A 5031
:2010
(1)
まえがき
この追補は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正したもの
で,これによって,JIS A 5031:2006 は改正され,一部が置き換えられた。
日本工業規格
JIS
A
5031
:2010
一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼却灰を
溶融固化したコンクリート用溶融スラグ骨材
(
追補 1)
Melt-solidified slag aggregate for concrete derived from municipal solid
waste and sewage sludge
(Amendment 1)
JIS A 5031:2006
を,次のように改正する。
1.
(適用範囲)の“この規格は,一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼却灰を 1 200 ℃以上の高温度で溶
融し,冷却固化して製造されたコンクリート用溶融固化骨材(以下,溶融スラグ骨材という。
)について規
定する。
”を,
“この規格は,一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼却灰を 1 200 ℃以上の高温度で完全な
融解状態に溶融し,冷却固化して製造されたコンクリート用溶融固化骨材(以下,溶融スラグ骨材という。
)
について規定する。
”に置き換える。
1.
(適用範囲)の
備考 3.の全文を,次に置き換える。
備考 3. 次の材料として,溶融スラグ骨材を用いてはならない。
− JIS A 5308 に規定するレディーミクストコンクリート
− JIS A 5406 に規定する建築用コンクリートブロック
− プレストレストコンクリート
− 建築物に用いるプレキャストコンクリートで,建築物の基礎,主要構造部その他安全上,
防火上又は衛生上重要である部分に用いるもの
4.
この規格で規定する溶融スラグ骨材は,
備考 3.の適用除外範囲を考慮した上で,次の条件を
両方とも満たすコンクリートに用いることができる。
− 設計基準強度が 35 N/mm
2
以下
− 耐久性を確保するために,水セメント比が,55 %以下
ただし,プレキャストコンクリート製品については,溶融スラグ骨材の購入者がプレキャ
ストコンクリート製品の特性及び要求される強度,耐久性,製品の置かれる環境などの適用
条件を熟知し,かつ,プレキャストコンクリート製品の発注者からの要求があったことが確
認できる場合には,設計基準強度が 35 N/mm
2
を超える JIS A 5371 に規定するプレキャスト
無筋コンクリート製品及び JIS A 5372 に規定するプレキャスト鉄筋コンクリート製品に用い
ることができる。
2
A 5031
:2010
2.
(引用規格)に JIS A 5406 建築用コンクリートブロックを,追加する。
2.
(引用規格)の JIS K 0119 蛍光 X 線分析方法通則を,JIS K 0119 蛍光 X 線分析通則に置き換える。
4.1
(一般事項)の全文を,次に置き換える。
溶融スラグ骨材は,保管中及びコンクリートとして使用したときに,その使用環境及びコンクリートの
品質(外観を含む。
)にそれぞれ悪影響を及ぼす物質を有害量含んではならない。
備考 悪影響を及ぼす物質とは,ごみ,泥,有機不純物,塩化物,金属鉄,金属アルミニウム,ポッ
プアウトの原因となる物質(生石灰の粒等)が含まれる。
ここで,ポップアウトとは,
“膨張圧によって,コンクリート表面がは(剥)がれ,円錐状等
のくぼみが発生する現象”のことをいう。
4.6
(アルカリシリカ反応性)の
参考の JIS A 5308 附属書 2(規定)を,JIS A 5308 附属書 B(規定)に置
き換える。
附属書 3(参考)(技術上重要な改正に関する新旧対照表)を,追加する。
3
A 5031
:2010
附属書 3(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 5031:2010)
旧規格(JIS A 5031:2006)
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
改正理由
1.
適用範
囲
この規格は,一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼
却灰を 1 200 ℃以上の高温度で完全な融解状態に溶
融し,冷却固化して製造されたコンクリート用溶融
固化骨材(以下,溶融スラグ骨材という。
)について
規定する。
1.
適用範
囲
この規格は,一般廃棄物,下水汚泥又はそれら
の焼却灰を 1 200 ℃以上の高温度で溶融し,冷
却固化して製造されたコンクリート用溶融固
化骨材(以下,溶融スラグ骨材という。
)につ
いて規定する。
コンクリートに悪影響を及ぼすと考えら
れる生石灰の粒等が完全に融解せずに残
存する可能性があるので,溶融状態の規
定を明確化した。
1.
