A 5373:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
5 品質······························································································································· 2
5.1 外観 ···························································································································· 2
5.2 性能 ···························································································································· 2
6 形状,寸法及び寸法の許容差 ······························································································ 2
7 配筋及び配筋の許容差 ······································································································· 3
8 材料及び製造方法 ············································································································· 3
9 試験方法························································································································· 4
9.1 外観試験 ······················································································································ 4
9.2 性能試験 ······················································································································ 4
9.3 配筋の測定 ··················································································································· 4
10 検査 ····························································································································· 4
10.1 検査区分及び検査項目 ··································································································· 4
10.2 検査方法 ····················································································································· 5
10.3 検査の判定 ·················································································································· 5
11 製品の呼び方 ················································································································· 5
12 表示 ····························································································································· 5
13 報告 ····························································································································· 5
附属書A(規定)ポール類 ····································································································· 6
推奨仕様A-1 プレストレストコンクリートポール ····································································· 10
附属書B(規定)橋りょう類 ································································································· 18
推奨仕様B-1 道路橋用橋げた ································································································ 26
推奨仕様B-2 道路橋橋げた用セグメント·················································································· 34
推奨仕様B-3 合成床版用プレキャスト板·················································································· 43
推奨仕様B-4 道路橋用プレキャスト床版·················································································· 47
附属書C(規定)擁壁類 ······································································································· 52
推奨仕様C-1 プレストレストコンクリート矢板 ········································································ 57
附属書D(規定)暗きょ類 ···································································································· 69
推奨仕様D-1 プレストレストコンクリート管 ··········································································· 74
推奨仕様D-2 プレストレストコンクリートボックスカルバート···················································· 83
附属書E(規定)くい類 ······································································································· 92
推奨仕様E-1 プレストレストコンクリートくい ········································································ 100
A 5373:2016 目次
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ページ
附属書F(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 109
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(3)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,特定非営利活動法
人コンクリート製品JIS協議会(JPCC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本工業規格である。これによって,JIS A 5373:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成28年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS A 5373:2010によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
A 5373:2016
プレキャストプレストレストコンクリート製品
Precast prestressed concrete products
1
適用範囲
この規格は,プレストレストコンクリート製のプレキャストコンクリート製品(以下,PC製品という。)
について規定する。ただし,日本工業規格が別途定められている,建築用コンクリート製品及びその他の
コンクリート製品には,この規格は適用しない。
この規格は,プレストレストコンクリート構造とすることを意図しない施工上の安全確保などを目的と
してPC鋼材1) などを用いている製品には,適用しない。
なお,技術的に重要な改正に関する新旧対照表を,附属書Fに記載する。
注1) PC鋼材とは,JIS G 3109,JIS G 3137,及びJIS G 3502に規定する材料をいう。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法
JIS A 1136 遠心力締固めコンクリートの圧縮強度試験方法
JIS A 5361 プレキャストコンクリート製品−種類,製品の呼び方及び表示の通則
JIS A 5362 プレキャストコンクリート製品−要求性能とその照査方法
JIS A 5363 プレキャストコンクリート製品−性能試験方法通則
JIS A 5364 プレキャストコンクリート製品−材料及び製造方法の通則
JIS A 5365 プレキャストコンクリート製品−検査方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203によるほか,次による。
3.1
I類
製品の性能が満足されることが,実績によって確認された仕様に基づいて製造されるPC製品で,附属
書に推奨仕様が示されているもの。
3.2
II類
受渡当事者間の協議によって,性能及び仕様を定めて製造されるPC製品。
2
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4
種類
PC製品の種類は,用途によって表1のとおりとする。
なお,製品は,性能及び仕様の定め方によって,I類とII類とに区分する。
表1−PC製品の種類
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.2による。
橋りょう類
B.2による。
擁壁類
C.2による。
暗きょ類
D.2による。
くい類
E.2による。
その他の製品
例 防災施設類
受渡当事者間の協議による。
注記 附属書には,推奨仕様のあるI類と推奨仕様のないII類とが含まれる。
5
品質
5.1
外観
PC製品には,使用上有害な,きず,ひび割れ,欠け,反り,ねじれ(板状製品の場合)などがあっては
ならない。
5.2
性能
PC製品の種類に応じた性能は,表2の規定に適合しなければならない。ただし,性能の照査に性能試験
を適用する場合は,PC製品では9.2による。
表2−PC製品の性能
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.3による。
橋りょう類
B.3による。
擁壁類
C.3による。
暗きょ類
D.3による。
くい類
E.3による。
その他の製品
例 防災施設類
a) 性能 具体的な性能項目の選択・指定は,JIS A 5362に
よって受渡当事者間の協議による。
なお,性能と製品仕様(寸法,材料,構造など)との
相関性が実績によって明らかな場合には,b) に示す製品
仕様を指定することによって,代替してもよい。
b) 性能代替仕様 次による。
1) 寸法
2) コンクリートの圧縮強度
3) 配筋条件
4) 有効プレストレス
6
形状,寸法及び寸法の許容差
形状,寸法及び寸法の許容差は,表3による。
3
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表3−PC製品の形状,寸法及び寸法の許容差
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.4による。
橋りょう類
B.4による。
擁壁類
C.4による。
暗きょ類
D.4による。
くい類
E.4による。
その他の製品
例 防災施設類
受渡当事者間の協議による。
7
配筋及び配筋の許容差
PC製品の配筋(鉄筋及びPC鋼材)及び配筋の許容差は,9.3によって,配筋の測定を行い,次のa) 及
びb) の規定に適合しなければならない。
a) 配筋 配筋(鉄筋のかぶりを含む。)は,表4による。ただし,受渡当事者間の合意に基づき,PC製
品の性能(5.2の規定を含む。)を損なわない範囲で,表4以外の配筋方法を採用しても差し支えない。
また,製造業者は,配筋設計図を製品ごとに作成し,購入者から要求があった場合には,その内容を
提示しなければならない。
表4−PC製品の配筋
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.5による。
橋りょう類
B.5による。
擁壁類
C.5による。
暗きょ類
D.5による。
くい類
E.5による。
その他の製品
例 防災施設類
製造業者が定める。
注記 配筋設計を行う場合の一般的注意事項は,次によることが望ましい。
− 鉄筋及びPC鋼材の最小あきは,粗骨材最大寸法の5/4倍以上とするのがよい。
− 必要な鉄筋及びPC鋼材の断面積は,構造計算又は構造細目から決まるが,その
断面積を満足するための鉄筋及びPC鋼材の径及び本数の組合せは一つではな
い。鉄筋並びにPC鋼材の径及び本数は,部材の厚さ,用いる粗骨材の最大寸法
などを考慮し,鉄筋及びPC鋼材とコンクリートとの付着が十分に得られるよう,
また,コンクリート部材のひび割れ分散性が良好になるように選定し,これを配
置する。
b) 配筋の許容差 配筋の許容差2) は,要求性能を満足する範囲内で,製品の種類ごとに製造業者が定め
る。
注2) 配筋の許容差とは,配筋設計図に示された鉄筋及びPC鋼材の位置と製品の鉄筋及びPC鋼材
の位置とのずれの限度値をいう。
8
材料及び製造方法
PC製品に使用する材料及び製造方法は,JIS A 5364による。
4
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9
試験方法
9.1
外観試験
外観試験は,目視によって行い,使用上有害な,きず,ひび割れ,欠け,反り,ねじれ(板状製品の場
合)などの有無を調べる。
9.2
性能試験
性能の試験方法は,JIS A 5363及び表5による。
表5−PC製品の性能試験方法
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.7による。
橋りょう類
B.7による。
擁壁類
C.7による。
暗きょ類
D.7による。
くい類
E.7による。
その他の製品
例 防災施設類
受渡当事者間の協議による。
9.3
配筋の測定
配筋の測定は,鉄筋及びPC鋼材の径,本数及びかぶりについて行うものとし,その方法は,次のいず
れかによる。
a) 非破壊試験による測定方法 非破壊試験による測定は,電磁誘導法,レーダー法などを用いて行い,
それぞれ指定された測定方法に従い,鉄筋及びPC鋼材の径,並びに本数及びかぶりを測定する。
b) 破壊試料による測定方法 破壊試料による測定は,外圧試験などの性能試験を終了した試料を用いて
行い,その試料のコンクリート部分をはつり,鉄筋を露出させた後,鉄筋及びPC鋼材の径,並びに
本数及びかぶりを測定する。
c) 打設前配筋による測定方法 コンクリート打設前後の鉄筋及びPC鋼材の位置が,鉄筋及びPC鋼材の
組立方法,型枠への鉄筋及びPC鋼材の固定方法,かぶりの確保方法などによって,変化しないもの
であるときは,コンクリート打設前の鉄筋及びPC鋼材の径,並びに本数及びかぶりを測定すること
によって,完成品の鉄筋及びPC鋼材の位置とみなすことができる。
10
検査
10.1
検査区分及び検査項目
PC製品の検査は,最終検査と受渡検査とに区分し,次による。
a) 最終検査 製品の製造業者は,次に示す検査項目について最終検査を行う。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
5
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10.2
検査方法
PC製品の検査方法は,JIS A 5365及び表6による。
表6−PC製品の検査方法
種類
適用する附属書の箇条
ポール類
A.8による。
橋りょう類
B.8による。
擁壁類
C.8による。
暗きょ類
D.8による。
くい類
E.8による。
その他の製品
例 防災施設類
受渡当事者間の協議による。
10.3
検査の判定
検査の判定方法は,JIS A 5365による。
11
製品の呼び方
製品の呼び方は,JIS A 5361による。
12
表示
PC製品には,JIS A 5361に規定する事項を表示する。ただし,この規格の附属書において特別に表示方
法を定めてある場合には,その規定に従うものとする。また,II類に該当する製品については,次の事項
を製品に表示しなければならない。
a) “II類”の文字又はその略号
b) 種類(製造業者が定めた呼び)又はその略号
c) その他必要となる事項又はその略号
13
報告
製造業者は,購入者から要求があった場合には,製品の外観,性能,形状・寸法などに関する報告書を
提出しなければならない。
6
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附属書A
(規定)
ポール類
A.1 概要
この附属書は,主として通信,信号及び電柱に用いるポール類のI類及びII類について規定する。
A.2 種類
ポール類の種類は,表A.1による。
なお,I類は,表A.2による。
表A.1−ポール類の種類
大分類
小分類
ポール類
プレストレストコンクリートポール
照明用化粧ポール
その他
表A.2−ポール類I類の種類
種類
用途による区分
照査による区分
詳細
1種
送電,配電,通信,信号など
ひび割れ試験荷重
推奨仕様A-1による。
2種
鉄道,軌道(無軌条電車を含む。)に
おける電線路など
限界ひび割れ幅耐力
注記 限界ひび割れ幅耐力とは,曲げひび割れ幅が限界値に至らない耐力を示す。
A.3 性能
ポール類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様A-1の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間
の協議によって定める。一般には表A.3の規定によってもよい。
表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
性能照査方法
使用性
使用時に想定される荷重によって所定の機能を失わず,快適に
使用できなければならない。
設計図書,A.7又は実績に
よる。
安全性a)
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。
なお,継手部の性能についても,同様とする。
設計図書,A.7又は実績に
よる。
耐久性b)
想定される作用によるひび割れ,材料特性の経時的な低下など
によって,所要の性能が損なわれてはならない。
設計図書又は実績による。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合などの作
業を安全かつ容易に行うことができなければならない。
設計図書又は実績による。
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表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法(続き)
ポール類に使用するPC鋼材は,受渡当事者間で協議の上,応力腐食割れに対する耐久性能が確認されたものを使
用する。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが同等で製
造方法が同様の製品の実績によってもよい。
A.4 形状,寸法及び寸法の許容差
ポール類の形状,寸法及び寸法の許容差は,次による。ただし,I類は,設計思想に差がなく,性能及
び性能照査方法が同じであれば,所要の性能を満足する範囲で購入者の要求によって基準寸法を±10 %の
範囲で変更することができる。
a) 形状 ポール類の形状例を,図A.1に示す。また,必要に応じて継手部を設けることができる。
単位 mm
図A.1−ポール類の形状例
b) 寸法及び寸法の許容差 I類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,表A.4による。ただし,
キャップ及び底ぶたは,長さに算入しない。II類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,受渡
当事者間の協議による。
8
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表A.4−ポール類の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
長さ
厚さ
末口径
元口径
直径
プレストレスト
コンクリートポ
ール
寸法
7〜17(m) 設計図書による。
120〜220
230〜450
300〜400
許容差
+50
−10
+規定しない
−0
+4
−2
− 末口径,元口径及び直径は,端部の一断面において直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入し整
数に丸める。
− 厚さは,端部の一断面において直交軸に沿って測定した四つの値の平均値を四捨五入し整数に丸める。
A.5 配筋
配筋は,箇条7,JIS A 5364及び設計図書による。ただし,受渡当事者間の協議に基づき,製品の性能
(A.3の規定を含む。)を損なわない範囲で,推奨仕様以外の配筋を採用しても差し支えない。また,ポー
ル類の配筋は,A.3を満足する配筋を製品ごとに製造業者が定める。
A.6 コンクリートの品質
A.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8による。
A.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,50 N/mm2以上とする。また,プレストレス導入時の
圧縮強度は,支持点において与えられるプレストレスの1.7倍以上,荷重点において与えられるプレスト
レスの1.3倍以上で,かつ,25 N/mm2以上とする。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
A.7 試験方法
A.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108又はJIS A 1136による。
なお,供試体は,製品と同一養生を行ったもの,又はその他適切な方法によって管理したものとする。
A.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363による。
A.8 検査
検査は,JIS A 5365によるほか,次による。
a) 最終検査 ポール類の最終検査は,外観,性能,形状及び寸法について行い,次による。
1) 外観 外観については,製品の特性,製造方法,製造数量などを考慮して,全数検査又は抜取検査
とする。
2) 性能,形状及び寸法 性能,形状及び寸法については,抜取検査とする。
性能を代用特性として供試体で行う場合には,製品との相関を得ておかなければならない。
3) 検査ロットの大きさ 検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注
数量などを考慮し製造業者が定める。
検査ロットは,製品の特性,使用材料,コンクリートの配合,製造方法などが同じものとする。
9
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b) 受渡検査 ポール類の受渡検査は,外観,形状及び寸法について行う。検査ロットの大きさ及び抜取
方式は,受渡当事者間の協議によって,購入者が定める。ただし,受渡当事者間の協議によって,省
略することができる。
A.9 表示
ポール類には,JIS A 5361によって,次の事項を表示する。
a) 種類又はその略号
b) 製品の呼び
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年月日又はその略号
A.10 その他(推奨仕様)
ポール類のI類を,表A.5に示す。
表A.5−推奨仕様
構造別製品群規格
推奨仕様
JIS A 5373
附属書A ポール類
推奨仕様A-1 プレストレストコンクリートポール
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推奨仕様A-1
プレストレストコンクリートポール
A-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Aのうち,ポール類I類のプレストレストコンクリートポール(以下,ポール
という。)について記載する。
A-1.2 種類
ポールの種類は,1種及び2種とする。
a) 1種は,寸法及びひび割れ試験荷重によって,推奨仕様A-1 表1のとおり区分する。
b) 2種は,寸法及び限界ひび割れ幅耐力によって,推奨仕様A-1 表2のとおり区分する。
推奨仕様A-1 表1−寸法及びひび割れ試験荷重(1種)
長さ
L
m
荷重点
の高さ
m
支持点
の高さ
l′
m
ひび割れ試験荷重 kN
末口径
120 mm
140 mm
190 mm
220 mm
7
5.55
1.2
−
1.5
−
−
8
6.35
1.4
−
1.5
2.0
4.3
−
9
7.25
1.5
2.0
2.5
3.5
4.3
5.0
−
10
8.05
1.7
2.0
2.5
3.5
5.0
−
11
8.85
1.9
2.0
−
3.5
5.0
−
12
9.75
2.0
−
−
3.5
5.0
7.0
−
13
10.55
2.2
−
−
3.5
5.0
7.0
−
14
11.35
2.4
−
−
3.5
5.0
7.0
−
15
12.25
2.5
−
−
5.0
7.0
−
11.95
2.8
−
−
10
10
11.75
3.0
−
−
−
15
16
13.25
2.5
−
−
5.0
7.0
−
12.95
2.8
−
−
10
10
12.75
3.0
−
−
−
15
11
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様A-1 表1−寸法及びひび割れ試験荷重(1種)(続き)
長さ
L
m
荷重点
の高さ
m
支持点
の高さ
l′
m
ひび割れ試験荷重 kN
末口径
120 mm
140 mm
190 mm
220 mm
17
13.95
2.8
−
−
5.0
7.0
10
10
13.75
3.0
−
−
−
15
テーパは,1/75とする。
推奨仕様A-1 表2−寸法及び限界ひび割れ幅耐力(2種)
長さ
L
m
荷重点
の高さ
m
支持点
の高さ
l′
m
限界ひび割れ幅耐力 kN・m
N形
T形
直径
直径
300 mm
350 mm
400 mm
350 mm
8
6.35
1.4
65
50
−
−
65
9
7.25
1.5
65
50
−
−
65
10
8.05
1.7
65
50
−
−
65
75
11
8.85
1.9
65
50
110
90
65
110
75
12
9.75
2.0
65
50
110
90
65
110
75
13
10.55
2.2
−
65
110
90
75
110
14
11.35
2.4
−
75
−
−
注記 N形及びT形は,限界ひび割れ幅耐力の分布によって区分した形別記号であり,形別における限
界ひび割れ幅耐力の大きさ及び分布図を,次の図に示す。
12
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様A-1 表2−寸法及び限界ひび割れ幅耐力(2種)(続き)
L :ポールの長さ
l′ :支持点の高さ
M :推奨仕様A-1 表2に示す限界ひび割れ幅耐力
A-1.3 性能
A-1.3.1 ポール1種
ポール1種の性能は,次による。
a) ひび割れ試験荷重 ポール1種のひび割れ試験荷重(ひび割れ幅0.25 mm以下)は,推奨仕様A-1 表
1に規定する値以上とする。また,ひび割れ試験荷重を除荷したとき,幅0.05 mmを超えるひび割れ
が残留してはならない。
b) 終局荷重 ポール1種の終局荷重は,推奨仕様A-1 表1に規定するひび割れ試験荷重の2倍の値以上
とする。
A-1.3.2 ポール2種
ポール2種の性能は,次による。
a) 限界ひび割れ幅耐力 ポール2種の限界ひび割れ幅耐力(ひび割れ幅0.25 mm以下)は,推奨仕様
A-1 表2に規定する値以上とする。また,限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重を除荷したとき,幅0.05
mmを超えるひび割れが残留してはならない。
b) 終局曲げ耐力 ポール2種の終局曲げ耐力は,推奨仕様A-1 表2に規定する限界ひび割れ幅耐力の2
倍の値以上とする。
c) たわみ ポール2種のたわみは,推奨仕様A-1 表2に規定する限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重の
2/3を加えたとき,長さ8 mのポールは支持点から6 mの位置,長さ9 m以上のポールは支持点から7
mの位置におけるたわみが75 mmを超えてはならないものとする。
A-1.4 形状,寸法及び寸法の許容差
A-1.4.1 形状
ポールの形状は,次による。
a) 1種の形状は,推奨仕様A-1 図1に示すようなテーパをもつ中空せっ(截)頭円すい体とする。
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A 5373:2016
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b) 2種の形状は,推奨仕様A-1 図2に示すような中空円筒体とする。
単位 mm
推奨仕様A-1 図1−ポールの形状(1種)
単位 mm
推奨仕様A-1 図2−ポールの形状(2種)
A-1.4.2 寸法及び寸法の許容差
ポールの寸法は,推奨仕様A-1 表1及び推奨仕様A-1 表2のとおりとし,寸法の許容差は,推奨仕様
A-1 表3による。
なお,A.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときには製造業者は,そ
のポールが,表A.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
推奨仕様A-1 表3−寸法の許容差
単位 mm
種類
長さ
厚さ
末口径
元口径
直径
プレストレス
トコンクリー
トポール
寸法
7〜17(m)
設計図書による。
120〜220
230〜450
300〜400
寸法の
許容差
+50
−10
+規定しない
−0
+4
−2
− 末口径,元口径及び直径は,端部の一断面において直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入し整
数に丸める。
− 厚さは,端部の一断面において直交軸に沿って測定した四つの値の平均値を四捨五入し整数に丸める。
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A-1.5 配筋
ポールの配筋は,次による。
a) PC鋼材及び軸方向鉄筋は,ポールの断面になるべく均等になるように配置しなければならない。
b) PC鋼材及び軸方向鉄筋のあきは,それらの直径の1倍以上,かつ,粗骨材最大寸法の5/4倍以上でな
ければならない。ただし,附属品などを取り付けることによって,PC鋼材及び軸方向鉄筋のあきが規
定値以下となる場合には,遠心力締固めによってコンクリートが十分締め固められていることを確認
しなければならない。
c) PC鋼材及び軸方向鉄筋は,組立筋によって組み立てる。この組立筋は,本体性能を損なわないように
配置しなければならない。
d) PC鋼材又は軸方向鉄筋と組立筋とを溶接によって接合する場合には,PC鋼材又は軸方向鉄筋の機械
的性質が溶接によって,それぞれの規格値以下に低下しないことが保証されていなければならない。
e) かぶりは9 mm以上,かつ,PC鋼材及び軸方向鉄筋の直径の1倍以上でなければならない。
A-1.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,A.6.2による。
A-1.7 試験方法
A-1.7.1 圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,A.7.1による。
A-1.7.2 曲げ耐力試験
ポール1種の曲げ耐力試験は,ポールを推奨仕様A-1 図3のように据え,まくら材などを当てて固定す
る。載荷点において,ポールの軸にできるだけ直交する方向に荷重を加える。載荷は,緩やかな速さで,
ひび割れ試験荷重まで行い,ひび割れ幅及びたわみを測定する。このとき,ひび割れ幅0.25 mmを超える
ひび割れの有無を調べる。その後,荷重を除去し,残留ひび割れ幅を測定する。このとき,残留ひび割れ
幅0.05 mmを超えるひび割れの有無を調べる。さらに,必要に応じてポールの終局荷重まで同様な方法で
荷重を加える。試験に用いるひび割れ試験荷重及び終局荷重は,推奨仕様A-1 表4に示す。
ポール2種の曲げ耐力試験は,ポール1種と同様とする。ただし,載荷には,推奨仕様A-1 表5に示す
限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重及び終局荷重を用いる。
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A 5373:2016
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単位 mm
注a) 図中の固定装置(固定台,まくら材及びジャッキ)は,一例を示したものである。
推奨仕様A-1 図3−ポールの曲げ耐力試験方法(1種の例)
推奨仕様A-1 表4−ポールのひび割れ試験荷重及び終局荷重(1種)
単位 kN
製品の呼び
ひび割れ試験荷重
終局荷重
7-14-1.5,8-14-1.5
1.5
3.0
8-14-2.0,9-12-2.0,10-12-2.0,11-12-2.0
2.0
4.0
9-14-2.5,10-14-2.5
2.5
5.0
9-19-3.5,10-19-3.5,11-19-3.5,12-19-3.5,
13-19-3.5,14-19-3.5
3.5
7.0
8-19-4.3,9-19-4.3
4.3
8.6
9-19-5.0,10-19-5.0,11-19-5.0,12-19-5.0,
13-19-5.0,14-19-5.0,15-19-5.0,16-19-5.0,
17-19.5.0
5.0
10.0
12-19-7.0,13-19-7.0,14-19-7.0,15-19-7.0,
16-19-7.0,17-19-7.0
7.0
14.0
15-19-10.0,16-19-10.0,17-19-10.0,
15-22-10.0,16-22-10.0,17-22-10.0
10.0
20.0
15-22-15.0,16-22-15.0,17-22-15.0
15.0
30.0
注記 製品の呼びとは,長さ(m)−末口径(cm)−ひび割れ試験荷重(kN)を示す。
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推奨仕様A-1 表5−ポールの限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重及び終局荷重(2種)
単位 kN
製品の呼び
荷重点の
高さ
m
限界ひび割れ幅耐力に
相当する荷重
終局荷重
8-35-N50
6.35
7.9
15.8
8-30-N65,8-35-N65
10.3
20.6
9-35-N50
7.25
6.9
13.8
9-30-N65,9-35-N65
9.0
18.0
10-35-N50
8.05
6.3
12.6
10-30-N65,10-35-N65
8.1
16.2
10-35-N75
9.4
18.8
11-35-N50
8.85
5.7
11.4
11-30-N65,11-35-N65
7.4
14.8
11-35-N75
8.5
17.0
11-35-T90
10.2
20.4
11-40-N110,11-35-T110
12.5
25.0
12-35-N50
9.75
5.2
10.4
12-30-N65,12-35-N65
6.7
13.4
12-35-N75
7.7
15.4
12-35-T90
9.3
18.6
12-40-N110,12-35-T110
11.3
22.6
13-35-N65
10.55
6.2
12.4
13-35-N75
7.2
14.4
13-35-T90
8.6
17.2
13-40-N110,13-35-T110
10.5
21.0
14-35-N75
11.35
6.7
13.4
注記 製品の呼びとは,長さ(m)−直径(cm)−形別記号,限界ひび割れ幅耐力(kN・
m)を示す。
A-1.8 検査
A-1.8.1 検査項目
ポールの検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
A-1.8.2 検査ロット
ポールの検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量などを考慮し,
最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。ただし,検査ロ
ットの大きさは,3 000本又は端数を1ロットとしてよい。
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A-1.8.3 検査方法
ポールの検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 ひび割れ試験荷重(1種)及び限界ひび割れ幅耐力(2種)の検査は,1ロットから任意に2
本抜き取り,A-1.7.2によって行い,2本ともA-1.3の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2
本とも適合しなければ,そのロットを不合格とする。この検査で1本だけ規定に適合しないときは,
そのロットから更に4本抜き取って再検査を行い,4本とも規定に適合すれば,最初の検査の不合
格品を除き,そのロットを合格とし,再検査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格と
する。
終局荷重(1種)及び終局曲げ耐力(2種)の検査は,ひび割れ試験荷重(1種)及び限界ひび割
れ幅耐力(2種)の検査の初めの2本のうち1本について,A-1.7.2によって行い,A-1.3の規定に
