A 5032:2016
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類及び呼び名 ················································································································ 3
4.1 種類及び呼び名 ············································································································· 3
4.2 呼び名の表記方法 ·········································································································· 3
5 品質······························································································································· 4
5.1 一般事項 ······················································································································ 4
5.2 単粒度溶融スラグ及び溶融スラグ細骨材の物理的性質及び粒度 ··············································· 4
5.3 粒度調整溶融スラグ及びクラッシャラン溶融スラグの物理的性質及び粒度 ································ 4
5.4 環境安全品質基準 ·········································································································· 5
6 試験方法························································································································· 5
6.1 試料の採取及び縮分 ······································································································· 5
6.2 表乾密度及び吸水率試験 ································································································· 5
6.3 すりへり試験 ················································································································ 5
6.4 粒度試験 ······················································································································ 5
6.5 環境安全品質試験 ·········································································································· 5
7 検査······························································································································· 6
7.1 溶融スラグのロット管理 ································································································· 6
7.2 検査項目 ······················································································································ 6
7.3 検査方法 ······················································································································ 6
7.4 検査の頻度 ··················································································································· 7
7.5 検査データの保管 ·········································································································· 7
8 表示······························································································································· 8
9 報告······························································································································· 8
附属書A(規定)道路用溶融スラグの環境安全品質試験方法························································ 14
附属書B(参考)加熱アスファルト混合物成形体及びれき(瀝)青安定処理成形体の作製方法 ··········· 17
