A 6517:2010
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 鋼製下地材の名称 ············································································································· 2
4.1 壁下地材の構成部材及び附属金物の名称············································································· 2
4.2 天井下地材の構成部材及び附属金物の名称 ·········································································· 3
5 鋼製下地材の種類 ············································································································· 4
6 品質······························································································································· 5
6.1 外観 ···························································································································· 5
6.2 性能 ···························································································································· 5
7 形状及び寸法 ··················································································································· 6
7.1 形状 ···························································································································· 6
7.2 寸法 ···························································································································· 7
8 材料······························································································································· 9
9 試験······························································································································ 10
9.1 外観 ··························································································································· 10
9.2 寸法 ··························································································································· 10
9.3 構成部材の形状安定性試験 ····························································································· 10
9.4 壁下地材の強度試験 ······································································································ 12
9.5 天井下地材の強度試験 ··································································································· 13
10 検査 ···························································································································· 15
10.1 検査の種類及び検査項目 ······························································································· 15
10.2 判定基準 ···················································································································· 15
11 鋼製下地材の呼び方 ······································································································· 15
12 表示 ···························································································································· 16
12.1 鋼製下地材の表示 ········································································································ 16
12.2 包装又は送り状の表示 ·································································································· 16
13 添付資料 ······················································································································ 16
附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧JIS対照表 ························································ 17
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人建材試験
センター(JTCCM)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 6517 :2002は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成22年11月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS A 6517:2002によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
日本産業規格 JIS
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建築用鋼製下地材(壁・天井)
Steel furrings for wall and ceiling in buildings
1
適用範囲
この規格は,建築物の主として屋内に使用する鋼製下地材の壁用鋼製下地材(以下,壁下地材という。)
及び天井用鋼製下地材(以下,天井下地材という。)について規定する。
なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに記載する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1414 建築用構成材(パネル)及びその構造部分の性能試験方法
JIS A 6901 せっこうボード製品
JIS B 1115 すりわり付きタッピンねじ
JIS B 1122 十字穴付きタッピンねじ
JIS B 1125 ドリリングタッピンねじ
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3321 溶融55 %アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS H 8625 電気亜鉛めっき及び電気カドミウムめっき上のクロメート皮膜
日本農林規格 普通合板
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
スタッド
壁下地材の構成部材で,軸組を構成する鋼製の支柱材(図1参照)。
3.2
ランナ
壁下地材の構成部材で,スタッドを取り付けるための鋼製の横架材(図1参照)。
2
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3.3
振れ止め
壁下地材の構成部材で,スタッドの中間に設けた貫通穴に通してスタッドの振れを防止する鋼製の横架
材(図1参照)。
3.4
スペーサ
壁下地材の附属金物で,スタッドの剛性を確保するとともに,スタッドと振れ止めとを固定するために
用いるもの(図1参照)。
3.5
つりボルト
天井下地材の附属金物で,天井下地材を上部床などからつ(吊)るためのもの(図2参照)。
3.6
