A 5404:2019
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 形状,寸法及び許容差 ······································································································· 1
4.1 形状 ···························································································································· 1
4.2 寸法 ···························································································································· 2
4.3 寸法の許容差 ················································································································ 2
5 品質······························································································································· 3
5.1 外観 ···························································································································· 3
5.2 性能 ···························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 4
6.1 試験片 ························································································································· 4
6.2 厚さ ···························································································································· 5
6.3 長さ及び幅 ··················································································································· 5
6.4 直角度 ························································································································· 5
6.5 曲げ試験 ······················································································································ 6
6.6 含水率及びかさ密度試験 ································································································· 6
6.7 くぎ側面抵抗試験 ·········································································································· 7
6.8 難燃性試験又は発熱性試験 ······························································································ 7
7 検査······························································································································· 7
8 表示······························································································································· 8
附属書A(規定)発熱性試験及びその評価方法 ·········································································· 9
附属書B(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 14
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人全国
木質セメント板工業会(WCBA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日
本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS A 5404:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS A 5404:2007を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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木質系セメント板
Cement bonded wood-wool and flake boards
1
適用範囲
この規格は,主原料として木毛・木片などの木質原料及びセメントを用いて圧縮成形し,主に建築物の
壁,床,天井,屋根などに用いる板(以下,木質系セメント板という。)について規定する。
なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を,附属書Bに示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法
JIS A 1408 建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法
JIS A 5508 くぎ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS B 7516 金属製直尺
3
種類及び記号
木質系セメント板の種類及び記号は,使用する木質原料の最大長さ及びかさ密度によって表1のとおり
とする。
表1−種類及び記号
種類
記号
木質原料の最大長さ
mm
かさ密度
g/cm3
木毛セメント板
硬質木毛セメント板
HW
450以下
1.0以上
中質木毛セメント板
MW
0.7以上1.0未満
普通木毛セメント板
NW
0.4以上0.7未満
木片セメント板
硬質木片セメント板
HF
50以下
0.9以上
普通木片セメント板
NF
0.6以上0.9未満
4
形状,寸法及び許容差
4.1
形状
木質系セメント板の断面形状の例を図1に示す。
2
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図1−断面形状の例
4.2
寸法
製品の厚さ,長さ及び幅は,箇条6によって試験したとき,表2及び表3による。ただし,表2及び表
3に規定する寸法以外の厚さ,長さ及び幅は,受渡当事者間の協議による。
なお,表2に規定する寸法以外の厚さは,規定する厚さの最小から最大の間とし,重ねしろがある場合
の製品の長さ及び幅は,働き長さ及び働き幅とする。
表2−厚さ
表3−長さ及び幅
単位 mm
種類
厚さ
硬質木毛セメント板
15
20
25
30
中質木毛セメント板
普通木毛セメント板
15
20
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
15
18
21
25
普通木片セメント板
25
30
50
単位 mm
長さ
幅
455
600
910
900
−
NF
−
1 500
−
NF
−
1 800
−
NF
−
1 820
HW
MW
NW
−
HW
MW
NW
HF
2 000
−
−
HW
MW
NW
2 730
−
−
HF
NF
3 030
−
−
HF
NF
4.3
寸法の許容差
製品の厚さ,長さ,幅及び直角度の測定は,箇条6によって行い,その許容差は,表4による。ただし,
表2に規定する寸法以外の厚さの許容差は,当該製品より薄い方の製品の許容差とし,表3に規定する寸
法以外の長さ及び幅の許容差は,表4による。
3
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表4−寸法の許容差
単位 mm
種類
厚さ
許容差
厚さ
長さ及び幅
直角度
硬質木毛セメント板
15
+1.0
+1
−2
5以下
−1.5
20
+1.0
−2.0
25
30
中質木毛セメント板
普通木毛セメント板
15
+1.0
−1.5
20
+1.0
−2.0
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
+1.0
−1.0
15
+1.0
18
−1.5
21
+1.0
−2.0
25
普通木片セメント板
25
30
50
5
品質
5.1
外観
木質系セメント板の外観は,木質材料の分布が一様であり,使用上支障のある反り,ねじれ,亀裂及び
欠けがあってはならない。
5.2
性能
木質系セメント板の性能は,箇条6によって試験を行い,表5の規定に適合しなければならない。ただ
し,表2に規定する寸法以外の厚さの場合の曲げ破壊荷重,たわみ量及びくぎ側面抵抗は,当該製品より
厚い方の規定に適合しなければならない。
4
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表5−性能
種類
厚さ
mm
かさ密度
g/cm3
曲げ破壊荷重
N
たわみ量
mm
くぎ側面抵抗
N
難燃性又は
発熱性b)
硬質木毛セメント板
15
1.0以上
800以上
8以下
500以上
難燃2級以上
又は
発熱性2級以上
20
1 300以上
7以下
600以上
25
1 800以上
6以下
700以上
30
2 000以上
5以下
800以上
中質木毛セメント板
15
0.7以上
1.0未満
500以上
8以下
−a)
20
700以上
7以下
25
1 000以上
6以下
30
1 300以上
5以下
40
2 000以上
4以下
50
2 400以上
3以下
普通木毛セメント板
15
0.4以上
0.7未満
350以上
10以下
−a)
20
500以上
9以下
25
650以上
8以下
30
800以上
7以下
40
1 200以上
6以下
50
1 600以上
5以下
硬質木片セメント板
12
0.9以上
690以上
12以下
800以上
15
920以上
10以下
900以上
18
1 270以上
8以下
1 000以上
21
1 800以上
7以下
1 100以上
25
2 530以上
6以下
1 200以上
普通木片セメント板
25
0.6以上
0.9未満
500以上
6以下
−a)
30
600以上
6以下
50
1 300以上
5以下
注記 木毛セメント板において繊維に配向性のある場合,成形方向(繊維の流れ方向)に平行に荷重を加えたとき
の曲げ破壊荷重は,成形方向に直角に荷重を加えたときの実測値の約60 %である。
注a) 適用しない。
b) 難燃性試験又は発熱性試験のいずれかを行う。
6
試験方法
6.1
試験片
試験片は,製品又は製品の中央部から採取する。試験片の長さ,幅,試験時の含水状態及び試験片の個
数は表6による。
5
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表6−試験片の寸法,試験時の含水状態及び試験片の個数
名称
種類
長さa)×幅
mm
試験時の
含水状態
試験片の
個数
寸法測定試験片
木毛セメント板
製品全形
−b)
3
木片セメント板
曲げ及びたわみ試験片
木毛セメント板
500×400
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
含水率及びかさ密度試験片
木毛セメント板
100×100
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
