サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

background image

令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業
規格”を“日本産業規格”に改めた。 

日本産業規格          JIS 

A 6509-1994 

建築用構成材(木質屋根パネル) 

Building components (Wood panel for roof)  

1. 適用範囲 この規格は,工場生産低層住宅の屋根に使用するパネルで構造上主要な部分に木質材料を

用いた木質屋根パネル(1)(以下,パネルという。)について規定する。 

注(1) この規格でいうパネルとは,表1に示すもので,壁パネル,屋切パネル,トラス,けた(桁),

はり,もや(母屋)などに接合して屋根の一部又は全部を構成するものをいい,付ひさしなど

の特殊なものは含まないものとする。 

備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考値

である。 

2. パネルの種類 パネルの種類は,形態によって,表1の記号で区分する。 

表1 

種類 

記号 

備考 

単一素材系屋根パネル 

RS 

単一素材からなる周囲に枠のないパネル 

複合素材系屋根パネル 

RM 

主としてパネルの物理的性能を向上させるために二つ以上の素材
を組み合わせたもので,周囲に枠のないパネル 

枠組系屋根パネル 

RF 

周囲に木質の枠があるパネル 

備考 表1中の記号R, S, M及びFは,それぞれ次の意味がある。 

R:Roof 

M:Multiple Material 

S:Single Material 

F :Framed 

3. 外観及び性能 

3.1 

外観 パネルは,構造上又は仕上げ上,有害なきず,ねじれ,ゆがみ,反りなどの欠陥があっては

ならない。 

3.2 

性能 性能は,次の項目について判定する。 

3.2.1 

断熱性 パネルは,7.2の試験体を用いて,7.3.1の試験方法によって,各区分ごとに表2に示す熱

貫流抵抗の規定に適合しなければならない。 

表2 

断熱性による区分 

0.2 

0.5 

0.8 

1.25 

熱貫流抵抗 

m2K/W 

{m2h℃/kcal} 

 0.17以上 
 {0.2以上} 
 0.43未満 
 {0.5未満} 

 0.43以上 
 {0.5以上} 
 0.69未満 
 {0.8未満} 

 0.69以上 
 {0.8以上} 
 1.08未満 
{1.25未満} 

 1.08以上 
{1.25以上} 

background image

A 6509-1994  

3.2.2 

衝撃音遮断性 パネルは,7.2の試験体を用いて,7.3.2の試験方法によって,各区分ごとに表3に

示す標準曲線との音圧レベル差の規定に適合しなければならない。 

表3 

衝撃音遮断性による区分 

+25 

+15 

+5 

−5 

標準曲線との音圧レベル差 

dB 

 +15以上 
 +25未満 

 +5以上 
 +15未満 

 −5以上 
 +5未満 

 
 −5未満 

3.2.3 

防水性 パネルは,7.2の試験体を用いて,7.3.3の試験方法によって,各区分ごとに表4に示す水

密圧力の規定に適合しなければならない。 

表4 

防水性による区分 

16 

20 

25 

40 

水密圧力 

Pa 

{kgf/m2} 

156.91以上 

{16以上} 

196.13未満 

{20未満} 

196.13以上 

{20以上} 

245.17未満 

{25未満} 

245.17以上 

{25以上} 

392.27未満 

{40未満} 

392.27以上 

{40以上} 

3.2.4 

耐分布圧性 パネルは,(1)及び(2)による。 

(1) 表面側(2)から加力した場合の耐分布圧性は,7.3.4の試験方法によって,各区分ごとに曲げ比例限度荷

重又は最大曲げ荷重の32又はたわみが200l(l=スパン)のときの荷重のいずれか小さい値を単位面積当

たりに換算した値が表5.1に示す単位荷重の規定に適合しなければならない。 

(2) 裏面側(2)から加力した場合の耐分布圧性は,7.3.4の試験方法によって,各区分ごとに曲げ比例限度荷

重又は最大曲げ荷重の32のいずれか小さい値を単位面積当たりに換算した値が表5.2に示す単位荷重

の規定に適合しなければならない。 

注(2) 表面側とは,そのパネルの通常の使用方法で上側の面をいい,同様に裏面側とは下側の面をい

う。 

表5.1 表面側用 

耐分布圧性による区

分 

40 

71 

125 

230 

単位荷重 

N/m2 

{kgf/m2} 

 392.27以上 
 

{40以上} 

 696.27未満 
 

{71未満} 

 696.27以上 
 

{71以上} 

