日本工業規格
JIS
A
5529
-1995
発射打込みびょう
Pins and studs for powder actuated tool
1. 適用範囲 この規格は,打込みびょうに適応するびょう打銃を用いて,コンクリート又は鋼材などに
打ち込むびょう(以下,びょうという。
)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 1180 六角ボルト
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS Z 9001 抜取検査通則
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位は,従来単位によるもので,参考値である。
2. 種類 びょうの種類は,適応するびょう打銃及び形状によって,次のように区分する。
(1) 適応するびょう打銃による種類は,表 1 のとおりとする。
表 1 適応するびょう打銃による種類
適応するびょう打銃による種類
記号
高速銃用びょう H
低速銃用びょう L
(2) 形状による種類は,表 2 のとおりとする。
表 2 形状による種類
形状による種類
記号
頭付きびょう A
一眼付きびょう I
ねじ付きびょう N
3. 品質
3.1
外観 びょうの表面には,使用上有害な割れ,きずなどの欠陥がなく,かつ,頭部と軸部の中心軸
に甚だしい偏心や軸のわん曲などがあってはならない。
3.2
寸法の許容差 びょうの製作寸法における頭部径,軸部径及び全長の許容差は,表 3 のとおりとす
る。
表 3 寸法の許容差
頭部径の許容差
軸部径の許容差
全長の許容差
0
−0.2
±0.2
±1.0
3.3
性能 びょうは,6.に規定する試験方法によって試験し,表 4 の規定に合格しなければならない。
2
A 5529-1995
表 4 性能
項目
高速銃用びょう
低速銃用びょう
せん断強さ 980.66
N/mm
2
{100 kgf/mm
2
} 以上 980.66
N/mm
2
{100 kgf/mm
2
} 以上
曲げ 90°曲げて折れないこと 60°曲げて折れないこと
打込み
折れ,座屈その他の欠点が現れてはならない。
折れ,座屈その他の欠点が現れてはならない。
4. 呼び方及び呼び寸法 びょうの呼び方及び呼び寸法は,表 5 及び図 1 のとおりとする。
表 5 呼び方及び呼び寸法
形状による種類
呼び方
呼び寸法 mm
頭部径 D
軸部径(
3
) d
全長 L
頭付きびょう 6
036
6.0 3.6
20(
1
)(
2
) 30(
1
) 40
50 60 70
6
336
6.3
3.6
20(
1
)(
2
) 35 45
60 70 80 90 100
6
345
6.3
4.5
20(
1
)(
2
) 35 45
60 70 80 90 100
8
045
8.0
4.5
30(
1
) 40 50
60
70
9
555
9.5
5.5
35(
1
) 50 65
75
90
100
10
055
10.0
5.5
60
70
80
一眼付きびょう 6
036 6.0
3.6
45(
1
)
6
340
6.3
4.0
40(
1
)
9
554
9.5
5.4
55
ねじ付きびょう(
4
) 4
036
4.0
3.6
30(
1
)(
2
) 40(
1
)
4
736
4.7
3.6
30(
1
) 40(
1
)
5
036
5.0
3.6
30(
1
)(
2
) 40(
1
)
6
040
6.0
4.0
40(
1
) 50 60
6
345
6.3
4.5
35(
1
)(
2
) 45 50
60 70 80
6 350
6.3
5.0
65
90 120 150
7
950
7.9
5.0
55(
1
) 65 75
85
8
045
8.0
4.5
55(
1
) 60(
1
) 65
70
9
560
9.5
6.0
60(
1
) 70 80
95
9
575
9.5
7.5
115
10
055
10.0
5.5
60
70
80
注(
1
) びょうの形状,寸法上の理由によって“せん断強さ試験”ができない場合は,同一種類及び呼び方のもの
で試験できる最小の長さのびょうについて“せん断強さ試験”を代行してもよい。
(
2
