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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 各部の名称 ······················································································································ 2
5 種類······························································································································· 3
6 品質······························································································································· 4
6.1 外観 ···························································································································· 4
6.2 性能 ···························································································································· 4
7 寸法······························································································································· 5
7.1 浴槽の寸法 ··················································································································· 5
8 材料······························································································································· 7
8.1 浴槽 ···························································································································· 7
8.2 附属品 ························································································································· 8
9 試験方法························································································································· 8
10 検査 ····························································································································· 8
11 製品の呼び方 ················································································································· 9
12 表示 ····························································································································· 9
13 取扱い上の注意事項 ········································································································ 9
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS A 5532:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成23年7月27日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク認証において,JIS A 5532:2006によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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浴槽
Bathtubs
序文
この規格は,1970年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2006年に
行われたが,その後の我が国の実績を反映させるため技術内容を変更し,対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,浴槽について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1718 浴槽の性能試験方法
JIS A 4416 住宅用浴室ユニット
JIS B 7516 金属製直尺
JIS G 3133 ほうろう用脱炭鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS K 6718-1 プラスチック−メタクリル樹脂板−タイプ,寸法及び特性−第1部:キャスト板
JIS K 6744 ポリ塩化ビニル被覆金属板
JIS K 6919 繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂
JIS K 6921-1 プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第1部:呼び方のシス
テム及び仕様表記の基礎
JIS R 3411 ガラスチョップドストランドマット
JIS R 3412 ガラスロービング
JIS R 3413 ガラス糸
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS R 3415 ガラステープ
JIS R 3416 処理ガラスクロス
JIS R 3417 ガラスロービングクロス
2
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
上縁面
浴槽の最上部でフラットな面の部分。
3.2
エプロン
上縁面から浴槽の下方を覆うためのもので,別に設けたもの,又は浴槽と一体成型された垂下長さが150
mm以上の部分。
3.3
底面
浴槽内部の底。
3.4
壁付面
壁面に接する上縁部又は垂下部。
3.5
排水口
湯水を排水するため設けられた孔。
3.6
排水栓
湯水の排水を調節する部分。
3.7
オーバーフロー口
上縁からのいっ(溢)水を防ぐために浴槽内側面の上部に設けられた排水口。
3.8
専用ふろふた
浴槽とセットで使用するために生産者が指定・販売するふろふた。
3.9
高断熱浴槽
断熱性能を向上させるための工夫がされており,かつ,専用ふろふたなどがセットになった浴槽。
4
各部の名称
浴槽の各部の名称を,図1に示す。
3
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① 上縁面
② 内側面
③ 底面
④ 垂下部
⑤ エプロン
⑥ 壁付面
⑦ 排水口
⑧ 排水栓
⑨ オーバーフロー口
図1−浴槽の各部の名称の例
5
種類
浴槽の種類は,次のa),b) 及びc) によって区分する。
a) 材質による区分 材質による区分は,表1のとおりとする。
表1−材質による区分
材質
記号
注記
鋳鉄ほうろう
CE
鋳鉄製の浴槽本体の表面にほうろう処理を施したもの。
鋼板ほうろう
SE
鋼板製の浴槽本体の表面にほうろう処理を施したもの。
ステンレス鋼板
SU
浴槽本体がステンレス鋼板製のもの。