ナット
天井下地材の附属金物で,つりボルトとハンガとを固定するもの(図2参照)。
3.7
ハンガ
天井下地材の附属金物で,つりボルトと天井下地材の構成部材とを固定するもの(図2参照)。
3.8
野縁
天井下地材の構成部材で,天井面材を取り付けるためのもの(図2参照)。形状によってダブル野縁及び
シングル野縁がある。
3.9
野縁ジョイント
天井下地材の附属金物で,野縁と野縁とを接続するための継手(図2参照)。野縁と同様に,形状によっ
てダブル及びシングルがある。
3.10
野縁受け
天井下地材の構成部材で,野縁を取り付けるためのもの(図2参照)。
3.11
野縁受けジョイント
天井下地材の附属金物で,野縁受けと野縁受けとを接続するための継手(図2参照)。
3.12
クリップ
天井下地材の附属金物で,野縁受けと野縁とを接続固定する緊結金物(図2参照)。野縁の形状によって
ダブルクリップ及びシングルクリップがある。
4
鋼製下地材の名称
4.1
壁下地材の構成部材及び附属金物の名称
壁下地材の構成部材及び附属金物の名称は,図1による。
3
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4.2
天井下地材の構成部材及び附属金物の名称
天井下地材の構成部材及び附属金物の名称は,図2による。
図1−壁下地材の構成部材及び附属金物の名称
図2−天井下地材の構成部材及び附属金物の名称
4
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5
鋼製下地材の種類
鋼製下地材は,使用用途によって壁下地材と天井下地材とに区分し,壁下地材及び天井下地材の構成部
材及び附属金物並びに構成部材の組合せは,次による。
a) 壁下地材の構成部材の種類は,表1による。
表1−壁下地材の構成部材の種類
鋼製下地材
構成部材の種類
記号
WS-50
WS-65
スタッド
WS-75
WS-90
WS-100
壁下地材
WR-50
WR-65
ランナ
WR-75
WR-90
WR-100
振れ止め
WB-19
WB-25
b) 壁下地材の構成部材の組合せは,表2による。
表2−壁下地材の構成部材の組合せ
鋼製下地材
区分記号
構成部材の組合せ
50形
WS-50,WR50,WB-19及びスペーサを組み合わせたもので,ス
タッドの長さが2.7 m以下のもの。
65形
WS-65,WR-65,WB-25及びスペーサを組み合わせたもので,
スタッドの長さが4 m以下のもの。
壁下地材
75形
WS-75,WR-75,WB-25及びスペーサを組み合わせたもので,
スタッドの長さが4 m以下のもの。
90形
WS-90,WR-90,WB-25及びスペーサを組み合わせたもので,
スタッドの長さが4.5m以下のもの。
100形
WS-100,WR-100,WB-25及びスペーサを組み合わせたもので,
スタッドの長さが5 m以下のもの。
c) 天井下地材の構成部材の種類は,表3による。
表3−天井下地材の構成部材の種類
鋼製下地材
構成部材の種類
記号
天井下地材
シングル野縁
CS-19
CS-25
ダブル野縁
CW-19
CW-25
野縁受け
CC-19
CC-25
5
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d) 天井下地材の構成部材の組合せは,表4による。
表4−天井下地材の構成部材の組合せ
鋼製下地材
区分記号
構成部材の組合せ
天井下地材
19形
CS-19,CW-19及びCC-19を附属金物によって組み合わせたもの。
25形
CS-25,CW-25及びCC-25を附属金物によって組み合わせたもの。
e) 壁下地材及び天井下地材の附属金物の種類は,表5による。
表5−附属金物の種類
鋼製下地材
種類
壁下地材附属金物
スペーサ
つりボルト
ナット
ハンガ
天井下地材附属金物
クリップ
シングル野縁ジョイント
ダブル野縁ジョイント
野縁受けジョイント
6
品質
6.1
外観
壁下地材及び天井下地材の外観は,9.1によって試験を行い,次の規定に適合しなければならない。
a) 壁下地材及び天井下地材の構成部材及び附属金物の外観は,使用上支障のあるねじれ及び変形があっ
てはならない。
b) 壁下地材及び天井下地材の構成部材及び附属金物の外観は,使用上有害な引っかききず,凹凸及び汚
れがあってはならない。
6.2
性能
壁下地材及び天井下地材の性能は,箇条9によって試験を行い,表6及び表7の規定に適合しなければ
ならない。
表6−壁下地材の性能
単位 mm
性能項目
性能
試験箇条
構成部材の形状安
定性
横曲がりa)
ランナ及びスタッドはl /1 000以下a)
振れ止めは2l /1 000以下a)
9.3.1
反りb)
2l /1 000以下b)
9.3.2
載荷強さ
最大残留たわみ量
2以下
9.4.1
耐衝撃性
最大残留たわみ量
10以下
9.4.2
部材の折れ及び外れ あってはならない
注a) 横曲がりの測定箇所(A)及びlは,図7による。
b) 反りの測定箇所(B)及びlは,図8による。
6
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表7−天井下地材の性能
単位 mm
性能項目
性能
試験箇条
構成部材の形状安定性
横曲がりa)
2l /1 000以下a)
