2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 6931-1994
パネル用ペーパーコア
Paper cores for panel
1. 適用範囲 この規格は,主としてパネル(ドア,間仕切,床など)の心材として用いられるパネル用
ペーパーコア(以下,ペーパーコアという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
2. この規格の枠で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考値
である。
2. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。
(1) ペーパーコア 紙(1)を接着剤で重積接着し,多数の連続した六角形,円形及び不等辺多角形などの貫
通孔をもち,その空げき率(2)が90%以上のもの。
(2) セルサイズ 積層心心間隔。ただし,円形状の場合は,L方向の心心間隔(図1参照)。
(3) 展張 正規のセルサイズを保つために広げること。
(4) 展張コア 折りたたむことができないペーパーコア。
(5) 折りたたみコア 折りたたむことができるペーパーコア。
(6) コア端面 貫通孔に直角な面。
注(1) ここでいう紙とは,段ボール原紙及びクラフト紙質をいう。
(2)
100
×
−
展張したときの体質
実質部分の体積
展張したときの体積
空げき率=
3. 種類及び記号 ペーパーコアは,品質によって表1に示す4種類に区分し,樹脂を含浸したものには
表1の記号の後に記号Dを付ける。
表1
種類
記号
1種
I
2種
II
3種
III
4種
IV
4. 品質及び性能
4.1
展張コア及び展張状態の折りたたみコアは,使用上有害なはがれ,重なり,ねじれ,つぶれがなく,
適切な形状をもつものとする。
2
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4.2
ペーパーコアは,7.によって試験し,表2の規定に適合しなければならない。ただし,性能値は7.
に定める各標準の試験片による。
表2
種類
記号
性能
圧縮強さ
N/cm2 {kgf/cm2}
湿潤圧縮強さ
N/cm2 {kgf/cm2}
せん断強さN/cm2 {kgf/cm2}
密度
kg/m2
幅(W)方向
長さ(L)方向
1種
I
58.84以上
14.71以上
22.56以上
29.42以上
65以下
{6.0以上}
{1.5以上}
{2.3以上}
{3.0以上}
2種
II
39.23以上
4.90以上
14.71以上
19.61以上
50以下
{4.0以上}
{0.5以上}
{1.5以上}
{2.0以上}
3種
III
19.61以上
0.98以上
5.88以上
9.81以上
{2.0以上}
{0.1以上}
{0.6以上}
{1.0以上}
4種
IV
9.81以上
−
1.96以上
2.94以上
35以下
{1.0以上}
{0.2以上}
{0.3以上}
試験方法
7.4
7.5
7.6
7.7
5. 形状及び寸法
5.1
展張コア及び展張状態の折りたたみコアのサイズは,積層方向を幅 (W),積層方向に直角な長さ (L),
厚さ (C) 及びセルサイズ (d) で表す。
5.2
厚さの許容差は,±0.3mm以下とする。ただし,測定方法は7.3による。
5.3
ペーパーコアの製品寸法は,受渡当事者間の協定による。
図1
3
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図1 (続き)
4
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6. 材料 ペーパーコアに使用する材料は,日本工業規格及び日本農林規格に定めるもの,又はこれらと
同等以上の性能をもつものとする。
7. 試験
7.1
数値の換算 従来単位による試験装置を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値への換
算は,次による。
1kgf=9.80N
7.2
試験の一般条件
(1) 試験片は,温度20±2℃,相対湿度 (65±5) %の状態で6時間以上調湿したものとし,これを常温常湿
[20±15℃, (65±20) %] で速やかに試験する。
(2) 荷重板,球座及びローラーは,荷重による変形が無視できる程度のものとする。
(3) 試験の平均値は,小数点第1位まで求める。
7.3
厚さの測定
(1) 展張コアについては,測定圧を1.96±0.2N/cm2 {0.2±0.02kgf/cm2} とし,300×300mmの面積ごとに1
点を測定し,測定値はその平均値で表す(図2参照)。
この際,精度201mmの測定器を用い,測定円盤(3)は直径50mm以上120mm以下,かつ,セルサイ
ズの2倍以上の直径のものを用いる(参考図1参照)。
図2