適合すれば,そのロットを合格とし,適合しなければ,そのロットから更に2本抜き取って再検査
を行い,2本とも規定に適合すれば,最初の検査の不合格品を除き,そのロットを合格とし,再検
査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットから任意に2本抜き取り,A-1.4の規定に適合すれ
ば,そのロットを合格とする。この検査で1本でも適合しないときは,そのロットの残り全数につ
いて検査を行い,規定に適合すれば合格とする。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる,又は次による。
抜取検査を採用する場合には,任意に2本抜き取り,2本とも5.1の規定に適合すれば,そのロッ
トを合格とする。この検査で1本でも適合しないときは,そのロットの残り全数について検査を行
い,規定に適合すれば合格とする。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
A-1.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合したポールには,A.9によって,表示する。
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附属書B
(規定)
橋りょう類
B.1
概要
この附属書は,主として道路に用いる橋りょう類のI類及びII類について規定する。
B.2
種類
橋りょう類の種類は,表B.1による。
なお,I類は,表B.2による。
表B.1−橋りょう類の種類
大分類
小分類
橋りょう類
橋げた
道路橋用橋げた
道路橋橋げた用セグメント
床版
合成床版用プレキャスト板
道路橋用プレキャスト床版
その他
表B.2−橋りょう類I類の種類
用途・形状による区分
詳細
橋げた
道路橋用橋げた
通常橋げた
スラブ橋げた
推奨仕様B-1による。
けた橋げた
軽荷重スラブ橋げた
道路橋橋げた用セグメントa)
推奨仕様B-2による。
床版
合成床版用プレキャスト板
推奨仕様B-3による。
道路橋用プレキャスト床版
推奨仕様B-4による。
注a) 一組の数個のセグメントをPC鋼材を用いて組み立てることによって,1本の橋げたと
なるPC製品。
B.3
性能
橋りょう類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様B-1,推奨仕様B-2,推奨仕様B-3又は推奨仕様B-4
の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間
の協議によって定める。一般には表B.3の規定によってもよい。
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表B.3−橋りょう類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
性能照査方法
使用性
使用時に想定される荷重によって所定の機能を失わず,快
適に使用できなければならない。
設計図書,B.7又は実績によ
る。
安全性a)
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。
設計図書,B.7又は実績によ
る。
耐久性b)
想定される作用によるひび割れ,材料の経時的な低化によ
って,所要の性能が損なわれてはならない。
設計図書又は実績による。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合など
の作業を安全かつ容易に行うことができなければならな
い。
設計図書又は実績による。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが同等
で製造方法が同様の製品の実績によってもよい。
B.4
形状,寸法及び寸法の許容差
橋りょう類の形状,寸法及び寸法の許容差は,次による。ただし,I類は,設計思想に差がなく,性能
及び性能照査方法が同じであれば,所要の性能を満足する範囲で購入者の要求によって基準寸法を±10 %
の範囲で変更することができるが,道路橋用橋げた及び道路橋用プレキャスト床版については基準寸法の
変更の範囲は,推奨仕様による。
a) 形状 橋りょう類の形状を,図B.1,図B.2,図B.3及び図B.4に示す。
図B.1−道路橋用橋げたの形状例
20
A 5373:2016
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図B.2−道路橋橋げた用セグメントの形状例
図B.3−合成床版用プレキャスト板の形状例
図B.4−道路橋用プレキャスト床版の形状例
b) 寸法及び寸法の許容差 I類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,次による。
なお,II類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,受渡当事者間の協議による。
1) 橋げた 橋げたの寸法及び寸法の許容差は,表B.4による。
2) 床版 床版の寸法及び寸法の許容差は,表B.5による。
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表B.4−橋げたの寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
高さ
又は厚さ
幅
(橋軸直角方向)
長さ
(橋軸方向)
スラブ橋げた
寸法
350〜1 000
700
けた長L(m) 5.3〜24.7
許容差
±5
±5
L≦10 mの場合
±10
L>10 mの場合
±L a) / 1 000
軽荷重スラブ橋げた
寸法
225〜400
700
けた長L(m) 5.3〜13.5
許容差
±5
±5
L≦10 mの場合
±10
L>10 mの場合
±L a) / 1 000
けた橋げた
寸法
900〜1 300
800
けた長L(m) 18.6〜24.7
許容差
±5
±5
±L a) / 1 000
道路橋
橋げた用セグメント
寸法
1 400〜3 300
1 300
セグメント長L(m) 4.05〜11.5
許容差
+10
− 5
上幅+10
− 5
下幅± 5
±10
注a) けた長Lは,mmで表す。
表B.5−床版の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
厚さ
幅
(橋軸方向)
長さ
(橋軸直角方向)
合成床版用
プレキャスト板
寸法
70〜120
998
PC板長 L(m)
PCげたの場合 1.57〜3.12
鋼げたの場合 1.50〜3.05
許容差
+5
−2
+5
−3
+10
− 5
道路橋用
プレキャスト床版
寸法
H1
240〜320
1 990
床版長L(m) 7.9〜18.5
H2
340〜420
許容差
+10
0
+ 5
−10
+20
0
B.5
配筋
配筋(PC鋼材及び鉄筋の位置)は,JIS A 5364及び設計図書による。ただし,受渡当事者間の合意に基
づき,製品の性能(B.3の規定を含む。)を損なわない範囲で,推奨仕様以外の配筋(PC鋼材及び鉄筋の
位置)を採用しても差し支えない。
B.6
コンクリートの品質
B.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8による。
B.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,表B.6の値を満足しなければならない。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
22
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表B.6−コンクリートの圧縮強度
単位 N/mm2
種類
コンクリートの圧縮強度
プレストレス導入時
品質保証時
橋げた
スラブ橋げた
35以上
50以上
軽荷重スラブ橋げた
42以上
70以上
けた橋げた
35以上
50以上
道路橋橋げた用セグメント
35以上
50以上
床版
合成床版用プレキャスト板
30以上
50以上
道路橋用プレキャスト床版
35以上
50以上
B.7
試験方法
B.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108による。
なお,供試体は製品と同一養生を行ったもの,又はその他適切な方法によって管理したものとする。
B.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363によるものとし,図B.5及び図B.6に示す載荷方法によって,曲げ
ひび割れ荷重Fを載荷し,ひび割れの有無を調べる。
単純桁構造の場合は,次の式によって荷重Fを算出してもよい。連続桁構造の場合は,別途平面骨組計
算によって荷重Fを算出する。
(
)
g
×
−
−
×
−
=
W
a
l
M
M
F
2
4
0
d
ここに,
F: 曲げひび割れ荷重(kN)
M: 曲げひび割れ耐力(kN・m)
Md0: 製品自重による曲げモーメント(kN・m)
W: 載荷装置の質量(t)
l: スパン(m)
a: 載荷位置
橋げたの場合
l<10 mの場合
0.50(m)
l≧10 mの場合
0.75(m)
道路橋用プレキャスト床版の場合
0.25(m)
合成床版用プレキャスト板の場合
0.20(m)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
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注a) 幅約10〜15 cm程度。
図B.5−載荷方法(道路橋用橋げた及び合成床版用プレキャスト板の場合)
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単位 mm
注a) 幅約10〜15 cm程度。
図B.6−載荷方法(道路橋用プレキャスト床版の場合)
B.8
検査
検査は,JIS A 5365によるほか,次による。
a) 最終検査 橋りょう類の最終検査は,外観,性能,形状及び寸法について行い,次による。
1) 外観 外観については,製品の特性,製造方法,製造数量などを考慮して,全数検査とする。
2) 性能,形状及び寸法 性能,形状及び寸法については,全数又は抜取検査とする。
性能を代用特性として供試体で行う場合には,製品との相関を得ておかなければならない。
3) 検査ロットの大きさ 検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注
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A 5373:2016
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数量などを考慮して製造業者が定める。
b) 受渡検査 橋りょう類の受渡検査は,外観,形状及び寸法について行う。検査ロットの大きさ及び抜
取方式は,受渡当事者間の協議によって,購入者が定める。ただし,受渡当事者間の協議によって,
省略することができる。
B.9
表示
橋りょう類には,JIS A 5361によって,次の事項を表示する。
a) 種類又はその略号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日又はその略号
B.10 その他(推奨仕様)
橋りょう類のI類を,表B.7に示す。
表B.7−推奨仕様
構造別製品群規格
推奨仕様
JIS A 5373
附属書B
橋りょう類
橋げた
推奨仕様B-1 道路橋用橋げた
推奨仕様B-2 道路橋橋げた用セグメント
床版
推奨仕様B-3 合成床版用プレキャスト板
推奨仕様B-4 道路橋用プレキャスト床版
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推奨仕様B-1
道路橋用橋げた
B-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Bのうち,橋りょう類I類の道路橋用橋げた(以下,橋げたという。)について
記載する。
B-1.2 種類
橋げたの種類は,通常橋げた及び軽荷重スラブ橋げたとし,標準スパンによって,推奨仕様B-1 表1,
推奨仕様B-1 表2及び推奨仕様B-1 表3のとおり区分する。
B-1.2.1 通常橋げた1)
通常橋げたは,スラブ橋げた及びけた橋げたとし,次による。
注1) 通常橋げたとは,道路法に規定される高速自動車国道,一般国道,都道府県道及び重要な市町
村道,又はその他の重要な道路に使用される橋げたをいう。
a) スラブ橋げた スラブ橋げたは,推奨仕様B-1 表1に示す。
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推奨仕様B-1 表1−スラブ橋げたの種類及び曲げひび割れ耐力
標準スパン
m
A活荷重a)
B活荷重b)
種類
けた高
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
種類
けた高
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
5
AS05
350
148
BS05
350
153
6
AS06
350
170
BS06
350
182
7
AS07
400
211
BS07
400
227
8
AS08
400
253
BS08
400
271
9
AS09
450
294
BS09
450
314
10
AS10
450
338
BS10
450
370
11
AS11
450
370
BS11
500
433
12
AS12
450
405
BS12
500
475
13
AS13
500
478
BS13
500
526
14
AS14
500
532
BS14
550
610
15
AS15
550
616
BS15
600
696
16
AS16
600
702
BS16
600
764
17
AS17
650
862
BS17
650
863
18
AS18
700
962
BS18
700
960
19
AS19
750
1 050
BS19
750
1 140
20
AS20
750
1 150
BS20
800
1 260
21
AS21
800
1 270
BS21
850
1 440
22
AS22
850
1 470
BS22
900
1 640
23
AS23
900
1 630
BS23
950
1 780
24
AS24
950
1 830
BS24
1 000
2 020
− 橋りょうとしての橋げた中心間隔が,0.77 mを超えてはならない。
− 橋りょうとして用いる場合,斜角が60度以上に適用する。
− 使用するスパンは,標準スパンより長くする場合は0.2 m以内で長くし,短くする場合は1 m以内で
短くしてもよい。
注a) A活荷重とは,道路構造令の設計自動車荷重のうち,大型車の走行頻度の比較的低い状況を想定し
た活荷重。
b) B活荷重とは,道路構造令の設計自動車荷重のうち,大型車の走行頻度の比較的高い状況を想定し
た活荷重。
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b) けた橋げた けた橋げたは,推奨仕様B-1 表2に示す。
推奨仕様B-1 表2−けた橋げたの種類及び曲げひび割れ耐力
標準スパン
m
A活荷重a)
B活荷重b)
種類
けた高
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
種類
けた高
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
18
AG18
900
1 270
BG18
1 000
1 450
19
AG19
1 000
1 490
BG19
1 000
1 500
20
AG20
1 000
1 560
BG20
1 100
1 790
21
AG21
1 100
1 890
BG21
1 100
1 910
22
AG22
1 100
1 920
BG22
1 200
2 270
23
AG23
1 200
2 280
BG23
1 200
2 300
24
AG24
1 200
2 310
BG24
1 300
2 690
− 橋りょうとしての橋げた中心間隔が,1.08 mを超えてはならない。
− 橋りょうに用いる場合,斜角が70度以上に適用する。
− 使用するスパンは,標準スパンより長くする場合は0.2 m以内で長くし,短くする場合は1 m以内
で短くしてもよい。
注a) A活荷重とは,道路構造令の設計自動車荷重のうち,大型車の走行頻度の比較的低い状況を想定
した活荷重。
b) B活荷重とは,道路構造令の設計自動車荷重のうち,大型車の走行頻度の比較的高い状況を想定
した活荷重。
B-1.2.2 軽荷重スラブ橋げた
軽荷重スラブ橋げた2) は,推奨仕様B-1 表3に示す。
注2) 軽荷重スラブ橋げたとは,道路法に規定されていない,通常の橋げたよりも設計荷重の小さい
道路に使用される橋げたをいう。
推奨仕様B-1 表3−軽荷重スラブ橋げたの種類及び曲げひび割れ耐力
標準スパン
m
種類
けた高
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
5
LS05
225
76.1
6
LS06
225
93.7
7
LS07
225
108
8
LS08
250
132
9
LS09
275
168
10
LS10
300
207
11
LS11
350
258
12
LS12
375
320
13
LS13
400
376
− 橋りょうとしての橋げた中心間隔が,0.77 mを超えてはならない。
− 橋りょうに用いる場合,斜角が60度以上に適用する。
− 使用するスパンは,標準スパンより長くする場合は0.2 m以内で長くし,短くす
る場合は1 m以内で短くしてもよい。
B-1.3 性能
橋げたの要求性能は,曲げひび割れ耐力とし,推奨仕様B-1 表1,推奨仕様B-1 表2及び推奨仕様B-1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3に示す曲げひび割れ耐力を用いてB.7.2によって算出したひび割れ荷重を加えたとき,ひび割れが発
生してはならない。
B-1.4 形状,寸法及び寸法の許容差
橋げたの形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様B-1 図1,推奨仕様B-1 図2,推奨仕様B-1 図3及
び推奨仕様B-1 表4による。
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときは,製造業者は,そ
の橋げたが表B.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
注記 受渡当事者間の協議によって,道路橋用橋げたとしての性能を損なわない範囲で必要な附属物
を設けたり,又は適切な加工をすることができる。
単位 mm
単位 mm
推奨仕様B-1 図1−スラブ橋げたの形状及び寸法
(通常橋げた)
推奨仕様B-1 図2−けた橋げたの形状及び寸法
(通常橋げた)
単位 mm
推奨仕様B-1 図3−スラブ橋げたの形状及び寸法
(軽荷重スラブ橋げた)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-1 表4−寸法の許容差
単位 mm
区分
許容差
けた長 L
L≦10 m
±10
L>10 m
±000
1
a)
L
断面の外形寸法
±5
橋げたの反りb)
±8 c)
横方向の曲がり
10
注a) けた長Lはmmで表す。
b) スパン中央の値とする。
c) 一径間に使用する橋げたの本数を一組とし,その反りの平均値からの許
容差とする。
B-1.5 配筋
橋げたの配筋は,設計図書によるほか,次による。
a) 鉄筋及びPC鋼材のかぶりは,25 mm以上。
b) 鉄筋及びPC鋼材のあきは,20 mm以上で,PC鋼材については,直径の3倍以上のあきを確保し,か
つ,粗骨材の最大寸法の4/3倍以上。
c) 鉄筋及びPC鋼材は,コンクリートの付着を害する浮きさび,油などを取り除き,正しい位置に固定
される方法で組み立てる。
B-1.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-1.7 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は幅約10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用
いて,荷重が均等に分布されるようにする。
B-1.8 検査
B-1.8.1 検査項目
橋げたの検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
B-1.8.2 検査ロット
橋げたの検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量などを考慮し,
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最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。ただし,検査ロ
ットの大きさは,400本又は端数を1ロットとしてもよい。
B-1.8.3 検査方法
橋げたの検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットの橋げたから2本の橋げたを抜き取り,B-1.7によって行い,2本と
もB-1.3の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2本とも適合しなければそのロットを不合格
とする。この検査で2本のうち1本だけ規定に適合しないときは,そのロットの残り全数について
試験を行い,規定に適合すれば合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,全数について行い,B-1.4の規定に適合するものを合格とす
る。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
B-1.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合した橋げたには,B.9によって表示する。
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(参考)推奨仕様B-1 道路橋用橋げたの設計手順
道路橋用橋げたの一般的な設計手順及び主な設計項目を,次に示す。
設計の手順
主な設計項目
① 道路条件:道路規格,幅員構成,道路線形,勾配
② 橋りょう条件:活荷重,橋長,スパン及びけた長,斜角
③ 使用材料:
コンクリート:設計基準強度,弾性係数,クリープ係数,
乾燥収縮度,許容応力度
鋼材:使用鋼材の種類,機械的性質,弾性係数,
許容応力度
④ 設計に関わる施工条件の決定
① 橋げたの種類の決定
② 配置間隔
① 荷重計算:死荷重,活荷重,添加物など
② 床版スパン,厚さ
③ 断面諸定数の算出
④ 鋼材配置
⑤ 断面力の算出
⑥ 曲げに対する検討
① 主げたの断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
⑦ せん断に対する検討
⑧ ねじりに対する検討(斜角が小さい場合)
① 横げたの形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 鋼材のかぶり,あき
② 定着具の最小間隔
① 反力,移動量の算出
② 支承の設計
③ 落橋防止システムの設計
① つり上げ時の検討
② 運搬時の検討
スタート
床版の設計
主げたの設計
横げたの設計
構造細目の検討
附属物の設計
架設時の検討
終了
橋げたの種類,配置の決定
設計条件の設定
33
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(参考)推奨仕様B-1 軽荷重スラブ橋げたの設計手順
軽荷重スラブ橋げたの一般的な設計手順及び主な設計項目を,次に示す。
設計の手順
主な設計項目
① 道路条件:道路規格,幅員構成,道路線形,勾配
② 橋りょう条件:活荷重,橋長,スパン及びけた長,斜角
③ 使用材料:
コンクリート:設計基準強度,弾性係数,クリープ係数,
乾燥収縮度,許容応力度
鋼材:使用鋼材の種類,機械的性質,弾性係数,
許容応力度
④ 設計に関わる施工条件の決定
① 橋げたの種類の決定
② 配置間隔
① 主げたの断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 横組鉄筋の位置
② 荷重計算,荷重組合せ
③ 断面力の算出
④ 曲げに対する検討
① 鋼材のかぶり,あき
② 定着具の配置
① 反力,移動量の算出
② 支承の設計
① つり上げ時の検討
② 運搬時の検討
スタート
主げたの設計
横方向の設計
構造細目の検討
附属物の設計
架設時の検討
終了
橋げたの種類,配置の決定
設計条件の設定
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2
道路橋橋げた用セグメント
B-2.1 概要
この推奨仕様は,附属書Bのうち,橋りょう類I類の道路橋橋げた用セグメント(以下,橋げた用セグ
メントという。)について記載する。
B-2.2 種類
橋げた用セグメントの種類は,橋げたの長さによって,推奨仕様B-2 表1のとおり区分する。また,橋
げた用セグメントは,端部,中間及び中央セグメントから構成され,製造時は鉄筋コンクリート製品(RC)
であるが,使用時は数個の部材をPC鋼材で一体化し,プレストレストコンクリート構造となる。
ここに示す種類は,主げた間隔2.6〜3.8 mの道路橋について記載する。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2 表1−橋げた用セグメントの種類とセグメントの構成
橋げた
の標準
スパン
端部セグメント
の種類及び数
中間セグメント
の種類及び数
中央セグメント
の種類及び数
橋げた
の標準
スパン
端部セグメント
の種類及び数
中間セグメント
の種類及び数
中央セグメント
の種類及び数
25 m
T25-aを2個
−
MD25-aを1個
36 m
T36-aを2個
M36-aを2個 MD36-aを1個
T25-bを2個
−
MD25-bを1個
T36-bを2個
M36-bを2個 MD36-bを1個
T25-cを2個
−
MD25-cを1個
T36-cを2個
M36-cを2個 MD36-cを1個
26 m
T26-aを2個
−
MD26-aを1個
37 m
T37-aを2個
M37-aを2個 MD37-aを1個
T26-bを2個
−
MD26-bを1個
T37-bを2個
M37-bを2個 MD37-bを1個
T26-cを2個
−
MD26-cを1個
T37-cを2個
M37-cを2個 MD37-cを1個
27 m
T27-aを2個
−
MD27-aを1個
38 m
T38-aを2個
M38-aを2個 MD38-aを1個
T27-bを2個
−
MD27-bを1個
T38-bを2個
M38-bを2個 MD38-bを1個
T27-cを2個
−
MD27-cを1個
T38-cを2個
M38-cを2個 MD38-cを1個
28 m
T28-aを2個
−
MD28-aを1個
39 m
T39-aを2個
M39-aを2個 MD39-aを1個
T28-bを2個
−
MD28-bを1個
T39-bを2個
M39-bを2個 MD39-bを1個
T28-cを2個
−
MD28-cを1個
T39-cを2個
M39-cを2個 MD39-cを1個
29 m
T29-aを2個
−
MD29-aを1個
40 m
T40-aを2個
M40-aを2個 MD40-aを1個
T29-bを2個
−
MD29-bを1個
T40-bを2個
M40-bを2個 MD40-bを1個
T29-cを2個
M29-cを2個 MD29-cを1個
T40-cを2個
M40-cを4個 MD40-cを1個
30 m
T30-aを2個
−
MD30-aを1個
41 m
T41-aを2個
M41-aを2個 MD41-aを1個
T30-bを2個
M30-bを2個 MD30-bを1個
T41-bを2個
M41-bを4個 MD41-bを1個
T30-cを2個
M30-cを2個 MD30-cを1個
T41-cを2個
M41-cを4個 MD41-cを1個
31 m
T31-aを2個
M31-aを2個 MD31-aを1個
42 m
T42-aを2個
M42-aを2個 MD42-aを1個
T31-bを2個
M31-bを2個 MD31-bを1個
T42-bを2個
M42-bを4個 MD42-bを1個
T31-cを2個
M31-cを2個 MD31-cを1個
T42-cを2個
M42-cを4個 MD42-cを1個
32 m
T32-aを2個
M32-aを2個 MD32-aを1個
43 m
T43-aを2個
M43-aを2個 MD43-aを1個
T32-bを2個
M32-bを2個 MD32-bを1個
T43-bを2個
M43-bを6個 MD43-bを1個
T32-cを2個
M32-cを2個 MD32-cを1個
T43-cを2個
M43-cを6個 MD43-cを1個
33 m
T33-aを2個
M33-aを2個 MD33-aを1個
44 m
T44-aを2個
M44-aを2個 MD44-aを1個
T33-bを2個
M33-bを2個 MD33-bを1個
T44-bを2個
M44-bを6個 MD44-bを1個
T33-cを2個
M33-cを2個 MD33-cを1個
T44-cを2個
M44-cを6個 MD44-cを1個
34 m
T34-aを2個
M34-aを2個 MD34-aを1個
45 m
T45-aを2個
M45-aを2個 MD45-aを1個
T34-bを2個
M34-bを2個 MD34-bを1個
T45-bを2個
M45-bを6個 MD45-bを1個
T34-cを2個
M34-cを2個 MD34-cを1個
T45-cを2個
M45-cを6個 MD45-cを1個
35 m
T35-aを2個
M35-aを2個 MD35-aを1個
省略
T35-bを2個
M35-bを2個 MD35-bを1個
T35-cを2個
M35-cを2個 MD35-cを1個
− 橋げた用セグメントは,運搬・架設を考慮して,1個のセグメントの質量が30 t以下でセグメント間の質量差が少
なくなるよう考慮する。
− 橋りょうに用いる場合には,斜角が70度以上に適用する。
B-2.3 性能
橋げた用セグメントの性能は,コンクリートの圧縮強度を代用特性とし,品質保証時のコンクリートの
圧縮強度を50 N/mm2以上,プレストレス導入時のコンクリートの圧縮強度を35 N/mm2以上とする。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B-2.4 形状,寸法及び寸法の許容差
橋げた用セグメントの形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様B-2 図1,推奨仕様B-2 表2,推奨仕
様B-2 表3,推奨仕様B-2 表4及び推奨仕様B-2 表5による。
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときは製造業者は,その
橋げた用セグメントが表B.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければな
らない。
注記 受渡当事者間の協議によって,橋げた用セグメントとしての性能を損なわない範囲で必要な附
属物を設けたり,又は適切な加工をすることができる。
単位 mm
推奨仕様B-2 図1−橋げた用セグメントの形状
37
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2 表2−端部セグメントの寸法
単位 mm
種類
L1
H1
H2
B
種類
L1
H1
H2
B
T25-
a
8 100
1 400
200
220
T36-
a
6 400
2 000
200
220
b
8 100
1 600
200
220
b 6 400
2 300
200
220
c
8 100
1 900
200
220
c
4 900
2 700
200
220
T26-
a
8 600
1 400
200
220
T37-
a
6 900
2 000
200
220
b
8 100
1 700
200
220
b 6 900
2 300
200
220
c
8 100
2 000
200
220
c
5 400
2 700
200
220
T27-
a
8 600
1 400
200
220
T38-
a
5 900
2 100
200
220
b
8 600
1 700
200
220
b 5 900
2 400
200
220
c
8 600
2 000
200
220
c
5 900
2 800
200
220
T28-
a
9 100
1 500
200
220
T39-
a
6 400
2 100
250
230
b
9 100
1 800
200
220
b 6 400
2 500
250
230
c
9 100
2 100
200
220
c
6 400
2 900
250
230
T29-
a
9 100
1 600
200
220
T40-
a
6 200
2 100
250
230
b
9 100
1 900
200
220
b 6 950
2 500
250
230
c
4 350
2 300
200
220
c
4 700
3 000
250
230
T30-
a
9 900
1 700
200
220
T41-
a
6 700
2 200
250
230
b
4 900
2 000
200
220
b 4 700
2 600
250
230
c
4 900
2 400
200
220
c
5 200
3 000
250
230
T31-
a
4 100
1 700
200
220
T42-
a
7 200
2 200
250
230
b
5 400
2 000
200
220
b 5 200
2 600
250
230
c
4 100
2 400
200
220
c
5 700
3 100
250
230
T32-
a
4 400
1 800
200
220
T43-
a
7 700
2 300
250
230
b
4 400
2 100
200
220
b 4 450
2 700
250
230
c
4 400
2 500
200
220
c
4 100
3 200
250
230
T33-
a
4 900
1 800
200
220
T44-
a
8 200
2 300
250
230
b
4 900
2 100
200
220
b 4 600
2 700
250
230
c
4 900
2 500
200
220
c
4 250
3 200
250
230
T34-
a
5 400
1 900
200
220
T45-
a
7 800
2 400
250
230
b
5 400
2 200
200
220
b 4 400
2 800
250
230
c
5 400
2 600
200
220
c
4 050
3 300
250
230
T35-
a
5 900
2 000
200
220
b
5 900
2 300
200
220
c
4 400
2 600
200
220
38
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2 表3−中間セグメントの寸法
単位 mm
種類
L2
H1
H2
B
種類
L2
H1
H2
B
M29-
a
−
−
−
−
M38-
a
9 000
2 100
200
220
b
−
−
−
−
b 9 000
2 400
200
220
c
7 000
2 300
200
220
c
9 000
2 800
200
220
M30-
a
−
−
−
−
M39-
a
9 000
2 100
250
230
b
7 000
2 000
200
220
b 9 000
2 500
250
230
c
7 000
2 400
200
220
c
9 000
2 900
250
230
M31-
a
7 800
1 700
200
220
M40-
a
9 500
2 100
250
230
b
7 000
2 000
200
220
b 9 000
2 500
250
230
c
7 800
2 400
200
220
c
6 300
3 000
250
230
M32-
a
8 000
1 800
200
220
M41-
a
9 500
2 200
250
230
b
8 000
2 100
200
220
b 6 500
2 600
250
230
c
8 000
2 500
200
220
c
6 300
3 000
250
230
M33-
a
8 000
1 800
200
220
M42-
a
9 500
2 200
250
230
b
8 000
2 100
200
220
b 6 500
2 600
250
230
c
8 000
2 500
200
220
c
6 300
3 100
250
230
M34-
a
8 000
1 900
200
220
M43-
a
9 500
2 300
250
230
b
8 000
2 200
200
220
b 5 000
2 700
250
230
c
8 000
2 600
200
220
c
5 100
3 200
250
230
M35-
a
8 000
2 000
200
220
M44-
a
9 500
2 300
250
230
b
8 000
2 300
200
220
b 5 100
2 700
250
230
c
9 000
2 600
200
220
c
5 200
3 200
250
230
M36-
a
8 000
2 000
200
220
M45-
a 10 100
2 400
250
230
b
8 000
2 300
200
220
b 5 300
2 800
250
230
c
9 000
2 700
200
220
c
5 400
3 300
250
230
M37-
a
8 000
2 000
200
220
省略
b
8 000
2 300
200
220
c
9 000
2 700
200
220
注記 中間セグメントは,橋げたが3セグメント(端部セグメント×2,中央セグメント)で構成
される場合は不要となる。よって,スパンが25〜28 m(M25〜M28)と,29 m,30 mの一
部(M29-a,M29-b,M30-a)の種類は存在しない。
39
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2 表4−中央セグメントの寸法
単位 mm
種類
L3
H1
H2
B
種類
L3
H1
H2
B
MD25-
a
9 500
1 400
200
220
MD36-
a
8 000
2 000
200
220
b
9 500
1 600
200
220
b 8 000
2 300
200
220
c
9 500
1 900
200
220
c
9 000
2 700
200
220
MD26-
a
9 500
1 400
200
220
MD37-
a
8 000
2 000
200
220
b 10 500
1 700
200
220
b 8 000
2 300
200
220
c 10 500
2 000
200
220
c
9 000
2 700
200
220
MD27-
a 10 500
1 400
200
220
MD38-
a
9 000
2 100
200
220
b 10 500
1 700
200
220
b 9 000
2 400
200
220
c 10 500
2 000
200
220
c
9 000
2 800
200
220
MD28-
a 10 500
1 500
200
220
MD39-
a
9 000
2 100
250
230
b 10 500
1 800
200
220
b 9 000
2 500
250
230
c 10 500
2 100
200
220
c
9 000
2 900
250
230
MD29-
a 11 500
1 600
200
220
MD40-
a
9 500
2 100
250
230
b 11 500
1 900
200
220
b 9 000
2 500
250
230
c
7 000
2 300
200
220
c
6 300
3 000
250
230
MD30-
a 11 000
1 700
200
220
MD41-
a
9 500
2 200
250
230
b
7 000
2 000
200
220
