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A 5308

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

1

4

  品質 

2

4.1

  強度,スランプ又はスランプフロー,空気量,及び塩化物含有量  

2

5

  容積 

3

6

  配合 

3

7

  材料 

4

7.1

  セメント  

4

7.2

  骨材  

4

7.3

  水  

4

7.4

  混和材料  

4

8

  製造方法  

4

8.1

  製造設備  

4

8.2

  材料の計量  

6

8.3

  練混ぜ  

7

8.4

  運搬  

7

8.5

  回収骨材の取扱い  

7

8.6

  トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの取扱い  

8

8.7

  品質管理  

8

9

  試験方法  

9

9.1

  試料採取方法  

9

9.2

  強度  

9

9.3

  スランプ  

9

9.4

  スランプフロー  

9

9.5

  空気量  

9

9.6

  塩化物含有量  

9

9.7

  容積  

9

10

  検査  

9

10.1

  検査項目  

9

10.2

  強度  

10

10.3

  スランプ又はスランプフロー,及び空気量  

10

10.4

  塩化物含有量  

10

10.5

  指定事項  

10


A 5308

:2014  目次

(2)

ページ

11

  製品の呼び方  

10

12

  報告  

11

12.1

  レディーミクストコンクリート配合計画書及び基礎資料  

11

12.2

  レディーミクストコンクリート納入書  

11

附属書 A(規定)レディーミクストコンクリート用骨材  

19

附属書 B(規定)アルカリシリカ反応抑制対策の方法  

24

附属書 C(規定)レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水  

26

附属書 D(規定)トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法  

34

附属書 E(規定)軽量型枠  

39


A 5308

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(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。

これによって,JIS A 5308:2011 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 26 年 9 月 19 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく,JIS

マーク表示認証において,JIS A 5308:2011 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格     

JIS

 A

5308

:2014

レディーミクストコンクリート

Ready-mixed concrete

序文 

この規格は,1953 年に制定され,その後 12 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2011 年に

行われたが,その後の技術の進歩と環境問題を配慮して改正を行った。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,荷卸し地点まで配達されるレディーミクストコンクリート(以下,レディーミクストコン

クリートという。

)について規定する。ただし,この規格は,配達されてから後の運搬,打込み及び養生に

ついては適用しない。

引用規格 

表 13 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

種類 

レディーミクストコンクリートの種類は,普通コンクリート,軽量コンクリート,舗装コンクリート及

び高強度コンクリートに区分し,粗骨材の最大寸法,スランプ又はスランプフロー,及び呼び強度を組み

合わせた

表 に示す○印とする。

表 1−レディーミクストコンクリートの種類

コンクリー

トの種類

粗骨材の

最大寸法

mm

スランプ又はス

ランプフロー

a)

cm

呼び強度

18

21

24

27

30

33

36

40

42

45 50 55 60

曲げ

4.5

普通コンク

リート

20

,25 8,10,12,15,

18

21

40 5

,8,10,12,

15

軽量コンク

リート

15 8

,10,12,15,

18

,21

舗装コンク

リート

20

, 25 ,

40

2.5

,6.5

高強度コン

クリート

20

,25 10,15,18

50

,60

a)

荷卸し地点での値であり,50 cm 及び 60 cm はスランプフローの値である。


2

A 5308

:2014

レディーミクストコンクリートの購入に当たっては,次の a)q)  までの事項について生産者と協議する。

なお,a)d)  は指定,e)q)  は必要に応じて協議のうえ指定することができる。ただし,a)h)  まで

の事項は,この規格で規定している範囲とする。

a)

セメントの種類

b)

骨材の種類

c)

粗骨材の最大寸法

d)

アルカリシリカ反応抑制対策の方法

e)

骨材のアルカリシリカ反応性による区分

f)

呼び強度が 36 を超える場合は,水の区分

g)

混和材料の種類及び使用量

h)  4.1 e)

に定める塩化物含有量の上限値と異なる場合は,その上限値

i)

呼び強度を保証する材齢

j)

表 に定める空気量と異なる場合は,その値

k)

軽量コンクリートの場合は,軽量コンクリートの単位容積質量

l)

コンクリートの最高温度又は最低温度

m)

水セメント比の目標値

1)

の上限

n)

単位水量の目標値

2)

の上限

o)

単位セメント量の目標値

3)

の下限又は目標値

3)

の上限

p)

流動化コンクリートの場合は,流動化する前のレディーミクストコンクリートからのスランプの増大

量[購入者が d)  でコンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策の方法を指定する場合,購入

者は,流動化剤によって混入されるアルカリ量(kg/m

3

)を生産者に通知する。

q)

その他必要な事項

1)

配合設計で計画した水セメント比の目標値

2)

配合設計で計画した単位水量の目標値

3)

配合設計で計画した単位セメント量の目標値

品質 

4.1 

強度,スランプ又はスランプフロー,空気量,及び塩化物含有量 

レディーミクストコンクリートの強度,スランプ又はスランプフロー,空気量,及び塩化物含有量は,

荷卸し地点で,次の条件を満足しなければならない。

a)

強度  強度は,9.2 に規定する試験を行ったとき,次の規定を満足しなければならない。強度試験にお

ける供試体の材齢は,箇条 3 i)  の指定がない場合は 28 日,指定がある場合は購入者が指定した材齢

とする。

1)  1

回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値

4)

の 85 %以上でなければならない。

2)  3

回の試験結果の平均値は,購入者が指定した呼び強度の強度値

4)

以上でなければならない。

4)

呼び強度に小数点を付けて,小数点以下 1 桁目を 0 とする N/mm

2

で表した値である。ただ

し,呼び強度の曲げ 4.5 は,4.50 N/mm

2

である。

b)

スランプ  スランプの許容差は,表 による。


3

A 5308

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表 2−荷卸し地点でのスランプの許容差

単位  cm

スランプ

スランプの許容差

2.5

±1

5

及び 6.5

±1.5

8

以上 18 以下

±2.5

21

±1.5

a)

a)

呼び強度 27 以上で,高性能 AE 減水剤

を使用する場合は,±2 とする。

c)

スランプフロー  スランプフローの許容差は,表 による。

表 3−荷卸し地点でのスランプフローの許容差

単位  cm

スランプフロー

スランプフローの許容差

50

±7.5

60

±10

d)

空気量  空気量及びその許容差は,表 による。

なお,箇条 3 j)  で空気量が指定された場合にも,その許容差は±1.5 %とする。

表 4−荷卸し地点での空気量及びその許容差

単位  %

コンクリートの種類

空気量

空気量の許容差

普通コンクリート 4.5  ±1.5

軽量コンクリート 5.0

舗装コンクリート 4.5

高強度コンクリート 4.5

e)

塩化物含有量  塩化物含有量は,塩化物イオン(Cl

)量として 0.30 kg/m

3

以下とする。ただし,箇条

3 h)

で塩化物含有量の上限値の指定があった場合は,その値とする。また,購入者の承認を受けた場

合には,0.60 kg/m

3

以下とすることができる。

容積 

レディーミクストコンクリートの容積は,荷卸し地点で,レディーミクストコンクリート納入書に記載

した容積を下回ってはならない。

配合 

レディーミクストコンクリートの配合は,次による。

a)

配合は,箇条 において指定された事項及び箇条 に規定する品質を満足し,かつ,箇条 10 に規定す

る検査に合格するように,生産者が定める。

b)

生産者は,12.1 

表 10 に示すレディーミクストコンクリート配合計画書を,配達に先立って,購入者

に提出しなければならない。

c)

生産者は,購入者の要求があれば,配合設計,レディーミクストコンクリートに含まれる塩化物含有

量の計算,及びアルカリシリカ反応抑制対策の方法の基礎となる資料を提出しなければならない。


4

A 5308

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材料 

7.1 

セメント 

セメントは,次のいずれかの規格に適合するものを用いる。

a)  JIS R 5210

b)  JIS R 5211

c)

JIS R 5212

d)  JIS R 5213

e)

JIS R 5214

のうち,普通エコセメント。ただし,普通エコセメントは,高強度コンクリートには適用

しない。

7.2 

骨材 

骨材は,

附属書 に適合するものを用いる。ただし,再生骨材 H は,普通コンクリート及び舗装コンク

リートに適用する。また,各種スラグ粗骨材は,高強度コンクリートには適用しない。

なお,

附属書 に規定する砕石,砕砂,フェロニッケルスラグ細骨材,銅スラグ細骨材,電気炉酸化ス

ラグ骨材,砂利及び砂を使用する場合は,B.3B.4 及び B.5 に規定するアルカリシリカ反応抑制対策のい

ずれかを適用しなければならない。また,再生骨材 H を使用する場合には,B.4 又は B.5 の抑制対策を適

用しなければならない。

7.3 

 

水は,

附属書 に適合するものを用いる。ただし,スラッジ水は,高強度コンクリートには適用しない。

7.4 

混和材料 

混和材料は,次による。

a)

フライアッシュ,膨張材,化学混和剤,防せい剤,高炉スラグ微粉末及びシリカフュームはそれぞれ,

次の規格に適合するものを用いる。

1)  JIS A 6201

2)  JIS A 6202

3)  JIS A 6204

4)  JIS A 6205

5)  JIS A 6206

6)  JIS A 6207

b)  a)

以外の混和材料を使用する場合は,コンクリート及び鋼材に有害な影響を及ぼさず,所定の品質及

びその安定性が確かめられたもののうち,購入者が生産者と協議のうえ指定するものを用いなければ

ならない。

製造方法 

8.1 

製造設備 

8.1.1 

材料貯蔵設備 

材料貯蔵設備は,次による。

a)

セメントの貯蔵設備は,セメントの生産者別及び種類別に区分され,セメントの風化を防止できるも

のでなければならない。

b)

骨材の貯蔵設備は,日常管理ができる範囲内に設置し,種類別及び区分別に仕切りをもち,大小の粒

が分離しにくいものでなければならない。床は,コンクリートなどとし,排水の処置を講じるととも


5

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に,異物が混入しないものでなければならない。また,レディーミクストコンクリートの最大出荷量

の 1 日分以上に相当する骨材を貯蔵できるものでなければならない。

c)

人工軽量骨材を用いる場合は,骨材に散水する設備を備えていなければならない。

d)

高強度コンクリートの製造に用いる骨材の貯蔵設備には,上屋を設けなければならない。

e)

骨材の貯蔵設備及び貯蔵設備からバッチングプラントまでの運搬設備は,均質に骨材を供給できるも

のでなければならない。

f)

混和材料の貯蔵設備は,種類別及び区分別に分け,混和材料の品質の変化が起こらないものでなけれ

ばならない。

8.1.2 

バッチングプラント 

バッチングプラントは,次による。

a)

プラントは,主要材料に対して,各材料別の貯蔵ビンを備えているのがよい。

b)

計量器は,8.2.2 に規定する許容差内で各材料を量り取ることのできる精度のものでなければならな

い。また,計量した値を前記の精度で指示できる指示計を備えたものでなければならない。

c)

全ての指示計は,操作員の見えるところにあり,計量器は操作員が容易に制御することができるもの

でなければならない。

d)

計量器は,異なった配合のコンクリートに用いる各材料を連続して計量できるものでなければならな

い。

e)

計量器には,骨材の表面水率による計量値の補正が容易にできる装置を備えていなければならない。

ただし,粗骨材の場合は,表面水率による計量値の補正を計算によって行ってもよい。

8.1.3 

ミキサ 

ミキサは,次による。

a)

ミキサは,固定ミキサとし,JIS A 8603-2 に適合するか,又は

表 及び表 に適合するものとする。

なお,定格容量が適合しないミキサは,

表 の性能に適合することが確認されたものを用いる。

表 5−ミキサの種類及び定格容量

種類

定格容量(公称容量)  m

3

重力式ミキサ

傾胴形 0.5,0.75,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0

強制練りミキサ

水平一軸形

水平二軸形

パン形


6

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表 6−ミキサの要求性能

項目

コンクリートの練混ぜ量

定格容量(公称容量)の

場合

定格容量(公称容量)の

1/2

の場合

要求される 
均一性

(練混ぜ性能)

コンクリート中のモルタル量の偏差率
(モルタルの単位容積質量差)

0.8 %

以下 0.8

%

以下

コンクリート中の粗骨材量の偏差率 
(単位粗骨材量の差)

5 %

以下 5

%

以下

偏差率 
(平均値 
からの差)

圧縮強度 7.5

%

以下

空気量 10

%

以下

スランプ 15

%

以下

再起動性能

試験用コンクリートの練混ぜ完了後にミキサを停止させ
た場合,停止後 5 分後に容易に再起動できなければならな
い。

排出性能

傾胴形ミキサ及びパン形ミキサでは 25 秒以内に,水平一
軸形ミキサ及び水平二軸形ミキサでは 15 秒以内に,分離
を起こすことなく全部混合槽から排出できなければなら
ない。

