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A 5917:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類······························································································································· 2 

5 品質······························································································································· 2 

5.1 外観 ···························································································································· 2 

5.2 寸法 ···························································································································· 2 

5.3 性能 ···························································································································· 3 

6 構造······························································································································· 3 

7 材料及び製造 ··················································································································· 3 

7.1 材料 ···························································································································· 3 

7.2 製造 ···························································································································· 4 

8 試験方法························································································································· 4 

8.1 試験の一般条件 ············································································································· 4 

8.2 数値の丸め方 ················································································································ 4 

8.3 試験体の寸法,数量及び含水状態······················································································ 4 

8.4 寸法測定 ······················································································································ 4 

8.5 日常的な動作時の硬さ試験 ······························································································ 4 

8.6 転倒衝突時の硬さ試験 ···································································································· 6 

8.7 局部圧縮試験 ················································································································ 8 

8.8 熱抵抗試験 ··················································································································· 8 

9 検査······························································································································· 8 

10 表示 ····························································································································· 8 

附属書A(規定)日常的な動作時の硬さ試験装置の調整方法························································· 9 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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衝撃緩和型畳床 

Impact reducing TATAMIDOKO 

適用範囲 

この規格は,高齢者などの使用性1)を向上する目的で,衝撃を吸収しやすい構造で製造する衝撃緩和型

畳床(以下,畳床という。)について規定する。ただし,JIS A 5901及びJIS A 5914に規定する畳床は除く。 

この規格の畳床は,平らな面の上に設置して用いるもの2)とする。 

注1) 高齢者などの使用性とは,高齢者,歩行困難者,子ども又は介護者が,快適な生活を送るため

の使用性のことをいう。 

2) この規格の畳床は,根太の上などではなく,面で支えることのできる下地上に設置して用いる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1412-1 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第1部:保護熱板法(GHP法) 

JIS A 1412-2 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(HFM法) 

JIS A 5901 稲わら畳床及び稲わらサンドイッチ畳床 

JIS A 5905 繊維板 

JIS A 5914 建材畳床 

JIS A 9521 建築用断熱材 

JIS L 3108 畳へり地 

JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 

JIS P 3401 クラフト紙 

JIS Z 1533 ポリオレフィンクロス用フラットヤーン 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

畳表の日本農林規格(JAS) 

ASTM D2240,Standard Test Method for Rubber Property−Durometer Hardness 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 5901及びJIS A 5914によるほか,次による。 

3.1 

衝撃緩和型畳床,畳床,IR 

転倒などによって生じる衝撃を緩和しやすい構造などで製造された畳床。 

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3.2 

日常的な動作時の硬さ 

歩行,立位保持又は腰を下ろすときなど日常的な動作時に感じる畳床の硬さ。 

3.3 

転倒衝突時の硬さ 

転倒衝突時に,人体が受ける衝撃に影響する畳床の硬さ。 

3.4 

剛床 

土間コンクリート又は耐圧板などの平滑かつ強固な床。 

種類 

畳床の種類は,標準寸法(以下,寸法という。)によって,表1のとおり区分する。 

表1−種類の区分 

種類の区分及び記号a) 

