A 6005:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人建材試験
センター (JTCCM)/アスファルトルーフィング工業会 (ARK)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業
標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産
業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS A 6005 : 1991は改正され,この規格に置き換
えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
A 6005:2005
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類 ······························································································································ 1
4. 品質 ······························································································································ 2
5. 寸法及び製品の単位面積質量 ····························································································· 2
5.1 寸法 ···························································································································· 2
5.2 寸法及び製品の単位面積質量の表示値に対する許容差 ··························································· 2
6. 外観 ······························································································································ 2
7. 試験 ······························································································································ 3
7.1 試験の一般条件 ············································································································· 3
7.2 寸法の測定 ··················································································································· 4
7.3 外観 ···························································································································· 4
7.4 製品の単位面積質量 ······································································································· 4
7.5 原紙の単位面積質量及びアスファルトの単位面積質量 ··························································· 5
7.6 鉱物質粒子の単位面積質量 ······························································································ 5
7.7 加熱減量 ······················································································································ 6
7.8 引張強さ ······················································································································ 6
7.9 耐折り曲げ性 ················································································································ 6
7.10 アスファルトの浸透状況 ································································································ 7
7.11 耐熱性 ························································································································ 7
8. 検査 ······························································································································ 7
9. 製品の呼び方 ·················································································································· 7
10. 表示 ···························································································································· 7
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日本工業規格 JIS
A 6005:2005
アスファルトルーフィングフェルト
Asphalt roofing felts
1. 適用範囲 この規格は,防水工事,防湿工事,屋根ふき下地,壁下地などに用いるアスファルトルー
フィングフェルト(以下,ルーフィングフェルトという。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6257 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム─熱老化特性の求め方