くぎ側面抵抗試験片c)
硬質木毛セメント板
150×75
20 %以下
硬質木片セメント板
16 %以下
難燃性試験片
木毛セメント板
木片セメント板
220×220
6.8による
発熱性試験片
99×99
注a) 成形方向(繊維の流れ方向)が,長さ方向になるように採取する。
b) 規定しない。
c) 凹凸模様を付けた製品は,くぎ貫通用の孔が最も薄い箇所になるように採取する。
また,重ねしろがある製品は,重ねしろの部分を外して採取する。
6.2
厚さ
製品の厚さは,図2に示す端部及び中央部の8点をJIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギス又は同
等以上の精度をもつ測定器を用いて測定し,その平均値を四捨五入して小数点以下1桁に丸める。測定器
の板に接する面は,直径10 mm以上の当て板を当て,重ねしろがある場合は,重ねしろ部分を外して測定
する。表面に凹凸模様を付けた場合,図2の測定点の近傍の最も厚い箇所を測定する。
単位 mm
図2−製品の厚さの測定位置
6.3
長さ及び幅
長さ及び幅は,製品及び試験片の長さ及び幅方向の中央各々1か所をJIS B 7512に規定する目量1 mm
の1級コンベックスルール又は同等以上の精度をもつ測定器で測定し,四捨五入して整数に丸める。
6.4
直角度
直角度は,製品を平らな台上に置き,板の二つの対角線の長さをJIS B 7512に規定する目量1 mmの1
級コンベックスルール又は同等以上の精度をもつ測定器で測定し,その差を四捨五入して正の整数に丸め
6
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た値とする。
6.5
曲げ試験
曲げ破壊荷重及びたわみ量試験は,JIS A 1408による。曲げ破壊荷重は,試験片が破壊するまでの最大
荷重を測定し,四捨五入して有効数字3桁の整数に丸める。たわみ量は,表5に規定する曲げ破壊荷重時
に,スパン中央で測定し四捨五入して整数に丸める。
なお,表面に凹凸模様を付けた場合は,凹凸のある面を上にして行う。
6.6
含水率及びかさ密度試験
含水率及びかさ密度試験は,次による。
a) 試験片を採取したときの質量(W1)は,目量0.5 g以下のはかりで測定する。
b) 試験片の厚さは,図3に示す試験片の四隅を,JIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギス又は同等以
上の精度をもつ測定器を用いて測定し,4点の平均値を四捨五入して小数点以下1桁に丸めて厚さと
する。表面に凹凸模様を付けた場合は,図3の測定点の近傍の最も厚い箇所を測定する。長さ及び幅
は,JIS B 7516に規定する目量0.5 mmの直尺1級又は同等以上の精度をもつ測定器を用いて,長さ及
び幅方向の中央それぞれ1か所を測定する。試験片の厚さ,長さ及び幅によって,体積(V)を算出
する。
注記 体積(V)の単位は,cm3で表す。
単位 mm
図3−含水率及びかさ密度試験片の厚さの測定位置
c) 試験片を105 ℃±5 ℃に調節した乾燥機に入れ,恒量になるまで乾燥させ,そのときの質量(W2)を
目量0.5 g以下のはかりで測定する。
なお,恒量は,日間の質量減少量が0.5 g以下になったときとする。
含水率Sは式(1),かさ密度ρは式(2)によって算出し,その平均値を四捨五入して含水率Sは整数に,
かさ密度ρは小数点以下1桁に丸めた値とする。
100
2
2
1
×
−
=
W
W
W
S
(%) ······························································· (1)
V
W1
=
ρ
(g/cm3) ······································································ (2)
7
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6.7
くぎ側面抵抗試験
くぎ側面抵抗試験は,次による。
a) 図4に示すように,試験片の端部から12 mmの位置に内径2.8 mm±0.1 mmの孔を開ける。
b) a) で設けた孔に,JIS A 5508に規定するCN50太め鉄丸くぎを直角に試験体を貫通させて打ち込む。
c) 図5に示すジグ(引張りチャック)及び試験機を用い,変位速度を6±1 mm/minで加力し,破断する
までの最大荷重を測定し,四捨五入して有効数字3桁の整数に丸める。
図4−くぎ側面抵抗の試験体
図5−くぎ側面抵抗の試験ジグ例
6.8
難燃性試験又は発熱性試験
難燃性試験又は発熱性試験は,a) 又はb) のいずれかを選択して行う。
a) JIS A 1321による難燃性試験
b) 附属書Aによる発熱性試験
7
検査
検査は,合理的な抜取検査方式を用いて,箇条6によって試験を行い,箇条4及び箇条5の規定を満足
しなければならない。検査は,形式検査1) と受渡検査とに区分し,検査の項目は,それぞれ次のとおりと
する。
なお,抜取検査方式は,受渡当事者間の協議による。
注1) 新規設計,設計変更,その他生産条件の変更があった場合に行う。
a) 形式検査項目
1) 寸法・寸法の許容差
2) 含水率及びかさ密度
単位 mm
8
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3) 曲げ破壊荷重及びたわみ量
4) くぎ側面抵抗
5) 難燃性又は発熱性
b) 受渡検査項目
1) 寸法・寸法の許容差
2) 含水率及びかさ密度
3) 曲げ破壊荷重及びたわみ量
8
表示
製品,包装又は送り状には,次の事項を表示する。ただし,e) については送り状その他適切な方法でも
よい。
a) 規格番号,及び種類又はその記号
b) 寸法(厚さ×幅×長さ)(mm)
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号
e) 難燃性又は発熱性の等級
f)
凹凸模様を付けた製品の表示(凹凸模様を付けた場合に限る。)
例 エンボス板
9
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附属書A
(規定)
発熱性試験及びその評価方法
A.1 一般
この附属書は,発熱性試験及びその評価方法について規定したものである。
発熱性試験は,A.2に規定する試験体について,A.3に規定する試験装置を用いて,A.4に規定する条件
を与え,A.5に規定する測定を行う。
なお,合格の判定はA.6に示す判定基準に沿って行う。