b 6 500
2 600
250
230
c
7 000
2 400
200
220
c
6 300
3 000
250
230
MD31-
a
8 000
1 700
200
220
MD42-
a
9 500
2 200
250
230
b
7 000
2 000
200
220
b 6 500
2 600
250
230
c
8 000
2 400
200
220
c
6 300
3 100
250
230
MD32-
a
8 000
1 800
200
220
MD43-
a
9 500
2 300
250
230
b
8 000
2 100
200
220
b 5 000
2 700
250
230
c
8 000
2 500
200
220
c
5 100
3 200
250
230
MD33-
a
8 000
1 800
200
220
MD44-
a
9 500
2 300
250
230
b
8 000
2 100
200
220
b 5 100
2 700
250
230
c
8 000
2 500
200
220
c
5 200
3 200
250
230
MD34-
a
8 000
1 900
200
220
MD45-
a 10 100
2 400
250
230
b
8 000
2 200
200
220
b 5 300
2 800
250
230
c
8 000
2 600
200
220
c
5 400
3 300
250
230
MD35-
a
8 000
2 000
200
220
b
8 000
2 300
200
220
c
9 000
2 600
200
220
40
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-2 表5−寸法の許容差
単位 mm
区分
許容差
長さ L1〜L3
±10
上幅 W1
+10
− 5
下幅 W2
± 5
高さ H1
+10
− 5
− 複数のセグメントが連結されて橋げたとして使用されるため,
製作時けた長(L')の許容差は,使用されるセグメントの総和
とし,±(L'−5),かつ,−30 mm以内とする。
− けた長(L')の単位はmとし,許容差の単位はmmとする。
B-2.5 配筋
橋げた用セグメントの配筋は,設計図書によるほか,次による。
a) 鉄筋のかぶりは,上フランジ部は30 mm以上,その他の部位は35 mm以上とする。
b) 鉄筋のあきは20 mm以上で,かつ,粗骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。
c) 鉄筋は,コンクリートの付着を害する浮きさび,油などを取り除き,PC鋼材を配置するシースととも
に正しい位置に固定される方法で組み立てる。
B-2.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-2.7 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,B.7.1による。
B-2.8 検査
B-2.8.1 検査項目
橋げた用セグメントの検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
B-2.8.2 検査ロット
橋げた用セグメントの検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量
などを考慮し,最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。
ただし,検査ロットの大きさは橋げた1本とする。
41
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B-2.8.3 検査方法
橋げた用セグメントの検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,B-2.7によって行い,B-2.3の規定に適合するものを合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,全数について行い,B-2.4の規定に適合するものを合格とす
る。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
B-2.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合した橋げた用セグメントには,B.9によって表示する。
42
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(参考)推奨仕様B-2 橋げた用セグメントの設計手順
橋げた用セグメントの一般的な設計手順及び主な設計項目を,次に示す。
設計の手順
主な設計項目
① 道路条件:道路規格,幅員構成,道路線形,勾配
② 橋りょう条件:活荷重,橋長,スパン及びけた長,斜角
③ 使用材料:
コンクリート:設計基準強度,弾性係数,クリープ係数,
乾燥収縮度,許容応力度
鋼材:使用鋼材の種類,機械的性質,弾性係数,
許容応力度
④ 設計に関わる施工条件の決定
① セグメントの種類の決定
② 分割個数,位置の決定
③ 配置間隔
① 荷重計算:死荷重,活荷重,添加物など
② 床版スパン,厚さ
③ 断面諸定数の算出
④ 鋼材配置
⑤ 断面力の算出
⑥ 曲げに対する検討
① 主げたの断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
⑦ せん断に対する検討
⑧ ねじりに対する検討(斜角が小さい場合)
⑨ 接合部の検討
⑩ せん断キーの検討
① 横げたの形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 鋼材のかぶり,あき
② 定着具の最小間隔
① 反力,移動量の算出
② 支承の設計
③ 落橋防止システムの設計
① つり上げ時の検討
② 運搬時の検討
スタート
床版の設計
主げたの設計
横げたの設計
構造細目の検討
附属物の設計
架設時の検討
終了
セグメントの分割個数及び位置の決定
設計条件の設定
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A 5373:2016
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推奨仕様B-3
合成床版用プレキャスト板
B-3.1 概要
この推奨仕様は,附属書Bのうち,橋りょう類I類の合成床版用プレキャスト板(以下,合成床版用プ
レキャスト板という。)について記載する。
B-3.2 種類
合成床版用プレキャスト板の種類は,スパンによって推奨仕様B-3 表1のとおり区分する。
推奨仕様B-3 表1−合成床版用プレキャスト板の種類及び曲げひび割れ耐力
種類
プレキャスト板
のスパン
mm
板厚
mm
曲げひび割れ耐力
kN・m
PCC−70−1
1 450
70
6.6
PCC−70−2
1 750
70
7.5
PCC−80
2 050
80
10.1
PCC−90
2 200
90
13.0
PCC−100
2 600
100
16.3
PCC−110
2 800
110
19.9
PCC−120
3 000
120
22.3
B-3.3 性能
合成床版用プレキャスト板の要求性能は,曲げひび割れ耐力とし,推奨仕様B-3 表1に規定する曲げひ
び割れ耐力を用いてB.7.2によって算出したひび割れ荷重を加えたとき,ひび割れが発生してはならない。
B-3.4 形状,寸法及び寸法の許容差
合成床版用プレキャスト板の形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様B-3 図1及び推奨仕様B-3 表2
による。プレキャスト板の上面には,プレキャスト板と場所打ちコンクリートとが一体化となるための適
切な凹凸を設け,板厚は凹凸の中間とする。
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときは,製造業者は,そ
の合成床版用プレキャスト板が表B.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しな
ければならない。
注記 受渡当事者間の協議によって,合成床版用プレキャスト板としての性能を損なわない範囲で必
要な附属物を設けたり,又は適切な加工をすることができる。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
推奨仕様B-3 図1−合成床版用プレキャスト板の形状及び寸法
推奨仕様B-3 表2−寸法の許容差
単位 mm
区分
許容差
長さ(橋軸直角方向)
+10
− 5
幅(橋軸方向)
+ 5
− 3
厚さ(凸部)
+ 5
− 2
板の側面の直線性
± 3
板の端面の直角性
±10
B-3.5 配筋
合成床版用プレキャスト板の配筋は,設計図書によるほか,次による。
a) 鉄筋及びPC鋼材のかぶりは,25 mm以上とする。
b) 鉄筋及びPC鋼材のあきは20 mm以上で,PC鋼材については,直径の3倍以上のあきを確保し,かつ,
粗骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。
c) 鉄筋及びPC鋼材は,コンクリートの付着を害する浮きさび,油などを取り除き,正しい位置に固定
される方法で組み立てる。
B-3.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-3.7 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は幅10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用い
て,荷重が均等に分布されるようにする。
B-3.8 検査
B-3.8.1 検査項目
合成床版用プレキャスト板の検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
B-3.8.2 検査ロット
合成床版用プレキャスト板の検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受
注数量などを考慮し,最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定
める。ただし,検査ロットの大きさは,20製造ライン又は端数を1ロットとしてもよい。
B-3.8.3 検査方法
合成床版用プレキャスト板の検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットの合成床版用プレキャスト板から2枚の板を抜き取り,B-3.7によっ
て行い,2枚ともB-3.3の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2枚とも適合しなければその
ロットを不合格とする。2枚のうち1枚だけ規定に適合しないときは,そのロットの残り全数につ
いて試験を行い,規定に適合すれば,合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットの合成床版用プレキャスト板のうち,任意の2製
造ラインから1枚ずつ計2枚の板を抜き取って行い,2枚ともB-3.4の規定に適合すれば,そのロッ
トを合格とし,1枚でも規定に適合しなければ,更に別の4製造ラインから1枚ずつ計4枚の板を
抜き取って検査する。4枚とも規定に適合すれば,不適合品を出した製造ラインを除く全てのライ
ンを合格とし,4枚のうち1枚でも規定に適合しないときは,そのロットの残りについて全数検査
を実施する。
なお,適合しなかった板を出した製造ラインについては,更に2枚抜き取って検査を行い,2枚
とも適合した場合は,不適合品を除く全数を合格とする。1枚でも不適合品を出した場合は,その
製造ラインの全数検査を実施する。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
B-3.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合した合成床版用プレキャスト板には,B.9によって表示する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(参考)推奨仕様B-3 合成床版用プレキャスト板の設計手順
合成床版用プレキャスト板の一般的な設計手順及び主な設計項目を,次に示す。
設計の手順
主な設計項目
① 床版条件:主げた間隔,プレキャスト床版のスパン,
プレキャスト床版厚,舗装厚
② 使用材料:
コンクリート:設計基準強度,弾性係数,クリープ係数,
乾燥収縮度,許容応力度
鋼材:使用鋼材の種類,機械的性質,弾性係数,
許容応力度
③ 設計に関わる施工条件の決定
① PC板の種類の決定
① PC板の断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 合成床版の断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 鋼材のかぶり,あき
① つり上げ時の検討
② 運搬時の検討
③ 場所打ちコンクリート打設時の検討
スタート
PC板の設計
合成床版の設計
構造細目の検討
施工時の検討
終了
PC板の種類の決定
設計条件の設定
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推奨仕様B-4
道路橋用プレキャスト床版
B-4.1 概要
この推奨仕様は,附属書Bのうち,橋りょう類I類の道路橋用プレキャスト床版(以下,プレキャスト
床版という。)について記載する。
B-4.2 種類
プレキャスト床版の種類は,床版の長さによって,推奨仕様B-4 表1のとおり区分する。
推奨仕様B-4 表1−プレキャスト床版の種類及び曲げひび割れ耐力
種類
床版の
長さ
mm
主げた数
主げた
間隔
mm
標準
張出し長
mm
床版の厚さ mm
曲げひび割れ耐
力
kN・m
スパン
中央部
(H1)
支点部
(H2)
PDS2− 7.9
7 900
2
4 000
1 950
250
350
142
PDS2− 8.9
8 900
4 100
2 400
250
350
127
PDS2− 9.4
9 400
4 400
2 500
260
360
137
PDS2− 9.9
9 900
4 700
2 600
270
370
152
PDS2−10.4
10 400
5 000
2 700
280
380
161
PDS2−11.2
11 200
5 600
2 800
310
410
198
PDS2−11.7
11 700
6 000
2 850
320
420
219
PDS3−12.2
12 200
3
4 700
1 400
240
340
185
PDS3−12.7
12 700
4 900
1 450
240
340
185
PDS3−13.2
13 200
5 100
1 500
240
340
198
PDS3−13.5
13 500
5 200
1 550
240
340
198
PDS3−13.7
13 700
5 300
1 550
250
350
206
PDS3−14.0
14 000
5 400
1 600
250
350
206
PDS3−14.5
14 500
5 600
1 650
260
360
215
PDS3−14.7
14 700
5 700
1 650
260
360
215
PDS3−15.0
15 000
5 800
1 700
260
360
229
PDS3−15.2
15 200
5 900
1 700
260
360
229
PDS3−15.5
15 500
6 000
1 750
270
370
238
PDS4−16.0
16 000
4
4 400
1 400
240
340
162
PDS4−16.5
16 500
4 500
1 500
240
340
162
PDS4−17.0
17 000
4 600
1 600
240
340
162
PDS4−17.5
17 500
4 700
1 700
240
340
174
PDS4−18.5
18 500
5 000
1 750
240
340
187
曲線橋などに適用する場合には,次によってよい。
a) 使用する張出し長を,標準張出し長より0.3 m以内で左右に振り分ける。
b) 使用する床版幅の変化は,0.1 m以内とする。
c) スパン中央部(H1)及び支点部(H2)は,推奨仕様B-4 図1による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
推奨仕様B-4 図1−プレキャスト床版の形状及び寸法(橋軸直角方向)
B-4.3 性能
プレキャスト床版の要求性能は,曲げひび割れ耐力とし,推奨仕様B-4 表1に示す曲げひび割れ耐力を
用いてB.7.2によって算出した曲げひび割れ荷重を加えたとき,ひび割れが発生してはならない。
B-4.4 形状,寸法及び寸法の許容差
プレキャスト床版の形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様B-4 図2及び推奨仕様B-4 表2による。
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときは製造業者は,その
プレキャスト床版が表B.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければなら
ない。
注記 受渡当事者間の協議によって,プレキャスト床版としての性能を損なわない範囲で必要な附属
物を設けたり,又は適切な加工をすることができる。
単位 mm
推奨仕様B-4 図2−プレキャスト床版の形状及び寸法(橋軸方向)
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様B-4 表2−寸法の許容差
単位 mm
項目
許容差
床版の長さ
+20
0
床版の幅
+ 5
−10
床版の厚さ
+10
0
B-4.5 配筋
プレキャスト床版の配筋は,設計図書によるほか,次による。
a) 鉄筋及びPC鋼材のかぶりは,25 mm以上とする。
b) 鉄筋及びPC鋼材のあきは20 mm以上でPC鋼材については,直径の3倍以上のあきを確保し,かつ,
粗骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。
c) 鉄筋及びPC鋼材は,コンクリートの付着を害する浮きさび,油などを取り除き,正しい位置に固定
される方法で組み立てる。
d) 床版上面の鉄筋及びPC鋼材のかぶりは,間詰部を考慮して,30 mm以上とするのが望ましい。
B-4.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-4.7 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は幅約10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用
いて,荷重が均等に分布されるようにする。
B-4.8 検査
B-4.8.1 検査項目
プレキャスト床版の検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
B-4.8.2 検査ロット
プレキャスト床版の検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量な
どを考慮し,最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。た
だし,検査ロットの大きさは,400枚又は端数を1ロットとしてもよい。
50
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B-4.8.3 検査方法
プレキャスト床版の検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットのプレキャスト床版から2枚を抜き取り,B-4.7によって行い,2枚
ともB-4.3の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2枚とも適合しなければそのロットを不合
格とする。2枚のうち1枚だけ規定に適合しないときは,そのロットの残り全数について試験を行
い,規定に適合すれば合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,全数について行い,B-4.4の規定に適合するものを合格とす
る。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
B-4.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合したプレキャスト床版には,B.9によって表示する。
51
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(参考)推奨仕様B-4 プレキャスト床版の設計手順
プレキャスト床版の一般的な設計手順及び主な設計項目を,次に示す。
設計の手順
主な設計項目
① 床版条件:主げた間隔,プレキャスト床版のスパン,
プレキャスト床版厚,舗装厚
② 使用材料:
コンクリート:設計基準強度,弾性係数,クリープ係数,
乾燥収縮度,許容応力度
鋼材:使用鋼材の種類,機械的性質,弾性係数,
許容応力度
③ 設計に関わる施工条件の決定
① プレキャスト床版の断面形状
② 断面諸定数の算出
③ 荷重計算,荷重組合せ
④ 断面力の算出
⑤ PC鋼材の配置,プレストレスの計算
⑥ 曲げに対する検討
① 断面力の算出
② 鉄筋の配置
③ 曲げに対する検討
④ ループ継手の設計
① 鋼材のかぶり,あき
① つり上げ時の検討
② 運搬時の検討
スタート
プレキャスト床版の設計
(橋軸直角方向)
構造細目の検討
施工時の検討
終了
設計条件の設定
プレキャスト床版の設計
(橋軸方向)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
擁壁類
C.1 概要
この附属書は,主として護岸及び土留め壁に用いる擁壁類のI類及びII類について規定する。
なお,ここに規定するプレキャストプレストレストコンクリート製のプレストレストコンクリート矢板
(以下,矢板という。)は,用排水路類についても適用できる。
C.2 種類
擁壁類の種類は,表C.1とする。
なお,I類は,表C.2による。
表C.1−擁壁類の種類
大分類
小分類
擁壁類
PC壁体
矢板
その他
表C.2−擁壁類I類の種類
種類
詳細
形状による区分
矢板
平形
推奨仕様 C-1による。
溝形
波形
C.3 性能
擁壁類の要求性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様C-1の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362の箇条4及び箇条5の規定に従い受渡当事者間の
協議によって定める。一般には表C.3の規定によってもよい。
53
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.3−擁壁類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
性能照査方法
使用性
使用時に想定される荷重によって所定の機能を失わず,快
適に使用できなければならない。
設計図書,C.7又は実績によ
る。
安全性a)
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。
設計図書,C.7又は実績によ
る。
耐久性b)
想定される作用によるひび割れ,材料の経時的な低下など
によって,所要の性能を損なってはならない。
設計図書又は実績による。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合など
の作業を安全かつ容易に行うことができなければならな
い。
設計図書又は実績による。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが同等で製
造方法が同様の製品の実績によってもよい。
C.4 形状,寸法及び寸法の許容差
擁壁類の形状,寸法及び寸法の許容差は,次による。ただし,I類は,設計思想に差がなく,性能,及
び性能照査方法が同じであれば,所要の性能を満足する範囲で購入者の要求によって基準寸法を±10 %の
範囲で変更することができる。
a) 形状 矢板の形状例を,図C.1,図C.2及び図C.3に示す。
単位 mm
図C.1−矢板(平形)の形状例
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図C.2−矢板(溝形)の形状例
図C.3−矢板(波形)の形状例
55
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b) 寸法及び寸法の許容差 I類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,表C.4による。II類に区分
される製品の寸法及び寸法の許容差は,受渡当事者間の協議による。
なお,先端部の寸法は,規定しない。
表C.4−矢板の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
幅
高さ
厚さ
長さ
矢板
平形
寸法
500
50〜220
−
2 000〜14 000
許容差
+5
−2
+5
−2
−
±30
寸法
996
50〜220
−
2 000〜14 000
許容差
+7
−2
+7
−2
−
±30
溝形
寸法
996
90〜350
45〜100
2 000〜14 000
許容差
+7
−2
+7
−2
+7
−2
±30
波形
寸法
996,1 246
120〜1 200
60〜130
3 000〜25 000
許容差
+7
−2
+7
−2
+7
−2
±30
注記1 面には,面取りを施してもよい。
注記2 頭部,先端部,継手部の形状並びにつり孔の有無及び位置は,受渡当事者間の協議によって適宜変更
することができる。
注記3 受渡当事者間の協議によって,矢板としての性能を損なわない範囲で,必要な附属物を設けたり,加
工をすることができる。
注記4 許容差の詳細は,推奨仕様C-1による。
C.5 配筋
配筋(PC鋼材及び鉄筋の位置)は,JIS A 5364及び設計図書による。ただし,受渡当事者間の合意に基
づき,製品の性能(C.3の規定を含む。)を損なわない範囲で,推奨仕様以外の配筋(PC鋼材及び鉄筋の
位置)を採用しても差し支えない。また,矢板の配筋は,C.3を満足する配筋(PC鋼材及び鉄筋の位置)
を製品ごとに製造業者が定める。
C.6 コンクリートの品質
C.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8による。
C.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢及びプレストレス導入時において,表C.5の値を満足しなけれ
ばならない。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.5−コンクリートの圧縮強度
単位 N/mm2
種類
所定の材齢
プレストレス導入時
矢板
70以上
35以上
注記 コンクリートの圧縮強度は,JIS A 5364の附属書Aによることができる。
C.7 試験方法
C.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108による。
なお,供試体は製品と同一養生を行ったもの,又はその他適切な方法によって管理したものとする。
C.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363に規定する曲げ耐力試験方法による。
C.8 検査
検査は,JIS A 5365によるほか,次による。
a) 最終検査 擁壁類の最終検査は,外観,性能,形状及び寸法について行い,次による。
1) 外観 外観については,製品の特性,製造方法,製造数量などを考慮して,全数検査又は抜取検査
とする。
2) 性能,形状及び寸法 性能,形状及び寸法については,抜取検査とする。
性能を代用特性として供試体で行う場合には,製品との相関を得ておかなければならない。
3) 検査ロットの大きさ 検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注
数量などを考慮し製造業者が定める。
検査ロットは,製品の特性,使用材料,コンクリートの配合,製造方法などが同じものとする。
b) 受渡検査 擁壁類の受渡検査は,外観,形状及び寸法について行う。検査ロットの大きさ及び抜取方
式は,受渡当事者間の協議によって,購入者が定める。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略
することができる。
C.9 表示
擁壁類には,JIS A 5361によって,次の事項を表示する。
a) 種類又はその略号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日又はその略号
C.10 その他(推奨仕様)
擁壁類のI類を,表C.6に示す。
表C.6−推奨仕様
構造別製品群規格
推奨仕様
JIS A 5373
附属書C 擁壁類
推奨仕様C-1 プレストレストコンクリート矢板
57
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1
プレストレストコンクリート矢板
C-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Cのうち,擁壁類I類のプレストレストコンクリート矢板(以下,矢板という。)
について記載する。
C-1.2 種類
矢板の種類は,形状,寸法及び限界ひび割れ幅耐力によって,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,
推奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1 表5のとおり区分する。
推奨仕様C-1 表1−平形(呼び幅500 mm)
種類
高
さ
H
幅
B
限界ひび割
れ幅耐力
kN・m
終局曲げ
耐力
kN・m
長さ(L)
m
mm mm
1枚
当た
り
1 m
当た
り
1枚
当た
り
1 m
当た
り
2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0
SF 50H 50 500
2.7
5.4
5.4 10.8 ○ ○ ○ ○ ○
SF 60H 60
4.0
8.0
8.0 16
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 70H 70
5.5
11
11
22
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 80H 80
7.5
15
15
30
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 90H 90
10
20
20
40
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF100H 100
11
22
22
44
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF110H 110
15
30
30
60
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF120H 120
18
36
36
72
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF130H 130
22
44
44
88
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF140H 140
25
50
50
100
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF150H 150
29
58
58
116
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF160H 160
34
68
68
136
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF180H 180
42
84
84
168
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF190H 190
45
90
90
180
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF200H 200
51
102
102
204
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF220H 220
65
130
130
260
○ ○ ○ ○ ○
注記 この形状の矢板には,断面に圧縮側と引張側との区別がない。
58
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 表2−平形(呼び幅1 000 mm)
種類 高
さ
H
mm
製品
幅
B
mm
限界ひび割
れ幅耐力
kN・m
終局曲げ
耐力
kN・m
長さ(L)
m
2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0
SF 50 50 996
5.4
10.8
○ ○ ○ ○ ○
SF 60 60
8.0
16
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 70 70
11
22
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 80 80
15
30
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF 90 90
20
40
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF100 100
22
44
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF110 110
30
60
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF120 120
36
72
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF130 130
44
88
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF140 140
50
100
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF150 150
58
116
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF160 160
68
136
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SF180 180
84
168
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF190 190
90
180
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF200 200
102
204
○ ○ ○ ○ ○ ○
SF220 220
130
260
○ ○ ○ ○ ○
注記 この形状の矢板には,断面に圧縮側と引張側との区別がない。
59
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 表3−溝形(呼び幅1 000 mm)
種類
高
さ
H
厚
さ
T
製品
幅
B
限界ひ
び割れ
幅耐力
終局曲
げ耐力
長さ(L)
m
mm mm mm kN・m kN・m 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0
SC 90A 90 45 996
5.9
11.8 ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC 90B
8.9
17.8
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC 90C
12
24
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC120
120 50
15
30
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC150A 150 60
21
42
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC150B
28
56
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC175
175
35
70
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC200A 200 70
41
82
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC200B
53
106
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC230
230
63
126
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC255A 255
83
166
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC255B
100
200
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC275A 275
120
240
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SC275B
140
280
○ ○ ○ ○ ○ ○
SC300
300 100
160
320
○ ○ ○ ○ ○
SC350
350
190
380
○ ○ ○ ○ ○
注記 この形状の矢板には,断面に圧縮側と引張側との区別がある。
60
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 表4−波形(呼び幅1 000 mm)
種類
高
さ
H
厚
さ
T
製
品
幅
B
限界ひ
び割れ
幅耐力
終局曲
げ耐力
長さ(L)
m
mm mm mm kN・m kN・m 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 20.0 21.0
SW120
120 60 996
15
30
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW160
160 80
20
40
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW180
180
31
62
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW225
225 100
42
84
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW250
250
55
110
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW275
275
73
146
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW300
300 110
94
188
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW325A 325
120
240
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW325B
130
260
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW350A 350 120
