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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 8108-1992 

建設機械用稼働記録計 

Working recorders for construction machinery 

1. 適用範囲 この規格は,建設機械の実稼働時間及び実作業に連動するスイッチ(1)の開閉を自動的に記

録するとともに,作業内容などの区分(以下,作業区分という。),手動スイッチ(1)の開閉などが記録でき

る建設機械用稼働記録計(以下,稼働記録計という。)について規定する。 

注(1) 連動スイッチ及び手動スイッチは,附属書参照。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 8101 建設機械用計器類の振動及び衝撃試験方法 

JIS A 8102 建設機械用エンジン回転計 

JIS A 8103 建設機械用走行速度計 

JIS A 8104 建設機械用計器たわみ軸 

JIS B 7001 時計の試験方法 

JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式) 

JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則 

JIS D 0202 自動車部品の塗装通則 

JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法 

JIS D 0204 自動車部品の高温及び低温試験方法 

JIS D 5005 自動車用電装部品の公称電圧及び試験電圧 

JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法 

JIS K 2215 内燃機関用潤滑油 

JIS Z 8741 鏡面光沢度測定方法 

2. 用語の定義 この規格で用いる用語の主な定義は,次のとおりとする。 

(1) 実稼働時間記録 建設機械の実作業及びその他の運転時間の記録。 

(2) 実作業記録 運転操作のレバーその他関連部分に取り付けた実作業に連動するスイッチによる記録。 

(3) 直視指示 外部から直接読み取れるエンジン回転速度,走行速度又は時刻の表示。 

3. 種類 稼働記録計は,その機能によって表1のとおり3種類とする。 

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A 8108-1992  

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表1 種類 

種類 

機能 

 A 形 

稼働記録計の機能とともに,エンジン回転速度又は走行速度を記録する機能をもつ
もので,直視指示機構をもつもの。 

 B1 形 

稼働記録計としての機能だけをもつもので,時刻表示の直視指示機構をもつもの。 

 B2 形 

稼働記録計としての機能だけをもつもので,直視指示機構をもたないもの。 

4. 性能 

4.1 

記録装置 記録装置の性能は,次のとおりとする。 

(1) 記録の判別 

(a) 実稼働時間記録は,稼働時と非稼働時とを比較したとき,その記録の幅の差が明らかに判別できる

とともに,作業区分切換装置を大・中・小の3段階に切り換えたとき,大・中・小の記録幅の差が

明らかに判別できること。 

(b) 実作業記録は,1分間当たり1本以上の記録線が判別できること。 

(c) 手動スイッチ記録は,手動スイッチを開いたときと閉じたときの記録の差が明らかに判別できるこ

と。 

(d) エンジン回転速度記録装置の付いているものは,エンジン回転速度の記録長さが500mm−1について

3mm以上とし,記録線は1分間に1本以上の判別ができること。 

(e) 走行速度記録装置の付いているものは,走行速度の記録長さが10km/hについて1.5mm以上とし,

記録線は1分間に1本以上の判別ができること。 

(2) 記録の許容差 

(a) 各記録装置の時間に対する許容差は,1日用のものは24時間について±5分とし,2日以上n日連

続して記録するものは,n×24時間について [5+2 (n−1)] 分以下とする。 

備考 時刻を表示するものについては,JIS B 7001の検査方法で記録紙を挿入し,稼働記録計が使用

される建設機械の機種に応じた取付姿勢で試験を行ったとき,日差又は平均日差が±2分以内

であること。 

(b) エンジン回転速度記録装置の付いているものは,表2に示す目盛を記録する順序で各位置ごとに試

験を行い,表2の許容差に適合しなければならない。ただし,最高目盛速度では試験は行わない。 

表2 エンジン回転速度の記録許容差 

標準回転計指度 

min−1 

エンジン回転速度の記録許容差 

500 

±10 

1 500 

± 5 

2 500 

(c) 走行速度記録装置の付いているものは,表3に示す目盛を記録する順序で各位置ごとに試験を行い,

表3の許容差に適合しなければならない。ただし,最高目盛速度では試験は行わない。 

