2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 5701-1995
ガラス繊維強化ポリエステル波板
Glassfiber reinforced plastic corrugated sheets
1. 適用範囲 この規格は,主として建築物に用いるガラス繊維で強化したポリエステル波板(以下,波
板という。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法
JIS K 6919 繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂
JIS R 3411 ガラスチョップドストランドマット
JIS R 3412 ガラスロービング
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考値
である。
2. 種類 波板は,ガラス繊維の含有量及び形状によって(1)及び(2)のように区分する。
(1) ガラス繊維の含有量による区分 波板は,製品質量に対するガラス繊維の含有量によって,表1のと
おり区分する。
表1 ガラス繊維の含有量による区分
種類
製品質量に対するガラス
繊維含有量(質量%)
使用する樹脂
52FS
52以上
自消性
28FS
28以上
自消性
28FG
28以上
一般用
22FG
22以上
一般用
備考 52FSは,ガラス繊維の代わりに,無機質の充てん
材料を使用することができる。
この場合,その量は,ガラス繊維の40%を超えては
ならない。
(2) 形状による区分
32波:ピッチ寸法 約 32mm
63波:ピッチ寸法 約 63mm
76波:ピッチ寸法 約 76mm
130波:ピッチ寸法 約 130mm
3. 品質
3.1
外観 波板の外観は,使用上有害なきず・色むらなどの欠点があってはならない。
2
A 5701-1995
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3.2
曲げ 波板の曲げは,6.2の曲げ試験によって行い,荷重時のたわみをもって表す。たわみは表2の
数値以下でなければならない。
表2 曲げ強さ
単位mm
種類
呼び寸法厚さ
試験条件
たわみ
スパン
cm
荷重N {kgf}
52FS
28FS
28FG
22FG
52FS
28FS
28FG
22FG
32波
0.8
50
588 {60}
392 {40}
40
30
1.0
30
30
1.2
25
25
1.5
20
20
63波
0.8
80
588 {60}
392 {40}
45
45
1.0
40
40
1.2
35
35
1.5
30
25
2.0
25
20
76波
1.0
80
588 {60}
392 {40}
40
40
1.2
35
35
1.5
30
25
2.0
25
20
130波
1.0
80
588 {60}
392 {40}
11
11
1.2
10
10
1.5
9
9
2.0
8
8
備考 幅72cm以外の波板の場合は,次の式によって求めた荷重を試験荷重とする。
P=W×b/72
ここに,P :試験荷重 (N) {kgf}
W :表2に規定する荷重 (N) {kgf}
b :波板の幅 (cm)
3.3
衝撃 波板の衝撃は,6.3の衝撃試験によって行い,表3の高さから質量1kgのなす形おもりを落と
して,波板の裏面に通る穴を生じないこと。
表3
単位cm
種類
おもりを落とす高さ
52 FS 28FS
150
28FG
22 FG
120
3.4
難燃性 52FS及び28FS波板は,JIS A 1321によって試験し,難燃3級に合格しなければならない。
ただし,28FS波板はJIS A 1321の3.4(判定)の(2),(3)及び(4)に合格し,かつ,防火上著しく有害な変形
がないこと。
4. 形状・寸法・質量及び許容差
4.1
波板の形状・寸法は,表4及び図1のとおりとする。
3
A 5701-1995
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表4 形状及び寸法
種類
長さ
cm
幅
cm
厚さ
mm
谷の深さ
mm
ピッチ
mm
山数
32波
182
66
0.8
9
約 32
約20.5
1.0
72
1.2
約22.5
1.5
63波
182
72
0.8
16
約 63
約11.5
1.0
1.2
1.5
2.0
76波
182
80
1.0
18
約 76
約10.5
1.2
1.5
2.0
130波
182
96
1.0
36
約130
約 7.5
1.2
1.5
2.0
備考1. 表4に示す長さ及び幅は常備品で,そのほか,長さ212cm,242cm,273cm,303cm
又はそれ以上の長尺もの及び広幅ものもある。
2. 厚さは,201mm以上の精度をもつ測定器を用い,波板の両端及び中間の山又は
谷の各2点,合計6点の厚さを測り,その平均値を求めたものとする。
3. 52FS及び28FSには,厚さ0.8mmのものは認めない。
4
A 5701-1995
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図1