160
320
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW350B
170
340
○ ○ ○ ○ ○ ○
SW400A 400
200
400
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW400B
230
460
○ ○ ○ ○ ○ ○
SW450A 450
270
540
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW450B
310
620
○ ○ ○ ○ ○ ○
SW500A 500
350
700
○ ○ ○ ○ ○ ○
SW500B
400
800
○ ○ ○ ○ ○ ○
SW600A 600
500
1 000
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW600B
590
1 180
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
注記 この形状の矢板には,断面に圧縮側と引張側との区別がない。
61
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 表5−波形(呼び幅1 250 mm)
種類
高さ
H
厚さ
T
製品
幅
B
限界ひ
び割れ
幅耐力
終局曲
げ耐力
長さ(L)
m
mm mm mm kN・m kN・m 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 20.0 21.0 22.0 23.0 24.0 25.0
SW 350W
350 130 1 246
133
266 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 400W
400
179
358
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 450W
450
230
460
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 500W
500
287
574
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 550W
550
325
650
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 600W
600
389
778
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 650W
650
430
860
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 700W
700
500
1 000
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 750W
750
543
1 086
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 800W
800
619
1 238
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 850W
850
664
1 328
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 900W
900
747
1 494
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW 950W
950
794
1 588
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW1000W 1 000
884
1 768
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW1050W 1 050
933
1 866
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW1100W 1 100
1 029
2 058
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW1150W 1 150
1 081
2 162
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
SW1200W 1 200
1 183
2 366
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
注記 この形状の矢板には,断面に圧縮側と引張側との区別がない。
C-1.3 性能
矢板の性能は,次による。
C-1.3.1 限界ひび割れ幅耐力
矢板の限界ひび割れ幅耐力(ひび割れ幅0.05 mm以下)は,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,推
奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1 表5に規定する値以上とする。
C-1.3.2 終局曲げ耐力
矢板の終局曲げ耐力は,限界ひび割れ幅耐力の2倍に相当する値とし,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様
C-1 表2,推奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1 表5に規定する値以上とする。
C-1.4 形状,寸法及び寸法の許容差
矢板の形状は,推奨仕様C-1 図1,推奨仕様C-1 図2,推奨仕様C-1 図3,又は推奨仕様C-1 図4によ
る。
寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,推奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表
4,推奨仕様C-1 表5及び推奨仕様C-1 表6による。
反りの許容差は,推奨仕様C-1 表7による。
なお,C.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときには製造業者は,そ
の矢板が表C.3の規定に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
62
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
推奨仕様C-1 図1−平形の形状
推奨仕様C-1 図2−溝形の形状(高さ90〜120 mm)
63
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 図3−溝形の形状(高さ150〜350 mm)
推奨仕様C-1 図4−波形の形状
64
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様C-1 表6−矢板の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
幅
高さ
厚さ
長さ
平形
寸法
500
50〜220
−
2 000〜14 000
許容差
+5
−2
+5
−2
−
±30
平形
寸法
996
50〜220
−
2 000〜14 000
許容差
+7
−2
+7
−2
−
±30
溝形
寸法
996
90〜350
45〜100
2 000〜14 000
許容差
+7
−2
+7
−2
+7
−2
±30
波形
寸法
996,1 246
120〜1 200
60〜130
3 000〜25 000
許容差
+7
−2
+7
−2
+7
−2
±30
推奨仕様C-1 表7−矢板の反りの許容差
単位 mm
反り
L≦7 000
10
L>7 000
15
C-1.5 配筋
矢板の配筋は,次による。
a) 鉄筋のかぶりは,12 mm以上とする。
b) PC鋼材のかぶりは,15 mm以上とする。
C-1.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,C.6.2による。
C-1.7 試験方法
C-1.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,C.7.1による。
C-1.7.2 製品の曲げ耐力試験
矢板の曲げ耐力試験は,推奨仕様C-1 図5,推奨仕様C-1 図6又は推奨仕様C-1 図7に示す載荷方法
によって行い,C-1.3.1の限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重を載荷したとき,推奨仕様C-1 図5,推奨仕
様C-1 図6又は推奨仕様C-1 図7に示すひび割れ幅測定点において幅0.05 mmを超えるひび割れの有無
を調べる。さらに,C-1.3.2の終局曲げ耐力まで載荷し破壊しないことを確認する。
積載荷重は,次の式によって算出する。
g
W
l
M
F
−
=6
ここに,
F: 載荷荷重(kN)
M: 限界ひび割れ幅耐力(kN・m)
l: スパン(m)l=L/2,b=l/3とする。
ただし,lが10 Hより小さいときは,l=10 Hとする。
65
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
H:矢板の高さ(m)
W: 載荷ビーム,荷重として加わる丸鋼及び鋼板の総質量(t)
ただし,載荷ビームが試験機と一体構造となっている場合は,
載荷ビームの質量は含まない。
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
単位 mm
推奨仕様C-1 図5−矢板の曲げ耐力試験方法(平形)
66
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
推奨仕様C-1 図6−矢板の曲げ耐力試験方法(溝形)
67
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
注a) ゴム板などは,支点及び載荷点の不陸の影響を吸収又は調整することができる程度の硬さ,厚さ及び幅のもの
がよい。ゴム板のほかにはモルタルが用いられることがある。
推奨仕様C-1 図7−矢板の曲げ耐力試験方法(波形)
C-1.8 検査
C-1.8.1 検査項目
矢板の検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
68
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
C-1.8.2 検査ロット
矢板の検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量などを考慮し,
最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。ただし,検査ロ
ットの大きさは,1 000枚又は端数を1ロットとしてもよい。
C-1.8.3 検査方法
矢板の検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,1ロットにつき任意に抜き取ったものについて行い,5.1の規定に適合するも
のを合格とする。この検査で1枚でも適合しないときは,そのロットの残り全数について検査を行
い,規定に適合すれば合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットから任意に2枚抜き取り,C-1.7.2によって行い,2枚ともC-1.3.1の
規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2枚とも適合しなければそのロットを不合格とする。
この検査で2枚のうち1枚だけ規定に適合しないときは,そのロットから更に4枚抜き取り,4枚
とも規定に適合すれば,初めの不合格品を除きそのロットを合格とし,1枚でも適合しないときは,
そのロットは不合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットから任意に2枚抜き取り,2枚ともC-1.4の規定に
適合すれば,そのロットを合格とする。この検査で1枚でも適合しないときは,そのロットの残り
全数について検査を行い,規定に適合すれば合格とする。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる,又は次による。
抜取検査を採用する場合には,任意に2枚抜き取り,5.1の規定に適合すれば,そのロットを合格
とする。この検査で1枚でも適合しないときは,そのロットの残り全数について検査を行い,規定
に適合すれば合格とする。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
C-1.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合した矢板には,C.9によって表示する。
なお,次の事項も表示しなければならない。
a) 長さ又はその略号
b) 圧縮側,引張側との区別がある場合には,圧縮側又は引張側を示す記号,又は略号
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(規定)
暗きょ類
D.1 概要
この附属書は,主として水路,通路などに用いる暗きょ類のI類及びII類について規定する。
D.2 種類
暗きょ類の種類は,表D.1による。
なお,I類は,表D.2による。
表D.1−暗きょ類の種類
大分類
小分類
暗きょ類
プレストレストコンクリート管
プレストレストコンクリートボックスカルバート
その他
表D.2−暗きょ類I類の種類
形状・種類による区分
土かぶりによる
区分
用途によ
る区分
強度による区分
詳細
プレストレストコンクリート管
−
内圧管
外圧管
高圧1種〜高圧3種
1種〜5種
推奨仕様D-1による。
プレストレストコンクリート
ボックスカルバート
0.50〜1.50 m
外圧
−
推奨仕様D-2による。
1.51〜3.00 m
3.01〜6.00 m
注記1 プレストレストコンクリート管には,内圧及び外圧が同時に作用する内圧管と外圧だけが作用する外圧管
とがある。
注記2 プレストレストコンクリートボックスカルバートは,一般に外圧だけが作用する場合に用いられる。
D.3 性能
暗きょ類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品性能は,推奨仕様D-1及び推奨仕様D-2の規定に適合しなければならな
い。
b) II類に区分される製品 製品性能は,JIS A 5362の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間の
協議によって定める。
なお,一般には表D.3の規定によってもよい。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表D.3−暗きょ類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
性能照査方法
使用性
使用時に想定される荷重a) によって,所定の機能を失わ
ず,快適に使用できなければならない。また,流水に接
する面は,実用上支障のない程度に滑らかでなければな
らない。
設計図書又はD.7による。
安全性b)
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。 設計図書又はD.7による。
耐久性c)
想定される作用によるひび割れ,材料特性の経時的な低
下などが,所要の性能を損なってはならない。
設計図書又は実績による。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合な
どの作業を安全かつ容易に行うことができなければな
らない。
設計図書又は実績による。
注a) 内水圧に対する強度が要求される場合には,内水圧についても照査を行う。
b) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に行う。
c) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが同等で
製造方法が同様の製品の実績によってもよい。
D.4 形状,寸法及び寸法の許容差
暗きょ類の形状,寸法及び寸法の許容差は,次による。ただし,I類は,設計思想に差がなく,性能及
び性能照査方法が同じであれば,所要の性能を満足する範囲で購入者の要求によって基準寸法を±10 %の
範囲で変更することができる。
a) 形状 暗きょ類の形状例を,図D.1に示す。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) プレストレストコンクリート管
b) プレストレストコンクリートボックスカルバート
図D.1−暗きょ類の形状例
b) 寸法及び寸法の許容差 I類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,表D.4及び表D.5による。
II類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,受渡当事者間の協議による。
1) プレストレストコンクリート管 プレストレストコンクリート管の寸法及び寸法の許容差は,表
D.4による。
表D.4−暗きょ類(プレストレストコンクリート管)の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
内径
長さ
厚さ
プレストレスト
コンクリート管
寸法
600〜3 000
2 000〜4 000
44〜250
許容差
±4〜±12
+10
− 5
+4 〜 +12
−2
− 6
許容差の詳細は,推奨仕様による。
− 厚さは,コア部分とする。
− 管の断面の内外周は,実用的同心円で,その管端は管軸に対して実用的直角でなけ
ればならない。
注記 面取り又は管端補強のように,管の形状に影響を与えず,強度を損なわない程度
の加工を行ってもよい。
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A 5373:2016
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2) プレストレストコンクリートボックスカルバート プレストレストコンクリートボックスカルバー
トの寸法及び寸法の許容差は,表D.5による。
表D.5−暗きょ類(プレストレストコンクリートボックスカルバート)の寸法及び寸法の許容差
単位 mm
種類
内幅×内高
長さ
厚さ
プレストレストコンクリート
ボックスカルバート
寸法
600×600〜5 000×2 500
1 000〜2 000
125〜530
許容差
±4〜±10
+10
− 5
+4 〜 +8
−2
−4
許容差の詳細については,推奨仕様による。
注記 面取り又は端部補強のように,製品の形状に影響を与えず,強度を損なわない程度の加工を行ってもよい。
D.5 配筋(PC鋼材及び鉄筋の位置)
配筋は,JIS A 5364及び設計図書による。ただし,受渡当事者間の合意に基づき,製品の性能(D.3の
規定を含む。)を損なわない範囲で,推奨仕様以外の配筋を採用しても差し支えない。また,プレストレス
トコンクリート管及びプレストレストコンクリートボックスカルバートの配筋は,D.3を満足するよう配
筋を製品ごとに製造業者が定める。
D.6 コンクリートの品質
D.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8による。
D.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,表D.6の値を満足しなければならない。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
表D.6−コンクリートの圧縮強度
単位 N/mm2
種類
圧縮強度
プレストレス
導入時
品質保証時b)
プレストレストコンクリート管
コンクリート
30以上
50以上
モルタルa)
−
35以上
プレストレストコンクリート
ボックスカルバート
コンクリート
30以上
40以上
注a) PC鋼材保護のためのカバーコートモルタル。
b) プレストレストコンクリート管及びプレストレストコンクリートボックスカルバー
トにおける品質保証時とは,コンクリートの設計基準強度を示す。
D.7 試験方法
D.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108によることとし,供詩体は製品と同一養生を行ったもの,
又はその他適切な方法によって管理したものとする。
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A 5373:2016
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D.7.2 製品の曲げ耐力試験及び内圧耐力試験
製品の曲げ耐力試験及び内圧耐力試験は,JIS A 5363による。
D.8 検査
検査は,JIS A 5365によるほか,次による。
a) 最終検査 暗きょ類の最終検査は,外観,性能,形状及び寸法について行い,次による。
1) 外観 外観については,製品の特性,製造方法,製造数量などを考慮して,全数検査又は抜取検査
とする。
2) 性能,形状及び寸法 性能,形状及び寸法については,抜取検査とする。
性能を代用特性として供試体で行う場合には,製品との相関を得ておかなければならない。
3) 検査ロットの大きさ 検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注
数量などを考慮し,製造業者が定める。
b) 受渡検査 暗きょ類の受渡検査は,外観,形状及び寸法について行う。検査ロットの大きさ及び抜取
方式は,受渡当事者間の協議によって,購入者が定める。ただし,受渡当事者間の協議によって,省
略することができる。
D.9 表示
暗きょ類には,JIS A 5361によって,次の事項を表示する。
a) 種類又はその略号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日又はその略号
D.10 その他(推奨仕様)
暗きょ類のI類を,表D.7に示す。
表D.7−推奨仕様
構造別製品群規格
推奨仕様
JIS A 5373
附属書D 暗きょ類
推奨仕様D-1
プレストレストコンクリート管
推奨仕様D-2
プレストレストコンクリート
ボックスカルバート
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推奨仕様D-1
プレストレストコンクリート管
D-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Dのうち,暗きょ類I類のプレストレストコンクリート管(以下,PC管とい
う。)について記載する。
D-1.2 種類
PC管の種類は,内圧管及び外圧管に区分し,更に形状及び呼びの範囲によって,推奨仕様D-1 表1の
とおり区分する。
推奨仕様D-1 表1−PC管の種類
種類による区分
形状,呼びの範囲による区分
参考
S形
NC形
内圧管
1種
600〜1 650
−
内圧と外圧に対し
て設計されている
もの。
2種
600〜2 000
3種
4種
5種
外圧管
高圧1種
−
1 500〜2 200
外圧に対して設計
されているもの。
高圧2種
1 500〜2 600
高圧3種
1 500〜3 000
1種
600〜1 800
2種
600〜2 000
3種
4種
5種
D-1.3 性能
PC管の性能は,次による。
D-1.3.1 曲げひび割れ耐力
外圧管及び内圧管の曲げひび割れ耐力は,推奨仕様D-1 表2に規定する値以上とする。
D-1.3.2 終局曲げ耐力
終局曲げ耐力は,推奨仕様D-1 表3に規定する値以上とする。
D-1.3.3 試験内圧耐力
内圧管の内圧耐力は,推奨仕様D-1 表4の試験内圧耐力に規定する値以上とする。
D-1.3.4 ひび割れ内圧耐力
受渡当事者間の協議によって,ひび割れ内圧耐力を照査する場合は,推奨仕様D-1 表4のひび割れ内圧
耐力に規定する値以上とする。
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推奨仕様D-1 表2−PC管の曲げひび割れ耐力
単位 kN・m/m
呼び
内圧管・外圧管
曲げひび割れ耐力
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種
2種
3種
4種
5種
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
600
−
12.02
−
10.42
−
8.61
−
6.79
−
5.83
−
700
14.50
−
12.38
−
10.26
−
8.01
−
6.89
−
800
17.64
−
15.08
−
12.52
−
9.67
−
8.39
−
900
21.57
−
18.37
−
14.85
−
11.49
−
9.73
−
1 000
25.46
−
21.74
−
17.67
−
13.95
−
11.82
−
1 100
29.23
−
24.77
−
20.70
−
16.04
−
13.13
−
1 200
33.51
−
28.65
−
23.80
−
18.74
−
16.21
−
1 350
39.28
−
33.62
−
27.72
−
21.59
−
18.52
−
1 500
83.04
67.25
56.73 47.11
48.57 40.32
41.73
33.79
35.15
26.47
27.78
22.55
23.83
1 650
91.80
74.48
62.94 55.33
57.17 48.18
49.95
40.16
41.87
31.58
33.22
26.71
28.31
1 800 100.74
81.90
69.34 63.87
66.20 54.86
57.09
44.92
47.04
35.29
37.31
30.32
32.28
2 000 113.15
95.74
88.77
−
78.33 63.64
66.14
53.94
56.39
42.15
44.55
35.92
38.28
2 200 125.97 106.85
99.20
−
91.55
−
78.94
−
65.93
−
52.55
−
45.28
2 400
−
139.25 118.43
−
105.93
−
91.35
−
76.35
−
60.94
−
53.02
2 600
−
153.03 130.49
−
121.48
−
104.80
−
87.67
−
70.99
−
61.53
2 800
−
−
167.35
−
138.25
−
119.34
−
99.94
−
81.51
−
70.84
3 000
−
−
182.24
−
156.28
−
134.99
−
113.19
−
92.95
−
81.00
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-1 表3−PC管の終局曲げ耐力
単位 kN・m/m
呼び
内圧管・外圧管
終局曲げ耐力
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種
2種
3種
4種
5種
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
S形
NC形
600
−
18.65
−
16.13
−
13.28
−
10.43
−
8.92
−
700
22.45
−
19.12
−
15.78
−
12.25
−
10.48
−
800
27.24
−
23.21
−
19.18
−
14.71
−
12.69
−
900
33.23
−
28.20
−
22.67
−
17.38
−
14.62
−
1 000
39.13
−
33.29
−
26.88
−
21.03
−
17.69
−
1 100
44.82
−
37.80
−
31.40
−
24.08
−
19.50
−
1 200
51.23
−
43.60
−
35.97
−
28.01
−
24.03
−
1 350
59.79
−
50.89
−
41.61
−
31.97
−
27.14
−
1 500 127.00 102.18 85.63 71.46
72.75 60.78
61.99
50.51
51.65 39.01
40.06
32.85
33.86
1 650 139.80 112.57 94.42 83.63
85.28 72.38
73.94
59.78
61.23 46.28
47.62
38.63
39.91
1 800 152.72 123.09 103.34 96.16
98.32 81.99
84.00
66.36
68.21 51.22
52.90
43.40
45.00
2 000 170.35 142.98 132.03
−
115.49 94.38
96.33
79.12
81.00 60.59
62.39
50.78
52.53
2 200 188.28 158.22 146.20
−
134.03
−
114.19
−
93.75
−
72.70
−
61.28
2 400
−
206.54 173.79
−
153.96
−
131.03
−
107.45
−
83.22
−
70.77
2 600
−
225.14 189.70
−
175.30
−
149.08
−
122.15
−
95.92
−
81.04
2 800
−
−
244.12
−
198.09
−
168.36
−
137.86
−
108.88
−
92.11
3 000
−
−
263.50
−
222.35
−
188.89
−
154.61
−
122.77
−
104.00
推奨仕様D-1 表4−PC管の試験内圧耐力及びひび割れ内圧耐力
種類
試験内圧耐力
MPa
ひび割れ内圧耐力
MPa
呼びの範囲
内圧管
1種
1.8
2.0
600〜1 650
2種
1.4
1.6
600〜2 000
3種
1.0
1.2
4種
0.6
0.8
5種
0.4
0.6
D-1.4 形状,寸法及び寸法の許容差
PC管の形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様D-1 表5,推奨仕様D-1 表6及び推奨仕様D-1 表7
による。
なお,D.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときには製造業者は,そ
のPC管が表D.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
77
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推奨仕様D-1 表5−PC管の形状及び寸法 S形
単位 mm
呼び
内径
D
コアの厚さ
tc
挿し口
の外径
Dp
受け口
の内径
Ds
受け口
の深さ
Ls
カバーコート
の厚さ
tg
有効長a)
L
質量(参考)
(kg/m)
600
612
44
684
708
140
25
以上
4 000
410
700
724
46
800
824
480
800
828
52
916
940
610
900
932
59
1 034
1 058
740
1 000
1 034
65
1 144
1 172
165
870
1 100
1 134
71
1 258
1 286
970
1 200
1 234
78
1 372
1 400
1 210
1 350
1 382
87
1 538
1 566
1 460
1 500
1 532
96
1 702
1 734
190
1 770
1 650
1 680
105
1 868
1 900
2 080
1 800
1 824
115
2 032
2 064
2 480
2 000
2 040
125
2 268
2 300
2 940
PC管の形状については,面取り,切欠き,実用上差し支えない範囲での凹凸など,形状に影響を与えず,強度を損
なわない程度の加工を行ってもよい。断面の内外周は,実用的同心円で,その端面は管軸に対して実用的直角でな
ければならない。また,PC管の内面は,流水に対して滑らかでなければならない。
注a) 有効長Lは,2 000又は3 000とすることができる。
78
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推奨仕様D-1 表6−PC管の形状及び寸法 NC形
単位 mm
呼び
内径
D
コアの
厚さ
tc
挿し口
の外径
Dp
受け口
の内径
Ds
挿し口
の長さ
Lp
受け口
の深さ
Ls
カバー
コート
の厚さ
tg
有効長
L
内面長
さ
Ll
質量
(参考)
(kg/m)
1 500
1 500
140
1 598
1 632
115
120
25以上
2 300
2 295
2 110
1 650
1 650
150
1 758
1 792
2 450
1 800
1 800
160
1 916
1 950
2 820
2 000
2 000
175
2 130
2 164
3 380
2 200
2 200
190
2 344
2 378
3 990
2 400
2 400
205
2 550
2 594
130
135
4 640
2 600
2 600
220
2 764
2 808
5 330
2 800
2 800
235
2 978
3 022
6 120
3 000
3 000
250
3 192
3 236
6 900
79
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推奨仕様D-1 表7−寸法の許容差
単位 mm
呼びの範囲
内径
D
コアの
厚さa)
tc
挿し口
の外径
Dp
受け口
の内径
Ds
挿し口,
受け口の
深さ
Lp,Ls
有効長
内面長さ
S形,NC形
NC形
L
L1
600〜900
±4
+4
−2
+2
−1
+1
−2
±5
+10
− 5
1 000〜1 350
±6
+6
−3
±2
±2
1 500〜2 000
±8
+8
−4
2 200〜2 400
±10
+10
− 5
±3
2 600〜3 000
±12
+12
− 6
+3
−2
±4
注a) コアの厚さtcは,コアの円周方向プレストレスを与える以前に測定する。
D-1.5 配筋
PC管は,D-1.3の性能を満足する配筋を,製品ごとに製造業者が定める。
D-1.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,D.6.2による。カバーコートモルタルの品質検証は,強度と十分な相関がある特
性(密度など)があるときは,それを代用特性として用いてもよい。
D-1.7 試験方法
D-1.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,D.7.1による。
D-1.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,推奨仕様D-1 図1のように据え付け,推奨仕様D-1 表8に規定するひび割れ
耐力に相当する荷重に有効長Lを乗じた値まで載荷し,ひび割れの有無を調べる。さらに,推奨仕様D-1 表
8に示す終局荷重まで載荷し,破壊しないことを確認する。製品の曲げ耐力試験を行うときは,加圧面及
び支持面に厚さ約20 mmのゴム板1) と約150 mm×150 mmの角材とを当てて,荷重が均等に分布されるよ
うにしなければならない。
注1) 支点及び載荷点の不陸の影響を吸収することができる程度の硬さ及び幅のものがよい。
80
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-1 図1−PC管の曲げ耐力試験方法
推奨仕様D-1 表8−PC管のひび割れ耐力に相当する荷重及び終局荷重
単位 kN/m
呼び
内圧管・外圧管
ひび割れ荷重
終局荷重
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種
2種
3種
4種
5種 高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種
2種
3種
4種
5種
600
−
110
95
78
61
52
−
220
190
156
122
104
700
113
96
79
61
52
226
192
158
122
104
800
120
102
84
64
55
240
204
168
128
110
900
130
110
88
67
56
260
220
176
134
112
1 000
138
117
94
73
61
276
234
188
146
122
1 100
144
121
100
76
61
288
242
200
152
122
1 200
151
128
105
81
69
302
256
210
162
138
1 350
157
133
108
82
69
314
266
216
164
138
1 500
300
240
200
169
143
118
90
75
600
480
400
338
286
236
180
150
1 650
180
155
127
97
80
360
310
254
194
160
1 800
190
161
129
98
82
380
322
258
196
164
2 000
250
230
200
165
137
103
85
500
460
400
330
274
206
170
2 200
210
177
143
108
89
420
354
286
216
178
2 400
−
300
250
220
185
149
112
93
−
600
500
440
370
298
224
186
2 600
230
193
155
118
97
460
386
310
236
194
2 800
−
300
240
201
161
123
101
−
600
480
402
322
246
202
3 000
250
209
167
128
105
500
418
334
256
210
D-1.7.3 製品の内圧耐力試験
製品の内圧耐力試験は,推奨仕様D-1 図2のように設置し,中空部分を満水状態にした後,推奨仕様
D-1 表4の試験内圧耐力に規定する圧力を3分間保持したときの漏水の有無を調べる。ただし,管の表面
ににじみ出た水が斑点になったもの又は水滴となった程度は,漏水とはみなさない。また,ひび割れ内圧
耐力は推奨仕様D-1 表4のひび割れ内圧耐力に規定する圧力に達したときに,ひび割れ発生の有無を調べ
81
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
る。
推奨仕様D-1 図2−PC管の内圧耐力試験方法
D-1.8 検査
D-1.8.1 検査項目
PC管の検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
D-1.8.2 検査ロット
PC管の検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量などを考慮し,
最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。ただし,検査ロ
ットの大きさは,50本又は端数を1ロットとしてもよい。
D-1.8.3 検査方法
PC管の検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットから任意に1本抜き取り,外圧管はD-1.7.1によって,内圧管はD-1.7.1
及びD-1.7.2によって行い,D-1.3の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,適合しなければそ
のロットの残り全数について試験を行い,規定に適合すれば合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットから任意に1本抜き取り,D-1.4の規定に適合すれ
ば,そのロットを合格とし,適合しなければそのロットの残り全数について検査を行い,規定に適
合すれば合格とする。
82
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
D-1.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合したPC管の表示には,D.9によって表示する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2