9.3.1
反りb)
2l /1 000以下b)
9.3.2
野縁
最大たわみ量
10以下
9.5.1 a)
下向き載荷
残留たわみ量
1以下
載荷強さ
野縁受け
最大たわみ量
5以下
9.5.1 b)
残留たわみ量
1以下
上向き載荷
野縁
最大たわみ量
5以下
9.5.2
注a) 横曲がりの測定箇所(A)及びlは,図7による。
b) 反りの測定箇所(B)及びlは,図8による。
7
形状及び寸法
7.1
形状
壁下地材及び天井下地材の代表的な形状は,次による。
a) 壁下地材の構成部材の代表的な断面形状は,図3による。
b) 壁下地材の附属金物の代表的な形状は,図4による。
c) 天井下地材の構成部材の代表的な断面形状は,図5による。
d) 天井下地材の附属金物の代表的な形状は,図6による。
図3−壁下地材の構成部材の断面形状例
図4−壁下地材の附属金物の形状例
7
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図5−天井下地材の構成部材の断面形状例
図6−天井下地材の附属金物の形状例
7.2
寸法
壁下地材の構成部材の寸法は,9.2によって測定したとき,表8の規定に適合しなければならない。天井
下地材の構成部材の寸法は,9.2によって測定したとき,表9の規定に適合しなければならない。
壁下地材の附属金物(スペーサ)の板厚は,9.2によって測定したとき,0.7 mm 以上(板厚の許容差は,
JIS G 3302又はJIS G 3321による。)とする。天井下地材の附属金物の寸法は,9.2によって測定したとき,
表10の規定に適合しなければならない。
8
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表8−壁下地材の構成部材の寸法
単位 mm
構成部材
記号
幅(A)
高さ(B)
板厚(t)b)
長さ(L)a)
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
基準寸法
基準寸法
許容差
WS-50
50
2 400
2 700
WS-65
65
2 700
3 000
3 500
4 000
+40
0
スタッドc)
±0.5
45
±1.0
0.8
3 000
WS-75
75
3 500
4 000
WS-90
90
4 000
4 500
WS-100
100
4 500
5 000
ランナ
WR-50
52
±0.5
40
±1.0
0.8
4 000
+40
0
WR-65
67
WR-75
77
WR-90
92
WR-100
102
振れ止め
WB-19
19
±1.5
10
±1.5
1.2
4 000
5 000
+40
0
WB-25
25
注a) 長さ(L)は,それぞれの記号の長さの上限内において受渡当事者間の協定によって定めてもよい。
b) 板厚(t)の許容差は,JIS G 3302及びJIS G 3321による。
c) スタッドには,振れ止めを通すための孔を約1 200 mmの間隔で設ける。ただし,上部ランナ上端か
ら400 mm以内に位置する孔は,受渡当事者間の協定によって省略してもよい。
表9−天井下地材の構成部材の寸法
単位 mm
構成部材
記号
幅(A)
高さ(B)
板厚(t)b)
長さ(L)a)
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
基準寸法
基準寸法
許容差
シングル
野縁
CS-19
25
±1.5
19
±0.5
0.5
4000
5000
+40
0
CS-25
25
ダブル野
縁
CW-19
50
19
CW-25
25
野縁受け
CC-19
38
±0.5
12
±1.5
1.2
CC-25
1.6
注a) 長さ(L)は,それぞれの記号の長さの上限内において受渡当事者間の協定によって定めてもよい。
b) 板厚(t)の許容差は,JIS G 3302及びJIS G 3321による。
9
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表10−天井下地材の附属金物の寸法
単位 mm
附属金物の種類
天井下地材の種類
19形
25形
つりボルト
ねじの種類
3/8ウイット転造ねじ
山の角度(参考)
55°程度
山数/インチ(参考)
16山
外径
基準寸法
9.0
許容差
+0.3
0
有効径
基準寸法
8.1
許容差
+0.2
0
ナット
ねじの種類
3/8ウイットねじ
二面幅
基準寸法
17
許容差
+0
−0.7
高さ
基準寸法
8.0
許容差
+0.4
−0.3
山の角度(参考)
55°程度
山数/インチ(参考)
16山
内径
(参考)
基準寸法
7.7
許容差
+0.4
0
ハンガa)
板厚
2.0以上
クリップa)
板厚
0.6以上
0.8以上
シングル野縁ジョイントa)
板厚
0.5以上
ダブル野縁ジョイントa)
板厚
0.5以上
野縁受けジョイントa)
板厚
1.0以上
注a) 板厚の許容差は,JIS G 3302又はJIS G 3321によるものとし,他の寸法(幅,高さなど)に
ついては,受渡当事者間の協定による。
8
材料
鋼製下地材の構成部材及び附属金物に使用する材料は,表11又はこれと同等以上の品質をもつものでな
ければならない。
10