附属書C(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 20
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。これによって,JIS A 5032:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS A 5032:2006によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼却灰を
溶融固化した道路用溶融スラグ
Melt-solidified slag material for road construction derived from
municipal solid waste and sewage sludge
序文
この規格は,2006年に制定され,今日に至っている。今回,日本工業標準調査会の土木技術専門委員会
及び建築技術専門委員会によって,“建設分野の規格への環境側面の導入に関する指針”(2003年3月28
日土木技術専門委員会・建築技術専門委員会議決)の附属書2として“道路用スラグに環境安全品質及び
その検査方法を導入するための指針”が2011年7月12日付けで策定されたことから,これに対応するた
めに改正した。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を,附属書Cに示す。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,一般の道路用材料としてのアスファルト混合物用骨材,路盤材,盛土材などとして用いる
道路用溶融スラグ(以下,溶融スラグという。)について規定する。
この規格で規定する溶融スラグは,主に一般廃棄物,下水汚泥などの溶融固化施設において,有効利用
を目的に製造される道路用材料であり,次のものを含む。また,溶融スラグとは溶融固化物と同義語であ
る。
a) 一般廃棄物の溶融固化施設から産出される溶融スラグのうち,自治体などの委託によって一般廃棄物
を処理する民間溶融固化施設で産出される溶融スラグ,及び自治体などが処理することを認めた産業
廃棄物を一般廃棄物と混合処理している場合に産出される溶融スラグ。
b) 溶融固化施設又は別施設で磁力選別,粒度調整などの加工又は改質処理を行った溶融スラグ。
なお,溶融スラグは,水砕スラグ,空冷スラグ及び徐冷スラグに分類する。この規格では,空冷スラグ
及び徐冷スラグの両方を徐冷スラグという。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法
JIS A 1103 骨材の微粒分量試験方法
JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1121 ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法
2
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JIS A 1158 試験に用いる骨材の縮分方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS A 1211 CBR試験方法
JIS K 0058-1 スラグ類の化学物質試験方法−第1部:溶出量試験方法
JIS K 0058-2 スラグ類の化学物質試験方法−第2部:含有量試験方法
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS Q 17050-1 適合性評価−供給者適合宣言−第1部:一般要求事項
JIS Q 17050-2 適合性評価−供給者適合宣言−第2部:支援文書
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
環境安全品質
溶融スラグの出荷から,道路の施工時及び利用時までだけでなく,その利用が終了し,解体後の再利用
時又は最終処分時も含めたライフサイクルの合理的に想定し得る範囲において,溶融スラグから影響を受
ける土壌,地下水などの環境媒体が,各々の環境基準などを満足できるように,溶融スラグが確保しなけ
ればならない品質。
3.2
環境安全形式検査
道路用材として使用するために粒度調製などの加工を行った後,環境安全品質を除く品質要求事項を満
足することを確認した溶融スラグが,環境安全品質を満足するかどうかを判定するために行う検査(以下,
形式検査という。)。利用模擬試料又は溶融スラグ試料を用いて環境安全形式試験を行い,環境安全品質へ
の適合を判定する。
3.3
環境安全受渡検査
形式検査に合格したものと同じ製造条件の溶融スラグの受渡しの際に,その環境安全品質を保証するた
めに行う検査(以下,受渡検査という。)。溶融スラグ試料を用いて,環境安全受渡試験を行い,環境安全
受渡検査判定値への適合を判定する。
3.4
利用模擬試料
溶融スラグの出荷から,利用が終了し,解体後の再利用時又は最終処分時も含めたライフサイクルの合
理的に想定し得る範囲の中で,環境安全性に関して最も配慮しなければならない溶融スラグの状態を模擬
した試料。形式検査に用いる。
3.5
溶融スラグ試料
形式検査又は受渡検査に用いるために,適切な試料採取方法で採取した溶融スラグ。
3.6
環境安全品質基準
環境安全品質として必要な検査項目について定められた,溶出量及び含有量で示される基準値の総称。
3
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形式検査結果の判定時の基準とする。
3.7
環境安全受渡検査判定値
受渡検査において,環境安全品質基準への適合性を溶融スラグ試料を用いて保証するために参照する値
(以下,受渡検査判定値という。)。形式検査に利用模擬試料を用いた場合は,必要な検査項目について,
環境安全形式試験及び環境安全受渡試験のデータに基づき,溶融スラグの製造業者が設定する。形式検査
に溶融スラグ試料を用いた場合は,必要な検査項目について,環境安全品質基準と同じ値を設定する。
3.8
環境安全形式試験
形式検査において,溶融スラグの環境安全品質基準に対する適合性を判定するために実施する試験(以
下,形式試験という。)。溶出量試験及び含有量試験で構成される。
3.9
環境安全受渡試験
受渡検査において,溶融スラグの受渡検査判定値に対する適合性を判定するために実施する試験(以下,
受渡試験という。)。溶出量試験及び含有量試験で構成される。
4
種類及び呼び名
4.1
種類及び呼び名
溶融スラグの種類及び呼び名は,表1による。
表1−種類及び呼び名
種類
呼び名
主な用途
単粒度溶融スラグ
SM-20