注  試験に用いるコンクリートは,粗骨材の最大寸法 20 mm 又は 25 mm,スランプ 8±3 cm,空気量 4.5±1.5 %,

呼び強度 24 に相当するものを用いる。

b)

ミキサは,所定のスランプ又はスランプフローのコンクリートを 8.3 b)  によって定めた容量で練り混

ぜるとき,各材料を十分に練り混ぜ,均一な状態で排出できるものでなければならない。

c)

ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,JIS A 1119 によって試験した値が次の値

以下であれば,コンクリートを均一に練り混ぜる性能をもつものとする。

コンクリート中のモルタルの単位容積質量差 0.8  %

コンクリート中の単位粗骨材量の差  5 %

8.1.4 

運搬車 

レディーミクストコンクリートの運搬車は,次による。

a)

トラックアジテータは,次の性能をもつものを使用する。

1)

トラックアジテータは,練り混ぜたコンクリートを十分均一に保持し,材料の分離を起こさずに,

容易に完全に排出できるものでなければならない。

2)

トラックアジテータは,その荷の排出時に,コンクリート流の約 1/4 及び 3/4 のとき,それぞれ全

断面から試料を採取してスランプ試験を行い,両者のスランプの差が 3 cm 以内になるものでなけれ

ばならない。この場合,採取するコンクリートはスランプ 8〜18 cm のものとする。

b)

ダンプトラックは,

スランプ 2.5 cm の舗装コンクリートを運搬する場合に限り使用することができる。

ダンプトラックの荷台は,平滑で防水的なものとし,風雨などに対する保護のための防水覆いをもつ

ものとする。

8.2 

材料の計量 

8.2.1 

計量方法 

計量方法は,次による。

a)

セメント,骨材,水及び混和材料は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければならない。

なお,水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に累加して計量してもよい。

b)

セメント,骨材及び混和材の計量は,質量による。混和材は,購入者の承認があれば,袋の数で量っ

てもよい。ただし,1 袋未満のものを用いる場合には,必ず質量で計量しなければならない。


7

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c)

水及び混和剤の計量は,質量又は容積による。

8.2.2 

計量値の許容差 

計量値の許容差は,次による。

a)

セメント,骨材,水及び混和材料の計量値の許容差は,

表 による。

表 7−材料の計量値の許容差

単位  %

材料の種類

1

回計量分量の計量値の許容差

セメント

±1

骨材

±3

±1

混和材

a)

±2

混和剤

±3

a)

高炉スラグ微粉末の計量値の許容差は,1 回

計量分量に対し±1 %とする。

b)

計量値の差の計算は,次の式によって行い,四捨五入によって整数に丸める。

100

1

1

2

0

×

=

m

m

m

m

ここに,

m

0

計量値の差(%)

m

1

目標とする 1 回計量分量

m

2

量り取られた計量値

8.3 

練混ぜ 

練混ぜは,次による。

a)

レディーミクストコンクリートは,8.1.3 に規定するミキサによって,工場内で均一に練り混ぜる。

b)

コンクリートの練混ぜ量及び練混ぜ時間は,JIS A 1119 に定める試験を行い,8.1.3 c)  によって決定す

る。

8.4 

運搬 

レディーミクストコンクリートの運搬は,次による。

a)

レディーミクストコンクリートの運搬は,8.1.4 に規定する運搬車で行う。

b)

レディーミクストコンクリートの運搬時間

5)

は,生産者が練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し地点

に到着するまでの時間とし,その時間は 1.5 時間以内とする。ただし,購入者と協議のうえ,運搬時

間の限度を変更することができる。この場合には,12.1 

表 10 の備考の欄に,変更した運搬時間の限

度を記載する。

c)

ダンプトラックでコンクリートを運搬する場合の運搬時間は,練混ぜを開始してから 1 時間以内とす

る。

5)

運搬時間は,12.2 

表 11 に規定するレディーミクストコンクリート納入書に記入される納入

の発着時刻の差によって,確認することができる。

8.5 

回収骨材の取扱い 

回収骨材の取扱いは,次による。

a)

回収骨材は,戻りコンクリート並びにレディーミクストコンクリート工場において,運搬車,プラン

トのミキサ,ホッパなどに付着及び残留したフレッシュコンクリートを,清水又は回収水で洗浄し,

粗骨材と細骨材に分別して取り出したものを用いる。


8

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b)

戻りコンクリートは,出荷したレディーミクストコンクリートのうち,購入者の事情で不要となった

もの又は購入者の品質要求に適合しないもの,荷卸し時に残ったもの,若しくは運搬車のドラムに付

着したもので,自工場に持ち帰ったものを対象とする。

c)

回収骨材は,普通コンクリート,舗装コンクリート及び高強度コンクリートから回収した骨材を用い

る。回収骨材は,JIS A 1103 による微粒分量が未使用の骨材(以下,新骨材という。

)の微粒分量を超

えてはならない。

d)

新骨材と粒度の著しく異なる普通骨材,及び軽量骨材,重量骨材などの密度が著しく異なる骨材,並

びに再生骨材を含むフレッシュコンクリートからの回収骨材は用いない。

e)

軽量コンクリート及び高強度コンクリートには,回収骨材を用いない。

f)

回収骨材の使用量は,粗骨材及び細骨材のそれぞれの新骨材と回収骨材とを合計した全使用量に対す

る回収骨材の使用量の質量分率である置換率として表す。

g)

回収骨材の新骨材への添加

6)

は,粗骨材及び細骨材の目標回収骨材置換率の上限がそれぞれ 5 %以下

となるように,一定期間

7)

ごとに管理し,記録する。そして,

表 10 の回収骨材の使用方法の欄に A

方法

と記入することとし,

表 11 の回収骨材置換率の欄には 5 %以下 と記入する。

6)

回収骨材は,置換率が 5 %以下となるように,一定の割合で新骨材に添加する。回収骨材の

新骨材への添加は,新骨材のベルトコンベヤによる運搬中に回収骨材をホッパから一定量引

き出し上乗せする方法,又は新骨材をホッパを介してベルトコンベヤで貯蔵設備に運搬する

際に,新骨材をホッパに投入ごとに回収骨材をショベルなどで一定量を添加する方法のいず

れかによる。

7)

回収骨材は,1 日を管理期間とする。

なお,1 日のコンクリートの出荷量が 100 m

3

に満たない場合には,出荷量がおよそ 100 m

3

に達する日数を 1 管理期間とする。

h)

回収骨材を専用の設備で貯蔵,運搬,計量して用いる場合は,粗骨材及び細骨材の目標回収骨材置換

率の上限をそれぞれ 20 %とすることができる。この場合,回収骨材の計量値は,バッチごとに管理し,

記録する。

なお,計量は,他の新骨材との累加計量でもよい。そして,

表 10 の回収骨材の使用方法の欄に B

方法 と記入することとし,

表 11 の回収骨材置換率の欄には,配合の種別による骨材の単位量から求

めた回収骨材置換率を記入する。

8.6 

トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの取扱い 

付着モルタルの取扱いは,次による。

a)

普通コンクリートの場合は,練り混ぜたコンクリートをトラックアジテータから全量排出した後,ト

ラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを

附属書 に規定す

る付着モルタル安定剤を用いて再利用してよい。

b)

普通コンクリートの付着モルタルを再利用する場合は,

附属書 によって行い,コンクリートの練混

ぜ時刻及び付着モルタルをスラリー化した時刻を記録する。

c)

軽量コンクリート,舗装コンクリート及び高強度コンクリートの場合は,a)  及び b)  による付着モル

タルの再利用は行わない。

8.7 

品質管理 

生産者は,箇条 に規定するレディーミクストコンクリートの品質を保証するために,必要な品質管理

を行わなければならない。また,生産者は,購入者の要求があれば,品質管理試験の結果を提出しなけれ


9

A 5308

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ばならない。

試験方法 

9.1 

試料採取方法 

試料採取方法は,JIS A 1115 による。

9.2 

強度 

9.2.1 

圧縮強度 

圧縮強度の試験は,JIS A 1108JIS A 1132 及び

附属書 による。ただし,供試体の直径は,公称の寸法

を用いてよい。また,JIS A 1108 

附属書 1(アンボンドキャッピング)に規定するアンボンドキャッピ

ングを用いる場合は,供試体の両端面に適用してよい。

なお,高強度コンクリートの端面仕上げは,JIS A 1132 の 4.4.2(研磨による場合)によって行うものと

する。供試体は,作製後,脱型するまでの間,常温で保存する

8)

8)

供試体は,常温環境下で作製することが望ましい。常温環境下での作製が困難な場合は,作製

後,速やかに常温環境下に移す。また,保存中は,できるだけ水分が蒸発しないようにする。

9.2.2 

曲げ強度 

曲げ強度の試験は,JIS A 1106 及び JIS A 1132 による。ただし,供試体の幅及び高さは,公称の寸法を

用いてよい。

供試体は,作製後,脱型するまでの間,常温で保存する

8)

9.3 

スランプ 

スランプの試験は,JIS A 1101 による。

9.4 

スランプフロー 

スランプフローの試験は,JIS A 1150 による。

9.5 

空気量 

空気量の試験は,JIS A 1128JIS A 1118 又は JIS A 1116 のいずれかによる。

9.6 

塩化物含有量 

塩化物含有量は,フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度と配合設計に用いた単位水量との

積として求める。フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度の試験は,JIS A 1144 による。ただ

し,塩化物イオン濃度の試験は,精度が確認された塩分含有量測定器によることができる。

なお,単位水量は,

表 10 のレディーミクストコンクリート配合計画書に示された値とする。

9.7 

容積 

レディーミクストコンクリートの容積の試験は,1 運搬車に積載された全質量をフレッシュコンクリー

トの単位容積質量で除して求める。1 運搬車に積載された全質量は,その積載量に使用した全材料の質量

を総和して計算するか,荷卸しの前と後との運搬車の質量の差から計算する。ただし,フレッシュコンク

リートの単位容積質量の試験は,JIS A 1116 による。

なお,JIS A 1128 に使用する容器の容積が正確に求められている場合は,その容器を用いてもよい。

10 

検査 

10.1 

検査項目 

検査は,強度,スランプ又はスランプフロー,空気量及び塩化物含有量について行う。


10

A 5308

:2014

10.2 

強度 

強度は,9.2 の試験を行ったとき,4.1 a)  の規定に適合すれば合格とする。

試験頻度は,普通コンクリート,軽量コンクリート及び舗装コンクリートにあっては 150 m

3

について 1

回を,高強度コンクリートにあっては,100 m

3

について 1 回を,それぞれ標準とする。

なお,3 回の試験は水セメント比と強度との関係が同一で,かつ,同じ呼び強度のものであれば,スラ

ンプ又はスランプフローが相違しても,同一ロットのコンクリートとしてよい。

1

回の試験結果は,任意の 1 運搬車から採取した試料で作った 3 個の供試体の試験値の平均値で表す。

10.3 

スランプ又はスランプフロー,及び空気量 

スランプ又はスランプフロー,及び空気量は,必要に応じ 9.3 又は 9.4,及び 9.5 の試験を適宜行い,4.1 

b)

又は 4.1 c),及び 4.1 d)  の規定にそれぞれ適合すれば,合格とする。この試験でスランプ又はスランプ

フロー,及び空気量の一方又は両方が許容の範囲を外れた場合には,9.1 によって新しく試料を採取して,

1

回に限り 9.3 又は 9.4,及び 9.5 によって試験を行ったとき,その結果が 4.1 b)  又は 4.1 c),及び 4.1 d)  の

規定にそれぞれ適合すれば,合格とすることができる。

10.4 

塩化物含有量 

塩化物含有量は,9.6 の試験を適宜行い,4.1 e)の規定に適合すれば合格とする。

なお,塩化物含有量の検査は,工場出荷時でも,荷卸し地点での所定の条件を満足するので,工場出荷

時に行うことができる。

10.5 

指定事項 

購入者が箇条 において指定した事項については,生産者と購入者との協議によって検査方法を定め,

検査を行う。

11 

製品の呼び方 

レディーミクストコンクリートの呼び方は,コンクリートの種類による記号,呼び強度,スランプ又は

スランプフロー,粗骨材の最大寸法及びセメントの種類による記号による。

レディーミクストコンクリートの呼び方に用いる記号は,

表 及び表 による。

例  普通  21  8  20  N

セメントの種類による記号

粗骨材の最大寸法(mm)

スランプ(cm)

呼び強度

コンクリートの種類による記号

例  高強度  50  60  20  L

セメントの種類による記号

粗骨材の最大寸法(mm)

スランプフロー(cm)