 1 225.8未満 
 {125未満} 

 1 225.8以上 
 {125以上} 
 2 255.5未満 
 {230未満} 

 2 255.5以上 
 {230以上} 

表5.2 裏面側用 

耐分布圧性による区分 

71 

125 

280 

400 

単位荷重 

N/m2 

{kgf/m2} 

 696.27以上 
 

{71以上} 

 1 225.8未満 
 {125未満} 

 1 225.8以上 
 {125以上} 
 2 745.9未満 
 {280未満} 

 2 745.9以上 
 {280以上} 
 3 922.7未満 
 {400未満} 

 3 922.7以上 
 {400以上} 

4. 形状,寸法及び許容差 

4.1 

形状,寸法 パネルの形状,寸法は,次によって定める。 

(1) パネルの部品基準面は,パネルの両端に設ける(図1参照)。 

(2) パネルのモデュール呼び寸法は,部品の基準面間に適用する(図1参照)。 

background image

A 6509-1994  

図1 パネルの形状,寸法別 

4.2 

パネルの寸法 パネルの寸法は,常備品と注文品とに区分し,常備品の形状及び寸法は,4.3による。

注文品の形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。 

4.3 

パネルのモデュール呼び寸法 パネルのモデュール呼び寸法は,次による。 

(1) パネルの幅及び長さのモデュール呼び寸法は,表6.1のとおりとし,それぞれモデュール呼び寸法の

組合せによって備考の例示のとおり呼称する。 

注文品は,常備品に準じて呼称する。 

表6.1 

単位 mm 

幅のモデュール呼び寸法 ▼W 

長さのモデュール呼び寸法 ▼L 

450 

600 

900 

1 200 1 800 2 400 2 700 3 600 4 500 4 800 5 400 

450 

04・04 06・04 09・04 12・04 18・04 24・04 27・04 

600 

06・06 09・06 12・06 18・06 24・06 27・06 36・06 

900 

09・09 12・09 18・09 24・09 27・09 36・09 45・09 

1 200 

12・12 18・12 24・12 27・12 36・12 45・12 48・12 

1 800 

18・18 24・18 27・18 36・18 45・18 48・18 54・18 

備考 例:18・04は,18(長さ1 800mm),04(幅450mm)を示す。 

(2) パネルの厚さのモデュール呼び寸法は,表6.2のとおりとする。 

表6.2 

単位 mm 

厚さのモデュール
呼び寸法 

▼T 

50(3) 

60 

70 

80 

90 

100 

120 

150 

180 

200 

注(3) 複合素材系に適用する。 

4.4 

パネルの製作寸法 パネルの製作寸法は,次による。 

(1) パネルの幅及び長さの製作寸法は,JIS A 0004に従って合理的に定めるものとする。 

(a) パネルのモデュール呼び寸法と設計寸法の関係は,図2のとおりとする。 

background image

A 6509-1994  

図2 

備考 a, a1, a2の寸法は,明示しなければならない。 

(b) パネルの設計寸法と製作寸法の関係は,図3のとおりとする。 

図3 

2

t

r

g

b

+

=

2

2t

p

r

+

=

ここに, g: パネルの組合せに必要な部分の寸法(原則として5mmとし,

5mm以外の寸法による場合は明示しなければならない。) 

p: 位置公差(原則として2mmとし,2mm以外の寸法による場合

は明示しなければならない。) 

t: 寸法公差(表7に定める許容差の絶対値の和) 

(2) パネルの厚さのモデュール呼び寸法とパネルの製作寸法の関係は,図4のとおりとする。 

図4 

備考1. gの値は原則として5mmとし,5mm以外の寸法による場合は明示しなければならない。 

2. aの寸法は明示しなければならない。 

background image

A 6509-1994  

4.5 

寸法許容差 パネルの製作寸法に対する寸法許容差は,表7のとおりとする。 

表7 

単位 mm 

項目 

寸法 

許容差 

幅,長さ 

2 700以下 

±3.0 

2 700を超えるもの 

±5.0 

厚さ 

100以下 

±1.5 

100を超えるもの 

±2.0 

対角線の寸法の差 

長さ2 700以下のパネル 

4.0以下 

長さ2 700を超えるパネル 

8.0以下 

5. 材料 パネルに使用する材料のうち,表8に示すものは,右欄の規格品又はこれと性能が同等以上の

ものでなければならない。 

background image

A 6509-1994  

表8 使用材料の品質(4) 