4.2
寸法の許容差は,表5のとおりとする。
表5 寸法の許容差
種類又は呼び寸法
許容差
長さ
303cm以下のもの
+2
−0.5 cm
長尺のもの
マイナス側の許容差を認めない。
幅
67cm,72cm,80cm,96cm
+2
−1 cm
広幅のもの
マイナス側の許容差を認めない。
厚さ
0.8mm
+0.2
−0.1 mm
1.0mm,1.2mm,1.5mm,2.0mm
±0.2 mm
谷の深さ
32波,63波,76波
+3
−2 mm
130波
±3 mm
4.3
質量は,表6のとおりとする。
5
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表6 質量
単位 kg/枚
種類
呼び寸法
32波
63波
76波
130波
長さ×幅 cm
厚さ mm
182×66
182×72
182×72
182×80
182×96
0.8
1.4以上
1.5以上
1.5以上
−
−
1.0
1.7以上
1.8以上
1.8以上
2.0以上
2.4以上
1.2
2.0以上
2.1以上
2.2以上
2.4以上
3.0以上
1.5
2.5以上
2.6以上
2.7以上
3.0以上
3.6以上
2.0
−
−
3.6以上
4.0以上
4.8以上
5. 原料
5.1
樹脂 波板の製造に使用する樹脂は,JIS K 6919に規定するもの又はこれと同等以上の耐久性のあ
る不飽和ポリエステル樹脂とし,自消性のものと一般用との2種類とする。
5.2
ガラス繊維 波板の製造に使用するガラス繊維は,JIS R 3411又はJIS R 3412に規定するもので耐
候性の良好なガラス繊維とする。
6. 試験方法
6.1
数値の換算 従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ
の換算は,次による。
1kgf=9.80N
6.2
曲げ試験 試験片は,長さ182cmのものは波形の全形のままとし,長さ182cm以外のものは182cm
に切断したものを用いる。これを製品の中央部で長さ方向に表2に示すスパンを取り,支持棒で支える。
支持棒は,直径約30mmの丸鋼又は鋼管とする。スパン中央に同様の丸鋼又は鋼管を介し,表2の試験条
件で,毎秒約49.033〜98.066N {5〜10kgf} の割合で均一に荷重を増し,スパン中央部の平均たわみを測定
する。
試験温度は20℃±5K {20±5℃} とする。
6.3
衝撃試験 試験片は,長さ182cmのものは波板の全形のままとし,長さ182cm以外のものは182cm
に切断したものを用いる。これを6.2の試験に準じて支え,その中央部上方から山頂に図2に示す質量1kg
のなす形おもりを表3に規定する高さから落として,波板の裏面に通る穴が生じるかどうかを調べる。
試験温度は20℃±5K {20±5℃} とする。
6
A 5701-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2
7. 検査 波板の検査は,3.に規定する品質を満足するかどうかを6.に規定する試験を行い,合否を決定
する。ただし,検査は合理的な抜取方式を用いて行ってよい。
8. 製品の呼び方 波板の呼び方は,次の例による。
(ガラス繊維含有量による区分) (形状による区分) (寸法)
(名称)
例
52FS
130波
182×96×2.0 ガラス繊維強化ポリエステ
ル波板
ただし,呼び方は必要のない部分を省略してもよい。
9. 表示 製品には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 種類
(3) 製造年月又はその略号
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A 5701-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
建築部会 ガラス繊維強化ポリエステル波板専門委員会 構成表(昭和46年12月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
星 野 昌 一
東京理科大学
田 村 恭
早稲田大学
菊 地 一 寛
通商産業省化学工業局
前 川 喜 寛
建設省住宅局
西 村 一
工業技術院標準部
今 泉 勝 吉
建設省建築研究所
斎 藤 浜 子
主婦連合会
前 田 秀 則
大成建設株式会社
伊 藤 健 二
鹿島建設株式会社
深 井 政 信
日本建築大工技能士会
宮 軒 高 夫
日本ポリエステル株式会社
藤 原 文 治
バンボー工業株式会社
西 島 隆 之
日東紡績株式会社
峯 木 安 信
大日本硝子工業株式会社
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
土 屋 隆
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
牛 島 宏 育
工業技術院標準部材料規格課(平成7年2月1日改正のとき)
久 保 寛 之
工業技術院標準部材料規格課(平成7年2月1日改正のとき)