プレストレストコンクリートボックスカルバート
D-2.1 概要
この推奨仕様は,附属書Dのうち,暗きょ類I類のプレストレストコンクリートボックスカルバート(以
下,PCボックスカルバートという。)について記載する。
D-2.2 種類
PCボックスカルバートの種類は,呼び寸法及び適用土かぶりによって,推奨仕様D-2 表1のとおり区
分する。
推奨仕様D-2 表1−PCボックスカルバートの種類
種類
呼び寸法による区分
mm
適用土かぶりによる区分a)
m
150型
300型
600型
600×600
〜
5 000×2 500
0.50〜1.50
1.51〜3.00
3.01〜6.00
注a) 適用土かぶりによる区分について,適用土かぶりの範囲が示されてい
るが,最小土かぶり(0.2 m)まで対応が可能である。
D-2.3 性能
PCボックスカルバートの性能は,次による。
D-2.3.1 曲げひび割れ耐力
PCボックスカルバートの曲げひび割れ耐力は,推奨仕様D-2 表2に規定する値以上とする。
D-2.3.2 終局曲げ耐力
受渡当事者間の協議によって,終局曲げ耐力を照査する場合には,D.3による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 表2−PCボックスカルバートの曲げひび割れ耐力
呼び寸法
B×H(mm)
曲げひび割れ耐力(kN・m/m)
150型
300型
600型
600 × 600
3.53
2.50
4.00
700 × 700
4.55
3.22
5.17
800 × 800
5.71
4.04
6.48
900 × 600
6.61
5.23
9.77
900 × 900
7.00
4.95
8.53
1 000 × 800
8.19
6.24
10.78
1 000 × 1 000
8.41
5.94
10.05
1 000 × 1 500
8.22
4.02
5.96
1 100 × 1 100
9.92
7.01
11.85
1 200 × 800
10.84
8.71
15.11
1 200 × 1 000
11.22
8.59
14.71
1 200 × 1 200
11.43
8.17
13.79
1 200 × 1 500
11.40
6.99
11.41
1 300 × 1 300
12.96
9.42
15.87
1 400 × 1 400
15.07
11.23
18.10
1 500 × 1 000
16.00
13.60
22.54
1 500 × 1 200
16.41
13.46
22.11
1 500 × 1 500
16.68
12.68
20.46
1 800 × 1 200
20.95
18.94
32.64
1 800 × 1 500
21.49
18.59
31.70
1 800 × 1 800
21.59
17.52
29.51
2 000 × 1 500
24.71
22.86
40.05
2 000 × 1 800
24.98
22.08
38.34
2 000 × 2 000
24.92
21.13
36.48
2 200 × 1 800
29.30
27.94
48.36
2 200 × 2 200
29.16
26.08
44.70
2 300 × 1 500
30.55
30.86
53.83
2 300 × 1 800
31.05
30.51
52.87
2 300 × 2 000
31.13
29.86
51.50
2 300 × 2 300
30.87
28.21
48.34
2 400 × 2 000
32.94
32.60
57.43
2 400 × 2 400
32.58
30.42
53.23
2 500 × 1 500
33.90
35.89
65.78
2 500 × 1 800
34.56
35.86
65.13
2 500 × 2 000
34.74
35.40
63.93
2 500 × 2 500
34.97
33.51
58.21
2 800 × 1 500
39.79
44.91
80.24
2 800 × 2 000
41.00
45.20
80.07
2 800 × 2 500
40.90
43.24
76.13
2 800 × 2 800
40.16
40.94
71.91
3 000 × 1 500
51.20
60.78
104.09
3 000 × 2 000
52.26
60.47
103.30
3 000 × 2 500
51.60
57.28
97.97
3 000 × 3 000
45.68
48.84
88.18
3 500 × 2 000
68.23
82.97
138.15
85
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 表2−PCボックスカルバートの曲げひび割れ耐力(続き)
呼び寸法
B×H(mm)
曲げひび割れ耐力(kN・m/m)
150型
300型
600型
3 500×2 500
67.81
81.52
142.21
4 000×2 000
84.97
105.74
166.93
4 000×2 500
85.68
105.88
168.39
4 500×2 000
112.79
142.70
225.61
4 500×2 500
114.30
143.99
228.41
5 000×2 000
125.35
161.70
292.95
5 000×2 500
128.58
165.56
296.71
注記 上記の値は,総重量245 kNの自動車荷重を設計活荷重とし,150型は0.50〜1.50
m,300型は1.51〜3.00 m,600型は3.01〜6.00 mの適用土かぶり条件によって
設計されたPCボックスカルバートの曲げひび割れ耐力である。
D-2.4 形状,寸法及び寸法の許容差
PCボックスカルバートの形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様D-2 図1,推奨仕様D-2 表3及び
推奨仕様D-2 表4による。
なお,D.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときには製造業者は,そ
のPCボックスカルバートが表D.3の規定に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示
しなければならない。
注記1 製品の形状には,標準型,インバート型があり,接合部の形状には,突合せ型,はめ込み型,
受け口・差し口型がある。
注記2 面取り,パッキン溝,つり孔など,PCボックスカルバートの形状に影響を与えず,強度を損
なわない程度の加工を行ってもよい。
注記3 製品の据付方法には,単に製品を敷設する方法,PC鋼材を用いて接合する方法,ボルトを用
いて接合する方法などがあり,推奨仕様D-2 図1は,PC鋼材を用いて接合する製品を示す。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 図1−PCボックスカルバート形状図
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 表3−PCボックスカルバートの寸法表
単位 mm
呼び寸法
かぶり区分寸法
150型,300型
600型
T1
T2
T3
C
L a)
T1
T2
T3
C
L a)
600 × 600
125
125
125
100
2 000
125
125
125
100
2 000
700 × 700
125
125
125
100
2 000
125
125
125
100
2 000
800 × 800
125
125
125
100
2 000
125
125
125
100
2 000
900 × 600
125
125
125
150
2 000
150
150
125
150
2 000
900 × 900
125
125
125
150
2 000
150
150
125
150
2 000
1 000 × 800
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 000×1 000
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 000×1 500
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 100×1 100
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 200 × 800
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 200×1 000
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 200×1 200
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 200×1 500
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 300×1 300
125
125
125
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 400×1 400
150
150
150
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 500×1 000
150
150
150
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 500×1 200
150
150
150
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 500×1 500
150
150
150
150
2 000
150
150
150
150
2 000
1 800×1 200
150
150
150
150
2 000
180
180
180
150
2 000
1 800×1 500
150
150
150
150
2 000
180
180
180
150
2 000
1 800×1 800
150
150
150
150
2 000
180
180
180
150
2 000
2 000×1 500
150
150
150
150
2 000
200
200
200
150
2 000
2 000×1 800
150
150
150
150
2 000
200
200
200
150
2 000
2 000×2 000
150
150
150
150
2 000
200
200
200
150
2 000
2 200×1 800
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 200×2 200
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 300×1 500
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 300×1 800
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 300×2 000
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 300×2 300
180
180
180
150
2 000
230
230
230
150
2 000
2 400×2 000
180
180
180
150
2 000
250
250
250
150
2 000
2 400×2 400
180
180
180
150
2 000
250
250
250
150
2 000
2 500×1 500
180
180
180
150
2 000
260
260
250
150
2 000
2 500×1 800
180
180
180
150
2 000
260
260
250
150
2 000
2 500×2 000
180
180
180
150
2 000
260
260
250
150
2 000
2 500×2 500
200
200
200
150
2 000
260
260
250
150
2 000
2 800×1 500
200
200
200
200
2 000
280
280
280
200
2 000
2 800×2 000
200
200
200
200
2 000
280
280
280
200
2 000
2 800×2 500
200
200
200
200
2 000
280
280
280
200
2 000
2 800×2 800
200
200
200
200
2 000
280
280
280
200
2 000
3 000×1 500
250
250
200
200
2 000
350
350
300
200
2 000
3 000×2 000
250
250
200
200
2 000
350
350
300
200
2 000
3 000×2 500
250
250
200
200
2 000
350
350
300
200
1 500
3 000×3 000
250
250
250
200
2 000
350
350
300
200
1 500
3 500×2 000
300
300
250
300
2 000
350
350
300
300
1 500
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 表3−PCボックスカルバートの寸法表(続き)
単位 mm
呼び寸法
かぶり区分寸法
150型,300型
600型
T1
T2
T3
C
L a)
T1
T2
T3
C
L a)
3 500×2 500
300
300
250
300
2 000
380
380
300
300
1 500
4 000×2 000
300
300
250
300
1 500
400
400
400
300
1 000
4 000×2 500
300
300
250
300
1 500
400
400
400
300
1 000
4 500×2 000
380
380
300
300
1 000
450
450
400
300
1 000
4 500×2 500
380
380
300
300
1 000
450
450
400
300
1 000
5 000×2 000
380
380
330
300
1 000
500
530
400
300
1 000
5 000×2 500
380
380
330
300
1 000
500
530
400
300
1 000
注a) 有効長(L)は,1 500 mm又は1 000 mmとすることができる。
推奨仕様D-2 表4−PCボックスカルバートの寸法の許容差
単位 mm
呼び寸法
寸法の許容差
内幅及び内高
厚さ
有効長
600 × 600 〜 900× 900
± 4
+4
−2
+10
− 5
1 000 × 800 〜2 500×2 500
± 6
+6
−3
2 800×1 500〜3 000×3 000
± 7
+6
−4
3 500×2 000〜5 000×2 500
±10
+8
−4
D-2.5 配筋
PCボックスカルバートの配筋は,D-2.3を満足するように製造業者が定める。
鋼材のかぶりは,鋼材の直径以上でかつ,20 mm以上とし,鋼材のあきは,粗骨材の最大寸法の5/4倍
以上とする。
D-2.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,D.6.2による。
D-2.7 試験方法
D-2.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,D.7.1による。
D-2.7.2 製品の曲げ耐力試験
PCボックスカルバートの曲げ耐力試験は,PCボックスカルバートを推奨仕様D-2 図2のように据え付
け,頂版のスパン中央に幅100 mmで推奨仕様D-2 表2に規定する曲げひび割れ耐力に相当する荷重を載
荷したときの,幅0.05 mmを超えるひび割れの有無を調べる。曲げひび割れ耐力に相当する荷重を推奨仕
様D-2 表5に示す。
曲げ耐力試験を行うときは,載荷幅を100 mmとしPCボックスカルバートの加圧面及び支持面にゴム
板2) を挿入し,荷重が均等に分布されるようにしなければならない。
89
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注2) 支点及び載荷点の不陸の影響を吸収することができる程度の硬さ,厚さ及び幅のものがよい。
推奨仕様D-2 表5−PCボックスカルバートの荷重
呼び寸法
B×H(mm)
荷重(kN/m)
150型
300型
600型
600 × 600
30.5
21.4
34.7
700 × 700
34.2
23.9
38.9
800 × 800
37.8
26.5
43.1
900 × 600
41.6
32.7
55.8
900 × 900
41.5
29.0
45.7
1 000 × 800
45.5
34.3
58.5
1 000 × 1 000
45.2
31.5
52.6
1 000 × 1 500
41.3
19.5
28.6
1 100 × 1 100
48.6
34.0
56.8
1 200 × 800
51.9
41.4
71.1
1 200 × 1 000
52.0
39.5
66.9
1 200 × 1 200
51.5
36.4
60.9
1 200 × 1 500
49.6
29.8
48.3
1 300 × 1 300
54.1
38.9
65.0
1 400 × 1 400
57.2
42.1
69.1
1 500 × 1 000
60.4
51.0
85.9
1 500 × 1 200
60.3
49.1
82.0
1 500 × 1 500
59.2
44.5
73.2
1 800 × 1 200
66.3
59.7
103
1 800 × 1 500
65.8
56.6
96.1
1 800 × 1 800
64.2
51.6
86.7
2 000 × 1 500
69.4
64.0
111
2 000 × 1 800
68.2
59.9
103
2 000 × 2 000
66.9
56.2
95.7
2 200 × 1 800
72.3
68.8
118
2 200 × 2 200
69.6
61.9
106
2 300 × 1 500
74.7
75.5
131
2 300 × 1 800
73.8
72.5
125
2 300 × 2 000
72.8
69.7
120
2 300 × 2 300
70.5
64.1
110
2 400 × 2 000
74.4
73.6
128
2 400 × 2 400
71.4
66.4
115
2 500 × 1 500
77.3
82.0
145
2 500 × 1 800
76.7
79.7
140
2 500 × 2 000
75.9
77.4
135
2 500 × 2 500
72.5
69.3
118
2 800 × 1 500
81.2
92.4
162
2 800 × 2 000
80.3
89.1
155
2 800 × 2 500
77.3
82.0
142
2 800 × 2 800
74.4
75.9
132
3 000 × 1 500
86.9
105
181
3 000 × 2 000
84.9
99.4
172
3 000 × 2 500
80.6
90.3
157
90
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様D-2 表5−PCボックスカルバートの荷重(続き)
呼び寸法
B×H(mm)
荷重(kN/m)
150型
300型
600型
3 000 × 3 000
76.3
82.1
137
3 500 × 2 000
96.7
120
205
3 500 × 2 500
92.5
114
194
4 000 × 2 000
109
138
232
4 000 × 2 500
106
133
227
4 500 × 2 000
123
159
268
4 500 × 2 500
120
155
263
5 000 × 2 000
130
173
302
5 000 × 2 500
129
171
296
注記 上記の値は,総重量245 kNの自動車荷重を設計活荷重とし,150型は0.50〜1.50
m,300型は1.51〜3.00 m,600型は3.01〜6.00 mの適用土かぶり条件によって
設計されたPCボックスカルバートの荷重である。
推奨仕様D-2 図2−曲げ耐力試験方法
D-2.8 検査
D-2.8.1 検査項目
PCボックスカルバートの検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
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b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
D-2.8.2 検査ロット
PCボックスカルバートの検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数
量などを考慮し,最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。
ただし,検査ロットの大きさは,種類が異なるごとに100本又は端数を1ロットとしてもよい。
D-2.8.3 検査方法
PCボックスカルバートの検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 性能の検査は,1ロットから任意に1本抜き取り,D-2.7.2によって行い,D-2.3.1の規定に適
合すれば,そのロットを合格とし,適合しない場合は,そのロットから更に2本抜き取って再検査
を行い,2本とも適合したときは,最初の検査の不合格品を除いたそのロットを合格とし,再検査
で1本でも適合しない場合は,そのロットを不合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットから任意に1本抜き取って行い,D-2.4の規定に適
合すれば,そのロットを合格とし,適合しない場合は,そのロットから更に2本抜き取って再検査
を行い,2本とも適合したときは,最初の検査の不合格品を除いたそのロットを合格とし,再検査
で1本でも適合しない場合は,そのロットの残り全数について検査を行い,適合するものは合格と
する。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる,又は次による。
抜取検査を採用する場合には,任意に2本抜き取り,5.1の規定に適合すれば,そのロットを合格
とする。この検査で1本でも適合しないときは,そのロット全数について検査を行い,規定に適合
すれば合格とする。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
D-2.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合したPCボックスカルバートには,D.9によって,表示する。
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附属書E
(規定)
くい類
E.1
概要
この附属書は,主として基礎くいに用いるくい類のI類及びII類について規定する。
E.2
種類
くい類の種類は,表E.1による。
なお,I類は,表E.2による。
表E.1−くい類の種類
大分類
小分類
くい類
プレストレストコンクリートくい(PCくい,STくい,節くい)
プレストレスト鉄筋コンクリートくい(PRCくい,PRC節くい)
その他
表E.2−くい類I類の種類
種類
外径による区分
mm
有効プレストレス
による区分
N/mm2
詳細
プレストレストコンクリートくい
(PCくい,STくい,節くい)
300〜1 200
4.0〜10.0
推奨仕様 E-1による。
− 有効プレストレスは計算によって求める。その計算値は,定めた値の±5 %の範囲とする。
注記 1 200 mmを超える外径を採用してもよい。その場合,性能値は,受渡当事者間で協議して決定する。
E.3
性能
くい類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様E-1の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間
の協議によって定める。一般には表E.3の規定によってもよい。
93
A 5373:2016
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表E.3−くい類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
性能照査方法
使用性
使用時に想定される荷重によって所定の機能を失わず,快適
に使用できなければならない。
設計図書,E.7又は実績に
よる。
安全性a)
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。
なお,継手部の性能についても,同様とする。
設計図書,E.7又は実績に
よる。
耐久性b)
想定される作用によるひび割れ,材料特性の経時的な低下な
どによって,所要の性能を損なってはならない。
設計図書又は実績による。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合などの
作業を安全かつ容易に行うことができなければならない。
設計図書又は実績による。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが同等で製
造方法が同様の製品の実績によってもよい。
E.4
形状,寸法及び寸法の許容差
くい類の形状,寸法及び寸法の許容差は,次による。ただし,I類は,設計思想に差がなく,性能及び
性能照査方法が同じであれば,所要の性能を満足する範囲で購入者の要求によって基準寸法を±10 %の範
囲で変更することができる。
a) 形状 くい類の形状例を,図E.1に示す。
PCくいは,中空円筒形を本体とし,全長にわたり同一断面のものをいう。STくいは,PCくいの先端部
を拡径したくいであり,節くいは,PCくいの本体に節部を設けたものをいう。また,その節部の外径は,
本体部の性能を損なわない範囲とする。それぞれのくいは,必要に応じて適切な先端部,継手部又は頭部
を設ける。II類に区分される製品の形状は,受渡当事者間の協議による。
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A 5373:2016
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a) PCくい
b) STくい
c) 節くい
図E.1−くい類の形状例
b) 寸法及び寸法の許容差 I類に区分される製品の寸法及び寸法の許容差は,表E.4による。II類に区分
される製品の寸法及び寸法の許容差は,受渡当事者間の協議による。
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A 5373:2016
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表E.4−くい類の寸法及び寸法の許容差
種類
外径
mm
厚さ
mm
長さ
m
プレストレスト
コンクリートくい
(PCくい,STくい,節くい)
寸法
300〜600
700〜1 200
60〜150
4〜15
寸法許容差
+5
−2
+7
−4
+規定しない
−0
長さの±0.3(%)
− くいの長さは1 m単位とする。
− くいの外径は,本体の一断面において直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入し整数に丸める。
− くいの厚さは,本体の端部の一断面において直交軸に沿って測定した四つの値の平均値を四捨五入し整数に丸
める。
− くいの拡径部の外径の許容差並びに節部の外径の許容差は,規定しない。
− くいの拡径部の長さの許容差並びに節間隔の許容差は,規定しない。
E.5
配筋
配筋は,箇条7,JIS A 5364及び設計図書による。くい類の配筋は,E.3を満足する配筋を製品ごとに製
造業者が定める。
E.6
コンクリートの品質
E.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8による。
E.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,有効プレストレスが4.0 N/mm2は80 N/mm2以上,4.0
N/mm2を超えるものは85 N/mm2以上とする。また,プレストレス導入時の圧縮強度は,40 N/mm2以上と
する。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
E.7
試験方法
E.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108又はJIS A 1136による。
なお,供試体は,製品と同一養生を行ったもの,又はその他適切な方法によって管理したものとする。
E.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363及び次による。II類は,受渡当事者間の協議によるものとする。
a) 曲げ耐力試験は,図E.2に示すように,くい類の長さLの3/5をスパンlとして支え,スパンの中央
に曲げ耐力に相当する荷重Fを2点載荷する。荷重Fは,自重を考慮した次の式によって算出する。
b
L
L
m
M
F
10
6
40
−
−
=
g
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準とする。
96
A 5373:2016
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図E.2−くい類の曲げ耐力試験方法
曲げ耐力試験を行うときに,せん断力などによる影響が大きくなると思われる場合は,スパンlを
くい類の長さLの3/5より長くしてもよい。荷重Fは,自重を考慮した次の式によって算出する。
(
)
( )b
l
L
l
m
M
F
−
−
−
=
2
2
8
g
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
l: スパン(m)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準とする。
b) 曲げひび割れ耐力及び終局曲げ耐力に相当する荷重Fを載荷して,要求性能を満足することを確認す
る。
c) 継手部の曲げ耐力試験を行う場合は,スパン中央に継手の継ぎ目部分を一致させて行う。また,この
ときのLは,2本のくい類を継いだ長さとする。
なお,くい類が曲げ破壊を起こす前に,載荷点又は支点において局部破壊を生じるおそれのある場
合は,その対策を講じる。
E.7.3 製品の軸力曲げ耐力試験(正負交番繰返し軸力曲げ耐力試験)
製品の軸力曲げ耐力試験は,次による。II類は,受渡当事者間の協議によるものとする。
a) 軸力曲げ耐力試験は,図E.3に示すように,軸力Nを加えたくい類を,lをスパンとして支え,スパ
ンの中央に曲げ耐力に相当する荷重Fを2点載荷する。荷重Fは,自重を考慮した次の式によって算
出する。
正荷重の場合
(
)
( )b
l
N
L
l
m
M
F
−
−
−
−
=
2
8
2
8
δ
g
負荷重の場合
(
)
(
)
g
g
m
b
l
N
L
b
m
M
F
−
−
+
−
−
−
=
−
2
8
2
8
δ
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
97
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
l: スパン(m) l≧7.0を標準とする。
δ: 中央部の相対たわみ量(m)
N: 軸力(kN)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準とする。
b) 軸力N,荷重F及び正負交番繰返し回数は,次の条件を満足しなければならない。
1) 軸力Nは,試験完了時まで一定に確保しなければならない。
2) 軸力Nは,推奨仕様に示すN1,N2,及びN3の3段階のいずれかとする。
3) 繰返し荷重Fは,軸力Nが与えられている状態で,曲げひび割れ耐力及び終局曲げ耐力のそれぞれ
の1/1.2を生じる値とし,繰返し回数は10サイクル以上とする。
なお,正負1回をもって1サイクルとする。
c) 正負交番繰返し完了後,曲げひび割れ耐力及び終局曲げ耐力に相当する荷重Fを載荷して,要求性能
を満足することを確認する。
なお,くい類が曲げ破壊を起こす前に,載荷点又は支点において局部破壊を生じるおそれのある場
合は,その対策を講じる。
図E.3−くい類の軸力曲げ耐力試験方法
E.7.4 製品のせん断耐力試験
製品のせん断耐力試験は,JIS A 5363及び次による。II類は,受渡当事者間の協議によるものとする。
せん断耐力試験は,図E.4又は図E.5に示す方法で行い,図E.4による場合の荷重Fは,次の式によっ
て算出する。
Q
F 2
=
ここに,
F: 荷重(kN)
Q: せん断耐力(kN)
98
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b :曲げスパン(m) b=1.0を標準とする。
a :せん断スパン(シアスパン)(m) a=1.0D
D :外径(m)
図E.4−くい類のせん断耐力試験方法(単純はり形式載荷)
図E.4による試験体のはね出し長さ(m)は,1.25D〜2.0D程度とする。
図E.5による場合の荷重Fは,次の式によって算出する。
(
)
b
b
a
Q
F
+
=
2
ここに,
F: 荷重(kN)
Q: せん断耐力(kN)
b: 載荷点と外側の支点の間の距離(m)
a: せん断スパン(m) a=D−t/2
D: 外径(m)
t: 厚さ(m)
図E.5−くい類のせん断耐力試験方法(張出はり形式載荷)
せん断ひび割れ耐力及び終局せん断耐力に相当する荷重Fを載荷して,要求性能を満足することを確認
する。
なお,くい類がせん断破壊を起こす前に,載荷点又は支点において局部破壊を生じるおそれのある場合
には,その対策を講じる。
99
A 5373:2016
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E.8
検査
検査は,JIS A 5365によるほか,次による。
a) 最終検査 くい類の最終検査は,外観,性能,形状及び寸法について行い,次による。
1) 外観 外観については,製品の特性,製造方法,製造数量などを考慮して,全数検査又は抜取検査
とする。
2) 性能,形状及び寸法 性能,形状及び寸法については,抜取検査とする。
性能を代用特性として供試体で行う場合には,製品との相関を得ておかなければならない。
3) 検査ロットの大きさ 検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注
数量などを考慮し製造業者が定める。
検査ロットは,製品の特性,使用材料,コンクリートの配合,製造方法などが同じものとする。
b) 受渡検査 くい類の受渡検査は,外観,形状及び寸法について行う。検査ロットの大きさ及び抜取方
式は,受渡当事者間の協議によって,購入者が定める。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略
することができる。
E.9
表示
くい類には,JIS A 5361によって,次の事項を表示する。また,遠心力締固めによって製造するくい類
の種類のうち,PCくい,STくい及び節くいは,PHCと表示する。
a) 種類又はその記号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日又はその略号
E.10 その他(推奨仕様)
くい類のI類を,表E.5に示す。
表E.5−推奨仕様
構造別製品群規格
推奨仕様
JIS A 5373
附属書E くい類
推奨仕様E-1 プレストレストコンクリートくい
100
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推奨仕様E-1
プレストレストコンクリートくい
E-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Eのうち,くい類I類のプレストレストコンクリートくい(以下,くいという。)
について記載する。
なお,全長にわたり同一断面のものをPCくい,PCくいの先端部を拡径したものをSTくい,及びPC
くいの本体に節部を設けたものを節くいという。
E-1.2 種類
くいは,外径によって300 mm,350 mm,400 mm,450 mm,500 mm,600 mm,700 mm,800 mm,900
mm,1 000 mm,1 100 mm及び1 200 mmに区分し,更に有効プレストレスの大きさによって,A種,B種
及びC種(以下,それぞれA,B及びCという。)に区分する。
なお,くいのA,B及びCの有効プレストレスは,それぞれ4.0 N/mm2,8.0 N/mm2及び10.0 N/mm2と
する。
E-1.3 性能
くいの性能は,次による。
E-1.3.1 曲げひび割れ耐力
くいの曲げひび割れ耐力は,推奨仕様E-1 表1及び推奨仕様E-1 表2に規定する値以上とする。
E-1.3.2 終局曲げ耐力
くいの終局曲げ耐力は,推奨仕様E-1 表1及び推奨仕様E-1 表2に規定する値以上とする。また,継
手部については,推奨仕様E-1 表1に規定する値以上とする。
E-1.3.3 せん断ひび割れ耐力
くいのせん断ひび割れ耐力は,推奨仕様E-1 表3に規定する値以上とする。
E-1.3.4 終局せん断耐力
くいの終局せん断耐力は,推奨仕様E-1 表3に規定する値以上とする。
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A 5373:2016
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推奨仕様E-1 表1−くいの寸法及び曲げ耐力(軸力N=0 kN作用時)
単位 kN・m
外径
mm
区分
厚さ
mm
長さ
m
曲げひび割れ耐力
終局曲げ耐力
300
A
60
4〜13
24.5
37.3
B
4〜15
34.3
61.8
C
39.2
78.5
350
A
60
4〜13
34.3
52.0
B
4〜15
49.0
88.3
C
58.9
117.7
400
A
65
4〜15
54.0
81.4
B
73.6
132.4
C
88.3
176.6
450
A
70
4〜15
73.6
110.8
B
107.9
194.2
C
122.6
245.2
500
A
80
4〜15
103.0
155.0
B
147.2
264.9
C
166.8
333.5
600
A
90
4〜15
166.8
250.2
B
245.2
441.4
C
284.5
569.0
700
A
100
4〜15
264.9
397.3
B
372.8
671.0
C
441.4
882.9
800
A
110
4〜15
392.4
588.6
B
539.6
971.2
C
637.6
1 275
900
A
120
4〜15
539.6
809.3
B
735.8
1 324
C
833.8
1 668
1 000
A
130
4〜15
735.8
1 104
B
1 030
1 854
C
1 177
2 354
1 100
A
140
4〜15
932.0
1 398
B
1 324
2 384
C
1 521
3 041
1 200
A
150
4〜15
1 177
1 766
B
1 668
3 002
C
1 962
3 924
102
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様E-1 表2−くいの軸力曲げ耐力
単位 kN・m
外径
mm
区
分
軸力N1作用時曲げ耐力
軸力N2作用時曲げ耐力
軸力N3作用時曲げ耐力
軸力
N1
kN
曲げひび割
れ耐力
Mcr
終局曲げ
耐力
Mu
軸力
N2
kN
曲げひび割
れ耐力
Mcr
終局曲げ
耐力
Mu
軸力
N3
kN
曲げひび割
れ耐力
Mcr
終局曲げ
耐力
Mu
300 A
392.4
44.1
77.5
784.8
64.7