寸法 mm 

100W 

2 000×1 000×50 

 94W 

1 850×940×50 

 91W 

1 820×910×50 
1 820×910×55 

注a) 100Wは本間(京間),94Wは三六間(中京間),91Wは五八間(江

戸間,関東間)の標準寸法に該当する。 

品質 

5.1 

外観 

畳床の外観は,四隅がほぼ直角で,かつ,使用上支障となる反り,ねじれ,欠け,糸切れ,裏面材にし

わなどがあってはならない。 

5.2 

寸法 

長さ,幅及び厚さの寸法,並びに寸法の許容差は,表2による。ただし,注文品の長さ及び幅は受渡当

事者間の協定によるが,その寸法の許容差は,表2による。 

表2−寸法の許容差 

単位 mm 

記号 

長さ 

幅 

厚さ 

寸法 

許容差 

寸法 

許容差 

寸法 

許容差 

100W 

2 000 

±30 

1 000 

±15 

50 

±2 

 94W 

1 850 

  940 

50 

 91W 

1 820 

  910 

50 
55 

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5.3 

性能 

畳床の性能は,箇条8によって試験したとき,表3を満足しなければならない。 

表3−性能 

項目 

性能 

適用試験箇条 

日常的な動作時の硬さ 

0.8以上1.3以下 

8.5 

転倒衝突時の硬さ 

490 m/s2 以下 

8.6 

局部圧縮量 

4 mm以下 

8.7 

熱抵抗値 

表示値を満たす。 

8.8 

構造 

畳床は,7.1の材料を用いて7.2によって製造し,表2に規定する寸法とする。構造の例を図1に示す。

ただし,畳床は,適切な緩衝材を含むものとする。 

なお,緩衝材には波形の材料などを用い,5.3の性能を満たすようにする。 

図1−畳床の構造の例 

材料及び製造 

7.1 

材料 

畳床の材料は,次のとおりとする。 

a) 表面材 表面材は,引裂きに強く,適切なクッション性をもち,かつ,虫害のおそれのないものとす

る。 

b) 緩衝材 緩衝材は,耐久性があり衝撃を緩和できる材料とし,人体に有害な材料を用いてはならない。 

c) 断熱性能をもつ材料 断熱性能をもつ材料は,次のいずれか又はその他の材料を用いてもよい。 

なお,その他の材料を用いる場合は,1)又は2)と同等以上の性能をもつ材料とする。 

1) 押出法ポリスチレンフォーム断熱材 押出法ポリスチレンフォーム断熱材を用いる場合は,JIS A 

9521の6.8(密度)に規定する試験を行い,密度が27 kg/m3以上で,その熱伝導率は,JIS A 9521

の5.1(特性)に規定する値をもつものとする。 

さらに,JIS A 9521の6.12(燃焼性)の規定によって試験を行い,燃焼性試験に適合したものと

する。 

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2) タタミボード タタミボードを用いる場合は,JIS A 5905に規定する性能をもつものとする。 

d) 裏面材 裏面材は,JIS Z 1533に規定するフラットヤーン1種又は2種で,密度を縦横とも10本/25.4 

mmに平織して,JIS P 3401に規定するクラフト紙3種に圧着したもの又はこれと同等以上の性能を

もつものとする。 

7.2 

製造 

畳床は,7.1の材料を組み合わせて,製造する。 

なお,取っ手は,必要に応じて取り付ける。 

試験方法 

8.1 

試験の一般条件 

試験の一般条件は,特に定めのない限りJIS Z 8703に規定する温度20±15 ℃,湿度(65±20)%とす

る。 

8.2 

数値の丸め方 

数値の丸め方は四捨五入とし,5.3に規定する桁数に丸める。 

8.3 

試験体の寸法,数量及び含水状態 

試験体の寸法及び数量は,表4による。また,試験時の含水状態は,通風のよい室内に7日間以上放置

した気乾状態とする。 

表4−試験体の寸法及び数量 

試験項目 

試験体の寸法 

数量(枚) 

寸法測定 

製品全形 

日常的な動作時の硬さ試験 

製品全形a) 

転倒衝突時の硬さ試験 

製品全形a) 