使用区分 

材料 

規格 

表面材及び

断熱遮音材 

合板 

普通合板の日本農林規格 

構造用合板の日本農林規格 

特殊合板の日本農林規格 

難燃合板の日本農林規格 

石綿スレート板 

JIS A 5403 

パルプセメント板 

JIS A 5414 

アルミニウムシート 

JIS H 4000 

鉄板 

JIS G 3302 

JIS G 3312 

JIS K 6744 

パーティクルボード 

JIS A 5908 

木片セメント板 

JIS A 5417 

繊維板 

JIS A 5905 

ロックウール 

JIS A 9504 

グラスウール 

JIS A 9505 

発ぽう(泡)ポリスチレン JIS A 9511 

ウレタンフォーム 

JIS A 9514 

JIS K 6401 

JIS K 6402 

せっこうボード 

JIS A 6901 

木毛セメント板 

JIS A 5404 

桟材等 

木材 

用材の日本農林規格 

製材の日本農林規格 

集成材 

集成材の日本農林規格 

接合金物 

くぎ 

木ねじ 

ボルト 

ナット 

ばね座金 

平座金 

JIS A 5508 

JIS B 1135 

JIS B 1180 

JIS B 1181 

JIS B 1251 

JIS B 1256 

その他 

コーキング材 

JIS A 5751 

JIS A 5758 

接着剤 

JIS K 6802 

レゾルシノール樹脂 JIS K 6802と同等又はこれと 

エポキシ樹脂    同等以上の性能をもつもの 

アスファルトルーフィン

グフェルト 

JIS A 6005 

ターンバックル筋かい 

JIS A 5540 

注(4) 表8以外の材料にあっては,JIS又はこれと同等以上の性能をもつものとする。 

6. 製造 

6.1 

枠組系床パネルの製造は,所定(5)の寸法に加工したさん材(含水率18%以下)を組み合わせて下地

フレームを構成する。 

注(5) 所定については,各メーカーの製作基準で定める。 

6.2 

下地フレームをジグなどで固定し,表面材と接着剤又はくぎその他の接合金物などではがれないよ

うに取り付ける。 

A 6509-1994  

6.3 

仕上加工材を用いて,所定(5)寸法に仕上げる。 

備考 防腐処理の必要な場所(水回り,湿気の多い場所)に用いるパネルの枠材などは適当な防腐処

理を行う。 

6.4 

表面材の取付け 表面材は,はがれないようにくぎ,接着剤などで枠及び桟に取り付ける。 

6.5 

保護,養生 パネルには,完成後保管,運搬中にきず,よごれ,破損のないように適当な保護,養

生を施す。 

備考1. ジグは,定期的に点検し,常に所定の精度を確保する。 

2. 湿気及び水分の影響を受ける所に使用するもので,接着剤による場合は耐水性の接着剤を使

用する。 

7. 試験 

7.1 

数値の換算 従来単位による試験装置を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値への換

算は,次による。 

1kgf=9.80N 

7.2 

試験体 性能試験に使用する試験体は,断熱性,衝撃音遮断性,防水性の試験にあっては,パネル

に標準的仕上げ(6)を施したものとし,耐分布圧性の試験にあっては,仕上げを施さないもの(7)とする。 

また,天井が屋根と一体となって性能に寄与している場合には天井を含めたものとする。 

注(6) 標準的仕上げとは,そのパネルを使用した屋根工法のうち最も普通に行う仕上げをいう。例え

ば,かわらぶき,着色亜鉛鉄板,長尺かわら棒ぶきなどである。 

(7) 表面材又は仕上材を現場で取り付けるパネルで,それが一体となって性能に寄与する場合には,

それらを取り付けてよい。 

7.3 

試験方法 

7.3.1 

断熱性の試験方法は,JIS A 1414の6.6(熱貫流試験)に準拠する。ただし,試験体は水平に支持

し,裏面側を高温,表面側を低温として測定する。 

7.3.2 

衝撃音遮断性の試験方法は,JIS A 1418による。 

7.3.3 

防水性の試験方法は,JIS A 1414の6.5(水密試験)に準拠し,試験装置は図5に示すとおりとす

る。ただし,圧力箱内の圧力は負とする。 

background image

A 6509-1994  

図5 

7.3.4 

耐分布圧性の試験方法は,JIS A 1414の6.10(単純曲げ試験)による。 

7.4 

試験結果 試験結果には,試験体の断面図及び材料構成の詳細を付記する。 

8. 検査 検査は,外観,寸法及び性能について行う。 

8.1 