) びょうの形状,寸法上の理由によって“曲げ試験”ができない場合は,同一種類及び呼び方のもので試験
できる最小の長さのびょうについて“曲げ試験”を代行してもよい。
(
3
) 軸部径の製作寸法は,呼び寸法に対する許容差を±0.3 mm とする。
(
4
) ねじ部分の長さは,受渡当事者間の協定による。
3
A 5529-1995
図 1
5. 材料及び表面処理
5.1
材料 びょうの材料は,熱処理によって 3.に規定する品質が得られる鋼材とする。
5.2
表面処理 びょうの表面は,JIS H 8610 に規定する Ep-Fe/Zn 5,Ep-Fe/Zn [2],Ep-Fe/Zn 5/CM1,
Ep-Fe/Zn [2-C1] 又はこれと同等以上の耐食性をもつ表面処理を施すものとする。
5.3
ねじ付きびょうのねじ ねじ付きびょうのねじ部の形状,寸法精度は,JIS B 1180 による。
6. 試験方法
6.1
数値の換算 従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ
の換算は,次による。
1 kgf=9.80 N
6.2
せん断強さ試験 びょうを図 2 に示すジグを用い,アムスラー万能試験機などによって,2 面せん断
試験を行う。
4
A 5529-1995
図 2
6.3
曲げ試験 びょうを図 3 に示すような曲げ試験機を用いるか,又は一端を固定し,他の端は外径よ
りわずかに大きい内径をもつ肉厚パイプなどを使用して折り曲げる。この場合,曲げられたびょうの内側
半径がほぼその軸径と同じになるように曲げる。
図 3
6.4
打込み試験 びょうをそのびょうの形状,寸法及び品質に適応するびょう打銃並びに空砲を用いて,
JIS G 3101 に規定する SS400 の鋼材に打込み試験を行う。ただし,鋼材の板厚は表 6 のとおりとする。
表 6 鋼材の板厚
単位 mm
高速銃用びょう
低速銃用びょう
軸部径の呼び寸法
軸部径の呼び寸法
5 未満
5 以上
5 未満
5 以上
鋼材の板厚
10 15 6 10
7. 検査
5
A 5529-1995
7.1
検査は,外観,寸法を検査するとともに,せん断強さ試験,曲げ試験及び打込み試験を行い,その
成績によって合否を決定する。
なお,ロットの大きさは JIS Z 9001 によるものとする。
7.2
外観及び寸法の検査は,1 ロットからそれぞれ 3 個の試験片を抜き取って行い,それぞれ 3.1 に規定
する外観及び
表 3,表 5 に規定する寸法に適合すれば,そのロットを合格とする。
7.3
せん断強さ試験,
曲げ試験及び打込み試験は 1 ロットからそれぞれ 3 個の試験片を抜き取って行い,
それぞれ
表 4 の規定に適合すれば,そのロットを合格とする。
8. 表示 包装の外面には,次の事項を明示しなければならない。
(1) 種類及び呼び寸法
例
(2) 製造番号
(3) 製造年月又は略号
(4) 数量
(5) 製造業者名又はその略号
建築部会発射打込みびょう専門委員会 構成表(昭和 48 年 1 月 1 日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
大 島 久 次
千葉工業大学
仕 入 豊 和
東京工業大学
羽 倉 弘 人
千葉工業大学
木 村 蔵 司
日本工業大学
金 子 勇次郎
建設省住宅局
佐 藤 真 住
通商産業省重工業局
西 村 一
工業技術院標準部
木 村 定 雄
建設省大臣官房官庁営繕部
中 邨 嘉 幸
株式会社日建設計
深 沢 明
株式会社竹中工務店
関 口 利 重
日本ドライブイット株式会社
深 尾 雄四郎
大同製鋼株式会社
富 畑 実
シマノ工業株式会社
恒 川 増 夫
伊藤万株式会社
右 近 良 吾
ウインチェスターアジア株式会社
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
松 本 大 治
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
牛 島 宏 育
工業技術院標準部材料規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)
久 保 寛 之
工業技術院標準部材料規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)