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表3 走行速度の記録許容差 

単位 km/h 

標準速度計指度 

走行速度の記録許容差 

20 

±2.5 

30 

40 

±3 

50 

4.2 

エンジン回転速度指示装置 稼働記録計にエンジン回転速度指示装置の付いているものは,エンジ

ン回転速度指示装置の性能が次のとおりでなければならない。 

(1) 針ふれ性 エンジン回転速度指示装置を駆動装置によって0目盛から最高目盛まで作動させたとき,

針のふれ幅は50min−1以内でなければならない。 

(2) 指示許容差 エンジン回転速度指示装置を駆動装置によって表4に規定する標準回転計指度の順序に

従って行い,その指示許容差は表4のとおりでなければならない。 

表4 エンジン回転計の指示許容差 

標準回転計指度 

min−1 

エンジン回転計の指示許容差 

500 

±10 

1 500 

± 5 

2 500 

4.3 

走行速度指示装置 稼働記録計に走行速度指示装置の付いているものは,走行速度指示装置の性能

が次のとおりでなければならない。 

(1) 針ふれ性 走行速度指示装置によって0目盛から最高目盛まで作動させたとき,針のふれ幅は,2km/h

以内でなければならない。 

(2) 指示許容差 走行速度指示装置を駆動装置によって表5に規定する標準速度計指度の順序に従って行

い,その指示許容差は,表5のとおりでなければならない。 

表5 走行速度の指示許容差 

単位 km/h 

標準速度計指度 

走行速度の指示許容差 

20 

±3 

40 

+5 

60 

4.4 

記録紙 稼働記録計に用いる記録紙は,次のとおりとする。 

(1) 保存性 記録紙は,稼働記録計から取り外した後,1年間の保存期間中,記録が損なわれないこと。 

(2) 伸縮性 温度が23±2℃の場合において湿度が95%以上で2時間放置したときと,湿度が50±2%で2

時間放置したときの記録紙の伸び率は,1%以内のこと。 

(3) 耐水性 記録紙を20±5℃の水中に1分間浸せきしたとき,著しい変色や1巻き以上のカールがなく,

水をふきとった後,記録の判別が可能であること。 

(4) 耐油性 記録紙を20±5℃のJIS K 2215に規定するオイル3種3号に1分間浸せきした後,オイルを

ふきとったときに,記録の判別が可能であること。 

4.5 

施錠装置 旋錠装置は機能が良好で,記録装置が確実に施錠されること。 

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4.6 

耐温度性 稼働記録計は,9.2によって試験を行ったとき各部に異常がなく,記録は明りょうで,か

つ,記録及び指示のくるいは表6に適合しなければならない。 

表6 稼働記録計のくるいの許容差 

記録及び指示の範囲 

稼働記録計のくるいの許容差 

実稼働時間記録 

実稼働時間24時間について3分以内 

エンジン回転速度 

記録 

1 500min−1において10%以内 

指示 

走行速度 

記録 

40km/hの速度において4km/h以内 

指示 

4.7 

耐電圧性 稼働記録計は,9.3によって試験を行ったとき各部に異常がなく,記録は明りょうでなけ

ればならない。 

4.8 

絶縁抵抗 稼働記録計の絶縁抵抗は,9.4によって試験を行ったとき,1MΩ以上でなければならない。 

4.9 

耐振性及び耐衝撃性 

(1) 防振装置のない場合は,9.5(1)によって試験を行ったとき各部に異常がなく,記録は良好で,試験前に

対する記録のくるいは表7に適合しなければならない。 

表7 稼働記録計のくるいの許容差 

記録及び指示の範囲 

稼働記録計のくるいの許容差 

実稼働時間記録 

実稼働時間24時間について3分以内 

エンジン回転速度 

記録 

最高目盛の5%以内 

指示 

走行速度 

記録 

指示 

(2) 防振装置のある場合は,9.5(2)によって試験を行ったとき各部に異常がなく,記録は良好で,試験前に

対するくるいは表7に適合しなければならない。 

4.10 耐久性 稼働記録計は,9.6によって試験を行ったとき各部に異常がなく,記録は良好で,試験前に

対する記録のくるいは表7に適合しなければならない。 

4.11 耐水性 稼働記録計は,9.7によって試験を行ったとき,内部に水の残留及びガラス面に著しいくも

りの発生があってはならない。 

5. 構造 

5.1 

構造一般 稼働記録計は,表8の記録が行える各記録装置から構成され,記録紙送り装置によって

一定の速度で記録紙を送るとともに,各記録は,付図1に示す配置となるような構造であること。 

なお,稼働記録計は,必要に応じ防振装置が取り付けられる構造であること。 

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表8 稼働記録計の記録の種類 

稼働記録計 

の種類 

記録の種類 

記録例 

用途例 

A形 

実稼働時間記録 

実稼働時間と工区の区分 
実稼働時間と実作業の種別 
実稼働時間と運転者交替 
 

実作業記録 

バケットのダンプ回数及び作業量 
連動スイッチの作動回数 
 
 