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表11−材料
鋼製下地材
構成部材
附属金物
適用JIS a)
壁下地材
スタッド,
ランナ,
振れ止め
スペーサ
JIS G 3302:種類及び記号は,冷延原板のSGCC又は
SGC400とし,熱延原板はSGHC又はSGH400とする。
めっきの付着量は,めっきの付着量表示記号のZ12以
上とする。
JIS G 3321:種類及び記号は,冷延原板のSGLCC又は
SGLC400とし,熱延原板はSGLHC又はSGLH400と
する。めっきの付着量は,めっきの付着量表示記号
AZ90以上とする。
天井下地材
シングル野縁,
ダブル野縁,
野縁受け
ハンガ,
クリップ,
シングル野縁ジョイント,
ダブル野縁ジョイント,
野縁受けジョイント
−
つりボルト,
ナット
JIS G 3505:種類及び記号は,SWRM8,SWRM10又は
SWRM12とする。また,JIS H 8610に規定する1級以
上,JIS H 8625に規定する1級CM1 A以上又はこれと
同等以上の防せい処理を施したものとする。
注a) 受入れ時の鋼材検査証明書などによって確認する。
9
試験
9.1
外観
外観試験は,直射日光を避け,北窓昼光又はこれに相当する400 lx以上の照明のもとで約1 m離れて目
視で観察する。
9.2
寸法
9.2.1
板厚及び附属金物の寸法
構成部材の板厚(表8及び表9のt)壁下地材の附属金物の板厚及び天井下地材の附属金物の寸法(表
10の外径,有効径,二面幅,高さ及び板厚)は,試験体(製品)3体を取り出し,JIS B 7507に規定する
目量0.1 mm若しくは目量0.01 mmのノギス又はこれと同等以上の測定精度をもつ測定器を用いて測定し,
その平均値を四捨五入し,小数点以下2けたに丸める。
9.2.2
幅及び高さ
構成部材の幅(表8及び表9のA)及び高さ(表8及び表9のB)は,構成部材の端部から100 mm〜200
mmの両端部各1点及び中央部1点の合計3点をJIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギス又はこれと同
等以上の測定精度をもつ測定器を用いて試験体(製品)3体を測定し,その平均値を四捨五入して小数点
以下1けたに丸める。
9.2.3
長さ
構成部材の長さ(表8及び表9のL)は,幅方向の中央部1か所をJIS B 7512に規定する目量1 mmの
一級コンベックスケール又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いて試験体(製品)3体を測定し,
その平均値を四捨五入して整数に丸める。
9.3
構成部材の形状安定性試験
9.3.1
横曲がりの測定方法
横曲がりの測定方法は,平滑な鋼製定盤に部材を水平に静置し,JIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノ
ギス又はこれと同等以上の測定精度をもつ測定器を用いて,図7に示す横曲がりの測定箇所(A)で試験
体(製品)3体を測定し,そのうちの最大値を測定値とする。
9.3.2
反りの測定方法
反りの測定方法は,平滑な鋼製定盤に部材を水平に静置し,JIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギス
又はこれと同等以上の測定精度をもつ測定器を用いて,図8に示す反りの測定箇所(B)で試験体(製品)
11
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3体を測定し,そのうちの最大値を測定値とする。
単位 mm
図7−横曲がりの測定箇所(A)
単位 mm
図8−反りの測定箇所(B)
12
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9.4
壁下地材の強度試験
9.4.1
載荷強さ試験
載荷強さの試験体は,図9のとおり強固な鋼製枠を組み立て,鋼製の支持台を使って床から浮かし,鋼
製枠に対向する2辺にランナを固定する。そのランナにスタッドを450 mm間隔に2スパンを取り付け,
さらに,振れ止め,スペーサを規定どおり取り付けた後,JIS B 1115,JIS B 1122又はJIS B 1125のいずれ
かに規定するタッピンねじ又はこれらと同等以上の性能をもつタッピンねじを用いて,表側には日本農林
規格の普通合板に規定する厚さ5.5 mmを使用し,裏面にはJIS A 6901のGB-Rに規定する厚さ12.5 mm
のせっこうボードを使用し,枠を除く全面にねじ間隔200 mmで張り付けた1体の試験体を作製する。
なお,裏面のせっこうボードの目地は,合板の目地と重ならない位置とする。
載荷位置は,施工時を想定した床面から1 500 mmとし,その位置には,厚さ5.5 mmの普通合板の目地
が十字に集まるようには(貼)り付けられた場所とする。
載荷強さの試験は,日本農林規格の普通合板に規定する厚さ15 mmで350 mm角の当て板を載荷位置に
置き,当て板のほぼ中央に160 Nの鉛直荷重を5分間加え,荷重を取り除いた後,JIS B 7503に規定する
目量0.01 mmのダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いてせっこうボード面の最大