A.2 試験体
a) 試験体の材料及び構成は,製品と同一とする。
b) 試験体は,製品から採取する。ただし,製品から試験体を切り出して作製することが技術的に困難な
場合は,実際の製品の性能を適切に評価できるように材料構成,組成,密度などを製品と同一にして
試験体を作製する。
c) 試験体の個数は3個とする。
d) 試験体の形状及び寸法は,1辺の大きさが99 mm±1 mmの正方形で厚さを50 mm以下とする。
e) 製品の厚さ,形状,試験体の高さの調整方法は,次による。
1) 製品の厚さが数種類ある場合は,試験は製品の最小厚さを対象として行う。
2) 製品の最小厚さが50 mm以下の場合は,最小厚さの製品とする。
3) 製品の最小厚さが50 mmを超える場合は,試験体に含まれる有機化合物の合計質量が最大となるよ
うにする等,防火上有利とならないように考慮し,火炎にさらされるおそれのない裏面側を切削し
て厚さを調整する。
4) 製品の表面が凹凸加工等によって平滑でないものは,厚さが最も小さい部分が試験体の中心になる
ように作製する。
f)
試験体は,試験前に,試験体を温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±5)%で一定質量になるように養生
する。
A.3 試験装置
a) 試験装置は,円すい(錐)状に形作られたふく(輻)射電気ヒータ,点火用プラグ,ふく(輻)射熱
遮蔽板,試験体ホルダー,ガス濃度分析装置及びガス流量の測定のできる排気システム,熱流計など
で構成する(図A.1参照)。
b) ふく(輻)射電気ヒータは,50 kW/m2のふく(輻)射熱を試験体表面に均一な照射が安定してできる
ものとする。
c) ふく(輻)射熱遮蔽板は,試験開始前のふく(輻)射熱から試験体を保護できるものとする。
d) 試験体ホルダーは,外寸で1辺106 mm±1 mmの正方形で,深さが25 mm±1 mmの大きさで,厚さ
が2.15 mm±0.25 mmのステンレス鋼製で,上部には1辺94.0 mm±0.5 mmの正方形の開口を中央部
に設けるものとする[図A.2 a) 参照]。押さえ枠は,内寸で1辺111 mm±1 mmの正方形で,深さが
54 mm±1 mmのステンレス鋼製とする[図A.2 b) 参照]。
10
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e) 排気システムは,試験温度で有効に機能する遠心式排気ファン,フード,通風口,排気ダクト,オリ
フィスプレート流量メータなどを備えているものとする。フード下端部と試験体表面との距離は,210
mm±50 mmとし,その状態での排気システムの排気装置は,標準温度及び標準圧力に換算した流量
が0.024 m3/s以上とする。排気流量の測定のために,内径57 mm±3 mmのオリフィスをフードとダク
トとの間に設ける。排気ガス採取を目的として,12個の直径2.2 mm±0.1 mmの穴のあるリングサン
プラーをフードから685 mm±15 mmの位置に,穴が流れと反対の方向に向くように取り付ける。ま
た,排気ガスの温度を,オリフィスから上流100 mm±5 mmの位置の排気ダクトの中心部で測定する。
オリフィスは,流量の測定に影響を及ぼさない位置に設置する。
f)
ガス分析装置は,排気ガス中の酸素,一酸化炭素,二酸化炭素の濃度を連続的に正確に測定できるも
のとする。
g) 点火用プラグは,10 kVの変圧器,誘導式コイルシステムなどから電力を供給できるものとする。ス
パークの電極間距離は,3 mm±0.5 mmとし,電極の位置は,通常,試験体の中心軸上13 mm±2 mm
とする。
h) 熱流計は,100 kW/m2±10 kW/m2まで測定可能なシュミット・ボルダー形を用いる。熱流計の熱感知部
は,直径12.5 mmの円形で,表面のふく(輻)射率は0.95±0.05とする。
図A.1−試験装置概要
11
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単位 mm
a) 試験体ホルダー
b) 押さえ枠の詳細図
図A.2−試験体ホルダー及び押さえ枠
A.4 試験条件
a) 試験時間は,試験体表面にふく(輻)射熱が照射され,同時に電気スパークが作動してからとする。
ただし,明らかに燃焼が持続しなくなったときには,測定を終了することができるものとする。
12
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b) 試験体は,側面及び裏面を厚さ0.025 mm以上,0.04 mm以下のアルミニウムはくで包んで押さえ枠に
入れ,更に裏面側に無機繊維(密度64〜128 kg/m3)を充塡してから,試験体ホルダーに押し込む。
c) 試験中は,ふく(輻)射電気ヒータから試験体の表面に50 kW/m2のふく(輻)射熱を照射する。
d) 排気ガス流量を0.024 m3/s±0.002 m3/sに調節する。
e) 試験開始までは,ふく(輻)射熱遮蔽板によって,試験体がふく(輻)射熱を受けないようにする。
f)
ふく(輻)射熱遮蔽板を移動する前に,点火用プラグを所定の位置に設定する。
A.5 測定
a) 酸素,一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を5秒以内の間隔で測定する。
b) 発熱速度(q&)は,次の式によって算出する。
(
)
(
)
298
2
O
2
O
0
2
O
5.1
105
.1
10
.1
V
X
X
X
E
q
&
&
×
−
−
=
ここに,
q&: 発熱速度(kW)
298
V& : 25 ℃におけるダクト内流量(m3/s)
E: 単位体積酸素消費量当たりの発熱量(kJ/m3)(17.2×103
kJ/m3を用いる。)
X0O2: 1分間のベースライン測定による酸素濃度の平均値
(ppm)
XO2: 酸素分析装置からの実測値(ppm)
25 ℃におけるダクト内流量(
298
V& )は,次の式によって算出する。
(
)
350
5.0
298
Te
p
C
V
×
∆
=
&
ここに,
298
V& : 25 ℃におけるダクト内流量(m3/s)
C: オリフィス係数(m1/2・g1/2・K1/2)
∆p: オリフィス流量差圧(Pa)
Te: オリフィス流量計でのガスの絶対温度(K)
単位面積当たりの発熱速度(”
q&)は,次の式によって算出する。
s
”
A
q
q
&
&=
ここに,
”
q&: 単位面積当たりの発熱速度(kW/m2)
As: 試験体の初期の暴露面積(0.008 8 m2)