手動スイッチ記録 

メインスイッチの開閉時間 
手動スイッチの作動回数及び時間 
 
 

エンジン回転速度記録
又は走行速度記録 

エンジンオーバーラン管理 
運行管理 
 
 

B1形 
B2形 

実稼働時間記録 

実稼働時間と工区の区分 
実稼働時間と実作業の種別 
実稼働時間と運転者交替 
 

実作業記録 

バケットのダンプ回数及び作業量 
連動スイッチの作動回数 
 
 

手動スイッチ記録 

メインスイッチの開閉時間 
手動スイッチの作動回数及び時間 
 
 

5.2 

記録紙送り装置 記録紙送り装置は,記録紙装着部と駆動部によって構成され,記録紙装着部は,

記録紙の着脱が容易な構造であり,駆動部は,時計機構によって駆動する構造とする。 

5.3 

施錠装置 施錠装置は,記録装置が確実に施錠される構造であること。 

5.4 

作業区分切換装置 作業区分切換装置は,実稼働時間記録の記録幅を大・中・小の3種類に切換え

できるものとし,その切換えは,稼働記録計の外部から手動で行える構造であること。 

5.5 

エンジン回転速度記録装置 エンジン回転速度記録装置の構造は,次のとおりとする。 

(1) JIS A 8104に規定するたわみ軸によって駆動されるものとする。 

(2) 駆動軸の回転方向は,駆動側から見て左回りとする。 

(3) エンジン回転速度記録は,駆動軸の回転速度の2倍を記録するものとし,駆動軸は,エンジン回転速

度の21で駆動されるものとする。 

(4) 記録の単位は,回転数毎分 (min−1) とし,記録紙の目盛は原則として500min−1の間隔とし,記録の

最高は3 000min−1とする。 

5.6 

走行速度記録装置 走行速度記録装置の構造は,次のとおりでなければならない。 

(1) JIS A 8104に規定するたわみ軸によって駆動されるものとする。 

(2) 駆動軸の回転方向は,駆動側から見て左回りとする。 

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(3) 駆動軸が637min−1又は1 400min−1のとき,60km/hを記録する割合のものとする。 