適用範
囲
備考 3. 次の材料として,溶融スラグ骨材を用いて
はならない。
− JIS A 5308 に規定するレディーミクス
トコンクリート
− JIS A 5406 に規定する建築用コンクリ
ートブロック
− プレストレストコンクリート
− 建築物に用いるプレキャストコンクリ
ートで,建築物の基礎,主要構造部その
他安全上,
防火上又は衛生上重要である
部分に用いるもの
1.
適用範
囲
備考 3. 溶融スラグ骨材を用いるコンクリー
トは,設計基準強度が 35 N/mm
2
以下
の JIS A 5371 に規定するプレキャス
ト無筋コンクリート製品及び JIS A
5372
に規定するプレキャスト鉄筋コ
ンクリート製品,並びにこれらと同じ
設計基準強度のプレキャスト無筋コ
ンクリート製品及びプレキャスト鉄
筋コンクリート製品に使用する。ま
た,呼び強度が 33 以下のレディーミ
クストコンクリートに適用できる。
なお,耐久性を確保するために,溶
融スラグ骨材を用いたコンクリート
の水セメント比は,55 %以下とする。
備考 3.
・ JIS A 5308 の改正の検討において,呼
び強度 33 までのコンクリートに JIS A
5031
を活用する検討がなされたが,
2009
年の改正では適用が見送られ,
JIS A 5308
において使用できない旨が
明確化された。以上のことから,JIS A
5308
における規定と整合させた。
・ 使用実績が十分でないこと等の理由
によって,プレストレストコンクリー
トに用いてはならない旨を明確化し
た。
・ レディーミクストコンクリートに溶
融スラグを使用したことによって,建
築物のコンクリート表面のはく(剥)
落 等 の 被 害 が 生 じ た 事 例 に か ん が
(鑑)み,建築関係の用途制限を明確
化した。また,同様の理由によって,
JIS A 5406
において使用が認められな
い改正が行われる予定なので,その内
容を反映した。
3
A
5031
:
20
10
4
A 5031
:2010
現行規格(JIS A 5031:2010)
旧規格(JIS A 5031:2006)
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
改正理由
1.
適用範
囲
(続き)
備考 4. この規格で規定する溶融スラグ骨材は,備
考 3.の適用除外範囲を考慮した上で,次の
条件を両方とも満たすコンクリートに用い
ることができる。
− 設計基準強度が 35 N/mm
2
以下
− 耐久性を確保するために,水セメント比
が,55 %以下
ただし,プレキャストコンクリート製品
については,溶融スラグ骨材の購入者がプ
レキャストコンクリート製品の特性及び要
求される強度,耐久性,製品の置かれる環
境などの適用条件を熟知し,かつ,プレキ
ャストコンクリート製品の発注者からの要
求があったことが確認できる場合には,設
計基準強度が 35 N/mm
2
を超える JIS A 5371
に規定するプレキャスト無筋コンクリート
製品及び JIS A 5372 に規定するプレキャス
ト鉄筋コンクリート製品に用いることがで
きる。
−
−
備考 4.
旧規格のコンクリートに対する適用条件
に加え,JIS A 5364 の改正によって,設
計基準強度が 35 N/mm
2
を超える JIS A
5371
に規定するプレキャスト無筋コン
クリート製品及び JIS A 5372 に規定する
プレキャスト鉄筋コンクリート製品に
も,制限を付加して,用いてもよい旨を,
JIS A 5364
の規定と整合させ,追加した。
4.
品質
4.1
一 般
事項
溶融スラグ骨材は,保管中及びコンクリートとして
使用したときに,その使用環境及びコンクリートの
品質(外観を含む。
)にそれぞれ悪影響を及ぼす物質
を有害量含んではならない。
備考 悪影響を及ぼす物質とは,ごみ,泥,有機不
純物,塩化物,金属鉄,金属アルミニウム,
ポップアウトの原因となる物質(生石灰の粒
等)が含まれる。
ここで,ポップアウトとは,
“膨張圧によっ
て,コンクリート表面がは(剥)がれ,円錐
状等のくぼみが発生する現象”のことをいう。
4.
品質
4.1
一 般
事項
溶融スラグ骨材は,保管中及びコンクリートと
して使用したときに,その使用環境及びコンク
リートの品質にそれぞれ悪影響を及ぼす物質
を有害量含んではならない。
溶融スラグ骨材をコンクリート用骨材と
して活用した場合に,悪影響を及ぼす可
能性のあるポップアウト及びその原因物
質と考えられる生石灰の粒等,並びに外
観等を害する可能性のある両性金属類等
に関する規定がなかったので,規定した。
4
A
5031
:
20
10