A 5362:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 要求性能························································································································· 2
5 性能照査························································································································· 3
5.1 一般 ···························································································································· 3
5.2 照査指標 ······················································································································ 3
5.3 照査方法 ······················································································································ 4
附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 5
A 5362:2016
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,特定非営利活動法
人コンクリート製品JIS協議会(JPCC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本工業規格である。
これによって,JIS A 5362:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
A 5362:2016
プレキャストコンクリート製品−
要求性能とその照査方法
Precast concrete products-
Required performance and methods of verification
1
適用範囲
この規格は,プレキャストコンクリート製品(以下,製品という。)の要求性能1)及びその照査方法に関
する一般的事項について規定する。ただし,日本工業規格が別途定められている建築用コンクリート製品
には,この規格は適用しない。
なお,技術的に重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに記載する。
注1) 構造物における製品の使われ方は,製品がそのまま構造物となるもの,製品が構造物の一部を
なすもの,製品を複数組み合わせて構造物とするものなど,多様である。したがって,製品は,
構造物の性能が十分に発揮できるよう構造物における使われ方に応じて要求性能が定められる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 5363 プレキャストコンクリート製品−性能試験方法通則
JIS A 5371 プレキャスト無筋コンクリート製品
JIS A 5372 プレキャスト鉄筋コンクリート製品
JIS A 5373 プレキャストプレストレストコンクリート製品
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203によるほか,次による。
3.1
品質
構造物又は製品に備わっている特性の集まりが,要求される性能を満たす程度。
3.2
性能
構造物又は製品が,その目的や機能を発揮する能力。
3.3
作用
構造物又は製品に対する荷重,及び材料特性に経時変化をもたらす全ての働き。
2
A 5362:2016
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3.4
使用性
構造物又は製品が,要求される機能を満足し,快適に使用できる性能。
3.5
安全性
設計上想定される荷重によって,製品及び構造物が破壊しない,又は所定の機能を失わない性能。
3.6
耐震性
構造物の地震時及び地震後の安全性,使用性並びに地震後の復旧性を総合的に満足する性能。
3.7
一体性
設計上想定される荷重などによって構造物の形状が損なわれず,所定の機能を維持できる性能。
3.8
施工性
製品に有害な変状を生じることなく,作業を安全かつ容易に行うことができる性能。
3.9
性能照査