(4) 記録の単位は,キロメートル毎時 (km/h) とし,記録紙の目盛は,原則として10km/hの間隔とし,記

録の最高は80km/hとする。 

5.7 

エンジン回転速度指示装置 稼働記録計にエンジン回転速度指示装置が付いているものは,エンジ

ン回転速度指示装置の構造が次のとおりでなければならない。 

(1) エンジン回転速度指示装置は,JIS A 8102の3.(3.4を除く)にすること。 

(2) エンジン回転速度指示装置に積算計が付いているものは,エンジンが1 000回転したとき1を指示す

る割合で積算し,原則として小数点以下1位から10万位までとし,小数点以下1位のけたは色分けを

しなければならない。 

(3) エンジン回転速度指示装置の目盛の単位は,回転数毎分 (min−1) とし,記録紙の目盛は,原則として

100min−1の間隔とし,目盛の最高は3 000min−1とする。 

5.8 

走行速度指示装置 稼働記録計に走行速度指示装置が付いているものは,走行速度指示装置の構造

が次のとおりでなければならない。 

(1) 走行速度指示装置は,JIS A 8103の3.に適合すること。 

(2) 走行速度指示装置の目盛の単位は,キロメートル毎時 (km/h) とし,記録紙の目盛は,原則として5km/h

の間隔とし,目盛の最高は80km/hとする。 

5.9 

防振装置 稼働記録計に防振装置を取り付ける場合,その防振装置の構造は次のとおりでなければ

ならない。 

(1) 稼働記録計の取付部の振動加速度が66.7m/s2を常時超える場合又は衝撃加速度が245m/s2を超える場

合に稼働記録計にかかる振動加速度又は衝撃加速度が,これらの値を超えないようにすることができ

る構造であること。 

(2) 稼働記録計の取付部の常用振動数と稼働記録計の固有振動数とが一致する場合に,これを避けること

ができる構造であること。 

6. 形状及び寸法 稼働記録計,記録紙及び防振装置の形状及び寸法は,次のとおりとする。 

(1) 稼働記録計の形状及び寸法は,参考として付図3に示す。 

(2) 稼働記録計のA形におけるたわみ軸取付部の形状及び寸法は,JIS A 8102に規定するA形とする。 

(3) 記録紙の形状及び寸法は,付図2に示すとおりとする。 

(4) 防振装置をオプションで取り付ける場合の形状及び寸法は,参考として付図4に示す。 

7. 外観 外観は,次のとおりとする。 

(1) めっきを施したものは,素地の露出がなく,めっきむら,著しいきず,その他有害な欠点がないこと。 

(2) 塗装を施したものは,表面に著しいぶつ,むら,きず,その他有害な欠点がないこと。 

(3) めっき及び塗装面に防げん(眩)処理を施したものは,その表面の光沢度は,JIS Z 8741の方法2の

光学条件によって試験をしたとき,反射率は40%以下であること。 

8. 塗装及びめっき 

8.1 

塗装 稼働記録計の外部に塗装を施したものは,9.8によって試験を行ったとき,JIS D 0202の3.5

(耐食性),3.6(耐湿性)及び3.7(耐水性)に適合すること。 

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8.2 

めっき 稼働記録計の外部にめっきを施したものは,9.9によって試験を行ったとき,JIS D 0201の

8.3(耐食性判定基準)に適合すること。 

9. 試験方法 

9.1 

試験条件 試験条件は,特に指定のない限り次のとおりとする。 

(1) 稼働記録計は,使用される建設機械の機種に応じた取付角度で試験を行う。 

(2) 試験は,温度20±5℃及び湿度65±5%で行うものとする。 

(3) 標準作動試験電圧は,特に指定された場合を除き,JIS D 5005に規定する表9の標準作動試験電圧で

行う。 

表9 標準作動試験電圧 

単位 V 

公称電圧 

標準作動試験電圧 

12 

13.5 

24 

27.0 

(4) 稼働記録計のA形におけるエンジン回転速度記録装置又は走行速度記録装置の試験は,電動機及び減

速装置からなる駆動装置を用い,稼働記録計を直結又は長さ500mm以下のたわみ軸を接続して行う。 

なお,測定には0.5%以内の精度をもつ標準速度計を使用する。 

9.2 

温度試験 稼働記録計に記録紙を装着した状態でJIS D 0204に規定する試験方法で60℃及び−20℃

の試験を行い,各部の異常の有無及び記録の明りょうの度合いを調べる。更に60℃〜−20℃に変化させた

とき,記録及び指示のくるいの有無を調べる。 

9.3 

耐電圧試験 稼働記録計にJIS D 5005に規定する表10の最高作動試験電圧と最低作動試験電圧を加

えて試験を行い,各部の異常の有無及び記録の明りょうの度合いを調べる。 

表10 作動試験電圧 

単位 V 

公称電圧 

最高作動試験電圧 

最低作動試験電圧 

12 

15.0 

11.0 

24 

30.0 

22.0 

9.4 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,記録装置の電気回路が稼働記録計のケースに接地されていないも

のについて行い,稼働記録計のケースと記録装置の端子とをJIS C 1302に規定する500V,50MΩ絶縁抵抗

計によって試験する。 

9.5 

振動及び衝撃試験 振動及び衝撃試験は,次のとおりとする。 

(1) 防振装置のない場合は,稼働記録計を試験機台上に取り付け,JIS A 8101に規定する試験方法によっ

て試験を行い,各部の異常の有無,記録の状況,及び試験前に対する記録のくるいを調べる。ただし,

振動試験は稼働記録計が作動状態で行うものとし,作業区分切換装置は記録中で最大となる位置に,

実作業記録及び手動スイッチが閉じた状態とし,またエンジン回転速度記録装置及び走行速度記録装

置の付いているものは,最高目盛の80%に相当する回転を与えるものとする。 

(2) 防振装置のある場合は,稼働記録計に防振装置を設けて試験機台上に取り付け,JIS A 8101に規定す

る7.1(共振試験),7.2(振動機能試験),7.3(振動耐久試験)及び7.4(衝撃試験)の試験を行い,各

部の異常の有無,記録の状況,及び試験前に対する記録のくるいを調べる。振動試験は,9.5(1)と同様

の作動状態で試験を行う。 

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A 8108-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.6 

