A 5731 : 2002
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 5731 : 2002
再生プラスチック製宅地内用
雨水ます及びふた
Recycled plastics inspection chambers and covers for rainwater
1. 適用範囲 この規格は,再生プラスチックを主な材料とし,必要に応じて充てん材,補強材などを加
えた材料を用いて成型した宅地内に使用する雨水ます(以下,ますという。)及びふたについて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1408 建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法
JIS K 6741 硬質塩化ビニル管
3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。
a) 再生プラスチック 各種プラスチックのプレコンシューマ材料及びポストコンシューマ材料をいう。
b) プレコンシューマ材料 製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料。その発生と同一の工
程で再使用できる加工不適合品,研磨不適合品,スクラップなどの再利用を除く。
c) ポストコンシューマ材料 家庭から排出される材料,又はエンドユーザとしての商業施設,工業施設
及び各種施設から本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品として発生する材料。これに
は流通経路から戻される材料を含む。
4. 名称,構成及び種類
4.1
名称及び構成 各部の名称は,図1に示すとおりとする。ますは,図2に示すようにます本体と高
さ調整部材で構成される。
2
A 5731 : 2002
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注(1) ふたの表面には,有効な滑り防止を設ける。
図1 各部の名称
注(2) ます本体には,泥ため深さ150mmを示す標線を設
ける。
図2 ますの構成
4.2
種類 ます及びふたの種類及び記号は,表1〜表3による。
備考 表1〜表3に示す種類以外のものについては,受渡当事者間の協定による。
表1 ます本体の種類
単位 mm
形状による
区分
記号
呼び寸法による区分
接続管径例(参考)
径又は辺
高さ
流入管
枝管
出流管
丸形
RMC
250
300
100以下
75以下
100以下
300
300
100以下
400,500
150以下
350
450,500
150以下
150以下
角形
RMS
250
300
100以下
75以下
100以下
300
400
100以下
150以下
表2 高さ調整部材の種類
単位 mm
形状による
区分
記号
呼び寸法による区分
接続管径例(参考)
径又は辺
高さ
枝管(3)
丸形
RAC
250
50,100,150
−
300
50,70,100,150,200,250
−
300
75以下
400
100以下
350
100,150
−
300
75以下
角形
RAS
250
50,100,150
−
300
50,100,150,200,250
−
注(3) 枝管は,高さ300mm以上のものに接続する。
3
A 5731 : 2002
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表3 ふたの種類
単位 mm
孔の有無に
よる区分
形状による
区分
記号
呼び寸法による区分
用途による
区分(4)
径又は辺
無孔ふた
丸形
RPC
250
I型,II型
300
350
角形
RPS
250
I型,II型
300
有孔ふた
丸形
RHC
250
I型,II型
300
350
角形
RHS
250
I型,II型
300
注(4) I型とは,車乗禁止型をいい,II型とは,軽荷重型をいう。
5. 性能
5.1
ます ますの性能は,8.によって試験し,表4の規定に適合しなければならない。
表4 ますの性能
性能項目
性能
耐荷重性
12kNの荷重を載荷したときに,ひび及び割れがないこと。また,荷重を除去した直後に目視
で認められる変形などの異常がないこと。
5.2
ふた ふたの性能は,8.によって試験し,表5の規定に適合しなければならない。
表5 ふたの性能
性能項目
性能
耐荷重性
I型:8kNの荷重を載荷したときに,ひび及び割れがないこと。また,荷重を除去した直後に
目視で認められる変形などの異常がないこと。
II型:12kNの荷重を載荷したときに,ひび及び割れがないこと。また,荷重を除去した直後
に目視で認められる変形などの異常がないこと。
耐衝撃性
ひび,割れ及び貫通孔がないこと。
6. 寸法及び許容差
6.1
ます ます本体の寸法は図3に,高さ調整部材の寸法は図4による。また,許容差は表6による。
4
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単位 mm
種類