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3. 種類 種類は,表1による。
表 1 種類及び製品の単位面積質量の呼び
種類
製品の単位面
積質量の呼び
備考
アスファルトフェルト
430
650
有機天然繊維を主原料とした原紙(以下,原紙とい
う。)に,アスファルトを浸透したもの。
アスファルトルーフィング
940
1 500
原紙に,アスファルトを浸透,被覆し,表裏面に鉱
物質粉末を付着させたもの。
砂付ルーフィング
3 500
原紙にアスファルトを浸透,被覆し,表面の片側
100 mmを除いた残りに鉱物質粒子(1)を密着させ,
残りの表裏面に鉱物質粉末を付着させたもの。
注(1) 鉱物質粒子は,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き3.35 mmの金属製網ふるいを通過し,150
μmの金属製網ふるいに残るもので,砕石状のもの及びりん(鱗)片状の天然スレートチッ
プの2種類がある。
2
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4. 品質 品質は,7. によって試験を行い,表2の規定に適合しなければならない。
表 2 品質
種類
アスファルトフェルト
アスファルトルーフィング
砂付ルーフィング
適用
試験
箇条
製品の単位面積質量の呼び
430
650
940
1 500
3 500
製品の単位面積質量 g/m2
(2)
430以上
650以上
940以上
1 500以上
3 500以上
(2 700以上)(3)
7.4
原紙の単位面積質量 g/m2
200以上
260以上
180以上
340以上
340以上
7.5
アスファルトの単位面積
質量 g/m2
原紙の単位
面積質量
以上
原紙の単位
面積質量の
1.4倍以上
400以上
650以上
1 000以上
7.5
鉱物質粒子の単位面積質量
g/m2
−
−
1 000以上
(800以上)(3)
7.6
加熱減量 %
5以下
5以下
−
−
7.7
引張強さ
N/cm
長手方向
40以上
40以上
40以上
50以上
50以上
7.8
幅方向
20以上
20以上
20以上
25以上
25以上
耐折り曲げ性
試験片10個中9個以上にき裂が生じないこと。
7.9
アスファルトの浸透状況
アスファルトの不浸透部分がないこと。
7.10
耐熱性
−
被覆物(4)のずれ落ち,発泡,
浸透しているアスファルト
のしみ出しなどが生じない
こと。
被覆物(4)の5 mm以
上のずれ落ち,発泡
などが生じないこ
と。
7.11
注(2) 表示値に対して,5.2の許容差の範囲とする。
(3) 鉱物質粒子として,りん(鱗)片状の天然スレートチップを使用する場合は,( )内とする。
(4) 被覆物とは,被覆しているアスファルト,鉱物質粉末及び鉱物質粒子をいう。
5. 寸法及び製品の単位面積質量
5.1
寸法 寸法は,受渡当事者間の協定による。
5.2
寸法及び製品の単位面積質量の表示値に対する許容差 寸法は7.2によって,及び製品の単位面積質
量は7.4によって試験をした場合,表示値に対する許容差は,表3による。
表 3 寸法及び製品の単位面積質量の表示値に対する許容差
長さ
幅
単位面積質量
プラス側は規定しない。 プラス側は規定しない。
プラス側は規定しない。
マイナス側は認めない。 マイナス側は1.0 %まで認める。 マイナス側は認めない。
6. 外観 外観は,7.3によって試験を行い,次の規定に適合しなければならない。
a) 著しいわん曲,起伏,裂けた箇所,折れ,しわ及び穴がないこと。ただし,被覆しているアスファル
トに細かい起伏があっても差し支えない。
b) 相互に粘着する部分がなく,被覆しているアスファルト又は鉱物質粒子がはがれていないこと。
c) 1巻の長さが8.0 m未満の場合,1巻の途中で切断していないこと。
d) 1巻の長さが8.0 m以上の場合,1巻の途中で2か所以上切断していないこと。1か所切断している場
合,1片の長さが2.0 m以上あること。
3
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7. 試験
7.1
試験の一般条件
7.1.1
試験場所の温湿度条件並びに試料及び試験片の養生条件 試験場所の温湿度条件並びに試料及び
試験片の養生条件は,次による。
a) 寸法の測定,外観及び製品の単位面積質量の測定の温湿度条件は,JIS Z 8703に規定する20 ℃15級,
65 %20級 [20±15 ℃,(65±20) %] とする。
b) a) 以外の試験の温湿度条件は,特に指定がない限り,JIS Z 8703に規定する20 ℃2級,65 %20級 [20
±2 ℃,(65±20) %] とする。
c) 試料及び試験片の養生時間は,特に指定がない限り,試験前1時間以上とする。
7.1.2
試料及び試験片の作製 試料及び試験片の作製は,次による。
a) 試料,試験片の寸法及び個数は,表4による。
表 4 試料,試験片の寸法及び個数
試験項目
試験片の記号 試料及び試験片の寸法
(長手方向×幅方向)
mm
個数
製品の単位面積質量
−
1 400 × 全幅
1
原紙の単位面積質量
A
50 × 200
3
アスファルトの単位面積質量
鉱物質粒子の単位面積質量
引張強さ
長手方向
B
200 × 50
10
幅方向
B′
50 × 200
10
耐折り曲げ性
長手方向
C
250 × 25
10
幅方向
C′
25 × 250
10
アスファルトの浸透状況
D
100 × 全幅
1
耐熱性又は加熱減量
E
200 × 200
3
4
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b) 試験片の形状及び採り方の例を,図1に示す。
図 1 試験片の形状及び採り方(例)
7.1.3
数値の丸め方 測定値・計算値を丸める場合の数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
7.2
寸法の測定 寸法の測定は,次による。
a) 長さ 長さは,平面に広げた全長の最短部を0.01 mの単位まで測定する。1巻中に切断箇所がある場
合は,それぞれの最短部分の長さを同様にして測定し,その和から0.15 m減じた長さを1巻の長さと
する。
b) 幅 幅は,長手方向の両端付近及び中央付近の3か所において1 mmの単位まで測定し,測定値の平
均値で表す。
7.3
外観 外観は,ルーフィングフェルトを平面に広げ,目視によって調べる。
7.4
製品の単位面積質量 製品の単位面積質量は,7.2で長さ及び幅を測定した後のルーフィングフェル
トの端部から約1 mを除き,これから全幅にわたって長さ1.4 mの試料を長手方向に直角に切り取り,そ
長
手
方
向
(
1
.4
m
)
5
A 6005:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
の試料の長さ及び幅の3か所を1 mmの単位まで測定し,これらの平均値から面積を求めた後,その質量
を1 gの単位まではかり,次の式によって算出する。
A
m
M=
················································································· (1)
ここに,
M: 製品の単位面積質量 (g/m2)
m: 試料の質量 (g)
A: 試料の面積 (m2)
7.5
原紙の単位面積質量及びアスファルトの単位面積質量
7.5.1
試験機器 試験機器は,次による。
a) 抽出器 抽出器は,フラスコ容量が,500 ml以上で,抽出器の内径が30 mm以上のソックスレー抽出