呼び強度

コンクリートの種類による記号


11

A 5308

:2014

12 

報告 

12.1 

レディーミクストコンクリート配合計画書及び基礎資料 

生産者は,箇条 6 b)  に示したように,レディーミクストコンクリートの配達に先立って,レディーミク

ストコンクリート配合計画書(

表 10)を購入者に提出しなければならない。また,箇条 6 c)  に示したよ

うに,購入者の要求があれば,配合設計などの基礎となる資料を提出しなければならない。

スラッジ水を使用する場合は,購入者の要求があれば,生産者は C.6.3 におけるスラッジ水の管理記録

を提出しなければならない。

12.2 

レディーミクストコンクリート納入書 

生産者は,運搬の都度,1 運搬車ごとに,レディーミクストコンクリート納入書を購入者に提出しなけ

ればならない。レディーミクストコンクリート納入書の標準の様式は,

表 11 による。

なお,購入者からの要求があれば,レディーミクストコンクリートの納入後に,バッチごとの計量記録

9)

及びこれから算出した単位量

10)

を提出しなければならない。ただし,複数バッチで運搬車 1 台分のコン

クリートを練り混ぜる場合は,各バッチの計量値を平均して算出した単位量を提出する。また,計量に関

する記録は,所定の期間保管する。

計量記録から求めた運搬車 1 台当たりの平均値で表す単位量は,設定値の単位量との差が,

表 を満足

するものとする。ただし,細骨材及び粗骨材の単位量は,それぞれの計量値を合計して平均した値を用い

るものとする。

また,生産者は

表 12 に示すリサイクル材を用いている場合には,図 に示すように,JIS Q 14021 に規

定するメビウスループを,使用材料名の記号及びその含有量を付記して,

表 11 に規定する納入書に表示す

ることができる。

なお,納入書に表示する場合には,生産者は,表示の内容を証明できる管理データ,試験データなどの

書類を管理し,購入者から要求があったときには,それらの書類を提出しなければならない。

9)

練混ぜに用いた各材料の計量値を記録したもの。計量記録には,計量器の指示計を読み取って

記録した計量読取記録,及び自動で印字する計量印字記録がある。

10)

計量値から単位量を算出するには,計量値を計算機にインプットして計算プログラムによって

求める方法,及び計量器に内蔵した計算プログラムによって自動的に求める方法がある。

表 8−コンクリートの種類による記号及び用いる骨材

コンクリートの種類

記号

粗骨材

細骨材

普通コンクリート

普通

砕石,各種スラグ粗骨材,

再生粗骨材 H,砂利

砕砂,各種スラグ細骨材,再生細骨材 H,砂

軽量コンクリート

軽量 1 種

人工軽量粗骨材

砕砂,高炉スラグ細骨材,砂

軽量 2 種

人工軽量細骨材,

人工軽量細骨材に一部砕砂,

高炉スラグ細骨材,砂を混入したもの。

舗装コンクリート

舗装

砕石,各種スラグ粗骨材,
再生粗骨材 H,砂利

砕砂,各種スラグ細骨材,再生細骨材 H,砂

高強度コンクリート

高強度

砕石,砂利

砕砂,各種スラグ細骨材,砂


12

A 5308

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表 9−セメントの種類による記号

種類

記号

普通ポルトランドセメント N

普通ポルトランドセメント(低アルカリ形) NL

早強ポルトランドセメント H

早強ポルトランドセメント(低アルカリ形) HL

超早強ポルトランドセメント UH

超早強ポルトランドセメント(低アルカリ形) UHL

中庸熱ポルトランドセメント M

中庸熱ポルトランドセメント(低アルカリ形) ML

低熱ポルトランドセメント L

低熱ポルトランドセメント(低アルカリ形) LL

耐硫酸塩ポルトランドセメント SR

耐硫酸塩ポルトランドセメント(低アルカリ形)

SRL

高炉セメント A 種 BA

高炉セメント B 種 BB

高炉セメント C 種 BC

シリカセメント A 種 SA

シリカセメント B 種 SB

シリカセメント C 種 SC

フライアッシュセメント A 種 FA

フライアッシュセメント B 種 FB

フライアッシュセメント C 種 FC

普通エコセメント E


13

A 5308

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表 10−レディーミクストコンクリート配合計画書

                                レディーミクストコンクリート配合計画書                  No.       
                              殿                                                  平成    年    月    日
                                                                  製造会社・工場名                     
                                                                        配合計画者名                   

本 配 合 の 適 用 期 間

a )

コ ン ク リ ー ト の 打 込 み 箇 所

配  合  の  設  計  条  件

呼び方

コンクリートの 
種類による記号

呼び強度

スランプ又は

スランプフロー

cm

粗骨材の最大寸法

mm

セメントの種類

による記号

指定事項

セメントの種類

呼び方欄に記載

空気量

%

骨材の種類

使用材料欄に記載

軽量コンクリートの単位容積質量 kg/m

3

粗骨材の最大寸法

呼び方欄に記載

コンクリートの温度

最高最低  ℃

アルカリシリカ反応抑制対
策の方法

b)

水セメント比の目標値の上限

%

骨材のアルカリシリカ反応
性による区分

使用材料欄に記載

単位水量の目標値の上限 kg/m

3

水の区分

使用材料欄に記載

単位セメント量の目標値の下限 
又は目標値の上限

kg/m

3

混和材料の種類及び使用量

使用材料及び配合表欄に記載

流動化後のスランプ増大量 cm

塩化物含有量 kg/m

3

以下

呼び強度を保証する材齢

使  用  材  料

c)

セメント

生産者名

密度

g/cm

3

 Na

2

O

eq

d)

%

混和材

製品名

種類

密度

g/cm

3

 Na

2

O

eq

e)

%

骨材

No.

種類

産地又は

品名

アルカリシリカ反応性

による区分

f)

粒の大きさ

の範囲

g)

粗粒率又
は実積率

h) 

密度 g/cm

3

微粒分量

の範囲

%

i)

絶乾

表乾

区  分

試験方法

細骨材

粗骨材

混和剤①

製品名

種類  Na

2

O

eq

j)

%

混和剤②

細骨材の塩化物量

k)

 %

水の区分

l)

目標スラッジ固形分率

m)

%

回収骨材の使用方法

n)

細骨材

粗骨材

配      合      表

o)

  kg/m

3

セメント

混和材

細骨材①  細骨材② 細骨材③ 粗骨材① 粗骨材② 粗骨材③  混和剤①

p)

混和剤②

水セメント比 %

水結合材比

q)

%

細骨材率

%

備考  骨材の質量配合割合

r)

,混和剤の使用量については,断りなしに変更する場合がある。


14

A 5308

:2014

表 10−レディーミクストコンクリート配合計画書(続き)

アルカリ総量の計算表

s)

アルカリ総量の計算

判定基準

計算及び判定

コンクリート中のセメントに含まれる全アルカリ量(kg/m

3

)  R

c

R

c

=(単位セメント量 kg/m

3

)

×(セメント中の全アルカリ量 Na

2

O

eq

:%/100)

①  =

    R

c

コンクリート中の混和材に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

)  R

a

R

a

=(単位混和材量 kg/m

3

)

×(混和材中の全アルカリ量:%/100)

②  =

    R

a

コンクリート中の骨材に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

)  R

s

R

s

=(単位骨材量 kg/m

3

)

×0.53×(骨材中の NaCl の量:%/100)

③  =

    R

s

コンクリート中の混和剤に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

)  R

m

R

m

=(単位混和剤量 kg/m

3

)

×(混和剤中の全アルカリ量:%/100)

④  =

    R

m

流動化剤を添加する場合は,コンクリート中の流動化剤に含まれる全アル

カリ量(kg/m

3

)  R

p

t)

R

p

=(単位流動化剤量 kg/m

3

)

×(流動化剤中の全アルカリ量:%/100)

⑤  =

    R

p

コンクリート中のアルカリ総量(kg/m

3

)  R

t

R

t

=①+②+③+④+⑤

R

t

 3.0

kg/m

3

以下

適・否

注記  用紙の大きさは,日本工業規格 A 列 4 番(210 mm×297 mm)とする。 

a)

本配合の適用期間に加え,標準配合,又は修正標準配合の別を記入する。

なお,標準配合とは,レディーミクストコンクリート工場で社内標準の基本にしている配合で,標準状態の

運搬時間における標準期の配合として標準化されているものとする。また,修正標準配合とは,出荷時のコン

クリート温度が標準配合で想定した温度より大幅に相違する場合,運搬時間が標準状態から大幅に変化する場

合,若しくは骨材の品質が所定の範囲を超えて変動する場合に修正を行ったものとする。

b)

表 B.1 の記号欄の記載事項を,そのまま記入する。

c)

配合設計に用いた材料について記入する。

d)

ポルトランドセメント及び普通エコセメントを使用した場合に記入する。JIS R 5210 の全アルカリの値として
は,直近 6 か月間の試験成績表に示されている,全アルカリの最大値の最も大きい値を記入する。

e)

最新版の混和材試験成績表の値を記入する。

f)

アルカリシリカ反応性による区分,及び判定に用いた試験方法を記入する。

g)

細骨材に対しては,砕砂,スラグ骨材,人工軽量骨材,及び再生細骨材 H では粒の大きさの範囲を記入する。

粗骨材に対しては,砕石,スラグ骨材,人工軽量骨材,及び再生粗骨材 H では粒の大きさの範囲を,砂利では

最大寸法を記入する。

h)

細骨材に対しては粗粒率の値を,粗骨材に対しては,実積率又は粗粒率の値を記入する。

i)

砕石及び砕砂を使用する場合に記入する。

j)

最新版の混和剤試験成績表の値を記入する。

k)

最新版の骨材試験成績表の値(NaCl として)を記入する。

l)

回収水のうちスラッジ水を使用する場合は, 回収水(スラッジ水) と記入する。

m)

スラッジ水を使用する場合に記入する。目標スラッジ固形分率とは,3 %以下のスラッジ固形分率の限度を保証
できるように定めた値である。また,スラッジ固形分率を 1 %未満で使用する場合には, 1 %未満

と記入す

る。

n)

回収骨材の使用方法を記入する。回収骨材置換率の上限が 5 %以下の場合は

A

方法 ,20 %以下の場合は

B

方法

と記入する。

o)

人工軽量骨材の場合は,絶対乾燥状態の質量で,その他の骨材の場合は表面乾燥飽水状態の質量で表す。

p)

空気量調整剤は,記入する必要はない。

q)

高炉スラグ微粉末などを結合材として使用した場合にだけ記入する。

r)

全骨材の質量に対する各骨材の計量設定割合をいう。

s)

コンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策の方法を講じる場合にだけ別表に記入する。

t)

購入者から通知を受けたアルカリ量を用いて計算する。


15

A 5308

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表 11−レディーミクストコンクリート納入書

レディーミクストコンクリート納入書

                                                                                        No.         

平成    年    月    日

                          殿 
                                                                製造会社名・工場名                   

時          分

時          分

m

3

m

3

コンクリートの

種類による記号

呼び強度

スランプ又は

スランプフロー

cm

粗骨材の

最大寸法

mm

セメントの種類

による記号

配      合      表

a)

  kg/m

3

セメント

混和材

細骨材①  細骨材② 細骨材③ 粗骨材① 粗骨材② 粗骨材③  混和剤①  混和剤②

水セメント比

%

水結合材比

b)

%

細骨材率

%

スラッジ固形分率

%

回収骨材置換率

c)

細骨材

粗骨材

備考  配合の種別:□標準配合    □修正標準配合    □計量読取記録から算出した単位量 

            □計量印字記録から算出した単位量  □計量印字記録から自動算出した単位量

荷受職員認印

出荷係認印

注記  用紙の大きさは,日本工業規格 A 列 5 番(148 mm×210 mm)又は B 列 5 番(182 mm×256 mm)とするのが望

ましい。

a)

標準配合,修正標準配合,計量読取記録から算出した単位量,計量印字記録から算出した単位量,若しくは計

量印字記録から自動算出した単位量のいずれかを記入する。また,備考欄の配合の種別については,該当する

項目にマークを付す。

b)

高炉スラグ微粉末などを結合材として使用した場合にだけ記入する。

c)

回収骨材の使用方法が

A

方法

の場合には

5 %

以下

と記入し, B 方法

の場合には配合の種別による骨

材の単位量から求めた回収骨材置換率を記入する。


16

A 5308

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表 12−リサイクル材

使用材料名

記号

a)

表示することが可能な製品

エコセメント

E

(又は EC)

JIS R 5214

(エコセメント)に適合する製品

高炉スラグ骨材 BFG 又は BFS

JIS A 5011-1

(コンクリート用スラグ骨材−第 1 部:高炉スラグ骨材)