製品が要求される性能を満たしていることを,設計図書,性能試験又は実績のうちの適切な方法で定量
的に判定すること。
4
要求性能
購入者は,表1の中から構造物及び製品の要求性能を選定する。
注記 JIS A 5371,JIS A 5372及びJIS A 5373の推奨仕様で規定する製品の性能は,一般的な環境で標
準的な荷重作用に対して設定されている。
表1−コンクリート構造物及びそれに用いる製品の性能
種別
性能項目
性能
関連する特性
又は限界状態
構造物
使用性
使用時に想定される荷重によって,所定の機能を失わず,快適に使用
できなければならない。
耐力,外観,変形,水密
性など
安全性
設計上想定される荷重によって,所定の機能を失わない,又は破壊し
ない若しくは安定を失ってはならない。
断面破壊,疲労破壊,構
造物の安定など
耐久性
環境の作用などによる材料特性の経時的な低下によって,所要の性能
が想定される供用期間にわたって損なわれてはならない。
鋼材腐食,コンクリート
の劣化など
耐震性
地震時に所定の機能を保持し,地震後にもその機能が健全で使用でき
る,又は地震後に所定の機能が短時間で回復できなければならない。
断面破壊,変位変形など
一体性
設計上想定される荷重によって,製品の接合部に変状を生じることが
なく,所定の機能を失ってはならない。
構造的な一体性,止水性
など
その他
購入者が要求する上記以外の性能を保持しなければならない。
美観,平滑性,排水性,
遮音性,快適性など
3
A 5362:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−コンクリート構造物及びそれに用いる製品の性能(続き)
種別
性能項目
性能
関連する特性
又は限界状態
製品
使用性
使用時に想定される荷重によって,所定の機能を失わず,快適に使用
できなければならない。
耐力,外観,変形,水密
性など
安全性
設計上想定される荷重によって,破壊してはならない。
断面破壊,疲労破壊など
耐久性
想定される作用によるひび割れ,材料特性の経時的な低下などによっ
て,所要の性能が損なわれてはならない。
鋼材腐食,コンクリート
の劣化など
施工性
有害な変状を生じることなく運搬,据付,組立,接合などの作業を安
全かつ容易に行うことができなければならない。
運搬性,施工安全性など
その他
購入者が要求する上記以外の性能を保持しなければならない。
透水性,保水性,すりへ
り抵抗性,端面の直角
度,寸法精度など
5
性能照査
5.1
一般
製造業者は,購入者が提示した要求性能に応じて,適切な照査指標及び照査方法を定め,性能照査を行
う。性能照査は,製品の設計段階で行い,その結果について購入者の承認を得なければならない2)。
注2) これは型式検査に該当する。
5.2
照査指標
性能照査に当たっては,製品の要求性能を定量的に評価できる照査指標を設定し,その限界値を明示し
なければならない。一般的な製品の照査指標の例を表2に示す。
表2−性能項目と製品の照査指標の例
性能項目
関連する特性
又は限界状態
製品の照査指標
使用性
耐力,外観
コンクリート及び鋼材の応力度,曲げひび割れ耐力b),ひび割れ幅,せん断ひ
び割れ耐力,製品の軸方向圧縮耐力など
変形
たわみなど
水密性
内水圧に対する耐力,透水量,ひび割れ幅など
その他
コンクリートの圧縮強度,有効プレストレスなど
安全性
断面破壊
軸方向圧縮耐力,終局曲げ耐力c),せん断耐力など
疲労破壊
鋼材の繰返し応力度,製品の軸力曲げ耐力,押抜きせん断疲労耐力など
構造物の安定
転倒モーメント,滑動力,浮力,地盤反力など
耐久性a)
鋼材腐食
ひび割れ幅,中性化深さ,塩化物イオン濃度など
コンクリートの劣化
凍結融解試験における相対動弾性係数,スケーリング量,コンクリート強度,
化学的侵食深さなど
耐震性
断面破壊
コンクリート及び鋼材の応力度,終局曲げ耐力,せん断耐力など
変位変形
各継手部の目開き量,継手部の屈曲角及び抜出し量,浮上がり又は沈下など
一体性
構造的な一体性
接合部の強度など
止水性
試験水圧による接合部の漏水の有無など
施工性
運搬性
製品の形状寸法,質量など
施工安全性
施工用つり(吊)具の強度,施工時の取扱いによるひび割れの有無など
その他
透水性,保水性など
透水係数,保水量及び吸上げ率など
注a) 想定される作用の下で,材料の劣化によって生じる製品の性能の経時的な低下に抵抗する性能。
b) ひび割れ発生に至らないことを満足する曲げ耐力。
c) 断面破壊の終局状態に至らないことを満足する曲げ耐力。
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A 5362:2016
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5.3
照査方法
プレキャストコンクリート製品の性能照査の方法は,次による。ただし,JIS A 5371,JIS A 5372及び