− アスファルト混合物用
− れき(瀝)青安定処理路盤用
SM-13
SM-5
溶融スラグ細骨材
FM-2.5
− アスファルト混合物用
− れき(瀝)青安定処理路盤用
− 路盤材の粒度調整用
− 路床用及び管路埋戻し用
粒度調整溶融スラグ
MM-40
− 上層路盤用
MM-30
MM-25
クラッシャラン溶融スラグ
CM-40
− 下層路盤用
− れき(瀝)青安定処理路盤用
− 各種安定処理路盤用
CM-30
CM-20
CM-5
− れき(瀝)青安定処理路盤用
− 路盤材の粒度調整用
− 路床用及び管路埋戻し用
4.2
呼び名の表記方法
溶融スラグの呼び名は,種類を表す記号及び粒度による区分を表す記号による(例参照)。
例 SM-20
粒度による区分を表す記号
溶融スラグの種類を表す記号
4
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5
品質
5.1
一般事項
溶融スラグは,堅硬で,かつ,異物,針状固化物,へん(扁)平又は鋭利な破片などを使用上有害な量
を含んではならない。
5.2
単粒度溶融スラグ及び溶融スラグ細骨材の物理的性質及び粒度
5.2.1
物理的性質
物理的性質は,6.2及び6.3によって試験を行い,表2の規定に適合しなければならない。
表2−物理的性質
項目
呼び名
適用試験箇条
SM-20
SM-13
SM-5
FM-2.5
表乾密度 g/cm3
2.45以上
6.2
吸水率 %
3.0以下
6.2
すりへり減量 %
30以下
−
6.3
5.2.2
粒度
粒度は,6.4によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。
表3−粒度
呼び名
粒度範囲
mm
ふるいを通るものの質量分率 %
JIS Z 8801-1に規定する金属製網ふるいの公称目開き
26.5 mm
19 mm
13.2 mm
4.75 mm
2.36 mm
1.18 mm
75 μm
SM-20
20〜13
100
85〜100
0〜15
−
−
−
−
SM-13
13〜5
−
100
85〜100
0〜15
−
−
−
SM-5
5〜2.5
−
−
100
85〜100
0〜25
0〜5
−
FM-2.5
2.5〜0
−
−
−
100
85〜100
−
0〜10
5.3
粒度調整溶融スラグ及びクラッシャラン溶融スラグの物理的性質及び粒度
5.3.1
物理的性質
物理的性質は,6.3によって試験を行い,表4の規定に適合しなければならない。
表4−物理的性質
項目
呼び名
適用試験箇条
MM-40
MM-30
MM-25
CM-40
CM-30
CM-20
CM-5
すりへり減量 %
50以下
−
6.3
修正CBR %
受渡当事者間の協議によって品質を規定することができる。
−a)
注a) 修正CBRは,JIS A 1210で求めた最適含水比で試料の含水比を調整後,各層92,42,及び17回の突
固め回数で各々の供試体を作成する。その後,各々の供試体でJIS A 1211に従い,CBRと乾燥密度と
の関係を求め,所要の締固め度に対するCBRを修正CBRとする。
5
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5.3.2
粒度
粒度は,6.4によって試験を行い,表5の規定に適合しなければならない。
表5−粒度
呼び名
粒度
範囲
mm
ふるいを通るものの質量分率 %
JIS Z 8801-1に規定する金属製網ふるいの公称目開き
53 mm 37.5 mm 31.5 mm 26.5 mm
19 mm 13.2 mm 4.75 mm 2.36 mm 425 μm
75 μm
MM-40 40〜0
100
95〜100
−
−
60〜90
−
30〜65
20〜50
10〜30
2〜10
MM-30 30〜0
−
100
95〜100
−
60〜90
−
30〜65
20〜50
10〜30
2〜10
MM-25 25〜0
−
−
100
95〜100
−
55〜85
30〜65
20〜50
10〜30
2〜10
CM-40
40〜0
100
95〜100
−
−
50〜80
−
15〜40
5〜25
−
−
CM-30
30〜0
−
100
95〜100
−
55〜85
−
15〜45
5〜30
−
−
CM-20
20〜0
−
−
−
100
95〜100 60〜90
20〜50
10〜35
−
−
CM-5
5〜0
−
−
−
−
−
100
85〜100
−
−
0〜10
5.4
環境安全品質基準
溶融スラグの環境安全品質は,6.5によって試験を行い,表6の品質基準に適合しなければならない。
表6−環境安全品質基準
項目
溶出量
mg/L
含有量a)
mg/kg
カドミウム
0.01 以下
150 以下
鉛
0.01 以下
150 以下
六価クロム
0.05 以下
250 以下
ひ素
0.01 以下
150 以下
水銀
0.000 5 以下
15 以下
セレン
0.01 以下
150 以下
ふっ素
0.8 以下
4000 以下
ほう素
1 以下
4000 以下
注a) ここでいう含有量とは,同語が一般的に意味する“全
含有量”とは異なることに注意を要する。
6
試験方法
6.1
試料の採取及び縮分
試料は,全体を代表するように採取し,JIS A 1158によって縮分する。
6.2
表乾密度及び吸水率試験
単粒度溶融スラグの表乾密度及び吸水率試験は,JIS A 1110による。また,溶融スラグ細骨材の表乾密
度及び吸水率試験は,JIS A 1109による。
6.3
すりへり試験
すりへり試験は,JIS A 1121による。
6.4
粒度試験
粒度試験は,JIS A 1102による。ただし,溶融スラグ細骨材及び粒度調整溶融スラグの公称目開き75 μm
のふるいを通過する量についての試験は,JIS A 1103による。
6.5
環境安全品質試験
環境安全品質試験は,附属書Aによる。
6
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7
検査
7.1
溶融スラグのロット管理
1か月分の溶融スラグの生産量を品質管理上の1ロットとし,溶融スラグの品質を定期的な検査で確認
する。ただし,十分なストックヤードを確保し,事前に検査して出荷前に試験値を確認する場合には,保
管量全体を1ロットとすることができる。
7.2
検査項目
溶融スラグの検査は,溶融スラグの種類に応じて表7の○印で示す項目について行う。
なお,受渡当事者間の協議によって確認できた場合には,表7での検査項目の一部を省略することがで
きる。
表7−溶融スラグの検査項目
検査項目
品質項目箇条
単粒度溶融スラグ
溶融スラグ細骨材
粒度調整溶融
スラグ
クラッシャラン