局部圧縮試験 

製品全形 

熱抵抗試験 

8.8による。 

8.8による。 

注a) 畳表の日本農林規格に定める等級が1等の畳表に,JIS L 3108に規定する畳へり地を縫い付けたものとする。 

8.4 

寸法測定 

寸法測定は,材料に稲わらを用いた畳床はJIS A 5901によって行い,その他のものはJIS A 5914による。 

8.5 

日常的な動作時の硬さ試験 

日常的な動作時の硬さ試験は,次による。 

a) 試験条件 試験室の状態は,JIS Z 8703に規定する温度20±5 ℃,湿度(65±10)%とし,試験場所

は,剛床上とする。 

b) 試験装置,変位計及び架台 試験装置,変位計及び架台は,次による(図2参照)。 

1) 試験装置 附属書Aに規定する日常的な動作時の硬さ試験装置 

2) 変位計 変位計は,電気式又は光学式変位計とし,0.01 mm以上の精確さで,かつサンプリング周

波数100 Hz以上で測定可能な性能をもつものとする。 

3) 架台 架台は,2)変位計を支持するものとし,試験の実施に当たり十分な強度をもつものとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2−日常的な動作時の硬さ試験装置,変位計及び架台の例 

c) 試験手順 試験手順は,次による。 

1) 試験位置は,試験体の長さ方向のほぼ四等分点,幅方向のほぼ中央部となる3か所とする。 

2) おもり及び変形量測定用軸棒が,床面に対して鉛直かつ接触しないように,試験装置を,剛床上に

設置する。 

3) 変形量測定用軸棒の頂部のほぼ中央部の変形量を測定できるように,変位計を架台に設置する。 

なお,このとき,試験装置と架台とが接触してはならない。 

4) おもりを電磁ホルダなどで保持し,荷重板の中央部と試験位置とがほぼ一致するように,試験体を,

剛床上に試験装置が接触しないように水平に設置する。 

5) おもり,ゴムばね,及び変形量測定用軸棒が接触していないことを確認する。 

6) 荷重板と試験体とを接触させ,次におもり高さ調整用ハンドルを用いておもりとゴムばねとを接触

させた後,荷重計の指示値が,30±10 Nとなるように調整する。 

7) 測定器の記録条件を設定し(例えば,サンプリング周波数が100 Hz,ローパスフィルタが100 Hz),

試験体の変形量と経過時間との関係及び荷重と変形量との関係が自動記録できる状態にする。 

なお,変形量は0.1 mm以上,経過時間は0.01 s以上及び荷重は1 N以上の精確さで記録する。 

8) おもりの保持装置を開放し,ゴムばね,受け板,荷重計及び荷重板を介して試験体を載荷し,試験

体の変形量と経過時間との関係及び荷重と変形量との関係を記録する。 

9) 上記3)〜8)の操作を各試験位置について繰り返す。 

なお,一度載荷した試験位置は,再度試験位置として適用してはならない。 

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d) 試験結果の求め方 

変形量が最大に達する時点までの変形エネルギー(UF)を,荷重と変形量との関係から数値積分(台形

公式など)によって求め,次の式によって算出した3か所の試験結果の平均値を,日常的な動作時の硬さ

(T)とする。 

T=log(UF/9.8−8DR・DR・TR−1) 

ここに, 

T: 日常的な動作時の硬さ 

DR: 変形量が最大に達した後の復元量(図3参照)(cm) 

TR: 変形量が最大に達した後,DRまで復元するのに要する時間

(図3参照)(s) 

UF: 変形量が最大に達する時点までの変形エネルギー(図4参

照)(N・cm) 

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

cm

経過時間(s)

DR

TR

図3−変形量と経過時間との関係の例 

0

200

400

600

800

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

荷重

N

変形量(cm)

UF

図4−荷重と変形量との関係の例 

8.6 

転倒衝突時の硬さ試験 

転倒衝突時の硬さ試験は,次による。 

a) 試験条件 試験室の状態は,JIS Z 8703に規定する温度20±5 ℃,湿度(65±10)%とし,試験場所

は,剛床上とする。 

b) 試験装置 転倒衝突時の硬さ試験装置は,次の1)〜3)で構成する質量3.75±0.10 kgに調整した頭部モ

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デル,4)のゴム板及び5)の測定器で構成するものとし,加速度検出器によって測定した最大加速度を,

