A 5541:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 性能······························································································································· 2
4.1 引張強度 ······················································································································ 2
4.2 永久変形 ······················································································································ 2
5 形状,寸法,質量及びその許容差並びにねじの種類 ································································ 2
5.1 形状,寸法,質量及びその許容差······················································································ 2
5.2 ねじの種類 ··················································································································· 3
6 外観······························································································································· 4
7 材料······························································································································· 4
8 製造方法························································································································· 5
9 試験方法························································································································· 5
9.1 形状,寸法及び質量の測定 ······························································································ 5
9.2 ねじの精度の測定 ·········································································································· 5
9.3 引張強度 ······················································································································ 5
9.4 永久変形 ······················································································································ 5
10 検査 ····························································································································· 6
10.1 形状,寸法及び質量 ······································································································ 6
10.2 ねじの精度 ·················································································································· 6
10.3 外観 ··························································································································· 6
10.4 引張強度 ····················································································································· 6
10.5 永久変形 ····················································································································· 6
11 ねじ部の処理及び包装 ····································································································· 6
11.1 ねじ部の処理 ··············································································································· 6
11.2 包装 ··························································································································· 6
12 製品の呼び方 ················································································································· 6
13 表示 ····························································································································· 6
13.1 包装の表示 ·················································································································· 6
13.2 製品の表示 ·················································································································· 6
14 報告書 ·························································································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鋼構
造協会(JSSC)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 5541:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
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建築用ターンバックル胴
Body of turnbackle for building
1
適用範囲
この規格は,主にJIS A 5540建築用ターンバックルに使用される建築用ターンバックル胴(以下,胴と
いう。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 5540 建築用ターンバックル
JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS B 0209-5 一般用メートルねじ−公差−第5部:めっき前に公差位置hの最大寸法をもつ溶融亜鉛
めっき付きおねじと組み合わせるめねじの許容限界寸法
JIS B 0251 メートルねじ用限界ゲージ
JIS B 7507 ノギス
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3138 建築構造用圧延棒鋼
JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管
JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管
JIS G 3475 建築構造用炭素鋼鋼管
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4321 建築構造用ステンレス鋼材
JIS H 8641 溶融亜鉛めっき
3
種類及び記号
胴の種類及び記号は,その形状及び製品の区分によって表1のように表す。胴は,使用する材料の鋼種
及びめっき処理の有無によって,炭素鋼製品,溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品及びステンレス鋼製品に区
分される。
2
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表1−種類及び記号
種類
記号a)
製品の区分
割枠式
ST
炭素鋼製品
