具のリストをガイダンス
として規定する。この規格の主な目的は,携帯用器具を使用して容易に機械の点検ができるように,近づ
きやすく,器具が取りつけやすい土工機械が設計されるためのものである。
備考1. 機械の大分解作業のときに使用するサービス用器具又は整備工場での使用が適切な器具は,
この規格では規定しない。
備考2. 診断点検は,熟練者によって実施することとし,関係諸仕様及び説明事項は,オペレータマ
ニュアルよりもサービスマニュアルに記載することが望ましい。
この規格は,クローラ式及びホイール式のトラクタ,クローラ式及びホイール式のローダ及び油圧ショ
ベルに適用する。
なお,グレーダ,自走式スクレーパ,ダンプトラックなどの基本的土工機械についても適用することが
できる。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6012 : 1997, Earth-moving machinery−Service instrumentation (IDT)
2. 点検項目,計測器具及び表示範囲 各点検項目について使用する計測器具を表1に示す。
表1中の記号は,次のとおりとする。
A:必要器具(その機械に点検対象項目がある場合)
B:必要器具ではないが,使用することが望ましい器具
各点検項目ごとに表示した計測器具は,一般に使用されているものから選定したが,もし,ほかに精巧
な計測器具があれば,それを使用してもよい。
表1に表示した計測器具の数値又は表示範囲は,指標として示したもので,技術的進歩に伴って変更し
てもよい。
2
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 作業現場で土工機械を点検するための診断用計測器具
点検項目
圧力計
タイヤ
ゲージ
真空計
温度計
高温計
MPa(1)
MPa
MPa(1)
℃
℃
0.2
0.3
1
5
25
40
0.1
0.01
0.1
−40
50
50
900
〜
〜
〜
〜
〜
10
1
100
130
200
エ
ン
ジ
ン
バルブクリアランス
燃料噴射時期
シリンダ圧縮圧力
燃料噴射圧力
エンジン油圧
A
吸気マニホールド圧
力(過給器付きエン
ジン)
A
タービン前後の排気
マニホールド圧力
(過給器付きエンジ
ン)
A
タービン前後の排気
マニホールド温度
(過給器付きエンジ
ン)
B
エアクリーナ吸気圧
力
A
冷却水温度
A
冷却水中の不凍液濃
度
冷却系統の密封性
(ラジエータキャッ
プ)
エンジン回転速度
低温始動時の冷却水
温度
B
燃料圧力
A
動
力
伝
達
系
湿式クラッチ潤滑油
圧
B
トランスミッション
潤滑油圧
B
油圧容器作動油圧
A
トルクコンバータ油
圧
A
パワーシフトクラッ
チ作動油圧
A
エンジンクラッチ作
動油圧
A
注(1) 1MPa=10bar=7 600mmHg=100mH2O
3
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
電子式
タイミング
テスタ
流量計
エンジン
回転計
すきま
ゲージ
バネ
ばかり
鋼製
巻尺
鋼製
直尺
コンプレ
ッション
ゲージ
ノズル
テスタ
l/s
(l/min)
min-1
N
m
m
MPa
300
10
1
MPa
25
3.3 (200)
8.3 (500)
5 000
〜
1〜4
40
エ
ン
ジ
ン
バルブクリアランス
A
燃料噴射時期
B
シリンダ圧縮圧力
B
燃料噴射圧力
B
エンジン油圧
吸気マニホールド圧
力(過給器付きエン
ジン)
タービン前後の排気
マニホールド圧力
(過給器付きエンジ
ン)
タービン前後の排気
マニホールド温度
(過給器付きエンジ
ン)
エアクリーナ吸気圧
力
冷却水温度
冷却水中の不凍液濃
度
冷却系統の密封性
(ラジエータキャッ
プ)
エンジン回転速度
A
低温始動時の冷却水
温度
燃料圧力
動
力
伝
達
系
湿式クラッチ潤滑油
圧
トランスミッション
潤滑油圧
油圧容器作動油圧
トルクコンバータ油
圧
パワーシフトクラッ
チ作動油圧
エンジンクラッチ作
動油圧
4
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
タイヤト
レッドデ
プスゲー
ジ
1/20目盛
スライダ
付きデプ
スゲージ
ラジエ
ータキ
ャップ