測定器を用いて自動記録できるものとする。転倒衝突時の硬さ試験装置の例を図5に示す。 

1) 加速度検出器 定格容量5 000 m/s2以上の性能をもち,校正したもの。 

2) 鋼製フレーム 外径216±1 mm,厚さ8.0±0.5 mmの鋼管を幅40 mmに切断したものに,質量調整

用の鋼板などを取り付け,電磁ホルダなどで保持できるように加工したもの。 

3) 鋼製ヘッド 先端の曲率半径50±1 mm,直径50±1 mmであり,2)の鋼製フレームに取り付けでき

るもの。 

4) ゴム板 寸法は,幅約150 mm,長さ約300 mm,厚さ7±1 mmとし,JIS K 6253-3に規定するタイ

プAのデュロメータ硬さが,40±3であるもの。 

5) 測定器 サンプリング周波数5 kHz以上の性能をもつもの。 

図5−転倒衝突時の硬さ試験装置の例 

c) 試験手順 

試験手順は,次による。 

1) 試験位置は,試験体の長さ方向のほぼ四等分点,幅方向のほぼ中央部となる3か所とする。 

2) 試験体を,剛床上に水平に置き,ゴム板の中央部が試験位置とほぼ一致するように設置する。 

3) 加速度検出器の中央部が,鋼製ヘッド先端の中央部の鉛直上となるように,鋼製フレームの質量調

整用鋼板などに取り付ける(図5参照)。 

4) 頭部モデルの鋼製ヘッド先端の中央部が試験位置とほぼ一致するように,架台などに取り付けた電

磁ホルダなどで垂直に保持し,鋼製ヘッドの先端とゴム板の表面との距離(落下高さ)が200±5 mm

となるように調整する。 

5) 測定器の記録条件を設定し(例えば,サンプリング周波数:5 kHz),加速度検出器の指示値をゼロ

に合わせたのち,最大加速度が自動記録できる状態にする。 

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なお,加速度は,1 m/s2以上の精確さで記録する。 

6) 頭部モデルの保持装置を開放し,頭部モデルをゴム板のほぼ中央の鉛直上から自然落下させた時の

最大加速度を記録する。 

7) 試験は,試験位置1か所当たり,上記4)〜6)の操作を5回繰り返す。 

8) 各試験位置について7)の操作を繰り返す。 

d) 試験結果の求め方 1か所当たり5回測定した最大加速度のうち,1回目及び2回目の値を除外し,3

〜5回目の平均値を四捨五入によって整数に丸めたものを測定値とし,3か所の測定値のうち最大値を

転倒衝突時の硬さとする。 

8.7 

局部圧縮試験 

局部圧縮試験は,JIS A 5901又はJIS A 5914によって行い,試験体の長さ方向のほぼ四等分点,幅方向

のほぼ中央部となる3か所について行い,測定値のうち最大値を局部圧縮量とする。 

8.8 

熱抵抗試験 

畳床の熱抵抗試験は,JIS A 1412-1又はJIS A 1412-2によって行い,熱抵抗は(m2・K/W)で表す。 

検査 

畳床の検査は,形式検査3)と受渡検査4)とに区分し,検査項目は,それぞれ次の項目を箇条8及び目視

によって試験したとき,箇条5及び箇条7に適合したものを合格とする。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議によって定める。 

注3) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。 

4) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

a) 形式検査項目 

1) 品質(外観・寸法・性能) 

2) 構造 

3) 材料 

4) 表示 

b) 受渡検査項目 

1) 外観・寸法 

2) 表示 

10 表示 

この規格の全ての要求事項に適合した畳床には,裏面の中心付近に,容易に消えない方法で,次の事項

を表示する。 

a) 規格名称又は規格名称の略号(IR),及び規格番号 

b) 種類の記号 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造年月又はその略号 

e) 熱抵抗値(m2・K/W) 

例 IR,JIS A 5917,100W,○○株式会社,2018.3,熱抵抗値 1.1 m2・K/W 

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附属書A 

(規定) 