105.9
1 177
84.4
122.6
B
54.0
95.2
74.6
117.7
94.2
127.5
C
58.9
106.9
79.5
123.6
99.1
130.5
350 A
490.5
64.7
111.8
981.0
96.1
156.0
1 472
126.5
181.5
B
79.5
140.3
109.9
173.6
141.3
188.4
C
89.3
159.9
119.7
184.4
151.1
192.3
400 A
588.6
97.1
163.8
1 177
139.3
223.7
1 766
182.5
259.0
B
116.7
201.1
158.9
249.2
202.1
269.8
C
130.5
234.5
173.6
266.8
215.8
277.6
450 A
735.8
134.4
228.6
1 472
195.2
312.9
2 207
256.0
361.0
B
168.7
291.4
229.6
353.2
290.4
379.6
C
183.4
329.6
244.3
375.7
305.1
389.5
500 A
882.9
183.4
304.1
1 766
263.9
421.8
2 649
345.3
496.4
B
227.6
392.4
309.0
483.6
389.5
527.8
C
247.2
447.3
328.6
518.0
409.1
543.5
600 A 1 275
309.0
522.9
2 551
452.2
723.0
3 826
594.5
839.7
B
388.5
671.0
530.7
823.1
673.9
886.8
C
427.7
765.2
570.9
877.0
713.2
909.4
700 A 1 766
498.3
832.9
3 532
731.8
1 151
5 297
965.3
1 312
B
606.3
1 034
840.7
1 282
1 074
1 366
C
673.9
1 185
906.4
1 355
1 139
1 387
800 A 1 962
692.6
1 143
3 924
991.8
1 579
5 886
1 292
1 855
B
839.7
1 446
1 140
1 796
1 440
1 967
C
935.9
1 679
1 235
1 936
1 534
2 027
900 A 2 452
966.3
1 598
4 905
1 394
2 226
7 358
1 821
2 601
B
1 165
2 009
1 595
2 516
2 024
2 748
C
1 264
2 277
1 696
2 679
2 127
2 827
1 000 A 2 943
1 306
2 159
5 886
1 876
3 004
8 829
2 446
3 502
B
1 598
2 750
2 167
3 403
2 736
3 697
C
1 745
3 143
2 314
3 633
2 882
3 810
1 100 A 3 434
1 652
2 821
6 867
2 372
3 943
10 300
3 092
4 597
B
2 030
3 646
2 735
4 538
3 440
4 907
C
2 218
4 163
2 916
4 846
3 612
5 041
1 200 A 3 924
2 080
3 555
7 848
2 982
4 983
11 770
3 885
5 852
B
2 552
4 598
3 435
5 754
4 319
6 272
C
2 834
5 331
3 706
6 208
4 578
6 471
くい本体の性能照査で,軸力曲げ耐力試験及び正負交番繰返し軸力曲げ耐力試験を実施する場合の代表外径は,
通常製造する外径の中間径程度を代表外径として,試験を行う。また,このときの軸力は,N3とする。
なお,この場合のくいの長さは,8 m以上のものを用いて行う。
103
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様E-1 表2−くいの軸力曲げ耐力(続き)
記号
説明
N4
軸力,曲げ耐力関係図においてA,B,C種のそれぞれの終局曲げ耐力が,ほぼ等しくなる軸力
N3
N4×3/4の軸力
N2
N4×2/4の軸力
N1
N4×1/4の軸力
Mcr
曲げひび割れ耐力
Mu
終局曲げ耐力
104
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨仕様E-1 表3−くいのせん断耐力
単位 kN
外径
mm
厚さ
mm
区分
せん断耐力
せん断ひび割れ耐力
終局せん断耐力
300
60
A
99.1
125
B
126
160
C
136
175
350
60
A
119
149
B
150
190
C
163
209
400
65
A
148
187
B
187
234
C
204
259
450
70
A
181
225
B
228
293
C
248
316
500
80
A
229
276
B
288
359
C
314
395
600
90
A
311
388
B
392
506
C
428
554
700
100
A
406
514
B
512
677
C
557
739
800
110
A
512
661
B
647
863
C
704
936
900
120
A
631
820
B
797
1 063
C
867
1 153
1 000
130
A
762
990
B
961
1 289
C
1 047
1 400
1 100
140
A
905
1 202
B
1 142
1 561
C
1 244
1 687
1 200
150
A
1 059
1 413
B
1 337
1 823
C
1 457
1 979
くい本体の性能照査で,せん断耐力試験を実施する場合の代表外径は,通常製造す
る外径の中間径程度を代表外径として,試験を行う。
E-1.4 形状,寸法及び寸法の許容差
くいの形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様E-1 図1,推奨仕様E-1 表1及び推奨仕様E-1 表4
による。
なお,E.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,購入者の要求があったときには製造業者は,そ
105
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
のくいが,表E.3に適合していることを示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
STくいの拡径部の最大長さは,拡径部外径の2倍とする。また,節くいの節部の最大外径は,外径450
mm以下では外径+150 mm以下,外径500 mm以上ではその外径+200 mm以下とする。また,節間隔は,
1 mとする。
なお,先端部,継手部及び頭部はくいの長さに含まれ,製造後,新たに取り付けた先端部の金具などは,
くいの長さに含まれない。また,先端部には,閉塞形,開放形などがあり,上くい又は中くいに先端部を
取り付けて,下くいとしてもよい。継手部の端面傾斜は,くいの軸線の直角に対して,300 mmにつき1 mm
以内とする。
a) PCくい
b) STくい
c) 節くい
推奨仕様E-1 図1−くいの形状
106
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推奨仕様E-1 表4−寸法及び寸法の許容差
種類
外径
mm
厚さ
mm
長さ
m
プレストレスト
コンクリートくい
(PCくい,STくい,
節くい)
寸法
300〜600
700〜1 200
60〜150
4〜15
寸法の許容差
+5
−2
+7
−4
+規定しない
−0
長さの±0.3(%)
− くいの長さは1 m単位とする。
− くいの外径は,本体の一断面において直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入し整数に丸め
る。
− くいの厚さは,本体の端部の一断面において直交軸に沿って測定した四つの値の平均値を四捨五入し整数
に丸める。
− くいの拡径部の外径の許容差並びに節部の外径の許容差は,規定しない。
− くいの拡径部の長さの許容差並びに節間隔の許容差は,規定しない。
E-1.5 配筋
くいの配筋は,次による。
a) 軸方向に配置するPC鋼材及び鉄筋は,その合計断面積による鉄筋比が,0.4 %以上で,かつ,本数は,
6本以上とし,くいの各断面で,その同心円の周りに沿ってなるべく均等に配置し,くいの曲げ耐力
に方向性が小さくなるようにする。PC鋼材及び鉄筋のあきは,それらの直径の1倍以上で,かつ,粗
骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。くい頭結合等のために鉄筋を配置する場合の鉄筋配置,必要鉄
筋量は,受渡当事者間で決定するものとする。
b) らせん状鉄筋は,軸方向PC鋼材及び軸方向鉄筋の外側に配置する。らせん状鉄筋は,くいの外径500
mm以下では線径3 mm以上,外径600〜1 000 mmでは線径4 mm以上,外径1 100 mm及び1 200 mm
では線径5 mm以上。ピッチは,110 mm以下とする。
せん断耐力及び変形性能を向上させるために必要ならせん状鉄筋量は,受渡当事者間で決定するも
のとする。
c) PC鋼材及びらせん状鉄筋のかぶりは,15 mm以上とする。
d) PC鋼材及び鉄筋は,コンクリートの付着を害する浮きさび,油などを取り除き,正しい位置に固定さ
れる方法で組み立てる。
E-1.6 コンクリートの品質
コンクリートの品質は,E.6.2による。
なお,A種は80 N/mm2以上,B及びC種は85 N/mm2以上でなければならない。
E-1.7 試験方法
E-1.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,E.7.1による。
E-1.7.2 製品の曲げ耐力試験
曲げ耐力試験は,E.7.2による。
なお,荷重の算定に用いるPCくい本体の質量は,推奨仕様E-1 表5の値とする。
107
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E-1.7.3 製品の軸力曲げ耐力試験(正負交番繰返し軸力曲げ耐力試験)
軸力曲げ耐力試験は,E.7.3による。
なお,荷重の算定に用いるPCくい本体の質量は,推奨仕様E-1 表5の値とする。
E-1.7.4 製品のせん断耐力試験
せん断耐力試験は,E.7.4による。
推奨仕様E-1 表5−PCくいの質量
単位 t
外径
mm
長さ
4 m
5 m
6 m
7 m
8 m
9 m
10 m
11 m
12 m
13 m
14 m
15 m
300
0.470
0.588
0.705
0.823
0.940
1.058
1.176
1.293
1.411
1.528
1.646
1.763
350
0.568
0.710
0.852
0.994
1.136
1.278
1.421
1.563
1.705
1.847
1.989
2.131
400
0.711
0.889
1.067
1.244
1.422
1.600
1.778
1.955
2.133
2.311
2.489
2.667
450
0.869
1.086
1.303
1.520
1.737
1.954
2.172
2.389
2.606
2.823
3.040
3.257
500
1.097
1.372
1.646
1.920
2.194
2.469
2.743
3.017
3.292
3.566
3.840
4.115
600
1.499
1.874
2.248
2.623
2.998
3.373
3.747
4.122
4.497
4.871
5.246
5.621
700
1.959
2.449
2.939
3.429
3.919
4.409
4.898
5.388
5.878
6.368
6.858
7.348
800
2.479
3.098
3.718
4.338
4.957
5.577
6.196
6.816
7.436
8.055
8.675
9.295
900
3.057
3.821
4.585
5.349
6.113
6.877
7.642
8.406
9.170
9.934 10.698 11.462
1 000
3.693
4.617
5.540
6.463
7.387
8.310
9.233 10.157 11.080 12.004 12.927 13.850
1 100
4.389
5.486
6.583
7.681
8.778
9.875 10.972 12.070 13.167 14.264 15.361 16.459
1 200
5.143
6.429
7.715
9.001
10.287 11.572 12.858 14.144 15.430 16.716 18.002 19.287
この質量は,取扱いの便宜のため,PCくいの単位容積質量を2.60 t/m3,πの値を3.14として,次の式によっ
て算出し,四捨五入によって小数点3桁に丸める。
m=ωπtL (D−t)
ここに, m: PCくいの質量(t)
ω: PCくいの単位容積質量(t/m3)
t: 厚さ(m)
L: 長さ(m)
D: 外径(m)
E-1.8 検査
E-1.8.1 検査項目
くいの検査項目は,次による。
a) 最終検査 最終検査項目は,次による。
1) 外観
2) 性能
3) 形状及び寸法
b) 受渡検査 受渡検査項目は,次による。ただし,受渡当事者間の協議によって,省略することができ
る。
1) 外観
2) 形状及び寸法
E-1.8.2 検査ロット
くいの検査ロットの大きさは,製品の特性,製造方法,製造数量,製造期間,受注数量などを考慮し,
108
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
最終検査は製造業者が定め,受渡検査は,受渡当事者間の協議によって購入者が定める。ただし,検査ロ
ットの大きさは,3 000本又は端数を1ロットとしてよい。
E-1.8.3 検査方法
くいの検査方法は,次による。
a) 最終検査 最終検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,目視によって全数について行い,5.1の規定に適合するものを合格とする。
2) 性能 本体の曲げひび割れ耐力の検査は,1ロットから任意に2本抜き取り,E-1.7.2によって行い,
2本ともE-1.3.1の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2本とも適合しなければ,そのロッ
トを不合格とする。この検査で1本だけ規定に合格しないときは,そのロットから更に4本抜き取
って再検査を行い,4本とも規定に適合すれば,最初の検査の不合格品を除き,そのロットを合格
とし,再検査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格とする。
本体の終局曲げ耐力の検査は,本体の曲げひび割れ耐力の検査の初めの2本のうち1本について,
E-1.7.2によって行い,E-1.3.2の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,適合しなければ,その
ロットから更に2本抜き取って再検査を行い,2本とも規定に適合すれば,最初の検査の不合格品
を除き,そのロットを合格とし,再検査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格とする。
3) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,1ロットから任意に2本抜き取ったものについて行い,E-1.4
の規定に適合すれば,そのロットを合格とする。この検査で1本でも適合しないときは,そのロッ
トの残り全数について検査を行い,規定に適合すれば合格とする。
b) 受渡検査 受渡検査方法は,次による。
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる,又は次による。
抜取検査を採用する場合には,任意に2本抜き取り,2本とも5.1の規定に適合すれば,そのロッ
トを合格とする。この検査で1本でも適合しないときは,そのロットの残り全数について検査を行
い,規定に適合すれば合格とする。
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に準じる。
E-1.9 表示
この規格の全ての要求事項に適合したPCくい,STくい及び節くいには,E.9によって表示する。また,
遠心力締固めによる製造くいは,PHCと表示する。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
2 引用規
格
削除
2 引用規
格
JIS A 1132 コンクリート強度試験用供試体の作り方
JIS B 7505-1 アネロイド型圧力計−第1部:ブルドン
管圧力計
JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正
方法及び検証方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
引用規格として他のJIS
にて引用しており,基本規
格などと重複して引用す
るなど,基本規格,附属書,
推奨仕様の規格及び箇条
の引用について見直した。
5.1 外観
PC製品には,使用上有害な,きず,ひび割れ,欠け,
反り,ねじれ(板状製品の場合)などがあってはならな
い。
5.1 外観
外観は,9.1によって試験を行い,使用上有害な,きず,
ひび割れ,欠け,反り,ねじれ(板状製品の場合)など
があってはならない。また,水路用PC製品の流水面は,
実用上支障のない程度に滑らかでなければならない。
試験をすることを限定し
ているため表現を改めた。
また,流水面の滑らかさは
流れに影響する性能を含
むため該当する附属書D
の表に移した。
5.2 性能
PC製品の種類に応じた性能は,表2の規定に適合しな
ければならない。ただし,性能の照査に性能試験を適用
する場合は,PC製品では9.2による。
5.2 性能
性能は,箇条9の試験を行ったとき,表2の規定に適合
しなければならない。
試験を行ったときに表2
の規定に適合可能として
いるため,I類,II類につ
いて明確でなかったもの
を区分し適用範囲を明確
にした。
性能と性能試験を分け,性
能だけの規定とした。ま
た,性能試験を行う場合に
ついて9.2と関連付けた。
7 配筋及
び配筋の
許容差
b) 配筋の許容差 配筋の許容差2) は,要求性能を満足
する範囲内で,
7 配筋(鉄
筋及びPC
鋼材)及び
配筋の許
容差
b) 配筋の許容差 配筋の許容差1) は,部材の力学的特
性及び耐久性が,所定の要求性能を満足する範囲内で,
性能を満足する範囲内で
製造業者の自由度に委ね
た。
5
A
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3
7
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:
2
0
1
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
10 検査
10.1 検査区分及び検査項目
PC製品の検査は,最終検査と受渡検査とに区分し,次
による。
a) 最終検査 製品の製造業者は,次に示す検査項目に
ついて最終検査を行う。
10.3 検査の判定
検査の判定方法は,JIS A 5365による。
10 検査
10.1 検査項目
製品の製造業者が実施する最終検査及び製品の受渡時
に確認のために実施する受渡検査の検査項目は,次によ
る。
a) 最終検査項目 検査項目は,次による。
基本規格JIS A 5365と整
合させ細分箇条を設けた。
12 表示
a) “II類”の文字又はその略号
12 表示
a) “II類”の文字
“類”の文字は各数が多
く,製品に押印したとき,
潰れるなどして印字され
ないこともあるため。
附属書A
(規定)
ポール類
A.3 性能
ポール類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様A-1
の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362
の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間の協議
によって定める。一般には表A.3の規定によってもよ
い。
附属書A
(規定)
ポール類
A.3 性能
ポール類の性能は,表A.3の規定に適合しなければなら
ない。
なお,II類の性能項目は,受渡当事者間の協議による。
I類は,それぞれの推奨仕
様に適合すること,II類
は,基本規格のJIS A 5362
に適合することを明示し
た。
表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法
表中抜粋
性能項目
使用性
安全性a)
耐久性b)
施工性
表A.3−ポール類の性能
表中抜粋
性能項目
使用状態性能
終局状態性能a)
変形性能
耐久性能b)
施工性能
JIS A 5362と整合させた。
5
A
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:
2
0
1
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A.3 性能
(続き)
表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法(続き)
性能
使用時に想定される荷重によっ
て所定の機能を失わず,快適に
使用でなければならない。
設計上想定される荷重によっ
て,破壊してはならない。
なお,継手部の性能についても,
同様とする。
想定される作用によるひび割
れ,材料特性の経時的な低下な
どによって,所要の性能が損な
われてはならない。
有害な変状を生じることなく運
搬,据付,組立,接合などの作
業を安全かつ容易に行うことが
できなければならない。
A.3 性能
(続き)
表A.3−ポール類の性能(続き)
性能
使用時に想定される常時の荷重
に対して安全であり,ひび割れ幅
が許容値以内でなければならな
い。
終局時に想定される荷重に対し
て,破壊してはならない。
使用時に想定される常時の荷重
に対して,たわみが許容値以内で
なければならない。
想定される劣化作用に対して,耐
久性を保持しなければならない。
運搬,設置,組立などの施工性を
確保しなければならない。
表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法(続き)
性能照査方法
設計図書,A.7又は実績に
よる。
設計図書,A.7又は実績に
よる。
設計図書又は実績による。
設計図書又は実績による。
表A.3−ポール類の性能(続き)
性能照査方法
設計図書又はA.6による。
設計図書又はA.6による。
設計図書又はA.6による。
設計図書又は実績による。
設計図書又は実績による。
JIS A 5362と整合させた。
要求事項を明確にした。
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A
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:
2
0
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A.3 性能
(続き)
表A.3−ポール類の性能及び性能照査方法(続き)
ポール類に使用するPC鋼材は,受渡当事者
間で協議の上,応力腐食割れに対する耐久性
が確認されたものを使用する。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があ
った場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は
水セメント比及び空気量が同等,かつ,
鉄筋などのかぶりが同等で製造方法が
同様の製品の実績によってもよい。
A.3 性能
(続き)
表A.3−ポール類の性能(続き)
注a) 終局状態性能の確認は,購入者から要
求があった場合に行う。
b) 耐久性能の確認は,水セメント比及び
/又は鉄筋などのかぶりが同等な類似
製品の実績から判断してもよい。
なお,ポール類に使用するPC鋼材
は,受渡当事者間で協議して,応力腐
食割れに対する耐久性能が確認された
ものを使用する。
空気量及び製造方法によ
っても耐久性は影響を受
けるため。
A.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 ポール類の形状例を,図A.1に示す。また,
必要に応じて継手部を設けることができる。
(表A.4)
− 末口径,元口径及び直径は,端部の一断面において
直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入
し整数に丸める。
A.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 ポール類の形状例を,図A.1に示す。
(表A.4)
− 末口径,元口径及び直径は,直交軸に沿って測定し
た二つの値の平均値とする。
2本以上のポールを1本の
ポールに接合し継ポール
と呼ばれるものもポール
類であることを明確にし
た。
数値の丸め方を明確にし
た。
A.6 コン
クリート
の品質
A.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8に
よる。
A.7 コン
クリート
の品質
A.7.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,JIS A
5364による。
基本規格,本体,附属書,
推奨仕様との引用規格の
重複を整理し,一連の箇条
及び表現の整合を図った。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A.6 コン
クリート
の品質(続
き)
A.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,50
N/mm2以上とする。また,プレストレス導入時の圧縮強
度は,支持点において与えられるプレストレスの1.7倍
以上,荷重点において与えられるプレストレスの1.3倍
以上で,かつ,25 N/mm2以上とする。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
A.7 コン
クリート
の品質(続
き)
A.7.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,製品と同一養生を行った供
試体の圧縮強度又はその他適切な方法によって管理し
た圧縮強度で検証し,所定の材齢において,50 N/mm2
以上とする。また,プレストレス導入時の圧縮強度は,
支持点において与えられるプレストレスの1.7倍以上,
荷重点において与えられるプレストレスの1.3倍以上
で,かつ,25 N/mm2以上とする。
なお,II類は,受渡当事者間の協議によるものとし,コ
ンクリートの圧縮強度は,JIS A 5364の附属書Aによる
ことができる。
供試体の養生方法は,関係
するA.7の試験方法に移
行したため。
また,JIS A 5364の附属書
Aは,規定の一部ではない
ため削除した。
A.7 試験
方法
A.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108又はJIS A
1136による。
なお,供試体は,製品と同一養生を行ったもの,又はそ
の他適切な方法によって管理したものとする。
A.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363による。
A.6 試験
方法
A.6.1 圧縮強度試験
圧縮強度試験は,JIS A 1132及びJIS A 1108又はJIS A
1136による。
A.6.2 曲げ強度試験
曲げ強度試験は,JIS A 5363による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値性能をもつものを使用
する。
基本規格,本体,附属書,
推奨仕様との引用規格の
重複を整理し,一連の箇条
及び表現の整合を図った。
推奨仕様
A-1 プレ
ストレス
トコンク
リートポ
ール
A-1.2 種類
推奨仕様A-1 表1−寸法及びひび割れ試験荷重(1種)
での“支持点の高さ”の変更及び“製品の呼び”の追加
推奨仕様
A-1 プレ
ストレス
トコンク
リートポ
ール
A-1.2 種類
推奨仕様A-1 表1−寸法及びひび割れ試験荷重(1種) 配電規定(JEAC 7001)に
準拠。
使用実態に合わせて製品
の呼びを追加。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A-1.3 性能 A-1.3.1 ポール1種
ポール1種の性能は,次による。
a) ひび割れ試験荷重 ポール1種のひび割れ試験荷重
(ひび割れ幅0.25 mm以下)は,推奨仕様A-1 表1に
規定する値以上とする。また,ひび割れ試験荷重を除荷
したとき,幅0.05 mmを超えるひび割れが残留してはな
らない。
b) 終局荷重 ポール1種の終局荷重は,推奨仕様A-1
表1に規定するひび割れ試験荷重の2倍の値以上とす
る。
A-1.3.2 ポール2種
ポール2種の性能は,次による。
a) 限界ひび割れ幅耐力
(ポール1種と同等)
b) 終局曲げ耐力
(ポール1種と同等)
c) たわみ ポール2種のたわみは,推奨仕様A-1 表2
に規定する限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重の2/3を
加えたとき,長さ8 mのポールは支持点から6 mの位置,
長さ9 m以上のポールは支持点から7 mの位置における
たわみが75 mmを超えてはならないものとする。
A-1.3 性能 A-1.3.1 曲げ強度
ポール1種の本体の曲げ強度は,A-1.6.2に規定する曲
げ強度試験を行い,推奨仕様A-1.表1に示すひび割れ試
験荷重を加えたとき,幅0.25 mmを超えるひび割れが発
生してはならない。このひび割れ試験荷重を除荷したと
き,幅0.05 mmを超えるひび割れが残留してはならな
い。また,ポール1種は,推奨仕様A-1.表1に規定する
ひび割れ試験荷重の2倍の値で破壊してはならない。
2種の本体の曲げ強度は,A-1.6.2に規定する曲げ強度試
験を行い,推奨仕様A-1 表2に示すひび割れ試験曲げ
モーメントを加えたとき,…の2倍の値で破壊してはな
らない。
A-1.3.2 変形
ポール2種の変形は,A-1.6.2に規定する曲げ強度試験
を行い,推奨仕様A-1 表2に示すひび割れ試験曲げモ
ーメントの2/3を加えたとき,長さ8 mのポールは支持
点から6 mの位置,長さ9 m以上のポールは支持点から
7 mの位置におけるたわみが75 mmを超えてはならな
い。
曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全体的な
見直しによる。
A-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
推奨仕様A-1 表3−寸法の許容差
− 末口径,元口径及び直径は,端部の一断面において
直交軸に沿って測定した二つの値の平均値を四捨五入
し整数に丸める。
− 厚さは,端部の一断面において直交軸に沿って測定
した四つの値の平均値を四捨五入し整数に丸める。
A-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
推奨仕様A-1 表3−寸法の許容差
− 末口径,元口径及び直径は,直交軸に沿って測定し
た二つの値の平均値とする。
− 厚さは,本体の端部の1断面において直交軸に沿っ
て測定した四つの値の平均値とする。
数値の丸め方を明確にし
た。
A-1.5 配筋 c) PC鋼材及び軸方向鉄筋は,組立筋によって組み立て
る。この組立筋は,本体性能を損なわないように配置し
なければならない。
A-1.5 配筋 c) 用心鉄筋は,PC鋼材及び軸方向鉄筋の外側にらせん
状に配置する。用心鉄筋は,直径2.7 mm以上のものと
する。ピッチは,150 mm以下でなければならない。
用心鉄筋は,ポールの性能
上考慮していないことか
ら,仕様規定を改めた。ま
た,その名称を組立筋とし
た。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
115
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A-1.5 配筋
(続き)
d) PC鋼材又は軸方向鉄筋と組立筋とを溶接によって接
合する場合には,PC鋼材又は軸方向鉄筋の機械的性質
が溶接によって,それぞれの規格値以下に低下しないこ
とが保証されていなければならない。
A-1.5 配筋
(続き)
e) 用心鉄筋とPC鋼材又は軸方向鉄筋とを溶接によっ
て接合する場合には,これらの機械的性質が溶接によっ
て,それぞれの規格値以下に低下しないことが保証され
ていなければならない。
組立筋の記載を明確にし
た。
A-1.7 試験
方法
A-1.7.2 曲げ耐力試験
ポール1種の曲げ耐力試験は,ポールを推奨仕様A-1 図
3のように据え,まくら材などを当てて固定する。載荷
点において,ポールの軸にできるだけ直交する方向に荷
重を加える。載荷は,緩やかな速さで,ひび割れ試験荷
重まで行い,ひび割れ幅及びたわみを測定する。このと
き,ひび割れ幅0.25 mmを超えるひび割れの有無を調べ
る。その後,荷重を除去し,残留ひび割れ幅を測定する。
このとき,残留ひび割れ幅0.05 mmを超えるひび割れの
有無を調べる。さらに,必要に応じてポールの終局荷重
まで同様な方法で荷重を加える。試験に用いるひび割れ
試験荷重及び終局荷重は,推奨仕様A-1 表4に示す。
ポール2種の曲げ耐力試験は,ポール1種と同様とする。
ただし,載荷には,推奨仕様A-1 表5に示す限界ひび
割れ幅耐力に相当する荷重及び終局荷重を用いる。
推奨仕様A-1 図3−ポールの曲げ耐力試験方法(1種の
例)を記載する。
推奨仕様A-1 表4−ポールのひび割れ試験荷重及び終
局荷重(1種)
単位 kN
製品の呼び
ひび割れ試
験荷重
終局荷重
7-14-1.5,
8-14-1.5
1.5
3.0
以下同様
A-1.6 強度
試験
A-1.6.2 曲げ強度試験
曲げ強度試験は,A.6.2による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
曲げ試験の方法について,
具体的に記載した。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
A-1.7 試験
方法(続
き)
推奨仕様A-1 表5−ポールの限界ひび割れ幅耐力に相
当する荷重及び終局荷重(2種)
単位 kN
製品の呼び
荷重点
の高さ
m
限界ひび
割れ幅耐
力に相当
する荷重
終局荷重
8-35-N50
6.35
7.9
15.8
以下同様
A-1.6 強度
試験(続
き)
(記載なし)
曲げ耐力試験のひび割れ
試験荷重と終局荷重の数
値を明確化した。
A-1.8 検査
A-1.8.3 検
査方法
2) 性能 ひび割れ試験荷重(1種)及び限界ひび割れ幅
耐力(2種)の検査は,1ロットから任意に2本抜き取
り,A-1.7.2によって行い,2本ともA-1.3の規定に適合
すれば,そのロットを合格とし,2本とも適合しなけれ
ば,そのロットを不合格とする。この検査で1本だけ規
定に適合しないときは,そのロットから更に4本抜き取
って再検査を行い,4本とも規定に適合すれば,最初の
検査の不合格品を除き,そのロットを合格とし,再検査
で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格とす
る。
終局荷重(1種)及び終局曲げ耐力(2種)の検査は,
ひび割れ試験荷重(1種)及び限界ひび割れ幅耐力(2
種)の検査の初めの2本のうち1本について,A-1.7.2
によって行い,A-1.3の規定に適合すれば,そのロット
を合格とし,適合しなければ,そのロットから更に2本
抜き取って再検査を行い,2本とも規定に適合すれば,
最初の検査の不合格品を除き,そのロットを合格とし,
再検査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合
格とする。
A-1.8 検査
A-1.8.3 検
査方法
2) 性能 曲げひび割れ強度の検査は,1ロットから任意
に2本抜き取り,A-1.6.2によって行い,2本ともA-1.3.1
の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2本とも
適合しなければ,そのロットを不合格とする。この検査
で1本だけ規定に適合しないときは,そのロットから更
に4本抜き取って再検査を行い,4本とも規定に適合す
れば,最初の検査の不合格品を除き,そのロットを合格
とし,再検査で1本でも適合しないときは,そのロット
を不合格とする。
曲げ破壊強度の検査は,曲げひび割れ強度の検査の初め
の2本のうち1本について,A-1.6.2によって行い,
A-1.3.1の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,
適合しなければ,そのロットから更に2本抜き取って再
検査を行い,2本とも規定に適合すれば,最初の検査の
不合格品を除き,そのロットを合格とし,再検査で1本
でも適合しないときは,そのロットを不合格とする。
文言を耐力表記とした。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書B
(規定)
橋りょう
類
B.3 性能
橋りょう類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様
B-1,B-2,B-3又はB-4の規定に適合しなければならな
い。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362
の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間の協議
によって定める。一般には表B.3の規定によってもよ
い。
附属書B
(規定)
橋りょう
類
B.3 性能
橋りょう類の性能は,表B.3の規定に適合しなければな
らない。
なお,II類の性能項目は,受渡当事者間の協議による。
I類は,それぞれの推奨仕
様に適合すること,II類
は,基本規格JIS A 5362
に適合することを明確に
した。
性能項目
性能
使用性
使用時に想定される荷重によって所定
の機能を失わず,快適に使用でなければ
ならない。
安全性a)
設計上想定される荷重によって,破壊し
てはならない。
耐久性b)
想定される作用によるひび割れ,材料の
経時的な低下によって,所要の性能が損
なわれてはならない。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据
付,組立,接合などの作業を安全かつ容
易に行うことができなければならない。
注a) 安全性の照査は,購入者から…
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメ
ント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などの
かぶりが同等で製造方法が同様の製品の実績
によってもよい。
性能項目
性能
使用状態
性能
使用時に想定される常時の荷重に対し
て安全であり,ひび割れ幅が許容値以内
でなければならない。
終局状態
性能a)
終局時に想定される荷重に対して破壊
してはならない。
耐久性能
b)
想定される劣化作用に対して,耐久性を
保持しなければならない。
施工性能
運搬,設置,組立などの施工性が確保さ
れていなければならない。
注b) 終局状態性能の確認は,購入者から…
c) 耐久性能の確認は,水セメント比及び/又は
鉄筋などのかぶりが同等な類似製品の実績か
ら判断してもよい。
JIS A 5362と整合させた。
空気量及び製造方法によ
っても耐久性は影響を受
けるため。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
B.6 コン
クリート
の品質
B.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8に