JIS A 5373で推奨仕様が規定されている製品については,購入者が製品名,種類及び呼びを指定すること
によって性能照査に代えることができる。
a) 性能の照査を設計図書による場合,設計方法及び/又は解析方法は,受渡当事者間で合意したもので
なければならない。
b) 性能の照査を性能試験による場合,通常,JIS A 5363に従って試験する。
c) 性能の照査を実績による場合,実績として認める条件など3)は受渡当事者間の協議による。この場合,
製造業者はコンクリートの使用材料,配合,成形方法,養生等の条件,製品の形状,配筋などに関係
する資料を提示しなければならない。また,購入者は,使用環境,維持管理の条件などに関する資料
を提示しなければならない。
注3) 実績は,類似の製品を用いた構造物又は製品の性能に関する技術文書としてとりまとめられ
た資料によることが望ましい。
参考文献 JIS A 5361 プレキャストコンクリート製品−種類,製品の呼び方及び表示の通則
JIS A 5364 プレキャストコンクリート製品−材料及び製造方法の通則
JIS A 5365 プレキャストコンクリート製品−検査方法通則
5
A 5362:2016
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附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範
囲
この規格は,…要求性能1)及び…規定する。ただし,
日本工業規格が別途定められている建築用コンク
リート製品には,この規格は適用しない。
注1) 構造物における製品の使われ方は,製品がそ
のまま構造物となるもの,製品が構造物の一
部をなすもの,製品を複数組み合わせて構造
物とするものなど,多様である。したがって,
製品は,構造物の性能が十分に発揮できるよ
う構造物における使われ方に応じて要求性能
が定められる。
1 適用範
囲
この規格は,…要求性能及び…規定する。ただし,個別
の製品について,日本工業規格が別途定められている建
築用コンクリート製品の場合には,この規格は適用しな
い。
注記 この規格は本来,製品の性能についてだけ規定す
べきものであるが,製品の使用状況の特性上,製
品を使った構造物の性能と全く分離して議論する
のが難しい。そこで,製品を用いた構造物の性能
にも言及している。しかし,製品と構造物との関
係も,製品がそのまま構造物となるもの,製品が
構造物の一部をなすもの,製品を複数組み合わせ
て構造物とするものなど,多様であるため,必ず
しも構造物の性能を分離しなくてもよいものもあ
る。また,構造物の設計を考えた場合,構造物へ
の要求性能を基に構造物が設計され,それを基に
構造物の一部をなす製品が設計・製造されるとい
う流れとなるであろう。この場合には,購入者が
構造物及び製品の要求性能を提示し,それを基に
製品の製造業者が構造物及び製品の設計・照査を
行った上で製品の製造を行うことになる。しかし,
一般的に製造業者は,構造物及び製品が使用され
る状況をある程度想定して製品を設計し,製品の
性能を推奨仕様,団体規格などで提示した上で販
売することが多いと思われる。この場合,購入者
は複数種類の製品から,構造物の性能を満足する
ような製品を選定して用いることとなると考えら
れる。
“個別の製品について”の
記述は不適切なので削除し
た。
“注記”を要求性能に対す
る“注”で記載した。また,
本文において,要求性能及
び性能照査について規定を
充実させたので,注の内容
を簡素化した。
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現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
2 引用規
格
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 5363 プレキャストコンクリート製品−性能
試験方法通則
JIS A 5371 プレキャスト無筋コンクリート製品
JIS A 5372 プレキャスト鉄筋コンクリート製品
JIS A 5373 プレキャストプレストレストコンクリ
ート製品
2 引用規
格
JIS A 0203 コンクリート用語
5.3において,JIS A 5363に
よる試験方法を明示したた
め追加した。
箇条4及び5.3において,JIS
A 5371,JIS A 5372及びJIS
A 5373の推奨仕様で規定さ
れている製品の性能及び照
査方法について明示したた
め追加した。
3 用語及
び定義
3.1
品質
構造物又は製品に備わっている特性の集まりが,
要求される性能を満たす程度。
3.2
性能
構造物又は製品が,その目的や機能を発揮する能
力。
3.3
作用
構造物又は製品に対する荷重,及び材料特性に経