溶融スラグ
一般事項
5.1
○
○
○
○
粒度
5.2.2
5.3.2
○
−
○
−
−
○
−
○
表乾密度
5.2.1
○
○
−
−
吸水率
5.2.1
○
○
−
−
すりへり減量
5.2.1
5.3.1
○
−
−
−
−
○
−
−
修正CBR
5.3.1
−
−
○
○
環境安全品質
5.4
○
○
○
○
7.3
検査方法
7.3.1
物理的性質及び粒度の検査方法
溶融スラグの物理的性質及び粒度の検査は,6.1〜6.4によって試験を行い,5.1〜5.3の規定に適合したも
のを合格とする。
7.3.2
環境安全品質の検査方法
7.3.2.1
検査の種類及び検査項目
溶融スラグの環境安全品質の検査は,形式検査と受渡検査とに区分し,表8の○印で示す項目について
行う。
なお,受渡当事者間の協議によって確認できた場合には,表8の溶出量検査項目の一部及び含有量検査
項目の一部を省略することができる。
表8−環境安全品質の検査項目
項目
形式検査
受渡検査
溶出量
含有量
溶出量
含有量
カドミウム
○
○
○
−
鉛
○
○
○
○
六価クロム
○
○
○
−
ひ素
○
○
○
−
水銀
○
○
−
−
セレン
○
○
○
−
ふっ素
○
○
○
○
ほう素
○
○
−
−
7
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7.3.2.2
検査方法
環境安全品質の検査方法は,次による。
a) 環境安全形式検査 形式検査は,6.1及び6.5によって試験を行い,5.4に適合したものを合格とする。
b) 環境安全受渡検査 受渡検査は,6.1及び6.5によって試験を行い,7.3.2.3によって設定した受渡検査
判定値に適合したものを合格とする。これに適合しなかった場合,同一の試料から同一の方法で試料
を採取して2回の再試験を行い,2回とも受渡検査判定値に適合した場合は,その試料を合格とする
ことができる。ただし,2回の再試験のうち,1回でも不適合となった場合は不合格とする。
7.3.2.3
環境安全受渡検査判定値
受渡検査判定値は,次による。
a) 環境安全形式検査に利用模擬試料を用いた場合 形式検査に利用模擬試料を用いた場合の受渡検査
判定値は,形式試験のデータ及び形式検査に用いた試料と同じ条件で製造された溶融スラグ試料を用
いた受渡試験のデータに基づき設定し,溶融スラグの性状のばらつき又は他の材料の影響などの変動
要因を十分に考慮した値としなければならない。ただし,溶融スラグ試料を用いた検査において,含
有量基準の3倍値を上限とする。
なお,この場合の受渡検査判定値は,形式検査を実施する都度,溶融スラグの製造業者が設定する。
b) 環境安全形式検査に溶融スラグ試料を用いた場合 形式検査に溶融スラグ試料を用いた場合の受渡
検査判定値は,環境安全品質基準のそれぞれの検査項目の基準値と同じ値を用いる。
7.4
検査の頻度
7.4.1
物理的性質及び粒度の検査の頻度
物理的性質及び粒度の検査の頻度は,3か月に1回以上とする。
7.4.2
環境安全品質の検査の頻度
環境安全品質の検査の頻度は,次による。
a) 環境安全形式検査 形式検査は,1年に1回以上の頻度で実施する。ただし,次に該当する場合は,
有効期間内であっても検査を行わなければならない。
1) 製造設備の改良,製造プロセス,原料,添加物の変更などの要因に伴って,環境安全品質に規定す
る項目の値が大きく増加する可能性がある場合。
2) 利用模擬試料として使用するアスファルト混合物及びれき(瀝)青安定処理路盤を新たに定める場
合。
b) 環境安全受渡検査 受渡検査は,1か月に1回以上の頻度で定期的に実施する。ただし,受渡検査結
果が,1年間以上,全ての項目で環境安全品質基準の3分の1(以下,管理基準という。)以下で安定
している場合には,その後に続く1年間における受渡検査の頻度を3か月に1回以上とすることがで
きる。
なお,受渡検査において管理基準を超える結果が出た場合又は前述の理由で形式検査を改めて行っ
た場合は,受渡検査の頻度を1か月に1回以上に戻さなければならない。
十分なストックヤードを確保し,事前に検査して出荷前に試験値を確認する場合には,7.4.1及び7.4.2 b)
に示した検査頻度は適用されない。ただし,保管量などに応じて採取試料数を確保することとする。
7.5
検査データの保管
製造業者は,検査によって得られた品質試験結果の記録を規定の期間保管しなければならない。
8
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8
表示
溶融スラグの納品書(製品の送り状)には,次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者名又はその略号
b) 溶融施設名又はその略号
c) 呼び名
d) 検査年月日又はその略号
また,溶融スラグの製造業者は,溶融スラグの納品書に次の使用条件及び使用上の注意事項を記載する
ことによって,溶融スラグの利用者に伝達しなければならない。
− 溶融スラグの製造業者が利用模擬試料による形式検査を実施した場合,利用者は,形式検査における
溶融スラグの配合率を超えて溶融スラグを配合してはならない旨。
9
報告
製造業者は,購入者から要求があった場合,試験成績書を提出しなければならない。試験成績書の様式
は,表9〜表13を標準とする。
9
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表9−道路用溶融スラグの物理的性質及び粒度試験成績書
(単粒度溶融スラグ及び溶融スラグ細骨材)
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 殿
製造業者名 :
溶融施設名 :
呼び名
:
検査年月日 :
ロット番号 :
検査番号
:
項目
試験結果
規格値
備考
外観
良
粒
度
分
布
呼び名
SM-20
SM-13
SM-5
FM-2.5
ふるいを通るもの
の質量分率 %
26.5 mm
100
−
−
−
19 mm
85〜100
100
−
−
13.2 mm
0〜15
85〜100
100
−
4.75 mm
−
0〜15
85〜100
100
2.36 mm
−
−
0〜25
85〜100
1.18 mm
−
−
0〜5
−
75 μm
−
−
−
0〜10
表乾密度
g/cm3
2.45以上
吸水率
%
3.0以下
すりへり減量
%
30以下
−
10
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−道路用溶融スラグの物理的性質及び粒度試験成績書
(粒度調整溶融スラグ及びクラッシャラン溶融スラグ)