に適合する製品

フェロニッケルスラグ

骨材

FNS

JIS A 5011-2

(コンクリート用スラグ骨材−第 2 部:フェロニッケルス

ラグ骨材)に適合する製品

銅スラグ骨材 CUS JIS A 5011-3(コンクリート用スラグ骨材−第 3 部:銅スラグ骨材)に

適合する製品

電気炉酸化スラグ骨材 EFG 又は EFS

JIS A 5011-4

(コンクリート用スラグ骨材−第 4 部:電気炉酸化スラグ

骨材)に適合する製品

再生骨材 H RHG 又は RHS  JIS A 5021(コンクリート用再生骨材 H)に適合する製品

フライアッシュ FA

I

又は FA II

JIS A 6201

(コンクリート用フライアッシュ)の I 種又は II 種に適合す

る製品

高炉スラグ微粉末 BF

JIS A 6206

(コンクリート用高炉スラグ微粉末)

シリカフューム SF

JIS A 6207

(コンクリート用シリカフューム)

上澄水 RW1

この規格の

附属書 に適合する上澄水

スラッジ水 RW2

この規格の

附属書 に適合するスラッジ水

a)

それぞれの骨材の記号の末尾において,G は粗骨材を,S は細骨材を示す。

RHG 30 %

a)

/RW2(2.5 %)

b)

/FAII 10 %

c)

a)

この表示例は,粗骨材のうち,再生粗骨材 H を質量比で 30 %使用していることを意味する。

b)

回収水は,

附属書 において上澄水(RW1)とスラッジ水(RW2)が規定されているので,スラッジ水

の場合は,この表示例のように RW2 と記載し,目標スラッジ固形分率が 2.5 %のときは括弧内に 2.5 %
と記載する。上澄水の場合は,RW1 と記載し,使用比率が 100 %のときには,括弧内に 100 %と記載す

る。

c)

混和材のフライアッシュの使用割合は,結合材に対する質量分率を記載する。

図 1−品名及び含有量の表示方法の例


17

A 5308

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表 13−引用規格

JIS A 0203

  コンクリート用語

JIS A 1101

  コンクリートのスランプ試験方法

JIS A 1102

  骨材のふるい分け試験方法

JIS A 1103

  骨材の微粒分量試験方法

JIS A 1104

  骨材の単位容積質量及び実積率試験方法

JIS A 1105

  細骨材の有機不純物試験方法

JIS A 1106

  コンクリートの曲げ強度試験方法

JIS A 1108

  コンクリートの圧縮強度試験方法

JIS A 1109

  細骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS A 1110

  粗骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS A 1115

  フレッシュコンクリートの試料採取方法

JIS A 1116

  フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量

方法)

JIS A 1118

  フレッシュコンクリートの空気量の容積による試験方法(容積方法)

JIS A 1119

  ミキサで練り混ぜたコンクリート中のモルタルの差及び粗骨材量の差の試験方法

JIS A 1121

  ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法

JIS A 1122

  硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法

JIS A 1128

  フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法

JIS A 1132

  コンクリートの強度試験用供試体の作り方

JIS A 1134

  構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS A 1135

  構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS A 1137

  骨材中に含まれる粘土塊量の試験方法

JIS A 1142

  有機不純物を含む細骨材のモルタルの圧縮強度による試験方法

JIS A 1143

  軽量粗骨材の浮粒率の試験方法

JIS A 1144

  フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法

JIS A 1145

  骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)

JIS A 1146

  骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)

JIS A 1147

  コンクリートの凝結時間試験方法

JIS A 1150

  コンクリートのスランプフロー試験方法

JIS A 5002

  構造用軽量コンクリート骨材

JIS A 5005

  コンクリート用砕石及び砕砂

JIS A 5011-1

  コンクリート用スラグ骨材−第 1 部:高炉スラグ骨材

JIS A 5011-2

  コンクリート用スラグ骨材−第 2 部:フェロニッケルスラグ骨材

JIS A 5011-3

  コンクリート用スラグ骨材−第 3 部:銅スラグ骨材

JIS A 5011-4

  コンクリート用スラグ骨材−第 4 部:電気炉酸化スラグ骨材

JIS A 5021

  コンクリート用再生骨材 H

JIS A 6201

  コンクリート用フライアッシュ

JIS A 6202

  コンクリート用膨張材


18

A 5308

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表 13−引用規格(続き)

JIS A 6204

  コンクリート用化学混和剤

JIS A 6205

  鉄筋コンクリート用防せい剤

JIS A 6206

  コンクリート用高炉スラグ微粉末

JIS A 6207

  コンクリート用シリカフューム

JIS A 8603-2

  コンクリートミキサ−第 2 部:練混ぜ性能試験方法

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7513

  精密定盤

JIS B 7518

  デプスゲージ

JIS B 7526

  直角定規

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS Q 14021

  環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張(タイプ II 環境ラベル表示)

JIS Q 17025

  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

JIS R 5201

  セメントの物理試験方法

JIS R 5210

  ポルトランドセメント

JIS R 5211

  高炉セメント

JIS R 5212

  シリカセメント

JIS R 5213

  フライアッシュセメント

JIS R 5214

  エコセメント

JIS Z 8801-1

  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい


19

A 5308

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附属書 A

(規定)

レディーミクストコンクリート用骨材

A.1 

適用範囲 

この附属書は,レディーミクストコンクリート用骨材(以下,骨材という。

)について規定する。

A.2 

種類 

骨材の種類は,砕石及び砕砂,スラグ骨材,人工軽量骨材,再生骨材 H 並びに砂利及び砂とする。

A.3 

アルカリシリカ反応性による区分 

a)

砕石,砕砂,フェロニッケルスラグ細骨材,銅スラグ細骨材,電気炉酸化スラグ骨材,砂利及び砂は,

アルカリシリカ反応性試験の結果によって,

表 A.1 のとおり区分する。

アルカリシリカ反応性の試験は,JIS A 1145 又は JIS A 1146 によるものとする。

表 A.1−アルカリシリカ反応性による区分

区分

摘要

A

アルカリシリカ反応性試験の結果が

無害

と判定されたもの。

B

アルカリシリカ反応性試験の結果が

無害でない

と判定されたもの,

又はこの試験を行っていないもの。

b)

アルカリシリカ反応性による区分は,JIS A 1145 による試験を行って判定するが,この結果, 無害で

ない と判定された場合は,JIS A 1146 による試験を行って判定する。また,JIS A 1145 による試験を

行わない場合は,JIS A 1146 による試験を行って判定してもよい。

c)

再生骨材 H のアルカリシリカ反応性による区分は JIS A 5021 の 4.3(アルカリシリカ反応性による区

分)に,アルカリシリカ反応性の判定は JIS A 5021 の 5.3(アルカリシリカ反応性)にそれぞれよる。

また,アルカリシリカ反応性の試験は,JIS A 5021 の 7.7(アルカリシリカ反応性試験)による。

d)

骨材の一部に,アルカリシリカ反応性試験による区分 B のものを混合した場合は,この骨材全体を無

害であることが確認されていない骨材として取り扱わなければならない。

A.4 

砕石及び砕砂 

砕石及び砕砂は,JIS A 5005 の規定によるほか,次による。

a)

砕石

1)

粒の大きさが 40 mm を超える範囲のものを含む区分の砕石は対象外とする。

2)

砕石 4020,砕石 2515,砕石 2513,砕石 2510,砕石 2015,砕石 2013,砕石 2010,砕石 1505,砕石

1305

及び砕石 1005 は,混合して使用するものとし,混合した砕石の粒度は,砕石 4005,砕石 2505

又は砕石 2005 の規定を満足するものでなければならない。

3)

舗装コンクリートに用いる場合は,A.10 g)  によるすりへり減量が 35 %以下でなければならない。

b)

砕砂  舗装コンクリート及びコンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10  b)

による微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。


20

A 5308

:2014

A.5 

スラグ骨材 

スラグ骨材は,高炉スラグ骨材,フェロニッケルスラグ骨材,銅スラグ骨材又は電気炉酸化スラグ骨材

を用いるものとし,それぞれの骨材は,JIS A 5011-1JIS A 5011-2JIS A 5011-3 及び JIS A 5011-4 の規定

によるほか,次による。ただし,電気炉酸化スラグ骨材については,JIS マーク品とし,生産工場からレ

ディーミクストコンクリート工場に直接納入されるものとする。

注記  溶融スラグ骨材(産業廃棄物の溶融固化施設から産出される溶融スラグ骨材を含む。)を使用す

ることはできない。

a)

高炉スラグ粗骨材

1)

高炉スラグ粗骨材 4020,高炉スラグ粗骨材 2015 及び高炉スラグ粗骨材 1505 は,混合して使用する

ものとし,混合した高炉スラグ粗骨材の粒度は,高炉スラグ粗骨材 4005 又は高炉スラグ粗骨材 2005

の規定を満足するものでなければならない。

2)  A.10 b)

による微粒分量は,5.0 %以下でなければならない。

3)

舗装コンクリートに用いる場合は,A.10 g)  によるすりへり減量が 35 %以下のものでなければなら

ない。

b)

高炉スラグ細骨材

1) 1.2

mm

高炉スラグ細骨材及び 5〜0.3 mm 高炉スラグ細骨材は,砕砂若しくは砂又はこれらの混合物

と混合して使用するものとし,混合したものは A.9.2 の規定に適合しなければならない。

2)  A.10 b)

による微粒分量は,7.0 %以下でなければならない。

3)

舗装コンクリート及びコンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10  b)  によ

る微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。

c)

フェロニッケルスラグ細骨材

1) 1.2

mm

フェロニッケルスラグ細骨材及び 5〜0.3 mm フェロニッケルスラグ細骨材は,砕砂若しくは

砂又はこれらの混合物と混合して使用するものとし,混合したものは A.9.2 の規定に適合しなけれ

ばならない。

2)

舗装コンクリート及びコンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10  b)  によ

る微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。

d)

銅スラグ細骨材

1) 1.2

mm

銅スラグ細骨材及び 5〜0.3 mm 銅スラグ細骨材は,砕砂若しくは砂又はこれらの混合物と混

合して使用するものとし,混合したものは A.9.2 の規定に適合しなければならない。

2)

舗装コンクリート及びコンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10  b)  によ

る微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。

e)

電気炉酸化スラグ粗骨材

1)

電気炉酸化スラグ粗骨材 4020,

電気炉酸化スラグ粗骨材 2015 及び電気炉酸化スラグ粗骨材 1505 は,

混合して使用するものとし,混合した電気炉酸化スラグ粗骨材の粒度は,高炉スラグ粗骨材 4005,

又は電気炉酸化スラグ粗骨材 2005 の規定を満足するものでなければならない。

2)  A.10 b)

による微粒分量は,5.0 %以下でなければならない。

3)

舗装コンクリートに用いる場合は,A.10 g)  によるすりへり減量が 35 %以下のものでなければなら

ない。

f)

電気炉酸化スラグ細骨材

1) 1.2

mm

電気炉酸化スラグ細骨材及び 5〜0.3 mm 電気炉酸化スラグ細骨材は,砕砂若しくは砂又はこ


21

A 5308

:2014

れらの混合物と混合して使用するものとし,混合したものは A.9.2 の規定に適合しなければならな

い。

2)

舗装コンクリート及びコンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10  b)  によ

る微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。

A.6 

人工軽量骨材 

人工軽量骨材は,JIS A 5002 に規定するものとし,

表 A.2 による。

表 A.2−人工軽量骨材の区分

種類の区分

区分

骨材の絶乾密度による区分

M

,H

a)

骨材の実積率による区分

A

,B

a)

コンクリートとしての圧縮強度による区分 2

a)

,3,4

フレッシュコンクリートの単位容積質量による区分

15

a)

,17,19

a)

,21

a)

注記  粗骨材の浮粒率の限度は,10.0 %とする。 

a)

この規定は,購入者の指定に従い適用する。

A.7 

コンクリート用再生骨材 

コンクリート用再生骨材 H は,JIS A 5021 の規定によるほか,次による。

a)

再生粗骨材 H  再生粗骨材 H4020,再生粗骨材 H2515,再生粗骨材 H2015 及び再生粗骨材 H1505 は,

混合して使用するものとし,混合してできる再生粗骨材 H の粒度は,再生粗骨材 H2505 又は再生粗骨

材 H2005 の規定を満足するものでなければならない。

b)

再生細骨材 H  再生細骨材 H は,コンクリートの表面がすりへり作用を受けるものについては,A.10

b)

による微粒分量が 5.0 %以下のものを用いなければならない。

A.8 

砂利及び砂 

砂利及び砂は,次による。

a)

砂利及び砂は,清浄,強硬,かつ,耐火性及び耐久性をもち,ごみ,土,有機不純物などを有害量含

んでいてはならない。

b)

砂利及び砂の粒度は,A.10  a)  によって試験を行ったとき,

表 A.3 に示す範囲のものでなければなら

ない。

c)

砂利及び砂の品質は,A.10  の b)d)h)k)l)及び p)  によって試験を行ったとき,

表 A.4 の規定に

適合しなければならない。


22

A 5308

:2014

表 A.3−砂利及び砂の粒度

骨材の種類

ふるいを通るものの質量分率(%)