残留たわみ量を測定する。
なお,試験体の高さ(H)は,50形については2.7 m,65形及び75形については4 m,90形については
4.5 m,100形については5 mとする。
9.4.2
耐衝撃性試験
耐衝撃性試験は,9.4.1の試験体を使用し,当て板にJIS A 1414の衝撃試験に規定する質量30 kgの砂袋
を高さ300 mmの鉛直上から自然落下させ,砂袋を取り除いた後のせっこうボード面の最大残留たわみ量
をJIS B 7503に規定する目量0.01 mmのダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いて
測定する。併せて,合板を外して目視によって構成部材の折れ及び外れを観察する。
なお,試験体の高さ(H)は,50形については2.7 m,65形及び75形については4 m,90形については
4.5 m,100形については5 mとする。
単位 mm
図9−載荷強さ及び耐衝撃性試験方法
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9.5
天井下地材の強度試験
9.5.1
下向き載荷試験
a) 野縁の下向き載荷試験 野縁の下向き載荷試験は,つりボルトを堅ろうな鋼製枠に固定した天井下地
材を図10のとおり1体を組み立て,中央の野縁2本に日本農林規格の普通合板に規定する厚さ15 mm
で450 mm角の当て板を中央部に載せ,載荷位置に19形については300 N,25形については500 Nの
鉛直荷重を5分間加えた状態での野縁中央の最大たわみ量,及び荷重を取り除いた後の残留たわみ量
をJIS B 7503に規定する目量0.01 mmのダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用
いて測定する。測定は2本の野縁について行い,いずれか大きい値を測定値とする。
単位 mm
図10−下向き載荷試験方法(野縁)
b) 野縁受けの下向き載荷試験 野縁受けの下向き載荷試験は,つりボルトを堅ろうな鋼製枠に固定した
天井下地材を図11のとおり1体を組み立て,野縁受け2本に日本農林規格の普通合板に規定する厚さ
24 mmを使用し,幅400 mm,長さ1 200 mmの当て板を載せ,載荷位置に740 Nの鉛直荷重を5分間
加えた状態での野縁受け中央の最大たわみ量,及び荷重を取り除いた後の残留たわみ量をJIS B 7503
に規定する目量0.01 mmのダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いて測定する。
測定は,野縁受け2本について行い,いずれか大きい値を測定値とする。
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単位 mm
図11−下向き載荷試験方法(野縁受け)
9.5.2
上向き載荷試験
上向き載荷試験は,つりボルトを堅ろうな鋼製枠に固定した天井下地材を図12のとおり1体を組み立て,
天井材としてJIS A 6901のGB-Rに規定する厚さ9.5 mmのせっこうボードをJIS B 1115,JIS B 1122又は
JIS B 1125のいずれかに規定するタッピンねじ又は同等以上の性能をもつタッピンねじを用いてねじ間隔
200 mmで取り付ける。その中央部に日本農林規格の普通合板に規定する厚さ15 mmで450 mm角の当て
板を当て,油圧式載荷装置などを用い300 Nの力で鉛直上向きに5分間加えた状態での野縁中央の最大た
わみ量を,JIS B 7503に規定する目量0.01 mmのダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をもつ測定器
を用いて測定する。測定は,2本の野縁について行い,いずれか大きい値を測定値とする。
単位 mm
図12−上向き載荷試験方法
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10 検査
10.1 検査の種類及び検査項目
検査は,形式検査1)と受渡検査2)とに区分し,検査の項目は,それぞれ次による。
なお,受渡検査の抜取検査方式は,合理的な抜取検査方式によるものとし,受渡当事者間の協定による。
注1) 形式検査とは,鋼製下地材の構成部材及び附属金物の品質が,設計(新しく設計又は生産条件
が変更など)で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 受渡検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による鋼製下地材の構成部材及
び附属金物の受渡しをする場合,必要と認める特性が満足するものであるかどうかを判定する
ための検査。
a) 形式検査項目
1) 外観
2) 構成部材の形状安定性
3) 載荷強さ
4) 耐衝撃性
5) 形状・寸法
6) 材料
b) 受渡検査項目
1) 外観
2) 形状・寸法
10.2 判定基準
検査は,箇条9の試験を行い,箇条6及び箇条7に適合しているものを合格とする。また,材料の検査
については,受入れ時の鋼材検査証明書などによって箇条8に適合しているものを合格とする。
なお,試験体が複数の場合については,平均値と明記していない試験項目はすべての値が適合しなけれ