器,又はこれに準じるものとする。
b) デシケータ デシケータは,シリカゲル,無水塩化カルシウムなどの乾燥剤を入れたガラス製などの
容器とする。
c) 加熱恒温器 加熱恒温器は,JIS K 6257の6.2(試験装置),7.2(試験装置),又はこれに準じる装置
で,設定温度に対して±3 ℃に調整できるものとする。
7.5.2
試験方法 試験片の長さ及び幅の3か所を0.1 mmの単位まで測定し,それらの平均値から面積を
求めた後,質量を0.01 gの単位まではかる。次に,これをトルエンなどの炭化水素系溶剤で抽出器によっ
て,抽出液が着色しなくなるまでアスファルトを抽出した後,原紙及び鉱物質を取り出し,室温で溶剤を
揮発させ,更に105±3 ℃の加熱恒温器中で1時間乾燥する。乾燥した原紙及び鉱物質をデシケータに入
れ,室温になるまで冷却した後,取り出し,それぞれの質量を0.01 gの単位まで手早くはかる。
原紙の単位面積質量は,次の式によって算出し,試験片3個の平均値で表す。
1
1
1
A
m
M=
················································································ (2)
ここに, M1: 原紙の単位面積質量 (g/m2)
m1: 抽出後の乾燥した原紙の質量 (g)
A1: 試験片の面積 (m2)
アスファルトの単位面積質量は,次の式によって算出し,試験片3個の平均値で表す。
1
2
1
0
2
A
m
m
m
M
−
−
=
··································································· (3)
ここに, M2: アスファルトの単位面積質量 (g/m2)
m0: 試験片の質量 (g)
m1: 抽出後の乾燥した原紙の質量 (g)
m2: 抽出後の乾燥した鉱物質の質量 (g)
A1: 試験片の面積 (m2)
7.6
鉱物質粒子の単位面積質量
7.6.1
試験機器 試験機器は,JIS Z 8801-1に規定する金属製網ふるいとする。
7.6.2
試験方法 7.5.2で分離した鉱物質を,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き 3.35 mm及び150 µmの
金属製網ふるいでふるい,公称目開き3.35 mmのふるいを通過し,150 µmのふるい上にとどまった鉱物質
粒子の質量を0.01 gの単位まではかる。
鉱物質粒子の単位面積質量は,次の式によって算出し,試験片3個の平均値で表す。
1
3
3
A
m
M=
··············································································· (4)
6
A 6005:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに, M3: 鉱物質粒子の単位面積質量 (g/m2)
m3: 鉱物質粒子の質量 (g)
A1: 試験片の面積 (m2)
7.7
加熱減量
7.7.1
試験機器 試験機器は,次による。
a) デシケータ デシケータは,7.5.1のb) による。
b) 加熱恒温器 加熱恒温器は,7.5.1のc) による。
7.7.2
試験方法 試験片の質量を0.1 gの単位まではかる。次に105±3 ℃の加熱恒温器中で5時間加熱
した後デシケータに入れ,常温に冷却した後,再度質量 を0.1 gの単位まではかる。
加熱減量は,次の式によって算出し,試験片3個の平均値で表す。
100
4
5
4
×
−
=
m
m
m
D
···································································· (5)
ここに,
D: 加熱減量 (%)
m4: 加熱処理前の試験片の質量 (g)
m5: 加熱処理後の試験片の質量 (g)
7.8
引張強さ
7.8.1
試験機器 試験機器は,引張試験機とする。引張試験機は,試験片を一定速度で引っ張り,荷重及
び変位が自動記録できるものとする。
7.8.2
試験方法 試験片の幅は3か所を0.1 mmの単位まで測定し,その平均値とする。つかみ間隔が100
mmになるように試験片を引張試験機に取り付け,速度100 mm/minで試験片が破断するまで引っ張り,最
大荷重を求める。ただし,試験の際,つかみ金具から10 mm以内で破断した場合は,その試験片を除外し,
新たに試験片を追加する。引張強さは,次の式によって算出し,試験片10個の平均値で表す。
W
P
T=
·················································································· (6)
ここに,
T: 引張強さ (N/cm)
P: 最大荷重 (N)
W: 試験片の幅 (cm)
なお,破断時の伸び率 (%) を次の式によって算出し,試験片10個の平均値で表し,付記する。
100
0
×
=LL
E
··········································································· (7)
ここに,
E: 破断時の伸び率 (%)
L: 破断時の変位量 (mm)
L0: つかみ間隔 (mm)
7.9
耐折り曲げ性
7.9.1
試験機器 試験機器は,次による。
a) マンドレル マンドレルは,直径15 mm又は20 mmで,それぞれ長さ50 mm以上の鋼製の丸棒とす
る。
b) 恒温水槽 恒温水槽は,温度を20±1 ℃に調節できるものとする。
7.9.2
試験方法 試験片を20±1 ℃の水中に約15分間浸せきした後取り出し,直ちに,アスファルトフ
ェルトの場合は直径15 mm,アスファルトルーフィング及び砂付ルーフィングの場合は直径20 mmのマン
ドレルに当てて2秒間に180度折り曲げ,表面にき裂を生じるか否かを調べる。ただし,砂付ルーフィン
グの場合は,鉱物質粒子が内側になるように折り曲げる。
7
A 6005:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.10 アスファルトの浸透状況 試験片を製品の幅方向に全幅にわたって1か所手で引き裂き,内部にア
スファルトの不浸透部分があるか否かを調べる。
7.11 耐熱性
7.11.1 試験機器 試験機器は,7.5.1のc) による。
7.11.2 試験方法 試験片を80±3 ℃の加熱恒温器中に2時間懸垂する。その後,取り出して,被覆物の
ずれ落ち,発泡,浸透しているアスファルトのしみ出しなどの有無を調べる。
8. 検査 検査は,7. によって試験を行い,4. ,5. 及び6. の規定によって合否を決定する。
なお,検査は合理的な抜取検査方式によって行うことができる。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類及び製品の単位面積質量の呼びによる。
例1. アスファルトフェルト 650
製品の単位面積質量の呼び
種類
例2. アスファルトルーフィング 1 500
製品の単位面積質量の呼び
種類
例3. 砂付ルーフィング 3 500
製品の単位面積質量の呼び
種類
10. 表示 製品には,1巻ごとに包装の見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。
a) 種類
b) 長さ,幅及び製品の単位面積質量
c) 製造年月日又はその略号
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造工場名又はその略号