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 殿
製造業者名 :
溶融施設名 :
呼び名
:
検査年月日 :
ロット番号 :
検査番号
:
項目
試験結果
規格値
備考
外観
良
粒
度
分
布
呼び名
MM-40
MM-30
MM-25
CM-40
CM-30
CM-20
CM-5
ふるいを
通るもの
の質量分
率 %
53 mm
100
−
−
100
−
−
−
37.5 mm
95〜100
100
−
95〜100
100
−
−
31.5 mm
−
−
100
−
95〜100
−
−
26.5 mm
−
−
95〜100
−
−
100
−
19 mm
60〜90
60〜90
−
50〜80
55〜85
95〜100
−
13.2 mm
−
−
55〜85
−
−
60〜90
100
4.75 mm
30〜65
30〜65
30〜65
15〜40
15〜45
20〜50
85
〜
100
2.36 mm
20〜50
20〜50
20〜50
5〜25
5〜30
10〜35
−
425 μm
10〜30
10〜30
10〜30
−
−
−
−
75 μm
2〜10
2〜10
2〜10
−
−
−
0〜10
修正CBR
%
−
すりへり減量
%
50以下
−
11
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表11−道路用溶融スラグの環境安全形式試験成績書(試験に溶融スラグ試料を用いた場合)
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 殿
製造業者名 :
溶融施設名 :
呼び名
:
検査年月日 :
ロット番号 :
検査番号
:
項目
試験結果
規格値
備考
溶
出
量
カドミウム
mg/L
0.01
以下
鉛
mg/L
0.01
以下
六価クロム
mg/L
0.05
以下
ひ素
mg/L
0.01
以下
水銀
mg/L
−
0.0005 以下
セレン
mg/L
0.01
以下
ふっ素
mg/L
0.8
以下
ほう素
mg/L
−
1
以下
含
有
量
カドミウム
mg/kg
−
150
以下
鉛
mg/kg
150
以下
六価クロム
mg/kg
−
250
以下
ひ素
mg/kg
−
150
以下
水銀
mg/kg
−
15
以下
セレン
mg/kg
−
150
以下
ふっ素
mg/kg
4000
以下
ほう素
mg/kg
−
4000
以下
試験機関名
溶出量試験:
含有量試験:
12
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表12−道路用溶融スラグの環境安全形式試験成績書(アスファルト混合物用溶融スラグ)
[れき(瀝)青安定処理路盤用溶融スラグ](試験に利用模擬試料を用いた場合)
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 殿
製造業者名 :
溶融施設名 :
呼び名
:
検査年月日 :
ロット番号 :
検査番号
:
項目
試験結果
規格値
備考
溶
出
量
カドミウム
mg/L
0.01
以下
鉛
mg/L
0.01
以下
六価クロム
mg/L
0.05
以下
ひ素
mg/L
0.01
以下
水銀
mg/L
0.0005 以下
セレン
mg/L
0.01
以下
ふっ素
mg/L
0.8
以下
ほう素
mg/L
1
以下
含
有
量
カドミウム
mg/kg
150
以下
鉛
mg/kg
150
以下
六価クロム
mg/kg
250
以下
ひ素
mg/kg
150
以下
水銀
mg/kg
15
以下
セレン
mg/kg
150
以下
ふっ素
mg/kg
4000
以下
ほう素
mg/kg
4000
以下
試験機関名
溶出量試験:
含有量試験:
アスファルト混合物用溶融スラグ及びれき(瀝)青安定処理路盤用溶融スラグの利用模擬試料の配合率
材料名
溶融スラグ
その他
スラグ類
砂
石粉
その他
アスファルト※
呼び名
配合%
※ アスファルトの配合率は,他の使用材料の合計試料量を100 %とした場合のアスファルトの使用量の割合を記
入。
※ 溶融スラグ及びその他スラグ類をそれぞれ上表に示す単位量以下で使用する場合に限られます。
溶出量試験に用いた利用模擬試料の粒度
粒度分布
40 mm以上
40〜20 mm
20〜5 mm
5〜2.5 mm
2.5 mm以下
合計
質量分率 %
試験結果
規格値
0
30±5
40±5
10±5
20±5
100
含有量試験に用いた利用模擬試料の粒度
粒度分布
2.0 mm以上
2.0〜0.6 mm
0.6〜0.15 mm
0.15 mm以下
合計
質量分率 %
試験結果
規格値
0
50±5
25±5
25±5
100
13
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表13−道路用溶融スラグの環境安全受渡試験成績書
̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 殿
製造業者名 :
溶融施設名 :
呼び名
:
検査年月日 :
ロット番号 :
検査番号
:
項目
試験結果
検査判定値
備考
溶
出
量
カドミウム
mg/L
鉛
mg/L
六価クロム
mg/L
ひ素
mg/L
水銀
mg/L
−
−
セレン
mg/L
ふっ素
mg/L
ほう素
mg/L
−
−
含
有
量
カドミウム
mg/kg
−
−
鉛
mg/kg
六価クロム
mg/kg
−
−
ひ素
mg/kg
−
−
水銀
mg/kg
−
−
セレン
mg/kg
−
−
ふっ素
mg/kg
ほう素
mg/kg
−
−
試験機関名
溶出量試験:
含有量試験:
14
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
道路用溶融スラグの環境安全品質試験方法
A.1 概要
この附属書は,溶融スラグの環境安全品質試験方法について規定する。
A.2 試験の種類及び試験項目
試験の種類及び試験項目は,7.3.2.1による。
A.3 試料の採取及び縮分
試料は,あらかじめ定めた採取場所及び採取方法に従って毎週1回試料採取を行い,これを1か月分ま
とめて混合したものをJIS A 1158によって縮分する。
A.4 環境安全形式試験
A.4.1 一般
形式試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。
溶出量試験及び含有量試験のいずれの場合も,利用模擬試料又は溶融スラグ試料のいずれかを選択する。
ただし,成形体とはならない利用については,利用模擬試料を用いた試験は適用できない。