C(オリフィス係数)は,規定の排気流速の下で,この箇条で規定する測定で発熱速度がqb=5 kW
±0.5 kWに相当する流量のメタンを燃焼させたときの酸素濃度(XO2)及び差圧(Δp)から次の式に
よって算出する。
(
)
2
O
2
O
5.0
0
c
b
5
209
.0
5.1
105
.1
10
.1
X
X
p
Te
r
h
q
C
−
−
×
∆
×
×
∆
=
ここに,
C: オリフィス係数(m1/2・g1/2・K1/2)
qb: 供給されるメタンの発熱速度(kW)
Δhc/r0: 酸素消費量当たりの発熱量(メタンの場合は12.54×103
kJ/kg)
13
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Te: オリフィス流量計でのガスの絶対温度(K)
c) 総発熱量は,発熱速度の経時変化(発熱速度曲線)から台形積分法によって算出する。
A.6 判定
加熱試験の結果,各試験体が表A.1の判定基準を満足する場合に合格とする。
なお,発熱性は,各加熱時間での合格時間で発熱性1級及び発熱性2級に区分する。
表A.1−発熱性判定基準
発熱性
加熱時間
判定基準
発熱性1級
20分
加熱時間終了時までの総
発熱量が8.0 MJ/m2以下
とする。
加熱時間内に防火上有害な
裏面まで貫通する亀裂,穴
などがない。
加熱時間内に最高発熱速度が
10秒以上継続して200 kW/m2
を超えない。
発熱性2級
10分
14
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
3 種類及
び記号
木質系セメント板の種類及び記号は,使用する木質原
料の最大長さ及びかさ密度によって表1のとおりとす
る。
表1−種類及び記号
種類
記号
木質原料の最大長さ
mm
かさ密度
g/cm3
木毛セメント板
硬質木毛セメント板
HW
450以下
1.0以上
中質木毛セメント板
MW
0.7以上1.0未満
普通木毛セメント板
NW
0.4以上0.7未満
木片セメント板
硬質木片セメント板
HF
50以下
0.9以上
普通木片セメント板
NF
0.6以上0.9未満
3 種類及
び記号
木質系セメント板の種類及び記号は,使用する木質原
料の最大長さ及び製品のかさ密度によって表1のとお
りとする。
表1−種類及び記号
種類
記号
木質原料の最大長さ
mm
製品のかさ密度
木毛セメント板
硬質木毛セメント板
HW
450以下
1.0以上
中質木毛セメント板
MW
0.7以上1.0未満
普通木毛セメント板
NW
0.4以上0.7未満
木片セメント板
硬質木片セメント板
HF
50以下
0.9以上
普通木片セメント板
NF
0.6以上0.9未満
・ 木質系セメント板の
種類ごとの定義を表
すため,“製品のかさ
密度”を“かさ密度”
とし,単位を追記し
た。
4 形状,寸
法及び許
容差
4.1 形状
木質系セメント板の断面形状の例を図1に示す。
図1−断面形状の例
5 寸法及
び許容差
・ 旧規格の箇条5を箇
条4とし,形状を新た
に追加した。
・ 形状の項目を4.1と
し,断面形状の例を示
す図を図1として新
たに追加した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
15
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4.2 寸法
製品の厚さ,長さ及び幅は,箇条6によって試験した
とき,表2及び表3による。ただし,表2及び表3に
規定する寸法以外の厚さ,長さ及び幅は,受渡当事者
間の協議による。
なお,表2に規定する寸法以外の厚さは,規定する厚
さの最小から最大の間とし,重ねしろがある場合の製
品の長さ及び幅は,働き長さ及び働き幅とする。
表2−厚さ
表3−長さ及び幅
単位 mm
種類
厚さ
硬質木毛セメント板
15
20
25
30
中質木毛セメント板
普通木毛セメント板
15
20
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
15
18
21
25
普通木片セメント板
25
30
50
単位 mm
長さ
幅
455
600
910
900
−
NF
−
1 500
−
NF
−
1 800
−
NF
−
1 820
HW
MW
NW
−
HW
MW
NW
HF
2 000
−
−
HW
MW
NW
2 730
−
−
HF
NF
3 030
−
−
HF
NF
5.1 厚さ,
長さ及び
幅
厚さ,製品の長さ及び幅は,箇条6によって試験した
とき,表2及び表3による。ただし,表3によらない
その他の製品の長さ及び幅は,受渡当事者間の協定に
よってもよい。
表3−長さ及び幅
単位 mm
長さ
幅
455
600
910
1 000
900
−a)
NF
−a)
−a)
1 500
−a)
NF
−a)
−a)
1 800
−a)
NF
−a)
−a)
1 820
HW
MW
NW
−a)
HW
MW
NW
HF
−a)
2 000
−a)
−a)
HW
MW
NW
HW
MW
NW
2 730
−a)
−a)
HF
NF
−a)
3 030
−a)
−a)
HF
NF
−a)
注a) 適用しない。
・ 表2を厚さの規格を
示す表として変更し
た。
・ 凹凸模様へのニーズ
等を考慮し,表2によ
らない厚さの製品も
生産可能とし,その範
囲を規定した。
・ 幅1 000 mmの木毛セ
メント板の生産工場
はないため,削除し
た。
・ “協定”の表現は,受
渡当事者間の契約を
求める表現であるた
め,“協議”の表現に
改め,“協議による”
とした。
・ 表2によらないその
他の製品の厚さの範
囲を規定するととも
に,重ねしろがある場
合の製品の長さ及び
幅を規定した。
・ 表3によらない製品
も受渡当事者間の協
議によって認めるた
め,注は削除した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
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16
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4.3 寸法
の許容差
製品の厚さ,長さ,幅及び直角度の測定は,箇条6
によって行い,その許容差は,表4による。ただし,
表2に規定する寸法以外の厚さの許容差は,当該製品
より薄い方の製品の許容差とし,表3に規定する寸法
以外の長さ及び幅の許容差は,表4による。
表4−寸法の許容差
単位 mm
種類
厚さ
許容差
厚さ