ふるいの呼び寸法

a)

  mm

50 40 30 25 20 15 10  5  2.5 1.2 0.6 0.3

0.15

砂利


mm

40 100 95

100

− 35〜

70

− 10〜

30

0

〜5

25

− 100

95

100

− 30〜

70

0

10

0

〜5

20

− 100

90

100

− 20〜

55

0

10

0

〜5

− 100

90

100

80

100

50

90

25

65

10

35

2

10

a)

ふるいの呼び寸法は,それぞれ JIS Z 8801-1 に規定するふるいの公称目開き 53 mm,37.5 mm,31.5 mm,26.5

mm

,19 mm,16 mm,9.5 mm,4.75 mm,2.36 mm,1.18 mm,600 µm,300 µm 及び 150 µm である。

表 A.4−砂利及び砂の品質

項目

砂利

適用試験箇条

絶乾密度 g/cm

3

 2.5

以上

a)

 2.5

以上

a)

A.10 e)

f)

吸水率 %

3.0

以下

b)

 3.5

以下

b)

A.10 e)

f)

粘土塊量 %

0.25

以下 1.0 以下

A.10 k)

微粒分量 %

1.0

以下 3.0 以下

c)

A.10 b)

有機不純物

同じ,又は淡い

d)

A.10 d)

塩化物量(NaCl として) %

− 0.04 以下

f)

A.10 p)

安定性 %

e)

 12

以下 10 以下

A.10 h)

すりへり減量 %

35

以下

g)

A.10 g)

a)

購入者の承認を得て,2.4 以上とすることができる。

b)

購入者の承認を得て,4.0 以下とすることができる。

c)

コンクリートの表面がすりへり作用を受けない場合は,5.0 以下とする。

d)

試験溶液の色合いが標準色より濃い場合でも,A.10 l)  に規定する圧縮強度分率が 90 %以

上であれば,購入者の承認を得て用いてよい。

e)

この規定は,購入者の指定に従い適用する。

f)

 0.04

を超すものについては,購入者の承認を必要とする。ただし,その限度は 0.1 とする。

プレテンション方式のプレストレストコンクリート部材に用いる場合は,0.02 以下と

し,購入者の承認があれば 0.03 以下とすることができる。

g)

舗装コンクリートに用いる場合に適用する。

A.9 

骨材を混合して使用する場合 

骨材を混合して使用する場合は,A.3 d)  によるほか,次の規定を満足しなければならない。また,あら

かじめ混合した骨材を用いる場合は,混合前の各骨材の種類及びそれらの質量混合割合を,レディーミク

ストコンクリート配合計画書の骨材の

産地又は品名

欄に記載しなければならない。

A.9.1 

同一種類の骨材を混合して使用する場合 

混合後の骨材の品質が A.4A.5A.6A.7 又は A.8 の規定に適合しなければならない。ただし,混合前

の各骨材の絶乾密度,吸水率,安定性及びすりへり減量については,それぞれ A.4A.5A.6A.7 又は

A.8

の規定に適合しなければならない。


23

A 5308

:2014

A.9.2 

異種類の骨材を混合して使用する場合 

混合前の各骨材の品質が,塩化物量及び粒度を除いて,それぞれ A.4A.5A.6A.7 又は A.8 の規定に

適合しなければならない。混合後の骨材の塩化物量及び粒度は,次による。

a)

塩化物量  混合後の骨材の塩化物量は,A.8 c)  の規定に適合しなければならない。

b)

粒度  混合後の骨材の粒度は,A.8  b)  の規定に適合しなければならない

1)

。0.15 mm ふるいを通るも

のの質量分率(%)の値は,次による。

1)

砕砂,再生細骨材 又は砂を混合して使用する場合

1.1)

あらかじめ各骨材を混合したものを用いる場合は,混合後の細骨材に対し 2〜10 %とする。

1.2)

コンクリート製造時に各骨材を別々に計量して用いる場合は,混合後の細骨材に対し 2〜15 %と

する。ただし,いずれの場合も砂から供給される 0.15 mm ふるいを通るものの質量分率(%)の

値は,混合後の細骨材に対し,10 %以下でなければならない。

2)

砕砂,再生細骨材 若しくは砂,又はこれらの混合物にスラグ細骨材を混合して使用する場合

2.1)

あらかじめ各骨材を混合したものを用いる場合は,混合後の細骨材に対し 2〜15 %とする。

2.2)

コンクリート製造時に各骨材を別々に計量して用いる場合は,混合後の細骨材に対し 2〜20 %と

する。ただし,いずれの場合も砕砂又は砂から供給される 0.15 mm ふるいを通るものの質量分率

(%)の値は,混合後の細骨材に対し,砂にあっては 10 %以下,砕砂及び再生細骨材 H にあって

は 15 %以下でなければならない。

1)

密度の差が大きい骨材を混合したものの場合には,各ふるいを通るものの絶対容積の分率

(%)が

表 A.3 に質量分率(%)で示されている値の範囲にあるのがよい。

A.10 

試験方法 

骨材の試験方法は,次による。

a)  JIS A 1102

  骨材のふるい分け試験方法

b)  JIS A 1103

  骨材の微粒分量試験方法

c)

JIS A 1104

  骨材の単位容積質量及び実積率試験方法

d)  JIS A 1105

  細骨材の有機不純物試験方法

e)

JIS A 1109

  細骨材の密度及び吸水率試験方法

f)

JIS A 1110

  粗骨材の密度及び吸水率試験方法

g)  JIS A 1121

  ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法

h)  JIS A 1122

  硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法

i)

JIS A 1134

  構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法

j)

JIS A 1135

  構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法

k)  JIS A 1137

  骨材中に含まれる粘土塊量の試験方法(試料は,JIS A 1103 による洗いの操作を行ったも

のを用いる。

l)

JIS A 1142

  有機不純物を含む細骨材のモルタルの圧縮強度による試験方法

m)  JIS A 1143

  軽量粗骨材の浮粒率の試験方法

n)  JIS A 1145

  骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)

o)  JIS A 1146

  骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)

p)

骨材の塩化物量試験方法は,JIS A 5002 の 5.5(塩化物)の規定による。ただし,普通骨材の試料の量

は,1 000 g とする。


24

A 5308

:2014

附属書 B

(規定)

アルカリシリカ反応抑制対策の方法

B.1 

適用範囲 

この附属書は,

附属書 に規定した砕石,砕砂,フェロニッケルスラグ細骨材,銅スラグ細骨材,電気

炉酸化スラグ骨材,

再生骨材 H,

砂利及び砂をレディーミクストコンクリート用骨材として用いる場合の,

アルカリシリカ反応抑制対策の方法について規定する。ただし,再生骨材 H,及び再生骨材 H と異種類の

骨材とを混合したものには,B.2 a)  の方法は適用しない。

B.2 

区分 

アルカリシリカ反応抑制対策の区分は,次による。

a)

コンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策

b)

アルカリシリカ反応抑制効果のある混合セメントなどを使用する抑制対策

c)

安全と認められる骨材を使用する抑制対策

B.3 

コンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策の方法 

全アルカリ量

1)

が明らかなポルトランドセメント又は普通エコセメントを使用し,式(B.1)によって計算

されるコンクリート中のアルカリ総量(R

t

)が 3.0 kg/m

3

以下となることを確認する。ただし,セメント中

の全アルカリ量の値としては,直近 6 か月間の試験成績表に示されている全アルカリの最大値の最も大き

い値を用いる。また,混和材,混和剤及び流動化剤に含まれる全アルカリ量並びに骨材の NaCl の値は,

最新の試験成績表に示されている値とする。

R

t

R

c

R

a

R

s

R

m

R

p

  (B.1)

ここに,

R

t

コンクリート中のアルカリ総量(kg/m

3

R

c

コンクリート中のセメントに含まれる全アルカリ量

1)

(kg/m

3

=単位セメント量(kg/m

3

)×セメント中の全アルカリ量

1)

(%)

/100

R

a

コンクリート中の混和材に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

=単位混和材量(kg/m

3

)×混和材中の全アルカリ量

1)

(%)/100

R

s

コンクリート中の骨材に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

=単位骨材量(kg/m

3

)×0.53×骨材中の NaCl の量(%)/100

R

m

コンクリート中の混和剤に含まれる全アルカリ量(kg/m

3

=単位混和剤量(kg/m

3

)×混和剤中の全アルカリ量

1)

(%)/100

R

p

コンクリート中の流動化剤に含まれる全アルカリ量

2)

(kg/m

3

=単位流動化剤量(kg/m

3

)×流動化剤中の全アルカリ量

1)

(%)

/100

1)

 Na

2

O

及び K

2

O

の含有量の和を,これと等価な Na

2

O

の量(Na

2

Oeq

)に換算して表した値で,

Na

2

Oeq(%)=Na

2

O(%)+0.658K

2

O(%)とする。

2)

購入者が荷卸し地点で流動化を行う場合に加える。流動化を行う購入者は,この値(R

p

)をあ

らかじめ生産者に通知しておく必要がある。


25

A 5308

:2014

B.4 

アルカリシリカ反応抑制効果のある混合セメントなどを使用する抑制対策の方法 

a)

混合セメントを使用する場合は,

JIS R 5211

に適合する高炉セメント B 種若しくは高炉セメント C 種,

又は JIS R 5213 に適合するフライアッシュセメント B 種若しくはフライアッシュセメント C 種を用い

る。ただし,高炉セメント B 種の高炉スラグの分量(質量分率%)は 40 %以上,フライアッシュセメ

ント B 種のフライアッシュの分量(質量分率%)は 15 %以上でなければならない。

b)

高炉スラグ微粉末又はフライアッシュを混和材として使用する場合は,併用するポルトランドセメン

トとの組合せにおいて,アルカリシリカ反応抑制効果があると確認された単位量で用いる。

B.5 

安全と認められる骨材を使用する抑制対策の方法 

A.3

に示す区分 A の骨材を使用する。

B.6 

報告 

この附属書による抑制対策を講じる場合は,

表 10 のレディーミクストコンクリート配合計画書に,表

B.1

に示す抑制対策の方法の記号欄の記載事項を記入する。

表 B.1−アルカリシリカ反応抑制対策の方法及び記号

抑制対策の方法

記号

コンクリート中のアルカリ総量の規制 AL(    kg/m

3

a)

混合セメント(高炉セメント B 種)の使用 BB

混合セメント(高炉セメント C 種)の使用 BC

混合セメント(フライアッシュセメント B 種)の使用 FB

混合セメント(フライアッシュセメント C 種)の使用 FC

混和材(高炉スラグ微粉末)の使用

B

(    %)

b)

混和材(フライアッシュ)の使用

F

(    %)

b)

安全と認められる骨材の使用 A

a)

 AL

の後の括弧内は,計算されたアルカリ総量を小数点以下 1 桁に丸めて記入する。

b)

  B

又は F の後の括弧内は,結合材量に対する混和材量の割合を小数点以下 1 桁に丸

めて記入する。


26

A 5308

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附属書 C 
(規定)

レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水

C.1 

適用範囲 

この附属書は,レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水(以下,水という。

)について規定す

る。

C.2 

区分 

水は,上水道水,上水道水以外の水及び回収水に区分する。

C.3 

用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,次による。

C.3.1

上水道水以外の水

河川水,湖沼水,井戸水,地下水などとして採水され,特に上水道水としての処理がなされていないも

の及び工業用水。ただし,回収水を除く。

C.3.2

回収水

レディーミクストコンクリート工場において,洗浄によって発生する排水のうち,運搬車,プラントの

ミキサ,ホッパなどに付着及び残留したフレッシュコンクリート,並びに戻りコンクリートの洗浄排水(以

下,コンクリートの洗浄排水という。

)を処理して得られるスラッジ水及び上澄水の総称。

C.3.3

スラッジ水

コンクリートの洗浄排水から,粗骨材,細骨材を取り除いて,回収した懸濁水。

C.3.4

上澄水

スラッジ水から,スラッジ固形分を沈降,その他の方法で取り除いた水。

C.3.5

スラッジ

スラッジ水が濃縮され,流動性を失った状態のもの。

C.3.6

スラッジ固形分

スラッジを 105〜110  ℃で乾燥して得られたもの。

C.3.7

スラッジ固形分率

レディーミクストコンクリートの配合における,単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合

を分率で表したもの。


27

A 5308

:2014

C.4 

上水道水 

上水道水は,特に試験を行わなくても用いることができる。

C.5 

上水道水以外の水 

上水道水以外の水の品質は,C.8.1 の試験方法によって試験を行ったとき,

表 C.1 に示す規定に適合しな

ければならない。

表 C.1−上水道水以外の水の品質

項目

品質

懸濁物質の量 2

g/L

以下

溶解性蒸発残留物の量 1

g/L

以下

塩化物イオン(Cl

)量 200

mg/L

以下

セメントの凝結時間の差

始発は 30 分以内,終結は 60 分以内

モルタルの圧縮強さの比

材齢 7 日及び材齢 28 日で 90 %以上

C.6 

回収水 

C.6.1 

品質 

回収水の品質は,C.8.2 の試験方法によって試験を行ったとき,

表 C.2 に示す規定に適合しなければなら

ない。ただし,その原水は,C.4 又は C.5 の規定に適合しなければならない。

なお,スラッジ水を上水道水,上水道水以外の水,又は上澄水と混合して用いる場合の品質の判定は,

スラッジ固形分率が 3 %になるように,スラッジ水の濃度を 5.7 %に調整した試料を用い,C.8.2.4 及び

C.8.2.5

の試験を行う。

表 C.2−回収水の品質

項目

品質

塩化物イオン(Cl

)量 200

mg/L

以下

セメントの凝結時間の差

始発は 30 分以内,終結は 60 分以内

モルタルの圧縮強さの比

材齢 7 日及び材齢 28 日で 90 %以上

C.6.2 

スラッジ固形分率の限度 

a)