テスタ
バッテリ
比重計
不凍液
濃度計
(温度計
付き)
ノ
ギ
ス
電気式テスタ
40V/500A
/5 000 Ω
トルク
レンチ
足まわ
りゲー
ジセッ
ト
外パス
N・m
140
420
750
mm
MPa
mm
180
0.16
160
エ
ン
ジ
ン
バルブクリアランス
燃料噴射時期
シリンダ圧縮圧力
燃料噴射圧力
エンジン油圧
吸気マニホールド圧力
(過給器付きエンジ
ン)
タービン前後の排気
マニホールド圧力(過
給器付きエンジン)
タービン前後の排気
マニホールド温度(過
給器付きエンジン)
エアクリーナ吸気圧力
冷却水温度
冷却水中の不凍液濃度
A
冷却系統の密封性
(ラジエータキャッ
プ)
B
エンジン回転速度
低温始動時の冷却水温
度
燃料圧力
動
力
伝
達
系
湿式クラッチ潤滑油圧
トランスミッション潤
滑油圧
油圧容器作動油圧
トルクコンバータ油圧
パワーシフトクラッチ
作動油圧
エンジンクラッチ作動
油圧
5
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
圧力計
タイヤ
ゲージ
真空計
温度計
高温計
MPa(1)
MPa
MPa(1)
℃
℃
0.2
0.3
1
5
25
40
0.1
0.01
0.1
−40
50
50
900
〜
〜
〜
〜
〜
10
1
100
130
200
動
力
伝
達
系
油圧駆動装置油圧
A
A
A
油の流量(前記いず
れにも適用)
トルクコンバータ油
温
A
湿式クラッチ潤滑油
温
B
油圧容器油温
A
トランスミッション
油温
A
ベベルギア油温
B
ハイドロスタティッ
ク駆動装置油温
A
ブ
レ
ー
キ
ブレーキ作動油圧
A
A
ブレーキサーボ系統
の作動空気圧
A
バキュームブースタ
付きブレーキ系統の
負圧
A
ブレーキディスク厚
ス
テ
ア
リ
ン
グ
操向クラッチ作動油
圧
A
パワーステアリング
作動油圧
A
油量(前記いずれに
も適用)
足まわり
足まわり部品(リンク,ロ
ラ,アイドラ他)の摩耗
作
業
装
置
作動油圧及び安全弁
セット圧力
A
A
A
作動油タンク内圧
A
油温
B
油の流量
注(1) 1MPa=10bar=7 600mmHg=100mH2O
6
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
電子式
タイミング
テスタ
流量計
エンジン
回転計
すきま
ゲージ
バネ
ばかり
鋼製巻
尺
鋼製直
尺
コンプレ
ッション
ゲージ
ノズルテ
スタ
l/s
(l/min)
min-1
N
m
m
MPa
300
10
1
MPa
25
3.3 (200)
8.3 (500)
5 000
〜
1〜4
40
動
力
伝
達
系
油圧駆動装置油圧
油の流量(前記いず
れにも適用)
B
トルクコンバータ油
温
湿式クラッチ潤滑油
温
油圧容器油温
トランスミッション
油温
ベベルギア油温
ハイドロスタティッ
ク駆動装置油温
ブ
レ
ー
キ
ブレーキ作動油圧
ブレーキサーボ系統
の作動空気圧
バキュームブースタ
付きブレーキ系統の
負圧
ブレーキディスク厚
A
ス
テ
ア
リ
ン
グ
操向クラッチ作動油
圧
パワーステアリング
作動油圧
油量(前記いずれに
も適用)
B
足まわり
足まわり部品(リンク,ロ
ラ,アイドラ他)の摩耗
B
A
作
業
装
置
作動油圧及び安全弁
セット圧力
作動油タンク内圧
油温
油の流量
B
7
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
タイヤト
レッドデ
プスゲー
ジ
1/20目盛
スライダ
付きデプ
スゲージ
ラジエ
ータキ
ャップ
テスタ
バッテ
リ比重
計
不凍液
濃度計
(温度計
付き)
ノ
ギ
ス
電気式テスタ
40V/500A
/5 000Ω
トルク
レンチ
足まわ
りゲー
ジセッ
ト
外パス
N・m
140
420
750
mm
MPa
mm
180
0.16
160
動
力
伝
達
系
油圧駆動装置油圧
油の流量(前記いずれ
にも適用)
トルクコンバータ油温
湿式クラッチ潤滑油温
油圧容器油温
トランスミッション油
温
ベベルギア油温
ハイドロスタティック
駆動装置油温
ブ
レ
ー
キ
ブレーキ作動油圧
ブレーキサーボ系統の
作動空気圧
バキュームブースタ付
きブレーキ系統の負圧