長さ及び幅
直角度
硬質木毛セメント板
15
+1.0
+1
−2
5以下
−1.5
20
+1.0
−2.0
25
30
中質木毛セメント板
普通木毛セメント板
15
+1.0
−1.5
20
+1.0
−2.0
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
+1.0
−1.0
15
+1.0
18
−1.5
21
+1.0
−2.0
25
普通木片セメント板
25
30
50
5.2 寸法
の許容差
厚さ,長さ,幅及び直角度の測定は,箇条6によって
行い,その許容差は,表4による。
表4−寸法の許容差
単位 mm
種類
厚さ
許容差
厚さ
長さ・幅
直角度
硬質木毛セメント板
中質木毛セメント板
普通木毛セメント板
15
+1
−2
+1
−2
5以下
20
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
+1
−1
15
+1
−2
18
21
25
普通木片セメント板
25
30
50
・ 製品の安定的な性能
を考慮して厚さのば
らつきは±10 %以内
を目安とし,下限側が
これから外れている
木毛セメント板の厚
さ15 mm,硬質木片セ
メント板の厚さ15
mm及び18 mmの下
限側の許容差を変更
した。
・ 4.2で規定した,表2
及び表3によらない
その他の製品の長さ
及び幅の許容差を新
たに規定した。表2
によらない製品の厚
さの許容差は,製品の
性能に影響するため,
管理を厳しくして,当
該製品より薄い方の
製品の許容差とした。
表3によらない製品
の長さ及び幅の許容
差は,表4によること
とした。
・ 6.2 厚さの測定方法
において,測定値の平
均値を小数点以下1
桁に丸めるため,厚さ
の許容差も小数点以
下1桁の表記とした。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
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A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4.3 寸法
の許容差
(続き)
5.2 寸法
の許容差
(続き)
・ 硬質木毛セメント板
に,40 mm及び50 mm
の製品は現在ないた
め,表4において,木
毛セメント板を硬質
木毛と残りの2種類
(中質及び普通木毛)
とに細分した。
5.2 性能
木質系セメント板の性能は,箇条6によって試験を行
い,表5の規定に適合しなければならない。ただし,
表2に規定する寸法以外の厚さの場合の曲げ破壊荷重,
たわみ量及びくぎ側面抵抗は,当該製品より厚い方の
規定に適合しなければならない。
表5−性能
表5−性能
種類
厚さ
mm
かさ密度
g/cm3
硬質木毛セメント板
15
1.0以上
20
25
30
中質木毛セメント板
15
0.7以上
1.0未満
20
25
30
40
50
普通木毛セメント板
15
0.4以上
0.7未満
20
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
0.9以上
15
18
21
25
普通木片セメント板
25
0.6以上
0.9未満
30
50
4.2 性能
木質系セメント板の性能は,箇条6によって試験を行
い,表2の規定に適合しなければならない。
表2−性能
表2−性能
種類
厚さ
mm
かさ密度
硬質木毛セメント板
15
1.0以上
20
25
30
中質木毛セメント板
15
0.7以上
1.0未満
20
25
30
40
50
普通木毛セメント板
15
0.4以上
0.7未満
20
25
30
40
50
硬質木片セメント板
12
0.9以上
15
18
21
25
普通木片セメント板
25
0.6以上
0.9未満
30
50
・ 品質に関する規定の
記載順を,寸法及び許
容差の後に変更し,箇
条5とした。性能は
5.2に規定。
・ 表2を表5に変更し
た。
・ 表2によらないその
他の厚さの製品の,曲
げ破壊荷重,たわみ量
及びくぎ側面抵抗は,
管理を厳しくして,当
該製品より厚い方の
製品の規定に適合す
ることとし,新たに規
定した。
・ “かさ密度”に単位を
追記した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
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A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.1 試験
片
試験片は,製品又は製品の中央部から採取する。試験
片の長さ,幅,試験時の含水状態及び試験片の個数は
表6による。
表6−試験片の寸法,試験時の含水状態及び試験片の個数
名称
種類
長さa)×幅
mm
試験時の
含水状態
試験片の
個数
寸法測定試験片
木毛セメント板
製品全形
−b)
3
木片セメント板
曲げ及びたわみ試験片
木毛セメント板
500×400
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
含水率及びかさ密度試験片 木毛セメント板
100×100
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
くぎ側面抵抗試験片c)
硬質木毛セメント板
150×75
20 %以下
硬質木片セメント板
16 %以下
難燃性試験片
木毛セメント板
木片セメント板
220×220
6.8による
発熱性試験片
99×99
注a) 成形方向(繊維の流れ方向)が,長さ方向になるように採取する。
b) 規定しない。
c) 凹凸模様を付けた製品は,くぎ貫通用の孔が最も薄い箇所になるように採取す
る。
また,重ねしろがある製品は,重ねしろの部分を外して採取する。
6.1 試験
片
試験片は,製品又は製品の中央部から採取する。試験
片の長さ及び幅,試験時の含水状態及び試験片の個数
は表5による。
表5−試験片の寸法,試験時の含水状態及び試験片の個数
名称
種類
長さa)×幅
mm
試験時の
含水状態
試験片の
個数
寸法測定試験片
木毛セメント板
製品全形
−b)
3
木片セメント板
曲げ及びたわみ試験片
木毛セメント板
500×400
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
含水率及びかさ密度試験片 木毛セメント板
100×100
20 %以下
木片セメント板
16 %以下
くぎ側面抵抗試験片