スラッジ水を用いる場合には,スラッジ固形分率が 3 %を超えてはならない。

なお,

レディーミクストコンクリートの配合において,

スラッジ水中に含まれるスラッジ固形分は,

水の質量には含めない。

b)

スラッジ固形分率を 1 %未満で使用する場合には,

表 10 の目標スラッジ固形分率の欄には,1 %未満

と記入することとし,

表 11 のスラッジ固形分率の欄にも 1 %未満 と記入する。この場合,スラッ

ジ水は練混ぜ水の全量に使用し,かつ,濃度の管理期間ごとに 1 %未満となるよう管理しなければな

らない。

なお,このスラッジ固形分率を 1 %未満で使用する場合には,スラッジ固形分を水の質量に含めて

もよい。

C.6.3 

スラッジ水の管理 

スラッジ水の管理は,次による。

a)

バッチ濃度調整方法

1)

,又は連続濃度測定方法

1) 

を用いる。


28

A 5308

:2014

1)

バッチ濃度調整方法は,スラッジ水の濃度を一定に保つ独立した濃度調整槽をもつ場合に用

いることができる管理方法である。スラッジ固形分率を 1 %未満で使用する場合は,この方

法による。独立した濃度調整槽をもたない場合には,スラッジ水の濃度を連続して測定でき

る自動濃度計を設置して測定することによる連続濃度測定方法を用いれば,スラッジ水の管

理ができる。

b)  C.6.2

に適合するように,スラッジ水の管理状況に対応して,コンクリートに使用するスラッジ水の濃

度を定めて管理する。

c)

バッチ濃度調整方法を用いる場合には,スラッジ水の濃度を測定・記録し,目標スラッジ固形分率と

なるようにスラッジ水の計量値を決定して,スラッジ水を使用する。

なお,スラッジ水の濃度の測定は,1 日 1 回以上,かつ,濃度調整の都度行う。

d)

連続濃度測定方法を用いる場合には,スラッジ水を使用する度にその濃度を自動濃度計によって測

定・記録し,自動演算装置を用いて目標スラッジ固形分率となるようにスラッジ水の計量値を決定し

て,スラッジ水を使用する。

e)

スラッジ水の濃度の測定精度の確認は,少なくとも 3 か月に 1 回の頻度で,C.8.2.6 によって行う。ま

た,スラッジ水の濃度の測定方法として自動濃度計を用いる場合は,始業時にスラッジ水の密度から

自動濃度計の表示値を確認し,これを記録する。

f)

スラッジ水の濃度及び測定器具の精度確認の記録は,購入者からの要求があれば,スラッジ固形分率

の算出根拠として提出する。

C.7 

水を混合して使用する場合 

2

種類以上の水を混合して用いる場合には,それぞれが C.4C.5 又は C.6 の規定に適合していなければ

ならない。

C.8 

水の試験方法 

C.8.1 

上水道水以外の水の場合 

C.8.1.1 

試験項目 

試験項目は,次による。

a)

懸濁物質の量

b)

溶解性蒸発残留物の量

c)

塩化物イオン(Cl

)量

d)

セメントの凝結時間の差

e)

モルタルの圧縮強さの比

C.8.1.2 

試験用器具 

C.8.1.1

の a)  及び b)  に用いる試験用器具は,次による。

a)

試料を入れる容器は,硬質共栓ガラス瓶,又は蓋付きのポリエチレン製瓶とし,瓶は十分洗浄したも

のを用いる。

b)

分析に用いる器具は,全量フラスコ 2(200 mL 及び 100 mL 各 1)

,ガラス製ろ過器 1(ブフナー漏斗

形 3G2)

,磁製蒸発皿 1(直径約 10〜20 cm)

,時計皿 1(直径 10〜20 cm)

,ビーカー1(500 mL)

,ろ

紙 1(JIS P 3801 に規定された 6 種又はガラス繊維ろ紙)

,デシケーター1(ガラス製ろ過器及び磁製蒸

発皿の入るもの)

,精密化学天びん 1,電気定温乾燥器 1 とする。


29

A 5308

:2014

C.8.1.3 

試料 

試料は,次による。

a)

試験用水は,試料瓶に満たし,上面に空気がない状態にして清浄な栓で密封しておき,採取後 7 日以

内に試験を行う。

b)  1

回の試験のために採取する水の量は,約 4 L とする。

c)

井戸水を試験用水として採取する場合は,ある程度くみ上げた後の水を試験用水として採取する。河

川・湖・沼・貯水池から採取する場合は,1 日に数回採取して,等量ずつ混合のうえ,代表試料とす

る。

C.8.1.4 

懸濁物質の量の試験 

懸濁物質の量の試験は,次による。

a)

操作

1)

ガラス製ろ過器の中にろ紙を敷いて 105〜110  ℃で乾燥させ,デシケーターの中で常温まで冷却さ

せた後,ガラス製ろ過器とろ紙との質量(W

1

)を 0.01 g まで量る。

2)

試験用水 200 mL を全量フラスコで量り,全量をろ過して,残分をガラス製ろ過器とともに 105〜

110

℃で乾燥させ,デシケーター内で常温まで冷却させた後,ガラス製ろ過器・ろ紙残分及びろ紙

の質量(W

2

)を 0.01 g まで量る。ろ過液は,C.8.1.5 に用いる。

b)

計算  懸濁物質の量(S

d

)は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁に丸める。

S

d

=(W

2

W

1

)

×5

ここに,

S

d

懸濁物質の量(g/L)

W

1

ガラス製ろ過器とろ紙との質量(g)

W

2

ガラス製ろ過器,ろ紙残分及びろ紙の質量(g)

C.8.1.5 

溶解性蒸発残留物の量の試験 

溶解性蒸発残留物の量の試験は,次による。

a)

操作

1)

よく洗浄した磁製蒸発皿を 105〜110  ℃で乾燥させ,デシケーター内で常温まで冷却させた後,そ

の質量(W

3

)を 0.01 g まで量る。

2)  C.8.1.4 a) 2)

で懸濁物質を除去したろ過液 100 mL を全量フラスコで量り取り,磁製蒸発皿に移す。

3)

蒸発皿の上に時計皿を少しずらして蓋をし,水浴上で加熱をして蒸発乾固させた後,105〜110  ℃で

乾燥させ,デシケーター内で常温まで冷却させた後,その質量(W

4

)を 0.01 g まで量る。

b)

計算  溶解性蒸発残留物の量(S

s

)は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁に

丸める。

S

s

=(W

4

W

3

)

×10

ここに,

S

s

溶解性蒸発残留物の量(g/L)

W

3

蒸発皿の乾燥質量(g)

W

4

蒸発乾固物と蒸発皿の質量(g)

C.8.1.6 

塩化物イオン(Cl

)量の試験 

塩化物イオン(Cl

)量の試験は,JIS A 1144 の箇条 4(分析方法)による。

C.8.1.7 

セメント凝結時間の差の試験 

セメントの凝結時間の差の試験は,次による。

a)

試験方法  試験は,上水道水以外の水及び基準水を用いて JIS R 5201 の 8.(凝結試験)によって行う。

ただし,基準水及び上水道水以外の水を用いた場合は,同じ水セメント比とする。


30

A 5308

:2014

なお,基準水は,蒸留水,イオン交換樹脂で精製した水又は上水道水とする。

b)

計算  始発時間及び終結時間は分単位で表し,始発時間の差及び終結時間の差は,次の式によって算

出する。

Ti=|TioTis
Tf=|TfoTfs|

ここに,

Ti: 始発時間の差(min)

Tio: 基準水を用いた場合の始発時間(min)

Tis: 上水道水以外の水を用いた場合の始発時間(min)

Tf: 終結時間の差(min)

Tfo: 基準水を用いた場合の終結時間(min)

Tfs: 上水道水以外の水を用いた場合の終結時間(min)

C.8.1.8 

モルタルの圧縮強さの比の試験 

モルタルの圧縮強さの比の試験は,JIS R 5201 の 10.(強さ試験)による方法(A 法)又は次に示す直径

50 mm

,高さ 100 mm の円柱供試体による方法(B 法)のいずれかによる。

なお,A 法の場合の計算は,e)  による。

a)

試験器具

1)

はかりは,容量 2 000 g 以上で 0.5 g まで計量できるものとする。

2)

ミキサは,練り鉢の公称容量 4.7 L 以上,パドルが回転円運動をする電動ミキサで,パドルに自転

及びそれと逆方向に公転運動を与えるものとし,パドルの回転数は,低速の場合,自転速度は毎分

140

±5 回転,公転速度は毎分 62±5 回転,高速の場合,自転速度は毎分 285±10 回転,公転速度は

毎分 125±10 回転とする。

3)

型枠は,内径 50 mm,高さ 100 mm の金属製円筒とする。

4)

突き棒は,直径 9 mm の丸鋼とし,その先端を鈍くとがらせたものとする。

b)

試験条件  供試体の成形から浸水までの試験室温度は,10〜25  ℃とする。ただし,成形開始から終了

までの温度変化は,4  ℃以内でなければならない。

c)

試験に用いる材料

1)

セメントは,工場又は外部試験機関

2) 

で用いる普通ポルトランドセメントとする。

2)

砂は,工場又は外部試験機関

2) 

で用いている砂を表面乾燥飽水状態として用いる。砂を表面乾燥飽

水状態にするには,JIS A 1109 の 4.(試料)による。

2)

外部試験機関とは,JIS Q 17025 に適合することを,認定機関によって,認定された試験機

関,又は JIS Q 17025 のうち該当する部分に適合していることを,試験機関自らが証明し

ている試験機関であり,かつ,次のいずれかとするのがよい。

−  中小企業近代化促進法(又は中小企業近代化資金等助成法)に基づく構造改善計画な

どによって設立された共同試験場

−  国公立の試験機関

−  民法第 34 条によって設立を許可された機関

−  その他,これらと同等以上の能力がある機関

d)

操作

1)

ミキサに練り鉢及びパドルをセットし,練り鉢に試験用水 400 g を入れ,セメント 800 g を加えて,

低速で 40 秒間練り混ぜる。この間に,表面乾燥飽水状態とした砂を徐々に投入するが,このとき投

入する砂の量は,あらかじめモルタルのフローが JIS R 5201 の 11.2(フロー値の測り方)によって


31

A 5308

:2014

試験した結果,190±5 mm となることを確認した量とする。次いで 20 秒間休止し,その間にさじ

で練り鉢及びパドルに付着したモルタルをかき落とす。その後,更に高速で 2 分間練り混ぜ,モル

タルをつくる。基準水を用いた場合についても,同様に練り混ぜ,それぞれ 2 バッチのモルタルを

つくる。

注記  投入される砂の量は,川砂の場合は,2 000〜2 500 g 程度である。

2)

このモルタルを 2 層に分けて型枠に詰め,その各層を突き棒で 25 回突く。突き棒で突いた後,型枠

を軽くたたき,突き穴がなくなるようにする。このようにして,各バッチのモルタルからそれぞれ

4

個の供試体をつくる。

3)

型枠にモルタルを詰めてから 4 時間以降にキャッピングし,24 時間以降に取り外して,試験のとき

まで養生する。

なお,キャッピング及び養生は,JIS A 1132 の 4.4(供試体の上面仕上げ)及び箇条 7(型枠の取

外し及び養生)による。

4)

供試体の材齢は,7 日及び 28 日とし,それぞれ 4 個の供試体について圧縮強度試験を行う。

なお,圧縮強度試験は,JIS A 1108 による。

e)

計算  モルタルの圧縮強さの比(R)は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁

を丸めて整数で表す。

100

co

cr

×

=

σ

σ

R

ここに,

R: モルタルの圧縮強さの比(%)