寸法
形状
呼び径又は辺
d(参考)
D
h
h1(参考)
h2(参考)
丸形
250
250
281
300
10
15
300
300
331
300,400,500
10
20
350
350
389
450,500
16
27
角形
250
237.5
264
300
15
22
300
289.5
316
400
17
25
注(5) 受け口は,斜線に示す形状でもよい。
備考 この規格の制定日から5年間は,製品などに寸法を明示することによって,図に示す以外の寸法でもよい。
図3 ます本体の寸法
単位 mm
種類
寸法
形状
呼び径又は辺
D
D1
d(参考)
h
h1(参考) h2(参考)
丸形
250
281
278
250
50,100,150
10
15
300
331
328
300
50,70,100,150,200,
250,300,400
10
20
350
389
386
350
100,150,300
16
27
角形
250
264
260
237.5
50,100,150
15
22
300
316
312
289.5
50,100,150,200,250
17
25
注(6) 受け口は,斜線に示す形状でもよい。
備考 この規格の制定日から5年間は,製品などに寸法を明示することによって,図に示す以外の寸法でもよい。
図4 高さ調整部材の寸法
表6 ますの寸法許容差
単位 mm
形状による区分
D
D1
h
ます本体
丸形
±1.5
−
±20
角形
±2.0
−
±20
高さ調整部材
丸形
±1.5
±1.5
±10
角形
±2.0
±2.0
±10
6.2
ふた ふたの寸法は図5に,許容差は表7による。
5
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単位 mm
種類
寸法
形状
呼び径又は辺
D
h1(参考)
h2(参考)
R(参考)
丸形
250
278.0
10
14
−
300
328.5
10
19
−
350
385.0
16
26
−
角形
250
260.0
15
21
15
300
312.0
17
24
15
備考1. 取っ手の形状寸法及び滑り防止の模様は,規定しない。
2. この規格の制定日から5年間は,製品などに寸法を明示することによって,図に示す
以外の寸法でもよい。
図5 ふたの寸法
表7 ふたの寸法許容差
単位 mm
形状による区分
D
丸形
±1.0
角形
±1.5
7. 材料
7.1
再生プラスチック 再生プラスチックは,組成物及び付着物に,人体及び環境に有害な影響を及ぼ
すものを有害量含んでいないことが,その前歴などから明らかなものを使用する。これ以外の再生プラス
チックを使用する場合は,それらが使用時に人体及び環境に有害な影響を与えないことを試験によって確
認する。試験の項目及び方法は,受渡当事者間の協定による。
備考 試験の項目及び方法としては,産業廃棄物に含まれる金属などの検定方法(昭和四十八年環境
庁告示第十三号)又は土壌の汚染にかかる環境基準について(平成三年環境庁告示第四十六号)
が参考になる。
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A 5731 : 2002
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7.2
副資材 増量材,補強材,添加剤などの副資材は,製品の品質及び環境に有害な影響を与えるもの
を有害量含んではならない。
7.3
再生材料含有率 製品に含まれる再生材料の質量百分率で示す。再生プラスチック以外の再生材料
を含む場合は,含有する再生材料の種類を併記する。
8. 試験方法
8.1
試験場所の温度 試験場所の温度は,23±2℃とする。試験は,試験体をこの条件に12時間以上状
態静置した後行う。
なお,この温度以外で試験を行う場合は,その旨を結果に明記する。
8.2
寸法試験 寸法は,表8に示す測定位置を,表6及び表7の精度によって測定する。
表8 測定
種類
測定位置
測定
ます本体
D
図3に示す直交する有効内径又は内法を測定し,その平均で表す。
h
図3に示す中心部の高さを測定する。
高さ調整部材
D
図4に示す直交する有効内径又は内法を測定し,その平均で表す。
h
図4に示す向かい合う高さを測定し,その平均で表す。
ふた
D
図5に示す直交する外径又は長さを測定し,その平均で表す。
8.3
ますの荷重試験
8.3.1
試験体 試験体は,ます本体に高さ調整部材を接合し,表9,表10に示すJIS K 6741のVU管を
接続する。接続管は,図6に示すようにます本体に流入管2本,流出管1本を,また,高さ調整部材に枝
管1本を接続する。ただし,試験機の都合などによって,ます本体及び高さ調整部材それぞれを試験体と
してよい。試験体数は3体とする。
図6 ますの試験体
表9 ます本体への接続管
単位 mm
種類
呼び寸法による区分
接続管呼び径
呼び径又は辺
高さ
流入管
枝管
流出管
ます本体
250
300
VU100
VU75
VU100
300
300
VU100
400,500
VU150
350
450,500
VU150