硬質木毛セメント板
150×75
20 %以下
硬質木片セメント板
16 %以下
難燃性試験片
木毛セメント板
木片セメント板
220×220 6.8による
発熱性試験片
100×100
注a) 成形方向(繊維の流れ方向)が,長さ方向になるように採取する。
b) 規定しない。
・ 表5を表6に変更し
た。
・ 凹凸模様を付けた製
品のくぎ側面抵抗試
験片は,性能の管理を
厳しくするため,くぎ
貫通用の孔が製品の
最も薄い箇所になる
ように採取すること
とした。また,重ねし
ろがある製品につい
ては,留め付けくぎは
重ねしろ部分には打
たないため,くぎ貫通
用の孔が重ねしろか
ら外れるように採取
することとした。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
19
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.2 厚さ
製品の厚さは,図2に示す端部及び中央部の8点を
JIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギス又は同等以
上の精度をもつ測定器を用いて測定し,その平均値を
四捨五入して小数点以下1桁に丸める。測定器の板に
接する面は,直径10 mm以上の当て板を当て,重ねし
ろがある場合は,重ねしろ部分を外して測定する。表
面に凹凸模様を付けた場合,図2の測定点の近傍の最
も厚い箇所を測定する。
単位 mm
図2−製品の厚さの測定位置
6.2 厚さ
製品の厚さは,図1に示す端部及び中央部の8点を
JIS B 7507に規定する目量0.1 mmのノギスを用いて測
定し,その平均値を小数点以下1けたに丸める。測定
器の板に接する面は,直径10 mm以上の当て板を当て
る。また,凹凸模様を付けたもので平らな面のない場
合は,凹凸面に直径50 mmの当て板を当てて測定する。
単位 mm
図1−製品の厚さの測定位置(例)
・ 測定器を1種類に限
定する必然性はなく,
例示の測定器と同等
以上の精度をもつこ
とを条件に,他の測定
器も使用可能とした。
・ 用いる測定器の精度
は,6.3 長さ及び幅,
6.4 直角度に倣い,例
示の測定器と同等以
上とした。
・ 数値の丸め方は四捨
五入を基本とし,明記
した。
・ 厚さの測定位置は,図
1を変更し,図2によ
ることとし,“(例)”
を削除した。
・ 凹凸模様を付けた製
品及び重ねしろがあ
る製品の測定方法を
明確にした。
・ 測定箇所は通常の測
定位置の近傍の厚い
箇所とするため,当て
板の直径を50 mmと
する必要はなく,平板
の場合と同じ直径10
mmとした。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
20
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.5 曲げ
試験
曲げ破壊荷重及びたわみ量試験は,JIS A 1408によ
る。曲げ破壊荷重は,試験片が破壊するまでの最大荷
重を測定し,四捨五入して有効数字3桁の整数に丸め
る。たわみ量は,表5に規定する曲げ破壊荷重時に,
スパン中央で測定し四捨五入して整数に丸める。
なお,表面に凹凸模様を付けた場合は,凹凸のある面
を上にして行う。
6.5 曲げ
試験
曲げ破壊荷重及びたわみ量試験は,JIS A 1408によ
る。曲げ破壊荷重は,試験片が破壊するまでの最大荷
重を有効けた数3けたまで測定し整数に丸める。たわ
み量は,表2に規定する曲げ破壊荷重時に,スパン中
央で測定し整数に丸める。
・ 測定値の丸め方を明
確にした。
・ 凹凸模様のある製品
の加力方向を規定し
た。
6.6 含水
率及びか
さ密度試
験
b) 試験片の厚さは,図3に示す試験片の四隅を,JIS B
7507に規定する目量0.1 mmのノギス又は同等以上
の精度をもつ測定器を用いて測定し,4点の平均値
を四捨五入して小数点以下1桁に丸めて厚さとす
る。表面に凹凸模様を付けた場合は,図3の測定点
の近傍の最も厚い箇所を測定する。長さ及び幅は,
JIS B 7516に規定する目量0.5 mmの直尺1級又は
同等以上の精度をもつ測定器を用いて,長さ及び幅
方向の中央それぞれ1か所を測定する。試験片の厚
さ,長さ及び幅によって,体積(V)を算出する。
注記 体積(V)の単位は,cm3で表す。
単位 mm
図3−含水率及びかさ密度試験片の厚さの測定位置
6.6 含水
率及びか
さ密度試
験
b) 試験片の厚さは,JIS B 7507に規定する目量0.1 mm
のノギスを用い,長さ及び幅は,JIS B 7516に規定
する目量0.5 mmの直尺1級を用いて長さ及び幅方
向の中央それぞれ1か所を測定し,体積(V)を算
出する。
・ 6.2と同様に,他の測
定器の使用も可能と
した。
・ 用いる測定器の精度
は,6.3 長さ及び幅,
6.4 直角度に倣い,例
示の測定器と同等以
上とした。
・ 厚さの測定位置を明
確にし,図3として追
加した。
・ 数値の丸め方は四捨
五入を基本とし,明記
した。
・ かさ密度の単位は
g/cm3であるため,mm
単位で測定した試験
片の寸法によって算
出した体積はcm3に
換算した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
21
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.6 含水
率及びか
さ密度試
験(続き)
c) 試験片を105 ℃±5 ℃に調節した乾燥機に入れ,恒
量になるまで乾燥させ,そのときの質量(W2)を
目量0.5 g以下のはかりで測定する。
なお,恒量は,日間の質量減少量が0.5 g以下に
なったときとする。
含水率Sは式(1),かさ密度ρは式(2)によって算
出し,その平均値を四捨五入して含水率Sは整数
に,かさ密度ρは小数点以下1桁に丸めた値とする。
100
2
2
1
×
−
=
W
W
W
S
(%) ····················· (1)
V
W1
=
ρ
(g/cm3) ····························· (2)
6.6 含水
率及びか
さ密度試
験(続き)
c) 試験片を105 ℃±5 ℃に調節した乾燥機に入れ,恒
量になるまで乾燥させ,そのときの質量(W2)を
目量0.5 g以下のはかりで測定する。
なお,恒量は,日間の質量減少量が0.5 g以下に
なったときとする。
含水率Sは式(1),かさ密度ρは式(2)によって算
出し,その平均値を小数点以下1けたに丸めた値と