利用模擬試料を選択した場合は,7.3.2.3に規定する受渡検査判定値を設定するため,利用模擬試料の調
製に用いたものと同一の溶融スラグ試料を用いて,A.5の受渡試験を実施する。
A.4.2 溶出量試験
A.4.2.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa)に,溶融スラグ試料による場合はb)による。
なお,利用模擬試料の調製は,溶融スラグの製造業者から委託を受けた,道路用材料の試験を主たる事
業としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 次の手順に従って試料を調製する。
1) A.3によって採取及び縮分した溶融スラグ試料を用い,受渡当事者間の協議によって決定した配合
条件に従って,附属書Bを参考に加熱アスファルト混合物成形体又はれき(瀝)青安定処理成形体
を作製する。成形体の大きさ及び個数は,A.4.2で必要な量の検液が得られるよう決定する。
注記1 配合する他の材料の種類が形式試験の結果に影響を与える可能性がある場合は,それぞ
れの材料の種類を考慮して試験を実施することが望ましい。
2) 1)で作製した成形体をハンマなどで粗く砕いた後,呼び寸法40 mmのふるいを用いて分級し,ふる
い上に残ったものを更に砕いて,全量がふるいを通過するようにする。
3) 2)の試料を呼び寸法20 mm,5 mm及び2.5 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3)で分級した試料から,それぞれの粒度が偏らないように分取し,表A.1に示す割合で混合する。
注記2 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。
15
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−溶出量試験に用いる利用模擬試料の各粒度区分の配合割合
粒度区分a)
40 mm以上
40〜20 mm
20〜5 mm
5〜2.5 mm
2.5 mm以下
合計
質量分率 %
0
30±5
40±5
10±5
20±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定する網ふるい37.5 mm,19 mm,4.75 mm及び
2.36 mmである。
5) 4)の試料から,粒度が偏らないように3 kg以上を分取する。
b) 溶融スラグ試料による場合 溶融スラグ試料による場合は,A.3によって採取及び縮分した溶融スラ
グを用い,JIS K 0058-1の5.3.2(試料の調製)によって調製する。
注記3 溶融スラグ試料による方法は,利用模擬試料による方法よりも簡便であるが,いずれの試
料を用いても環境安全品質は十分に確保される。
A.4.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,溶融スラグの製造業者から委託を受けたJIS Q 17025,又はJIS Q 17050-1
及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者1)が実施する。
注1) 計量法に基づく計量証明の事業の区分が“水又は土壌中の物質の濃度に係る事業”の登録を受
けた者とする。
なお,この場合,溶融スラグに関する事業は,水又は土壌中の物質の濃度に係る事業ではな
いので計量証明書の発行はできず,分析結果報告書等の様式で発行されることとなる。
a) 試験装置 試験装置は,JIS K 0058-1の5.1(試験装置)による。
b) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-1の5.2(試薬及び器具)による。
c) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-1の5.4(検液の調製)による。
d) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-1の5.5(検液の分析)による。
A.4.3 含有量試験
A.4.3.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa)に,溶融スラグ試料による場合はb)による。
なお,利用模擬試料の調製は,溶融スラグの製造業者から委託を受けた,道路用材料の試験を主たる事
業としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 利用模擬試料による場合は,A.4.2.1 a) 1) によって調製された試料から,
300 g以上の試料片を採取し,次の手順に従って調製する。
1) 試料片をハンマ,クラッシャーなどで粗く破砕する。
2) 1)の試料を呼び寸法2.0 mm,0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級し,呼び寸法2.0 mmのふ
るい上に残った試料を更に破砕する。全量が呼び寸法2.0 mmのふるいを通過するまでこの操作を
繰り返す。
3) 2)の試料を,表A.2に示す割合で混合する。
注記1 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。
16
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.2−含有量試験に用いる利用模擬試料の各粒度区分の配合割合
粒度区分a)
2.0 mm以上
2.0〜0.6 mm
0.6〜0.15 mm
0.15 mm以下
合計
質量分率 %
0
50±5
25±5
25±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定する網ふるい2.0 mm,0.6 mm及び0.15 mm
である。
b) 溶融スラグ試料による場合 溶融スラグ試料による場合は,A.3によって採取及び縮分した溶融スラ
グから300 g以上を用いて,次の手順に従って調製する。
1) 呼び寸法2.0 mm,0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
2) 1)でふるい上に残った試料をハンマ,クラッシャーなどで更に破砕し,全量が呼び寸法2.0 mmのふ
るいを通過させる。
3) 2)の試料を呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3)の試料を,それぞれ粒度区分ごとに混合し,表A.2に示す配合割合で混合する。