日常的な動作時の硬さ試験装置の調整方法 

A.1 試験装置 

日常的な動作時の硬さ試験装置は,次によって構成する。日常的な動作時の硬さ試験装置の例を図A.1

に示す。また,試験装置に附属するおもりは,電磁ホルダなどの保持装置で保持可能なものとし,おもり

の高さを調整できる機構をもつものとする。 

なお,ゴムばね,受け板,荷重計及び荷重板を介して,受け板に接続された変形量測定用軸棒とおもり

とが接触せずに床面を載荷できるものとする。 

a) 測定器 サンプリング周波数100 Hz以上の性能をもち,ローパスフィルタをもつもの。 

b) おもり 鋼製で質量40.0±0.5 kgに調整可能なもの。 

c) ゴムばね エーテル系ポリウレタンなどの超軟質ゴム製で,外径約100 mm,内径約30 mm,厚さ約

20 mm及びASTM D2240に規定するType OOのデュロメータ硬さが,30±5であるもの。 

d) 荷重計 容量1 kN以上で,かつ,定格出力1.5 mV/V以上の性能をもち,校正したもの,かつ,a)の

測定器を用いて自動記録できるもの。 

e) ゴムばね用受け板及び荷重板 球座をもつ鋼製であり,荷重計を水平に設置可能で,床面と接する箇

所との直径は,70±0.5 mmのもの。 

f) 

フレーム 試験の実施に当たり,十分な強度をもつもの。 

▼FL

変形量測定用軸棒

(受け板に接続したもの)

おもり高さ調整用ハンドル

おもり

(質量:40.0±0.5 kg)

ゴムばね

(デュロメータ硬さ:30±5)

荷重板(直径70±0.5 mm)
(試験体に接触する箇所)

荷重計

フレーム

電磁ホルダ(3個)

ゴムばね用受け板
(球座付)

おもり落下防止用
安全装置

図A.1−日常的な動作時の硬さ試験装置の例 

10 

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A.2 調整方法 

A.2.1 調整の一般条件 

調整の一般条件は,JIS Z 8703に規定する温度20±5 ℃,湿度(65±10)%とする。 

A.2.2 手順 

調整の手順は,次による。 

a) 日常的な動作時の硬さ試験装置を剛床上に,おもり及び変形量測定用軸棒が床面に対して垂直かつ接

触しないように設置する。 

b) おもりを電磁ホルダなどで保持し,ゴムばね,ゴムばね用受け板,荷重計及び荷重板を,ゴムばねと

おもりとが接触しないように取り付け,変形量測定用軸棒とおもりとが接触していないことを確認す

る。 

c) 荷重板と床面とを接触させ,次に,おもり高さ調整用ハンドルを用いておもりとゴムばねとを接触さ

せた後,荷重計の指示値が,30±10 Nとなるように調整する。 

d) 測定器の記録条件を設定し(例えば,サンプリング周波数:100 Hz,ローパスフィルタ:100 Hz),荷

重と経過時間との関係が記録できる状態にする。 

e) おもりの保持装置を開放し,ゴムばね,受け板,荷重計及び荷重板を介して床面を載荷し,荷重と経

過時間との関係を記録する。 

f) 

測定器によって記録された剛床上での最大荷重が706±39 N,かつ剛床上での荷重の作用時間が0.15

±0.02 sであることを確認する。 

なお,剛床上での最大荷重は整数に,剛床上での作用時間は小数点第2位に,四捨五入によって丸

める。 

g) 剛床上での最大荷重及び剛床上での荷重の作用時間がf)に適合しない場合は,おもりの質量,又はゴ

ムばねの硬さを調整するなどしてa)〜e)の操作を繰り返し,f)に適合するように試験装置を調整する。

f)に適合しない試験装置を日常的な動作時の硬さ試験に用いてはならない。 

参考文献  

[1] 一般社団法人日本建築学会 床性能評価指針第1版 

[2] JIS Z 8050 安全側面−規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針