よる。
B.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,表
B.6の値を満足しなければならない。
B.7 コン
クリート
の品質
B.7.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,JIS A
5364による。
B.7.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,製品と同一養生方法を行っ
た供試体の圧縮強度又はその他の適切な方法によって
管理した圧縮強度で検証し,所定の材齢において,表
B.6の値を満足しなければならない。
箇条の入れ替え。
引用規格として他のJIS
にて引用しており,基本規
格などと重複して引用す
るなど,基本規格,附属書,
推奨仕様の規定及び箇条
の引用について見直した。
B.7 試験
方法
B.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108による。
なお,供試体は製品と同一養生を行ったもの,又はそ
の他適切な方法によって管理したものとする。
B.6 試験
方法
B.6.1 圧縮強度試験
圧縮強度試験は,JIS A 1132及びJIS A 1108による。
箇条の入れ替え。
B.7.2 製品
の曲げ耐
力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363によるものとし,図
B.5及び図B.6に示す載荷方法によって,曲げひび割れ
荷重Fを載荷し,ひび割れの有無を調べる。
単純桁構造の場合は,次の式によって荷重Fを算出して
もよい。連続桁構造の場合は,別途平面骨組計算によっ
て荷重Fを算出する。
F: 曲げひび割れ荷重(kN)
M: 曲げひび割れ耐力(kN・m)
注a) 幅約10〜15 cm程度。
B.6.2 曲げ
強度試験
曲げ強度試験は,JIS A 5363によるものとし,図B.5
及び図B.6に示す載荷方法によって,ひび割れ試験曲げ
モーメントに相当する荷重Fを載荷し,ひび割れの有無
を調べる。
なお,試験は供試体の圧縮強度が所定以上であること
を確認した後に行い,試験機は,JIS B 7721に規定する
1級以上の試験機又はこれと同等以上の許容値をもつも
のを使用する。
F: 載荷荷重(kN)
M: ひび割れ試験曲げモーメント(kN・m)
注a) 橋げた用は幅約15 cm,床版用は約10〜15 cm程度。
箇条の入れ替え。
荷重Fの算出式は単純桁
だけに適用する。連続桁構
造の場合は,別途平面骨組
計算によって正確に荷重
Fを算出することとした。
推奨仕様
B-1 道路
橋用橋げ
た
B-1.2.1 通
常橋げた
推奨仕様B-1 表1−スラブ橋げたの種類及び曲げひび
割れ耐力
曲げひび割れ耐力
推奨仕様B-1 表2−けた橋げたの種類及び曲げひび割
れ耐力
推奨仕様B-1 表3−軽荷重スラブ橋げたの種類及び曲
げひび割れ耐力
曲げひび割れ耐力
推奨仕様
B-1 道路
橋用橋げ
た
B-1.2.1 通
常橋げた
推奨仕様B-1 表1−スラブ橋げたの種類及びひび割れ
試験曲げモーメント
ひび割れ試験曲げモーメント
推奨仕様B-1 表2−けた橋げたの種類及びひび割れ試
験曲げモーメント
推奨仕様B-1 表3−軽荷重スラブ橋げたの種類及びひ
び割れ試験曲げモーメント
ひび割れ試験曲げモーメント
曲げ強度から耐力表記に
変更し,記載方法を全般的
に見直した。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
B-1.3 性能 橋げたの要求性能は,曲げひび割れ耐力とし,推奨仕様
B-1 表1,推奨仕様B-1 表2及び推奨仕様B-1 表3に
示す曲げひび割れ耐力を用いてB.7.2によって算出した
ひび割れ荷重を加えたとき,ひび割れが発生してはなら
ない。
B-1.3 性能 B-1.3.1 曲げ強度
橋げたは,B-1.6.2に規定する曲げ強度試験を行い,推
奨仕様B-1 表1〜推奨仕様B-1 表3に示すひび割れ試
験曲げモーメント,又は設計図書から求めたひび割れ試
験曲げモーメントを加えたとき,ひび割れが発生しては
ならない。
なお,設計図書からひび割れ試験曲げモーメントを求め
る場合は,橋げた下縁の引張応力度が有効プレストレス
+3.0 N/mm2となる値とする。
性能指標の一つである曲
げひび割れ耐力の算出方
法について文言を整理し
簡明にした。
B-1.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-1.7 コン
クリート
の品質
コンクリートの圧縮強度は,B.7.2による。
箇条の入れ替え。
B-1.7 製品
の曲げ耐
力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は
幅約10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用いて,
荷重が均等に分布されるようにする。
B-1.6 強度
試験
B-1.6.1 圧縮強度試験
橋げたの圧縮強度試験は,B.6.1による。
B-1.6.2 曲げ強度試験
橋げたの曲げ強度試験は,B.6.2による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
また,載荷は幅15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用
いて,荷重が均等に分布されるようにする。
箇条の入れ替え。
曲げ強度から耐力表記に
変更し,記載方法を全般的
に見直した。
推奨仕様
B-2 道路
橋橋げた
用セグメ
ント
B-2.3 性能
橋げた用セグメントの性能は,コンクリートの圧縮強度
を代用特性とし,品質保証時のコンクリートの圧縮強度
を50 N/mm2以上,プレストレス導入時のコンクリート
の圧縮強度を35 N/mm2以上とする。
推奨仕様
B-2 道路
橋橋げた
用セグメ
ント
B-2.3 性能
B-2.3.1 圧縮強度
橋げた用セグメントは,B-2.6.1に規定する圧縮強度試
験を行い,品質保証時の圧縮強度が50 N/mm2以上,プ
レストレス導入時の圧縮強度は35 N/mm2以上でなけれ
ばならない。
コンクリートの圧縮強度
を代用特性としたため。
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
B-2.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があったときは製造業者は,その橋げた用
セグメントが表B.3に適合していることを示す設計図
書又は性能試験の資料を提示しなければならない。
B-2.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があれば製造業者は,設計図書又は性能試
験によってその橋げた用セグメントが,B.3に適合して
いることを示す資料を提示しなければならない。
性能試験の資料によって
も適合していることを示
せるように改めた。
B-2.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-2.6 強度
試験
B-2.7 コン
クリート
の品質
B-2.6.1 圧縮強度試験
橋げた用セグメントの圧縮強度試験は,B.6.1による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
コンクリートの圧縮強度は,B.7.2による。
箇条の入れ替え。
B-2.7 コン
クリート
の圧縮強
度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,B.7.1による。
コンクリートの圧縮強度
を代用特性としているこ
とから,圧縮強度試験を追
加した。
B-2.8 検査 B-2.8.1 検査項目
B-2.8.2 検査ロット
B-2.8.3 検査方法
2) 性能 性能の検査は,B-2.7によって行い,
B-2.9 表示
B-2.8 検査 B-2.8.1 検査項目
B-2.8.2 検査ロット
B-2.8.3 検査方法
2) 性能 性能の検査は,B-2.6.1によって行い,
B-2.9 表示
規格本体,附属書,推奨仕
様との引用規格の重複を
整理し,一連の箇条及び表
現の整合を図った。
推奨仕様
B-3 合成
床版用プ
レキャス
ト板
B-3.3 性能
合成床版用プレキャスト板の要求性能は,曲げひび割れ
耐力とし,推奨仕様B-3 表1に規定する曲げひび割れ
耐力を用いてB.7.2によって算出したひび割れ荷重を加
えたとき,ひび割れが発生してはならない。
推奨仕様
B-3 合成
床版用プ
レキャス
ト板
B-3.3 性能
B-3.3.1 曲げ強度
合成床版用プレキャスト板は,B-3.6.2に規定する曲げ
強度試験を行い,推奨仕様B-3 表1に規定するひび割
れ試験曲げモーメントを加えたとき,ひび割れが発生し
てはならない。
なお,設計図書からひび割れ試験曲げモーメントを求め
る場合は,プレキャスト板下縁の引張応力度が有効プレ
ストレス+1.8 N/mm2となる値とする。
曲げ強度から耐力表記に
変更し,記載方法を全般的
に見直した。
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2
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
B-3.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があったときは,製造業者は,その合成床
版用プレキャスト板が表B.3に適合していることを示
す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければなら
ない。
B-3.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合に
は,購入者の要求があれば製造業者は,設計図書又は性
能試験によってその合成床版用プレキャスト板がB.3
に適合していることを示す資料を提示しなければなら
ない。
性能試験の資料によって
も適合していることを示
せるように改めた。
B-3.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-3.7 コン
クリート
の品質
コンクリートの圧縮強度は,B.7.2による。
箇条の入れ替え。
B-3.7 製品
の曲げ耐
力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は
幅10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用いて,荷
重が均等に分布されるようにする。
B-3.6 強度
試験
B-3.6.1 圧縮強度試験
合成床版用プレキャスト板の圧縮強度試験は,B.6.1に
よる。
B-3.6.2 曲げ強度試験
合成床版用プレキャスト板の曲げ強度試験は,B.6.2に
よる。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
基本規格,本体,附属書,
推奨仕様との引用規格の
重複を整理し,一連の箇条
及び表現の整合を図った。
B-3.8.3 検
査方法
2) 性能 性能の検査は,1ロットの合成床版用プレキャ
スト板から2枚の板を抜き取り,B-3.7によって行い,
B-3.8.3 検
査方法
2) 性能 性能の検査は,1ロットの合成床版用プレキャ
スト板から2枚の板を抜き取り,B-3.6.2によって行い,
基本規格,本体,附属書,
推奨仕様との引用規格の
重複を整理し,一連の箇条
や表現の整合を図った。
推奨仕様
B-4 道路
橋用プレ
キャスト
床版
B-4.3 性能
プレキャスト床版の要求性能は,曲げひび割れ耐力と
し,推奨仕様B-4 表1に示す曲げひび割れ耐力を用い
てB.7.2によって算出した曲げひび割れ荷重を加えたと
き,ひび割れが発生してはならない。
推奨仕様
B-4 道路
橋用プレ
キャスト
床版
B-4.3 性能
B-4.3.1 曲げ強度
プレキャスト床版は,B-4.6.2に規定する曲げ強度試験
を行い,推奨仕様B-4 表1に示すひび割れ試験曲げモ
ーメントを加えたとき,ひび割れが発生してはならな
い。
性能を曲げ強度から耐力
としたため。
B-4.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があったときは製造業者は,そのプレキャ
スト床版が表B.3に適合していることを示す設計図書
又は性能試験の資料を提示しなければならない。
B-4.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,B.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合に
は,購入者の要求があれば製造業者は,設計図書又は性
能試験によってそのプレキャスト床版が,B.3に適合し
ていることを示す資料を提示しなければならない。
性能試験の資料によって
も適合していることを示
せるように改めた。
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2
0
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122
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
B-4.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,B.6による。
B-4.7 コン
クリート
の品質
コンクリートの圧縮強度は,B.7.2による。
箇条の入れ替え。
B-4.7 製品
の曲げ耐
力試験
製品の曲げ耐力試験は,B.7.2によるものとし,載荷は
幅約10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼を用いて,
荷重が均等に分布されるようにする。
B-4.6 強度
試験
B-4.6.1 圧縮強度試験
プレキャスト床版の圧縮強度試験は,B.6.1による。
B-4.6.2 曲げ強度試験
プレキャスト床版の曲げ強度試験は,B.6.2による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
また,載荷は幅10〜15 cm程度の鋼板と適切な径の丸鋼
を用いて,荷重が均等に分布されるようにする。
箇条の入れ替え。
B-4.8.3 検
査方法
a) 最終検査
2) 性能 性能の検査は,1ロットのプレキャスト床版か
ら2枚を抜き取り,B-4.7によって行い,2枚ともB-4.3
の規定に適合すれば…
B-4.8.3 検
査方法
a) 最終検査
2) 性能 性能の検査は,1ロットのプレキャスト床版か
ら2枚を抜き取り,B-4.6.2によって行い,2枚とも
B-4.3.1の規定に適合すれば…
箇条の入れ替え。
附属書C
(規定)
擁壁類
C.3 性能
擁壁類の要求性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様C-1
の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362
の箇条4及び箇条5の規定に従い受渡当事者間の協議に
よって定める。一般には,表C.3の規定によってもよい。
附属書C
(規定)
擁壁類
C.3 性能
擁壁類の性能は,表C.3の規定に適合しなければならな
い。
なお,II類の性能項目は,受渡当事者間の協議による。
JIS A 5362と整合させた。
表C.3−擁壁類の性能及び性能照査方法
表中抜粋
性能項目
使用性
安全性a)
耐久性b)
施工性
表C.3−擁壁類の性能
表中抜粋
性能項目
使用状態性能
終局状態性能a)
耐久性能b)
施工性能
JIS A 5362と整合させた。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
123
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
C.3 性能
(続き)
表中抜粋
性能
使用時に想定される荷重によって所定
の機能を失わず,快適に使用できなけれ
ばならない。
設計上想定される荷重によって,破壊し
てはならない。
想定される作用によるひび割れ,材料の
経時的な低化などによって,所要の性能
を損なってはならない。
有害な変状を生じることなく運搬,据
付,組立,接合などの作業を安全かつ容
易に行うことができなければならない。
性能照査方法
設計図書,C.7又は実績による。
設計図書,C.7又は実績による。
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があった場合に
行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメント
比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などのかぶりが
同等で製造方法が同様の製品の実績によっても
よい。
C.3 性能
(続き)
表中抜粋
性能
使用時に想定される常時の荷重に対し
て安全であり,ひび割れ幅が許容値以内
でなければならない。
終局時に想定される荷重に対して,破壊
してはならない。
想定される劣化作用に対して,耐久性を
保持しなければならない。
運搬,設置,組立などの施工性を確保し
なければならない。
性能照査方法
設計図書又はC.6による。
設計図書又はC.6による。
注a) 終局状態性能の確認は,購入者から要求があった
場合に行う。
b) 耐久性能の確認は,水セメント比及び/又は鉄筋
などのかぶりが同等な類似製品の実績から判断
してもよい。
JIS A 5362と整合させた。
空気量及び製造方法によ
っても耐久性は影響を受
けるため。
C.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 矢板の形状例を,図C.1,図C.2及び図C.3に
示す。
C.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 矢板の形状を,図C.1〜図C.3に示す。
形状図は規定ではなく例
図。
(本文と図の題名を整合
させた)
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
124
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
C.6 コン
クリート
の品質
C.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8に
よる。
C.7 コン
クリート
の品質
C.7.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,JIS A
5364による。
箇条の入れ替え。
引用規格として他のJIS
にて引用しており,基本規
格などと重複して引用す
るなど,基本規格,附属書,
推奨仕様の規格や箇条の
引用について見直した。
C.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢及びプレストレ
ス導入時において,表C.5の値を満足しなければならな
い。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
C.7.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,製品と同一養生を行った供
試体の圧縮強度又はその他適切な方法によって管理し
た圧縮強度で検証し,所定の材齢及びプレストレス導入
時において,表C.5の値を満足しなければならない。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
C.7 試験
方法
C.7 試験方法
C.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108による。
なお,供試体は製品と同一養生を行ったもの,又はその
他適切な方法によって管理したものとする。
C.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363に規定する曲げ耐力
試験方法による。
C.6 試験
方法
C.6 試験方法
C.6.1 圧縮強度試験
圧縮強度試験は,JIS A 1132及びJIS A 1108による。
C.6.2 曲げ強度試験
曲げ強度試験は,JIS A 5363による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
箇条の入れ替え。
引用規格として他のJIS
にて引用しており,基本規
格などと重複して引用す
るなど,基本規格,附属書,
推奨仕様の規格及び箇条
の引用について見直した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
125
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
推奨仕様
C-1 プレ
ストレス
トコンク
リート矢
板
C-1.2 種類
C-1.2 種類
矢板の種類は,形状,寸法及び限界ひび割れ幅耐力によ
って,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,推奨仕様
C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1 表5の
とおり区分する。
推奨仕様C-1 表1
限界ひび割
れ幅耐力
kN・m
終局曲げ耐力
kN・m
1枚当たり 1 m当たり
5.4
…
…
10.8
…
…
推奨仕様C-1 表2〜表5
限界ひび割れ
幅耐力
kN・m
終局曲げ耐力
kN・m
…
…
推奨仕様
C-1 プレ
ストレス
トコンク
リート矢
板
C-1.2 種類
C-1.2 種類
矢板の種類は,形状,寸法及びひび割れモーメントによ
って,推奨仕様C-1 表1〜表5のとおり区分する。
推奨仕様C-1 表1〜表5
ひび割れ
モーメント
kN・m
モーメントから耐力表記
に伴う記載方法の全般的
な見直しによる。
C-1.3 性能 矢板の性能は,次による。
C-1.3.1 限界ひび割れ幅耐力
矢板の限界ひび割れ幅耐力(ひび割れ幅0.05 mm以下)
は,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,推奨仕様
C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1 表5に
規定する値以上とする。
C-1.3.2 終局曲げ耐力
矢板の終局曲げ耐力は,限界ひび割れ幅耐力の2倍に相
当する値とし,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様C-1 表2,
推奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表4又は推奨仕様C-1
表5に規定する値以上とする。
C-1.3 性能 C-1.3.1 曲げ強度
矢板は,C-1.6.2に規定する曲げ強度試験を行い,推奨
仕様C-1 表1〜表5に規定するひび割れモーメントに相
当する荷重を加えたとき,幅0.05 mmを超えるひび割れ
が発生してはならない。
性能を曲げ強度から耐力
としたため。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
126
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
C-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
矢板の形状は,推奨仕様C-1 図1,推奨仕様C-1 図2,
推奨仕様C-1 図3,又は推奨仕様C-1 図4による。
寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様C-1 表1,推奨仕様
C-1 表2,推奨仕様C-1 表3,推奨仕様C-1 表4,推奨
仕様C-1 表5及び推奨仕様C-1 表6による。
反りの許容差は,推奨仕様C-1 表7による。
なお,C.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があったときには製造業者は,その矢板が
表C.3の規定に適合していることを示す設計図書又は
性能試験の資料を提示しなければならない。
推奨仕様C-1 表6−矢板の寸法及び寸法の許容差
推奨仕様C-1 表7−矢板の反りの許容差
C-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
矢板の形状,寸法及び寸法の許容差は,推奨仕様C-1 図
1〜推奨仕様C-1 図4及び推奨仕様C-1 表1〜推奨仕様
C-1 表6による。
反りの許容差は,推奨仕様C-1 表7による。
なお,C.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合に
は,購入者の要求があれば製造業者は,設計図書又は性
能試験によってその矢板がC.3に適合していることを
示す資料を提示しなければならない。
推奨仕様C-1 表6−寸法及び寸法の許容差
推奨仕様C-1 表7−反りの許容差
性能試験の資料によって
も適合していることを示
せるように改めた。
C-1.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,C.6.2による。
C-1.7 コン
クリート
の品質
コンクリートの圧縮強度は,C.7.2による。
箇条の入れ替え。
C-1.7 試験
方法
C-1.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,C.7.1による。
C-1.7.2 製品の曲げ耐力試験
矢板の曲げ耐力試験は,推奨仕様C-1 図5,推奨仕様
C-1 図6又は推奨仕様C-1 図7に示す載荷方法によっ
て行い,C-1.3.1の限界ひび割れ幅耐力に相当する荷重
を載荷したとき,推奨仕様C-1 図5,推奨仕様C-1 図6
又は推奨仕様C-1 図7に示すひび割れ幅測定点におい
て幅0.05 mmを超えるひび割れの有無を調べる。さら
に,C-1.3.2の終局曲げ耐力まで載荷し破壊しないこと
を確認する。
C-1.6 強度
試験
C-1.6.1 圧縮強度試験
矢板の圧縮強度試験は,C.6.1による。
C-1.6.2 曲げ強度試験
矢板の曲げ強度試験は,推奨仕様C-1 図5〜推奨仕様
C-1 図7に示す載荷方法によって行い,推奨仕様C-1 表
1〜推奨仕様C-1 表5に規定するひび割れモーメントに
相当する荷重Fを加えたとき,推奨仕様C-1 図5〜推奨
仕様C-1 図7に示すひび割れ幅測定点でひび割れ状況
を調べる。さらに,推奨仕様C-1 表1〜推奨仕様C-1 表
5に規定するひび割れモーメントの2倍に相当する荷重
まで載荷し破壊しないことを確認する。
箇条の入れ替え。
基本規格,本体,附属書,
推奨仕様との引用規格の
重複を整理し,一連の箇条
及び表現の整合を図った。
5
A
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3
7
3
:
2
0
1
6
127
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
C-1.7 試験
方法
(続き)
積載荷重は,次の式によって算出する。
g
W
l
M
F
−
=6
ここに,
F: 載荷荷重(kN)
M: 限界ひび割れ幅耐力(kN・m)
l: スパン(m)l=L/2,b=l/3とする。
ただし,lが10 Hより小さいとき
は,l=10 Hとする。
H:矢板の高さ(m)
W: 載荷ビーム,荷重として加わる丸
鋼及び鋼板の総質量(t)
ただし,載荷ビームが試験機と一
体構造となっている場合は,載荷
ビームの質量は含まない。
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
C-1.6 強度
試験
(続き)
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
…
ゴム板などa)
注a) ゴム板などは,支点及び載荷点の不陸の影響を吸
収又は調整することができる程度の硬さ,厚さ及
び幅のものがよい。ゴム板のほかにはモルタルが
用いられることがある。
推奨仕様C-1 図7−矢板の曲げ耐力試験方法(波形)
…
調整材(ゴム板,モルタルなど)
推奨仕様C-1 図7−曲げ強度試験方法(波形)
ゴム板などは試験を行う
製品に合った適当な硬さ
及び大きさを選定するの
がよいことを,参考として
示した。
5
A
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3
7
3
:
2
0
1
6
128
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書D
(規定)
暗きょ類
D.3 性能
暗きょ類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品性能は,推奨仕様D-1
及びD-2の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品性能は,JIS A 5362の
箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間の協議に
よって定める。
なお,一般には表D.3の規定によってもよい。
表D.3−暗きょ類の性能及び性能照査方法
性能項目
性能
使用性
使用時に想定される荷重a) によって,
所定の機能を失わず,快適に使用でき
なければならない。また,流水に接す
る面は,実用上支障のない程度に滑ら
かでなければならない。
安全性b)
設計上想定される荷重によって,破壊
してはならない。
耐久性c)
想定される作用によるひび割れ,材料
特性の経時的な低下などが,所要の性
能を損なってはならない。
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据
付,組立,接合などの作業を安全かつ
容易に行うことができなければならな
い。
b) 安全性の照査は,購入者から…
c) 耐久性の照査は,水セメント比,又は水セメ
ント比及び空気量が同等,かつ,鉄筋などの
かぶりが同等で製造方法が同様の製品の実績
によってもよい。
(表から部分抜粋)
附属書D
(規定)
暗きょ類
D.3 性能
暗きょ類の性能は,表D.3の規定に適合しなければなら
ない。
なお,II類の性能項目は,受渡当事者間の協議による。
表D.3−暗きょ類の性能
性能項目
性能
使用状態性能
使用時に想定される常時の荷重a)に
対して安全であり,ひび割れ幅が許
容値以内でなければならない。
終局状態性能
b)
終局時に想定される荷重に対して,
破壊してはならない。
耐久性能c)
想定される劣化作用に対して,耐久
性を保持しなければならない。
施工性能
運搬,設置,組立などの施工性を確
保しなければならない。
b) 終局状態性能の確認は,購入者から…
c) 耐久性能の確認は,水セメント比及び/又は
鉄筋などのかぶりが同等な類似製品の実績か
ら判断してもよい。
(表から部分抜粋)
I類は,それぞれの推奨仕
様に適合すること,II類
は,基本規格のJIS A 5362
に適合することを明確に
した。
JIS A 5362と整合させた。
空気量及び製造方法によ
っても耐久性は影響を受
けるため。
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A
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3
7
3
:
2
0
1
6
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
表D.4−暗きょ類(プレストレストコンクリート管)の
寸法及び寸法の許容差
種類
内径
長さ
厚さ
プレストレ
ストコンク
リート管
寸法
600〜
3 000
2 000〜
4 000
44〜250
許容差 ±4〜
±12
+10
−5
+4
−2 〜 +12
−6
許容差の詳細は,推奨仕様による。
……
注記 面取り又は管端補強のように…強度を損なわ
ない程度の加工を行ってもよい。
(表から部分抜粋)
D.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
表D.4−暗きょ類(プレストレストコンクリート管)の
寸法及び寸法の許容差
種類
内径
長さ
厚さ
プレストレ
ストコンク
リート管
寸法
500〜
3 000
2 000〜
5 000
40〜250
許容差 ±3〜
±12
+10
−5
+4
−2 〜 +12
−6
許容差の詳細は,推奨仕様による。
……
注記 面取り又は管端補強のように…強度を損なわ
ない程度の加工は,差し支えない。
(表から部分抜粋)
寸法において,内径500,
及び長さ5 000の使用実績
がないことから,内径500
の削除と長さを4 000とし
た。また,内径500の削除
に伴い,厚さを44〜と規
定し,内径の許容差を±4
〜と規定した。
D.6 コン
クリート
の品質
D.7 試験
方法
D.6 試験
方法
D.7 コン
クリート
の品質
箇条の入れ替え。
D.7.2 製品
の曲げ耐
力試験及
び内圧耐
力試験
製品の曲げ耐力試験及び内圧耐力試験は,JIS A 5363に
よる。
D.6.2 曲げ
強度試験
及び内圧
強度試験
曲げ強度試験及び内圧強度試験は,JIS A 5363による。
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3
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3
:
2
0
1
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130
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
推奨仕様
D-1 プレ
ストレス
トコンク
リート管
D-1.2 種類
推奨仕様D-1 表1−PC管の種類
種類による区分
形状,呼びの範囲による区分
S形
NC形
内圧管
1種
600〜1 650
−
2種
600〜2 000
3種
4種
5種
外圧管
高圧1種 −
1 500〜2 200
高圧2種
1 500〜2 600
高圧3種
1 500〜3 000
1種
600〜1 800
2種
600〜2 000
3種
4種
5種
(表から部分抜粋)
推奨仕様
D-1 プレ
ストレス
トコンク
リート管
D-1.2 種類
推奨仕様D-1 表1−PC管の種類
種類による区分
形状,呼びの範囲による区分
S形
C形
NC形
内圧管 1種
500
〜
1 650
−
−
2種
500
〜
2 000
3種
4種
5種
外圧管 高圧1種 −
900
〜
1 350
1 500
〜
2 200
高圧2種
900
〜
2 200
2 400
〜
2 600
1種
500
〜
1 800
900
〜
3 000
2種
500
〜
2 000
3種
4種
5種
(表から部分抜粋)
寸法において,内径500の
使用実績がないことから,
600〜3 000とした。
関連基準の改訂によって
要求性能に対応するため。
C形の削除によって高圧1
種〜3種900〜1 350を削除
し,高圧1種〜3種,外圧
管1種〜5種1 500〜3 000
をNC形で規定した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
131
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D-1.3 性能 PC管の性能は,次による。
D-1.3.1 曲げひび割れ耐力
外圧管及び内圧管の曲げひび割れ耐力は,推奨仕様
D-1 表2に規定する値以上とする。
D-1.3.2 終局曲げ耐力
終局曲げ耐力は,推奨仕様D-1 表3に規定する値以上
とする。
D-1.3.3 試験内圧耐力
内圧管の内圧耐力は,推奨仕様D-1 表4の試験内圧
耐力に規定する値以上とする。
D-1.3.4 ひび割れ内圧耐力
受渡当事者間の協議によって,ひび割れ内圧耐力を照
査する場合は,推奨仕様D-1 表4のひび割れ内圧耐力
に規定する値以上とする。
推奨仕様D-1 表2−PC管の曲げひび割れ耐力
呼び
内圧管・外圧管
曲げひび割れ耐力
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種
S形
2種
S形
3種
S形
4種
S形
600
12.02 10.42 8.61
6.79
700
14.50 12.38 10.26 8.01
(表から部分抜粋)
D-1.3 性能
D-1.3.1 曲
げ強度
PC管は,D-1.6.1に規定する曲げ強度試験を行い,推奨
仕様D-1 表2に規定するひび割れ荷重を加えたとき,
ひび割れが発生してはならない。また,推奨仕様D-1 表
2に示す破壊荷重を加えたとき,破壊してはならない。
推奨仕様D-1 表2−PC管の曲げ強度荷重
呼び
種類
内圧管・外圧管
ひび割れ荷重
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種 2種
3種
4種
500
112
97
80
64
600
110
95
78
61
700
113
96
79
61
(表から部分抜粋)
性能を曲げ強度から曲げ
耐力とし,それぞれのひび
割れに対する性能を考慮
して,“曲げひび割れ耐
力”及び“終局曲げ耐力”
で表した。
使用実績がないことから
呼び500を削除した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
132
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D-1.3 性能
(続き)
推奨仕様D-1 表4−PC管の試験内圧耐力及びひび割れ
内圧耐力
種類
試験内圧
耐力
MPa
ひび割れ内
圧耐力
MPa
呼びの範囲
内圧管 1種
1.8
2.0
600〜1 650
2種
1.4
1.6
600〜2 000
3種
1.0
1.2
4種
0.6
0.8
5種
0.4
0.6
(表から部分抜粋)
D-1.3.2 内
圧強度
内圧管は,D-1.6.2に規定する内圧強度試験を行い,推
奨仕様D-1 表3に規定する試験内圧を加えたとき,漏
水が発生してはならない。また,推奨仕様D-1 表3に
示すひび割れ内圧を加えたとき,ひび割れが発生しては
ならない。
推奨仕様D-1 表3−PC管の試験内圧及びひび割れ内圧
種類
試験内圧
(MPa)
ひび割れ
内圧
(MPa)
呼びの範囲
内圧管 1種
1.8
2.0
500〜1 650
2種
1.4
1.6
500〜2 000
3種
1.0
1.2
4種
0.6
0.8
5種
0.4
0.6
(表から部分抜粋)
D-1.3性能として一括で表
現した。
使用実績がないことから
呼び500を削除した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
133
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
推奨仕様D-1 表5−PC管の形状及び寸法 S形
呼び
内径
D
コアの厚さ
tc
600
612
44
700
724
46
PC管の形状については,面取り,切欠き,実用上差
し支えない範囲での凹凸など…強度を損なわない程
度の加工を行ってもよい。
注a) 有効長Lは,2 000又は3 000とすることがで
きる。
(表から部分抜粋)
推奨仕様D-1 表7−寸法の許容差
呼びの範囲 内径
D
有効長
内面長さ
S形,NC形
NC形
L
L1
600〜900
±4
+10
− 5
(表から部分抜粋)
D-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
推奨仕様D-1 表4−PC管の形状及び寸法 S形
呼び
内径
D
コアの厚さ
tc
I
II
I
II
500
500
500
42
40
600
612
600
44
44
700
724
700
46
46
PC管の形状については,必要に応じて,形状に影響
を与えず,強度を損なわない程度の加工は差し支え
ない。
注記 記号Iは遠心力方式,記号IIはロール転圧方式