時変化をもたらす全ての働き。
3 用語及
び定義
3.1
使用状態性能
使用時に想定される常時の荷重に対する性能。設計に
基づく所定の機能及び耐久性を損なわないことが要求さ
れる。
3.2
終局状態性能
終局時に想定される荷重に対する性能。一般に,部材
が破壊しないこと,又は所定の機能を失わないことが要
求される。
3.3
耐震性能
地震動に対する性能。構造物の耐用期間内に数回発生
する大きさの地震動(レベル1),及び構造物の耐用期間
内に発生する確率の極めて小さい強い地震動(レベル2)
に対し,所定の機能を失わない,又は破壊しないことが
要求される。
この規格で定めるべき用語
及び定義として“品質”,“性
能”及び“作用”を新たに
追加した。
“使用状態性能”を“使用
性”,“終局状態性能”を“安
全性”など,それらの定義
も含め,関連技術文書の“公
益社団法人土木学会(2012
年制定)コンクリート標準
示方書[設計編]”を参考に
改めた。
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A 5362:2016
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現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
3 用語及
び定義
3.4
使用性
構造物又は製品が,要求される機能を満足し,快
適に使用できる性能。
3.5
安全性
設計上想定される荷重によって,製品及び構造物
が破壊しない,又は所定の機能を失わない性能。
3.6
耐震性
構造物の地震時及び地震後の安全性,使用性並び
に地震後の復旧性を総合的に満足する性能。
3.7
一体性
設計上想定される荷重などによって構造物の形
状が損なわれず,所定の機能を維持できる性能。
3.8
施工性
製品に有害な変状を生じることなく,作業を安全
かつ容易に行うことができる性能。
3.9
性能照査
製品が要求される性能を満たしていることを,設
計図書,性能試験又は実績のうちの適切な方法で定
量的に判定すること。
3 用語及
び定義
3.4
変形性能
変形に対する性能。想定される荷重に対して,転倒,
滑動,沈下,変位,たわみなどが許容値以内であること
が要求される。
3.5
一体性能
一体性に対する性能。製品同士又は製品と場所打ちコ
ンクリートとの接合部において,想定される荷重に対し
て,一体性,止水性,変形性などを保持していることが
要求される。
3.6
耐久性能
耐久性に対する性能。想定される劣化作用に対して,
所定の耐久性を保持していることが要求される。
3.7
施工性能
施工性に対する性能。運搬,設置,組立などの施工性
の確保及び施工時に製品に有害な変状がないことが要求
される。
3.8
性能照査
構造物又は製品が要求されている性能をもっているこ
とを設計図書,性能試験などの適切な方法で確認するこ
と。
“変形性能”については,
使用性に含まれることから
削除した。
“耐久性能”については,
JIS A 0203に定義のある“耐
久性”を用いることに改め
たことにより,削除した。
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現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4 要求性
能
4 要求性能
購入者は,表1の中から構造物及び製品の要求性能
を選定する。
注記 JIS A 5371,JIS A 5372及び JIS A 5373
の推奨仕様で規定する製品の性能は,一
般的な環境で標準的な荷重作用に対して
設定されている。
表1−コンクリート構造物及びそれに用いる製品の
性能
表中抜粋
種別
性能
項目
性能
関連する
特性又は
限界状態
構造
物
使用
性
使用時に想定される
荷重によって,所定の
機能を失わず,快適に
使用できなければな
らない。
耐力,外
観,変形,
水密性な
ど
…
…
…
製品
…
…
…
耐久
性
想定される作用によ
るひび割れ,材料特性
の経時的な低下など
によって,所要の性能
が損なわれてはなら
ない。
鋼材腐食,
コンクリ
ートの劣
化など
…
…
…
4 性能
4 性能
構造物及び製品の性能は,表1による。購入者は表1に
示すものから必要と認められる性能を選定する。構造物
及び製品の性能を推奨仕様,団体規格などで提示するよ
うなはん(汎)用的な製品では,製造業者が自ら必要と
認められる性能を選定することができる。
表1−製品及びそれを用いたコンクリート構造物の性能
表中抜粋
種別
性能
項目
性能
補足事項
構造
物
使用
状態
性能
使用時に想定される常時
の荷重に対して,所定の機
能及び耐久性を保持しな
ければならない。
…
…
製品
…
…
耐久
性能
想定される劣化作用に対
して,供用期間において耐