外観,寸法検査 外観,寸法検査は,合理的な抜取方法によって行う。 

8.2 

性能検査 性能検査は,少なくとも3年に1回以上又はパネルの仕様並びに設計が大幅に変更され

た場合,3.2の項目について7.の試験によって行う。 

9. 表示 パネルには,種類,寸法,製造業者名,工場名及び製造番号又はそれらの略号を適当なところ

に表示する。 

A 6509-1994  

付表1 引用規格 

JIS A 0004 建築のモデュール割りの原則 

JIS A 1414 建築用構成材(パネル)及びその構造部分の性能試験方法 

JIS A 1418 建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法 

JIS A 5403 石綿スレート 

JIS A 5404 木毛セメント板 

JIS A 5414 パルプセメント板 

JIS A 5417 木片セメント板 

JIS A 5508 くぎ 

JIS A 5540 建築用ターンバックル 

JIS A 5751 建築用油性コーキング材 

JIS A 5758 建築用シーリング材 

JIS A 5905 繊維板 

JIS A 5908 パーティクルボード 

JIS A 6005 アスファルトルーフィングフェルト 

JIS A 6901 せっこうボード製品 

JIS A 9504 ロックウール保温材 

JIS A 9505 グラスウール保温材 

JIS A 9511 ポリスチレンフォーム保温材 

JIS A 9514 硬質ウレタンフォーム保温材 

JIS B 1135 すりわり付き木ねじ 

JIS B 1180 六角ボルト 

JIS B 1181 六角ナット 

JIS B 1251 ばね座金 

JIS B 1256 平座金 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS K 6401 クッション用軟質ウレタンフォーム 

JIS K 6402 衣料用軟質ウレタンフォーム 

JIS K 6744 ポリ塩化ビニル被覆金属板 

JIS K 6802 フェノール樹脂木材接着材 

日本農林規格 (JAS)  

10 

A 6509-1994  

建築部会 住宅用パネル専門委員会 構成表(昭和50年4月1日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

狩 野 春 一 

西   忠 雄 

東洋大学工学部 

内 田 祥 哉 

東京大学工学部 

碓 井 憲 一 

フジタ工業株式会社 

藤 井 正 一 

財団法人建材試験センター 

杉 山 英 男 

東京大学農学部 

池 辺   陽 

東京大学生産技術研究所 

小 倉 弘一郎 

明治大学工学部 

羽 倉 弘 人 

千葉工業大学 

宇 野 英 隆 

千葉工業大学 

井 口 洋 祐 

東京理科大学工学部 

木 村 蔵 司 

日本工業大学工学部 

白 山 和 久 

建設省建築研究所 

金 子 勇次郎 

建設省住宅局 

帆 足 万 里 

工業技術院標準部 

木 原 滋 之 

通商産業省生活産業局 

鬼 塚 博 視 

通商産業省生活産業局 

藤 井 栄 一 

日本住宅公団量産試験場 

山 下 建 蔵 

三井不動産株式会社 

桑 原 三 郎 

住友不動産株式会社 

阿 部 市 郎 

永大産業株式会社 

藤 村 浩 介 

エヌ・ケープレハブ株式会社 

椎 野   潤 

大成プレハブ株式会社 

田 中 弘 義 

積水ハウス株式会社 

益 野   浩 

久保田建材工業株式会社 

伊 藤 謙 喜 

大建工業株式会社 

小 林 昭 夫 

ナショナル住宅建材株式会社 

青 木 敬二郎 

大和ハウス工業株式会社 

前 田 義 雄 

社団法人プレハブ建築協会 

石 河 正太郎 

豊田コンクリート株式会社 

加 藤 善 也 

ミサワホーム株式会社 

八 巻   広 

扶桑セメント工業株式会社 

柳 沢 要三郎 

新日本ブロック株式会社 

(事務局) 

田 村 尹 行 

工業技術院標準部材料規格課 

松 本 大 治 

工業技術院標準部材料規格課 

小 林 秋 穂 

工業技術院標準部材料規格課 

(事務局) 

牛 島 宏 育 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年6月1日改正のとき) 

根 岸 喜代春 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年6月1日改正のとき) 

荒 井   淳 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年6月1日改正のとき)