注(3) 測定円盤とは,厚さの測定のために接触させる円盤をいう。
(2) 折りたたみコアについては,長さ (L) 方向300mm以内ごとに幅 (W) 方向の両端部2点を測定し,測
定値はその平均値で表す(図3参照)。
この際,精度201mmの測定器を用いる。
図3
5
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参考図1 (展張コアの厚さの測定器)
7.4
圧縮強さ
7.4.1
試験片の大きさは,表3のとおりとする。
表3
単位mm
セルサイズ
(d)
試験片
幅 (W) ×長さ (L) ×厚さ (C)
13未満
50×50×25
13以上 21未満
75×75×25
21以上
150×150×25
7.4.2
試験片の荷重面(コア端面)の処理は,エポキシ樹脂補強(4)したものとする。
注(4) 補強樹脂は,常温か,わずかに高い温度で硬化させた状態で,深さはコア端面から1.5mm程度
とする。ただし,貫通孔はふさがないものとする。
7.4.3
試験方法
(1) 試験片以上の大きい荷重板で試験片をはさみ,荷重を均等に載荷する(参考図2参照)。
(2) 載荷速度は0.5〜1mm/minとし,最大荷重を測定し,次の式によって圧縮強さを算出する。
A
P
S
c
c=
ここに, Sc: 圧縮強さ (N/cm2) {kgf/cm2}
Pc: 最大荷重 (N) {kgf}
A: 試験片の面積 (cm2)
(3) 試験片の数は3個とし,その平均値をもって圧縮強さとする。
6
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参考図2
7.5
湿潤圧縮強さ
7.5.1
試験片は,7.4.1及び7.4.2による。
7.5.2
試験方法
(1) 試験片を水中 (20±2℃) に浸せきし,1時間後水中から取り出し,余分な水分を取り除き,直ちに7.4.3
によって試験を行う。
(2) 湿潤圧縮強さの算出は,次の式による。
A
P
S
cw
cw=
ここに, Scw: 湿潤圧縮強さ (N/cm2) {kgf/cm2}
Pcw: 最大荷重 (N) {kgf}
A: 試験片の面積 (cm2)
(3) 試験片の数は3個とし,その平均値をもって湿潤圧縮強さとする。
7.6
せん断強さ
7.6.1
試験片の大きさは,表4のとおりとする。
表4
単位mm
セルサイズ
(d)
試験片
幅 (W) ×長さ (L) ×厚さ(5) (C)
21未満
75×200×25
200×75×25
21以上
150×500×25
500×150×25
注(5) 厚さは,ペーパーコアの厚さとする。
7.6.2
試験片は,これと同じ大きさのアルミニウム合金板(6)を表面材とし,エポキシ樹脂で両端に接着結
合し,パネル状にする。
注(6) JIS H 4000のA5052P-H34,厚さ0.8mmとする。
7.6.3
試験方法
(1) 試験は,幅 (W) 方向,長さ (L) 方向について行い,図4のとおりとする。
(2) 載荷速度は0.5〜1mm/minとし,最大荷重を測定し,次の式によってせん断強さを算出する。
)
(
C
h
b
P
S
s
s
+
=
ここに, Ss: せん断強さ (N/cm2) {kgf/cm2}
Ps: 最大荷重 (N) {kgf}
7
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b: 試験片の幅 (cm)
h: 試験片の厚さ (cm)
C: ペーパーコアの厚さ (cm)
(3) 試験片の数は3個とし,その平均値をもってせん断強さとする。
図4
7.7
密度
7.7.1
試験片の大きさは,300×300mmとする。ただし,折りたたみコアにあっては展張状態のものとす
る。
7.7.2
試験片の幅,長さ,厚さ及び質量を測定し,次の式によって密度を算出する。
V
m
=
ρ
ここに,
ρ: 密度 (kg/m3)
m: 質量 (kg)
V: 展張した時の体積 (m3)
8. 検査 検査は,形状,寸法,外観及び品質を検査して合否を決定する。ただし,検査は合理的な抜取
方式によって行ってもよい。
9. 表示 包装には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 種類
(2) 製造年又はその略号
(3) 製造業者名又はその略号
(4) セルサイズ
(5) 製品寸法
8
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例
関連規格 JIS Z 9001 抜取検査通則
JIS Z 9002 計数規準型一回抜取検査(不良個数の場合)(抜取検査その2)
JIS Z 9003 計量規準型一回抜取検査(標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標
準偏差既知でロットの不良率を保証する場合
JIS Z 9004 計量規準型一回抜取検査(標準偏差未知で上限又は下限規格値だけ規定した場合)