久性を保持しなければな
らない。
塩害,中性
化,凍害な
ど
…
…
…
購入者が製品に対する要求
性能を設定できるように,
箇条の題名を“要求性能”
に変更し,コンクリート構
造物及びそれに用いる製品
の性能について,関連技術
文書の“公益社団法人土木
学会(2012年制定)コンク
リート標準示方書[設計
編]”を参考に改めるととも
に,各性能に対して関連す
る特性及び限界状態を示し
た。また,構造別製品群規
格(JIS A 5371,JIS A 5372
及びJIS A 5373)の推奨仕様
で規定されている製品で設
定されている性能を注記で
明示した。
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A 5362:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
5 性能照
査
5 性能照査
5.1 一般
製造業者は,購入者が提示した要求性能に応じて,
適切な照査指標及び照査方法を定め,性能照査を行
う。
性能照査は,製品の設計段階で行い,その結果に
ついて購入者の承認を得なければならない2)。
注2) これは型式検査に該当する。
5.2 照査指標
性能照査に当たっては,製品の要求性能を定量的に
評価できる照査指標を設定し,その限界値を明示し
なければならない。一般的な製品の照査指標の例を
表2に示す。
表2−性能項目と製品の照査指標の例
表中抜粋
性能
項目
関連する特性
又は限界状態
製品の照査指標
使用
性
耐力,外観
コンクリート及び鋼材
の応力度…など
変形
たわみなど
…
…
安全
性
断面破壊
軸方向圧縮耐力…など
…
…
…
…
…
5 照査方
法
5 照査方法
構造物及び製品の照査方法は,表2による。設計者は,
購入者又は製造業者が提示した要求性能に応じて,表2
に示すものから照査が必要と認められる性能項目とそれ
に対する照査方法を選定する。
購入者が提示した要求性能
に対して,製造業者が行う
性能照査を分かりやすくす
るため,箇条の題名を“5
性能照査”に変更し,細分
箇条の“5.1一般”,“5.2照
査指標”及び“5.3照査方法”
に具体的に明示した。
性能照査を行うには,要求
性能に対して,定量的に評
価できる指標を設定する必
要があるので,一般的な製
品の照査指標の例を“表2
−性能項目と製品の照査指
標の例”に示した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5362:2016)
旧規格(JIS A 5362:2010)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
5 性能照
査
5.3 照査方法
プレキャストコンクリート製品の性能照査の方法
は,次による。ただし,JIS A 5371,JIS A 5372及び
JIS A 5373で推奨仕様が規定されている製品につい
ては,購入者が製品名,種類及び呼びを指定するこ
とによって性能照査に代えることができる。
a) 性能の照査を設計図書による場合,設計方法及
び/又は解析方法は,受渡当事者間で合意した
ものでなければならない。
b) 性能の照査を性能試験による場合,通常,JIS A
5363に従って試験する。
c) 性能の照査を実績による場合,実績として認め
る条件など3)は受渡当事者間の協議による。こ
の場合,製造業者はコンクリートの使用材料,
配合,成形方法,養生等の条件,製品の形状,
配筋などに関係する資料を提示しなければなら
ない。また,購入者は,使用環境,維持管理の
条件などに関する資料を提示しなければならな
い。
注3) 実績は,類似の製品を用いた構造物又
は製品の性能に関する技術文書として
とりまとめられた資料によることが望
ましい。
5 照査方
法
表2−製品及びそれを用いたコンクリート構造物の主な
照査方法
表中抜粋
種別
性能
項目
照査方法
補足
事項
構造
物
使用状
態性能
設計図書(許容応力度法又は
限界状態設計法,許容ひび割
れ幅など)又は性能試験及び
実績で照査する。
…
…
製品
…
…
終局状
態性能
設計図書又は外圧強度・内圧
強度(破壊荷重)を代用特性
とした性能試験による。
…
…
製品の特性を考慮して照査
方法を選定できるように,
性能照査の方法として“a)
設計図書による場合”,“b)
性能試験による場合”,及び
“c)実績による場合”を明示
した。また,それに伴い旧
規格の“表2−製品及びそれ
を用いたコンクリート構造
物の主な照査方法”は削除
した。
6 性能及び照査方法の例 削除
6 性能及
び照査方
法の例
6 性能及び照査方法の例
旧規格で示されていた“性
能及び照査方法の例”につ
いては,“5 性能照査”に性
能照査の方法を具体的に明
示したため削除した。
2
A
5
3
6
2
:
2
0
1
6