注記2 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。大きい粒度区分の試料が不足する場合は,小さい粒度区分の試料で代用して
もよい。
A.4.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,溶融スラグの製造業者から委託を受けたJIS Q 17025,又はJIS Q 17050-1
及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者1) が実施する。
注1) A.4.2.2の注1)参照。
a) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-2の5.(試薬及び器具)による。
b) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-2の7.(検液の調製)による。
c) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-2の8.(検液の分析)による。
A.5 環境安全受渡試験
A.5.1 一般
受渡試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。
受渡試験は,溶融スラグの製造業者又は溶融スラグの製造業者から委託を受けた試験事業者が実施する。
A.5.2 溶出量試験
A.5.2.1 試料の調製
試料の調製は,A.4.2.1 b)による。
A.5.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,A.4.2.2のa)〜d)による。
A.5.3 含有量試験
A.5.3.1 試料の調製
試料の調製は,A.4.3.1 b)による。
A.5.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,A.4.3.2のa)〜c)による。
17
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
加熱アスファルト混合物成形体及びれき(瀝)青安定処理成形体の作製方法
B.1
概要
この附属書は,加熱アスファルト混合物及びれき(瀝)青安定処理の成形体試料の作製方法を示す。
B.2
作製器具
作製器具は,次による。
a) モールド及びカラー モールドは,内径101.6 mmの円筒形で高さ63.5 mmの成形体を締め固めるこ
とができるものとし,作製する成形体の数量に合わせた数量を準備する。モールド及びカラーの例を
図B.1に示す。
単位 mm
図B.1−モールド及びカラー(例)
b) 成形体押出し器 締め固めた成形体を損なわずにモールドから押し出すための適正な器具。
c) 成形体締固め用ハンマ 自動突固め装置に装着できる平らな円形の端面をもち,45.7 cmの高さから案
内棒に沿って,モールド内に自由落下する質量4.5 kgの重すい(錘)2)。
注2) 成形体作製に当たっては,試験のばらつきを少なくするため,手による締固めは現場など特
殊な場合に行うものとする。
d) 成形体締固め台 モールドを装着するためのもので,30 cm×30 cm×2.3 cmの鋼板を頂面に載せた20
cm×20 cm×46 cmの木柱を4個の形鋼によってコンクリート版に固定したもの,又はこの台と同様な
締固め効果を与える適正な台とする。木柱は,かし(樫)又は乾燥密度が0.67〜0.77 g/cm3の木材によ
って作るものとする。
e) 加熱装置 骨材,れき(瀝)青材料,モールド,締固め用ハンマ,その他の器具を所要の温度に加熱
18
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
するために用いる。装置は,所要温度に保つことができる温度調節器のあるものがよい。電熱器,ガ
スコンロなどを使用するときは部分的な加熱を避けるために適正な風よけ,波形板又は砂浴を用いる。
f)
混合器 手混合に用いる容器3〜5 Lの鍋若しくは鉢,又は所要の混合温度に保ちながら十分な混合が
できる適正な混合器。
g) 恒温水槽 水温を60±1 ℃に保つことが可能な水槽。
h) 骨材加熱用金属製容器 加熱できるもの。混合鍋でもよい。乾燥器などを用いるときは適正な大きさ
のバットを5〜10個用意する。
i)
アスファルト加熱用金属容器 加熱できるもの。ミルク沸かしなどでよい。
j)
混合用器具 こね返し及び手混合用のこて(例 庭園用移植こてなど),へらなど。
k) 温度計 最大目盛200 ℃で目量1 ℃のもの。
l)
はかり ひょう量5 kg以上で感量1.0 g以下のもの。
m) その他の器具 手袋,ゴム手袋,ノギス,ばけつ,小形スコップ,パテナイフなど。
B.3
作製方法
B.3.1 骨材の準備
骨材は,105〜110 ℃で一定質量になるまで乾燥する。必要に応じて,粗骨材は,JIS Z 8801-1に規定す
る呼び寸法19.0 mm,13.2 mm,4.75 mm及び2.36 mmの網ふるいを用いて,乾式でふるい分けておく。
B.3.2 混合及び締固め温度の決定
アスファルトの動粘度が180±20 mm2/s及び300±30 mm2/sになるときの温度を,それぞれ混合温度及
び締固め温度とする。ただし,ポリマー改質アスファルトを使用する場合,試験事業者の推奨温度がある
ときには,これによるとよい。
B.3.3 混合
混合は,次による。
a) 締固め後の成形体試料の高さが63.5±1.3 mmになるように,各骨材を所要の配合割合に従って計量し,
1成形体分(約1 200 g)の骨材とする。
b) 計量した骨材を混合温度より10〜30 ℃高い温度に加熱する。
c) 混合器に移して空練りし,すり鉢状に広げて,所要量のアスファルトを計量して加える。このときの
骨材及びアスファルトの温度は,所要の混合温度の範囲内にならなければならない。
d) 骨材がアスファルトによって十分被覆されるまで素早く混合する。
B.3.4 締固め
締固めは,次による。
a) モールドと締固め用ハンマの面とを十分に洗浄し,乾燥器又は加熱板によって95〜150 ℃に加熱す
る。
b) 1バッチの混合物を四等分してモールドの4方向から入れ,へら又はこてで周囲に沿って15回,中央
部を10回突き,表面の中央部が僅かに高くなるように丸みを付けてならす。
c) 締固め直前の混合物の温度は,所要の締固め温度の範囲内になければならない。
d) 混合物を入れたモールド一式を自動締固め装置に固定し,モールドのカラー内に締固め用ハンマを挿
入して所要回数締め固める3)。締固め用ハンマの軸は,モールドの板に対し垂直になるよう支持する。
e) 片面からの締固めが終わったら,モールドを逆にして組み立て,成形体の裏面をもう一度同じ回数締