σ

co

基準水を用いたモルタルの材齢 7 日又は 28 日における圧縮強
さ(N/mm

2

σ

cr

上水道水以外の水を用いたモルタルの材齢 7 日又は 28 日にお
ける圧縮強さ(N/mm

2

C.8.1.9 

報告 

上水道水以外の水の試験結果の報告には,次の事項を記載する。

a)

河川水,湖沼水,井戸水,地下水,工業用水などの別

b)

懸濁物質の量

c)

溶解性蒸発残留物の量

d)

塩化物イオン(Cl

)量

e)

セメントの凝結時間の差

1)

基準水を用いた場合の始発時間及び終結時間

2)

上水道水以外の水を用いた場合の始発時間及び終結時間

3)  1)

及び 2)  の始発時間及び終結時間の差

f)

モルタルの圧縮強さの比

1)

試験方法の別(C.8.1.8 の A 法又は B 法の別)

2)

基準水を用いた場合の圧縮強さ(材齢 7 日及び 28 日)

3)

上水道水以外の水を用いた場合の圧縮強さ(材齢 7 日及び 28 日)

4)

基準水を用いたモルタルの圧縮強さに対する,上水道水以外の水を用いたモルタルの圧縮強さの比


32

A 5308

:2014

C.8.2 

回収水の場合 

C.8.2.1 

試験項目 

試験項目は,次による。

a)

塩化物イオン(Cl

)量

b)

セメントの凝結時間の差

c)

モルタルの圧縮強さの比

C.8.2.2 

試料 

試料は,次による。

a)

スラッジ水は,レディーミクストコンクリート工場のスラッジ水貯水槽から代表的試料を採取し,速

やかに試験を行う。

b)

上澄水は,レディーミクストコンクリート工場の上澄水貯水槽で試料瓶に満たし,上面に空気がない

状態にして清浄な栓で密封しておき,採取後 7 日以内に試験を行う。

C.8.2.3 

塩化物イオン(Cl

)量の試験 

塩化物イオン(Cl

)量の試験は,JIS A 1144 の箇条 4(分析方法)による。

C.8.2.4 

セメントの凝結時間の差の試験 

セメントの凝結時間の差の試験は,次による。

a)

試験方法  試験は,C.8.1.7 の試験方法によって行う。ただし,スラッジ水は,C.8.2.6 の試験方法で求

めた濃度が 5.7 %のものを用いる。上澄水はそのまま用いる。このスラッジ水中の固形分は,水量に

含めない。

なお,基準水及び回収水を用いた場合,いずれも標準軟度とする。

b)

計算  始発時間及び終結時間は分単位で表し,始発時間の差及び終結時間の差は,次の式によって算

出する。

Ti'=|TioTis'|

Tf'=|TfoTfs'|

ここに,

Ti': 始発時間の差(min)

Tio: 基準水を用いた場合の始発時間(min)

Tis': 回収水を用いた場合の始発時間(min)

Tf': 終結時間の差(min)

Tfo: 基準水を用いた場合の終結時間(min)

Tfs': 回収水を用いた場合の終結時間(min)

C.8.2.5 

モルタルの圧縮強さの比の試験 

モルタルの圧縮強さの比の試験は,次による。

a)

試験方法  試験は,C.8.1.8 の試験方法によって行う。ただし,A 法による場合には,基準水は 225 g,

スラッジ水の場合は C.8.2.6 の試験方法で求めた濃度が 5.7 %に調整したもので 239 g

3)

,上澄水の場合

は 225 g とする。また,B 法による場合には,基準水は 400 g,スラッジ水の場合には C.8.2.6 の試験

方法で求めた濃度が 5.7 %に調整したもので 425 g,上澄水の場合は 400 g とする。

3)

この場合のスラッジ水は,スラッジ固形分を含んだ値である。

b)

計算  モルタルの圧縮強さの比(R')は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁

を丸めて整数で表す。

100

co

cr

×

=

σ

σ

R'


33

A 5308

:2014

ここに,

R': モルタルの圧縮強さの比(%)

σ

co

基準水を用いたモルタルの材齢 7 日又は 28 日における圧縮強
さ(N/mm

2

σ

cr

回収水を用いたモルタルの材齢 7 日又は 28 日における圧縮強
さ(N/mm

2

C.8.2.6 

スラッジ水の濃度の試験 

スラッジ水の濃度の試験は,次による。

a)

試験用器具

1)

はかりは,容量 1 000 g 以上で 0.1 g まで計量できるものとする。

2)

乾燥用バットは,約 500 mL をい(容)れるのに十分な大きさのものとする。

3)

試料採取に用いる容器は,容量 500 mL とする。

b)

試料  代表的スラッジ水を約 5 L 採取し,これを試料とする。

c)

操作

1)

試料をよくかくはんしながら乾燥用バットに約 500 mL 分取し,その質量(m

1

)を 0.1 g まで量る。

2)

これを乾燥器に入れ,105〜110  ℃で恒量となるまで乾燥する。室温まで放冷した後,その質量(m

2

を,0.1 g まで量る。

d)

計算  スラッジ水の濃度(C

s

)は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁に丸め

る。

2

.

0

100

1

2

s

×

=

m

m

C

ここに,

C

s

スラッジ水の濃度(質量分率%)

m

1

スラッジ水の質量(g)

m

2

乾燥後のスラッジの質量(g)

注記  公益社団法人日本コンクリート工学会  回収水委員会報告によると,上澄水の溶解成分量の全国

平均は 0.2 %なので,これを差し引くことによって,ろ過による方法とほぼ同一値になる。

C.8.2.7 

報告 

回収水の試験結果の報告には,次の事項を記載する。

a)

スラッジ水,上澄水の別

b)

塩化物イオン(Cl

)量

c)

セメントの凝結時間の差

1)

基準水を用いた場合の始発時間及び終結時間

2)

回収水を用いた場合の始発時間及び終結時間

3)  1)

及び 2)  の始発時間及び終結時間の差

d)

モルタルの圧縮強さの比

1)

試験方法の別(C.8.1.8 の A 法又は B 法の別)

2)

基準水を用いた場合の圧縮強さ(材齢 7 日及び 28 日)

3)

回収水を用いた場合の圧縮強さ(材齢 7 日及び 28 日)

4)

基準水を用いたモルタルの圧縮強さに対する,回収水を用いたモルタルの圧縮強さの比


34

A 5308

:2014

附属書 D 
(規定)

トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法

D.1 

適用範囲 

この附属書は,

本体に規定する普通コンクリート及びこれを流動化したコンクリートの荷卸しを完了し,

全量を排出した後のトラックアジテータ(以下,アジテータという。

)のドラム内壁,羽根などに付着して

いるフレッシュモルタルを,この附属書に規定する付着モルタル安定剤を用いてスラリー状にし,新たに

積み込むコンクリートと混合して使用する方法について規定する。

D.2 

用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203 によるほか,次による。

D.2.1

付着モルタル

コンクリートの全量を排出した後,アジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモ

ルタル。

D.2.2

付着モルタル安定剤

付着モルタルの凝結を遅延させて再利用するための薬剤(以下,安定剤という)

D.2.3

安定剤希釈溶液

安定剤を上水道水で所定の割合に希釈した溶液(以下,希釈溶液という)

D.2.4

スラリー状モルタル

希釈溶液でスラリー状にしたモルタル。

D.2.5

基準モルタル

安定剤の品質を試験する場合に基準とする,安定剤を用いないモルタル。

D.2.6

試験モルタル

安定剤の品質を試験する場合に試験の対象とする安定剤を用いたモルタル。

D.3 

安定剤 

D.3.1 

安定剤の品質 

安定剤の品質は,次による。

a)

安定剤は,コンクリート及び鋼材に有害な影響を及ぼすものであってはならない。

b)

安定剤は,D.7 の試験方法によって試験を行ったとき,

表 D.1 の規定に適合しなければならない。


35

A 5308

:2014

表 D.1−安定剤の品質

モルタルの 
フロー値比

%

モルタルの

凝結時間の差

min

モルタルの

圧縮強さの比

%

スラリー状モルタルの

流動性

(24 時間後)

塩化物イオン

(Cl

)量

kg/m

3

全アルカリ量

kg/m

3

始発

終結

材齢 7 日

材齢 28 日

100

〜110

−60〜

+90

−60〜

+90

90

以上 90 以上

スラリー状モルタルが

容易に流動し,部分的

な塊が認められない。

0.02

以下 0.30 以下

D.3.2 

希釈溶液の調整及び貯蔵 

希釈溶液の調整及び貯蔵は,次による。

a)

希釈溶液は,予想日平均気温が 25  ℃以下の場合は,安定剤 1 L に対し上水道水を 49 L の割合で加え,

均質に調整する。また,予想日平均気温が 25  ℃を超える場合は,安定剤 1.5 L に対し上水道水を 48.5

L

の割合で加え,均質に調整する。

b)

調整した希釈溶液は,品質の変化及び凍結が生じないように貯蔵し,予想日平均気温が 25  ℃以下の

場合は 7 日以内に,また,予想日平均気温が 25  ℃を超える場合は 5 日以内に使用する。

D.3.3 

希釈溶液の使用量 

希釈溶液の使用量は,大型アジテータの場合 1 車当たり 50 L,小型アジテータの場合 1 車当たり 30 L

とする

1)

1)

大型アジテータは積載量約 10 t,小型アジテータは積載量約 5 t のものを意味する。

D.4 

付着モルタルのスラリー化 

付着モルタルのスラリー化は,次による。

a)

付着モルタルのスラリー化は,コンクリートの練混ぜから 3 時間以内に希釈溶液を投入して行われな

ければならない。

b)

希釈溶液は,アジテータ 1 車ごとに正確に計算して使用する。

c)

希釈溶液をアジテータのドラムの内壁,羽根などに噴射して,付着モルタルを洗い落とし,スラリー

化する。次にドラムを高速で繰り返し正転,反転させ,スラリー状モルタルを十分にかくはんする。

D.5 

スラリー状モルタルの保存 

D.5.1 

一般 

スラリー状モルタルは,アジテータのドラム内に保存するか,若しくはアジテータのドラムから取り出

して専用の容器に保存する。いずれの場合も,スラリー状モルタルの保存は 24 時間以内とし,流動性が失

われたり,部分的にスラリー状モルタルが凝結した場合は,そのスラリー状モルタルを使用してはならな

い。

D.5.2 

アジテータのドラム内に保存する場合 

アジテータドラム内のスラリー状モルタルをアジテータのドラム内で保存する場合は,スラリー状モル

タルを,ドラム内の最前底部に集まる位置で保存し,雨水の浸入を防ぎ,凍結しないようにする。

D.5.3 

アジテータのドラムから取り出して専用の容器で保存する場合 

スラリー状モルタルをドラムから取り出して専用の容器で保存する場合は,次による。

a)

スラリー状モルタルをドラムから取り出す場合には,ドラム内のスラリー状モルタルが全量取り出さ


36

A 5308

:2014

れたことを確認しなければならない。

b)

スラリー状モルタルを保存する容器は,雨水の浸入を防ぎ,凍結が防止できるものでなければならな

い。

c)

スラリー状モルタルは,細骨材を取り除いて保存してもよい。

D.6 

コンクリートの製造及び積込み 

D.6.1 

一般 

スラリー状モルタルを用いる場合に,新たに積み込むコンクリートの積載量は,大型アジテータの場合

3 m

3

以上,小型アジテータの場合 1.5 m

3

以上とするほか,次による。

D.6.2 

アジテータのドラム内に保存されたスラリー状モルタルを用いる場合 

a)

コンクリートを積み込む前に,アジテータのドラムを高速で回転し,スラリー状モルタルが凝結して

いないことを確認する。

b)

新たに積み込むコンクリートは,希釈溶液を練混ぜ水の一部とし,1 回の練混ぜごとにその量を計量

水量から均等に差し引いた値で練り混ぜる。

なお,付着モルタルの容積は,練混ぜ量に加算してはならない。

c)

コンクリートの積込みは,ドラムを回転させながら行い,積込み後ドラムを高速で回転させ,スラリ

ー状モルタルと新たに積み込んだコンクリートが均質になるようにする。

D.6.3 

専用の容器で保存したスラリー状モルタルを用いる場合 

a)

新たに積み込むアジテータ 1 台分のコンクリートに適用するスラリー状モルタルの量は,これが排出

されたアジテータ 1 台分と同量又はこれを超えない量とし,1 回の計量ごとにその量を均等に分けて

計量する。

b)

スラリー状モルタルに含まれる希釈溶液は,新たに積み込むコンクリートの練混ぜ量の一部として考

慮し,1 回の計量ごとにその量を均等に分けて,計量水量から差し引く。

c)

細骨材を除去したスラリー状モルタルを適用する場合は,除去した細骨材の量と同じ量の新たな細骨

材を 1 回の計量ごとに均等に加える。

d)