する。
100
2
2
1
×
−
=
W
W
W
S
(%) ······················(1)
V
W1
=
ρ
···········································(2)
・ 数値の丸め方は四捨
五入を基本とし,明記
した。
・ 含水率Sは,6.1 表6
に合わせて,整数に丸
めることを明記した。
・ かさ密度の単位を記
載した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
22
A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.7 くぎ
側面抵抗
試験
くぎ側面抵抗試験は,次による。
a) 図4に示すように,試験片の端部から12 mmの位
置に内径2.8 mm±0.1 mmの孔を開ける。
b) a) で設けた孔に,JIS A 5508に規定するCN50太め
鉄丸くぎを直角に試験体を貫通させて打ち込む。
c) 図5に示すジグ(引張りチャック)及び試験機を用
い,変位速度を6±1 mm/minで加力し,破断する
までの最大荷重を測定し,四捨五入して有効数字3
桁の整数に丸める。
図4−くぎ側面抵抗の試験体
図5−くぎ側面抵抗の
試験ジグ例
6.7 くぎ
側面抵抗
試験
くぎ側面抵抗試験は,次による。
a) 図2に示すように,試験片の端部から12 mmの位
置に内径2.8 mm±0.1 mmの孔を開ける。
b) a) で設けた孔に,JIS A 5508に規定するCN50太め
鉄丸くぎを直角に試験体を貫通させて打ち込む。
c) 図3に示すジグ(引張りチャック)及び試験機を用
い,変位速度を6±1 mm/minで加力し,破断する
までの最大荷重を有効けた数3けたまで測定し,整
数に丸めた値とする。
単位 mm
単位 mm
図2−くぎ側面抵抗の試験体
図3−くぎ側面抵抗の
試験ジグ例
・ 測定値の丸め方を明
確にした。
・ 4.1に図1を,6.6 b) に
図3を追加したこと
に伴い,図2を図4
へ,図3を図5へそれ
ぞれ変更した。
6
A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
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A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
7 検査
検査は,合理的な抜取検査方式を用いて,箇条6によ
って試験を行い,箇条4及び箇条5の規定を満足しな
ければならない。検査は,形式検査1)と受渡検査とに区
分し,検査の項目は,それぞれ次のとおりとする。
なお,抜取検査方式は,受渡当事者間の協議による。
注1) 新規設計,設計変更,その他生産条件の変更
があった場合に行う。
a) 形式検査項目
1) 寸法・寸法の許容差
2) 含水率及びかさ密度
3) 曲げ破壊荷重及びたわみ量
4) くぎ側面抵抗
5) 難燃性又は発熱性
b) 受渡検査項目
1) 寸法・寸法の許容差
2) 含水率及びかさ密度
3) 曲げ破壊荷重及びたわみ量
7 検査
検査は,合理的な抜取検査方式によって試料を抜き取
り,箇条6によって試験を行い,箇条4及び箇条5の
規定を満足しなければならない。
なお,くぎ側面抵抗の試験及び,難燃性試験又は発熱
性試験は,新規設計,設計変更,その他生産条件を変
更したときに行う。
・ 形式検査及び受渡検
査を明確に規定した。
8 表示
製品,包装又は送り状には,次の事項を表示する。た
だし,e) については送り状その他適切な方法でもよい。
a) 規格番号,及び種類又はその記号
b) 寸法(厚さ×幅×長さ)(mm)
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号
e) 難燃性又は発熱性の等級
f) 凹凸模様を付けた製品の表示(凹凸模様を付けた場
合に限る。)
例 エンボス板
8 表示
製品,包装又は送り状には,次の事項を表示する。た
だし,e) については送り状その他適切な方法でもよい。
a) 規格番号,及び種類又はその記号
b) 寸法(厚さ×幅×長さ)(単位:mm)
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月又はその略号
e) 難燃性又は発熱性の等級
・ 凹凸模様を付けた製
品については,その旨
を表示することを追
加した。
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A
5
4
0
4
:
2
0
1
9
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A 5404:2019
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5404:2019)
旧規格(JIS A 5404:2007)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書A
A.4 試験
条件
b)
試験体は,側面及び裏面を厚さ0.025 mm以上,0.04
mm以下のアルミニウムはくで包んで押さえ枠に入れ,
更に裏面側に無機繊維(密度64〜128 kg/m3)を充塡し
てから,試験体ホルダーに押し込む。
附属書A
A.4 試験
条件
A.4.2
試験体は,側面及び裏面を厚さ0.025 mm以上,0.04
mm以下のアルミニウムはくで包んで押さえ枠に入れ,
更に裏面側に無機繊維(公称厚さ13 mm,密度65 kg/m3)
を充てん(填)してから,試験体ホルダーに押し込む。
・ 有害性を指摘された
無機繊維“リフラクト
リーセラミックファ
イバー(RCF)”の代
替品の特性に表記を
変更した。
A.6 判定
表A.1−
発熱性判
定基準
加熱時間終了時までの総発熱量が8.0 MJ/m2以下とす
る。
A.6 判定
表A.1−
発熱性判
定基準
加熱時間終了時までの総発熱量が8 MJ/m2以下とす
る。
・ 判定値を明確にする
ため,小数点以下2
桁まで測定し,四捨五
入して小数点以下1
桁の表示として,判定
することに変更した。
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A
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4
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