熱硬化性プラスチック
TS
浴槽本体が熱硬化性プラスチック製のものa)。
熱可塑性プラスチック
TP
浴槽本体が熱可塑性プラスチック製のもの。
注a) 浴槽本体がガラス繊維強化ポリエステル製のものも含む。
b) 設置方法による区分 設置方法による区分は,表2のとおりとする。
表2−設置方法による区分
設置方法
記号
注記
据置き形
S
浴室内の壁面又は床面に埋め込まれることなく自由に設置で
きるもの。
埋込み形
B
浴室内の壁面又は床面に埋め込まれるもので,浴室内で位置
が指定されるもの。
浴室ユニット形
U
JIS A 4416に規定する住宅用浴室ユニットに設置される専用
のもの,又は浴室ユニットと一体で成形されたもの。
c) 保温性能による区分 保温性能による区分は,表3のとおりとする。
4
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表3−保温性能による区分
保温性能
記号
注記
高断熱
HW
JIS A 1718に規定する浴槽の高断熱試験において,湯温降下は4時
間で2.5 ℃以内。
非高断熱
NW
JIS A 1718に規定する浴槽の保温試験において,湯温降下は2時間
で5 ℃以内。
6
品質
6.1
外観
浴槽及び附属品は,著しい変形,きず,欠け,ひび割れなどがあってはならない。また,人体に接触す
る面は,滑らかで,使用上有害な欠点があってはならない。
6.2
性能
浴槽及び附属品は,箇条9によって試験を行い,材質による区分によって表4の規定に適合しなければ
ならない。ただし,高断熱浴槽は,表4に加え,材質による区分によらず表5の規定に適合しなければな
らない。
5
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表4−浴槽の性能
試験項目
性能
材質による区分
鋳鉄
ほう
ろう
鋼板
ほう
ろう
ステン
レス
鋼板
熱可塑性
プラス
チック
熱硬化性
プラス
チック
エプロン面
の変形
中央部のたわみは,10 mm以内。
○
○
○
○
満水時の変
形
排水口部及び上縁面中央部のたわみは,5
か所とも2 mm以内。
−
○
○
○
砂袋衝撃
底部の表面にひび割れ,その他使用上有害
な欠陥が生じない。
−
○
○
○
落球衝撃
表面にひび割れが生じない。
−
−
−
○
煮沸
表面にひび割れ,泡又は著しい変色若しく
は退色を生じない。
−
−
−
○
載荷
底面及び上縁面の載荷共,表面にひび割
れ,剥離などを生じない。
○
○
○
○
止水
漏水量は,止水試験A:0.03 l/h以内,止
水試験B及び止水試験C:0.3 l/h以内。ま
た,取付け部から漏水が生じない。
○
○
○
○
汚染
汚染回復率85 %以上。
−
−
−
○
溶接部の状
態
割れ,ピンホールその他使用上有害な欠陥
が認められない。
−
−
○
−
保温
湯温降下は,2時間で5 ℃以内とするa)。
○
○
○
○
ピンホール
検出
ピンホールがない。
○
○
−
−
剥離及びひ
び割れ
剥離,ひび割れ,泡,欠けを生じない。
○
○
−
−
耐熱
剥離及びひび割れを生じない。
○
○
−
−
密着性
剥離を生じない。
○
○
−
−
耐酸
鉛筆の線マークが残ったり,著しい光沢変
化が生じない。
○
○
−
−
耐アルカリ
変色又は鉛筆の線マークが残らない。
○
○
−
−
排水器具の
引張強さ
200 Nの引張力で,鎖,接続リングなどの
破損及び変形が生じない。
○
○
○
○
注記 ○:適合を必要とする性能項目。−:適合を必要としない性能項目。
注a) 洋風浴槽は除く。
表5−高断熱浴槽の性能
試験項目
性能
高断熱
湯温降下は,4時間で2.5 ℃以内とする。
7
寸法
7.1
浴槽の寸法
浴槽の各寸法は,表6の範囲から設定し,その製作寸法に対する許容差は,±5 mmとする。ただし,
鋳鉄ほうろう浴槽の許容差は,±7 mmとする。寸法の測定は,JIS B 7516に規定する2級金属製直尺,又
はこれと同等以上の精度をもつものを用いて測定する(図2及び図3参照)。
6
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表6−浴槽の寸法
呼び
寸法
mm
参考
容量
l b)
長さ
L
幅
W
内のり深さ
d a)
8形
790〜 850
640〜750
550〜650
180以上
9形
890〜 950
690〜800
550〜650
200以上
10形
990〜1 050
690〜800
500〜650
220以上
11形
1 090〜1 150
690〜800
450〜650
220以上
12形
1 190〜1 250
690〜800
450〜650
230以上
13形
1 290〜1 350
690〜900
450〜650
150以上
14形
1 390〜1 450
690〜900
400〜600
160以上
15形
1 490〜1 550
690〜950
400〜550
160以上
16形
1 590〜1 650
690〜950
400〜550
160以上
注記 この表以外の寸法については,受渡当事者間の協定による。
注a) 内のり深さ(d)の寸法は,排水口付近の内のり深さをいう。
b) 容量は,満水容量とする。ただし,オーバーフロー口のあるも
のは,あふれ面までの容量とする。
図2−浴槽の寸法位置の例
7
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a)−1面が壁に埋め込まれる場合の例
b)−2面が壁に埋め込まれる場合の例
c)−3面が壁に埋め込まれる場合の例
注記 モジュール寸法(Lm/Wm)及び排水口からの位置(a,b)は,構成材基準面からの指示による。
図3−埋込み形浴槽の取り付け位置
8
材料
8.1
浴槽
浴槽本体及びエプロンに用いる材料は,表7のとおりとする。表7以外の材質を用いる場合は,それぞ
れ表4の浴槽の性能をもつものとする。
8
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表7−浴槽の材料
浴槽の種類
材質
浴槽本体
エプロン
鋳鉄ほうろう
JIS G 5501
JIS G 3133
JIS G 3141
JIS K 6744
鋼板ほうろう
JIS G 3133
JIS G 3133
ステンレス鋼板
JIS G 4305
JIS G 3133
JIS G 4305
JIS K 6744
熱硬化性プラスチック
JIS K 6919
JIS H 4000
JIS R 3411
JIS K 6744
JIS R 3412
JIS K 6919
JIS R 3413
JIS K 6921-1
JIS R 3414
JIS R 3412
JIS R 3415
JIS R 3413
JIS R 3416
JIS R 3414
JIS R 3417
JIS R 3415
JIS R 3416
JIS R 3417
熱可塑性プラスチック
JIS K 6718-1
JIS H 4000
JIS R 3411
JIS K 6718-1
JIS R 3412
JIS K 6744
JIS R 3413
JIS K 6919
JIS R 3414
JIS K 6921-1
JIS R 3415
JIS R 3412
JIS R 3416
JIS R 3413
JIS R 3417
JIS R 3414
JIS R 3415
JIS R 3416
JIS R 3417
8.2
附属品
附属品(排水器具など)に用いる材料は,使用上十分に耐えられる強度,耐熱性,耐久性などをもつも
のでなければならない。
9
試験方法
浴槽及び附属品の試験方法は,JIS A 1718による。
10 検査
浴槽及び附属品の検査は,外観,性能及び寸法について行い,箇条6及び箇条7の規定に適合しなけれ
ばならない。
なお,検査は合理的な抜取方式によってもよい。
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11 製品の呼び方
製品の呼び方は,次の例による。ただし,長さ,幅,内のり深さ及び保温性能による区分の非高断熱は
省略してもよい。
例
TS
S
8形 800 × 700 × 600 HW
保温性能による区分
内のり深さ
幅
長さ
呼び
設置方法による区分
材質による区分
12 表示
製品には,少なくとも次の事項を容易に消えない方法で,見やすい箇所に表示する。
a) 規格番号及び製品の種類又はその記号
b) 寸法(省略可)
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号
13 取扱い上の注意事項
取扱説明書には,少なくとも次の事項について記載する。
a) 排水器具の取扱い,水位の確認などの注意
b) 衝撃に対する注意
c) 湯温に対する注意
d) 清掃時の注意
e) 据付け上の注意