耐久性試験 稼働記録計に記録紙を装着した状態でJIS D 5005に規定する表11の耐久試験電圧を加

え,5分間スイッチ開,5分間スイッチ閉の開閉作動を繰り返し与え,連続240時間の試験を行い,各部の

異常の有無,記録の状況,及び試験前に対する記録のくるいを調べる。ただし,エンジン回転速度記録装

置及び走行速度記録装置の付いているものは,10分間に1回の割合で0目盛から最高目盛の80%までの回

転を繰り返し与えて試験を行うものとする。 

表11 耐久性試験電圧 

単位 V 

公称電圧 

耐久試験電圧 

12 

14.0±0.5 

24 

28.0±1.0 

9.7 

耐水性試験 直接風雨にさらされ又は水洗される場所に取り付けられる稼働記録計は,JIS D 0203

に規定する噴水試験のS1を行い,内部の水の残留及びガラス内面の著しいくもりの発生を調べる。ただ

し,防振装置,防水カバーの付いているものは,その状態で試験を行う。 

なお,照明装置,通気孔などのある場合は,穴をふさいだ状態で試験する。 

9.8 

塗装試験 稼働記録計の外部に塗装を施したものは,JIS D 0202の4.6(耐食性試験方法),4.7(耐

湿性試験方法)及び4.8(耐水性試験方法)に規定する試験方法によって表12の条件で試験する。ただし,

水洗される部分に取り付けられるものは,直接風雨にさらされる場合とみなす。 

表12 塗装の試験条件 

使用条件 

記号 耐食性試験(時間) 耐湿性試験(時間) 耐水性試験(時間) 

直接風雨にさらされる場合 

48 

48 

48 

直接風雨にさらされない場合 

24 

24 

24 

9.9 

めっき試験 稼働記録計の外部にめっきを施したものは,JIS D 0201の7.3(耐食性試験方法)に規

定する塩水噴霧試験を表13の条件で行う。ただし,水洗される部分に取り付けられるものは,直接風雨に

さらされる場合とみなす。 

表13 めっき試験条件 

使用条件 

記号 

めっき記号(2) 

塩水噴霧試験(時間) 

直接風雨にさらされる場合 

Ep−Fe/Cu10, Ni10b, Cr0.1r 

− 

Ep−Fe/Zn13/CM1 

144 

Ep−Fe/Zn13/CM2 

72 

直接風雨にさらされない場合 

Ep−Fe/Cu5, Ni5b, Cr0.1r 

24 

Ep−Fe/Zn8/CM1 

96 

Ep−Fe/Zn8/CM2 

72 

注(2) JIS H 0404に規定するめっき記号 

10. 検査 

10.1 性能検査 性能の検査は,4.の規定に適合すれば合格とする。 

10.2 構造検査 構造の検査は,5.の規定に適合すれば合格とする。 

10.3 形状及び寸法検査 形状及び寸法の検査は,6.の規定に適合すれば合格とする。 

10.4 外観検査 外観の検査は,外観の有効面に約300lxの均一な照度を与え,約50cmの距離を隔てて自

然の姿で目視によって行い,7.の規定に適合すれば合格とする。 

10.5 塗装及びめっき検査 塗装及びめっきの検査は,8.の規定に適合すれば合格とする。 

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11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称又は規格番号及び種類による。 

例1. 建設機械用稼働記録計 A形 

2. 