VU150
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A 5731 : 2002
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表10 高さ調整部材への接続管
単位 mm
種類
呼び寸法による区分
接続管呼び径
呼び径又は辺
高さ
枝管
高さ調整部材
250
50,100,150
−
300
50,70,100,150,200,250
−
300
VU75
400
VU100
350
100,150
−
300
VU75
8.3.2
試験方法 試験体を平板上に設置し,ふたの外周縁部と同一形状を有し,たわみのおそれのない鋼
製載荷板を用いて,表4に規定する荷重を鉛直方向に載荷し,ひび及び割れの有無並びに荷重を除去した
直後の変形などの異常を目視によって観察する。載荷速度は10±2mm/minを標準とする。
8.4
ふたの荷重試験 試験は,ふたを水平に置かれたます受け口と同一形状の受けジグとに設置し,ふ
たの中央部にゴム板(厚さ6mm程度)を敷き,その上に表11の鋼製載荷板を載せ,表5に規定する荷重
を鉛直方向に載荷し,ひび及び割れの有無並びに荷重を除去した直後の変形などの異常を目視によって観
察する。載荷速度は10±2mm/minを標準とする。試験体数は3体とする。
表11 載荷板
単位 mm
ふたの種類
載荷板の寸法
I型
φ150 (厚さ20以上)
II型
200×160 (厚さ20以上)
8.5
落錘衝撃試験 ます受け口及び同一形状の鋼製受枠(高さ6cm程度)をコンクリート床又は鋼製ベ
ッドなど堅ろうな構造物の上に水平に固定し,この上にふたを設置して,JIS A 1408の3.2に定める衝撃
試験を行う。なす形おもりW1-1000を高さ1.0mからふたの中心部に落下させ,ひび,割れ及び貫通孔の
有無を目視によって観察する。試験体数は3体とする。
9. 検査 ます及びふたは,5.及び6.について8.によって検査を行う。この場合,検査は,合理的な抜取
検査方式によって行う。
10. 製品の呼び方 ます及びふたの呼び方は,次の例による。
例1. ます本体:丸形,呼び径300, 呼び高さ400の製品
例2. ふた:丸形,有孔,呼び径300, I型の製品
8
A 5731 : 2002
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11. 表示 ます及びふたには,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。
a) 製造事業者名又はその略号
b) 製品の呼び方
c) 製造管理番号又はその略号(ロット番号)
d) 適用用途を示す文字(7)
e) 樹脂種別名称又はその記号
f)
再生材料含有率 (%)
注(7) ふただけ,表面に“雨水”を成型表示する。
関連規格 JIS Q 14021 環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張
JIS A 5731原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
笠 井 芳 夫
日本大学名誉教授
笠 井 哲 郎
東海大学工学部土木工学科
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
永 田 邦 博
経済産業省産業技術環境局標準課産業基盤標準化推進室
田 中 眞 人
経済産業省産業技術環境局標準課産業基盤標準化推進室
前 島 健
株式会社森村設計
桜 木 紀 雄
東急建設株式会社安全環境品質部
松 村 良 一
有限会社マツケン興産
山 崎 和 生
株式会社西原衛生工業所技術管理部
石 井 和 憲
社団法人日本下水道協会
古 里 正 保
社団法人プラスチック処理促進協会技術開発部
近江戸 征 介
城東化学工業株式会社品質管理部
田 中 高 好
排水設備用樹脂製マス協会
小 室 一 宏
エバタ株式会社技術部
新 居 宏 美
塩ビ工業・環境協会環境委員会リサイクル部
大 島 明
財団法人建材試験センター中央試験所材料・構造部
(事務局)
佐 藤 哲 夫
財団法人建材試験センター
宮 沢 郁 子
財団法人建材試験センター
日本工業標準調査会標準部会 建築技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
菅 原 進 一
東京大学大学院工学系研究科
(委員)
岩 田 誠 二
社団法人日本建材産業協会
大 野 和 男
住宅金融公庫住宅環境部
勝 野 奉 幸
財団法人建材試験センター中央試験所
酒 井 勝 之
社団法人日本アルミニウム協会(三菱アルミニウム株式会社)
櫻 井 誠 二
日本保温保冷工業協会(ニチアス株式会社A・E事業本部)
佐 野 真理子
主婦連合会
三 宮 好 史
社団法人日本鉄鋼連盟
辻 井 剛
社団法人建築業協会(大成建設株式会社技術センター)
春 田 浩 司
国土交通省大臣官房官房営繕部
松 井 勇
日本大学生産工学部
三 沢 真
国土交通省住宅局
山 内 泰 之
独立行政法人建築研究所