ブレーキディスク厚
A
ス
テ
ア
リ
ン
グ
操向クラッチ作動油圧
パワーステアリング作
動油圧
油量(前記いずれにも
適用)
足まわり
足まわり部品(リンク,ロラ,
アイドラ他)の摩耗
A
B
A
作
業
装
置
作動油圧及び安全弁セ
ット圧力
作動油タンク内圧
油温
油の流量
8
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
圧力計
タイヤ
ゲージ
真空計
温度計
高温計
MPa(1)
MPa
MPa(1)
℃
℃
0.2
0.3
1
5
25
40
0.1
0.01
0.1
−40
50
50
900
〜
〜
〜
〜
〜
10
1
100
130
200
タ
イ
ヤ
タイヤ空気圧(2)
A
タイヤトレッド深さ
電
気
装
置
バッテリ電解液濃度
バッテリ電圧及び各
種試験
全
般
ボルト,ナットのト
ルク値
各部寸法
操作レバーの操作力
各部すきま
注(1) 1MPa=10bar=7 600mmHg=100mH2O
(2) タイヤゲージは例えばMPa又はbarの使用地域に合わせた二重目盛でもよい。
タイヤ用空気充てん(填)ポンプの目盛は,タイヤゲージと同じく0.1〜1MPaでよい。
点検項目
電子式
タイミング
テスタ
流量計
エンジン
回転計
すきま
ゲージ
バネ
ばかり
鋼製巻
尺
鋼製直
尺
コンプレ
ッション
ゲージ
ノズル
テスタ
l/s
(l/min)
min-1
N
m
m
MPa
300
10
1
MPa
25
3.3 (200)
8.3 (500)
5 000
〜
1〜4
40
タ
イ
ヤ
タイヤ空気圧
タイヤトレッド深さ
電
気
装
置
バッテリ電解液濃度
バッテリ電圧及び各
種試験
全
般
ボルト,ナットのト
ルク値
各部寸法
A
A
操作レバーの操作力
A
各部すきま
B
9
A 8110 : 2000 (ISO 6012 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
点検項目
タイヤト
レッドデ
プスゲー
ジ
1/20目盛
スライダ
付きデプ
スゲージ
ラジエ
ータキ
ャップ
テスタ
バッテリ
比重計
不凍液
濃度計
(温度計
付き)
ノ
ギ
ス
電気式テスタ
40V/500A
/5 000Ω
トルク
レンチ
足まわ
りゲー
ジセッ
ト
外パス
N・m
140
420
750
mm
MPa
mm
180
0.16
160
タ
イ
ヤ
タイヤ空気圧
タイヤトレッド深さ
B
A
電
気
装
置
バッテリ電解液濃度
A
バッテリ電圧及び各種
試験
A
全
般
ボルト,ナットのトル
ク値
A
各部寸法
A
操作レバーの操作力
各部すきま
A
JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 大 橋 秀 夫
学識経験者
中 島 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
通商産業省工業技術院標準部
高 橋 哲 也
労働省労働基準局安全衛生部
成 田 秀 志
建設省建設経済局建設機械課
吉 田 正
建設省土木研究所材料施工部
○ 橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会技術部
○ 杉 山 庸 夫
社団法人日本建設機械化協会
○ 藤 本 義 二
学識経験者
三 浦 甫
静岡理工科大学知能情報学科
西ヶ谷 忠 明
社団法人日本建設機械化協会建設機械化研究所
小 田 征 宏
鹿島建設株式会社建設総事業本部機械部
小 室 一 夫
西松建設株式会社平塚製作所
青 山 俊 行
日本鋪道株式会社工務部
高 場 常 喜
株式会社熊谷組土木本部
青 木 義 清
株式会社アクティオ営業推進部
増 田 忠 和
大成建設株式会社安全・機材本部機械部
○ 本 橋 豊
住友建機株式会社設計開発室
○ 小 鷹 太
コマツ建機事業本部プロダクトサポート部
○ 栗 原 富士男
新キャタピラー三菱株式会社相模原事業所技術部
○ 小 田 秀 彦
油谷重工株式会社第一技術部
○ 宮 元 康 民
三菱重工業株式会社相模原製作所車両・電子技術部
○ 渡 辺 正
日立建機株式会社品質保証本部
(事務局)
○ 川 合 雄 二
社団法人日本建設機械化協会
○ 西 脇 徹 郎
社団法人日本建設機械化協会
備考 ○印は,小委員会を兼ねる。