ばならない。
11 鋼製下地材の呼び方
壁下地材及び天井下地材の呼び方は,例1及び例2に示すように,構成部材の種類を表す記号及び構成
部材の長さの順番とする。
例1 壁下地材
WS-50―2700
長さ
記号
例2 天井下地材
CS-19―5000
長さ
記号
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12 表示
12.1 鋼製下地材の表示
鋼製下地材には,容易に消えない方法で,製造業者名又はその略号を表示する。
12.2 包装又は送り状の表示
包装又は送り状には,構成部材及び附属金物ごとに次の事項を見やすい位置に表示する。ただし,附属
金物は,名称を表示する。
a) 規格番号又は規格名称
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月
d) 鋼製下地材の呼び方
e) 1包装の数量
13 添付資料
包装には,取扱い上の注意事項及び維持管理上の注意事項を添付する。
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附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧JIS対照表
JIS A 6517:2010
JIS A 6517:2002
改正理由
箇条番号及び題名
内容
箇条番号及び題名
内容
1 適用範囲
この規格は,建築物の主として屋内に使用
する・・・について規定する。
1 適用範囲
この規格は,建築物の・・・に
ついて規定する。
適用範囲が“主として屋内”であることを明
確にするため。
6 構造及び加工
削除
6 構造及び加工
壁下地材及び天井下地材の構造
及び加工方法を規定している。
製品規格は個々の部材の品質性能を詳細に
規定するものであり,規定内容が施工時の留
意事項であるため,規格になじみにくいこと
から規定項目から削除することとした。
7 形状及び寸法
7.1形状
各構成部材及び附属金物の形状を図で例
示
7.2寸法
・スペーサ(附属金物)の板厚を規定
表10
天井下地材の附属金物の寸法を規定。
7 部材の形状・寸
法及び許容差
・図の例示なし
・附属金物の寸法規定なし。
・使用者に利用しやすくするため,各構成部
材及び附属金物の形状を図によって例示
した。
・品質確保の観点から,附属金物の寸法を規
定した。
8 材料
使用材料の種類及び記号を規定
・JIS G 3302:冷延原板はSGCC又はSGC
400とし,熱延原板はSGHC又はSGH400
とする。めっきの付着量は,めっきの付
着量表示記号のZ12以上とする。
・JIS G 3321:冷延原板のSGLCC又は
SGLC400とし,熱延原板はSGLHC又は
SGLH400とする。めっきの付着量は,め
っきの付着量表示記号のAZ90以上とす
る。
・JIS G 3505:SWRM8,10又は12とする。
防せい処理は,JIS H 8610に規定する1
級以上,JIS H 8625に規定する1級の
CM1A以上又はこれと同等以上の防せい
処理を施したものとする。
8 材料
・本体及び附属金物の防せい処
理について規定。
JIS G 3302及びJIS G 3321
・品質の規定から材料の規定へ変更した。
・使用材料として,JIS G 3302,JIS G 3321
及びJIS G 3505としていたが,使用材料を
明確にするため,種類及び記号を規定し
た。
2
A
6
5
1
7
:
2
0
1
0
18
A 6517:2010
JIS A 6517:2010
JIS A 6517:2002
改正理由
箇条番号及び題名
内容
箇条番号及び題名
内容
6 品質
9 試験
6.1 外観
外観の品質規定を規定した。
9.1 外観
外観の測定方法を規定した。
−
規定なし
品質確保の観点から,外観を設け,測定方法
を規定した。
2 引用規格
9 試験
2 引用規格,9.2寸法,9.3構成部材の形状
安定性試験,9.4壁下地材の強度試験,9.5
天井下地材の強度試験
次の測定器を規定した。
・JIS B 7503(ダイヤルゲージ)
・JIS B 7507(ノギス)
・JIS B 7512(鋼製巻尺)
−
規定なし
測定精度を確保するため,具体的な測定器を
規定した。
2 引用規格,9.4.1載荷強さ試験,9.4.2耐衝
撃性試験,9.5.2上向き載荷試験
次のタッピンねじを規定した。
・JIS B 1115(すりわり付きタッピンねじ)
・JIS B 1122(十字穴付きタッピンねじ)
・JIS B 1125(ドリリングタッピンねじ)
−
タッピンねじの規定なし
適切な試験を実施するため,試験に使用する
タッピンねじを規定した。
10 検査
検査項目を形式検査項目と受渡検査項目と
に区分した。
受渡検査の抜取検査方式は,合理的な抜
取検査方式によるものとし,受渡当事者間
の協定による。
10 検査
製品の検査は,JIS Z 9015-0によ
ってロットの大きさを決定し,
そのロットから合理的な方式に
よって試料を抜き取り,5.及び
7.の規定に適合したものを合格
とする。
JISマーク表示制度に対応するため,形式検
査項目と受渡検査項目とに分類した。また,
製造実態の多様性を考慮し,合理的な抜取検
査方式に変更した。
2
A
6
5
1
7
:
2
0
1
0