計量したスラリー状モルタルは,所定量のコンクリート用材料と同時にミキサに入れて均等に練り混

ぜる。付着モルタルの容積は,新たに積み込むコンクリートの容積の一部として,これを考慮しては

ならない。

D.7 

安定剤の品質試験 

D.7.1 

モルタル試験 

D.7.1.1 

モルタル試験用供試体の作製 

モルタル試験用供試体の作製は,次による。

a)

試験に用いる材料

1)

セメントは,任意に選んだ三つの異なる生産者の,JIS R 5210 に規定する普通ポルトランドセメン

トを等量ずつ使用する。

2)

細骨材は,A.8 の規定に適合し,かつ,粗粒率が 2.7±0.2 のものとする。

3)

水は,上水道水とする。

4)

安定剤は,代表的な試料とする。

b)

モルタルの配合


37

A 5308

:2014

1)

モルタルの種類は,基準モルタル及び試験モルタルの 2 種類とする。

2)

モルタルの配合は,質量比でセメント 1,砂 3,水セメント比 60 %とする。

3)

試験モルタルに添加する安定剤の使用量は,セメント 1 kg 当たり 1 mL とする。

c)

モルタルの練混ぜ  モルタルの練混ぜは機械練りとし,ミキサは,C.8.1.8  a)  による。モルタルの練

上がり温度は,20±3  ℃とする。

D.7.1.2 

モルタルのフロー値比の試験 

モルタルのフロー値比の試験は,次による。

a)

モルタルのフロー値比の試験は,JIS R 5201 の 11.2 による。

b)

モルタルのフロー値比は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁を丸めて整数で

表す。

100

1

2

×

=

F

F

F

ここに,

F: モルタルのフロー値比(%)

F

1

基準モルタルのフロー値

F

2

試験モルタルのフロー値

D.7.1.3 

モルタルの凝結時間の差の試験 

モルタルの凝結時間の差の試験は,次による。

a)

モルタルの凝結時間の差の試験は,JIS A 1147 による。

b)

モルタルの凝結時間の差は,始発及び終結時間から次の式によって算出し,整数で表す。

TT

2

T

1

ここに,

T: モルタルの凝結時間の差(min)

T

1

基準モルタルの始発時間又は終結時間(min)

T

2

試験モルタルの始発時間又は終結時間(min)

D.7.1.4 

モルタルの圧縮強さの比の試験 

モルタルの圧縮強さの比の試験は,次による。

a)

モルタルの圧縮強さの比の試験は,C.8.1.8 の B 法に準じて行う。供試体の本数は,材齢 7 日及び 28

日それぞれ 4 本ずつとする。

b)

モルタルの圧縮強さの比は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下 1 桁を丸めて整数

で表す。

100

co

cr'

×

=

σ

σ

R

ここに,

R: モルタルの圧縮強さの比(%)

σ

co

基準モルタルの材齢 7 日又は 28 日の圧縮強さ(N/mm

2

σ

cr'

試験モルタルの材齢 7 日又は 28 日の圧縮強さ(N/mm

2

D.7.1.5 

スラリー状モルタルの流動性の試験 

スラリー状モルタルの流動性の試験は,次による。

a)

スラリー状モルタルの流動性の試験は,基準モルタルをメスシリンダーに 500 mL 採取し,蓋付の透

明な容器(容量約 1 L)に移し替え,安定剤 5 mL 及び水道水 245 mL の混合液 250 mL を加える。

b)

モルタルと混合液とが十分に混合されるように 5〜6 回転倒かくはんさせてから,20±2  ℃の室内に静

置する。

c) 24

時間後に容器を軽く転倒かくはんさせ,スラリー状モルタル中の塊の有無及び流動性を観察する。


38

A 5308

:2014

D.7.2 

塩化物イオン(Cl

)量試験 

塩化物イオン(Cl

)量試験は,次による。

a)

安定剤中の塩化物イオン(Cl

)量を,JIS A 6204 

附属書 A[化学混和剤中に含まれる塩化物イオン

(Cl

)量の試験方法]によって求める。

b)

付着モルタルを再利用したコンクリート中の塩化物イオン(Cl

)量は,次の式によって算出し,四

捨五入によって小数点以下 2 桁に丸める。





×

=

100

0

.

3

5

.

1

a

c

Cl

Cl

ここに,

Cl

c

付着モルタルを用いたコンクリート中の安定剤の塩化物
イオン(

Cl

)量(

kg/m

3

Cl

a

安定剤中の塩化物イオン(

Cl

)濃度(

%

(1.5/3.0)

25

℃を超える場合で,

安定剤を

1.5 L

使用し,

積載量を

3 m

3

と想定した場合の値

D.7.3 

全アルカリ量試験 

全アルカリ量試験は,次による。

a)

安定剤中の全アルカリ量を,JIS A 6204 

附属書 B(化学混和剤中に含まれるアルカリ量の試験方法)

によって求める。

b)

付着モルタルを再利用したコンクリートの全アルカリ量は,次の式によって算出し,四捨五入によっ

て小数点以下

2

桁に丸める。

×

=

100

0

.

3

5

.

1

a

c

R

R

ここに,

R

c

付着モルタルを用いたコンクリート中の安定剤の全アルカリ
量(

kg/m

3

R

a

安定剤中の全アルカリ量(質量分率

%

2)

2)

JIS A 6204

附属書 

Na

2

Oeq

R

a

で表す。


39

A 5308

:2014

附属書 E

(規定) 
軽量型枠

E.1 

適用範囲 

この附属書は,コンクリートの圧縮強度試験を行う場合の供試体の成形に用いる軽量型枠(以下,型枠

という。

)について規定する。

注記

この型枠には,繰返し使用ができるもの,及び繰返し使用ができないものがある。

E.2 

一般的事項 

この附属書に規定のない事項については,JIS A 1132 による。

E.3 

用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,次による。

E.3.1

軽量型枠

コンクリートの圧縮強度試験を行う場合の供試体の成形に用いるぶりき,紙又はプラスチックで作られ

た型枠。

E.4 

寸法・材質・品質・成形性 

E.4.1 

寸法 

型枠は,上部からコンクリートを投入することができる円筒型で,側板及び底板からなり,内径及び内

高寸法は,

表 E.1 の規定に適合するものとする。

E.4.2 

材質 

a)

型枠は,ぶりき,紙又はプラスチックで作られ,ポルトランドセメント及びその他の水硬性セメント

と化学的な反応を起こさないものとする。

b)

型枠は,使用時又は保存時に腐食,劣化及び変形を生じないものでなければならない。また,型枠の

取外し時にコンクリートが付着しないように,必要に応じて塗装などの処理を施すものとする。

E.4.3 

品質 

a)

型枠は,供試体を作るとき,変形及び漏水のないもので,E.5 に規定する試験を行ったとき,

表 E.1

の規定に適合しなければならない。

b)

繰返し使用できる型枠は,繰返し使用しても

表 E.1 の品質を保持できるものとする。


40

A 5308

:2014

表 E.1−型枠の品質

項目

規定事項

寸法

内径  100×内高  200 mm

内径  125×内高  250 mm 
内径  150×内高  300 mm

型枠内径の寸法精度:公称値の 1/200 以下

型枠内高の寸法精度:公称値の 1/100 以下

漏水

注水 1 時間後,かつ,コンクリートの打込み 1 時間後,
漏水が目視によって確認されない。

底面の平面度

直径の 0.05 %以内(E.5.3.2 による。

底面と側面の直角度 0.50°以内

a)

吸水量及び吸水膨張率

b)

吸水量:寸法  内径  100×内高  200 mm  1.0 g 以下

        寸法  内径  125×内高  250 mm  1.6 g 以下 
        寸法  内径  150×内高  300 mm  2.3 g 以下

吸水膨張率:0.20 %以下

a)

直角度 0.50°は,tan

1

(l/H)

で,水平台上に当てた直角定規及び供試体を当て

たときのダイヤルゲージの読みの差(l)から求める次の値とする。

  H=190 mm で測定したとき  |l|≦1.66 mm

  H=240 mm で測定したとき  |l|≦2.09 mm

  H=290 mm で測定したとき  |l|≦2.53 mm

b)

この規定は,紙製の型枠だけに適用する。

E.4.4 

成形性 

型枠は,JIS A 1132 に規定する方法で供試体が成形できるものとする。ただし,木づちで直接たたくと

変形するおそれのある型枠は,

収納ケースに型枠を入れた状態でケースの側面をたたくものとする。

また,

型枠の取外しに際して,容易に,かつ,供試体をきずつけないように脱型できるものとする。

なお,収納ケースは,型枠を

1

3

個収納できる鉄製又はプラスチック製ケースで,コンクリートの打込

み時に収納ケースの側面をたたいたとき,型枠が変形しない程度の剛性があるものとする。

E.5 

試験 

E.5.1 

寸法 

任意に選んだ型枠

3

個それぞれについて,直交方向の内径及び対向する内側面の高さを,JIS B 7507 

規定する最小読取値

0.05 mm

に適合するノギスを用いて測定し,その平均値を各型枠それぞれの内径及び

内高とする。公称値と各型枠測定値との差の最大(又は最小)の値を,寸法誤差とする。また,内側面の

高さの測定には,JIS B 7518 に規定する最小読取値

0.05 mm

に適合するデプスゲージを用いてもよい。

E.5.2 

漏水 

a)

E.5.4

の吸水量及び吸水膨張率の試験の際に,

1

時間経過後の型枠からの漏水の有無を目視で観察する。

b)

E.5.3.1

でコンクリート供試体を作製する際に,

コンクリートを打ち込んでから

1

時間経過後において,

型枠からの漏水の有無を目視で観察する。

E.5.3 

底面の平面度並びに底面と側面との直角度 

E.5.3.1 

コンクリート供試体 

任意に選んだ型枠を用いて,

3

個のコンクリート供試体を作製し,その供試体の平面度及び直角度を測

定する。


41

A 5308

:2014

E.5.3.2 

平面度 

平面度の測定は,それぞれの供試体底面の中心を通り,直交する

2

本の直線を測線として,測線上の両

端部位置と中心部位置とについて行う。測定方法は,測線上の各測定位置の距離を JIS B 7503 に規定する

目量

0.001 mm

に適合するダイヤルゲージで測定し,両端部位置を結ぶ直線に対する中心部の凹凸を各測

線ごとに求め,その平均値を,各供試体の平面度とする(

図 E.1 参照)。供試体

3

個の平面度の最大値を,

型枠の平面度とする。

図 E.1−供試体底面の平面度測定装置

E.5.3.3 

直角度 

直角度の測定は,JIS B 7513 

表 1(使用面の呼び寸法)に規定する水平台上に,ダイヤルゲージスタ

ンドを設置し,供試体の大きさに対応する測定高(

H

)の位置にダイヤルゲージを固定して,JIS B 7526

表 に規定する直角定規を当てたときのダイヤルゲージの読みと,同位置に供試体を当てたときのダイ

ヤルゲージの読みとの差を求めて行う(

図 E.2 参照)。

図 E.2−供試体底面及び側面の直角度測定装置

測定は,供試体を

90

°回転させた

2

方向について行い,その平均値を各供試体の直角度とする。供試体

3

個の直角度の最大値を,型枠の直角度とする。


42

A 5308

:2014

E.5.4 

吸水量及び吸水膨張率 

室温

20

±

3

℃の恒温室内で,はかり(感量

0.1 g

)を用い,試験前の型枠質量(

m

0

)を測定する。次に

型枠を水平台に置き,温度

20

±

2

℃の水を,公称高さの約

95 %

の位置まで注ぐ。直ちに,上部をガラス

板で蓋をし,型枠中心軸線上のガラス板上面位置で高さ方向の膨張量が測定できるように,ダイヤルゲー

ジを設定し,注水直後のダイヤルゲージの読み(

h

0

)を測定する(

図 E.3 参照)。

図 E.3−吸水膨張率測定装置

そのままの状態で

3

時間静置した後,再びダイヤルゲージの読み(

h

1

)を測定する。型枠内部の水を排

出して乾いた布で残った水を手早く拭き取り,試験後の型枠質量(

m

1

)を測定する。

吸水量及び吸水膨張率を,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下

1

桁に丸める。

なお,試験は,任意に選んだ型枠

3

個について行い,その最大値を吸水量又は吸水膨張率とする。

(

)

100

0

1

0

1

×

=

=

h

h

h

X

m

m

A

ここに,

A

吸水量(

g

X

吸水膨張率(

%

m

0

試験前の型枠質量(

g

m

1

試験後の型枠質量(

g

h

型枠の公称高さ(

mm

h

0

注水直後のダイヤルゲージの読み(

mm

h

1

注水

3

時間後のダイヤルゲージの読み(

mm

E.6 

表示 

型枠のこん包容器又は送り状には,次の事項を表示する。

a)

名称(商品名)

b)

製品寸法

c)

数量

d)

製造年月日

e)

製造業者名

f)

製造番号

g)

取扱上の注意