JIS A 8108 A形 

12. 表示 稼働記録計には,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 記録紙送り装置が2日巻き以上のものは何日巻を表す記号 

(2) 走行速度記録装置のあるものは1kmに対する駆動軸回転数 

(3) 公称電圧 

(4) 製造年月 

(5) 製造業者名又はその略号 
(6) 建設機械用であることを表す略号◯

建 

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10 

A 8108-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 記録紙上の記録の配置 

付図2 記録紙の形状及び寸法 

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11 

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付図3 建設機械用稼働記録計(参考) 

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12 

A 8108-1992  

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付図4 防振装置の形状及び寸法(参考) 

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13 

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附属書 建設機械用稼働記録計附属スイッチ 

1. 適用範囲 この附属書は,建設機械用稼働記録計の記録検出部として使用するスイッチについて規定

する。 

2. 種類 スイッチは,使用目的によって,次の2種類とする。 

(1) 連動スイッチ 建設機械の運転操作に連動して自動的に開閉を行うもの。 

(2) 手動スイッチ 建設機械の運転者が手動で開閉を行うもの。 

3. 構造 スイッチの構造は,次のとおりとする。 

(1) 開閉の操作が円滑で電気的な接触が完全で,電線との接触が容易な構造であること。 

(2) 連動スイッチについては,原則として封入形構造であること。 

4. 性能 

4.1 

電圧降下 スイッチを閉じた状態で端子間に0.5Aの負荷電流を流したとき,接触抵抗による電圧降

下は,0.25以下でなければならない。 

4.2 

絶縁抵抗 各端子と外箱との間の絶縁抵抗は,JIS C 1302に規定する500V,50MΩ絶縁抵抗計によ

って試験したとき,1MΩ以上でなければならない。 

4.3 

耐温度性 連動スイッチ及び手動スイッチをJIS D 0204に規定する試験方法で60℃及び−20℃の試

験を行ったとき,各部に異常がなく,試験後4.1,4.2の規定に適合しなければならない。 

4.4 

耐振性及び耐衝撃性 連動スイッチ及び手動スイッチを,稼働記録計が使用される機種に応じた取

付角度で振動試験機及び衝撃試験機台上に取り付け,JIS A 8101に規定する試験方法によって試験したと

き,各部に異常がなく,4.1,4.2の規定に適合しなければならない。 

なお,試験は電流を流さない状態で行う。 

4.5 

耐久性 スイッチを稼働記録計に接続し,JIS D 5005に規定する附属書表1の耐久試験電圧を加え,

5分間スイッチ開,5分間スイッチ閉の開閉作動を繰り返し与え,連続240時間の試験を行ったとき,各部

に異常がなく,試験後4.1,4.2の規定に合格しなければならない。 

附属書表1 耐久試験電圧 

単位 V 

公称電圧 

耐久試験電圧 

12 

14.0±0.5 

24 

28.0±1.0 

4.6 

耐水性 直接風雨にさらされ又は水洗される場所に取り付けられるスイッチは,JIS D 0203に規定

する噴水試験のS1を行っとたき,試験後スイッチ内部に残留があってはならない。 

5. 検査 

5.1 

性能検査 性能は,4.の規定に適合すれば合格とする。 

14 

A 8108-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

土木部会建設機械用計器専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

岩 崎   賢 

工業技術院機械技術研究所 

上 東 公 民 

建設省大臣官房 

藤 野 慎 吾 

運輸省港湾局 

岡 部 三 郎 

農林省構造改善局 

姫 野 瑛 一 

通商産業省機械情報産業局 

平 林   勉 

通商産業省機械情報産業局 

帆 足 万 里 

工業技術院標準部 

町 田 富士夫 

日本国有鉄道建設局 

本 郷 慎 一 

建設機械化研究所 

今 井 淳 之 

日本国土開発株式会社 

牧 田 新 也 

三菱重工業株式会社 

梅 田 史 彦 

日特金属工業株式会社 

小 川   隆 

日野自動車工業株式会社 

橋 本 省 三 

日産ディーゼル工業株式会社 

木 津   実 

矢崎総業株式会社 

藤 井   整 

関東精器株式会社 

鈴 木 理 彦 

矢崎計器株式会社 

阿 部 乙 彦 

東洋時計工業株式会社 

高 島 和 久 

株式会社小松製作所 

高 橋 四 朗 

鹿島建設株式会社 

山 崎 隆 司 

キャタピラー三菱株式会社 

(事務局) 

宅 間 昌 輔 

工業技術院標準部材料規格課 

山 田 次 雄 

工業技術院標準部材料規格課