によってコアを製造した管である。
注a) 有効長Lは,2 000,3 000及び5 000とすること
ができる。
(表から部分抜粋)
推奨仕様D-1 表7−寸法の許容差
呼びの範囲 内径
D
有効長
内面長さ
S形,C形,NC形 C形,NC形
L
L1
500
±3
+10
600〜900
±4
− 5
(表から部分抜粋)
使用実績がないことから
呼び500及び注a) 有効長
5 000を削除した。また,
コアの製造を遠心力方式
だけとした。
呼びの範囲で500を削除
した。また,有効長,内面
長さにおいてC形を削除
した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
134
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D-1.6 コン
クリート
の品質
D-1.7 試験
方法
D-1.7.2 製
品の曲げ
耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,推奨仕様D-1 図1のように据
え付け,推奨仕様D-1 表8に規定するひび割れ耐力に
相当する荷重に有効長Lを乗じた値まで載荷し,ひび割
れの有無を調べる。さらに,推奨仕様D-1 表8に示す
終局荷重まで載荷し,破壊しないことを確認する。製品
の曲げ耐力試験を行うときは,加圧面及び支持面に厚さ
約20 mmのゴム板1) と約150 mm×150 mmの角材とを
当てて,荷重が均等に分布されるようにしなければなら
ない。
注1) 支点及び載荷点の不陸の影響を吸収することが
できる程度の硬さ及び幅のものがよい。
推奨仕様D-1 表8−PC管のひび割れ耐力に相当する荷
重及び終局荷重
呼び
内圧管・外圧管
ひび割れ荷重
高圧
1種
高圧
2種
高圧
3種
1種 2種
3種
4種
600
110
95
78
61
700
113
96
79
61
D-1.7 コン
クリート
の品質
D-1.6 強度
試験
D-1.6.1 曲
げ強度試
験
曲げ強度試験は,PC管を推奨仕様D-1 図1のように据
え付け,推奨仕様D-1 表2に規定するひび割れ荷重に
有効長Lを乗じた値まで載荷し,ひび割れの有無を調べ
る。さらに,破壊荷重まで載荷し,破壊しないことを確
認する。曲げ強度試験を行うときは,PC管の加圧面及
び支持面に厚さ約20 mmのゴム板と約150 mm×150
mmの角材を当てて,荷重が均等に分布されるようにし
なければならない。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
箇条の入れ替え。
試験が複数あるため“強度
試験”を“試験方法”とし
た。コンクリートの品質を
移動したことによって
“D-1.6”を“D-1.7”とし
た。
JIS A 5363の改正によっ
て曲げ強度を曲げ耐力,内
圧強度を内圧耐力と表記
とした。また,曲げ耐力値
を曲げ強度荷重から耐力
表記としたことから試験
方法に載荷荷重を明記し
た。
ゴム板は試験を行う製品
に合った適当な硬さ及び
大きさを選定するのがよ
いことを,参考として示し
た。
D-1.7.3 製
品の内圧
耐力試験
製品の内圧耐力試験は,推奨仕様D-1 図2のように設
置し,中空部分を満水状態にした後,推奨仕様D-1 表4
の試験内圧耐力に規定する圧力を3分間保持したとき
の漏水の有無を調べる。ただし,管の表面ににじみ出た
水が斑点になったもの又は水滴となった程度は,漏水と
はみなさない。また,ひび割れ内圧耐力は推奨仕様D-1
表4のひび割れ内圧耐力に規定する圧力に達したとき
に,ひび割れ発生の有無を調べる。
D-1.6.2 内
圧強度試
験
内圧強度試験は,PC管を推奨仕様D-1 図2のように設
置し,推奨仕様D-1 表3に規定する試験内圧に達して
から3分間その圧力を保持したときの漏水の有無を調
べる。ただし,管の表面ににじみ出た水がはん点になっ
たもの又は水滴となった程度は,漏水とみなさない。ま
た,ひび割れ内圧は推奨仕様D-1 表3に規定するひび
割れ内圧に達したときに,ひび割れ発生の有無を調べ
る。
なお,内圧強度試験は,JIS B 7505-1に規定する1.6級
以上の圧力計を使用する。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
135
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
推奨仕様
D-2 プレ
ストレス
トコンク
リートボ
ックスカ
ルバート
D-2.3 性能
D-2.3.1 曲げひび割れ耐力
PCボックスカルバートの曲げひび割れ耐力は,推奨仕
様D-2 表2に規定する値以上とする。
D-2.3.2 終局曲げ耐力
受渡当事者間の協議によって,終局曲げ耐力を照査する
場合には,D.3による。
推奨仕様
D-2 プレ
ストレス
トコンク
リートボ
ックスカ
ルバート
D-2.3 性能
D-2.3.1 曲げ強度
PCボックスカルバートは,D-2.6.2に規定する曲げ強度
試験を行い,推奨仕様D-2 表2に規定する曲げ強度荷
重を加えたとき,幅0.05 mmを超えるひび割れが発生し
てはならない。また,受渡当事者間の協議によって,破
壊に対する性能を照査する場合は,D.3による。
曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全般的な
見直しをした。
D-2.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,D.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合,
購入者の要求があったときには製造業者は,そのPCボ
ックスカルバートが表D.3の規定に適合していること
を示す設計図書又は性能試験の資料を提示しなければ
ならない。
注記1 製品の形状には,標準型,インバート型があり,
接合部の形状には,突合せ型,はめ込み型,受
け口・差し口型がある。
注記2 面取り,パッキン溝,つり孔など,PCボック
スカルバートの形状に影響を与えず,強度を損
なわない程度の加工を行ってもよい。
D-2.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
なお,D.4に規定する範囲で基準寸法を変更した場合に
は,購入者の要求があれば製造業者は,設計図書又は性
能試験によってそのPCボックスカルバートがD.3に適
合していることを示す資料を提示しなければならない。
注記1 製品の形状には,標準型,インバート型があり,
接合部の形状には,突合せ型,はめ込み型,受
け口型,差し口型がある。
注記2 面取り,パッキン溝,及びつり孔のように,PC
ボックスカルバートの形状に影響を与えず,強
度を損なわない程度の加工は,差し支えない。
性能試験の資料によって
も適合していることを示
せるように改めた。
D-2.6 コン
クリート
の品質
コンクリートの品質は,D.6.2による。
D-2.7 コン
クリート
の品質
コンクリートの圧縮強度は,D.7.2による。
箇条の入れ替え。
D-2.7 試験
方法
D-2.6 強度
試験
箇条の入れ替え。
D-2.7.1 コ
ンクリー
トの圧縮
強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,D.7.1による。
D-2.6.1 圧
縮強度試
験
コンクリートの圧縮強度試験は,D.6.1による。
箇条の入れ替え。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
136
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
D-2.7.2 製
品の曲げ
耐力試験
PCボックスカルバートの曲げ耐力試験は,PCボックス
カルバートを推奨仕様D-2 図2のように据え付け,頂
版のスパン中央に幅100 mmで推奨仕様D-2 表2に規定
する曲げひび割れ耐力に相当する荷重を載荷したとき
の,幅0.05 mmを超えるひび割れの有無を調べる。曲げ
ひび割れ耐力に相当する荷重を推奨仕様D-2 表5に示
す。
曲げ耐力試験を行うときは,載荷幅を100 mmとしPC
ボックスカルバートの加圧面及び支持面にゴム板2) を
挿入し,荷重が均等に分布されるようにしなければなら
ない。
注2) 支点及び載荷点の不陸の影響を吸収することが
できる程度の硬さ,厚さ及び幅のものがよい。
D-2.6.2 曲
げ強度試
験
曲げ強度試験は,PCボックスカルバートを,推奨仕様
D-2 図2のように据え付け,頂版のスパン中央に幅100
mmで推奨仕様D-2 表2に規定する曲げ強度荷重を載荷
したときの,幅0.05 mmを超えるひび割れの発生の有無
を調べる。
曲げ強度試験を行うときは,載荷幅を100 mmとしPC
ボックスカルバートの加圧面及び支持面にゴム板を挿
入し,荷重が均等に分布されるようにしなければならな
い。
規格本体,附属書,推奨仕
様との引用規格の重複を
整理し,一連の箇条及び表
現の整合を図った。
ゴム板は試験を行う製品
に合った適当な硬さ及び
大きさを選定するのがよ
いことを,参考として示し
た。
D-2.8.3 検
査方法
a) 最終検査
2) 性能 性能の検査は,1ロットから任意に1本抜き
取り,D-2.7.2によって行い,D-2.3.1の規定に適合
すれば,そのロットを合格とし,適合しない場合は,
そのロットから更に2本抜き取って再検査を行い,
2本とも適合したときは,最初の検査の不合格品を
除いたそのロットを合格とし,再検査で1本でも適
合しない場合は,そのロットを不合格とする。
b) 受渡検査
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる,又は次に
よる。
抜取検査を採用する場合には…
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に
準じる。
D-2.8.3 検
査方法
a) 最終検査
2) 性能 性能の検査は,1ロットから任意に1本抜
き取り,D-2.6.2によって行い,D-2.3.1の規定に
適合すれば,そのロットを合格とし,適合しない
場合は,そのロットから更に2本抜き取って再検
査を行い,2本とも適合したときは,最初の検査
の不合格品を除いたそのロットを合格とし,再検
査で1本でも適合しない場合は,そのロットを不
合格とする。
b) 受渡検査
1) 外観 外観の検査は,a) 1) に準じる。
抜き取り検査を採用する場合には…
2) 形状及び寸法 形状及び寸法の検査は,a) 3) に
準じる。
箇条番号を整合させた。
5
A
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3
7
3
:
2
0
1
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137
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書E
(規定)
くい類
E.2 種類
表E.2−くい類I類の種類
表中抜粋
削除
附属書E
(規定)
くい類
E.2 種類
表E.2−くい類1類の種類
表中抜粋
− PCくいは,全長にわたり,同一断面のもの
をいう。STくいは,PCくいの先端部を拡大
したものをいう。
重複記載を削除した。
E.3 性能
くい類の性能及び性能照査方法は,次による。
a) I類に区分される製品 製品の性能は,推奨仕様E-1
の規定に適合しなければならない。
b) II類に区分される製品 製品の性能は,JIS A 5362
の箇条4及び箇条5の規定に従い,受渡当事者間の協議
によって定める。一般には表E.3の規定によってもよい。
表E.3−くい類の性能及び性能照査方法
表中抜粋
性能項目
使用性
安全性a)
耐久性b)
施工性
E.3 性能
E.3.1 くい類本体の性能
くい類本体の性能は,表E.3の規定に適合しなければな
らない。
なお,II類の性能項目は,受渡当事者間の協議による。
表E.3−くい類本体の性能
表中抜粋
性能項目
使用状態性能
終局状態性能a)
耐久性能b)
施工性能
I類は,それぞれの推奨仕
様に適合すること,II類
は,基本規格のJIS A 5362
に適合することを明確に
した。
5
A
5
3
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:
2
0
1
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138
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.3 性能
(続き)
表E.3−くい類の性能及び性能照査方法(続き)
性能
使用時に想定される荷重によっ
て所定の機能を失わず,快適に使
用できなければならない。
設計上想定される荷重によって,
破壊してはならない。
なお,継手部の性能についても,
同様とする。
想定される作用によるひび割れ,
材料特性の経時的な低下などに
よって,所要の性能を損なっては
ならない。
有害な変状を生じることなく運
搬,据付,組立,接合などの作業
を安全かつ容易に行うことがで
きなければならない。
E.3 性能
(続き)
表E.3−くい類本体の性能(続き)
性能
使用時に想定される常時の荷重
に対して安全であり,ひび割れが
許容値以内でなければならない。
終局時に想定される荷重に対し
て,破壊してはならない。
想定される劣化作用に対して,耐
久性を保持しなければならない。
運搬,設置,組立などの施工性を
確保しなければならない。
JIS A 5362と整合させた。
表E.3−くい類の性能及び性能照査方法(続き)
性能照査方法
設計図書,E.7又は実績による。
設計図書,E.7又は実績による。
表E.3−くい類本体の性能(続き)
性能照査方法
設計図書又はE.6による。
設計図書又はE.6による。
表E.3−くい類の性能及び性能照査方法(続き)
注a) 安全性の照査は,購入者から要求があ
った場合に行う。
b) 耐久性の照査は,水セメント比,又は
水セメント比及び空気量が同等,かつ,
鉄筋などのかぶりが同等で製造方法が
同様の製品の実績によってもよい。
表E.3−くい類本体の性能(続き)
注a) 終局状態性能の確認は,購入者から要
求があった場合に行う。
b) 耐久性能の確認は,水セメント比及び
/又は鉄筋などのかぶりが同等な類似
製品の実績から判断してもよい。
空気量及び製造方法によ
っても耐久性は影響を受
けるため。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
139
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.3 性能
(続き)
削除
E.3 性能
(続き)
E.3.2 継手部の性能
継手部の性能は,次による。
a) 継手部の曲げ強度 継手部は,E.3.1に規定する本体
の終局状態性能のうち,破壊曲げモーメントの値で破壊
してはならない。
b) 接続性(継手端面の直角度) 継手端面の傾斜は,く
いの軸線の直角に対して,300 mmにつき1 mm以内と
する。
継手部は,本体と同等の性
能をもつ必要があるため,
表E.3安全性の性能に含め
た。
E.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 くい類の形状例を,図E.1に示す。
PCくいは,中空円筒形を本体とし,全長にわたり同一
断面のものをいう。STくいは,PCくいの先端部を拡径
したくいであり,節くいは,PCくいの本体に節部を設
けたものをいう。また,その節部の外径は,本体部の性
能を損なわない範囲とする。それぞれのくいは,必要に
応じて適切な先端部,継手部又は頭部を設ける。II類に
区分される製品の形状は,受渡当事者間の協議による。
E.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差
a) 形状 くい類の形状例を,図E.1に示す。
PCくいは,中空円筒形を本体とし,必要に応じて適切
な先端部,継手部又は頭部を設ける。STくいは,PCく
いの先端部を拡径したくいであり,必要に応じて適切な
先端部,継手部又は頭部を設ける。また,節くいは,PC
くいの本体に節部を設けたものをいう。その節部の外径
は,本体部の性能を損なわない範囲とし,必要に応じて
適切な先端部,継手部又は頭部を設ける。II類に区分さ
れる製品の形状は,受渡当事者間の協議による。
重複記載をなくした。
表E.4−くい類の寸法及び寸法の許容差
表中抜粋
外径
mm
300〜600
700〜1 200
+5
−2
+7
−4
表E.4−寸法及び寸法の許容差
表中抜粋
外径
mm
300〜700未満
700〜1 200
+5
−2
+7
−4
誤記の訂正。
寸法許容差の規定を明確
にした。
表E.4−くい類の寸法及び寸法の許容差(続き)
厚さ
mm
60〜150
+規定しない
−0
表E.4−寸法及び寸法の許容差(続き)
厚さ
mm
60〜230
+規定しない
−0
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
140
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差(続
き)
表E.4−くい類の寸法及び寸法の許容差(続き)
− くいの外径は,本体の一断面において直
交軸に沿って測定した二つの値の平均値
を四捨五入し整数に丸める。
− くいの厚さは,本体の端部の一断面にお
いて直交軸に沿って測定した四つの値の
平均値を四捨五入し整数に丸める。
− くいの拡径部の外径の許容差並びに節部
の外径の許容差は,規定しない。
− くいの拡径部の長さの許容差並びに節間
隔の許容差は,規定しない。
E.4 形状,
寸法及び
寸法の許
容差(続
き)
表E.4−寸法及び寸法の許容差(続き)
− くいの外径は,本体の1断面において直
交軸に沿って測定した二つの値の平均値
とする。
− くいの厚さは,本体の端部の1断面にお
いて直交軸に沿って測定した四つの値の
平均値とする。
E.5 配筋
配筋は,箇条7,JIS A 5364及び設計図書による。くい
類の配筋は,E.3を満足する配筋を製品ごとに製造業者
が定める。
E.5 配筋
配筋は,JIS A 5364及び設計図書による。ただし,受渡
当事者間の合意に基づき,製品の性能(E.3の規定を含
む。)を損なわない範囲で,推奨仕様以外の配筋を採用
しても差し支えない。また,くい類の配筋は,E.3を満
足する配筋を製品ごとに製造業者が定める。
II類として記載する必要
がないため削除した。
E.6 コン
クリート
の品質
E.6.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,箇条8に
よる。
E.6.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,所定の材齢において,有効
プレストレスが4.0 N/mm2は80 N/mm2以上,4.0 N/mm2
を超えるものは85 N/mm2以上とする。また,プレスト
レス導入時の圧縮強度は,40 N/mm2以上とする。
なお,II類は,受渡当事者間の協議による。
E.7 コン
クリート
の品質
E.7.1 材料及び製造方法
コンクリートに使用する材料及び製造方法は,JIS A
5364による。
E.7.2 圧縮強度
コンクリートの圧縮強度は,製品と同一養生を行った供
試体の圧縮強度又はその他適切な方法によって管理し
た圧縮強度で検証するものとし,所定の材齢において,
有効プレストレスが4.0 N/mm2は80 N/mm2以上,4.0
N/mm2を超えるものは85 N/mm2以上とする。また,プ
レストレス導入時の圧縮強度は,40 N/mm2以上とする。
なお,II類は,受渡当事者間の協議によるものとし,コ
ンクリートの圧縮強度は,JIS A 5364の附属書Aによる
ことができる。
圧縮強度だけの規定とし,
供試体の養生方法は関係
するE.7.1へ移行。
また,JIS A 5364の附属書
Aは,規定の一部ではない
ため削除した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
141
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.7 試験
方法
E.7.1 コンクリートの圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度試験は,JIS A 1108又はJIS A
1136による。
なお,供試体は,製品と同一養生を行ったもの,又はそ
の他適切な方法によって管理したものとする。
E.7.2 製品の曲げ耐力試験
製品の曲げ耐力試験は,JIS A 5363及び次による。II類
は,受渡当事者間の協議によるものとする。
a) 曲げ耐力試験は,図E.2に示すように,くい類の長
さLの3/5をスパンlとして支え,スパンの中央に
曲げ耐力に相当する荷重Fを2点載荷する。荷重F
は,自重を考慮した次の式によって算出する。
b
L
L
m
M
F
10
6
40
−
−
=
g
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準
とする。
E.6 試験
方法
E.6.1 圧縮強度試験
圧縮強度試験は,JIS A 1132及びJIS A 1108又はJIS A
1136による。
E.6.2 曲げ強度試験
曲げ強度試験は,JIS A 5363によるほか,次による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
a) 本体の曲げ強度試験は,図E.2に示すように,くい
の長さLの3/5をスパンBとして支え,スパンの中
央に荷重Fを加えて行う。載荷荷重Fは,次の式に
よって曲げモーメントから算出する。
A
L
L
m
M
F
10
6
40
−
−
=
g
ここに,
F: 載荷荷重(kN)
M: 曲げモーメント(kN・m)
m: くいの質量(t)
g: 標準重力加速度(9.81 m/s2)
L: くいの長さ(m)
A: 曲げスパン(m) A=1.0とする。
本体に合わせ,箇条を入れ
替えた。
継手曲げ試験などにおい
て曲げスパン1.0 m以上と
する場合があるためb=
1.0を標準とした。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
142
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.7 試験
方法(続
き)
曲げ耐力試験を行うときに,せん断力などによる影響が
大きくなると思われる場合は,スパンlをくい類の長さ
Lの3/5より長くしてもよい。荷重Fは,自重を考慮し
た次の式によって算出する。
(
)
( )b
l
L
l
m
M
F
−
−
−
=
2
2
8
g
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
l: スパン(m)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準
とする。
b) 曲げひび割れ耐力及び終局曲げ耐力に相当する荷重
Fを載荷して,要求性能を満足することを確認する。
c) 継手部の曲げ耐力試験を行う場合は,スパン中央に
継手の継ぎ目部分を一致させて行う。また,このときの
Lは,2本のくい類を継いだ長さとする。
E.6 試験
方法(続
き)
曲げ強度試験を行うときに,せん断力による影響が大き
くなると思われる場合は,スパンBをくいの長さLの
3/5より長くしてもよい。そのときには,次の式によっ
て曲げモーメントから載荷荷重を算出する。
(
)
(
)
A
B
L
B
m
M
F
−
−
−
=
2
2
8
g
ここに,
F: 載荷荷重(kN)
M: 曲げモーメント(kN・m)
m: くいの質量(t)
g: 標準重力加速度(9.81 m/s2)
B: スパン(m)
L: くいの長さ(m)
A: 曲げスパン(m) A=1.0とする。
b) 破壊曲げモーメントに相当する荷重Fを載荷して,
破壊しないことを確認する。
c) 継手部の曲げ強度試験は,スパン中央に継手の継ぎ
目部分を一致させ,a) 及びb) によって行う。
曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全体的な
見直しによる。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
143
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.7 試験
方法(続
き)
E.7.3 製品の軸力曲げ耐力試験
(正負交番繰返し軸力曲げ耐力試験)
製品の軸力曲げ耐力試験は,次による。II類は,受渡当
事者間の協議によるものとする。
a) 軸力曲げ耐力試験は,図E.3に示すように,軸力N
を加えたくい類を,lをスパンとして支え,スパンの中
央に曲げ耐力に相当する荷重Fを2点載荷する。荷重F
は,自重を考慮した次の式によって算出する。
正荷重の場合
(
)
( )b
l
N
L
l
m
M
F
−
−
−
−
=
2
8
2
8
δ
g
負荷重の場合
(
)
(
)
g
g
m
b
l
N
L
b
m
M
F
−
−
+
−
−
−
=
−
2
8
2
8
δ
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げ耐力(kN・m)
L: くい類の長さ(m)
m: くい類の質量(t)
g: 重力加速度(9.81 m/s2とする)
l: スパン(m) l≧7.0を標準とする。
δ: 中央部の相対たわみ量(m)
N: 軸力(kN)
b: 曲げスパン(m) b=1.0を標準
とする。
E.6 試験
方法(続
き)
E.6.3 軸力曲げ強度試験
(正負交番繰返し軸力曲げ強度試験)
軸力曲げ強度試験は,次による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
a) 本体の軸力曲げ強度試験は,図E.3に示すように,
軸力Nを加えたくいを,Bをスパンとして支え,スパン
の中央に荷重Fを加えて行う。載荷荷重Fは,次の式
によって曲げモーメントから算出する。
正荷重の場合
(
)
(
)
A
B
N
L
B
m
M
F
−
−
−
−
=
2
8
2
8
δ
g
負荷重の場合
(
)
(
)
g
g
m
A
B
N
L
A
m
M
F
−
−
+
−
−
−
=
−
2
8
2
8
δ
ここに,
F: 荷重(kN)
M: 曲げモーメント(kN・m)
m: くいの質量(t)
g: 標準重力加速度(9.81 m/s2)
L: くいの長さ(m)
B: スパン(m) B≧7.0とする。
δ: 中央部の相対たわみ量(m)
N: 軸力(kN)
A: 曲げスパン(m) A=1.0とする。
・曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全体的な
見直しによる。
スパンは,“B≧7.0”とし
ていたが,節部などの影響
で7 m未満とする場合を
考慮して,“l≧7.0を標準
とする。”とした。
なお,既往の曲げ試験の結
果によれば,l≧6D+1.0 m
にすればせん断力による
影響が小さいことが分か
っている。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
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A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E.7 試験
方法(続
き)
b) 軸力N,荷重F及び正負交番繰返し回数は,次の条
件を満足しなければならない。
3) 繰返し荷重Fは,軸力Nが与えられている状態で,
曲げひび割れ耐力及び終局曲げ耐力のそれぞれの1/1.2
を生じる値とし,繰返し回数は10サイクル以上とする。
なお,正負1回をもって1サイクルとする。
c) 正負交番繰返し完了後,曲げひび割れ耐力及び終局
曲げ耐力に相当する荷重Fを載荷して,要求性能を満足
することを確認する。
E.7.4 製品のせん断耐力試験
製品のせん断耐力試験は,JIS A 5363及び次による。II
類は,受渡当事者間の協議によるものとする。
せん断耐力試験は,図E.4又は図E.5に示す方法で行い,
図E.4による場合の荷重Fは,次の式によって算出する。
Q
F
2
=
ここに,
F: 荷重(kN)
Q: せん断耐力(kN)
削除
E.6 試験
方法(続
き)
b) 軸力N,載荷荷重F及び正負交番繰返し回数は,次
の条件を満足しなければならない。
3) 繰返し載荷荷重Fは,軸力Nが与えられている状態
で,ひび割れ曲げモーメント及び破壊曲げモーメントの
それぞれの1/1.2を生じる値とし,繰返し回数は10サイ
クル以上とする。
なお,正負1回をもって1サイクルとする。
c) 正負交番繰返し完了後,破壊曲げモーメントに相当
する荷重Fを載荷して,破壊しないことを確認する。
なお,載荷荷重Fは,a) に規定する式によって算出す
る。
E.6.4 せん断強度試験
せん断強度試験は,JIS A 5363によるほか,次による。
なお,試験機は,JIS B 7721に規定する1級以上の試験
機又はこれと同等以上の許容値をもつものを使用する。
せん断強度試験は,図E.4又は図E.5に示す方法で行い,
図E.4による場合は,次の式によってせん断強度から載
荷荷重を算出する。
Q
F
2
=
ここに,
F: 載荷荷重(kN)
Q: せん断強度(kN)
E.6.5 継手端面の直角度の測定方法
継手端面の直角度の測定は,直角定規を用いて,くい外
径の軸線に合わせてセットし,くい外径に関する傾斜量
を測定して求める。
・曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全体的な
見直しによる。
・せん断試験において,単
純はり形式載荷において
もせん断破壊試験を行う
ことが可能なことから規
定を改正した。
継手部は,一般的な性能と
して本体と同等の性能を
もつ必要があるため,表
E.3安全性の性能に含め
た。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
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145
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
推奨仕様
E-1 プレ
ストレス
トコンク
リートく
い
E-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Eのうち,くい類I類のプレス
トレストコンクリートくい(以下,くいという。)につ
いて記載する。
なお,全長にわたり同一断面のものをPCくい,PCく
いの先端部を拡径したものをSTくい,及びPCくいの
本体に節部を設けたものを節くいという。
推奨仕様
E-1 プレ
ストレス
トコンク
リートく
い
E-1.1 概要
この推奨仕様は,附属書Eのうち,くい類I類のプレス
トレストコンクリートくい(以下,PCくいという。)に
ついて記載する。端部を拡径したもの(STくい),及び
本体に節部を設けたもの(節くい)を含む。
くい名称を明確とした。
E-1.3 性能 くいの性能は,次による。
E-1.3.1 曲げひび割れ耐力
くいの曲げひび割れ耐力は,推奨仕様E-1 表1及び推
奨仕様E-1 表2に規定する値以上とする。
E-1.3.2 終局曲げ耐力
くいの終局曲げ耐力は,推奨仕様E-1 表1及び推奨仕
様E-1 表2に規定する値以上とする。また,継手部に
ついては,推奨仕様E-1 表1に規定する値以上とする。
E-1.3.3 せん断ひび割れ耐力
くいのせん断ひび割れ耐力は,推奨仕様E-1 表3に規
定する値以上とする。
E-1.3.4 終局せん断耐力
くいの終局せん断耐力は,推奨仕様E-1 表3に規定す
る値以上とする。
E-1.3 性能 E-1.3.1 曲げ強度
くい本体及びくい継手部の曲げ強度は,次による。
a) くい本体 PCくい本体は,E-1.6.2に規定する曲げ強
度試験を行い,推奨仕様E-1 表1及び推奨仕様E-1 表
2に規定するひび割れ曲げモーメントを加えたとき,ひ
び割れが発生してはならない。また,PCくい本体は,
推奨仕様E-1 表1及び推奨仕様E-1 表2に規定する破
壊曲げモーメントの値で破壊してはならない。
b) くい継手部 PCくい継手部は,E-1.6.2に規定する曲
げ強度試験を行い,推奨仕様E-1 表1に規定する破壊
曲げモーメントの値で破壊してはならない。
E-1.3.2 せん断強度
PCくい本体は,E-1.6.4に規定するせん断強度試験を行
い,推奨仕様E-1 表3に規定するせん断ひび割れ強度
を加えたとき,ひび割れが発生してはならない。また,
PCくい本体は,推奨仕様E-1 表3に規定するせん断破
壊強度の値で破壊してはならない。
E-1.3.3 接続性(継手端面の直角度)
継手端面の傾斜は,くいの軸線の直角に対して,300
mmにつき1 mm以内でなければならない。
曲げ強度から耐力表記に
伴う記載方法の全般的な
見直しによる。
継手部の接続性の記載は,
E-1.4形状,寸法及び寸法
の許容差に含めた。
接続性の記載は,形状.寸
法及び寸法の許容差に変
更した。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
146
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E-1.3 性能
(続き)
推奨仕様E-1 表1−くいの寸法及び曲げ耐力
(軸力N=0 kN作用時)
推奨仕様E-1 表2−くいの軸力曲げ耐力
曲げひび割れ耐力
終局曲げ耐力
推奨仕様E-1 表3−くいのせん断耐力
せん断ひび割れ耐力
終局せん断耐力
推奨仕様E-1 表2−くいの軸力曲げ耐力
くい本体の性能照査で,軸力曲げ耐力試験及び正負交番
繰返し軸力曲げ耐力試験を実施する場合の代表外径は,
通常製造する外径の中間径程度を代表外径として,試験
を行う。また,このときの軸力は,N3とする。
E-1.3 性能
(続き)
推奨仕様E-1 表1−寸法及び曲げ強度
(軸力N=0 kN作用時)
推奨仕様E-1 表2−軸力曲げ強度
ひび割れ曲げモーメント
破壊曲げモーメント
推奨仕様E-1 表3−せん断強度
せん断ひび割れ強度
せん断破壊強度
推奨仕様E-1 表2−軸力曲げ強度
PCくい本体の性能照査で,軸力曲げ強度試験及び正負
交番繰返し軸力曲げ強度試験を実施する場合の代表外
径は,通常製造する外径の中間径程度を代表外径とし
て,試験を行う。また,このときの軸力は,N3とする。
用語を整理した。
E-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
STくいの拡径部の最大長さは,拡径部外径の2倍とす
る。また,節くいの節部の最大外径は,外径450 mm以
下では外径+150 mm以下,外径500 mm以上ではその
外径+200 mm以下とする。また,節間隔は,1 mとす
る。
推奨仕様E-1 図1−くいの形状
c) 節くいで節部と節間隔を追記
推奨仕様 E-1表4−寸法及び寸法の許容差
− くいの外径は,本体の一断面において直交
軸に沿って測定した二つの値の平均値を
四捨五入し整数に丸める。
− くいの厚さは,本体の端部の一断面におい
て直交軸に沿って測定した四つの値の平
均値を四捨五入し整数に丸める。
− くいの拡径部の外径の許容差並びに節部
の外径の許容差は,規定しない。
− くいの拡径部の長さの許容差並びに節間
隔の許容差は,規定しない。
E-1.4
形
状,寸法及
び寸法の
許容差
STくいは,PCくいの端部を拡径したくいであり,拡径
部の最大長さは,拡径部外径の2倍とする。
節くいは,PCくいの本体に節部を設けたくいである。
その節部の外径は,本体部の性能を損なわない範囲と
し,外径450 mm以下ではその外径+150 mm以下,外
径500 mm以上ではその外径+200 mm以下とする。ま
た,節部の間隔は,1 mとする。
推奨仕様E-1 図1−くいの形状
推奨仕様 E-1表4−寸法及び寸法の許容差
− くいの外径は,本体の1断面において直交
軸に沿って測定した二つの値の平均値と
する。
− くいの厚さは,本体の端部の1断面におい
て直交軸に沿って測定した四つの値の平
均値とする。
STくい,節くいの形状は,
附属書に記載があるため,
ここでは,その範囲の数値
だけ記載した。
寸法許容差規定の明確化。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6
147
A 5373:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5373:2016)
旧規格(JIS A 5373:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
E-1.5 配筋 a) …PC鋼材及び鉄筋のあきは,それらの直径の1倍以
上で,かつ,粗骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。く
い頭結合等のために鉄筋を配置する場合の鉄筋配置,必
要鉄筋量は,受渡当事者間で決定するものとする。
E-1.5 配筋 a) …PC鋼材及び鉄筋のあきは,それらの直径の1倍以
上で,かつ,粗骨材の最大寸法の4/3倍以上とする。
くい頭に鉄筋を配置する
場合の記載を追記した。
E-1.7 試験
方法
なお,荷重の算定に用いるPCくい本体の質量は,推奨
仕様E-1 表5の値とする。
推奨仕様E-1 表5−PCくいの質量
…によって算出し,四捨五入によって小数点3桁に丸め
る。
削除
E-1.6 強度
試験
なお,載荷荷重の算定に用いるPCくい本体の質量は,
推奨仕様E-1 表5によってよい。
推奨仕様E-1 表5−PCくいの質量
注a) …によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以
下3けたに丸めたものである。
E-1.6.5 継手端面の直角度の測定試験
継手端面の直角度の測定試験は,E.6.5による。
数値の丸め方を明記した。
他の合理的な測定機器及
び測定方法も利用可能と
するため,測定機器を限定
した直角度の測定方法の
規定は,削除した。
E-1.8 検査
E-1.8.3 検
査方法
a) 最終検
査
2) 性能 本体の曲げひび割れ耐力の検査は,1ロットか
ら任意に2本抜き取り,E-1.7.2によって行い,2本とも
E-1.3.1の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2
本とも適合しなければ,そのロットを不合格とする。こ
の検査で1本だけ規定に合格しないときは,そのロット
から更に4本抜き取って再検査を行い,4本とも規定に
適合すれば,最初の検査の不合格品を除き,そのロット
を合格とし,再検査で1本でも適合しないときは,その
ロットを不合格とする。
本体の終局曲げ耐力の検査は,本体の曲げひび割れ耐力
の検査の初めの2本のうち1本について,E-1.7.2によ
って行い,E-1.3.2の規定に適合すれば,そのロットを
合格とし,適合しなければ,そのロットから更に2本抜
き取って再検査を行い,2本とも規定に適合すれば,最
初の検査の不合格品を除き,そのロットを合格とし,再
検査で1本でも適合しないときは,そのロットを不合格
とする。
E-1.8 検査
E-1.8.3 検
査方法
a) 最終検
査
2) 性能 本体の曲げひび割れ強度の検査は,1ロットか
ら任意に2本抜き取り,E-1.6.2によって行い,2本とも
E-1.3.1の規定に適合すれば,そのロットを合格とし,2
本とも適合しなければ,そのロットを不合格とする。こ
の検査で1本だけ規定に合格しないときは,そのロット
から更に4本抜き取って再検査を行い,4本とも規定に
適合すれば,最初の検査の不合格品を除き,そのロット
を合格とし,再検査で1本でも適合しないときは,その
ロットを不合格とする。本体の曲げ破壊強度の検査は,
本体の曲げひび割れ強度の検査の初めの2本のうち1本
について,E-1.6.2によって行い,E-1.3.1の規定に適合
すれば,そのロットを合格とし,適合しなければ,その
ロットから更に2本抜き取って再検査を行い,2本とも
規定に適合すれば,最初の検査の不合格品を除き,その
ロットを合格とし,再検査で1本でも適合しないとき
は,そのロットを不合格とする。
文言を耐力表記とした。
5
A
5
3
7
3
:
2
0
1
6