溶融亜鉛めっき付き割枠式
ST-HDZ
溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品
ステンレス割枠式
ST-SUS
ステンレス鋼製品
パイプ式
PT
炭素鋼製品
溶融亜鉛めっき付きパイプ式
PT-HDZ
溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品
ステンレスパイプ式
PT-SUS
ステンレス鋼製品
注a) 接続用ターンバックル胴はST又はPTの後ろに“J”を付ける。
例 PTJ パイプ式接続用ターンバックル胴
4
性能
4.1
引張強度
胴の引張強度は,9.3によって試験したとき,表2を満足しなければならない。
4.2
永久変形
胴の永久変形は,9.4の試験方法によって表2に示す保証荷重に相当する力を加えた後,胴の長さ(L)の
伸びが0.5 %以内とする。
表2−性能
単位 kN
ねじの呼び
製品
炭素鋼製品a),
溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品b)
ステンレス鋼製品
引張強度(最小値)
保証荷重c)
引張強度(最小値)
保証荷重c)
M6
10.6
4.87
−
−
M8
19.4
8.96
−
−
M10
30.9
14.2
33.3
14.2
M12
44.9
20.7
48.4
20.7
M14
61.7
28.4
−
−
M16
83.1
38.3
89.7
38.3
M18
103
47.6
−
−
M20
131
60.2
141
60.2
M22
161
74.3
174
74.3
M24
188
86.8
203
86.8
M27
244
112
−
−
M30
299
138
−
−
M33
369
170
−
−
注a) 炭素鋼製品のパイプ式は,M6〜M33,割枠式はM10〜M33とする。
b) 溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品は,M10〜M33とする。
c) 保証荷重は,短期許容応力に相当する。
5
形状,寸法,質量及びその許容差並びにねじの種類
5.1
形状,寸法,質量及びその許容差
胴の形状,寸法及びその許容差は表3及び表4による。炭素鋼製品及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品
の割枠式の質量は,表3による。
3
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5.2
ねじの種類
ねじの種類は,JIS B 0205-2の並目ピッチとし,ねじの精度は,JIS B 0209-3の公差域クラス7H又は8G
とする。
溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品のねじ加工は,めっき後に行う。この場合のめねじの許容限界寸法は,
JIS B 0209-5の公差域クラス6AXとする。
表3−炭素鋼製品a) 及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品b) の形状,寸法,質量並びにその許容差
ねじの呼び
M6
M8
M10
M12
M14
M16
M18
M20
M22
M24 M27 M30 M33
割枠式
又はパ
イプ式
L:mm
許容差±
3 %
100
125
150
200
230
250
280
300
330
350
400
400
450
A:mm c)
9
12
14
17
20
23
25
28
31
34
38
42
46
割枠式
質量:kg d)
−
−
0.153
0.300
0.480
0.640 0.900
1.20
1.54
2.09
3.01
3.66
4.94
注a) 炭素鋼製品のパイプ式は,M6〜M33,割枠式はM10〜M33とする。
b) 溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品は,M10〜M33とする。
c) A寸法の値は最小値を示す。
d) 質量の値は最小値を示す。
4
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表4−ステンレス鋼製品の形状,寸法及びその許容差
単位 mm
ねじの呼び
M10
M12
M16
M20
M22
M24
割枠式
及び
パイプ式
L
許容差±3 %
150
200
250
300
330
350
A a)
14
17
23
28
31
34
注a) A寸法の値は最小値を示す。
6
外観
胴の外観は,次による。
a) 割れ,きずなどの使用上有害な欠点があってはならない。
b) 使用上有害な偏心,曲がりがあってはならない。
7
材料
胴の材料は,表5による。
5
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表5−材料
種類
材料
割枠式
M10はJIS G 3101のSS400
M12以上はJIS G 3138のSNR400A又は400B
溶融亜鉛めっき付き割枠式
M10はJIS G 3101のSS400
M12以上はJIS G 3138のSNR400A又は400B
ステンレス割枠式
JIS G 4303のSUS304又はJIS G 4321のSUS304A
パイプ式
M6〜M10はJIS G 3445のSTKM11A,12A,13A又は14A
M12以上はJIS G 3475のSTKN400W又は400B
溶融亜鉛めっき付きパイプ式
M6〜M10はJIS G 3445のSTKM11A,12A,13A又は14A
M12以上はJIS G 3475のSTKN400W又は400B
ステンレスパイプ式
JIS G 3459 のSUS304TP,JIS G 3446のSUS304TKA
又はJIS G 4321のSUS304A
8
製造方法
胴の製造方法は,表6による。表6における溶融亜鉛めっき付き割枠式及び溶融亜鉛めっき付きパイプ
式の溶融亜鉛めっきの付着量は,JIS H 8641に規定するHDZ35以上とする。
表6−製造方法
種類
製造方法
割枠式
1本の棒鋼から鍛造して所定の形状にした後,両端にめねじを切る。
溶融亜鉛めっき付き割枠式
1本の棒鋼から鍛造して所定の形状にした後,溶融亜鉛めっきを行い,そ
の後両端にめねじを切る。
ステンレス割枠式
1本の棒鋼から型打鍛造して両端にめねじを切る。鍛造後固溶化熱処理を
行い,酸洗又はこれに準じる方法で黒皮を除去する。
パイプ式
1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,両端にめねじを切る。
溶融亜鉛めっき付きパイプ式
1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,溶融亜鉛めっきを行い,
その後両端にめねじを切る。
ステンレスパイプ式
1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,両端にめねじを切る。
9
試験方法
9.1
形状,寸法及び質量の測定
胴の形状及び寸法は,JIS B 7507によるノギスを用いて胴の長さ(L)及びめねじの有効ねじ部の長さ(A)
を測定する。また,炭素鋼製品及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品の割枠式については,その質量をはか
り(秤)で計量する。
9.2
ねじの精度の測定
ねじは,JIS B 0251によるメートルねじ用限界ゲージ又はこれに代わるねじ精度測定器具を用いて,ね
じの精度を測定する。
9.3
引張強度
胴に適合するねじ形状のジグを十分にはめこみ,胴の軸方向に力を加え,引張強度を求める。
9.4
永久変形
最初に胴の長さを測定して,9.3と同様にして,表2の保証荷重に相当する力を15秒間与えた後に力を
取り除き,再度胴の長さを測定し,永久変形を求める。胴の長さに準じる位置に標点を打ち,標点間距離
を胴の長さに代わる数値として試験してもよい。
6
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10 検査
10.1 形状,寸法及び質量
形状,寸法及び質量は9.1の方法で測定し,5.1の規定に適合しなければならない。
10.2 ねじの精度
ねじの精度は9.2の方法で測定し,5.2の規定に適合しなければならない。
10.3 外観
胴の外観は目視によって試験し,箇条6の規定に適合しなければならない。
10.4 引張強度
引張強度は9.3の方法で試験を行い,4.1の規定に適合しなければならない。ジグ又は引張試験機の能力
などの条件によって,引張強度を求めることが不可能な場合は,表2の引張強度(最小値)に相当する力
で試験体が破断しなければ,4.1の規定に適合しているとしてもよい。
10.5 永久変形
永久変形は9.4の方法で試験を行い,4.2の規定に適合しなければならない。
11 ねじ部の処理及び包装
11.1 ねじ部の処理
炭素鋼製品及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品のねじ部は,潤滑油などによる処理を施さなければなら
ない。ステンレス鋼製品は,ねじ加工時に付着した切削油などを除去しなければならない。
11.2 包装
胴は,損傷を生じさせないため,また,じんあいの付着を防ぐため適切な方法によって包装しなければ
ならない。
12 製品の呼び方
製品の呼び方は,規格番号,種類を示す記号及びねじの呼びによる。
例 JIS A 5541 ST-HDZ M16
建築用ターンバックル胴の割枠式(ST)で溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品(HDZ),ねじの呼びが
M16の場合。
13 表示
13.1 包装の表示
検査に合格した胴は,包装又は容器ごとに,次の項目を容易に消えない方法で見やすい箇所に表示しな
ければならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,次の項目の一部を省略してもよい。
a) 規格番号及び種類又はその記号
b) ねじの呼び
c) 製造番号
d) 製造業者名又はその略号
13.2 製品の表示
胴には,次の項目を容易に消えない方法で見やすい箇所に表示しなければならない。
a) 製造業者名又はその略号
b) 接続用胴には記号“J”
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
14 報告書
製造業者は,注文者の要求があった場合には,4.1及び4.2に規定する引張強度及び永久変形についての
データを記載した報告書を提出しなければならない。