め固める。このとき,モールド中の成形体が底板に落ち着くまでダンパで軽く打ってから締固めを始
19
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
める。
f)
底板及びカラーを取り外し,モールドのまま室温になるまで放冷した後,成形体を成形体押出し器で
抜き取る。
g) 抜き取った成形体は注意深く取り扱い,端部などに付着している余分なモルタル分をパテナイフなど
で除去する。
注3) 締固め回数は,加熱アスファルト混合物の種類,使用場所などによって異なるが,通常,舗
装計画交通量が1日当たり1 000台以上の場合は75回,同じく1 000台未満の場合は50回で
ある。
参考文献 JIS A 5015 道路用鉄鋼スラグ
20
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 5032:2016)
旧規格(JIS A 5032:2006)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範囲
この規格は,一般の道路用材料としてのアス
ファルト混合物用骨材,路盤材,盛土材など
として用いる道路用溶融スラグ(以下,溶融
スラグという。)について規定する。
1. 適用範囲
この規格は,一般の道路用材料としての加
熱アスファルト混合物用骨材及び路盤材と
して用いる溶融スラグについて品質,試験
方法,検査,表示,報告などを規定する。
道路用材料の用途の適用範囲を明確化し
た。
この規格で規定する溶融スラグは,主に一般
廃棄物,下水汚泥などの溶融施設において,
有効利用を目的に製造される道路用材料であ
り,次のものを含む。また,溶融スラグとは
溶融固化物と同義語である。
a) 一般廃棄物の溶融固化施設から産出され
る溶融スラグには,自治体などの委託に
よって一般廃棄物を処理する民間溶融施
設で産出される溶融スラグ,及び自治体
などが処理することを認めた産業廃棄物
を一般廃棄物と混合処理している場合に
産出される溶融スラグ。
b) 溶融固化施設又は別施設で磁力選別,粒
度調整などの加工又は改質処理を行った
溶融スラグ。
なお,溶融スラグは,水砕スラグ,空冷ス
ラグ及び徐冷スラグに分類する。この規格で
は,空冷スラグ及び徐冷スラグの両方を徐冷
スラグという。
備考1. 溶融スラグとは,主に一般廃棄物,
下水汚泥などの溶融施設におい
て,有効利用を目的に製造される
骨材である。また,溶融スラグは
溶融固化物と同義語である。
なお,適用範囲には,溶融施設
又は別施設で磁選,粒度調整等の
加工又は改質処理を行った溶融ス
ラグも含む。
なお,溶融スラグは,水砕スラ
グ,空冷スラグ及び徐冷スラグに
分類される。ここでは,空冷スラ
グと徐冷スラグの両方を徐冷スラ
グと称する。
備考2. ここでいう一般廃棄物の溶融固化
施設から産出される溶融スラグに
は,自治体等が一般廃棄物の溶融
固化施設で処理することを認めた
指定の産業廃棄物を一般廃棄物と
混合処理している場合に産出され
る溶融スラグを含めてもよい。
溶融処理施設及び処理対象の産業廃棄物
の適用範囲を明確化した。
2
A
5
0
3
2
:
2
0
1
6
21
A 5032:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5032:2016)
旧規格(JIS A 5032:2006)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
2 引用規格
JIS A 1121,JIS A 1158,JIS A 1210,JIS A 1211,
JIS Q 17025,JIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2
を追加。
2. 引用規格
−
日本工業標準調査会標準部会土木技術専
門委員会及び建築技術専門委員会の審議
によって“建設分野の規格への環境側面の
導入に関する指針 附属書2道路用スラグ
に環境安全品質及びその検査方法を導入
するための指針”が定められたことから,
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
3 用語及び
定義
環境安全品質(3.1),環境安全形式検査(3.2),
環境安全受渡検査(3.3),利用模擬試料(3.4),
溶融スラグ試料(3.5),環境安全品質基準
(3.6),環境安全受渡検査判定値(3.7),環境
安全形式試験(3.8),及び環境安全受渡試験
(3.9)を規定。
−
−
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
4 種類及び
呼び名
4.1(種類及び呼び名)でCM-5の規格を追加
規定した。また,FM-2.5の路盤材の粒度調整
用の用途を追記。
3. 種類及び
呼び名
溶融スラグの利用実績から盛土材及び路
盤材の粒度調整用のCM-5の規格の追加
と,FM-2.5の用途の記述を追加した。
5 品質
単粒度溶融スラグ及び溶融スラグ細骨材の物
理的性質を表形式(表2)で規定。
4. 品質
4.3.2(表乾密度),4.3.3(吸水率)及び4.3.4
(すりへり減量)で文章で規定。
用途が同じであるJIS A 5015(道路用鉄鋼
スラグ)の表記に統一。
粒度調整溶融スラグ及びクラッシャラン溶融
スラグの物理的性質を表形式(表4)で規定。
4. 品質
4.4.2(表乾密度),4.4.3(吸水率)及び4.4.4
(すりへり減量)で文章で規定。
用途が同じであるJIS A 5015の表記に統
一。
5.4に環境安全品質基準を規定。
4. 品質
−
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
6 試験方法
6.5に環境安全品質の試験方法を規定。
併せて,附属書A(規定)道路用溶融スラグ
の環境安全品質試験方法,及び附属書B(参
考)加熱アスファルト混合物成形体及びれき
(瀝)青安定処理成形体の作製方法を追加。
5. 試験方法
−
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
7 検査
7.3.2に環境安全品質の検査方法を追加。
6. 検査
−
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
9 報告
環境安全品質に関わる試験成績書の様式の標
準として,表9〜表13を追加。
8. 報告
−
環境安全品質に関わる基準及び検査方法
を規定したため。
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